JPH07155145A - 吸水崩壊性成型食品及びその製造方法 - Google Patents

吸水崩壊性成型食品及びその製造方法

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JPH07155145A
JPH07155145A JP5340416A JP34041693A JPH07155145A JP H07155145 A JPH07155145 A JP H07155145A JP 5340416 A JP5340416 A JP 5340416A JP 34041693 A JP34041693 A JP 34041693A JP H07155145 A JPH07155145 A JP H07155145A
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JP
Japan
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water
disintegratable
molded food
food
drying
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JP5340416A
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English (en)
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Harunori Aoyama
晴紀 青山
Eishin Araki
英信 荒木
Hideki Araki
英希 荒木
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SANKAI KK
Original Assignee
SANKAI KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水や熱湯を注ぐと短時間で具入りの液状食品
(例、スープ、味噌汁、澄まし汁、シチュウ、ジュース
等)が得られる吸水崩壊性成型食品及びその製造方法
で、特に高品質・低コストが可能なものである。 【構成】 少なくとも1種の準結合水領域以下の含有水
分を有する乾燥具と少なくとも乾燥具を接着し内部に多
数の空隙を有する易水溶性食品とを混合した膨化体とよ
りなっていて、膨化体は空隙から表面に達するキャピラ
リーと表面に無皮膜の部分とを有する水分活性0.7以
下である吸水崩壊性成型食品である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水や熱湯を注ぐと短時
間で具入りの液状食品(例えばスープ、味噌汁、澄まし
汁、シチュー又はジュース等)が得られる吸水崩壊性成
型食品及びその製造方法に関するもので、特に高品質・
低コストが可能なものである。
【0002】
【従来の技術】従来の例えば即席スープは、熱風乾燥に
より乾燥した粉末状、顆粒状スープと、別途乾燥した様
々な具材が同一の小袋に包装したもの、あるいは別々に
小袋包装してセットされていた。また、具材と液状部分
を予め混合し凍結乾燥により乾燥することにより即席味
噌汁を得る方法が提案されている(特公昭57−432
30号公報、特公昭61−5700号公報)。さらに、
液状部分と具材を予め混合した後マイクロ波乾燥したも
のは、境界部に焦げが発生するので、液状部と具材を別
々にマイクロ波乾燥しその後一体に成型したもの、具体
的にはマイクロ波乾燥処理をした可溶性基材の内部に乾
燥具材を充填した後、可食性の蓋材にて閉じ乾燥具材を
可溶性基材で被覆することが提案されている(特公平4
−24981公報、特公平4−24982公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしこれら従来品を
製品としてみた場合、熱風乾燥品は乾燥中に高い温度に
さらされるため品質変化が激しく、色調の変化や、風味
