JPH0715739B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0715739B2
JPH0715739B2 JP60183283A JP18328385A JPH0715739B2 JP H0715739 B2 JPH0715739 B2 JP H0715739B2 JP 60183283 A JP60183283 A JP 60183283A JP 18328385 A JP18328385 A JP 18328385A JP H0715739 B2 JPH0715739 B2 JP H0715739B2
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radiation
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啓治 古賀
佳子 土屋
和則 玉崎
勉 青山
悠一 久保田
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Description

【発明の詳細な説明】
I 発明の背景 技術分野 本発明は、特に、磁気シート上に磁気記録を行う電子カ
メラ(磁気カメラ)等の磁気シート装置に装填する磁気
シートに好適な磁気記録媒体関する。 先行技術とその問題点 従来から、取り扱いや保管等に便利なように、例えば静
止画像等の環状トラックとして磁気記録する磁気シート
ジャケット内部に収納したものが提案されている。 このような磁気シートジャケットの内部に収納された磁
気シートは、可とう性基板の両面に磁性層を塗設して、
ソリが生じないようにしている。 そして、第1図に示されるように、磁気シート1は、磁
気シート装置のチャック4に装填され、3600rpmの高速
回転を行い、凹部51を安定面とする安定部材5にて互い
の接触を規制しながら、磁気シート1に磁気ヘッド3を
押圧して 記録再生を行う。 このように、電子カメラ用の磁気シートでは、シートが
高速回転し、しかもシートの変形を伴う押圧を受けて記
録再生が行われるものであり、高い耐久性を要求され
る。 また、このような磁気シートでは、ヘッド位置とシート
変形量によって再生出力は変化するものであり、ヘッド
およびシートの接触状態によって出力変動が生じる。従
って、磁気シートは適度な剛性を持ったものでなければ
ならない。この様にして使用される磁気シートでは、磁
性層は高速度の摺動と屈曲による変形を同時に受けるた
め、従来のディスクやテープとは大きく異なった機械的
疲労を受ける。 そして、従来の磁気シートでは、耐久性の点で未だ不十
分である。 II 発明の目的 本発明の目的は、磁気シートを回転させて記録再生を行
い、しかも磁気シートとヘッドとの接触を規制するため
の安定部材を設けた磁気シート装置に用いられる磁気シ
ートなどの耐久性の要求される磁気記録媒体において、
耐久性を向上させることにある。 III 発明の開示 このような目的は以下の本発明によって達成される。 すなわち、本発明は、 基板上に、磁性粉とバインダーとを含有する磁性層を塗
設した磁気記録媒体において、 バインダーの20℃、10Hzでの力学的損失係数tanδが0.0
5以下であり、、磁性層の少なくとも記録側表面に、R1C
OOR2(ここに、R1およびR2は、それぞれ、炭素原子数10
〜22および3〜18のアルキル基である。)で示され、か
つ、融点が30℃未満の化合物が存在することを特徴とす
る磁気記録媒体である。 IV 発明の具体的構成 以下、本発明の具体的構成を図面を参照しつつ詳細に説
明する。 第2図は、本発明の磁気シートジャケットを示したもの
である。 第2図に示すように、ジャケット筐体2内には円盤状の
磁気シート1が回転自在に収納されており、このシート
上には、例えば静止画像情報等の映像信号が複数の環状
トラックを形成するように磁気記録されるようになって
いる。 このジャケット筐体2の一部には、窓部25が開口されて
おり、上記磁気シート1の一部が外部に露呈するように
なっている。 この窓部25内には、第1図に示すように、ヘッド3が挿
入され、この磁気ヘッドにより磁気シート1上に複数の
映像信号が磁気記録されるようになっている。なお、第
1図では、筐体2は省略している。 窓部25内に挿入されたその磁気ヘッドが磁気シート1の
半径方向に磁気シート1の1回転ごとに移動し、その磁
気シート1上に所定間隔を置いて環状に映像信号を磁気
記録するようになっている。 なお、磁気シート1の回転中心部には、磁気シート装置
側のチャック4回転駆動軸が挿入される駆動孔27を有す
る。 本発明の磁気シートは、ディスク状をなし、通常、基板
の両面に磁性層を有し、ソリが生じないようにされてい
る。 そして、磁性層は、可とう性の基板上に形成される。 可とう性基板の材質について、特に制限はないが、ポリ
エステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレン2,6
−ナフタレート、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリ
カーボネート、アラミド樹脂等の樹脂製のものであるこ
とが好ましく、通常は2軸延伸したポリエステルが用い
られる。 この基板の厚みは通常30〜36μmであり、より好ましく
は32〜34μmである。 また、この基板の外径は通常4.68〜4.71cmである。 このような基板の両面には磁性層が説層されるが、磁性
