JP2687806B2 - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物

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JP2687806B2
JP2687806B2 JP4008603A JP860392A JP2687806B2 JP 2687806 B2 JP2687806 B2 JP 2687806B2 JP 4008603 A JP4008603 A JP 4008603A JP 860392 A JP860392 A JP 860392A JP 2687806 B2 JP2687806 B2 JP 2687806B2
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秀之 梅津
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアミド樹脂とポリ
アミドオリゴマー、無機結晶核剤及び/または脂肪酸金
属塩からなる、ハイサイクル性及び機械的性質特に低温
での耐折れ曲げ性に優れたポリアミド樹脂組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂は、優れた機械特性を始
めとして、耐摩耗性、電気的特性、耐薬品性及び加工性
などを有するため、エンジニアリングプラスチックとし
て広く用いられている。しかし、産業の高度化に伴って
ポリアミド樹脂に要求される諸物性もいっそう向上し、
かつ多様化している。
【0003】近年、高度化かつ多様化した要求特性の代
表的なものにハイサイクル性向上、低温での機械特性の
向上などがある。ハイサイクル性が向上すれば、成形周
期を短くすることが可能となり、生産性を向上すること
ができる。
【0004】ハイサイクル性向上の手段としては、ポリ
アミド樹脂の結晶化速度を向上したり、金型からの離型
性を向上させたりすることによって達成が可能である。
【0005】ポリアミド樹脂の結晶性向上のためには、
タルクに代表される無機結晶核剤の添加する方法。ま
た、離型性の改良、および可塑化性の改良を目的とし
て、ポリアミドに、エチレンビスアミド(特公昭44−
9825)、ビスウレイド(特公昭48−6177号公
報、特開昭53−126056号公報)、ステアリン酸
エステル(特開昭55−31803号公報)、脂肪族カ
ルボン酸系物質(特開昭54−103460号公報)な
どを配合する方法、流動性の改良を目的としてアミド化
合物(特公昭49−9618号公報)を配合する方法が
提案されている。
【0006】また、ポリアミド樹脂の応用展開の多様化
にともなって、低温での耐折れ曲げ性に代表される低温
機械特性の向上要求がある。この改良方法としてポリア
ミドの末端を40%以上封鎖(特公平3−23093号
公報)、55%以上封鎖(特公平3−23094号公
報)することなどが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、離型性
の改良、および可塑化性の改良を目的とした上記の方法
は、成形サイクルの短縮、離型性の向上が、いまだ満足
すべきものではなく、また、伸度に代表される靭性が著
しく低下するという問題もあった。
【0008】例えば、タルクを核剤として添加した場合
には、確かに結晶化速度は向上するものの靭性も低下
し、またいわゆる突き出しピンによる変形も発生しやす
いとという問題があった。この問題は、無機結晶核剤と
離型剤を同時に添加することによっても必ずしも改良さ
れるものではなかった。
【0009】ポリアミドの末端を封鎖する方法は確かに
低温折り曲げ性や離型性は改善されるものの、剛性が低
下し、また重合度が上昇し難く生産性があまり良好とは
言えない。
【0010】そこで本発明は、流動性、結晶性、離型性
をさらに改善しつつ、優れた機械特性、特に低温での折
れ曲げ性、剛性に優れた射出成形用ポリアミド樹脂組成
物の取得を課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(A)ポリアミド樹脂、(B)末端に炭素数5〜30の
