JPH0715479A - 自動周波数制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 準同期検波型復調器の固定発振器をＡＦＣ制
御の基準周波数とすることにより、通常のディジタル復
調器で要求されるような、中間周波信号の搬送波周波数
への厳しい周波数安定度や高い周波数精度を緩和する。 【構成】 Ｍ相位相変調された高周波信号を中間周波信
号に変換する周波数変換器３１と、その中間周波信号
を、直交位相検波器とその直交位相検波器に入力される
固定発振器とでベ−スバンド信号に変換した後、ディジ
タル復調する準同期検波型復調器３３と、中間周波信号
の周波数をＭ逓倍するＭ逓倍器３０４と、この出力信号
の周波数をＭ分周するＭ分周器３０５と、そのＭ分周器
３０５の出力信号と準同期検波型復調器の固定発振器３
５の出力信号との周波数誤差を検出する位相検波器３６
と、周波数変換器３１に入力され、位相検波器３６から
の出力電圧に基づいて発振周波数が制御される電圧制御
発振器３８とで構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は多値ＱＡＭ変調信号や多
相位相変調信号などのディジタル変調信号を復調する復
調回路に入力される変調信号の中心周波数を安定化する
ための自動周波数制御装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】現在、テレビ放送の変調方式にはＡＭ変
調方式やＦＭ変調方式が一般的に用いられている。しか
し、最近では多値ＱＡＭ変調方式や多相位相変調方式に
よる地上ディジタル放送や衛星ディジタル放送も考えら
れている。

【０００３】一般にディジタル変調されたＲＦ信号を受
信し、ディジタル復調器でデータを復調するには、ディ
ジタル復調器に入力されるディジタル変調信号の中心周
波数を安定化することが必要とされる。

【０００４】例えば、衛星放送受信機ではＢＳコンバー
タの局発周波数は±数ＭＨｚ程度ドリフトする可能性が
あるので、ディジタル変調信号を中間周波信号に周波数
変換してディジタル復調器に入力する時に、このドリフ
トを吸収して中間周波信号の中心周波数を安定化するた
めには自動周波数制御装置（以下、ＡＦＣ装置と記す）
が必要である。図７に従来のＡＦＣ装置（例えば、特開
昭６３−２９９５２６号公報参照）を示す。

【０００５】図７において、ディジタル変調された高周
波信号は周波数変換器７１により中間周波信号に変換さ
れ、中間周波帯域通過フィルタ７２を介して、ディジタ
ル復調器７３に入力される。ディジタル復調器７３では
搬送波再生回路７５及び直交位相検波器７９により中間
周波信号の搬送波が再生され、データが復調される。一
方、搬送波抽出回路７４では中間周波帯域通過フィルタ
７２から出力された中間周波信号の搬送波が抽出され、
位相検波器７６に入力される。位相検波器７６では公称
周波数が中間周波信号の搬送波と等しい中間周波発振器
７７の出力信号と、搬送波抽出回路７４の出力信号との
周波数差が検出される。そして、位相検波器７６の出力
信号により周波数変換器７１に入力される電圧制御発振
器７８の周波数が制御される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記従来例の構成で
は、ディジタル復調器７３の搬送波再生回路７５で中間
周波信号の搬送波が再生されるためには、ディジタル復
調器７３に入力される中間周波信号の搬送波周波数と搬
送波再生回路７５の動作周波数との周波数差を少なく抑
える必要がある。そのためには中間周波発振器７７の温
度安定度と共に、搬送波再生回路７５の動作周波数の安
定度を高める必要があり、中間周波発振器７７とともに
搬送波再生回路７５にも安定度の高い発振器が必要にな
る。しかも、中間周波信号の周波数を高くすると、それ
だけ中間周波発振器７７とともに搬送波再生回路７５に
も温度安定度と共に、厳しい周波数精度が要求されると
いう問題点を有していた。

【０００７】更に、ディジタル復調器７３内にある搬送
波再生回路７５の電圧制御発振器以外にも、中間周波発
振器７７を用いているので、発振器が２個必要である。

【０００８】本発明はかかる点に鑑みてなされたもの
で、上記従来例のもつ欠点を除去し、ディジタル復調器
に必要な中間周波信号の周波数安定度の問題を解決する
とともに、中間周波発振器を不要にするＡＦＣ装置を提
供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のＡＦＣ装置では、ディジタル変調された高周
波信号を中間周波信号に変換する周波数変換器と、上記
中間周波信号を復調する準同期検波型復調器と、中間周
波信号の搬送波を抽出する搬送波抽出回路と、中間周波
信号と公称周波数が等しい上記準同期検波型復調器の固
定発振器と、上記固定発振器と中間周波信号との周波数
差を検出する位相検波器と、上記周波数変換器に入力さ
れ、上記位相検波器からの出力電圧に基づいて発振周波
数が制御される電圧制御発振器とで構成される。