層は、磁性粉をバインダー中に分散させた磁性塗料を基
板上に塗布して形成される。 バインダーとしては、各種熱硬化性バインダー、各種放
射線硬化性バインダーが用いられる。 バインダーは、1種ないし2種以上の成分を硬化させた
ものであるが、硬化後のバインダーは、20℃、10Hzでの
力学的損失係数tanδが0.05以下のものである。 この場合、力学的損失係数tanδは以下のようにして測
定される。 まず測定試料を作製する。 すなわち、バインダー組成どおりの成分を溶剤、例えば
メチルエチルケトン/トルエンで希釈したラッカー液を
調整する。このラッカー液を、例えば離型紙上にバーコ
ータ等を用い、乾燥厚み30〜40μmとなるように塗布し
乾燥する。 これを、用いる硬化法に従い、放射線や熱で硬化する。 得られたフィルムを粘弾性測定装置を用い、強制振動法
により加振周波数10Hz(正弦波)、初期荷重0.25kg/mm2
にて、20℃で測定する。 このようにして測定されたtanδが0.05をこえると、耐
久性は臨界的に減少してしまう。 tanδは、0.05以下において小さいほど耐久性は向上す
る。しかし、0.03以下になると耐久性はほぼ一定の値に
収束してくるので、tanδは0.01〜0.05、より好ましく
は0.02〜0.04であることが好ましい。 さらに、硬化後のバインダーは、40℃、10Hzでの貯蔵弾
性率E′が100kg/mm2以上であることが好ましい。 この場合、貯蔵弾性率E′は、tanδと同様にして以下
のようにして測定される。 すなわち、前記と同様にして得られたフィルムを粘弾性
測定装置を用い、強制振動法により、加振周波数10Hz
(正弦波)、初期荷重0.25kg/mm2にて、40℃で測定す
る。 このようにして測定されたE′が100kg/mm2以上となる
と、耐久性が臨界的に向上する。 E′の上限値については特に制限はないが、一般に500k
g/mm2程度であるので、E′は100〜400kg/mm2であるこ
とが好ましい。 このようなtanδおよびE′を有するバインダー材質
は、熱硬化性バインダー、放射線硬化性バインダーであ
る。 この場合、バインダーに用いる熱硬化性樹脂または反応
型樹脂としては、塗布、乾燥後に加熱することにより、
縮合、付加等の反応により分子量は無限大のものとな
り、これらの樹脂のなかで、樹脂が熱分解するまでの間
に軟化または溶融しないものが好ましい。 具体的には例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
ウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、ブチラール樹脂、ホル
マール樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコン
樹脂、アクリル系反応樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ
−ポリアミド樹脂、飽和ポリエステル樹脂、尿素ホルム
アルデヒド樹脂などの縮重合系の樹脂あるいは高分子量
ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合
物、メタクリル酸塩共重合体とジイシアネートプレポリ
マーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシア
ネートの混合物、低分子量グリコール/高分子量ジオー
ル/トリフェニルメタントリイソシアネートの混合物な
ど、上記の縮重合系樹脂とイソシアネート化合物などの
架橋剤との混合物、塩化ビニル−酢酸ビニル、塩化ビニ
ル−ビニルアルコール−酢酸ビニル、塩化ビニル−塩化
ビニリデン、塩化ビニル−アクリロニトリル、ビニルブ
チラール、ビニルホルマール等のビニル共重合系樹脂と
架橋剤との混合物、ニトロセルロース、セルロースアセ
トブチレート等の繊維素系樹脂と架橋剤との混合物、ブ
タジエン−アクリロニトリル等の合成ゴム系と架橋剤と
の混合物、さらにはこれらの混合物が好適である。 そして、特に、エポキシ樹脂とブチラール樹脂とフェノ
ール樹脂との混合物、米国特許第3,058,844号に記載の
エポキシ樹脂とポリビニルメチルエーテルとメチロール
フェノールエーテルとの混合物、また特開昭49−131101
号に記載のビスフェノールA型エポキシ樹脂とアクリル
酸エステルまたはメタクリル酸エステル重合体との混合
物が好ましい。 このような、熱硬化性樹脂を硬化するには、一般に加熱
オーブン中で50〜80℃にて6〜100時間加熱すればよ
い。 放射線硬化性化合物の具体例としては、ラジカル重合性
を有する不飽和二重結合を示すアクリル酸、メタクリル
酸、あるいはそれらのエステル化合物のようなアクリル
系二重結合、ジアリルフタレートのようなアリル系二重
結合、マレイン酸、マレイン酸誘導体等の不飽和結合等
の放射線照射による架橋あるいは重合乾燥する基を熱可
塑性樹脂の分子中に含有または導入した樹脂である。そ
の他放射線照射により架橋重合する不飽和二重結合を有
する化合物であれば用いることができる。 放射線照射による架橋あるいは重合乾燥する基を熱可塑
性樹脂の分子中に含有する樹脂としては次の様な不飽和
ポリエステル樹脂がある。 分子鎖中に放射線硬化性不飽和二重結合を含有するポリ
エステル化合物、例えば下記(2)の多塩基酸と多価ア
ルコールのエステル結合から成る飽和ポリエステル樹脂
で多塩基酸の一部をマレイン酸とした放射線硬化性不飽
和二重結合を含有する不飽和ポリエステル樹脂を挙げる
