JPH07157557A - 生分解性ポリエステルアミド共重合体の製造方法 - Google Patents

生分解性ポリエステルアミド共重合体の製造方法

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JPH07157557A
JPH07157557A JP30787193A JP30787193A JPH07157557A JP H07157557 A JPH07157557 A JP H07157557A JP 30787193 A JP30787193 A JP 30787193A JP 30787193 A JP30787193 A JP 30787193A JP H07157557 A JPH07157557 A JP H07157557A
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豊 常盤
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Yoshiaki Iwaya
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喜久美 中道
Tsuneo Tamura
恒雄 田村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 実用的に優れた物性および高い生分解性を有
するポリエステルアミド共重合体の製造方法を提供す
る。 【構成】 脂肪族ポリエステルと脂肪族ポリアミドの混
合物を水の共存下で加熱溶融して前記脂肪族ポリエステ
ル及び脂肪族ポリアミドに比べて低い融点を有する物質
が得られるまでエステル−アミド交換反応を行った後、
減圧下で重合させることを特徴とする生分解性ポリエス
テルアミド共重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生分解性を有する脂肪族
ポリエステルアミド共重合体の新規な製造方法に関する
ものであり、さらに詳しくはエステル−アミド交換反応
効率が高い高重合度の脂肪族ポリエステルアミドの製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、生分解性を有する合成高分子の研
究開発が盛んに進められ、医療分野をはじめ、昨今の環
境保全および廃プラスチック処理問題とも関連して農林
業用分野および一般包装用等の幅広い分野で応用されつ
つある。その中でも、脂肪族ポリエステルは一般に種々
のリパーゼや豚肝臓エステラーゼによって加水分解され
ることが知られている[ネーチャー(Nature)、Vol.
270、11月3日、76、1977]。しかし、この
ような脂肪族ポリエステルは生分解性を示すが、融点が
低く、一般に高分子量体が得られ難いため、耐熱性や強
度等の点で実用性に欠き、容器、フィルム、繊維等の広
範囲の分野で汎用樹脂として利用し得るものではなかっ
た。
【0003】これらの問題を解決するため、優れた生分
解性を有する脂肪族ポリエステルと優れた物性を有する
ポリアミドからエステル−アミド交換反応によってポリ
エステルアミド共重合体を形成し、耐熱性、強度等の物
性および生分解性が共に優れたポリマ−を得ようとする
試みがなされた(特公昭57−26688号公報)。ま
た、脂肪族エステル成分をラクトン化合物とし、これと
脂肪族ポリアミドとを溶融状態で反応させ、環状ラクト
ンの開環重合の後にエステル−アミド交換反応を行うこ
とによってポリエステルアミド共重合体を得ようとする
試みもなされた(特開平4−36320号公報)。これ
らの方法では、エステル−アミド交換反応は、脂肪族ポ
リアミドおよび脂肪族ポリエステルの融点(特に、脂肪
族ポリエステルの融点)に比べてかなり高温域で行うた
め、所望の生成物を得るまでの熱履歴でエステル成分お
よび/またはアミド成分の熱分解が生じて共重合体の分
子量が著しく低下し、十分な力学物性を持ったポリエス
テルアミド共重合体が得られ難いという問題があった。
【0004】また、脂肪族ポリエステルの生分解性と脂
肪族ポリアミドの耐熱物性を兼ね備えた生成物を得ると
いう目的で、脂肪族ポリエステルと脂肪族ポリアミドの
溶融混合物を製造する試み(特開平4−234458号
公報)もなされたが、高分子量のポリアミドについては
