JPH07155602A - 窒素酸化物還元触媒およびその使用方法 - Google Patents
窒素酸化物還元触媒およびその使用方法Info
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- JPH07155602A JPH07155602A JP5340643A JP34064393A JPH07155602A JP H07155602 A JPH07155602 A JP H07155602A JP 5340643 A JP5340643 A JP 5340643A JP 34064393 A JP34064393 A JP 34064393A JP H07155602 A JPH07155602 A JP H07155602A
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Abstract
NOX を浄化できる窒素酸化物還元触媒、および窒素酸
化物還元触媒の使用方法を提供する。 【構成】 窒素酸化物還元触媒は、多孔質担体と、該多
孔質担体に担持した、アルカリ金属から選ばれる1種以
上の金属と、該多孔質担体に担持した白金およびモリブ
デンと、からなり、前記モリブデンの担持量は、白金に
対しモル比で3以上、前記アルカリ金属の担持量は白金
に対しモル比で0.001〜15であることを特徴とす
る。また、窒素酸化物還元触媒の使用方法は、前記窒素
酸化物還元触媒を酸素過剰雰囲気下で、浄化活性温度が
250〜350℃である窒素酸化物浄化用触媒の上流側
または下流側に配置して窒素酸化物と接触させることを
特徴とする。
Description
から排出される排ガス中の窒素酸化物(NOX )を、酸
素過剰雰囲気下、すなわち空燃比が理論空燃比(14.
7)より大である燃焼雰囲気において、広い温度範囲に
わたり還元浄化できる窒素酸化物還元触媒およびその使
用方法に関する。
などの内燃機関から排出される排ガス中の二酸化炭素
(CO2 )が問題とされ、その解決策として酸素過剰雰
囲気下において希薄燃焼させるいわゆるリーンバーンが
有望視されている。このリーンバーンにおいては、燃費
が向上するために燃料の使用が低減され、その燃焼排ガ
スであるCO2 の発生を抑制することができる。
論空燃比(ストイキ)において排ガス中の一酸化炭素
(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOX )を
同時に酸化・還元し、浄化するものである。しかし、前
記三元触媒はリーンバーン時の排ガスの酸素過剰雰囲気
下においてはNOX の還元除去に対しては十分な浄化能
力を示さないために、酸素過剰雰囲気下においてもNO
X を浄化し得る触媒および浄化システムの開発が望まれ
ている。
較的高い浄化能力を示す触媒として、例えば特開平1−
139145号公報に開示されているような銅(Cu)
等の遷移金属をイオン交換によりゼオライトに担持させ
たゼオライト系触媒や、白金等の貴金属をアルミナに担
持させた白金系触媒がある(特開平5−168860号
公報)。
イト系触媒では、耐熱性に乏しい、理論空燃比から
酸素希薄雰囲気における窒素酸化物浄化活性が低い、
HC、COの酸化活性が低いという問題点を有する。一
方、白金系触媒では、ゼオライト系触媒の有する前記問
題点は改善できるが、窒素酸化物浄化開始温度は200
℃程度と低く、かつ窒素酸化物を浄化し得る温度域が2
50〜350℃の100℃程度という狭い範囲であるた
め、実排気(100〜700℃)での使用に際しては実
排気の温度を浄化活性温度域にするための正確な温度制
御が必要となるという問題点がある。
意研究し、各種の系統的実験を重ねた結果、本発明を成
すに至ったものである。
0℃以上という高温で、活性を示す温度範囲(浄化率が
10%以上である温度範囲)が100℃以上と広範囲で
ある窒素酸化物還元触媒の提供を目的とする。また、本
発明は、浄化開始温度が200℃付近で、活性を示す温
度範囲が200℃以上の広範囲にわたり窒素酸化物の浄
化を可能とする窒素酸化物還元触媒の使用方法の提供を
目的とする。
は、多孔質体担体と、該多孔質担体に担持した、アルカ
リ金属から選ばれる1種以上の金属と、該多孔質担体に