が低下する欠点があり、また、具材と液状部分を小袋包
装しセットしたものは複数の小袋を開封する煩雑さがあ
り、乾燥費用に加えて包装費用がかさむといった欠点が
ある。さらに、凍結乾燥による従来品の製造方法では、
凍結し得る自由水を含む上に潜熱供給を伝導伝熱に頼る
為、乾燥に長時間を要し、製造時のコスト高を招来す
る。また、液状部と具材を別々にマイクロ波乾燥し、そ
の後一体に成型したものは液状部分と具材を予め混合し
た後マイクロ波乾燥したもののように境界部に焦げは発
生しないが、乾燥具材を液状部分の可溶性基材で被覆し
たため中身の確認が予め出来ず、製造工程が複雑で製造
時のコスト高を招来する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を、少
なくとも1種の準結合水領域以下の水分を含有する乾燥
具と少なくとも前記乾燥具を接着し内部に多数の空隙を
有する易水溶性食品とを混合した膨化体とよりなり、前
記膨化体は前記空隙から表面に達するキャピラリーと前
記表面に無皮膜の部分とを有し水分活性0.7以下であ
る吸水崩壊性成型食品により解決した。また、本発明の
吸水崩壊性成型食品は、易水溶性食品が糖類、動植物蛋
白分解物及び調味料よりなるのが望ましい。また、本発
明の吸水崩壊性成型食品は、無皮膜の部分が膨化体全表
面の60%以上であるのが望ましい。また、本発明の吸
水崩壊性成型食品は、膨化体をガスバリヤー性包材で密
封するのがのが望ましい。また、本発明の吸水崩壊性成
型食品は、膨化体を耐熱性容器内に充填してガスバリヤ
ー性包材で密封するのが望ましい。
【0005】さらに、少なくとも易水溶性食品を含み平
均粒径500μ以下の気泡をむらなく分散し準結合水領
域に調整したO/W型乳化生地と、少なくとも1種の準
結合水領域以下の水分を含有する乾燥具を混合して比誘
電損失係数の値が小さい耐熱性容器内に充填し、真空度
10〜500toorの真空下において膨化頂点まで束
縛加熱を施し膨化体を得、次いで前記膨化体を水分活性
0.7以下まで乾燥することを特徴とする吸水崩壊性成
型食品の製造方法により解決した。また、本発明の吸水
崩壊性成型食品の製造方法は、易水溶性食品が糖類、動
植物蛋白分解物及び調味料よりなるのが望ましい。ま
た、本発明の吸水崩壊性成型食品の製造方法は、無皮膜
の部分が膨化体全表面の60%以上であるのが望まし
い。また、本発明の吸水崩壊性成型食品の製造方法は、
乾燥後耐熱性容器内の膨化体を取り出しガスバリヤー性
包材で密封するのが望ましい。また、本発明の吸水崩壊
性成型食品の製造方法は、乾燥後耐熱性容器内に膨化体
を充填したままガスバリヤー性包材で密封するのが望ま
しい。
【0006】
【作用】本発明の吸水崩壊性成型食品は、少なくとも1
種の準結合水領域以下の水分を含有する乾燥具と少なく
とも乾燥具を接着し内部に空隙を有する易水溶性食品と
を混合した膨化体とよりなり、膨化体は空隙から表面に
達するキャピラリーと表面に無皮膜の部分とを有してい
るため、湯戻しの際に膨化体全面特に無皮膜の部分より
キャピラリーと空隙を通して膨化体内部に瞬時に吸水
し、膨化体全体が数秒〜数十秒以内に崩壊して液状食品
に復元するように作用する。また、この膨化体全体の数
秒〜数十秒以内の崩壊により、膨化体に含まれている乾
燥具の復元は、膨化体によって影響を受けないように作
用する。膨化体は所望の形状、サイズに容易に成型する
ことができるので選択の幅が大きく、所望の容器に充填
成型したものは、見栄えが良くボリューム感があり、喫
食者の食欲を増進するよう作用する。膨化体は乾燥具と
少なくとも易水溶性食品とを混合してなっているため、
膨化体表面から乾燥具の種類を容易に識別できるので、
喫食者が安心して喫食できるように作用する。膨化体は
水分活性0.7以下であるので、微生物の繁殖を抑える
ように作用する。また、膨化体の無皮膜の部分が膨化体
全表面の60%以上であるときは、湯戻しの際の吸水に
はより望ましく作用する。また、膨化体をガスバリヤー