ことができる。放射線硬化性不飽和ポリエステル樹脂は
多塩基酸成分1種以上と多価アルコール成分1種以上に
マレイン酸、フマル酸等を加え常法、すなわち触媒の存
在下で、180〜200℃、窒素雰囲気下、脱水あるいは脱ア
ルコール反応の後、240〜280℃まで昇温し、0.5〜1mmHg
の減圧下、縮合反応により得ることができる。マレイン
酸やフマル酸等の含有量は、製造時の架橋、放射線硬化
性等から酸成分中1〜40モル%、好ましくは10〜30モル
%である。 放射線硬化性樹脂に変性できる熱可塑性樹脂の例として
は、次のようなものを挙げることができる。 (1)塩化ビニール系共重合体 塩化ビニール−酢酸ビニール−ビニールアルコール共重
合体、塩化ビニール−ビニールアルコール共重合体、塩
化ビニール−ビニールアルコール−プロピオン酸ビニー
ル共重合体、塩化ビニール−酢酸ビニール−マレイン酸
共重合体、塩化ビニール−酢酸ビニール−ビニルアルコ
ール−マレイン酸共重合体、塩化ビニール−酢酸ビニー
ル−末端OH側鎖アルキル基共重合体、例えばUCC社製VRO
H、VYNC、VYEGX、VERR、VYES、VMCA、VAGH等が挙げら
れ、このものにアクリル系二重結合、マレイン酸系二重
結合、アリル系二重結合を導入して放射線感応変性を行
う。 (2)飽和ポリエステル樹脂 フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、ア
ジピン酸、セバシン酸のような飽和多塩基酸と、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、1,2プロピレングリコール、1,3
ブタンジオール、ジプロピレングリコール、1,4ブタン
ジオール、1,6ヘキサンジオール、ペンタエリスリッ
ト、ソルビトール、グリセリン、ネオペンチルグリコー
ル、1,4シクロヘキサンジメタノールのような多価アル
コールとのエステル結合により得られる飽和ポリエステ
ル樹脂またはこれらのポリエステル樹脂をSO3Na等で変
性した樹脂(例えばバイロン53S)が例として挙げら
れ、これらも放射線感応変性を行う。 (3)ポリビニルアルコール系樹脂 リビニルアルコール、ブチラール樹脂、アセタール樹
脂、ホルマール樹脂およびこれらの成分の共重合体で、
これら樹脂中に含まれる水酸基に対し放射線感応変性を
行う。 (4)エポキシ系樹脂、フェノキシ系樹脂 ビスフェノールAとエピクロルヒドリン、メチルエピク
ロルヒドリンの反応によるエポキシ樹脂、例えばシェル
化学製(エピコート152、154、828、1001、1004、100
7)、ダウケミカル製(DEN431、DER732、DER511、DER31
1)、大日本インキ製(エピクロン400、800)、さらに
上記エポキシの高重合度樹脂であるUCC社製フェノキシ
樹脂(PKHA、PKHC、PKHH)、臭素化ビスフェノールAと
エピクロルヒドリンとの共重合体、大日本インキ化学工
業製(エピクロン145、152、153、1120)等があり、ま
たこれらにカルボン酸基を含有するものも含まれる。こ
れら樹脂中に含まれるエポキシ基を利用して放射線感応
変性を行う。 (5)繊維素誘導体 各種のものが用いられるが、特に効果的なものは硝化
綿、セルローズアセトブチレート、エチルセルローズ、
ブチルセルローズ、アセチルセルローズ等が好適である
樹脂中の水酸基を活用して放射線感応変性を行う。 その他、放射線感応変性に用いることのできる樹脂とし
ては、多官能ポリエスエル樹脂、ポリエーテルエステル
樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂および誘導体(PVPオ
レフィン共重合体)、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹
脂、フェノール樹脂、スピロアセタール樹脂、水酸基を
含有するアクリルエステルおよびメタクリルエステルを
重合成分として少なくとも一種含むアクリル系樹脂等も
有効である。 以下にエラストマーもしくはプレポリマーの例を挙げ
る。 (1)ポリウレタンエラストマーもしくはプレポリマー ポイウレタンの使用は耐摩耗性、および基体フィルム、
例えばPETフィルムへの接着性が良い点で特に有効であ
る。ウレタン化合物の例としては、イソシアネートとし
て、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジ
イソシアネート、1,3−キシレンジイソシアネート、1,4
−キシレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソ
シアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フ
ェニレンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、3,3′−ジメチルビフェニ
レンジイソシアネート、4,4′−ビフェニエンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォ
ロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソ
シアネート、デスモジュールL、デスモジュールN等の
各種多価イソシアネートと、線状飽和ポリエステル(エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ペンタエリスリット、ソルビ
