JPH07155855A - 逆しごき加工方法 - Google Patents

逆しごき加工方法

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JPH07155855A
JPH07155855A JP5300406A JP30040693A JPH07155855A JP H07155855 A JPH07155855 A JP H07155855A JP 5300406 A JP5300406 A JP 5300406A JP 30040693 A JP30040693 A JP 30040693A JP H07155855 A JPH07155855 A JP H07155855A
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JP
Japan
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ironing
punch
reverse
inner punch
die
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JP5300406A
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English (en)
Inventor
Akio Hotta
昭雄 堀田
Koichi Mine
功一 峯
Norio Ito
則雄 伊藤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】円筒容器状の素材の円筒部を開口端部から底部
にかけて圧延する逆しごき加工を行う際、前記素材の円
筒部と底面部との境界部におけるしごき面による荷重
を、その荷重と同じ大きさで逆向きの抗力を及ぼすこと
によって打ち消し、前記境界部のひけを防止することを
目的とする。 【構成】上昇下降自在なしごきポンチ20と、上昇下降
自在なインナポンチ28とで円筒容器状の素材Wの底面
部11を挟持しつつ、前記素材Wの開口端側からダイ2
2に設けられたダイ穴23内に押し込み、前記素材Wの
円筒部10を底部から開口端部にかけてしごく逆しごき
加工方法において、前記素材Wの円筒部10と底面部1
1との境界部に、しごき面である小径穴面25によって
及ぼされる荷重と同じ大きさで逆向きの抗力を及ぼしつ
つ前記逆しごき加工を行うことを特徴とする逆しごき加
工方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は円筒容器状を成す素材の
円筒部を慣用されているしごき加工方法とは逆の方向
に、すなわち、素材の開口端側から底部側に向かってし
ごく逆しごき加工方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】エンジンのバルブリフタは図13に示すよ
うに、カム101と吸排気弁103のバルブステム10
4との間に介在され、カム101の駆動力をバルブステ
ム104を介して吸排気弁103に伝達する役目をして
いる。バルブリフタ102は矢印A−B方向に往復運動
するため、なるべく慣性質量が小さい方が望ましく(エ
ンジンの高速回転が可能になる)、薄肉底付円筒状に形
成されている。尚、105はカム101と当接する部分
に設けられた耐磨耗性金属からなるパッドである。
【0003】上述のような条件を満たすバルブリフタを
製造する為には、所定寸法に裁断した薄鋼板に絞り加工
を施し、更にしごき加工で円筒容器状の素材の底部から
開口部にかけて圧延し、素材の円筒部における肉厚の所
定寸法を得ていた。しかし、オーステナイト系ステンレ
ス材又は高炭素鋼材において、上記しごき加工では図1
0の矢印に示すように円筒容器状素材側面の軸方向の残
留応力は引っ張り方向に作用し、このまま放置すれば図
11に示すように、開口端より軸方向に割れを生じてし
まう。このような問題に鑑み、本出願人は先に逆しごき
装置を考案した。これは、本出願人の実公昭59−29
770号公報に記載されている逆しごき装置であるが、
以下図8を参照しながらこの装置を説明する。尚、図に
おいて左半分は逆しごき開始直前の状態を示し、右半分
は逆しごき終了直後の状態を示している。