炭化水素基を有する分子量5000以下のポリアミドオ
リゴマーならびに(C)無機結晶核剤および/または
(D)脂肪酸金属塩からなる組成物で、(A)100重
量部に対し、(B)0.001〜10重量部(C)+
(D)を0.005〜5重量部で構成されるポリアミド
樹脂組成物を提供するものである。
【0012】つまり本発明者らは、ポリアミド樹脂にポ
リアミドオリゴマーと無機結晶核剤を配合した場合、ま
たはポリアミド樹脂にポリアミドオリゴマーと脂肪酸金
属塩を配合した場合、またはポリアミド樹脂にポリアミ
ドオリゴマーと無機結晶核剤および脂肪酸金属塩を配合
した場合に限って、ポリアミド樹脂にポリアミドオリゴ
マーのみを配合した場合、ポリアミド樹脂に無機結晶核
剤のみを配合した場合、ポリアミド樹脂に脂肪酸金属塩
のみを配合した場合からは到底予測のできない効果を発
現することを見いだし、本発明に到達した。
【0013】すなわち、ポリアミド樹脂にポリアミドオ
リゴマーのみを配合しただけでは、得られた成形品の強
度、靭性などの改良効果が見られず、耐突き出し変形性
もやや不良である。ポリアミド樹脂に無機結晶核剤のみ
を配合した場合、靭性は不良で、耐突き出し変形性もや
や不良である。ポリアミド樹脂に脂肪酸金属塩のみを配
合した場合についても、得られた成形品の強度、靭性な
どは良好となるものの、耐突き出し変形性が不良となる
などポリアミドにポリアミドオリゴマー、無機結晶核
剤、脂肪酸金属塩などを単独で添加した場合には必ずし
も満足のいく特性向上は得られなかった。
【0014】しかしこれに対して、ポリアミド樹脂にポ
リアミドオリゴマーと無機結晶核剤を配合した場合、靭
性は優良または良好、耐突き出し変形性も良好となる。
また、ポリアミド樹脂にポリアミドオリゴマーと脂肪酸
金属塩を配合した場合にも、得られた成形品の強度、靭
性が優良となり、耐突き出し変形性も良好となることを
見いだした。
【0015】このポリアミドオリゴマーと無機結晶核剤
の併用効果あるいは、ポリアミドオリゴマーと脂肪酸金
属塩の併用効果は、ポリアミドオリゴマー、無機結晶核
剤、脂肪酸金属塩、それぞれの単独添加の結果からは到
底予測できるものではなかった。
【0016】なお、ポリアミド樹脂にポリアミドオリゴ
マー、無機結晶核剤および脂肪酸金属塩を配合したもの
は、結晶性、得られた成形品の強度、靭性、成形時の耐
突き出し変形性のいずれについても優れた性能を発揮す
ることは言うまでもない。
【0017】つまり、本発明の特徴はポリアミドとポリ
アミドオリゴマー、無機結晶核剤および/または脂肪酸
金属塩で構成することにより、流動性、結晶性、離型性
を向上させ、かつ機械特性、特に低温での折れ曲げ性、
剛性に優れた材料を見出した点にある。
【0018】以下、本発明について詳しく述べる。
【0019】本発明に用いるポリアミドとしては、例え
ば環状ラクタムの開環重合物、アミノカルボン酸の重縮
合物、二塩基酸とジアミンとの重縮合物などが挙げら
れ、具体的にはナイロン6、ナイロン4・6、ナイロン
6・6、ナイロン6・10、ナイロン6・12、ナイロ
ン11、ナイロン12などの脂肪族ポリアミド、ポリ
(メタキシレンアジパミド)、ポリ(ヘキサメチレンテ
レフタルアミド)(以下6Tと略することがある)、ポ
リ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)(以下6Iと略
することがある)、ポリ(テトラメチレンイソフタルア
ミド)(以下4Iと略することがある)などの脂肪族−
芳香族ポリアミド、およびこれらの共重合体(例えばナ
イロン6/6T、ナイロン66/6T、ナイロン6T/
6I)や混合物を挙げることができる。特に本発明に好
適なポリアミドとしてはナイロン6、ナイロン6・6、
ナイロン6/6・6を挙げることができる。
【0020】リアミド樹脂の重合度については、特に
限定されないがJIS K6810に従って98%硫酸
中濃度1%、25℃で測定する相対粘度(ηr)が重合
安定性の点から1.7以上、加工性の点から4.5未
満、特に2.0以上4.0未満、さらに2.0以上3.