【００１０】また、ディジタル変調信号が多相（Ｍ相）
位相変調信号の場合には、ディジタル変調された高周波
信号を中間周波信号に変換する周波数変換器と、上記中
間周波信号を復調する準同期検波型復調器と、上記中間
周波信号の周波数をＭ倍するＭ逓倍器と、上記Ｍ逓倍器
の出力信号の周波数をＭ分周するＭ分周器と、中間周波
信号と公称周波数が等しい上記準同期検波型復調器の固
定発振器と、上記固定発振器と中間周波信号との周波数
差を検出する位相検波器と、上記周波数変換器に入力さ
れ、上記位相検波器からの出力電圧に基づいて発振周波
数を制御される電圧制御発振器とで構成される。

【００１１】

【作用】ディジタル変調された高周波信号は周波数変換
器で中間周波信号に変換される。そして、搬送波抽出回
路で中間周波信号の搬送波が抽出され、この搬送波の周
波数と、中間周波信号と公称周波数が等しい準同期検波
型復調器の固定発振器の周波数との周波数差が位相検波
器で検出される。位相検波器で検出された出力信号はル
−プフィルタで平均化された後、電圧制御発振器に入力
されて電圧制御発振器の発振周波数が制御される。しか
も、中間周波信号の搬送波周波数と準同期検波型復調器
の固定発振器の周波数との周波数差が零となるように電
圧制御発振器の発振周波数が制御される。

【００１２】また、ディジタル変調信号が多相（Ｍ相）
位相変調信号の場合には、ディジタル変調された高周波
信号は周波数変換器で中間周波信号に変換される。そし
て、中間周波信号をＭ逓倍器に入力することにより、周
波数が中間周波信号の搬送波周波数のＭ倍で、Ｍ相位相
変調成分が除去された無変調信号が得られ、この無変調
信号の周波数をＭ分周器でＭ分周することにより、中間
周波信号の搬送波が得られる。そして、この搬送波の周
波数と、中間周波信号と公称周波数が等しい準同期検波
型復調器の固定発振器の周波数との周波数差が位相検波
器で検出される。位相検波器で検出された出力信号はル
−プフィルタで平均化された後、電圧制御発振器に入力
されて電圧制御発振器の発振周波数が制御される。しか
も、中間周波信号の搬送波周波数と準同期検波型復調器
の固定発振器の周波数との周波数差が零となるように電
圧制御発振器の発振周波数が制御される。

【００１３】

【実施例】図１は本発明の第１の実施例に係る自動周波
数制御装置（以下、ＡＦＣ装置と記す）のブロック構成
図である。１１はディジタル変調された高周波信号を中
間周波信号に変換する周波数変換器、１２は中間周波帯
域通過フィルタ、１３は準同期検波型復調器、１４は中
間周波信号の搬送波を抽出する搬送波抽出回路、１５は
準同期検波型復調器１３の固定発振器、１６は搬送波抽
出回路１４の出力信号と準同期検波型復調器１３を構成
する固定発振器１５の出力信号との周波数差を検出する
位相検波器、１７は位相検波器１６からの出力信号を平
均化するル−プフィルタ、１８は周波数変換器１１に入
力され、ル−プフィルタ１７の出力電圧により発振周波
数が制御される電圧制御発振器である。

【００１４】以上のように構成されたＡＦＣ装置につい
て、その動作を説明する。まず、ディジタル変調された
高周波信号は周波数変換器１１により中間周波信号に変
換され、中間周波帯域通過フィルタ１２では中間周波信
号以外の余分なスプリアス信号が除かれた後、準同期検
波型復調器１３に入力される。準同期検波型復調器１３
では、入力された中間周波信号は、公知の直交位相検波
器（図示せず）と該直交位相検波器に入力される固定発
振器１５とでベースバンド信号に変換された後、データ
が復調される。しかし、中間周波信号の搬送波周波数が
固定発振器１５の周波数と大きくずれていると、準同期
検波型復調器１３では搬送波に対する位相同期がとれな
くて、正しくデータが復調されない。

