JPH0715065B2 - 改質合成樹脂組成物、改質合成樹脂成形品および改質合成樹脂製品の製造方法 - Google Patents

改質合成樹脂組成物、改質合成樹脂成形品および改質合成樹脂製品の製造方法

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JPH0715065B2
JPH0715065B2 JP3161887A JP16188791A JPH0715065B2 JP H0715065 B2 JPH0715065 B2 JP H0715065B2 JP 3161887 A JP3161887 A JP 3161887A JP 16188791 A JP16188791 A JP 16188791A JP H0715065 B2 JPH0715065 B2 JP H0715065B2
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polysaccharide powder
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hydrophilic polysaccharide
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、改質合成樹脂組成
物、改質合成樹脂成形品および改質合成樹脂製品の製造
方法に関し、詳しくは、各種製品の製造に用いたとき
に、その表面の風合いや吸放湿性等の諸性質を改善する
ことのできる改質合成樹脂組成物と、このような改質合
成樹脂組成物を用いた成形品、ならびに、前記のような
改質合成樹脂組成物からなる製品を製造する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、合成皮革や合成繊維生地を製造す
る際に、その表面性状を改善するために、表面改質用の
合成樹脂フィルムを積層したり、表面改質用の合成樹脂
コーティングを施すことが行われている。これは、通常
の合成皮革や合成繊維生地は、天然の材料に比べて、吸
湿性や防水性あるいは表面の風合いに劣る等の欠点があ
り、これらの欠点を解消するために、合成皮革や合成繊
維または生地の表面のみを別の改質合成樹脂で覆ってお
くことが行われるのである。例えば、ナイロンやポリエ
ステル生地の防水性を改善するために、これらの生地に
ポリウレタン樹脂で表面加工することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
なポリウレタン樹脂による表面改質加工では、表面の感
触にべとつき感があることや、表面の光沢が強過ぎた
り、生地の風合いを損なったりするという問題を有して
いる。また、天然の皮革や生地に比べると、吸放湿性の
点でも劣るものであった。ここで、吸放湿性とは、単に
湿気を吸収保持する性質だけでなく、外部環境との湿度
差によっては、吸収した湿気を外部環境に容易に放出
し、フィルムやシート等の表裏面を湿気が通過し易いと
いう、いわゆる透湿性をも意味する性能である。なお、
上記表面改質加工用のポリウレタン樹脂以外にも、各種
の合成樹脂を利用する際に、その目的や要求性能に合わ
せて、吸放湿性や表面の風合い等を改善することが要望
されている。
【0004】そこで、この発明の課題は、前記ポリウレ
タン樹脂その他の合成樹脂において、合成樹脂から製造
される製品の吸放湿性や表面の風合い等が良好に改善さ
れる改質合成樹脂組成物を提供することにある。また、
このような改質効果が良好に発揮される改質合成樹脂成
形品を提供することにある。さらに、上記のような改質
効果が良好に発揮できる改質合成樹脂製品を製造するこ
とのできる方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する、こ
の発明のうち第1の発明にかかる改質合成樹脂組成物
は、合成樹脂に、水に対する溶解温度が60℃以上で大
きさが200メッシュ通過以下の親水性多糖類粉末が含
有されている。
【0006】第2の発明にかかる改質合成樹脂組成物
は、合成樹脂に、大きさが200メッシュ通過以下であ
る塩基性多糖類粉末と酸性多糖類粉末とが含有されてい
る。
【0007】第3の発明にかかる改質合成樹脂成形品
は、第1の発明または第2の発明の改質合成樹脂組成物
からなり、この改質合成樹脂組成物が所定形状に成形さ
れてなる。
【0008】第4の発明にかかる改質合成樹脂成形品の
製造方法は、合成樹脂組成物を成形硬化させて合成樹脂
製品を製造する方法において、合成樹脂組成物に、親水
性多糖類粉末とともに水溶物を含有させておき、合成樹
脂組成物が成形硬化されるまでの間もしくは成形硬化さ
れた後に、水溶物を除去する。
【0009】第5の発明にかかる改質合成樹脂成形品の
製造方法は、合成樹脂組成物を成形硬化させて合成樹脂
製品を製造する方法において、合成樹脂組成物に、大き
さが200メッシュ通過以下の親水性多糖類粉末を含有
させておき、合成樹脂組成物が成形硬化されるまでの間
もしくは成形硬化された後に、親水性多糖類粉末に不溶
化処理剤を接触させて親水性多糖類粉末を不溶化させ
る。
【0010】第6の発明にかかる改質合成樹脂成形品の
製造方法は、合成樹脂組成物を成形硬化させて合成樹脂
製品を製造する方法において、合成樹脂組成物に、大き
さが200メッシュ通過以下の親水性多糖類粉末を含有
させておき、合成樹脂組成物が成形硬化されるまでの間
もしくは成形硬化された後に、親水性多糖類粉末を加熱
して不溶化させる。
【0011】第7の発明にかかる改質合成樹脂成形品の
製造方法は、第5の発明または第6の発明において、合
成樹脂組成物に、親水性多糖類粉末とともに、水溶物を
含有させておき、合成樹脂組成物が成形硬化された後
に、親水性多糖類粉末を不溶化させるのと同時もしくは
不溶化させた後で、水溶物を除去する。
【0012】上記各発明において、合成樹脂としては、
各種の製品を製造するための材料として利用されている
任意の合成樹脂が使用できる。具体的には、前記ポリウ