5未満であることが好ましい。本発明に用いるポリアミ
ドの重合方法は特に限定されず、溶融重合、界面重合、
溶液重合、塊状重合、固相重合、およびこれらの方法を
組み合わせた方法を利用することができる。通常、溶融
重合が好ましく用いられる。
【0021】本発明において用いられる末端および分子
量の制限されたポリアミドオリゴマーとは、分子量調節
剤とともにラクタム、アミノカルボン酸、二塩基酸/ジ
アミンの重縮合によって得られるものである。ポリアミ
ドオリゴマーのポリアミド部分の原料としては、ピロリ
ドン、ピペリドン、カプロラクタム、エナントラクタ
ム、カプリルラクタム、ラウリルラクタム、グリシン、
β−アラニン、4−アミノブチル酸、5−アミノペンタ
ン酸、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、
9−アミノナノン酸、11−アミノウンデカン酸、マロ
ン酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン
酸、フタル酸、テレフタル酸、シクロへキサンジカルボ
ン酸、エチレンジアミン、1,3(1,2)−ジアミノ
プロパン、テトラエチレンジアミン、ヘキサメチレンン
ジアミン、ナノメチレンジアミン、ウンデカメチレンジ
アミン、ドデカメチレンジアミン、メタキシリレンジア
ミン、パラキシリレンジアミン、イソホロンジアミンな
どが挙げられ、これらの1種または2種以上を用いる。
【0022】これらの原料から得られるポリアミドオリ
ゴマーのうち、二塩基酸/ジアミンの組み合せで得られ
るポリアミドオリゴマーがより好ましく、さらに二塩基
酸またはジアミンの双方または一方の炭素数が4以下で
あることが好ましい。
【0023】また本発明のポリアミドオリゴマーが末端
に持つ炭素数5〜30の炭化水素基としては、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、エチルヘキシル基、ノニ
ル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデ
シル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシ
ル基、エイコシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、
トルイル基、ベンジル基、β−フェニルエチル基などが
代表的に挙げられる。これらの炭化水素基はポリアミド
オリゴマーの製造時にカルボン酸、および/またはアミ
ンを分子量調節剤として添加することによって導入され
る。これらの分子量調節剤の具体的な例としては、エナ
ント酸、カプリル酸、ウンデカン酸、ラウリル酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、シ
クロへキサンカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、フェ
ニル酢酸、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ノニルア
ミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、オクタデシル
アミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、β−
フェネチルアミンなどが挙げられる。
【0024】本発明の末端および分子量の制限されたポ
リアミドオリゴマーは、先述のポリアミド部分の原料と
分子量調節剤とをともに加熱反応させることによって得
られる。加熱温度は通常160〜320℃、好ましくは
180〜300℃である。
【0025】またポリアミドオリゴマーの全ての末端に
炭化水素基が付加している場合に本発明の効果が最大限
に発現するものの、必ずしも全ての末端に炭化水素基が
付加している必要はなく、少なくともポリアミドオリゴ
マーの末端の40%以上の末端、好ましくは50%、よ
り好ましくは60%以上の末端に炭化水素基が付加して
いれば本発明の効果が得られる。
【0026】本発明に用いられるポリアミドオリゴマー
の分子量は5000以下、好ましくは3000以下、よ
り好ましくは1500以下である。分子量が5000を