トール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノールの様な多価アルコールと、フタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セ
バシン酸の様な飽和多塩基酸との縮重合によるもの)、
線状飽和ポリエーテル(ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル)がカプロラクタム、ヒドロキシル含有アクリル酸エ
ステル、ヒドロキシル含有メタクリル酸エステル等の各
種ポリエステル類の縮重合物により成るポリウレタンエ
ラストマー、プレポリマーが有効である。 これらのウレタンエラストマーの末端のイソシアネート
基または水酸基と、アクリル系二重縮合またはアリル系
二重結合等を有する単量体とを反応させることにより、
放射線感応性に変性することは非常に効果的である。ま
た、末端に極性基としてOH、COOH等を含有するものも含
む。 さらに、不飽和二重結合を有する長鎖脂肪酸のモノある
いはジグリセリド等、イソシアネート基と反応する活性
水素を持ち、かつ放射線硬化性を有する不飽和二重結合
を有する単量体も含まれる。 (2)アクリロニトリル−ブタジエン共重合エラストマ
ー シンクレアペトロケミカル社製オリBDリタイッドレジン
として市販されている末端水酸基のあるアクリロニトリ
ルブタジエン共重合体プレポリマーあいは日本ゼオン社
製ハイカー1432J等のエラストマーは、特にブタジエン
中の二重結合が放射線によりラジカルを生じ架橋および
重合させるエラストマー成分として適する。 (3)ポリブタジエンエラストマー シンクレアペトロケミカル社製オリBDリタイッドレジン
R−15等の低分子量末端水酸基を有するプレポリマーが
特に熱可塑性樹脂との相溶性の点で好適である。R−15
プレポリマーにおいては分子末端が水酸基となっている
為、分子末端にアクリル系不飽和二重結合を付加するこ
とにより放射線感応性を高めることが可能であり、バイ
ンダーとしてさらに有利となる。 またポリブタジエンの環化物、日本合成ゴム製CBR−M90
1も熱可塑性樹脂との組合せによりすぐれた性質を有し
ている。 その他、熱可塑性エラストマーおよびそのプレポリマー
の系で好適なものとしては、スチレン−ブタジエンゴ
ム、塩化ゴム、アクリルゴム、イソプレンゴムおよびそ
の環化物(日本合成ゴム製CIR701)があり、エポキシ変
性ゴム、内部可塑化飽和線状ポリエステル(東洋紡バイ
ロン#300)等のエラストマーも放射線感応変性処理を
施すことにより有効に利用できる。 オリゴマー、モノマーとして本発明で用いられる放射線
硬化性不飽和二重結合を有する化合物としては、スチレ
ン、エチルアクリレート、エチレングリコールジアクリ
レート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチ
レングリコールジアクリレート、ジエチレングリコール
ジメタクリレート、1,6−ヘキサングリコールジアクリ
レート、1,6−ヘキサングリコールジメタクリレート、
N−ビニルピロリドン、ペンタエリスリトールテロラア
クリレート(メタクリレート)、ペンタエリスリトール
トリアクリレート(メタクリレート)、トリメチロール
プロパントリアクリレート、トリメチロールプロパント
リメタクリレート、多官能オリゴエステルアクリレート
(アロニックスM−7100、M−5400、5500、5700等、東
亜合成)、ウレタンエラストマー(ニッポンラン4040)
のアクリル変性体、あるいはこれらのものにCOOH等の官
能基が導入されたもの、トリメチロールプロパンジアク
リレート(メタクリレート)フェノールエチレノキシド
付加物のアクリレート(メタクリレート)、下記一般式
で示されるペンタエリスリトール縮合環にアクリル基
(メタクリル基)またはεカプロラクトン−アクリル基
のついた化合物、 式中、m=1、a=2、b=4の化合物(以下、特殊ペ
ンタエリスリトール縮合物Aという)、 m=1、a=3、b=3の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Bという)、 m=1、a=6、b=0の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Cという)、 m=2、a=6、b=0の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Dという)、 および下記式一般式で示される特殊アクリレート類等が
挙げられる。 1) (CH2=CHCOOH2−CCH2OH(特殊アクリレート
A) 2) (CH2=CHCOOH2−CCH2CH3(特殊アクリレー
トB) 3) 〔CH2=CHOCH(OC3H6)n−OCH2−CCH2CH
3(特殊アクリレートC) 8) CH2=CHCOO−(CH2CH2O)−COCH=CH2(特殊ア
クリレートH) 次に、放射線感応性バインダー合成例を説明する。 a)塩化ビニール酢酸ビニール共重合系樹脂のアクリル
変性体(放射線感応変性樹脂)の合成OH基を有する一部
ケン化塩ビ−酢ビ共重合体(平均重合度 n=500)750
部とトルエン1250部、シクロヘキサノン500部を51の4
つ口フラスコに仕込み、加熱溶解し、80℃昇温後トリレ
ンジイソシアネートの2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ートアダクト※を61.4部加え、さらにオクチル酸スズ0.