【0004】この逆しごき装置は、円筒部10と底部1
1とから成る円筒容器状の素材Wをしごくものであり、
ベース24上に固設されたダイ22を有し、ダイ22に
は段付きダイ穴23が貫通させられている。ダイ穴23
には径の小さい順に、小径穴面25、中径穴面26、大
径穴面27がダイ穴23の上から順に形成されている。
そして、このダイ穴23内にはインナポンチ28が上下
動可能に配置されており、素材Wを挟んでインナポンチ
28と対向した位置にしごきポンチ20が配置されてい
る。このしごきポンチ20は図示しない駆動装置により
上下動可能となっており、一方、インナポンチ28の下
端面には図中上方向に付勢されたクッションピン33が
配置され、インナポンチ28に対し図中上方への付勢力
を与えている。又、インナポンチ28下端部にはフラン
ジ29が形成されていて中径穴面26と大径穴面27と
の段差部35と当接することにより、インナポンチ28
の上昇を規制している。インナポンチ28の外周には、
スリーブ状のストリッパ30がインナポンチ28の軸方
向に摺動可能に配置され、ストリッパ30は下端にフラ
ンジ31を有し、小径穴面25と中径穴面26との段差
部34と当接することによって上昇する上限が規制され
ている。このストリッパ30のフランジ部31の下面に
はエジェクトピン32が係合されており、エジェクトピ
ン32はインナポンチ28のフランジ部29を貫通して
配置されている。
【0005】次にこの装置における作用を説明する。逆
しごき加工直前においては図8の左半分のようにダイ穴
23より先端を突出したインナポンチ28に円筒部10
と底部11とから成る円筒容器状の素材Wを被せ、図示
しない装置上方の退避位置に位置するしごきポンチ20
を図示しない駆動装置により下降させ素材Wの外側底面
部に当接させる。更にしごきポンチ20を、エジェクト
ピン32、クッションピン33の付勢力の和に抗して下
降させ、素材Wをダイ穴23に押し込む。その際、小径
穴面25とインナポンチ28の外周面とのクリアランス
は、素材Wの円筒部の厚さより小さい為、素材Wの円筒
部は図8のように小径穴面25とインナポンチ28の外
周面との相対移動によって、開口端より底部への方向に
圧延される。
【0006】以上のようにして一回の逆しごきが終了す
ると、しごきポンチ20は図示しない駆動手段により図
示しない装置上方の退避位置まで移動し、しごきポンチ
20による図中下方向の力から開放されたインナポンチ
28はクッションピン33の付勢力により図中上方向に
移動する。そして、インナポンチ28のフランジ部29
が大径穴面27と中径穴面26の段差部35と当接する
とインナポンチ28の更なる上昇は規制され停止する。
インナポンチ28が上限位置に到達後においても、付勢
力の付与されたエジェクトピン32によってストリッパ
30は上昇をつづけ、素材Wをインナポンチ28より払
い出す。以上で1回の加工が終了する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記逆
しごき加工法ではダイ穴に形成された小径穴面と素材の
相対的な移動により素材の円筒部と底面の境界部で図8
のA部の拡大図である図9のaに示すPのような荷重が
加わり、荷重が加わる方向にI部の空間がある為、素材
はbの点線のような形状になろうとする。このような変
形によって必要となるI部の体積に比べ必要がなくなる
II部の体積が小さい為、足りない体積分をcに示すよ
うに、X点を変形後の角点、Y点を弧BCの中点とした
場合、Y点がX点へ接近することによって補われること
となる。これは、いわゆるひけと呼ばれる現象であり、
鋭角な折れ込みが生成することによって、素材の肉厚に
不均一を生じ、例えばバルブリフタのような摺動部材と
して用いられる場合、素材に常に応力がかかっているこ
ととなるため、ひけ部で切欠き効果による応力の集中が
発生し、クラック等が発生し易くなる。
【0008】そこで本発明は、円筒容器状の素材の底面
と円筒部との境界部を変形させようとする荷重に対し、
その荷重と同じ大きさで逆向きの抗力を及ぼして、ひけ
の原因となる円筒容器状の素材の底面と円筒部との境界
部における素材の変形を防止することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題の、本発明の特