越える場合には、ポリアミドオリゴマーの製造が困難に
なるばかりか、離型性、物性の改良効果が得られない。
また分子量の下限は特に限定されない。
【0027】本発明においては、ポリアミドオリゴマー
を用いる場合のみ無機結晶核剤や脂肪酸金属塩との特異
的な併用効果が発現するという特徴がある。
【0028】従来より、エチレンビスステアリルアミド
(EBS)に代表されるビスアミドがハイサイクル化に
有効であるとされてきたが、実施例中で示すようにこの
ようなビスアミドでは無機結晶核剤や脂肪酸金属塩との
特異的な併用効果は得られなかった。
【0029】本発明者らは、この点においても従来の技
術では予測のできない事象を新たに見いだしたものであ
る。
【0030】すなわち、本発明においては、N,N’−
ビスステアリルコハクアミドのような二塩基酸とモノア
ミン酸とのアミドやEBSのようなジアミンとモノカル
ボン酸とのアミドは、末端および分子量の制限されたポ
リアミドオリゴマーには含まれないものと判断する。な
お、EBSに代表されるアミド結合の数が分子内に2つ
以内のアミド類とポリアミドオリゴマーとをさらに併用
することによっては本発明の特異な効果は消失するもの
ではなく、これらを併用することにより本発明の効果を
損なわずに本発明に使用するポリアミドオリゴマーの添
加量を減少させることもできる。
【0031】本発明において、末端および分子量の制限
されたポリアミドオリゴマーの配合割合は、ポリアミド
樹脂100重量部に対し、0.001〜10重量部、好
ましくは0.005〜5重量部、より好ましくは0.0
1〜2重量部の範囲で用いられる。0.001重量部未
満の場合、諸特性の改善効果が見られず、また10重量
部を越えると、流動性、離型性は改善されるものの、成
形時にガスが発生し成形品の外観を損ねたり、機械特性
が低下するので好ましくない。
【0032】本発明に用いる無機結晶核剤としては、特
に限定されないが、硫酸バリウム、燐酸三カルシウム、
炭酸カルシウム、燐酸ソーダ、螢石、アルミニウム硅酸
塩やマグネシウム硅酸塩などの珪酸塩が好ましく用いら
れる。アルミニウム硅酸塩やマグネシウム硅酸塩の例と
しては、カオリン、マイカ、タルクなどがある。特にタ
ルク、マイカ、カオリン、燐酸ソーダが本発明には有効
である。核剤の添加により、通常結晶化速度の上昇が認
められる。また、特に規定はないが、核剤の平均粒径は
10μm以下、好ましくは8μm以下、さらに好ましく
は5μm以下である。粒径が大きくなると補強効果が低
下するので好ましくない。
【0033】本発明に用いる脂肪酸金属塩としては、炭
素数10以上25未満、特に12以上22未満の脂肪酸
と、周期律表第I〜III 族の金属とから得られる脂肪酸
金属塩が好ましい。
【0034】脂肪酸の例としては、ステアリン酸、バル
ミチン酸、オレイン酸、アラギン酸、ベヘニン酸などを
挙げることができ、金属の例としては、亜鉛、カルシウ
ム、リチウム、アルミニウム、バリウムなどを挙げるこ
とができる。
【0035】前記の脂肪酸金属塩の例としては、例え
ば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステ
アリン酸リチウム、ステアリン酸アルミニウム、ステア
リン酸バリウムなどが好適に使用される。
【0036】本発明において、無機結晶核剤と脂肪酸金
属塩の配合量は、ポリアミド樹脂100重量部に対し、
合わせて0.005〜5重量部、好ましくは0.005
〜3重量部、より好ましくは0.01〜2重量部の範囲
で用いられる。これらの使用により、良好な離型性が得
られ、成形の際に突き出しピンによる変形が防止でき
る。これらが5重量部を越えると得られた材料が脆くな
るので、好ましくない。
【0037】本発明の組成物の製造方法は、特に限定さ
れず、ポリアミド重合時に添加する方法、重合後のドラ
イブレンドおよびペレット表面付着する方法、無機結晶
核剤と脂肪酸金属塩を重合時に、ポリアミドオリゴマー
を重合後に添加する方法、溶融混練による方法、ポリア
ミドオリゴマーと無機結晶核剤および/または脂肪酸金
属塩の濃縮物ペレットを溶融混練により作成し、その濃
縮物ペレットをドライブレンドする方法などいずれの方
法で製造してもよい。溶融混練の方法としては、公知の
方法、例えばバンバリーミキサー、ミキシングロール、