性包材で密封するか、又は膨化体を耐熱性容器内に充填
したままガスバリヤー性包材で密封ことにより、酸化・
吸湿等による品質劣化、風味の変化を防止するように作
用する。
【0007】さらに、本発明の吸水崩壊性成型食品の製
造方法は、少なくとも易水溶性食品を含み平均粒径50
0μ以下の気泡をむらなく分散し準結合水領域に調整し
たO/W型乳化生地と、少なくとも1種の準結合水領域
以下の水分を含有する乾燥具を混合して比誘電損失係数
の値が小さい耐熱性容器内に充填し、真空度10〜50
0toorの真空下において膨化頂点まで束縛加熱を施
し膨化体を得、次いで膨化体を水分活性0.7以下まで
乾燥することにより、急激に発生する湿熱が分散された
気泡を核として膨化体を形成し膨化頂点に達すると過剰
な湿熱が逸出し内部に多数の空隙と表面に達するキャピ
ラリーが形成され、湯戻りの早い吸水崩壊性成型食品
が、高品質・低コストで生産効率よく得られるように作
用する。また、減圧下では、生地に分散された気泡が膨
脹し、膨化体形成に有効に寄与する。乾燥具を混合し準
結合水領域に調整したO/W型乳化生地に束縛加熱を施
すことにより、自由水を含む生地におけるように乾燥に
長時間を要し具材が過熱されて焦げが発生することがな
く、焦げ発生を防止しながら乾燥効率を上げるように作
用する。準結合水領域に調整したO/W型乳化生地に平
均粒径500μ以下の気泡をむらなく分散することによ
り、乳化を安定するように作用する。また、この気泡を
含ませることによって被加熱物たるO/W型乳化生地の
密度が低下し、束縛加熱によるマイクロ波の吸収が弱ま
り、より内部へ到達できるため、形状の如何を問わず加
熱むらを生じないように作用する。水分活性0.7以下
とすることにより微生物の繁殖を抑えるように作用す
る。乾燥具を混合し準結合水領域に調整したO/W型乳
化生地を、比誘電損失係数の値が小さい耐熱性容器内に
充填して束縛加熱を施すことにより、所望の形状、サイ
ズに容易に成型することができるように作用する。束縛
加熱を真空度が10〜500toorの下で施すことに
より膨化体を低温で安定的に形成するように作用する。
【0008】また、準結合水領域に調整したO/W型乳
化生地の易水溶性食品が糖類、動植物蛋白分解物及び調
味料よりなるときは、湯戻しの際の吸水と、膨化体全体
の崩壊による液状食品への復元にはより望ましく作用す
る。また、膨化体の無皮膜の部分が膨化体全表面の60
%以上であるときは、湯戻しの際の吸水にはより望まし
く作用する。また、乾燥後耐熱性容器内の膨化体を取り
出すかまたは膨化体を充填したままガスバリヤー性包材
で密封することにより、酸化・吸湿等による品質劣化、
風味の変化を防止するように作用する。
【0009】
【実施例】本発明の吸水崩壊性成型食品及びその製造方
法の実施例を順次説明する。図1は、本発明の吸水崩壊
性成型食品の一例の概略側面図である。図2は、図1に
示す本発明の吸水崩壊性成型食品の一例のA・A線概略
断面図である。吸水崩壊性成型食品1は、乾燥具3と乾
燥具3を接着し内部に多数の空隙6を有する易水溶性食
品とを混合した膨化体2よりなっている。そして、空隙
6から表面である上面9、側面7及び底面8に達するキ
ャピラリー5と、上面9の表面に皮膜4とを有し、側面
7及び底面8は無皮膜であって水分活性0.7まで乾燥
されている。膨化体の無皮膜の部分(側面7及び底面
8)が膨化体全表面の60%以上であるときは、湯戻し
の際の吸水にはより有効である。
【0010】次に、本発明の吸水崩壊性成型食品製造方
法は、先ず易水溶性食品として、糖類、動植物蛋白分解
物及び調味料を原料とする。糖類としては、例えばデキ
ストリン、砂糖、澱粉、それらの分解物又はそれらの加
工品等が挙げられる。動植物蛋白分解物としては、例え
ば大豆ペプタイド、アミノ酸又はエキストラクト等が挙
げられる。調味料としては、例えば味噌、醤油、食塩、
又は有機酸等を含有したスープ類、味噌汁、澄まし汁又
はそれらの乾燥品等が挙げられる。上記易水溶性食品