レタンのほか、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエ
ステル、ナイロン、ポリアクリレート、ポリエチレン、
ポリ塩化ビニル等が挙げられる。
【0013】親水性多糖類粉末は、天然原料あるいは合
成原料から得られる各種の多糖類のうち、親水性の多糖
類を粉末状に調製したものである。具体的には、親水性
多糖類として、カラギーナン、寒天、グアガム、キサン
タンガム、デキストリン、ペクチン、アルギン酸塩、キ
トサン塩、プルラン、タマリンド種子多糖類、ローカス
トビーンガム、ジェランガム、カードラン等が挙げられ
る。このうち、アルギン酸塩やキトサン塩は、もともと
疎水性であるアルギン酸やキトサンを、酸塩基反応で塩
を形成させることにより、親水性に変化させたものであ
る。
【0014】キトサン塩の製造方法を説明すると、市販
のキトサン等の通常のキトサンに、酢酸やギ酸、乳酸等
の有機酸、あるいは、硫酸を除く無機酸を噴霧して酸塩
基反応を起こさせたり、キトサンを一旦水に分散させた
後、酸で溶解して酸塩基反応を起こさせたりし、その後
で脱水乾燥を行えば、キトサン塩が製造できる。このよ
うに、この発明で用いる親水性多糖類には、本来疎水性
の多糖類であっても、これに適当な処理を施して親水性
に変えたものをも含んでいる。
【0015】親水性多糖類として、水に対する溶解温度
が60℃以上のものを用いると、後述する不溶化などの
後処理を行わなくても、十分な耐水性あるいは耐洗濯性
を発揮できるものとなる。このような条件を満たす親水
性多糖類としては、κ−カラギーナンあるいはι−カラ
ギーナンのカリウム塩あるいはカルシウム塩、ローカス
トビーンガム、寒天、ジェランガムなどが挙げられる。
【0016】親水性多糖類は、通常、溶液状態で抽出あ
るいは製造されたものを、加熱乾燥や凍結乾燥により固
形化してから粉砕したり、噴霧乾燥したりして得られる
200メッシュ通過以下(粒径74μm以下)の粉末を
用いる。親水性多糖類を粉末化するための手段は、上記
以外にも、通常の各種薬剤、化学製品における粉末化手
段が適用できる。
【0017】親水性多糖類粉末は、大きさすなわち粒径
が小さい程、合成樹脂と良好に混練されたり、製造され
た製品の表面の風合いを均一に改善出来る等の作用効果
がある。この発明の作用効果を十分に発揮させるには、
粒径の上限が前記200メッシュ通過以下であることが
必要である。200メッシュ通過を超える粉末では、製
造された合成樹脂製品の表面性状に凹凸やムラ、バラツ
キが出たり、改質効果か十分に発揮出来なくなったりす
る。また、合成樹脂製品の強度や耐久性を大幅に低下さ
せる問題が生じる。粒径の下限としては、粉末製造の手
間や経済性等を考慮して適当な範囲に設定すればよい。
実用上好ましい粉末の大きさは、400メッシュ通過以
下から600メッシュ通過以下(粒径10〜37μm)
程度のものである。
【0018】上記のような親水性多糖類粉末を、前記合
成樹脂に均一に混合もしくは混練して、得られた改質合
成樹脂組成物を各種の用途に使用する。合成樹脂に対す
る親水性多糖類粉末の添加量は、目的とする製品の用途
によっても異なるが、通常、約5〜40重量%、好まし
くは10〜25重量%の範囲である。
【0019】親水性多糖類粉末は、1種類のみを合成樹
脂に含有させておいてもよいし、複数種類の親水性多糖
類粉末を併用することもできる。例えば、キトサン塩等
の塩基性多糖類と、アルギン酸塩等の酸性多糖類とを併
用すると、それぞれを単独で用いるよりも、吸湿性が向
上するとともに、熱水処理を行っても吸湿性が低下しな
くなり、好ましい組合せとなる。その他、使用目的や要
求性能に合わせて、適当な親水性多糖類粉末を併用する
ことができる。
【0020】親水性多糖類としてキトサン塩を用いる場
合、キトサン塩の材料となるキトサンの分子量が大きい
程、抗菌性は高くなるが微粉化が難しくなる。そこで、
平均分子量5000〜50000程度のキトサンから得
られるキトサン塩が好ましい。上記分子量範囲のキトサ
ンから得られるキトサン塩は、400メッシュ通過以下
程度の微粉化も容易であるとともに、抗菌性等のキトサ
ン塩特有の作用効果が良好に発揮できる。キトサンを低
分子量化する方法としては、キトサンを、H等の
酸化剤、あるいは、キトサナーゼ、セルラーゼ、プロテ
アーゼ等の酵素製剤により加水分解する方法が好ましい
方法として挙げられる。
【0021】合成樹脂にキトサン塩を含有させた後、ホ
ルマリン、グルタールアルデヒド、エポキシ化合物等で
処理すると、キトサン塩が不溶化して、熱水処理を行っ
ても溶け出さなくなり、洗濯に対する耐久性が向上す
る。
【0022】合成樹脂には、目的とする製品や用途に応
じて、親水性多糖類粉末以外の任意の添加剤を添加する
ことができる。具体的には、着色剤、可塑剤、硬化剤、
安定剤、滑剤、発泡剤等、通常の合成樹脂に対する添加
剤と同様のものである。
【0023】親水性多糖類粉末とともに、吸湿性向上作
用等のある、親水性多糖類粉末以外の改質剤を併用する
こともできる。このような改質剤としては、例えば、ゼ
ラチン、不溶化ゼラチン、水で膨潤させた不溶化ゼラチ
ン、分解ゼラチン、皮革粉、コラーゲン繊維、カゼイン
等が挙げられる。但し、これらの改質剤を併用する場
合、親水性多糖類粉末による合成樹脂の改質効果を阻害
しないような材料あるいは量で使用する必要がある。こ
れらの改質剤には、水あるいは熱水に溶け出し易い材料
と溶け出し難い材料、および、全く溶けない材料があ
り、後述する熱水処理を行う場合の作用効果に違いが生
じる。親水性多糖類粉末以外の改質剤を用いる場合に
は、合成樹脂製品の用途により、吸放湿性などの特性が
適切に発揮できるような改質剤を選択することが好まし
い。
【0024】以上に説明した、親水性多糖類粉末を含有
する改質合成樹脂組成物は、通常の合成樹脂に対する成
形方法によって各種成形品を製造することができる。改
質合成樹脂組成物からなる成形品は、そのままで改質合
成樹脂製品として利用できるほか、別な合成樹脂製品の