生分解性が認められず、得られた組成物にも完全な生分
解性は認められない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記点に鑑
み、実用的に優れた耐熱性、強度等の物性を有し、か
つ、高い生分解性を有する生分解性ポリエステルアミド
共重合体の製造方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、脂肪族ポリ
エステルと脂肪族ポリアミドの混合物に水共存下で所定
の重合処理を施すことにより、従来技術に比べて分子量
が高く、分子量分布の狭い脂肪族ポリエステルアミド共
重合体が製造できることを見い出し、本発明を完成する
に至った。
【0007】すなわち、本発明は、脂肪族ポリエステル
と脂肪族ポリアミドの混合物を水の共存下で加熱溶融し
て前記脂肪族ポリエステル及び脂肪族ポリアミドに比べ
て低い融点を有する物質が得られるまでエステル−アミ
ド交換反応を行った後、減圧下で重合させることを特徴
とする生分解性ポリエステルアミド共重合体の製造方法
を要旨とするものである。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本明細書に
おいて、脂肪族ポリエステルおよび脂肪族ポリアミドの
「脂肪族」とは、そのポリマー分子中に芳香族環を有さ
ないことを意味する。したがって、ポリエステルおよび
ポリアミドを合成する際に使用するモノマーは全て芳香
族環を有さない脂肪族(脂環族を含む)モノマーであ
る。本発明に用いる脂肪族ポリエステルとしては、直鎖
脂肪族ポリエステルおよび側鎖脂肪族ポリステルのいず
れも使用することができ、その構造は特に限定されな
い。ポリエステルは公知のいずれの方法で得てもよく、
例えば、ジオールとジカルボン酸との重合、ヒドロキシ
基を有するカルボン酸の重合、カプロラクトンの開環重
合、微生物により産生されたもの等が挙げられる。
【0009】直鎖脂肪族ポリエステルとしては、例え
ば、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、ポリ−3−
ヒドロキシプロピオネート、ポリ−4−ヒドロキシブチ
レート、ポリ−5−ヒドロキシバリレート、ポリ−7−
ヒドロキシヘプタノエート、ポリ−8−ヒドロキシオク
タノエート、ポリ−9−ヒドロキシノナノエート、ポリ
−10−ヒドロキシデカノエート、ポリ−11−ヒドロ
キシウンデカノエート、ポリ−12−ヒドロキシドデカ
ノエート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサ
クシネート、ポリエチレンオキサレート、ポリブチレン
オキサレート、ポリエチレンセバケート、ポリジエチレ
ンセバケート、ポリメチルエチレンアジペート、ポリメ
チルエチレンセバケート、ポリテトラメチレンサクシネ
ート、ポリテトラメチレンアジペート、ポリヘキサメチ
レンアジペート、ポリプロピレンオキサレート等が挙げ
られる。
【0010】側鎖脂肪族ポリエステルとしては、例え
ば、ポリラクチド、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、
ポリ−3−ヒドロキシバリレート、ポリ−3−ヒドロキ
シカプロエート、ポリ−3−ヒドロキシヘプタノエー
ト、ポリ−3−ヒドロキシオクタノエート、ポリ−3−
ヒドロキシノナノエート、ポリ−3−ヒドロキシデカノ
エート、ポリ−3−ヒドロキシドデカノエート、ポリ−
3−メチル−5−ヒドロキシバリート、ポリピバロラク
トン、ポリ−3,3−ジメチルプロピレンオキサレー
ト、ポリ−3,3−ジメチルプロピレンアジペート等が
挙げられが、これらに限定されるものではない。しかし
ながら、生分解性の面からは、置換基は炭素数1〜9の
アルキル基であることが好ましい。これら脂肪族ポリエ
ステルは単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用い
ることができる。
【0011】本発明に用いる脂肪族ポリアミドは直鎖脂
肪族ポリアミドまたは側鎖脂肪族ポリアミドのいずれで
もよい。ポリアミドは公知の方法で製造されるものであ
ってよく、例えば、ジカルボン酸とジアミンとの重合ま
たはカプロラクタムの開環重合等が一般的である。好適