許請求の範囲の請求項1における解決手段として円筒部
と底面部を有し、一端を開口させた円筒容器状の素材の
内側底面部を支持し、移動自在に設けられたインナポン
チと、前記インナポンチと対向し、前記インナポンチ方
向に移動自在に配設され、前記素材の外側底面部に当接
支持可能なしごきポンチと、前記インナポンチの径より
大きく、前記素材の径よりも小さい径のしごき面が形成
されたダイ穴を有するダイとから成る逆しごき装置を用
い、前記インナポンチと前記しごきポンチとにより底面
部が挟持された前記素材を開口部側から前記ダイ穴内に
押し込むことにより、前記ダイ穴のしごき面と前記イン
ナポンチの外周面にて前記素材の円筒部を開口部から底
部にかけて圧延する逆しごき加工方法において、前記逆
しごき加工の前又は加工中に、前記素材の底面部と円筒
部との境界部である素材隅部を変形させて、前記しごき
ポンチに当接させることにより、前記素材隅部に前記し
ごき面による前記素材の円筒部の軸方向で底面に向かう
荷重に対して、同じ大きさで逆向きの抗力を得るもので
あり、本発明の特許請求の範囲の請求項2における解決
手段として、前記素材の底面部を圧延し、前記素材隅部
を前記しごきポンチに当接させることによって前記抗力
を得て前記逆しごき加工を行うことを特徴とする請求項
1に記載の逆しごき加工を行うものである。
【0010】
【作用】本発明の特許請求の範囲の請求項1での作用と
して、逆しごき加工の際、円筒容器状の素材の円筒部
が、インナポンチとダイ穴に形成されたしごき面との間
のクリアランスに、素材の底面部をしごきポンチとイン
ナポンチとに挟持されながら、素材の開口端より押し込
まれる。その際、しごき面によって、素材の円筒部の軸
方向で底部に向かう荷重が発生するが、素材の底面部と
円筒部との境界部を変形させしごきポンチに当接させる
ことによって、その荷重と同じ大きさで逆向きの抗力を
得て前記荷重を打ち消す。
【0011】また、本発明の特許請求の範囲の請求項2
での作用として、円筒容器状の素材の底面部の外側と内
側を押圧し、圧延することによって、素材の底面部と円
筒部の境界部をしごきポンチに当接させ、特許請求の範
囲の請求項1に記載の前記抗力を得る。
【0012】
【実施例】以下本発明の一実施例を詳細に説明する。こ
の逆しごき加工方法はトランスファプレスにおいて実施
されるものであって、概略的に説明すれば以下の工程を
経て行われる。 (1)平板から円形の素材を打ち抜くブランキング工
程。 (2)素材に絞り加工を行い円筒容器状の素材を成形す
る絞り工程。 (3)円筒容器状の素材の底部から開口部へ圧延する第
1のしごき工程。 (4)第2のしごき工程とトリミング工程とを行う工程
と素材底部圧縮工程。 (5)逆しごき工程。 (6)第3のしごき工程。
【0013】そのため、トランスファプレス内において
は、ブランキング装置、絞り装置、しごき装置、逆しご
き装置が順に一列に配置されている。
【0014】このトランスファプレスで成形が終了した
素材は、硬化のための熱処理が行われ、製品が完成する
ことになる。
【0015】以上の工程の内、本発明に係わる工程は
(4)の工程と(5)の工程である。これらの工程を各
々詳細に説明する。
【0016】第2のしごき工程とトリミング工程と素材
底部圧縮工程とを行う工程でまず第2のしごき工程を図
1に基づいて詳細に説明する。図1は第2のしごき工程
に用いるしごき加工の装置全体断面図を表す図であり、
段付きポンチ1とダイ2とを備えている。段付きポンチ
1は図示しない上下動自在な上型に、ダイ2は図示しな
いベースにそれぞれ固定されている。この段付きポンチ
1は2段に形成され、それぞれ先端から小径部3と大径
部4とが順に並んで形成され、更に、それら小径部3と
大径部4との間に、それらの軸方向に直角な平面を持つ
肩部5が形成されている。一方、ダイ2は段付きポンチ
1が挿入されるダイ穴6が形成されている。このダイ穴
6には、段付きポンチ1の進行方向にそってテーパ部
7、しごき加工を行う際の素材の円筒部をしごく部位で
あるランド部8およびテーパ部9が並んで形成されてい
る。テーパ部7および9はいずれもランド部8から遠ざ
かるにつれて大径となるものである。