表面や一部のみを、改質合成樹脂成形品で構成するよう
にしてもよい。さらに、改質合成樹脂組成物を、合成樹
脂成形品や繊維、布生地、合成皮革その他の物品をコー
ティングし、改質合成樹脂成形物からなるコーティング
膜を形成することによって、コーティング製品の表面性
状を改善するために用いることもできる。具体的なコー
ティング手段は、通常の表面改質コーティング技術と同
様に行われる。不織布や織物からなる布にコーティング
する場合は、布の表面だけでなく、内部まで浸透させ
て、個々の繊維そのものをコーティングすることもでき
る。改質合成樹脂製品の表面あるいはコーティングされ
た改質合成樹脂層に対して、各種の表面処理加工を施す
ことができる。例えば、合成皮革の表面にコーティング
された改質合成樹脂層に対して、サンディングや革シボ
加工を施すことができる。
【0025】上記のように合成樹脂組成物を成形硬化さ
せて合成樹脂製品を製造する工程の途中あるいは後で、
合成樹脂製品に含まれた親水性多糖類粉末の全部もしく
は一部を不溶化させておくと、合成樹脂製品を洗濯した
り熱水で処理したりしても、親水性多糖類粉末が溶け出
さなくなる。親水性多糖類粉末の不溶化とは、もともと
は水に溶解する性質のある親水性多糖類粉末に対して、
物理的あるいは化学的な処理を施して、水に溶けないよ
うにすることである。前記した溶解温度60℃以上の親
水性多糖類粉末は、不溶化処理を行わなくても耐水性や
耐洗濯性は良好であるから、不溶化処理は行わなくても
よい。但し、不溶化処理を行えば、さらに耐水性や耐洗
濯性を高めることができる。溶解温度60℃未満の親水
性多糖類粉末は、耐水性や耐洗濯性を高めるためには不
溶化が必要である。具体的な不溶化方法は、親水性多糖
類粉末の種類に合わせて、適切な手段を選択すればよ
い。
【0026】例えば、カードランは、加熱によって不溶
化し、塩基性多糖類粉末は酸性多糖類水溶液と接触させ
ると不溶化し、酸性多糖類粉末は塩基性多糖類水溶液と
接触させると不溶化する。また、アルギン酸Na、LM
−ペクチン、ジェランガムはカルシウム塩水溶液により
不溶化できる。アルギン酸Na、ペクチンは、酸によっ
ても不溶化できる。キトサン塩は、トリエタノールアミ
ンやカ性ソーダ等のアルカリ、グルタールアルデヒドや
ホルムアルデヒド等のアルデヒド、アニオン活性剤で不
溶化させることもできる。したがって、ひとつの親水性
多糖類粉末に対して、複数種類の不溶化手段あるいは不
溶化処理剤が存在する場合には、これらを併用すること
も可能である。
【0027】さらに、親水性多糖類粉末と、これを不溶
化させる薬剤すなわち不溶化処理剤の粉末とを、合成樹
脂組成物に添加しておけば、添加された状態では互いに
反応を起こさず、その後、成形された合成樹脂製品を水
中に浸漬するなどして水を作用させれば、親水性多糖類
粉末と不溶化処理剤粉末とを水の存在下で反応させるこ
とができる。不溶化処理剤として、前記多糖類水溶液を
用いる場合、比較的低分子量のものを用いると、低粘度
であり高濃度の調液が可能で、不溶化反応を迅速に行わ
せることができるので、好ましい。不溶化処理の処理時
間や処理条件を調整することにより、合成樹脂液に含有
された親水性多糖類粉末の全体を不溶化させることもで
きるし、親水性多糖類粉末の一部のみを不溶化させるこ
ともできる。
【0028】上記のような不溶化処理は、親水性多糖類
粉末を含有させた合成樹脂組成物を成形してから硬化す
るまでの段階で行ってもよいし、合成樹脂組成物を成形
硬化させて成形品が得られた後、成形品に含まれる親水
性多糖類粉末に対して不溶化処理を施すこともできる。
親水性多糖類粉末を不溶化させる時期は、適用する不溶
化処理方法の種類や製造工程等を考慮して適当な時期を
選択すればよい。具体的には、例えば、予め合成樹脂組
成物に不溶化処理剤を含有させておけば、合成樹脂液の
成形硬化とともに、親水性多糖類粉末と不溶化処理剤と
の反応が進行して、親水性多糖類粉末の不溶化が行われ
る。合成樹脂液の成形硬化中に、加熱を行って親水性多
糖類粉末を不溶化させてもよく、製造された合成樹脂製
品を不溶化処理剤の液中に浸漬してもよい。
【0029】つぎに、前記改質合成樹脂組成物を、フィ
ルムやシートその他の形状に成形した後、得られた改質
合成樹脂成形品に対して、水溶物除去処理を施すことに
よって、吸放湿性をより向上させることができる。水溶
物除去処理とは、改質合成樹脂製品中に含まれる物質の
うち、水に溶け出す可能性のある物質すなわち水溶物
を、物理的もしくは化学的手段で除去する処理である。
水溶物除去処理では、不溶化処理を施した親水性多糖類
粉末が除去されることはなく、また、溶解温度が高く水
には溶け難い親水性多糖類粉末も除去されない。
【0030】水溶物としては、前記したような各種の親
水性多糖類粉末や水溶性蛋白質を含む任意の水溶性材料
が使用できる。すなわち、不溶化させるために用いる親
水性多糖類粉末に対する不溶化処理では不溶化しないよ
うな材料であれば、親水性多糖類を用いることも可能で
ある。水溶物としては、微粉末化できる材料が好まし
く、また、比較的低分子量のものが低粘度で、水に溶け
出させて除去し易い。さらに、水溶物を合成樹脂組成物
に添加しておく場合、粉末の状態で添加しておいてもよ
いし、溶液の状態で添加しておくこともできる。
【0031】水溶物除去処理の具体的方法としては、最
も単純には、改質合成樹脂製品を、水に浸漬したりして
水溶物を水に溶かし出せばよいが、高熱の水に浸漬した
り、高熱の水や水蒸気と接触させたりする、いわゆる熱
水処理を行えば、水溶物を効率的に除去することができ
る。但し、この方法は、熱硬化性の水溶物を除去する場
合には適用できない。
【0032】水溶物除去処理では、十分に不溶化した親
水性多糖類粉末あるいは溶解温度の高い親水性多糖類粉
末は溶け出さないが、不溶化されずに残っている親水性
多糖類粉末、および、前記した分解ゼラチンや水溶性蛋
白質等は溶け出すことになる。熱水処理を行う場合、処
理温度が高いほど、各成分が溶け出し易くなり、溶け出
し量も多くなるが、目的とする特性を発揮させるため