な脂肪族ポリアミドの例としては、ナイロン6、ナイロ
ン6,6、ナイロン11、ナイロン12等が挙げられ
る。これらは単独で、あるいは2種以上を組み合わせて
用いることができる。
【0012】これらの原料ポリエステルおよびポリアミ
ドについては、特にその分子量は限定されず、市販のも
のをそのまま用いることもできる。脂肪族ポリエステル
の数平均分子量は500〜500000、特に好ましく
は4000〜100000程度である。脂肪族ポリアミ
ドの数平均分子量は500〜50000、特に好ましく
は10000〜25000である。
【0013】ポリエステルに対するポリアミドの含量が
大きい程、優れた物性を有する共重合体が得られるが、
その含量が多すぎるとアミド結合濃度が高くなり、分子
相互の結合力が強くなってその生分解性は悪くなる。し
たがって、ポリエステルとポリアミドの合計に対するポ
リアミド含量は90モル%以下にするのが好ましい。実
用的な物性を有する共重合体を得るためには、ポリアミ
ド含量は5モル%以上にするのが好ましい。さらに好ま
しくは、ポリアミドの含量は10〜70モル%である。
【0014】水の添加量はエステル交換反応および/ま
たはエステル−アミド交換反応の反応速度に関与する因
子として重要であり、一般に共重合体構成ユニット単位
総数に対し、100〜1モル%、特に好ましくは30〜
4モル%程度を添加することが好ましい。これは添加さ
れた水がポリエステルおよび/またはポリアミドの解重
合反応に供されるためである。したがって水の添加量が
多すぎる場合、沸点の低い解重合体の割合が高くなり、
減圧工程においてこれら解重合体の留出割合が高くなる
ことによりポリマー収率が低くなるというマイナスの効
果となる。一方、水の添加量が少なすぎる場合では、エ
ステル交換および/またはエステルーアミド交換反応速
度の向上は認められず、減圧工程を行っても高分子量共
重合体を得ることができない。
【0015】本発明を実施する場合、1種または2種以
上の脂肪族ポリエステルと1種または2種以上の脂肪族
ポリアミドの混合物を、水の共存下、不活性ガス中で加
熱溶融して撹拌し、原料ポリマー(脂肪族ポリエステル
及び脂肪族ポリアミド)の融点に比べて明確に低い融点
を有する生成物ポリマーが得られるまで反応を行った
後、減圧下で重合する。本発明において、融点を測定す
るには、パーキン・エルマー(PERKINELME
R)社製示差走査熱量計DSC7を用ればよい。このと
き、「低い融点」とは生成物ポリマーが原料ポリマー
(脂肪族ポリエステル及び脂肪族ポリアミドの混合物)
よりも少なくとも5℃低い融点、より好ましくは少なく
とも10℃低い融点を有することを意味する。加熱温度
は、原料ポリマーが均一に溶解する温度以上であればよ
く、あまり高すぎると原料ポリマーが熱分解する恐れが
あり、好ましくない。
【0016】この場合、触媒として無水酢酸亜鉛、ステ
アリン酸亜鉛、安息香酸亜鉛、テトラ−n−ブチルチタ
ネートなどの慣用のエステル交換触媒を用いてもよく、
反応系を撹拌することによりエステルアミド交換反応速
度を高めることができる。
【0017】水共存下では、主にポリエステルとポリア
ミドの混合物の解重合反応による低分子化が起こり、こ
れに連続してあるいは競争してエステルーアミド交換反
応が進行し、反応時間の経過とともにエステルーアミド
交換反応割合が増加し、原料ポリエステルおよびポリア
ミドよりも分子量の著しく低い低分子量のエステルブロ
ックと低分子量のアミドブロックが多数交互結合した共
重合体が得られる。
【0018】本発明は共存した水による解重合反応に特
徴を有するものであり、これによりポリエステルとポリ
アミドとの溶融混合体の溶融粘性は反応初期段階で速や
かに低下し、水を共存させない従来法(特公昭57ー2
6688号公報)に比べて交換反応効率が大きく向上す
る。さらに原料ポリマーに比べて明確に低い融点を有す
る共重合体が得られた時点で、反応系内を減圧状態にす
ることによって、脱水反応が起こる。同時に縮合重合が
起こり、従来法に比べて非常に分子量が大きく、分子量
分布の狭いポリエステルアミド共重合体を得ることがで
きる。水成分を予め共存させないでエステルアミド交換
反応のみで共重合体の合成を行う場合、十分な交換反応
速度を有する温度範囲においては、反応時間の経過とと
もに共重合体の分子量は著しく低下する傾向にあり、熱