【００１５】一方、中間周波帯域通過フィルタ１２を通
過した中間周波信号は、搬送波抽出回路１４に入力さ
れ、中間周波信号の搬送波が抽出される。位相検波器１
６では公称周波数が中間周波信号の搬送波と等しい固定
発振器１５の発振周波数と、搬送波抽出回路１４で抽出
された中間周波信号の搬送波周波数との周波数差が検出
される。ル−プフィルタ１７では位相検波器１６の出力
信号が平均化され、電圧制御発振器１８に入力されて電
圧制御発振器１８の発振周波数が制御される。

【００１６】ここで、固定発振器１５の発振周波数と搬
送波抽出回路１４の出力信号である中間周波信号の搬送
波の周波数とが等しくなるように電圧制御発振器１８の
発振周波数がループフィルタ１７を介して制御されるの
で、中間周波信号の搬送波周波数がＡＦＣ制御ループの
周波数引き込み範囲内では、準同期検波型復調器１３に
入力される中間周波信号の搬送波周波数と固定発振器１
５の発振周波数とは一致する。

【００１７】以上のように、第１の実施例によれば、デ
ィジタル変調された高周波信号の中心周波数が公称周波
数からドリフトしているとしても準同期検波型復調器１
３の固定発振器１５の発振周波数を基準にしてディジタ
ル変調された中間周波信号の搬送波周波数が安定化され
るため、準同期検波型復調器１３に入力される中間周波
信号の搬送波周波数と固定発振器１５の発振周波数とは
一致し、準同期検波型復調器１３の復調動作は極めて安
定化される。

【００１８】更に、準同期検波型復調器１３に入力され
る中間周波信号の搬送波周波数は、常に固定発振器１５
の発振周波数と一致するようにＡＦＣ制御されるので、
固定発振器１５の発振周波数の精度および安定度を厳し
くする必要がなくなると同時に、中間周波信号の搬送波
周波数を高くしたとしても、それに比例して固定発振器
１５の発振周波数の精度および安定度を厳しくする必要
がない。

【００１９】しかも、一つの固定発振器１５でＡＦＣ制
御の基準周波数としての機能と直交位相検波器に入力さ
れる局部発振器としての機能を兼ねているので、従来例
のような中間周波発振器を省略できる効果がある。

【００２０】図２は本発明の第２の実施例に係るＡＦＣ
装置のブロック構成図である。２１はディジタル変調さ
れた高周波信号を中間周波信号に変換する周波数変換
器、２２は中間周波帯域通過フィルタ、２３は準同期検
波型復調器、２４は中間周波信号の搬送波を抽出する搬
送波抽出回路、２５は準同期検波型復調器２３の固定発
振器、２６は搬送波抽出回路２４の出力信号と準同期検
波型復調器２３の固定発振器２５の出力信号との周波数
差を検出する位相検波器、２７は位相検波器２６からの
出力信号を平均化するル−プフィルタ、２８は周波数変
換器２１に入力され、ル−プフィルタ２７の出力電圧、
及び掃引信号発生器２０２の出力信号により発振周波数
が制御される電圧制御発振器、２０１は準同期検波型復
調器２３が正しくデータを復調しているか否かを判定す
る同期判定器、２０２は電圧制御発振器２８の発振周波
数を強制スイ−プさせる掃引信号発生器、２０３はル−
プフィルタ２７の出力電圧と掃引信号発生器２０２の出
力電圧を加算し、電圧制御発振器２８に入力する加算器
である。

【００２１】以上のように構成されたＡＦＣ装置につい
て、その動作を説明する。まず、ディジタル変調された
高周波信号は周波数変換器２１により中間周波信号に変
換され、中間周波帯域通過フィルタ２２では中間周波信
号以外の余分なスプリアス信号が除かれた後、準同期検
波型復調器２３に入力される。準同期検波型復調器２３
では、入力された中間周波信号は、公知の直交位相検波
器（図示せず）と該直交位相検波器に入力される固定発
振器２５とでベースバンド信号に変換された後、データ
が復調される。

【００２２】しかし、中間周波信号の搬送波周波数が固
定発振器２５の周波数と大きくずれていると、準同期検
波型復調器２３では搬送波に対する位相同期がとれなく
て、正しくデータが復調されない。

【００２３】一方、中間周波帯域通過フィルタ２２を通
過した中間周波信号は、搬送波抽出回路２４に入力さ
れ、中間周波信号の搬送波が抽出される。位相検波器２
６では公称周波数が中間周波信号の搬送波と等しい固定
発振器２５の発振周波数と、搬送波抽出回路２４で抽出
された中間周波信号の搬送波周波数との周波数差が検出
される。ル−プフィルタ２７では位相検波器２６の出力
信号が平均化され、加算器２０３を介して電圧制御発振
器２８に入力されて電圧制御発振器２８の発振周波数が
制御される。