に、必要に応じ食品添加物例えば酸化防止剤(トコフェ
ロール等)、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル等)、
燐酸塩、香辛料又は着色料等の単独又は組合わせを加え
て混合することにより、平均粒径500μ以下の気泡を
むらなく分散含有せしめ、準結合水領域に調整したO/
W型乳化生地が得られる。この気泡は、後述の如く爾後
の束縛加熱によって、発生する水蒸気の圧力によって気
泡が集合し、膨化頂点に達すると水蒸気が外部に脱出
し、内部の多数の空隙から表面に達するキャピラリーを
形成し、吸水崩壊性成型食品の吸水復元時間の短縮に寄
与する。また、気泡の平均粒径は、吸水崩壊性成型食品
の種類によって選択されるが、500μを超えると束縛
加熱の後に得られる製品中の空隙が大きくなって、見栄
えが悪く脆くなるので500μ以下にとっている。
【0011】次に準結合水領域に調整したO/W型乳化
生地に、乾燥具の単独又は組合わせを乾燥処理したもの
を加えて混合し、比誘電損失係数の値が小さい耐熱性容
器内に充填して束縛加熱を施し膨化体を得る。ここで乾
燥具とは、準結合水領域以下の水分を含有する即席食品
用具材をいう。これらは、通風乾燥、凍結乾燥、マイク
ロ波乾燥等により乾燥され、或いは遠心分離機による脱
水や高濃度塩類・糖類等で浸漬脱水されたもの等で、湯
戻しの際に容易に吸水し復元するものであればよい。例
えば乾燥具の原料として、ポーク、チャーシュー、スク
ランブル卵、フヨウハイ等の畜肉・卵類、葱、玉葱、ニ
ラ、パセリ、もやし、コーン、人参、林檎、椎茸等の野
菜・果物・菌類、豆腐、油揚等、わかめ、いか、かにか
ま等の水産物等が挙げられる。比誘電損失係数の値が小
さい耐熱性容器としては、例えば四弗化エチレン、メチ
ルペンテンポリマー又はポリエチレンテレフタレート等
のプラスチック製(JISS2033「電子レンジ用プ
ラスチック製容器」に記載のもの)とか、耐熱性ガラ
ス、磁器又はプラスチック(例えばメチルペンテンポリ
マー、ポリエチレンテレフタレート又はポリプロピレン
等)と紙をラミネートしたもの等が使用可能である。比
誘電損失係数の値が大きい容器は束縛加熱時にマイクロ
波が吸収され、容器自体を加熱することとなるため効率
が悪く、耐熱性の低い容器では束縛加熱時に変形や破損
して膨化体の安定的形状の成型ができない。ここで束縛
加熱とは、例えば特公昭55−48788号公報、特公
平3−985号公報及び特公平3−80458号公報に
記載のごとく、自由水をほとんど含まない準結合水領域
において調整された食品混合生地を、表面を比誘電損失
係数の値の低い材質(例えば四弗化エチレン等)でコー
ティングした例えばガラス繊維製ベルトコンベア上へ載
置し、マイクロ波により誘電加熱を行うことをいう。準
結合水領域においては、水分子が他の構成物質から束縛
をうけておりその束縛の割合に応じて電場に配向し難く
なるから、潜熱を上回る過剰なマイクロ波エネルギーを
与えると熱蓄積のため真空下で瞬間的に品温が上昇し、
短時間に膨化、結着、凝固をほとんど同時に完了するも
のである。
【0012】束縛加熱は真空度が10〜500toor
の下で施すのが膨化体の安定的形成に有効で、通常は芳
香成分を失わないように高い真空度がより望ましい。真
空度が10toorより小さいと束縛加熱時にグロー放
電が発生し、500toorより大きいと、品温の上
昇、焦げの発生が生じやすくなる。また、熱的影響を受
けやすいもの、例えば澱粉(10〜70toor)や未
変性蛋白(10〜150toor)を含む場合には高真
空度が望ましい。マイクロ波による誘電加熱は、有効な
電力密度(単位 投入電力Kw/被加熱物の重量Kg
以下P.D.と略称する。)を通常1〜40で、5〜1
0分印加すれば良く、通常40を超えるとマッチングし
にくく、過剰電力は浪費となる。
【0013】次いで、膨化体を水分活性0.7以下まで
乾燥し本発明の吸水崩壊性成型食品の製造方法を完了す