分解による共重合体の着色化も顕著になる。また、反応
系の減圧化に際しても、共重合体の分解、着色が著しく
加速される方向にあり、本発明に見られるような急激な
共重合体の高分子量化は起こらない。
【0019】本発明で得られるポリエステルアミド共重
合体は低分子量のエステルブロックと低分子量のアミド
ブロックが多数交互に結合した構造を有しており、原料
ポリアミドに比べて融点の低いもの程、より低分子量の
ブロックを含む。脂肪族ポリエステルアミド共重合体
は、前記構造によって生分解性を示し、また平均アミド
ブロック長が短い(低分子量である)程、特に共重合体
中のアミドブロックの平均重合度が25以下の整数の場
合において、生分解性が優れることが報告されている
(特公昭57ー26688号公報)。したがって、原料
の種類及び配合、反応温度、反応時間、触媒の種類及び
量および水の量等を変更し、生成物の融点をコントロー
ルすることにより、所望の生分解性を有するポリエステ
ルアミド共重合体を得ることができる。
【0020】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。実施例1 ポリカプロラクトン(数平均分子量80000、日本ユ
ニカー(株)製、トーン(商標)P−787)2.5k
g、ナイロン6(数平均分子量12000、ユニチカ
(株)製、A1020BRL)2.5kg、無水酢酸亜鉛
25g(0.5重量%)および水200g(4重量%)と
を加圧及び減圧可能な反応装置に入れ、窒素雰囲気下で
270℃に昇温し、撹拌しながら4時間反応を行った。
その後、装置内雰囲気を減圧状態にし、水を留出させ、
十分にトルクが上がったところで常圧に戻し、払い出し
た後に溶融反応物を放冷して、共重合体を得た。
【0021】得られた試料について、パーキン・エルマ
ー(PERKIN ELMER)社製の示差走査熱量計DSC7を用
いて融点を測定した。試料の融点は123℃であり、原
料ナイロン6に比べて約100℃低い値であった。次
に、ポリエステルに対して良溶媒であり、ポリアミドに
対して貧溶媒であるクロロホルムを用いてソックスレー
抽出を行い、可溶分と不溶分を分けた。その可溶分(回
収率12.6重量%)および不溶分(81.9重量%)
について赤外吸収スペクトル分析を行った。その結果、
可溶分および不溶分の両方とも、ポリエステル結合に基
づく吸収(1720cm-1付近)とポリアミド結合に基づ
く吸収(1640および1545cm-1付近)を示し、得
られた試料がポリエステルアミド共重合体であることが
確認された。
【0022】次に、この試料の溶液粘度(m−クレゾー
ル溶媒、濃度:0.5g/dl、測定温度:25℃)を測定
した結果、極限粘度は0.91であった。また、ウォー
ターズ(Waters)社製ALC/GPCを用いたゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(カラム:Wa
ters ultrastyragel linear
(7.8mmφ×30cm)2本、m−クレゾール溶
媒、検出器:示差屈折計、標準物質:単分散ポリスチレ
ン)による分子量測定の結果、数平均分子量が4800
0、重量平均分子量が87000、分散度が1.8であ
った。得られた共重合体の色調は良好であり、ほとんど
着色は認められなかった。
【0023】実施例2 ポリカプロラクトン(数平均分子量80000、日本ユ
ニカー(株)製、トーン(商標)P−787)1.5k
g、ナイロン6(数平均分子量12000、ユニチカ
(株)製、A1020BRL)3.5kg、無水酢酸亜鉛
25g(0.5重量%)および水200g(4重量%)を
用いる以外は実施例1と同様にして共重合体を得た。
【0024】得られた試料について、パーキン・エルマ
ー社製の示差走査熱量計DSC7を用いて融点を測定し
た。試料の融点は165℃であった。次に、実施例1と
同様にしてソックスレー抽出を行い、可溶分(回収率
5.7重量%)と不溶分(91.3重量%)について赤
外吸収スペクトル分析を行った。その結果、得られた試
料がポリエステルアミド共重合体であることが確認され
た。また、この試料の極限粘度は1.09、数平均分子
量が59000、重量平均分子量が112000、分散
度が1.9であった。得られた共重合体の色調は良好で
あり、全く着色は認められなかった。