012部、ハイドロキノン0.012部を加え、80℃でN2気流
中、NCO反応率が90%となるまで反応せしめる。 反応終了後冷却し、メチルエチルケトン1250分を加え希
釈する。
【※トリレンジイソシアネート(TDI)の2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート(2HEMA)アダクトの製
法 TDI348部をN2気流中11の4つ口フラスコ内で80℃に加熱
後、2−エチレンメタクリレート260部、オクチル酸ス
ズ0.07部、ハイドロキノン0.05部の反応缶内の温度が80
〜85℃となるように冷却コントロールしながら滴下終了
後80℃で3時間攪拌し、反応を完結させる。 反応終了後取り出して、冷却後、白色ペースト状のTDI
の2HEMAを得た。】 b)ブラチール樹脂アクリル変性体に合成(放射線感応
変性樹脂) ブラチール樹脂積水化学製BM−S100部をトルエン191.2
部、シクロヘキサノン71.4分と共に51の4つ口フラスコ
に仕込み、加熱溶解し、80℃昇温後TDIの2HEMAアダクト
※を7.4部加え、さらにオクチル酸スズ0.015部,ハイド
ロキノン0.015部を加え、80℃でN2気流中NCO反応率が90
%以上となるまで反応せしめる。 反応終了後冷却し、メチルエチルケトンにて希釈する。 c)飽和ポリエステル樹脂アクリル変性体の合成(放射
線感応変性樹脂) 飽和ポリエステル樹脂(東洋紡バイロンRV−200)、100
部をトルエン116部、メチルエチルケトン116部に加熱溶
解し、80℃昇温後、TDIの2HEMAアダクト※を3.55部加
え、さらにオクチル酸スズ0.007部、ハイドロキノン0.0
07部を加え、80℃でN2気流中NCO反応率が90%以上とな
るまで反応せしめる。 d)◎エポキシ樹脂アクリル変性体の合成(放射線感応
変性樹脂) エポキシ樹脂(シエル化学製エピコート1007)400部を
トルエン50部、メチルエチルケトン50部に加熱溶解後、
N,N−ジメチルベンジルアミン0.006部、ハイドロキノン
0.003部を添加し80℃とし、アクリル酸69部を滴下し、8
0℃で酸価5以下となるまで反応せしめる。 ◎フェノキシ樹脂アクリル変性体の合成(放射線感応変
性樹脂) OH基を有するフェノキシ樹脂(PKHH:UCC社製 分子量30
000)600部、メチルエチルケトン1800部を31の4つ口フ
ラスコに仕込み、加熱溶解し、80℃昇温後、トリレンジ
イソシアネートの2ヒドロキシエチルメタクリレートア
ダクトを6.0部加え、さらにオクチル酸スズ0.012部、ハ
イドロキノン0.012部を加え、80℃でN2気流中、NCO反応
率が90%となるまで反応せしめる。 このフェノキシ変性体の分子量は、35000、1分子当り
の二重結合は1個である。 e)ウレタンエラストマーアクリル変性体の合成(放射
線硬化性エラストマー) 末端イソシアネートのジフェニルメタンジイソシアネー
ト(MDI)系ウレタンプレポリマー(日本ポリウレタン
製ニッポラン3119)250部,2HEMA32.5部、ハイドロキノ
ン0.07部、オクチル酸スズ0.009部を反応缶にいれ、80
℃に加熱溶解後、TDI43.5部を反応缶内の温度が80〜90
℃となるように冷却しながら滴下し、滴下終了後、80℃
で反応率95%以上となるまで反応せしめる。 f)ポリエーテル系末端ウレタン変性エラストマーアク
リル変性体(放射線硬化性エラストマー)の合成 日本ポリウレタン社製ポリエーテルPTG−500、250部、2
HEMA32.5部、ハイドロキノン0.07部、オクチル酸スズ0.
009部を反応缶にいれ、80℃に加熱溶解後、TDI43.5部を
反応缶内の温度が80〜90℃となるように冷却しながら滴
下し、滴下終了後、80℃で反応率95%以上となるまで反
応せしめる。 g)ポリブタジエンエラストマーアクリル変性体の合成
(放射線硬化性エラストマー) シンクレアペトロケミカル社製低分子量末端水酸基ポリ
ブタジエンポリBDリクイットレンジンR−15250部、2HE
MA32.5部、ハイドロキノン0.07部、オクチル酸スズ0.00
9部を反応缶にいれ、80℃に加熱溶解後、TDI43.5部を反
応缶内の温度が80〜90℃となるように冷却しながら滴下
し、滴下終了後、80℃で反応率95%以上となるまで反応
せしめる。 高分子には、放射線照射により崩壊するものと分子間に
架橋を起こすものが知られている。 分子間に架橋を起すものとしては、ピリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル、
ポリアクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、
ポリビニルピロリドンゴム、ポリビニルアルコール、ポ
リアクロレンがある。このような架橋型ポリマーであれ
ば、上記のような変性を特に施さなくても、架橋反応が
起こるので、前記変性体の他に、これらの樹脂はそのま
ま放射線架橋用樹脂として使用可能である。 このような放射線硬化性樹脂を硬化するには、公知の種