に、どの材料をどの程度の割合で溶け出させるかによっ
て、処理温度と処理時間を設定すればよい。一般的に
は、約40〜80℃程度の範囲で、処理時間は1〜60
分間程度行えばよい。なお、前記した分解ゼラチンにつ
いては、熱水でなくても、温水あるいは常温水でも溶け
出させることができる。
【0033】水溶物除去処理を行う場合、親水性多糖類
粉末の不溶化処理を行った後で水溶物除去処理を行え
ば、親水性多糖類粉末の不溶化部分を除いた、未不溶化
の親水性多糖類粉末その他の材料が溶け出して空隙を形
成することになる。また、合成樹脂液を成形硬化させて
合成樹脂成形品を製造した後、先に水溶物除去処理を行
い、ついで不溶化処理を行うこともできる。この場合、
水溶物除去処理では、親水性多糖類粉末が完全に除去さ
れない程度の処理条件にして、親水性多糖類粉末の一部
が残るようにしておき、この残った親水性多糖類粉末を
次の不溶化処理工程で不溶化させる。
【0034】さらに、カードランなどの加熱によって不
溶化する熱硬化性の親水性多糖類粉末とともに、熱水に
溶けるゼラチンなどの水溶物を合成樹脂組成物に添加し
ておくと、合成樹脂液の成形硬化後、熱水処理を行うだ
けで、熱硬化性の親水性多糖類粉末の不溶化と、不溶化
していないゼラチンに対する水溶物除去が同時に行え
る。
【0035】このように、親水性多糖類粉末の不溶化処
理と水溶物除去処理が同時に行える材料の組み合わせお
よび処理方法としては、上記、カードランを熱水処理で
不溶化させる場合には、水溶物としてゼラチンなどの熱
で硬化しない材料を加えておけばよい。ペクチンやアル
ギン酸ナトリウムなどを、酸水溶液、カルシウム塩水溶
液、キトサン塩水溶液で不溶化させる場合には、これら
の水溶液では硬化しない各種の多糖類やゼラチンを水溶
物として加えておけばよい。さらに、前記したように、
合成樹脂液に、ペクチン等の親水性多糖類粉末とその不
溶化処理剤となる有機酸粉末やカルシウム塩粉末を添加
しておいた場合には、成形後に水に浸漬したりしたとき
に、親水性多糖類粉末を不溶化させた後、不溶化処理剤
は水に溶け出すので、不溶化処理剤そのものが前記水溶
物と同様の作用を果たすことになる。
【0036】水溶物除去処理が行われた改質合成樹脂製
品には、水溶物除去処理によって溶け出した材料が存在
していた部分に、微細な空隙が残ることになる。この空
隙が、透湿作用を果たす。したがって、水溶物除去処理
された改質合成樹脂製品においては、親水性多糖類粉末
およびその不溶化物による吸放湿作用とともに、前記空
隙による透湿作用が複合的に発揮される。さらに、前記
した他の改質剤の一部が、水溶物除去処理で除去されず
に残っている場合には、これらの物質による吸放湿作用
も加わることになる。一般に、親水性多糖類粉末その他
の改質剤の場合は、吸湿性と透湿性の両方があるのに対
し、空隙の場合は、吸湿性はあまりないが極めて高い透
湿性を発揮する。したがって、改質合成樹脂製品の用途
や要求性能に合わせて、それぞれの構造部分による吸放
湿作用を適当な割合で組み合わせればよい。
【0037】特に、合成樹脂として、ウレタン樹脂等の
加水分解し易い材料を用いる場合には、吸湿し過ぎると
樹脂が加水分解してしまって、長期間使用しているうち
に劣化したり性能の低下を来すことがある。そこで、こ
のような場合には、吸湿性を小さくし透湿性を高めて使
用するのが好ましく、そのためには、不溶化処理を行う
前に水溶物除去処理を行って、大量の空隙を形成してお
くとともに、吸湿性の成分があまり残らないようにして
おくほうが好ましい場合もある。
【0038】水溶物除去処理を行うことによって改質合
成樹脂製品に形成される空隙の形状や大きさは、合成樹
脂に添加しておく水溶物の形態によって変わる。合成樹
脂に粉末状の水溶物を添加した場合には、添加した水溶
物の粒形状に対応する空隙が形成される。したがって、
水溶物の粒径が小さいほど、微細な空隙が形成できる。
また、この場合は、ひとつひとつの空隙が独立してい
る。合成樹脂に液体状の水溶物を添加した場合には、樹
脂構造の隙間に水溶物が連続してつながった状態で浸入
して均等に分布することになるので、水溶物が除去され
た後には微細な網の目状に連通した空隙が形成される。
したがって、前記した粉末状の水溶物を用いるのに比べ
て、透湿性がより高まる。また、水溶物は連通状態の空
隙を通して外部に流出するので、合成樹脂製品の内部の
奥深い個所からも水溶物が容易に流出することになり、
水溶物の除去を効率良くかつ完全に行うことができる。
【0039】この発明にかかる改質合成樹脂製品の具体
例について説明する。まず、改質合成樹脂フィルムが製
造できる。改質合成樹脂フィルムの成形もしくは製造方
法は、通常の合成樹脂フィルムと同様の方法が採用でき
る。特に、溶媒で適当な濃度に調整された改質合成樹脂
組成物液を薄く塗布した後、溶媒を蒸発させて膜形成す
る方法が好ましい。親水性多糖類粉末の不溶化処理は、
製膜されて硬化する前の合成樹脂フィルム、または、硬
化した後の合成樹脂フィルムに対して行われる。改質合
成樹脂フィルムを成形した後、前記熱水処理を施すこと
もできる。改質合成樹脂フィルムは、それ自体で吸放湿
性に優れたフィルム材料として各種の用途に使用できる
ほか、この改質合成樹脂フィルムを、各種合成樹脂成形
品や布、合成皮革等の表面に積層して、これらの製品の
表面改質加工に使用することができる。
【0040】不織布や織物からなる布を、前記改質合成
樹脂組成物液に浸漬して、布の表面だけでなく内部全体
に合成樹脂液を含浸させておき、合成樹脂液を硬化させ
る前もしくは硬化させてから、親水性多糖類粉末を不溶
化させれば、吸放湿性が改善された改質布が得られる。
不織布あるいは織物を構成する繊維材料は、通常の合成
繊維等からなるものが使用できる。
【0041】前記親水性多糖類粉末を含有させる合成樹
脂として、塗料用樹脂を用いれば、改質塗料が得られ
る。塗料用樹脂には、親水性多糖類粉末のほか、着色剤
その他の通常の各種塗料用添加剤が加えられる。予め製
造された樹脂塗料に親水性多糖類粉末を添加するように