【0017】円筒部10と底部11とから成る円筒容器
状の素材Wはダイ穴6内に、底部11の外周縁がテーパ
部7に接する状態で配置される。素材Wの、ダイ2に対
する位置決めはダイ2の上面に支持された位置決めリン
グ13によって行われる。段付きポンチ1の大径部4に
はそれの外周側において環状の払出し部材14が摺動可
能に嵌合されている。払出し部材14はしごき後の素材
12を段付きポンチ1から払い出すものであって、スプ
リング15によって位置決めリング13の上面に押し付
けられている。ダイ穴6内に残ったしごき後の素材12
はノックアウト16によりダイ2から外部に押し出され
る。ノックアウト16の素材12との当接面の周縁には
環状の環状溝17が設けられている。
【0018】次にこの装置の作用を説明する。図4ない
し図6は、第2のしごき加工における素材Wの作用を模
式的に表した図であり、段付きポンチ1が図1の(a)
の加工開始位置からダイ2側に作動させられれば、図4
に示すように、段付きポンチ1の肩部5の外周縁40が
ダイ2のランド部8に到達しない段階では、素材12の
円筒部10が段付きポンチ1の小径部3とダイ2のラン
ド部8との共同によってしごき成形され、これにより円
筒部10が薄肉化される。この薄肉化によって余った材
料は段付きポンチ1の肩部5の方向に流動する。材料
が、肩部5と小径部3の外周面との境界部である円周隅
部41に向かって流動してそこに充填されるのである。
図4においてfの付された矢印は、材料の流動方向を示
している。以上で第2のしごき工程が終了する。
【0019】次に段付きポンチ1がダイ2内に更に深く
進入させられて、図3の(b)に示すようになった時点
では、図5に示すように円筒部10の内周面の特定位置
に外周縁40が食い込んで、その内周面にV字状の断面
を持つ窪み42が形成される。そして、段付きポンチ1
がダイ2内に更に深く進入させられれば、円筒部10が
窪み42で仕切られた2部分のうち、段付きポンチ1の
小径部3側に位置するものは段付きポンチ1と一体的に
進行するのに対し、大径部4側に位置するものはテーパ
部7内に残留させられる。そのため、窪み42に円筒部
10の2部分を互いに離間させる張力が生じ、それが相
当大きくなれば、それら2部分が窪み42で破断して引
き離される。つまり、肩部5の外周縁40が切刃として
機能することによって、円筒部10の縁の不要部分43
が必要部分から切り取られるのである。以上でトリミン
グ工程は終了するが、この時、窪み42を形成する2つ
の壁部のうち必要部分側のものが円筒部10の新たな端
部となるのであるが、その端部の内周縁は、材料の円周
隅部41への充填により、その円周隅部41に正確に対
応する形状とされる。そのため、端部の内周縁にダレが
発生せずに済む。
【0020】更に上述のような第2のしごきとトリミン
グが終了した時点で、ノックアウト16を固定し、段付
きポンチ1を図中下方向に移動させることによって、材
料底面を押圧する。その際、図6に示すように材料の底
部で圧延された材料はノックアウト16の環状溝17に
流れ込み予備冠部50を形成する。これで素材底部圧縮
工程が終了する。
【0021】次に逆しごき工程を図1及び図2に基づい
て詳細に説明する。図1は逆しごき工程に用いられる逆
しごき装置の装置全体断面図であって、左半分がしごき
加工開始直前の図であり、右半分はしごき加工終了直後
を表した図である。この逆しごき装置は円柱状のしごき
ポンチ20とダイ22を備えている。このしごきポンチ
20は図示しない駆動装置により上下動させられ、その
先端部分である素材Wとの当接面の周縁には周縁溝21
が形成されている。周縁溝21のしごきポンチ20軸方
向の長さは前述した第2のしごき工程におけるしごき装
置の段付きポンチ20に設けられた環状溝17の長さと
等しい。一方、ダイ22はベース24上に固設されてお
り、ダイ穴23の上から径の小さい順に小径穴面25、
中径穴面26、大径穴面27が形成されている。このダ
イ穴23内にはインナポンチ28がしごきポンチ20と
対向し、上下動可能に配置されている。インナポンチ2
8の下端部にはフランジ部29が形成されており、この
フランジ部29が中径穴面26と大径穴面27との段差
部35と当接することによって、インナポンチ28の移