担持した白金およびモリブデンとからなり、前記モリブ
デンの担持量は白金の担持量に対しモル比で3以上、前
記アルカリ金属の担持量は白金の担持量に対しモル比で
0.001〜15であることを特徴とする。
に限定しない。通常、担体として用いられる酸化珪素
(シリカ;SiO2 )、ゼオライト、チタニアを用いる
ことができる。また、白金の担持量はとくに限定しな
い。通常担持される量であればよい。白金に対するモリ
ブデンの担持量がモル比で3未満、または白金に対する
アルカリ金属の担持量がモル比で0.001未満のとき
は、白金、モリブデン、アルカリ金属間の相互作用が弱
く、このため窒素酸化物浄化開始温度が280℃未満に
低下するか、もしくは活性を示す温度範囲(浄化率が1
0%以上である温度範囲)が100℃より狭くなるため
に好ましくない。
で3以上、白金に対するアルカリ金属の担持量がモル比
で0.001以上のときは、触媒表面にPt−Mo−ア
ルカリ金属の相互作用サイトが多量に存在するため、窒
素酸化物浄化開始温度が280℃以上という高温で、活
性を示す温度範囲も100℃以上の広範囲にわたって活
性を呈することができる。
該アルカリ金属によりSiO2 の構造が破壊され、比表
面積が低下すると推定されるために好ましくない。モリ
ブデンの担持量は、白金に対してモル比で50以上でも
効果はあるが、効果の増大はほとんどない。
物還元触媒の使用方法は、本第1発明の窒素酸化物還元
触媒を浄化活性温度域が250〜350℃である窒素酸
化物浄化用触媒(補助触媒)の上流側または下流側に配
置して窒素酸化物と接触させることを特徴とする(図
1)。
0〜350℃であれば限定はなく、例えば、アルミナ、
シリカ系の多孔質担体に白金、ロジウム(Rh)、パラ
ジウム(Pd)などの貴金属を担持したものを使用する
ことができる。補助触媒として使用する多孔質担体の種
類、物性値についてとくに限定はなく、従来から触媒用
として使用されている任意の担体を用いることができ
る。
温域で広い温度範囲にわたり優れた浄化活性を発揮する
理由は明確ではないが、以下の如くであると推定され
る。
り込まれた形で安定化し、Pt近傍のMoは低い原子価
状態あるいは0価となり、Ptとバイメタル化した状態
で存在する。ここで、Moの働きは、化1に示す相互作
用を通じて、Ptの電子密度を変化させることである。
であるHCの吸着および活性化、Pt上での活性化さ
れたHCとNOとの反応によるNOの還元、の2つのス
テップに対してMo、Ptそれぞれのサイトが効果的に
機能するものと考えられる。このような分割化された機
能のサイクルにより、Pt単独の場合とは異なる触媒活
性を発現するものと推定される。
上の水酸基とイオン交換することによりPtとMoの相
互作用を密接にさせること、あるいは、Pt−Mo相互
作用体に対して電子的影響を及ぼすことである。このよ
うな相互作用により、NOからNO2 への酸化は抑制さ
れ、HCとの反応選択性が高まるため、高温でのNOX
浄化活性に寄与するものと推定される。
モル比で3以上であり、かつ、アルカリ金属の担持量が
Ptの担持量に対しモル比で0.001〜15の範囲で
あるとき、PtはMo粒子の中に取り囲まれた形で安定
化することができ、上記のようなPt、Mo、アルカリ
金属の効果が発揮される。このとき、形成されるPt−
Moバイメタル体による前記2元反応が効果的に進行
し、窒素酸化物浄化開始温度が280℃以上という高温
で、活性を示す温度域が100℃以上と広範囲で優れた
還元浄化作用を示すものと推定される。
物還元触媒は、窒素酸化物浄化開始温度が280℃とい
う高温で、活性を示す温度範囲が100℃以上と広範囲
であるために、浄化活性温度域が250〜350℃であ
る従来の窒素酸化物浄化用触媒と組み合わせて使用すれ
ば、広い温度範囲にわたって窒素酸化物を還元浄化でき
る。この場合、温度範囲が250〜350℃においては
窒素酸化物の浄化活性は従来の窒素酸化物浄化用触媒と
変わらない。
ば、窒素酸化物浄化開始温度が280℃以上という高温
で、活性を示す温度範囲が100℃以上にわたって窒素
酸化物を効果的に還元浄化することができる。また、本
第2発明の窒素酸化物還元触媒の使用方法によれば、浄
化開始温度が200℃付近で、活性を示す温度範囲が2