単軸あるいは2軸の押出機などを使用して溶融混練し、
混合体のペレットを得ることができる。
【0038】本発明のポリアミド樹脂組成物はその成形
性、物性を損なわない程度に他の成分、例えば本発明以
外のポリアミド成分、銅化合物、熱安定剤、耐候剤、無
機充填剤、補強剤、酸化防止剤、耐衝撃性改良剤、顔
料、滑剤、難燃剤などを添加導入することが出来る。
【0039】本発明により得られる組成物は、ポリアミ
ド樹脂が本来有する優れた特性を損なうことなく、ポリ
アミド樹脂に不足していた新たな特性が付与された樹脂
組成物であり、良好な結晶性や良好な耐突き出し変形性
などから、射出成形用途に最も適している。このような
射出成形によって得られる製品としては、スイッチ類、
超小型スライドスイッチ、DIPスイッチ、スイッチの
ハウジング、ランプソケット、結束バンド、コネクタ、
コネクタのハウジング、コネクタのシェル、ICソケッ
ト類、コイルボビン、ボビンカバー、リレー、リレーボ
ックス、コンデンサーケース、モーターの内部部品、小
型モーターケース、ギヤ・カム、ダンシングプーリー、
スペーサー、インシュレーター、ファスナー、バック
ル、ワイヤークリップ、自転車用ホイール、キャスタ
ー、端子台、電動工具のハウジング、スターターの絶縁
部分、キャニスター、ヒューズボックス、エアクリーナ
ーケース、エアコンファン、ターミナルのハウジング、
ホイールカバー、ベアリングリテーナー、シリンダーヘ
ッドカバー、インテークマニホールド、ウォターパイプ
インペラ、クラッチレリーズベアリングハブ、スピーカ
ー振動板、耐熱容器、電子レンジ部品、炊飯器部品、プ
リンターリボンガイドなどに代表される電気・電子関連
部品、自動車・車両関連部品、家庭・事務電気製品部
品、コンピュータ関連部品、ファクシミリ・複写機関連
部品、機械関連部品などが挙げられ、その他各種用途に
有用である。
【0040】
【参考例】耐圧30kg/cm2のオートクレーブに表−1に
示す原料を仕込み窒素雰囲気にして密閉加圧下、180
℃まで昇温した。180℃到達の後、管内温度を維持し
たまま放圧を行い、3時間かけて管内圧を大気圧にし
た。 この後徐々に昇温しながら窒素気流下1時間反応
を続けた。
【0041】冷却の後内容物を粉砕しA−Fのポリアミ
ドオリゴマーを得た。ポリアミドオリゴマーの分子量
は、α−クロロナフタレンまたはヘキサフルオロイソプ
ロパノールを溶媒としてGPC分析して算出した。
【0042】また同様にして比較例G、Hの脂肪族アミ
ド化合物も製造した。
【0043】
【表1】
【0044】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳述す
るが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に
限定されるものではない。なお、各評価については、次
に述べる方法にしたがって測定した。
【0045】(1)引張特性 ASTM D−638に従って測定した。
【0046】(2)曲げ特性 ASTM D−790に従って測定した。
【0047】(3)結晶性 DSC(PERKIN−ELMER7型)で融点(T
m)および結晶化温度(Tc)を測定し結晶性を調べ
た。条件は、昇温20℃/min、Tm+20℃で5分
間保持、降温20℃/min、Tc−20℃で5分間保
持、昇温20℃/minで行なった。サンプル量は約8
mgとした。
【0048】(4)流動性 射出成形機(シリンダー温度:ナイロン6、240℃、
ナイロン66、280℃、金型温度:80℃)を用い、
1mm厚の流動長試験片を樹脂圧1000kg/cm2で成形
し、試験片のスパイラル流動長を測定した。
【0049】(5)離型性 射出成形機(シリンダー温度:ナイロン6、240℃、
ナイロン66、280℃、金型温度:80℃)を用い、
圧力センサー付箱型成形品(長さ100mm、幅60m
m、高さ25mm、肉厚2mm)を成形し、突き出しピ
ンによる突き出しの際の力を圧力センサーにより測定
し、10ショットの平均を離型力として示した。
【0050】(6)耐突き出し変形性 射出成形機(シリンダー温度:ナイロン6、240℃、
ナイロン66、280℃、金型温度:80℃)を用い、
帽子型成形品(上部2mmφ、下部3mmφ、16個