してもよい。
【0042】親水性多糖類粉末を含有させる合成樹脂と
して、接着剤用樹脂を用いれば、吸放湿性に優れた改質
接着剤が得られる。接着剤用樹脂には、親水性多糖類粉
末のほか、通常の各種接着剤用添加剤が加えられる。予
め製造された樹脂接着剤に親水性多糖類粉末を添加する
ようにしてもよい。
【0043】
【作用】〔第1の発明〕親水性多糖類粉末には、水分や
湿気を吸収したり、吸収した水分や湿気を放出する性質
があるので、親水性多糖類粉末を含有させた合成樹脂か
らなる成形品もしくは製品は、吸放湿性あるいは透湿性
が改善される。吸放湿性が改善された合成樹脂製品の表
面は、ベタツキ感がなく、滑り感のある肌触りの良いも
のとなる。
【0044】また、親水性多糖類粉末は、微細な粉末に
加工することができるので、合成樹脂に均一に混合もし
くは混練することができ、合成樹脂製品全体の吸放湿性
をムラなく均一に向上させることができる。さらに、微
細な親水性多糖類粉末を含有させた合成樹脂製品の表面
は、過度な光沢やベタツキ感が無くなるため、外観的に
も良好になる。特に、親水性多糖類粉末の大きさが、2
00メッシュ通過以下の微粉末であるので、上記作用を
良好に発揮することができる。しかも、一般に、合成樹
脂に粉末状の添加剤を加えた場合、強度や耐久性が大き
く低下する問題があるが、前記のような微粉末の親水性
多糖類は、合成樹脂の強度や耐久性をあまり低下させな
いという利点もある。合成樹脂に含有させる段階での親
水性多糖類粉末には水を含んでいないので、水の存在に
よりブロッキング等の問題を生ずるポリウレタンその他
の水を嫌う樹脂にも良好に混合して使用することができ
る。
【0045】親水性多糖類粉末として、水に対する溶解
温度が60℃以上のものを用いると、前記のような優れ
た吸湿性を発揮できるとともに、改質合成樹脂組成物を
衣料などに用いたときに、着用時の汗や洗濯などで溶け
だす心配がない。これは、人間の体温あるいは気温は、
40℃近くまでになる可能性があるので、親水性多糖類
粉末の溶解温度が40℃程度の場合には、衣料に汗や雨
などの水分が付着して親水性多糖類粉末が溶けだす可能
性がある。親水性多糖類が溶けだすと、衣料の表面がべ
とついた感じになり、着心地が悪くなるとともに、親水
性多糖類が無くなれば、吸湿性能も十分に発揮できなく
なる。また、衣料を洗濯する際に、温水を使うことがあ
り、この場合の温水の温度は40℃前後までになるの
で、洗濯中に衣料から親水性多糖類粉末が溶け出す心配
があり、前記同様の問題が生じる。
【0046】しかし、衣料を使用する通常の環境あるい
は洗濯などで、60℃近くまで昇温する可能性はほとん
どないので、親水性多糖類粉末の溶解温度が60℃以上
であれば、衣料に含まれる親水性多糖類粉末が溶け出す
問題は生じない。また、従来、合成樹脂の改質剤として
使用されていた皮革粉や不溶性コラーゲンなどは、高温
の熱水にも溶けず、溶解温度は100℃以上であると言
えるが、このような不溶性物質の場合には、この発明で
用いる親水性多糖類に比べて吸湿度が劣るものとなる。
また、溶解温度が60℃以下の親水性多糖類でも、後述
するような不溶化処理などを施せば、使用中あるいは洗
濯時に溶け出すのを防止することができるが、溶解温度
60℃以上の親水性多糖類粉末を用いた場合には、その
ような処理も不要になる。
【0047】〔第2の発明〕親水性多糖類粉末として、
塩基性多糖類塩粉末と酸性多糖類粉末とを併用すると、
合成樹脂に含有させたときに、塩基性多糖類粉末と酸性
多糖類粉末とが水の接触により反応して不溶体を生成す
るので、得られた合成樹脂製品を水溶物除去処理で熱水
などにさらしても、溶け出し難くなる。その結果、前記
した微細な空隙と残存する親水性多糖類粉末との比率が
適切になり、前記した吸放湿性の極めて優れた合成樹脂
製品が得られる。また、この場合、水溶物除去処理にお
いて溶け出した成分が、廃液中で反応して不溶沈殿を形
成するので、凝集剤等を使用しなくても容易に回収する
ことができ、廃液の管理や公害防止に好ましいものとな
る。さらに、熱水に対する溶け出しが少ないということ
は、合成樹脂製品の製造過程や使用中に、洗浄や洗濯な
どで熱水にさらしても、親水性多糖類が溶け出してしま
うことが少なくなる。
【0048】〔第4の発明〕親水性多糖類粉末とともに
水溶物を含有させた合成樹脂組成物を、適当な形状に成
形した後、水溶物除去処理を施して、水溶物を溶出させ
て除去すると、水溶物が除去された跡に残る微細な空隙
が、吸湿性を発揮するとともに、空隙内の湿気は、環境
条件により、容易に放出されるので、放湿性あるいは透
湿性が良好になる。水溶物除去処理による親水性多糖類
の除去を一部のみに止めておけば、前記した親水性多糖
類粉末自身の特性による吸放湿性と、空隙による物理的
な透湿性との、異なる原理に基づく作用効果が相乗的に
発揮されて、吸放湿性等が非常に優れた合成樹脂製品が
得られる。
【0049】水溶物除去処理を行った場合に形成される
微細な空隙と残存する吸湿材料との相乗作用による吸放
湿性の改善効果は、親水性多糖類粉末と、親水性多糖類
粉末よりも水溶物除去処理で溶け出し易い材料を併用し
て合成樹脂に含有させたり、逆に、親水性多糖類粉末
と、親水性多糖類粉末よりも水溶物除去処理で溶け出し
難い材料を併用したりしておき、水溶物除去処理で溶け
出し易いほうの材料を主に溶出除去させるように、水溶
物除去処理の条件設定を行うことによっても達成され
る。
【0050】〔第5の発明および第6の発明〕親水性多
糖類粉末を不溶化させておくと、前記したような合成樹
脂製品の製造工程における水溶物除去処理やその他の洗
浄工程等、あるいは製品使用中の洗濯などに対して、親
水性多糖類粉末が溶け出すことが無くなるとともに、親
水性多糖類粉末の有する吸放湿性は十分良好に発揮でき
る。これは、合成樹脂組成物に含有させた親水性多糖類
粉末に対して、不溶化処理を行うと、粉末の外部から熱
が伝わったり不溶化処理剤との反応が行われたりするの
で、粉末の外周部分は十分に不溶化されるが、粉末の中