00℃以上の広範囲にわたり窒素酸化物を効果的に還元
浄化することができる。
る。
媒の調製)アルカリ金属の担持量が表1に示した値にな
るように調製した所定濃度の硝酸リチウム、酢酸ナトリ
ウム、酢酸カリウム水溶液を準備し、これに粉末状のS
iO2 担体を浸漬し、蒸発乾固させた後、500℃で5
時間焼成し、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、
カリウム(K)担持量が表1中、No.1〜No.10
に示す値であるアルカリ金属担持触媒を得た。
値になるように調製した所定濃度のモリブデン酸アンモ
ニウム水溶液を準備し、これに上記アルカリ金属担持触
媒を浸漬し、蒸発乾固させた後、700℃で3時間焼成
し、モリブデンの担持量が白金に対しモル比で表1中、
No.1〜No.10に示す3〜50であるMo−アル
カリ金属担持触媒を調製した。
を、1.7wt%の白金が担持されるように調製した所
定濃度のジニトロジアミノ白金の水溶液200ccに浸
漬し、蒸発乾固させた後、500℃で5時間焼成して白
金を担持させ、Pt−Mo−アルカリ金属/SiO2 か
らなる本実施例の触媒No.1〜No.10を得た。
で表1中に示す0、1、2であること以外は上記実施例
と同様の方法により、比較例の触媒No.11、No.
12、No.13を調製した。
記実施例と同様の方法により、比較例の触媒No.14
を調製した。
比で18.9であること以外は上記実施例と同様の方法
により、比較例の触媒No.15を調製した。
量が1.7wt%となるように調製した所定濃度のジニ
トロジアミノ白金の水溶液に粉末状のアルミナ(Al2
O3 )を浸漬し、蒸発乾固させた後、500℃で5時間
焼成し、Pt/Al2 O3 からなる比較例の触媒No.
16を得た。
体をAl2 O3 に変えたこと以外は前記したNo.14
の触媒の調製法に準じ、Pt−Mo/Al2 O3 からな
る比較例の触媒No.17を調製した。
製)担体をAl2 O3 に変えたこと以外は前記したPt
−Mo−アルカリ金属/SiO2 触媒の調製法に準じ、
Pt−Mo−Na/Al2 O3 からなる比較例の触媒N
o.18を調製した。
粉成形により直径が300〜700μmのペレット状に
し、このペレット状の触媒0.5gを石英製の反応管に
詰めた。この反応管に、表2に示す、空燃比(A/F)
18相当の排気組成を有するモデルガスを流速3.3l
/minで流し、窒素酸化物(NO)の還元浄化活性を
排気ガス分析計により調査した。
粉成形により直径が300〜700μmのペレット状に
し、このペレット状の触媒0.5gを石英製の反応管に
詰めた。この反応管に、表3に示す、空燃比が理論空燃
比14.7近傍の排気組成を有するモデルガスを流速
3.3l/minで流し、窒素酸化物(NO)を排気ガ
ス分析計により調査し、NO浄化活性の空燃比特性を調
査した。
Mo−Na/SiO2 からなる本実施例の触媒(No.
4)、ならびに比較例の触媒である、Pt−Na/Si
O2 (No.11)、Pt/Al2 O3 (No.1
6)、およびPt−Mo/Al2 O3 (No.17)触
媒についての性能評価試験結果を示す。横軸は入りガス
温度、縦軸は窒素酸化物浄化率を示す。この結果より、
Pt−Mo−Na/SiO2 からなる本実施例の触媒
は、350〜600℃の範囲の温度域にわたって窒素酸
化物を還元浄化できることがわかる。
なり、Ptに対するMoの担持量がモル比で3以上であ
る本実施例の触媒(No.1〜No.6)、ならびに、
Pt−Mo−Na/SiO2 からなり、Ptに対するM
oの担持量がモル比で3未満である比較例の触媒(N
o.12、No.13)、ならびにPt−Na/SiO
2 からなる比較例の触媒(No.11)についての性能
評価試験結果を示す。この結果より、本実施例の触媒は
窒素酸化物浄化開始温度が280℃以上という高温で、
活性を示す温度範囲が100℃以上にわたって窒素酸化
物に対して優れた浄化能力を有していることがわかる。
なお、本実施例では、Ptに対するMoの担持量はモル
比で最大50までであるが、50以上の場合でも窒素酸
化物に対してなお高い浄化活性を示した。
なり、Ptに対するNaの担持量がモル比で0.41、
0.19、3.8である本実施例の触媒(順に、No.