動の上限が規制されている。このインナポンチ28の先
端部には円筒部10と底部11とから成る円筒容器状の
素材Wが被せられ、インナポンチ28の外周面で円筒状
素材Wの円筒部10をしごくこととなる。また、インナ
ポンチ28の下端にはクッションピン33が配置されて
おり、常にインナポンチ28を上限位置に向かって付勢
している。
【0022】インナポンチ28の外周にはスリーブ状の
ストリッパ30がインナポンチ28の軸方向に移動可能
に配置されている。このストリッパ30も下部にフラン
ジ部31を形成しており、このフランジ部31が小径穴
面25と中径穴面26との段差部34と当接することに
よってストリッパ30の移動の上限が規制されている。
また、フランジ部31の下方には、エジェクトピン32
がインナポンチ28のフランジ部29を貫通して上下動
可能に配置されている。エジェクトピン32もまた図中
上方向に付勢されているが、クッションピン33の付勢
力より弱い力で付勢されている。
【0023】次にこの逆しごき装置の作用を説明する。
加工前においては、しごきポンチ20は図示しない装置
上方の退避位置に退避させられており、インナポンチ2
8はクッションピン33の付勢力により、上限位置にあ
る。一方、ストリッパ30はそのフランジ部31の下端
面をインナポンチ28のフランジ部29の上端面に当接
させ配置されている。
【0024】この状態で、素材Wはインナポンチ28の
真上の加工開始位置に位置決めされる。素材Wの位置決
めが完了するとしごきポンチ20が下降され始め、図1
の左側に示すように、しごきポンチ20の下端面は素材
Wの外側底部に当接する。更にしごきポンチ20は図示
しない駆動源によってクッションピン33とエジェクト
ピン32の上向きの付勢力の和に打ち勝って下降し、素
材Wはしごきポンチ20とインナポンチ28に挟まれつ
つ、インナポンチ28と小径穴面25とのクリアランス
に押し込まれることとなる。しかし、そのクリアランス
は素材Wの円筒部10の厚さより小さいため、円筒部1
0はインナポンチ28の外周面とダイ22のダイ小穴面
25との相対移動によって、開口端より底部11に向か
ってしごかれる。この際、圧延された材料は、しごかれ
る方向すなわち素材Wの開口端より底部11に向かって
流動するが、その流動した材料は周縁溝21を満たすこ
ととなる。その結果、図2に示すように、しごき面によ
る図中上向きの荷重pは、周縁溝21のしごきポンチ2
0の軸と直角の壁面52による反作用qによって打ち消
され、よって、素材Wの円筒部10と底部11との境界
部であって、素材Wの内側の内周隅部51の変形をなく
し、ひけを防止することが可能となる。
【0025】しごきポンチ20が下死点に達したところ
で、一回の逆しごきが終了し、しごきポンチ20は図示
しない駆動手段によって図中上方向に移動される。尚、
インナポンチ28とストリッパ30はクッションピン3
3、エジェクトピン32によって図中上方向に付勢され
ているので、しごきポンチ20の上昇とともに一体的に
上昇する。この上昇中、インナポンチ28の下端に配置
されたフランジ29が大径穴面27と中径穴面26の段
差部35に当接するとインナポンチ28の更なる上昇は
規制され、その当接位置で停止することとなる。その
後、上昇力を付与されたエジェクトピン32は更なる上
昇力をストリッパ30に与え、ストリッパ30はインナ
ポンチ28に対し相対的に上昇しつつ、素材Wの開口端
を上方向に押圧するため、素材Wはインナポンチ28か
ら払い出される。これで一回の加工が終了する。
【0026】尚、素材の内側を高圧にしたり、棒状の工
具を素材の内側から素材隅部に押圧させ、その素材隅部
を変形せることによっても、しごきポンチに素材隅部を
当接させることができる。
【0027】以上の2工程を経たバルブリフタは、上述
のようにひけの防止が可能であると同時に、正しごき工
程と逆しごき工程とを経ている為、素材側面の周方向の
残留応力が減少し、しごき加工を終えて熱処理を行う際
には、図7に示すように熱処理歪みが著しく減少され、
精度のよいバルブリフタを得ることができる。また、バ
ルブリフタの冠部を機械加工によって新たに成形する必
要もなく、製造にかかるリードタイムが削減され、効率
のよいバルブリフタの加工も可能となる。
【0028】