々の方法に従えばよい。 なお、硬化に際して、紫外線を用いる場合、上述したよ
うな、放射線硬化型化合物の中には、光重合増感剤が加
えられる。 この光重合増感剤としては、従来公知のものでよく、例
えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾイネチルエーテ
ル、α−メチルベンゾイン、α−クロルデオキシベンゾ
イン等のベンゾイン系、ベンゾフェノン、アセトフェノ
ン、ビスジアルキルアミノベンゾフェノン等のケトン
類、アセトアラキノン、フェナントラキノン等のキノン
類、ベンジルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノ
スルフィド等のスルフィド類、等を挙げることができ
る。光重合増感剤は樹脂固形分に対し、0.1〜10重量%
の範囲が望ましい。 紫外線照射は、例えばキセノン放電管、水素放電管など
の紫外線電球等を用いればよい。 一方、電子線を用いる場合には、放射線特性としては、
加速電圧100〜750KV、好ましくは150〜300KVの放射線加
速器を用い、吸収線量を0.5〜20メガラッドになるよう
に照射するのが好都合である。 特に照射線源としては、吸収線量の制御、製造工程ライ
ンへの導入、電離放射線の遮蔽等の見地から、放射線加
熱器により電子線を使用する方法および前述した紫外線
を使用する方法が有利である。 なお、これら各バインダー成分の上記tanδおよびE′
は、上述したところにもとづき、容易に実験的に求める
ことができる。 用いる磁性粉としては、金属磁性粒子、あるいはコバル
ト披着酸化鉄粒子、さらにはγ−Fe2O3粒子、バリウム
フェライト粒子、CrO2等が含まれていてもよい。 本発明に用いる金属磁性粒子は、 1)α−FeOOH(Goethite), β−FeOOH(Akaganite),γ−FeOOH(Lepidocrocite)
等のオキシ水酸化鉄や; α−Fe2O3,γ−Fe2O3,Fe3O4,γ−Fe2O3−Fe3O4(固溶
体)等の酸化鉄や; Co,Mn,Ni,Ti,Bi,Bo,Ag等の金属の1つまたは2つ以上が
ドープされ、その表面にアルミニウム化合物またはケイ
素化合物を吸着、被着したものを、還元性ガス気流中で
加熱還元して、鉄または鉄を主成分とする磁性粉末を製
造する方法、 2)金属塩水溶液よりNaBH4により液相還元して作製す
る方法、 3)あるいは低圧力の不活性ガス雰囲気中で金属を蒸発
させて作成する方法等により得られる。 金属磁性粒子の組成としては、Fe,Co,Niの単体および、
これらの合金、またはこれらの単体および合金に、Cr,M
n,Co,Ni,さらにはZn,Cu,Zr,Al,Ti,Bi,Ag,Pt等を添加し
た金属が使用できる。 また、これらの金属にB,C,Si,P,Nなどの非金属元素を少
量添加したものでも本発明の効果は失われない。 あるいは、Fe4N等、一部窒化された金属磁性粒子であっ
てもよい。 さらに、金属磁性粒子は、粒子表面に酸化被膜を有する
ものであってもよい。 このような酸化被膜をもつ金属磁性粒子を用いた磁気記
録媒体は、温度湿度等の外部環境により磁束密度の低
下、磁性層のサビの発生による特性劣化に有利である
が、磁性層の電気抵抗が上昇し、使用時の帯電によるト
ラブルを生じやすい。 金属磁性粒子は針状形態あるいは粒状形態のものを使用
し、磁気記録媒体として用いる用途によって選択され
る。磁気ディスクに使用する場合は針状形態のものが好
ましい。 また、γ−Fe2O3粒子としては、α−FeOOH(goethite)
を400℃以上で脱水してα−Fe2O3とし、H2ガス中で350
℃以上で還元してFe3O4とし、さらに250℃以下で酸化し
て作製したものを用いればよい。 コバルト被着酸化鉄粒子としては、γ−Fe2O3粒子の表
面から数10Å以内のごく薄い層にCo2+を拡散させたもの
を用いればよい。 バリウムフェライトとしては、BaFe12O19等の六方晶バ
リウムフェライトやバリウムフェライトのBa、Feの一部
をCa、Sr、Pb、Co、Ni、Ti、Cr、Zn、In、Mn、Cu、Ge、
Nb、Zrその他の金属で置換したもの等が揚げられる。 バリウムフェライトの製法としては、セラミック性、共
沈−焼成法、水熱合成法、フラックス法、ガラス結晶化
法、アルコキシド法、プラズマジェット法等があり、本
発明ではいずれの方法を用いてもよい。これらの方法の
詳細については小池吉康、久保修共著“セラミックス18
(1983)No.10"などを参照することができる。 そして、磁性粉とバインダーとの混合比は、重量比で6/
1〜1/1程度とする。 さらに磁気シート1の少なくとも記録綿側の磁性層の表
面には、潤滑剤が存在する。 この潤滑剤は入出力時の磁気シートとヘッド間の摩擦係
数を下げ磁気シートの耐久性を向上させようとするもの
である。 用いる潤滑剤は融点が30℃未満で、かつ一般式R1COOR2
で表わされる脂肪酸エステルであり、これを単独である
いは2種以上を組み合わせて用いる。 ここでR1は炭素数10〜22、より好ましくは12〜18のアル