【００２４】ここで、固定発振器２５の発振周波数と搬
送波抽出回路２４の出力信号である中間周波信号の搬送
波の周波数とが等しくなるように電圧制御発振器２８の
発振周波数がループフィルタ２７を介して制御されの
で、中間周波信号の搬送波周波数がＡＦＣ制御ループの
周波数引き込み範囲内では、準同期検波型復調器２３に
入力される中間周波信号の搬送波周波数と固定発振器２
５の発振周波数とは一致する。

【００２５】同期判定器２０１は、準同期検波型復調器
２３が正しくデータを復調しているか否かを判定し、正
しくデータを復調していないときには同期判定器２０１
から掃引制御信号を掃引信号発生器２０２に送出し、掃
引信号発生器２０２では上記掃引制御信号に基づいて掃
引信号を発生し、加算器２０３を介して電圧制御発振器
２８の発振周波数を強制スイ−プさせる。

【００２６】もしも、初期状態で、中間周波信号の搬送
波周波数がＡＦＣ制御ループの周波数引き込み範囲外に
あり、かつ、中間周波信号の搬送波周波数が固定発振器
２５の周波数と大きくずれていると、準同期検波型復調
器２３では搬送波に対する位相同期がとれなくて、正し
くデータが復調されない。この時には同期判定器２０１
から掃引制御信号が掃引信号発生器２０２に送出され、
掃引信号発生器２０２では上記掃引制御信号に基づいて
掃引信号を発生し、加算器２０３を介して電圧制御発振
器２８の発振周波数を強制スイ−プさせ、準同期検波型
復調器２３で搬送波に対する位相同期がとれ、正しくデ
ータが復調されるまで電圧制御発振器２８の発振周波数
を強制スイ−プさせる。

【００２７】以上のように、第２の実施例によれば、デ
ィジタル変調された高周波信号の中心周波数が公称周波
数からドリフトしているとしても準同期検波型復調器２
３の固定発振器２５の発振周波数を基準にしてディジタ
ル変調された中間周波信号の搬送波周波数が安定化され
るため、準同期検波型復調器２３に入力される中間周波
信号の搬送波周波数と固定発振器２５の発振周波数とは
一致し、準同期検波型復調器２３の復調動作は極めて安
定化される。

【００２８】更に、準同期検波型復調器２３に入力され
る中間周波信号の搬送波周波数は、常に固定発振器２５
の発振周波数と一致するようにＡＦＣ制御されるので、
固定発振器２５の発振周波数の精度および安定度を厳し
くする必要がなくなると同時に、中間周波信号の搬送波
周波数を高くしたとしても、それに比例して固定発振器
２５の発振周波数の精度および安定度を厳しくする必要
がない。

【００２９】しかも、一つの固定発振器２５でＡＦＣ制
御の基準周波数としての機能と直交位相検波器に入力さ
れる局部発振器としての機能を兼ねているので、従来例
のような中間周波発振器を省略できる効果がある。ま
た、同期判定により掃印信号を出力する掃引信号発生器
２０２を設けることにより、ＡＦＣの引き込み範囲を拡
大することができる。

【００３０】図３は本発明の第３の実施例に係るＡＦＣ
装置のブロック構成図である。３１はディジタル変調さ
れた高周波信号を中間周波信号に変換する周波数変換
器、３２は中間周波帯域通過フィルタ、３３は準同期検
波型復調器、３０４は中間周波信号の周波数をＭ逓倍す
るＭ逓倍器、３０５はＭ逓倍器３０４の出力信号の周波
数をＭ分周するＭ分周器、３５は準同期検波型復調器３
３の固定発振器、３６はＭ分周器３０５の出力信号と準
同期検波型復調器３３の固定発振器３５の出力信号との
周波数差を検出する位相検波器、３７は位相検波器３６
からの出力信号を平均化するル−プフィルタ、３８は周
波数変換器３１に入力され、ル−プフィルタ３７の出力
電圧により発振周波数が制御される電圧制御発振器であ
る。

【００３１】以上のように構成されたＡＦＣ装置につい
て、その動作を説明する。まず、ディジタル変調された
高周波信号は周波数変換器３１により中間周波信号に変
換され、中間周波帯域通過フィルタ３２では中間周波信
号以外の余分なスプリアス信号が除かれた後、準同期検
波型復調器３３に入力される。準同期検波型復調器３３
では、入力された中間周波信号は、公知の直交位相検波
器（図示せず）と該直交位相検波器に入力される固定発
振器３５とでベースバンド信号に変換された後、データ
が復調される。