央には不溶化されていない部分が残ったり、外周部分に
比べて不溶化度が低くなったりするものと考えられる。
粉末の外周部分が不溶化していれば、もはや、水に溶け
出すことはないとともに、中央の未不溶化部分もしくは
低不溶化部分は親水性を維持しているので、吸湿性や吸
水性を発揮できることになるものと考えられる。
【0051】なお、予め不溶化された多糖類粉末を用い
ると、上記のような粉末内外周の不溶化部分と未不溶化
部分との2層構造が得られない。これは、不溶化された
親水性多糖類粉末を得るには、粉末状の親水性多糖類粉
末に所定の不溶化処理を行う必要があるが、不溶化処理
の際に、親水性多糖類粉末同士がブロック状に固まった
りして微粉末が得られないのである。そのため、得られ
た親水性多糖類不溶化物をもう一度粉砕して、微粉化す
る手間がかかる。親水性多糖類不溶化物の粉末を粉砕す
ると、前記したような、不溶化された外周部分と不溶化
されていな中央部分との2層構造が破壊されてしまう。
【0052】しかし、この発明の場合には、親水性多糖
類粉末をそのまま合成樹脂液に添加して混合しておけ
ば、親水性多糖類粉末が合成樹脂液中に均一に分布した
状態のままで不溶化処理が行われることになるので、最
終的に得られる不溶化物も、改質合成樹脂製品中に均一
かつ微細に分布したままで、ブロッキングを起こす心配
がない。当然、不溶化処理後に粉砕作業を行う面倒もな
い。
【0053】親水性多糖類粉末が加熱硬化して不溶化す
る材料であれば、親水性多糖類粉末を不溶化させる方法
として、第6の発明の方法が適用できる。親水性多糖類
粉末を加熱するだけであれば、作業が簡単で、不溶化処
理剤も要らない。第5の発明の方法は、親水性多糖類粉
末が加熱硬化により不溶化することのない材料にも適用
でき、熱に弱い材料にも好ましい方法となる。
【0054】〔第7の発明〕前記のような水溶物除去処
理を行う場合、親水性多糖類粉末を不溶化させれば、水
溶物とともに除去されることがなく、親水性多糖類粉末
による合成樹脂の改質作用が良好に発揮できる。
【0055】
【実施例】下記に示す親水性多糖類粉末を合成樹脂に混
合して、改質合成樹脂組成物を製造し、その特性を、親
水性多糖類粉末を含有しない通常の合成樹脂組成物と比
較した。
【0056】I.各種の親水性多糖類粉末を用いた場合
<親水性多糖類粉末> キトサン乳酸塩粉末市販のキ
トサンに、乳酸を噴霧して溶解させた後、脱水乾燥を行
って調製した。 ゲニュゲルCJ(商品名:The
Copenhagen PectinFactory
Ltd.製、カラギーナンのナトリウム塩) X−9
2(商品名:Mero−Rousselot−Sati
a製、HMペクチン) ゲニュペクチンLM−84A
S(商品名:The Copenhagen Pect
in Factory Ltd.製、LMペクチン)
スノーアルギンM(商品名:富士化学工業株式会社
製、アルギン酸ナトリウム) ゲニュガムRL−20
0(商品名:MEYHALL CHEMICAL AG
製、ローカストビーンガム) エコーガム(商品名:
Kelco Division of Merk &
Co.,Inc製、キサンタンガム) パインデック
ス#−100(商品名:松谷化学工業株式会社製、デン
プン分解物DE=2〜5)上記親水性多糖類のうち、
は塩基性多糖類であり、〜は酸性多糖類である。何
れの親水性多糖類も、水に対する溶解温度は60℃未満
であった。なお、各親水性多糖類は、何れも200メッ
シュ通過品を使用した。
【0057】<改質合成樹脂組成物の製造>ウレタン樹
脂として、NB−630(商品名:大日本インキ株式会
社製、合成皮革用ウレタン樹脂、不揮発分29〜31
%)を用い、前記各親水性多糖類粉末および溶剤と下記
の配合で混合した。NB−630 10
0重量部親水性多糖類粉末 5重量部
(但し、比較例は0重量部)メチルエチルケトン(ME
K) 30重量部塩基性多糖類粉末と酸性多糖類粉末を
併用した実施例1.1〜1.4については、1:1の比
率で合計5重量部となるようにして用いた。
【0058】<合成樹脂フィルムの製造および特性試験
>前記工程で得られた実施例および比較例の合成樹脂組
成物を用いて合成樹脂フィルムを作製し、その特性を比
較した。(a)フィルム作製方法合成樹脂組成物を、1
00μmのアプリケータを用いて離型紙にコーティング
した後、120℃で5分間の加熱処理を行ってフィルム
を成形した。得られた合成樹脂フィルムを5cm角に切
り取って、以下の各試験に供した。(b)吸湿性試験合
成樹脂フィルムの乾燥状態の重量(W)を測定した。
つぎに、合成樹脂フィルムを相対湿度90%(20℃)
の雰囲気下で30分間静置した後、再び重量(W)を
測定した。その値を下式に代入して吸湿度を算出した。
吸湿度=(W−W)×400 g/m …(1)
(c)透湿性試験JIS=Z0208(防湿包装材料の
透湿度試験方法)に準じて透湿度を測定した。
【0059】上記各試験は、合成樹脂フィルムを作製し
たままの状態と、合成樹脂フィルムに熱水処理を施した
後の状態で、それぞれ試験を行った。熱水処理として
は、合成樹脂フィルムを60℃の熱水中で30分間浸漬
した後、60℃で乾燥させた。表1に試験結果を示して
いる。表中、風合い・外観性の評価は、以下の基準で行
った。×…光沢が強い。ベトツキ感がある。○…光沢が
ない。滑性がある。◎…光沢がない。滑性がある。柔軟
性がある。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】以上の結果をみれば、親水性多糖類粉末を
含有させた比較例1.1〜1.8および実施例1.1〜
1.4では、親水性多糖類粉末を含有させない比較例
1.0に比べて、吸湿性および透湿性の何れの点でも優
れた性能を発揮できることが実証された。また各実施例
および比較例とも、熱水処理すなわち水溶物除去処理を
行うと、透湿性が大幅に向上し、風合いや外観が極めて
良好になっている。なお、この場合、熱水処理を行わな
い場合よりも若干吸湿性が低下しているが、実用上十分
な吸湿性は維持している。さらに、実施例1.1〜1.