4、No.7、No.8)、並びにPtに対するNaの
担持量がモル比で0、18.9である比較例の触媒(N
o.14、No.15)についての性能評価試験結果を
示す。この結果より、本実施例の触媒は、窒素酸化物浄
化開始温度が280℃以上という高温で、活性を示す温
度範囲が200℃以上にわたって窒素酸化物に対して優
れた浄化能力を有していることがわかる。
0)および比較例の触媒(No.11〜18)について
の性能評価試験結果を示す。なお、本評価試験におい
て、測定は最高600℃まで行った。
化物浄化開始温度が280℃以上という高温で、活性を
示す温度範囲が100℃以上にわたって窒素酸化物に対
して優れた浄化能力を有していることがわかる。
Mo−Na/SiO2 からなる本実施例の触媒(No.
4、No.7、No.8)、ならびに比較例の触媒であ
る、Pt−Na/SiO2 (No.11)、Pt−Mo
/SiO2 (No.14)触媒についての性能評価試験
結果を示す(入りガス温度:450℃)。図中、横軸L
ambdaは、理論空燃比14.7に対する空燃比の比
率(Lambda=(空燃比)/14.7)、縦軸はN
O浄化率を示す。
2 からなる本実施例の触媒は、比較例の触媒に比べ、広
い空燃比範囲において優れた浄化活性を示すことがわか
る。
なる本実施例の触媒(No.4)を上流側に、Pt−A
l2 O3 からなる比較例の触媒(No.16)を補助触
媒として下流側に配置して評価試験を行った結果を示
す。この結果より、本実施例の触媒と、比較例の従来の
触媒とをそれぞれ上流、下流側に配置して使用すること
により、窒素酸化物浄化開始温度が200℃付近で、活
性を示す温度範囲が350℃以上の広範囲にわたり窒素
酸化物に対して優れた浄化能力を有する触媒となること
がわかる。
媒の性能評価試験1についての結果を示す図である。
媒の性能評価試験1についての結果を示す図である。
媒の性能評価試験1についての結果を示す図である。
媒の性能評価試験2についての結果を示す図である。
1についての結果を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 多孔質担体と、 該多孔質担体に担持した、アルカリ金属から選ばれる1
種以上の金属と、 該多孔質担体に担持した白金およびモリブデンと、から
なり、 前記モリブデンの担持量は白金の担持量に対しモル比で
3以上、前記アルカリ金属の担持量は白金の担持量に対
しモル比で0.001〜15であることを特徴とする窒
素酸化物還元触媒。 - 【請求項2】 請求項1記載の窒素酸化物還元触媒を酸
素過剰雰囲気下で、浄化活性温度域が250〜350℃
である窒素酸化物浄化用触媒の上流側または下流側に配
置して窒素酸化物と接触させることを特徴とする窒素酸
化物還元触媒の使用方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34064393A JP3538214B2 (ja) | 1993-12-07 | 1993-12-07 | 窒素酸化物還元触媒およびその使用方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34064393A JP3538214B2 (ja) | 1993-12-07 | 1993-12-07 | 窒素酸化物還元触媒およびその使用方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07155602A true JPH07155602A (ja) | 1995-06-20 |
JP3538214B2 JP3538214B2 (ja) | 2004-06-14 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34064393A Expired - Fee Related JP3538214B2 (ja) | 1993-12-07 | 1993-12-07 | 窒素酸化物還元触媒およびその使用方法 |
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---|---|
JP (1) | JP3538214B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002126453A (ja) * | 2000-10-25 | 2002-05-08 | Toyota Motor Corp | 排ガス浄化装置 |
-
1993
- 1993-12-07 JP JP34064393A patent/JP3538214B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002126453A (ja) * | 2000-10-25 | 2002-05-08 | Toyota Motor Corp | 排ガス浄化装置 |
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JP3538214B2 (ja) | 2004-06-14 |
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