【００３２】しかし、中間周波信号の搬送波周波数が固
定発振器３５の周波数と大きくずれていると、準同期検
波型復調器３３では搬送波に対する位相同期がとれなく
て、正しくデータが復調されない。

【００３３】一方、中間周波帯域通過フィルタ３２を通
過した中間周波信号は、Ｍ逓倍器３０４に入力され、こ
れにて中間周波信号の周波数をＭ逓倍することにより、
周波数が中間周波信号の搬送波周波数のＭ倍で、Ｍ相位
相変調成分が除去された無変調信号が得られ、この無変
調信号の周波数をＭ分周器３０５でＭ分周することによ
り、中間周波信号の搬送波が得られる。位相検波器３６
では公称周波数が中間周波信号の搬送波と等しい固定発
振器３５の発振周波数と、Ｍ分周器３０５の出力信号の
周波数との周波数差が検出される。ル−プフィルタ３７
では位相検波器３６の出力信号が平均化され、電圧制御
発振器３８に入力されて電圧制御発振器３８の発振周波
数が制御される。

【００３４】ここで、Ｍ分周器３０５の出力信号である
中間周波信号の搬送波の周波数と固定発振器３５の発振
周波数とが等しくなるように電圧制御発振器３８の発振
周波数はル−プフィルタ３７を介して制御されるので、
中間周波信号の搬送波周波数がＡＦＣ制御ループの周波
数引き込み範囲内では、準同期検波型復調器３３に入力
される中間周波信号の搬送波周波数と固定発振器３５の
発振周波数とは一致する。

【００３５】以上のように、第３の実施例によれば、デ
ィジタル変調された高周波信号の中心周波数が公称周波
数からドリフトしているとしても、準同期検波型復調器
３３の固定発振器３５の発振周波数を基準にしてディジ
タル変調された中間周波信号の搬送波周波数が安定化さ
れるため、準同期検波型復調器３３に入力される中間周
波信号の搬送波周波数と固定発振器３５の発振周波数と
は一致し、準同期検波型復調器３３の復調動作は極めて
安定化される。

【００３６】更に、準同期検波型復調器３３に入力され
る中間周波信号の搬送波周波数は、常に固定発振器３５
の発振周波数と一致するようにＡＦＣ制御されるので、
固定発振器３５の発振周波数の精度および安定度を厳し
くする必要がなくなると同時に、中間周波信号の搬送波
周波数を高くしたとしても、それに比例して固定発振器
３５の発振周波数の精度および安定度を厳しくする必要
がない。

【００３７】しかも、一つの固定発振器３５でＡＦＣ制
御の基準周波数としての機能と直交位相検波器に入力さ
れる局部発振器としての機能を兼ねているので、従来例
のような中間周波発振器を省略できる効果がある。

【００３８】図４は本発明の第４の実施例に係るＡＦＣ
装置のブロック構成図である。４１はディジタル変調さ
れた高周波信号を中間周波信号に変換する周波数変換
器、４２は中間周波帯域通過フィルタ、４３は準同期検
波型復調器、４０４は中間周波信号の周波数をＭ逓倍す
るＭ逓倍器、４０５はＭ逓倍器４０４の出力信号の周波
数をＭ分周するＭ分周器、４５は準同期検波型復調器４
３の固定発振器、４６はＭ分周器４０５の出力信号と準
同期検波型復調器４３の固定発振器４５の出力信号との
周波数差を検出する位相検波器、４７は位相検波器４６
からの出力信号を平均化するル−プフィルタ、４８は周
波数変換器４１に入力され、ル−プフィルタ４７の出力
電圧により発振周波数が制御される電圧制御発振器、４
０１は準同期検波型復調器４３が正しくデータを復調し
ているか否かを判定する同期判定器、４０２は電圧制御
発振器４８の発振周波数を強制スイ−プさせる掃引信号
発生器、４０３はル−プフィルタ４７の出力電圧と掃引
信号発生器４０２の出力電圧を加算し、電圧制御発振器
４８に入力する加算器である。

【００３９】以上のように構成されたＡＦＣ装置につい
て、その動作を説明する。まず、ディジタル変調された
高周波信号は、周波数変換器４１により中間周波信号に
変換され、中間周波帯域通過フィルタ４２では中間周波
信号以外の余分なスプリアス信号が除かれた後、準同期
検波型復調器４３に入力される。準同期検波型復調器４
３では、入力された中間周波信号は、公知の直交位相検
波器（図示せず）と該直交位相検波器に入力される固定
発振器４５とでベースバンド信号に変換された後、デー
タが復調される。