4では、比較例1.1〜1.8に比べて、熱水処理後の
吸湿度が高くなっている。したがって、塩基性多糖類粉
末と酸性多糖類粉末とを併用することにより、熱水処理
を行った場合の吸湿性の低下を防ぐことができ、吸湿性
および透湿性の何れにも優れた性能を発揮できることが
実証された。
【0063】II.溶解温度による性能の比較代表的な
親水性多糖類粉末を、溶解温度によって分類すると以下
のとおりになる。(1)常温:グアガム、キサンタンガ
ム、デキストリン、キトサン塩、ペクチン、アルギン酸
ソーダ、プルラン、加水分解ゼラチン、カラギーナンN
a塩(2)温水:ゼラチン(3)60〜65℃:κ・ι
−カラギーナンK・Ca塩(4)70〜75℃:ローカ
ストビーンガム(5)90〜95℃:寒天、ジェランガ
ムまた、コラーゲンや皮革粉などの水不溶性物質は、9
5℃を超えても水に溶解しない。
【0064】そこで、溶解温度の違いによる、吸湿度お
よび耐水性の性能比較を行った。使用した材料は以下の
とおりである。 SQ−7(商品名:伊那食品製、寒
天) HGE(商品名:明新化成工業製、κ−カラギ
ーナンのK塩) CX−260(商品名:昭和電工
製、不溶性コラーゲン微粉砕品) LP−50(商品
名:宏栄化成製、皮革粉微粉砕品) X−0828
(商品名:The Copenhagen Pecti
nFactory Ltd.製、カラギーナンのNa
塩) キトサン乳酸塩(実施例1.1と同じもの)
GP−H(商品名:宏栄化成製、ゼラチン微粉砕品)
【0065】およびについては、カラギーナン中の
調整糖を除去する精製処理を行った。すなわち、60%
イソプロピルアルコールにて3回洗浄した後、加熱乾燥
させた。また、については、下記条件で微粉砕し
た。粉砕機:超音速ジェットミルIDS−2型(日本ニ
ューマチック工業製)処理量:1kg/hr粉砕圧力:
7kg/mGこれらの親水性多糖類粉末について、吸
湿性能を測定した。
【0066】(a) 吸湿性試験105℃で1時間乾燥
させた各微粉末を、下記環境条件に設定した恒温恒湿器
に1時間保管した後、重量を測定した。その結果をもと
に、下式により吸湿度を算出した。恒温恒湿器の設定条
件:20℃でRH60、70、80、90%吸湿度
(%)=(1−吸湿重量/乾燥重量)×100表3に測
定結果を示している。
【0067】
【表3】
【0068】上記測定の結果、不溶性物質であるおよ
びに比べて、親水性多糖類であると親水性蛋
白質であるは、吸湿度の点で優れていることが判る。
また、親水性多糖類の中で比べると、溶解温度の違いと
吸湿度の間には単純な相関は認められない。
【0069】つぎに、それぞれの微粉末を用いて、改質
合成樹脂フィルムを製造し、その性能を比較した。<調
合液の配合>NB−630 100重量部微 粉
末 6重量部(比較例2.1では0重量
部)メチルエチルケトン 30重量部
【0070】<製膜>上記調合液を、100μmのドク
ターブレードを用いて、離型紙にコーティングした後、
120℃で5分間の熱処理を行って、ポリウレタンフィ
ルムを作製した。
【0071】<官能試験>得られたフィルムの外観性お
よび風合いを官能試験により評価した。評価基準は以下
のとおりであった。×…光沢が強く、べとつき感があ
る。 ○…光沢がなく、滑性が非常にある。
【0072】<吸湿性試験>前記1項と同じ条件で測定
した。
【0073】<耐水性試験>まず、フィルムを5cm角
に切り取って、処理前の乾燥重量(W)を測定した。
つぎに、フィルムを40℃温水中において撹拌下で30
分間洗浄処理を行い、その後十分に乾燥させてから、処
理後の乾燥重量(W)を測定した。この洗浄処理は、
繊維製品の耐洗濯性に関するJIS−L0217の10
3号で規定された洗い方に相当する条件である。洗浄処
理による重量の減少率を次式により算出した。減少率
(wt%)=(1−W/W)×100表4に、上記
各試験の結果を示している。
【0074】
【表4】
【0075】上記試験の結果をみると、溶解温度が低い
親水性多糖類を用いた比較例2.4や比較例2.5
では、温水による洗浄処理で溶け出すが、溶解温度の高
い親水性多糖類を用いた実施例2.1、2.2で
は、温水による洗浄処理を行っても溶けだす心配がない
とともに、不溶性物質を用いた比較例2.2や比較
例2.3に比べて、はるかに高い吸湿度を示している。
なお、比較例2.4や比較例2.5の親水性多糖類
でも、前記したような不溶化処理などを施せば、耐水性
を向上させることができる。
【0076】III.親水性多糖類の不溶化を行った場
前記I項で用いた親水性多糖類その他を用いて、親水
性多糖類粉末を不溶化させることの効果を確認した。表
5に示す配合で、合成樹脂フィルムを作製した。製造条
件は、成形後に不溶化処理を行うことを除いて、前記I
項の場合と同様である。親水性多糖類粉末としては、前
記I項で用いた材料以外に下記材料を用いた。合成樹脂
は前記したNB−630を用い、溶剤は前記MEKを用
いた。
【0077】〔親水性多糖類粉末〕アラビックコール