るが、この最後の乾燥は束縛加熱を引き続いて行うのが
工程の自動化や乾燥時間の短縮に有効で最も望ましい。
水分活性0.7以下であることは、細菌や多くの黴・酵
母の増殖を抑えることのできる範囲である。さらに、最
後の乾燥後耐熱性容器内の膨化体を取り出すかまたは膨
化体を充填したままガスバリヤー性包材で密封するのが
望ましい。ガスバリヤー性包材としては、例えば発泡ポ
リスチレン製カップ、プラスチックフィルム(例えばポ
リプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レン、塩化ビニリデンコートセロハン又はナイロン等)
とエチレン・ビニル共重合ラミネートフィルム又はアル
ミラミネートフィルム等が用いられる。
【0014】次ぎに、本発明の具体的実施例を説明す
る。 (実施例1)デキストリン9部、大豆ペプタイド2部に
ラーメン用粉末乾燥スープ(ヒガシマル食品株式会社製
−粉末醤油、食塩、肉エキス、砂糖、アミノ酸、油脂、
香辛料、カラメル色素よりなる)9部、水8部、シーズ
ニングオイル1部を加えて、ボールカッターで混合し
て、平均500μ以下の気泡をむらなく分散含有せし
め、O/W型乳化で水分34%の準結合水領域に調整し
た生地を得た。この生地に乾燥具として乾燥チャーシュ
ー片4部、乾燥スクランブル卵2部、凍結乾燥葱0.5
部を加えて混合した。乾燥具を混合した生地を角型の四
弗化エチレン製容器(縦65×横50×深さ30mm)
に19g充填し、真空度40toorの減圧下に導き、
P.D.20〜30のマイクロ波場で5分間束縛加熱を
施し、水分7%、水分活性0.60の即席スープが得ら
れた。得られた即席スープは、内部に平均直径3mmの
多数の大小空隙をほぼむらなくを有し、空隙から表面に
達するキャピラリーを有したポーラスな状態で、容器と
の接触面はすべて皮膜を形成しておらず、この無皮膜部
分は全表面の75%であった。これを、ラーメン用どん
ぶりに取り出して湯を注ぐと3秒で吸水、崩壊し、膨化
体に含まれていた乾燥具が10〜150秒で復元し、具
材入りラーメンスープとして好適であった。また、得ら
れた即席スープをポリプロピレン、エチレン・ビニル共
重合、ポリエチレンのラミネートフィルムで包装し、常
温で保存した。その後6か月間、酸価、過酸化価共誘導
期にあった。
【0015】(実施例2)実施例1と同様にして得られ
た即席スープを角型の四弗化エチレン製容器に充填した
まま実施例1と同様のラミネートフィルムで包装し、常
温で保存した。その後6か月間、酸価、過酸化価共誘導
期にあった。6か月経過後、ラミネートフィルムより取
りだし、これを、ラーメン用どんぶりに取り出して湯を
注ぐと実施例1とほぼ同様の具材入りラーメンスープが
得られた。
【0016】(実施例3)デキストリン9部、大豆ペプ
タイド2部に米味噌18部、水3部、粉末かつおだし1
部を加えて、ボールカッターで混合して、平均500μ
以下の気泡をむらなく分散含有せしめ、水分37%の準
結合水領域に調整した即席味噌汁用生地を得た。この生
地に乾燥具として凍結乾燥葱1部、乾燥わかめ2.5
部、乾燥油揚2部、を加えて混合した。乾燥具を混合し
た生地をカップ型の四弗化エチレン製容器(上部内径8
5mm下部内径60mm深さ90mm)に33g充填
し、真空度40toorの減圧下に導き、P.D.10
〜20のマイクロ波場で8分間束縛加熱を施し、水分7
%、水分活性0.60の即席味噌汁が得られた。得られ
た即席味噌汁は、内部に平均直径2mmの多数の大小空
隙をほぼむらなく有し、空隙から表面に達するキャピラ
リーを有したポーラスな状態で、容器との接触面はすべ
て皮膜を形成しておらず、この無皮膜部分は全表面の7
0%であった。これを、汁椀に取り出して湯を注ぐと3
秒で吸水、崩壊し、膨化体に含まれていた乾燥具が10
〜30秒で復元し、具材入り味噌汁として好適であっ
た。また、得られた即席味噌汁を発泡ポリスチレン容器
(カップ型の四弗化エチレン製容器と同寸)に充填し、
口部をアルミラミネートフィルムで加熱シール密封し、