【0025】実施例3 ポリカプロラクトン(数平均分子量80000、日本ユ
ニカー(株)製、トーン(商標)P−787)3.5k
g、ナイロン6(数平均分子量12000、ユニチカ
(株)製、A1020BRL)1.5kg、無水酢酸亜鉛
25g(0.5重量%)および水200g(4重量%)を
用いる以外は実施例1と同様にして共重合体を得た。
【0026】得られた試料について、パーキン・エルマ
ー社製の示差走査熱量計DSC7を用いて融点を測定し
た。試料の融点は104℃であった。次に、実施例1と
同様にしてソックスレー抽出を行い、可溶分と不溶分に
ついて赤外吸収スペクトル分析を行った。その結果、得
られた試料がポリエステルアミド共重合体であることが
確認された。また、この試料の極限粘度は0.90、数
平均分子量が37000、重量平均分子量が6400
0、分散度が1.7であった。得られた共重合体の色調
は良好であり、全く着色は認められなかった。
【0027】実施例4 窒素雰囲気下での加熱温度が260℃である以外は実施
例1と同様にして共重合体を得た。得られた試料につい
て、パーキン・エルマー社製の示差走査熱量計DSC7
を用いて融点を測定した。試料の融点は162℃であっ
た。次に、実施例1と同様にしてソックスレー抽出を行
い、可溶分と不溶分について赤外吸収スペクトル分析を
行った。その結果、得られた試料がポリエステルアミド
共重合体であることが確認された。また、この試料の極
限粘度は0.98、数平均分子量が51000、重量平
均分子量が92000、分散度が1.8であった。得ら
れた共重合体の色調は良好であり、全く着色は認められ
なかった。
【0028】実施例5 窒素雰囲気下での加熱温度が250℃である以外は実施
例1と同様にして共重合体を得た。得られた試料につい
て、パーキン・エルマー社製の示差走査熱量計DSC7
を用いて融点を測定した。試料の融点は186℃であっ
た。次に、実施例1と同様にしてソックスレー抽出を行
い、可溶分と不溶分について赤外吸収スペクトル分析を
行った。その結果、得られた試料がポリエステルアミド
共重合体であることが確認された。また、この試料の極
限粘度は0.94、数平均分子量が49000、重量平
均分子量が73000、分散度が1.5であった。得ら
れた共重合体の色調は良好であり、全く着色は認められ
なかった。
【0029】実施例6 ポリカプロラクトン(数平均分子量80000、日本ユ
ニカー(株)製、トーン(商標)P−787)1.8k
g、ナイロン12(数平均分子量20000)3.2k
g、無水酢酸亜鉛25g(0.5重量%)および水200g
(4重量%)を用いる以外は実施例1と同様にして共重
合体を得た。
【0030】得られた試料について、パーキン・エルマ
ー社製の示差走査熱量計DSC7を用いて融点を測定し
た。試料の融点は102℃であった。また、この試料の
極限粘度は1.04、数平均分子量が58000、重量
平均分子量が96000、分散度が1.8であった。得
られた共重合体の色調は良好であり、全く着色は認めら
れなかった。
【0031】実施例7 ポリカプロラクトン(数平均分子量80000、日本ユ
ニカー(株)製、トーン(商標)P−787)1.65
kg、ナイロン6.6(数平均分子量20000)3.3
5kg、無水酢酸亜鉛25g(0.5重量%)および水20
0g(4重量%)を用いる以外は実施例1と同様にして
共重合体を得た。
【0032】得られた試料について、パーキン・エルマ
ー社製の示差走査熱量計DSC7を用いて融点を測定し
た。試料の融点は163℃であった。また、この試料の
極限粘度は0.94、数平均分子量が51000、重量
平均分子量が79000、分散度が1.5であった。得
られた共重合体の色調は良好であり、全く着色は認めら
れなかった。
【0033】実施例8 ポリエチレンサクシネート(数平均分子量20000)
2.9kg、ナイロン6(数平均分子量12000、ユニ
チカ(株)製、A1020BRL)2.1kg、無水酢酸
亜鉛25g(0.5重量%)および水200g(4重量
%)を用いる以外は実施例1と同様にして共重合体を得
た。
【0034】得られた試料について、パーキン・エルマ
ー社製の示差走査熱量計DSC7を用いて融点を測定し
た。試料の融点は183℃であった。また、この試料の
極限粘度は0.79であった。得られた共重合体の色調