【００４０】しかし、中間周波信号の搬送波周波数が固
定発振器４５の周波数と大きくずれていると、準同期検
波型復調器４３では搬送波に対する位相同期がとれなく
て、正しくデータが復調されない。

【００４１】一方、中間周波帯域通過フィルタ４２を通
過した中間周波信号は、Ｍ逓倍器４０４に入力され、中
間周波信号の周波数をＭ逓倍することにより、周波数が
中間周波信号の搬送波周波数のＭ倍で、Ｍ相位相変調成
分が除去された無変調信号が得られ、この無変調信号の
周波数をＭ分周器４０５でＭ分周することにより、中間
周波信号の搬送波が得られる。位相検波器４６では公称
周波数が中間周波信号の搬送波と等しい固定発振器４５
の発振周波数と、Ｍ分周器４０５の出力信号の周波数と
の周波数差が検出される。ル−プフィルタ４７では位相
検波器４６の出力信号が平均化され、電圧制御発振器４
８に入力されて電圧制御発振器４８の発振周波数が制御
される。

【００４２】ここで、Ｍ分周器４０５の出力信号である
中間周波信号の搬送波の周波数と固定発振器４５の発振
周波数とが等しくなるように、電圧制御発振器４８の発
振周波数はル−プフィルタ４７を介して制御されるの
で、中間周波信号の搬送波周波数がＡＦＣ制御ループの
周波数引き込み範囲内では、準同期検波型復調器４３に
入力される中間周波信号の搬送波周波数と固定発振器４
５の発振周波数とは一致する。

【００４３】同期判定器４０１は準同期検波型復調器４
３が正しくデータを復調しているか否かを判定し、正し
くデータを復調していないときには同期判定器４０１か
ら掃引制御信号を掃引信号発生器４０２に送出し、掃引
信号発生器４０２では上記掃引制御信号に基づいて掃引
信号を発生し、加算器４０３を介して電圧制御発振器４
８の発振周波数を強制スイ−プさせる。

【００４４】もしも、初期状態で、中間周波信号の搬送
波周波数がＡＦＣ制御ループの周波数引き込み範囲外に
あり、かつ、中間周波信号の搬送波周波数が固定発振器
４５の周波数と大きくずれていると、準同期検波型復調
器４３では搬送波に対する位相同期がとれなくて、正し
くデータが復調されない。この時には同期判定器４０１
から掃引制御信号が掃引信号発生器４０２に送出され、
掃引信号発生器４０２では上記掃引制御信号に基づいて
掃引信号を発生し、加算器４０３を介して電圧制御発振
器４８の発振周波数を強制スイ−プさせ、準同期検波型
復調器４３で搬送波に対する位相同期がとれ、正しくデ
ータが復調されるまで電圧制御発振器４８の発振周波数
を強制スイ−プさせる。

【００４５】以上のように、第４の実施例によれば、デ
ィジタル変調された高周波信号の中心周波数が公称周波
数からドリフトしているとしても、準同期検波型復調器
４３の固定発振器４５の発振周波数を基準にしてディジ
タル変調された中間周波信号の搬送波周波数が安定化さ
れるため、準同期検波型復調器４３に入力される中間周
波信号の搬送波周波数と固定発振器４５の発振周波数と
は一致し、準同期検波型復調器４３の復調動作は極めて
安定化される。

【００４６】更に、準同期検波型復調器４３に入力され
る中間周波信号の搬送波周波数は、常に固定発振器４５
の発振周波数と一致するようにＡＦＣ制御されるので、
固定発振器４５の発振周波数の精度および安定度を厳し
くする必要がなくなると同時に、中間周波信号の搬送波
周波数を高くしたとしても、それに比例して固定発振器
４５の発振周波数の精度および安定度を厳しくする必要
がない。

【００４７】しかも、一つの固定発振器４５でＡＦＣ制
御の基準周波数としての機能と直交位相検波器に入力さ
れる局部発振器としての機能を兼ねているので、従来例
のような中間周波発振器を省略できる効果がある。ま
た、同期判定により掃印信号を出力する掃引信号発生器
２０２を設けることにより、ＡＦＣの引き込み範囲を拡
大することができる。

【００４８】図５は本発明の第５の実施例のＡＦＣ装置
の説明図であり、特に、図２、図４に示されている準同
期検波型復調器２３、４３の同期判定器２０１、４０１
による同期判定の方法を示す図である。５３は準同期検
波型復調器、５５は準同期検波型復調器５３の固定発振
器、５００は復調されたデ−タの誤り率を検出する誤り
率検出器、５０１は準同期検波型復調器５３が正しくデ
ータを復調しているか否かを判定する同期判定器であ
る。