常温で保存した。その後6か月間、酸価、過酸化価共誘
導期にあった。
【0017】(実施例4)デキストリン9部、大豆ペプ
タイド0.7部に水15部、乾燥ポテトパウダー10
部、粉乳5部、油脂4部、オニオンパウダー1部、食塩
1部、固形スープの素1部を加えて、ボールカッターで
混合して、平均500μ以下の気泡をむらなく分散含有
せしめ、O/W型乳化で水分35%の準結合水領域に調
整した即席じゃがいもスープ生地を得た。この生地に乾
燥具として乾燥パセリ0.5部を加えて混合した。乾燥
具を混合した生地をカップ型の四弗化エチレン製容器
(上部内径85mm下部内径60mm深さ90mm)に
45g充填し、真空度30toorの減圧下に導き、
P.D.5〜15のマイクロ波場で10分間束縛加熱を
施し、水分7%、水分活性0.65の乾燥即席じゃがい
もスープが得られた。得られた乾燥即席じゃがいもスー
プは、内部に平均直径1.5mmの多数の大小空隙をほ
ぼむらなく有し、空隙から表面に達するキャピラリーを
有したポーラスな状態で、容器との接触面はすべて皮膜
を形成しておらず、この無皮膜部分は全表面の75%で
あった。これを、スープカップに取り出して湯を注ぐと
5秒で吸水、崩壊し、じゃがいもスープとして好適であ
った。また、得られた乾燥即席じゃがいもスープを発泡
ポリスチレン容器(カップ型の四弗化エチレン製容器と
同寸)に充填し、口部をアルミラミネートフィルムで加
熱シール密封し、常温で保存した。その後6か月間、酸
価、過酸化価共誘導期にあった。また、乾燥ポテトパウ
ダー8部を粉乳3部、ミルククリーム5部に置き換えて
同様に処置し、得られたものはクリームスープとして好
適であった。
【0018】(実施例5)デキストリン9部、大豆ペプ
タイド0.7部に水9.5部、粉末乾燥とりがらスープ
の素(富士食品工業株式会社製−乳糖、チキンエキス、
食塩、アミノ酸、粉末醤油、野菜エキス、砂糖、香料よ
りなる)9部、片栗粉9部、油脂4部を加えて、ボール
カッターで混合して、平均500μ以下の気泡をむらな
く分散含有せしめ、O/W型乳化で水分30%の準結合
水領域に調整した即席中華あんかけ生地を得た。この生
地を角型の四弗化エチレン製容器(縦65×横50×深
さ30mm)に35g充填し、乾燥フヨウハイ5部を上
乗せ充填した。これを真空度40toorの減圧下に導
き、P.D.1〜15のマイクロ波場で6分間束縛加熱
を施し、水分7%、水分活性0.60の乾燥即席中華あ
んかけ付きフヨウハイが得られた。 得られた乾燥即席
中華あんかけ付きフヨウハイは、あんかけ内部に平均直
径2mmの多数の大小空隙をほぼむらなく含有し、空隙
から表面に達するキャピラリーを有したポーラスな状態
で、容器との接触面はすべて皮膜を形成しておらず、こ
の無皮膜部分は全表面の70%であった。これを、中華
スープ皿に取り出して湯を注ぐと5秒で吸水、崩壊し、
膨化体に含まれていた乾燥フヨウハイが150秒で復元
し、中華あんかけ付きフヨウハイとして好適であった。
従来の成型乾燥あんは、表面のみ吸水し内部まで湯が浸
透することはなっかたが、本実施例では多数のキャピラ
リーを有するポーラスな膨化体であるため、湯が内部ま
で浸透して復元するため、中華あんとして好適であっ
た。また、得られた乾燥即席中華あんかけ付きフヨウハ
イをポリプロピレン、エチレン・ビニル共重合、ポリエ
チレンのラミネートフィルムで包装し、常温で保存し
た。その後6か月間、酸価、過酸化価共誘導期にあっ
た。
【0019】(実施例6)デキストリン9部、大豆ペプ
タイド0.5部にトマトピューレ10部、 食塩0.2
部、シーズニングオイル0.1部を加えて、ボールカッ
ターで混合して、平均500μ以下の気泡をむらなく分
散含有せしめ、水分40%の準結合水領域に調整した即
席トマトジュース用生地を得た。この生地を円筒型の四
弗化エチレン製容器(内径60mm、深さ100mm)
に110g充填し、乾燥レモン0.2部を上乗せ充填し
た。これを真空度30toorの減圧下に導き、P.