付)を成形し、突き出しピンによる突き出しの際の変形
割合を測定し、10ショットの平均を突き出し変形率と
して示した。
【0051】実施例1〜7 ナイロン6(ηr =2.6)およびナイロン66(ηr
=2.62)にポリアミドオリゴマー(A〜F)、無機
結晶核剤、脂肪酸金属塩を表2の記載量ドライブレンド
した後、30mmφ2軸押出機で混練後、乾燥、成形
し、試験片を得た。評価結果を表2に示す。
【0052】表2より明らかなように、表面外観、流動
性、離型性が良好でさらに機械特性、特に剛性が高いに
も関わらず引張伸びが低下しない、良好な材料が得られ
た。
【0053】
【表2】 比較例1〜2 実施例と同様のナイロンにポリアミドオリゴマー(G〜
H)、無機結晶核剤、脂肪酸金属塩を表2の記載量を実
施例と同様の方法で試験片を得て、同様の評価を行っ
た。
【0054】表面外観は良好であったが、流動性、機械
特性、離型性、耐突き出し変形性は十分とは言えなかっ
た。
【0055】比較例3〜11 実施例と同様な方法で評価を行ったが、ポリアミドオリ
ゴマーの配合量が多いもの(比較例3)は、流動性、離
型性、耐突き出し変形性は良好なものの剛性が低下し、
表面外観も悪かった。ポリアミドオリゴマーを配合しな
かったもの(比較例4)は、本発明の組成物より機械特
性が低く、流動性、離型性、耐突き出し変形性が良好と
は言えなかった。無機結晶核剤、脂肪酸金属塩の量が多
いもの(比較例5)は、流動性は良好なものの機械特性
が低下し、外観も悪く、離型性に関しては成形品が割れ
てしまい、測定不能であり、耐突き出し変形性も100
%変形した。無機結晶核剤のみを配合したもの(比較例
6)は、結晶性は良好なものの、機械特性の向上がみら
れず、引張伸び(靭性)、離型性、耐突き出し変形性と
もに良好とは言えず、この結果から実施例2の好結果、
とくに靭性の大巾改良は全く予測もつかなかった。ポリ
アミドオリゴマーのみを配合したもの(比較例7)は、
離型性は改良されるものの、機械特性の向上は見られ
ず、耐突き出し変形性も100%変形し、実施例2およ
び実施例6で得られた結果、特に成形品の強度、耐突き
出し変形性などは全く予想もつかないものであった。ポ
リアミドオリゴマーのかわりにEBAを配合したもの
(比較例8)は、ポリアミドオリゴマーを配合したもの
(比較例7)よりも全体的に悪かった。ポリアミドオリ
ゴマーのかわりにEBAと無機結晶核剤を配合したもの
(比較例9)は、結晶性は改良されるものの、引張伸び
(靭性)が低下し、離型性、耐突き出し変形性が若干改
良されるものの十分とは言えなかった。脂肪酸金属塩の
みを配合したもの(比較例10)は、機械特性は向上す
るものの結晶性、流動性、離型性、耐突き出し変形性は
良好とは言えず、実施例6で得られた結果、特に離型
性、流動性などは全く予測のつかないものであった。ポ
リアミドオリゴマーのかわりにEBS、脂肪酸金属塩を
配合したもの(比較例11)は、結晶性、離型性、耐突
き出し変形性が十分とは言えなかった。
【0056】
【表3】
【0057】
【発明の効果】本発明のポリアミド組成物は、流動性、
離型性が良好で成形サイクルを短縮することができ、生
産性を著しく向上させることができるとともに得られた
成形品は良外観で機械特性的にも優れたものを得ること
ができる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリアミド樹脂、(B)末端に炭素
    数5〜30の炭化水素基を有する分子量5000以下の
    ポリアミドオリゴマーならびに(C)無機結晶核剤およ
    び/または(D)脂肪酸金属塩からなる組成物で、
    (A)100重量部に対し、(B)0.001〜10重
    量部(C)+(D)を0.005〜5重量部で構成され
    るポリアミド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】射出成形用である請求項1記載のポリアミ
    ド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項2記載のポリアミド樹脂組成物を射
    出成形してなる成形品。
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