キル基である。 またR2は炭素数3〜18、より好ましくは4〜16のアルキ
ル基である。 このような化合物としては、例えばラウリン酸ブチル、
ラウリン酸トデシル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン
酸オクチル、ミリスチン酸イソオクチル、ミリスチン酸
イソセチル、パルミチン酸ブチル、パルミチン酸オクチ
ル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソブチル、ス
テアリン酸イソセチル等がある。 このR1の炭素数が10未満の時またはR2の炭素数が3未満
の時はシートが高速で回転する為、潤滑剤が飛散し、長
時間の潤滑効果を維持することができない。 融点が30℃以上、あるいはR1の炭素数が22または、R2
炭素数が18をこえると潤滑剤がヘッドや安定部材に付着
し、潤滑効果が急速に低下するという不都合が生じる。 そして、このような潤滑剤を磁気シート1の表面に存在
させるには以下の方法等がある。 すなわち、通常は、前記バインダー中に磁性粉と潤滑剤
を分散混合したものを基板に塗布すればよい。 また、あらかじめ基板状に塗布されたバインダーと磁性
粉とを含有する磁性層上に、潤滑剤のみを塗布または蒸
着などによってトップコートとして被着させてもよい。 この場合、潤滑剤は必要に応じて、磁性層上の全面にあ
るいは部分的に点在させるように被着させてもよい。 さらには、磁性層中に添加するとともに、トップコート
として設けてもよい。 このような場合、潤滑剤の添加量は、バインダー100重
量部あたり2〜20重量部程度である。 磁性層には、その他に必要に応じて各種研磨剤、帯電防
止剤、他の潤滑剤、分散剤等を用途に合わせて使用する
ことが有効である。 研磨剤としては、カーボンブラック、グラファイト、Si
O2、TiO2、Al2O3、Cr2O3、SiC、CaO、CaCO3、酸化亜
鉛、ゲーサイト、αFe2O3、タルク、カオリン、CaSO4
窒化硼素、フッ化黒塩、二硫化モリブデン、ZnS等があ
り、中でもCaCO3やカオリンZnO、ゲーサイト、ZnSやカ
ーボンが使用される。 このような研磨剤の使用量はバインダー100重量部に対
して10〜200重量部が適当である。研磨剤があまり多く
なると、塗膜がもろくなり、かえってドロップアウトが
多くなるという欠点がある。 他の潤滑剤としては(分散剤をも含めて)、カプリル
酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミルスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジ
ン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸等の脂
肪酸;脂肪酸のアルカリ金属(Li,Na,K等)またはアル
カリ土類金属(Mg,Ca,Ba等)からなる金属石鹸;レシチ
ン等が使用される。 この他に高級アルコール、およびこれらの硫酸エステ
ル、界面活性剤、チタンカップリング剤、シランカップ
リング剤等も使用可能である。これらの潤滑剤(分散
剤)はバインダー100重量部に対して1〜20重量部の範
囲で添加される。 潤滑剤としては、上記の他にシリコンオイル、グラファ
イト、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、一塩基
性脂肪酸と一価のアルコールからなる、本発明外の脂肪
酸エステル類等が使用される。 また、その他の添加剤としては、この種の磁性層に用い
るものは何でも用いることができるが、例えば、帯電防
止剤としてサポニンなどの天然界面活性剤;アルキレン
オキサイド系、グリセリン系、グリシドール系などのノ
ニオン界面活性剤;高級アルキルアミン類、第4級アン
モニウム塩類、ピリジンその他の複素環類、ホスホニル
またはスルホニル類などのカチオン界面活性剤;カルボ
ン酸、スルホン酸、リン酸、硫酸エステル基、リン酸エ
ステル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤;アミノ
酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸ま
たはリン酸エステル類等の両性活性剤などが使用され
る。 このような磁性層の厚さは1〜5μm、より好ましくは
2〜4μm程度とされる。 また、このような磁気シートの厚さは、良好なヘッド当
りを得るために、38μm〜42μmの範囲内が好ましいと
されている。 V 発明の具体的作用 本発明の磁気シート1は、第1図に示されるように、磁
気シート装置のチャック4に装着され、3000〜3600rpm
にて回転させられながら、記録再生される。 この際、磁気ヘッド3が突出し、磁気シート1を押圧
し、他方、磁気シート1の他面側には安定部材5が設置
され、磁気シート1と磁気ヘッド3の接触を規制する。 この場合、磁気ヘッド3の位置は基準面に対し0.02〜0.