D.1〜15のマイクロ波場で9分間束縛加熱を施し、
水分7%、水分活性0.65の乾燥即席トマトジュース
が得られた。得られた乾燥即席トマトジュースは、内部
に平均直径2mmの多数の大小空隙をほぼむらなく含有
し、空隙から表面に達するキャピラリーを有したポーラ
スな状態で、容器との接触面はすべて皮膜を形成してお
らず、この無皮膜部分は全表面の75%であった。これ
を、コップに取り出して水を注ぐと30秒で吸水、崩壊
し、膨化体に含まれていた乾燥レモンが180秒で復元
し、トマトジュースとして好適であった。また、得られ
た乾燥即席トマトジュースをポリプロピレン、エチレン
・ビニル共重合、ポリエチレンのラミネートフィルムで
包装し、常温で保存した。その後6か月間、酸価、過酸
化価共誘導期にあった。
【0019】
【発明の効果】本発明の吸水崩壊性成型食品によれば、
具材と液状部分が混合されているにもかかわらず品質や
色調の変化がなく、風味が低下する事もなく、水や熱湯
を注ぐと瞬時に具入りの液状食品が得られる。また本発
明の吸水崩壊性成型食品の製造方法によれば、短時間に
乾燥を行うことができ、具材の焦げ発生を防止しながら
高品質・低コストの吸水崩壊性成型食品が生産効率よく
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸水崩壊性成型食品の一例の概略側面
図である。
【図2】図1に示す本発明の吸水崩壊性成型食品の一例
のA・A線概略断面図である。
【符号の説明】
1 吸水崩壊性成型食品 2 膨化体 3 具 4 皮膜 5 キャピラリー 6 空隙 7 側面 8 底面 9 上面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23L 3/54 A

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種の準結合水領域以下の水
    分を含有する乾燥具と少なくとも前記乾燥具を接着し内
    部に多数の空隙を有する易水溶性食品とを混合した膨化
    体とよりなり、前記膨化体は前記空隙から表面に達する
    キャピラリーと前記表面に無皮膜の部分とを有し水分活
    性0.7以下であることを特徴とする吸水崩壊性成型食
    品。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の吸水崩壊性成型食品に
    おいて、易水溶性食品が糖類、動植物蛋白分解物及び調
    味料よりなることを特徴とする吸水崩壊性成型食品。
  3. 【請求項3】 請求項1〜2のいずれかに記載の吸水崩
    壊性成型食品において、無皮膜の部分が膨化体全表面の
    60%以上であることを特徴とする吸水崩壊性成型食
    品。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の吸水崩
    壊性成型食品において、膨化体をガスバリヤー性包材で
    密封したことを特徴とする吸水崩壊性成型食品。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の吸水崩
    壊性成型食品において、膨化体を耐熱性容器内に充填し
    てガスバリヤー性包材で密封したことを特徴とする吸水
    崩壊性成型食品。
  6. 【請求項6】 少なくとも易水溶性食品を含み平均粒径
    500μ以下の気泡をむらなく分散し準結合水領域に調
    整したO/W型乳化生地と、少なくとも1種の準結合水
    領域以下の水分を含有する乾燥具を混合して比誘電損失
    係数の値が小さい耐熱性容器内に充填し、真空度10〜
    500toorの真空下において膨化頂点まで束縛加熱
    を施し膨化体を得、次いで前記膨化体を水分活性0.7
    以下まで乾燥することを特徴とする吸水崩壊性成型食品
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の吸水崩壊性成型食品の
    製造方法において、易水溶性食品が糖類、動植物蛋白分
    解物及び調味料よりなることを特徴とする吸水崩壊性成
    型食品の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6〜7のいずれかに記載の吸水崩
    壊性成型食品の製造方法において、無皮膜の部分が膨化
    体全表面の60%以上であることを特徴とする吸水崩壊
    性成型食品の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項6〜8のいずれかに記載の吸水崩
    壊性成型食品の製造方法において、乾燥後耐熱性容器内
    の膨化体を取り出しガスバリヤー性包材で密封すること
    を特徴とする吸水崩壊性成型食品の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項6〜8のいずれかに記載の吸水
    崩壊性成型食品の製造方法において、乾燥後耐熱性容器
    内に膨化体を充填したままガスバリヤー性包材で密封す
    ることを特徴とする吸水崩壊性成型食品の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007111013A (ja) * 2005-10-24 2007-05-10 Karametei:Kk あんかけソースの素およびその製造方法

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