は良好であり、全く着色は認められなかった。
【0035】実施例9 ポリエチレンサクシネート(数平均分子量20000)
3.1kg、ナイロン6(数平均分子量12000、ユニ
チカ(株)製、A1020BRL)1.9kg、無水酢酸
亜鉛25g(0.5重量%)および水200g(4重量
%)を用いる以外は実施例1と同様にして共重合体を得
た。
【0036】得られた試料について、パーキン・エルマ
ー社製の示差走査熱量計DSC7を用いて融点を測定し
た。試料の融点は189℃であった。また、この試料の
極限粘度は0.99であった。得られた共重合体の色調
は良好であり、全く着色は認められなかった。
【0037】比較例1 ポリカプロラクトン(数平均分子量80000、日本ユ
ニカー(株)製、トーン(商標)P−787)2.5k
g、ナイロン6(数平均分子量12000、ユニチカ
(株)製、A1020BRL)2.5kg、及び無水酢酸
亜鉛25g(0.5重量%)とを加圧及び減圧可能な反応
装置に入れ、窒素雰囲気下で270℃に昇温し、撹拌し
ながら4時間反応を行った。その後、溶融反応物を放冷
して、共重合体を得た。
【0038】得られた試料について、パーキン・エルマ
ー(PERKIN ELMER)社製の示差走査熱量計
DSC7を用いて融点を測定した。試料の融点は165
℃であった。次に、ポリエステルに対して良溶媒であ
り、ポリアミドに対して貧溶媒であるクロロホルムを用
いてソックスレー抽出を行い、可溶分と不溶分を分け
た。その可溶分(回収率29.5重量%)および不溶分
(68.2重量%)について赤外吸収スペクトル分析を
行った。その結果、可溶分および不溶分の両方とも、ポ
リエステル結合に基づく吸収(1720cm-1付近)とポ
リアミド結合に基づく吸収(1640および1545cm
-1付近)を示し、得られた試料がポリエステルアミド共
重合体であることが確認された。
【0039】次に、この試料の溶液粘度(m−クレゾー
ル溶媒、濃度:0.5g/dl、測定温度:25℃)を測定
した結果、極限粘度は0.41であった。得られた共重
合体は極めて脆いものであった。
【0040】比較例2 反応時間が6時間である以外は比較例1と同様にして共
重合体を得た。得られた試料について、パーキン・エル
マー社製の示差走査熱量計DSC7を用いて融点を測定
した。試料の融点は146℃であった。また、この試料
の極限粘度は0.38であった。
【0041】比較例3 比較例2と同様にして6時間反応を行った後、装置雰囲
気を減圧状態にし、2時間撹拌した後、常圧に戻し、溶
融反応物を払い出し、放冷して共重合体を得た。得られ
た生成物は著しく着色しており、褐色を呈していた。こ
れは、減圧操作によって単に分解が促進されたためと考
えられる。
【0042】比較例4 反応時間が8時間であり、窒素雰囲気下での加熱温度が
250℃である以外は比較例1と同様にして共重合体を
得た。得られた試料について、パーキン・エルマー社製
の示差走査熱量計DSC7を用いて融点を測定した。試
料の融点は201℃であった。また、この試料の極限粘
度は0.68であった。この試料は比較例1に比較して
脆性が改善されているが、エステル−アミド交換反応は
ほとんど進行していないと考えられる。
【0043】比較例5 ポリカプロラクトン(数平均分子量80000、日本ユ
ニカー(株)製、トーン(商標)P−787)1.8k
g、ナイロン12(数平均分子量20000)3.2kgお
よび無水酢酸亜鉛25g(0.5重量%)を用いる以外は
比較例1と同様にして共重合体を得た。得られた試料に
ついて、パーキン・エルマー社製の示差走査熱量計DS
C7を用いて融点を測定した。試料の融点は185℃で
あった。また、この試料の極限粘度は0.39であっ
た。
【0044】比較例6 ポリエチレンサクシネート(数平均分子量20000)
2.9kg、ナイロン6(数平均分子量12000、ユニ
チカ(株)製、A1020BRL)2.1kgおよび無水
酢酸亜鉛25g(0.5重量%)を用いる以外は比較例1
と同様にして共重合体を得た。得られた試料について、
パーキン・エルマー社製の示差走査熱量計DSC7を用
いて融点を測定した。試料の融点は185℃であった。
また、この試料の極限粘度は0.39であった。
【0045】次に、実施例および比較例から得られた共