20mm程度とされる。 また、安定部材5は、磁気シートから−0.1〜+0.1mm程
度の位置に配置される。また、安定面としての凹部51の
曲率半形は5〜20mm程度、凹部51の幅は5〜20mm程度と
する。 VI 発明の具体的効果 本発明の磁気記録媒体は、所定のtanδ値を有し、特定
のエステル化合物を有するので、高出力で、しかも耐久
性が高い。 VII 発明の具体的実施例 以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明をさらに詳
細に説明する。 実施例1 A.アクリル二重結合導入塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニ
ルアルコール共重合体(マレイン酸含有:MW=40000) B.アクリル二重結合導入ポリエステルウレタンエラスト
マー(MW=30000) C.アクリル二重結合導入ポリエステルウレタンエラスト
マー(MW=5000) D.ペンタエリスリトールトリアクリレート 上記A、B、C、Dを表1の混合比(重量部)で混合
し、メチルエチルケトン/トルエン=50/50の溶剤200重
量部に希釈して、ラッカー液を作製した。 各ラッカー液を、離型紙上に、バーコータにより乾燥
後、厚み30〜40μmとなるように手引きし、40℃にて24
時間乾燥させた。 さらに、ESI社製エレクトロカーテン型電子線加速装置
を用いて、加速電圧150KeV、電極電流20mA、全照射量5M
radの条件下でN2雰囲気下にて電子線を照射し、塗膜を
硬化させた。 得られたバインダーフィルムを離型紙から剥離し、岩本
製作所製粘弾性スペクトロメータにより、加振周波数
(正弦波)10Hz、初期荷重0.25kg/mm2により、貯蔵弾性
率E′および力学的損失係数tanδを測定した。 結果を表1に示す。 さらにこれらのラッカー液をバインダーとして下記に示
されるような磁性塗料から磁性層を形成し、種々のディ
スクを作製した。 すなわち、まず最初に、 Fe合金強磁性針状磁性粉 (長軸0.3μm、短軸0.04μm、Hc1500 Oe)300重量部 ラッカー液 300重量部 本発明の潤滑剤 10重量部 α−Al2O3 6重量部 溶剤(MEK/トルエン=50/50) 700重量部 ステアリン酸 4重量部 を混合し、ボールミル中にこれら混合物を投入し、45時
間混合分散させた。 このようにして得られた磁性塗料を、厚み34μmのポリ
エステルベースフィルム上の両面にグラビアコートを行
い、熱風により溶剤を乾燥させた。しかるのち、カレン
ダーロールにより表面平滑化処理を行い、バインダーフ
ィルム作成と同一条件で電子線による硬化を行った。 このようにして得られたシートを、直径47mmの円形に打
抜き、ディスクを作成した。 なお磁性層の厚さは両面とも3.0μmとした。 また、用いた潤滑剤は下記のとおりである。 融 点 潤滑剤I ミリスチン酸オクチル 16.8℃ 潤滑剤II ステアリン酸イソセチル −3.0℃ 比較潤滑剤I ベヘン酸ドコシル 75.0℃ 比較潤滑剤II カプロン酸ブチル −64.3℃ 比較潤滑剤III ステアリン酸ヘキサコシル 73.0℃ 比較潤滑剤IV ラウリン酸エチル −1.8℃ 比較潤滑剤V ミリスチン酸 これら各ディスクにつき耐久性を評価した。 耐久性評価は、50トラック中の25トラックにおける最適
当り状態での7MHz再生出力変動を測定し、出力が−3dB
となった時間を耐久時間とした。 ヘッドは幅2mm、厚さ120μm、ギャップ0.3μmのフェ
ライト製とし、再生時に基準面から0.02〜0.1mmの範囲
で突出させた。 シート回転数は3600rpm、安定部材はシートから0.01mm
離して配置し、凹部曲率半径10mm、凹部幅10mmとした。 結果を表1に示す。 表1に示される結果から、本発明の効果があきらかであ
る。 実施例2 K.塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体
(MW=35000) L.ポリエステルウレタンエラストマー(MW=30000) M.ポリイソシアネート(MW=700) 表2に示される混合比(重量部)の上記K、L、Mと、
メチルエチルケトン/トルエン=50/50の溶剤200重量部
とを実施例1と同様に混合し、乾燥厚み30〜40μmとな
るように塗布し、60℃で24時間の硬化時間で硬化させ
た。 実施例1と同様にえられたバインダーフィルムのtan
δ、E′を測定した。 結果を表2に示す。 次いで、これらからディスクを作製した。 すなわち、 Co−γ−Fe2O3 (長軸0.3μm、短軸0.04μm、Hc600 Oe) 300重量部 イソシアネートMを除いたラッカー液 300重量部 α−Al2O3 6重量部 本発明の潤滑剤 10重量部 を実施例1と同様に分散後、ポリイソシアネートを表2
に示す重量部添加し撹拌して磁性塗料を形成し、厚さ34
μmのポリエステルベースを両面にグラビアコートを行
い、熱風による乾燥後、60℃、24時間の熱硬化を行っ
た。 これを直径47mmの円形に打抜き、ディスクとした。 磁性層厚は、両面とも3.0μmとした。 これらのディスクにつき、実施例1と全く同様に、耐久
時間を測定した。 結果を表2に示す。 表2に示す結果から本発明の効果があきらかである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に用いる磁気シート装置を説明するた
めの一部を断面にて示す正面図である。 第2図は、本発明の磁気シートを示す正面図である。 符号の説明 1……磁気シート、 3……磁気ヘッド、 5……安定部材
フロントページの続き (72)発明者 青山 勉 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テイ ーデイーケイ株式会社内 (72)発明者 久保田 悠一 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テイ ーデイーケイ株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、磁性粉とバインダーとを含有す
    る磁性層を塗設した磁気記録媒体において、 バインダーの20℃、10Hzでの力学的損失係数tanδが0.0
    5以下であり、、磁性層の少なくとも記録側表面に、R1C
    OOR2(ここに、R1およびR2は、それぞれ、炭素原子数10
    〜22および3〜18のアルキル基である。)で示され、か
    つ、融点が30℃未満の化合物が存在することを特徴とす
    る磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】バインダーの40℃、10Hzでの貯蔵弾性率
    E′が100kg/mm2以上である特許請求の範囲第1項に記
    載の磁気記録媒体。
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