【発明の効果】本発明の逆しごき加工方法を行うことに
よって、以下のような効果が認められた。
【0029】円筒状素材の側面を開口部から底部にかけ
てしごく際、しごき面による素材の円筒部における軸方
向の荷重は、その荷重と同じ大きさで逆向きの抗力によ
って打ち消され、円筒容器状の素材の円筒部と底部との
境界部の特に素材の内側の変形が防止される。従って、
精度の良い円筒容器状の素材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るの逆しごき加工装置全体断面図で
ある。
【図2】本発明に係るの逆しごき加工工程における荷重
と抗力の関係を模式的に表した図である。
【図3】本発明に係る正しごき加工装置全体断面図であ
る。
【図4】本発明に係る正しごき加工装置の素材とダイと
の当接部を模式的に表した図である。
【図5】本発明に係る正しごき加工装置の素材とダイと
の当接部を模式的に表した図である。
【図6】(a)は本発明に係る正しごき加工装置におけ
る素材の底面の圧延前の部分詳細図であり、(b)は本
発明に係る正しごき加工装置における素材の底面の圧延
後の部分詳細図である。
【図7】逆しごき加工と正しごき加工との両工程を経た
素材と正しごき加工工程のみの工程を経た素材の熱処理
歪みのばらつきを比較を表す図である。
【図8】従来技術の逆しごき加工装置全体断面図であ
る。
【図9】図8のA部における拡大図である。
【図10】従来の正しごき加工工程による素材の円筒部
における残留応力の状態を模式的に表した図である。
【図11】素材の置き割れを示す図である。
【図12】従来の逆しごき加工工程による素材の円筒部
における残留応力の状態を模式的に表した図である。
【図13】バルブリフタの構成図である。
【符号の説明】
1…段付きポンチ 2…ダイ 3…小径部 4…大径部 5…肩部 6…ダイ穴 7…テーパ部 8…ランド部 9…テーパ部 10…素材の円筒部 11…素材の底面部 13…位置決めリング 14…払出し部材 15…スプリング 16…ノックアウト 17…環状溝 20…しごきポンチ 21…周縁溝 22…ダイ 23…ダイ穴 24…ベース 25…小径穴面 26…中径穴面 27…大径穴面 28…インナポンチ 29…フランジ部 30…ストリッパ 31…フランジ部 32…エジェクトピン 33…クッションピン 34…段差部 35…段差部 40…外周縁 41…円周隅部 42…窪み 50…予備冠部 101…カム 102…バルブリフタ 103…吸排気弁 104…バルブステム 105…耐磨耗性金属パッド

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒部と底面部とを有し、一端を開口させ
    た円筒容器状の素材の内側底面部を支持し、移動自在に
    設けられたインナポンチと、前記インナポンチと対向
    し、前記インナポンチ方向に移動自在に配設され、前記
    素材の外側底面部に当接支持可能なしごきポンチと、前
    記インナポンチの径より大きく、前記素材の径よりも小
    さい径のしごき面が形成されたダイ穴を有するダイとか
    らなる逆しごき装置を用い、前記インナポンチと前記し
    ごきポンチとにより底面部が挟持された前記素材を開口
    部側から前記ダイ穴内に押し込むことにより、前記ダイ
    穴のしごき面と前記インナポンチの外周面にて前記素材
    の円筒部を開口部から底部にかけて圧延する逆しごき加
    工方法において、前記逆しごき加工の前又は加工中に、
    前記素材の底面部と円筒部との境界部である素材隅部を
    変形させて、前記しごきポンチに当接させることによ
    り、前記素材隅部に前記しごき面による前記素材の円筒
    部の軸方向で底部に向かう荷重に対して、同じ大きさで
    逆向きの抗力を得ることを特徴とする逆しごき加工方
    法。
  2. 【請求項2】前記素材の底面部を圧延し、前記素材隅部
    を前記しごきポンチに当接させることによって前記抗力
    を得て前記逆しごき加工を行うことを特徴とする請求項
    1に記載の逆しごき加工方法。
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