重合体についての生分解性評価および物性評価を行った
結果について説明する。試験例1 脂肪族ポリエステルアミド共重合体は、前述したよう
に、低分子量のエステルブロックと低分子量のアミドブ
ロックが交互に共重合することによって生分解性を示
し、また平均アミドブロック長が短い程、共重合体の融
点が低くなると共に、共重合体中のアミドブロックの平
均重合度が25以下の整数の場合において、生分解性が
優れることが報告されている(特公昭ー26688号公
報)。
【0046】実施例の共重合体の融点は、いずれも原料
ポリアミドに比べて大きく低下しており、測定の結果に
よって、平均アミドブロック長が20以下であることが
確認されている。したがって、実施例の共重合体は、い
ずれも優れた生分解性を有すると言える。
【0047】さらに、実施例に示した共重合体の生分解
性を評価するため、それぞれの共重合体のフィルムを土
壌中に3ヶ月間埋め、形状観察を行った。その結果、実
施例の共重合体はいずれもフィルム上にカビ(糸状菌)
が生え、かつ無数の微細な穴があいており、フィルム形
状は明らかに崩れているのが観察された。したがって、
本発明で得られた共重合体は生分解性に優れていること
がわかる。
【0048】試験例2 実施例および比較例より得られた共重合体フィルムの引
張強度を測定した。その結果を表1に示す。表1より明
らかなように、本発明で得られた共重合体は引張強度に
優れている。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、優れた物性を有する生
分解性ポリエステルアミド共重合体を得ることができ
る。本発明で得られた共重合体は、土壌などの自然環境
中で完全に分解されるとともに、引張強度、耐熱性(融
点)等の物性も良好で、使い捨ての容器、コップ、シー
ト、袋、紐、フィルム、繊維、コーティング剤、バイン
ダー、成形品等に使用することができる。さらに医薬分
野では、その生分解性を利用して手術用の糸や体内にお
ける徐放化薬剤担体として利用し得るものであるが、こ
れに限られるわけではなく広い分野での応用が期待でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河西 将利 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 岩屋 嘉昭 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 中道 喜久美 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 田村 恒雄 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族ポリエステルと脂肪族ポリアミド
    の混合物を水の共存下で加熱溶融して前記脂肪族ポリエ
    ステル及び脂肪族ポリアミドに比べて低い融点を有する
    物質が得られるまでエステル−アミド交換反応を行った
    後、減圧下で重合させることを特徴とする生分解性ポリ
    エステルアミド共重合体の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997040111A1 (de) * 1996-04-18 1997-10-30 Bayer Aktiengesellschaft Kompostierbarer wasserfester überzug
WO2004060969A1 (ja) * 2002-12-27 2004-07-22 Kureha Chemical Industry Company, Limited ポリエステルアミド共重合体、その成形物およびその製造方法
CN104710623A (zh) * 2013-12-11 2015-06-17 北京化工大学 可生物降解聚酯酰胺改性聚乳酸的制备方法
CN111647143A (zh) * 2019-09-20 2020-09-11 上海浦景化工技术股份有限公司 一种用于淋膜的共聚物材料及其制备方法和应用
WO2023162303A1 (ja) * 2022-02-24 2023-08-31 Dic株式会社 ポリエステル、及び、ポリウレタン

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