【００４９】以上のように構成されたＡＦＣ装置の同期
判定方法について説明する。準同期検波型復調器５３内
では、復調データの誤りが公知の誤り訂正復号器（図示
せず）で訂正される過程で復調データの誤り率が誤り率
検出器５００で検出され、この検出された誤り率は誤り
率情報として同期判定器５０１に送られる。同期判定器
５０１では誤り率情報を所定の基準値と比較し、誤り率
がこの基準値を越えている場合には準同期検波型復調器
５３が正しくデータを復調していないと判定し、掃引信
号発生器２０２、４０２に掃引制御信号を送出する。

【００５０】図６は本発明の第６の実施例のＡＦＣ装置
の説明図であり、特に、図２、図４に示されている準同
期検波型復調器２３、４３の同期判定器２０１、４０１
による同期判定の他の方法を示す図である。６３は準同
期検波型復調器、６５は準同期検波型復調器６３の固定
発振器、６００は準同期検波型復調器６３を構成する位
相同期ル−プ回路、６０１は位相同期ル−プ回路６００
から出力される位相誤差信号に基づいて、準同期検波型
復調器６３が正しくデータを復調しているか否かを判定
する同期判定器である。

【００５１】以上のように構成されたＡＦＣ装置の同期
判定方法について説明する。準同期検波型復調器６３で
は、入力された中間周波信号は、公知の直交位相検波器
（図示せず）と該直交位相検波器に入力される固定発振
器６５とでＩ軸とＱ軸の複素ベースバンド信号に変換さ
れる。この複素ベースバンド信号には、中間周波信号の
搬送波の周波数・位相と固定発振器６５の周波数・位相
との誤差（周波数誤差および位相誤差）が含まれてお
り、これらの誤差を複素ベースバンド信号から除去する
回路を準同期検波型復調器６３には一般的には含まれて
いる。そして、位相誤差を除去する回路が位相同期ル−
プ回路６００である。

【００５２】従って、位相同期ル−プ回路６００には位
相検波器（図示せず）が含まれており、この位相検波器
で位相誤差が検出され、この位相誤差はループフィルタ
（図示せず）で平均化されて位相誤差信号として同期判
定器６０１に提供される。同期判定器６０１では、提供
された位相誤差信号に基づいて位相同期ル−プ回路６０
０で複素ベースバンド信号から位相誤差が除去されてい
るかどうか、すなわち位相同期ル−プ回路６００が同期
しているか否かを判定し、位相誤差信号が所定の基準レ
ベルを越えている場合には位相同期ル−プ回路６００が
同期していないものと判断されるので、準同期検波型復
調器６３も正しくデータを復調していないと判定し、掃
引信号発生器２０２、４０２に掃引制御信号を送出す
る。

【００５３】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば次の効果
が発揮される。

【００５４】（１）準同期検波型復調器の固定発振器の
発振周波数を基準として、ディジタル変調された中間周
波信号の搬送波周波数が安定化されるので、準同期検波
型復調器の復調動作が極めて安定化される。

【００５５】（２）中間周波信号の搬送波周波数と準同
期検波型復調器の固定発振器の発振周波数とが一致する
ようにＡＦＣ制御されるので、固定発振器に要求される
周波数精度や周波数安定度は厳しくなくてもよい。

【００５６】（３）準同期検波型復調器の固定発振器が
基準発振器となっているので中間周波発振器を省略する
ことができる。

【００５７】（４）同期判定器から掃引制御信号を送出
し、電圧制御発振器の中心周波数を掃引する掃引信号発
生器を設けることにより、ＡＦＣの引き込み範囲を拡大
することができる。

【００５８】（５）Ｍ相位相変調されたディジタル変調
信号の場合には、中間周波信号をＭ逓倍したあとＭ分周
することにより搬送波抽出ができ、準同期検波型復調器
の固定発振器の発振周波数を基準として、中間周波信号
を安定化することにより、Ｍ相位相変調された中間周波
信号の搬送波周波数が安定化され、準同期検波型復調器
の復調動作が極めて安定化される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例におけるＡＦＣ装置のブ
ロック図

【図２】本発明の第２の実施例におけるＡＦＣ装置のブ
ロック図

【図３】本発明の第３の実施例におけるＡＦＣ装置のブ
ロック図

【図４】本発明の第４の実施例におけるＡＦＣ装置のブ
ロック図

【図５】本発明の第５の実施例におけるＡＦＣ装置を示
し、特に図２、図４の実施例での同期判定器の同期判定
の方法を示す図

【図６】本発明の第６の実施例におけるＡＦＣ装置を示
し、特に図２、図４の実施例での同期判定器の同期判定
の方法を示す図

【図７】従来例におけるＡＦＣ装置のブロック図

【符号の説明】

１１、２１、３１、４１ 周波数変換器 １２、２２、３２、４２ 中間周波帯域通過フィルタ １３、２３、３３、４３、５３、６３ 準同期検波型復
調器 １４、２４ 搬送波抽出回路 １５、２５、３５、４５、５５、６５ 固定発振器 １６、２６、３６、４６ 位相検波器 １７、２７、３７、４７ ル−プフィルタ １８、２８、３８、４８ 電圧制御発振器 ２０１、４０１、５０１、６０１ 同期判定器 ２０２、４０２ 掃引信号発生器 ３０４、４０４ Ｍ逓倍器 ３０５、４０５ Ｍ分周器 ５００ 誤り率検出器 ６００ 位相同期ル−プ回路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浦田 和直 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ディジタル変調された高周波信号を中間周
   波信号に変換する周波数変換器と、前記中間周波信号
   を、直交位相検波器と該直交位相検波器に入力される固
   定発振器とでベースバンド信号に変換した後、ディジタ
   ル復調する準同期検波型復調器と、前記中間周波信号の
   搬送波を抽出する搬送波抽出回路と、該搬送波抽出回路
   の出力信号と前記準同期検波型復調器の前記固定発振器
   の出力信号との周波数差を検出する位相検波器と、前記
   周波数変換器に入力され、前記位相検波器からの出力電
   圧に基づいて発振周波数が制御される電圧制御発振器と
   からなることを特徴とした自動周波数制御装置。
2. 【請求項２】準同期検波型復調器は、中間周波信号をも
   とに正しくデータを復調しているか否かを判定しこの判
   定結果に対応して掃引制御信号を送出する同期判定器
   と、該掃引制御信号に基づいて前記電圧制御発振器の中
   心周波数を掃引させる掃引信号を前記電圧制御発振器に
   出力する掃引信号発生器とを含んでなる請求項１記載の
   自動周波数制御装置。
3. 【請求項３】同期判定器は、前記準同期検波型復調器で
   復調されたデータの誤り率情報に基づいて同期判定する
   ことを特徴とする請求項２記載の自動周波数制御装置。
4. 【請求項４】同期判定器は、前記準同期検波型復調器を
   構成する位相同期ループ回路から出力される位相誤差信
   号に基づいて、前記位相同期ループ回路が位相同期して
   いるか否かを判定し同期判定することを特徴とする請求
   項２記載の自動周波数制御装置。
5. 【請求項５】Ｍ相位相変調された高周波信号を中間周波
   信号に変換する周波数変換器と、前記中間周波信号を、
   直交位相検波器と該直交位相検波器に入力される固定発
   振器とでベースバンド信号に変換した後、ディジタル復
   調する準同期検波型復調器と、前記中間周波信号の周波
   数をＭ逓倍するＭ逓倍器と、該Ｍ逓倍器の出力信号の周
   波数をＭ分周するＭ分周器と、該Ｍ分周器の出力信号と
   前記固定発振器の出力信号との周波数差を検出する位相
   検波器と、前記周波数変換器に入力され、前記位相検波
   器からの出力電圧に基づいて発振周波数が制御される電
   圧制御発振器とからなることを特徴とした自動周波数制
   御装置。
6. 【請求項６】準同期検波型復調器は、正しくデータを復
   調しているか否かを判定し、この判定結果に対応して掃
   引制御信号を送出する同期判定器と、該掃引制御信号に
   基づいて電圧制御発振器の中心周波数を掃引させる掃引
   信号を前記電圧制御発振器に出力する掃引信号発生器と
   を含んでなる請求項５記載の自動周波数制御装置。
7. 【請求項７】同期判定器は、前記準同期検波型復調器で
   復調されたデータの誤り率情報に基づいて同期判定する
   ことを特徴とする請求項６記載の自動周波数制御装置。
8. 【請求項８】同期判定器は、前記準同期検波型復調器を
   構成する位相同期ループ回路から出力される位相誤差信
   号に基づいて、前記位相同期ループ回路が位相同期して
   いるか否かを判定し同期判定することを特徴とする請求
   項６記載の自動周波数制御装置。