(商品名:三栄薬品貿易株式会社、アラビアガム)20
0メッシュ通過品〔不溶化処理剤粉末〕乳酸カルシウム
試薬(Ca塩)
【0078】実施例4.6、4.7、4.8、4.10
で、複数の親水性多糖類粉末を用いているのは、成形後
に両者を反応させて互いに不溶化させた場合である。L
Mペクチンおよびアラビアガムは酸性多糖類、キトサン
乳酸塩は塩基性多糖類である。成形後の不溶化処理は、
合成樹脂フィルムを下記の不溶化処理液に浸漬する方法
と、60℃熱水中に30分間浸漬する熱水処理による方
法を用いた。
【0079】〔不溶化処理液〕Ca溶液 :4%
乳酸カルシウム水溶液キトサン塩溶液 :4%キトサン
乳酸塩溶液(パパイン分解)カラギーナン溶液:4%カ
ラギーナン水溶液(酸分解による低分子化カラギーナ
ン)
【0080】
【表5】
【0081】上記のようにして得られた合成樹脂フィル
ムに対して、前項と同様の試験に加えて、下記試験を行
った。(a)熱水耐久試験合成樹脂フィルムを、60℃
熱水中で30分間洗浄した。試験前後の重量を測定し
て、減量率%を算出した。表6に各試験の結果を示して
いる。なお、透湿度は熱水処理前に測定した値である。
【0082】
【表6】
【0083】以上の結果をみれば、各実施例は、比較例
4のように親水性多糖類粉末を不溶化させていないもの
に比べて、熱水処理を行った場合の吸湿度の低下および
減量が少ないことが判り、親水性多糖類粉末を不溶化さ
せておくことによって、使用時の洗濯などに対する耐久
性を大幅に向上させ得ることが実証された。なお、前項
と同様に風合いを評価したところ、各実施例および比較
例とも良好であったが、比較すると、各実施例のほうが
比較例よりも良好な評価を得た。
【0084】IV.親水性多糖類の不溶化と水溶物除去
を行った場合前記I項で用いた材料その他を用いて、親
水性多糖類粉末を不溶化させると同時に、合成樹脂中の
水溶物を除去して空隙を形成させることの効果を確認し
た。表7に示す配合で、合成樹脂フィルムを作製した。
製造条件は、前記I項の場合と同様である。合成樹脂は
前記したNB−630を用い、溶剤は前記MEKを用い
た。表中、〔添加物〕とは、不溶化させる親水性多糖類
粉末の材料を示し、〔水溶物〕とは、不溶化処理の際に
水に溶け出させて除去する材料であり、何れも200メ
ッシュ通過以下の粉末で用いた。成形後の不溶化処理
は、合成樹脂フィルムを〔不溶化処理液〕に浸漬して、
〔添加物〕を不溶化させるとともに〔水溶物〕を溶出さ
せた。その後、40〜50℃の温水で洗浄して〔水溶
物〕を完全に除去し、乾燥させて、合成樹脂フィルムが
得られた。
【0085】
【表7】
【0086】得られた合成樹脂フィルムに、前記I項と
同様の特性試験を行った。表8に試験結果を示してい
る。
【0087】
【表8】
【0088】以上の結果をみれば、親水性多糖類粉末を
不溶化させると同時に、水溶物を除去することによっ
て、吸湿性と透湿性の両方に優れ、しかも風合いも良好
な合成樹脂製品が得られることが実証された。
【0089】V.水溶物の一部を溶液状態で添加してお
く場合水溶物除去処理を行う場合に、水溶物の一部を溶
液状態で添加しておくことの効果を確かめた。表9に示
す配合で、合成樹脂フィルムを作製した。製造条件は、
前記I項の場合と同様である。合成樹脂は前記したNB
−630を用い、溶剤は前記MEKを用いた。カラギー
ナンNa塩は、前記ゲニュゲルCJを用いた。水溶物溶
液は、下記配合で調製した。
【0090】〔水溶物溶液配合〕ゼラチン(アルカリ1
00ブルーム) 40重量%または分解ゼラチンNa
Cl 5重量%クエン
酸 pH4に調整するのに必要な量水
全体の固形分量を50%にする量
【0091】
【表9】
【0092】水溶物除去処理としては、60℃の熱水に
30分間浸漬する熱水処理を採用した。得られた合成樹
脂フィルムに、前項と同様の試験を行った。表10およ
び表11に試験結果を示している。
【0093】
【表10】
【0094】
【表11】
【0095】上記試験結果をみれば、各実施例は、水溶
物除去処理後の透湿度が格段に向上しており、水溶物の
一部を溶液状態で用いることの効果が明らかである。
【0096】
【発明の効果】以上に述べた、この発明にかかる改質合
成樹脂組成物、改質合成樹脂成形品、および改質合成樹
脂製品の製造方法のうち、第1の発明によれば、合成樹
脂に、水に対する溶解温度が60℃以上で大きさ200
メッシュ以下の親水性多糖類粉末を含有させておくこと
によって、従来の合成樹脂では実現できなかった、吸湿
性と透湿性の両方を兼ね備えた吸放湿性の良好な合成樹
脂製品を製造することが可能になる。また、風合いや外
観性の点でも、従来の合成樹脂に比べて、はるかに天然
の素材に近い良好なものが得られる。吸湿性が良いこと
から帯電防止性も高まる。しかも、親水性多糖類は、天
然材料から製造されるものが多いので、人体に対する安
全性も高く、人体に直接触れる衣料等にも好適に使用で
きる。
【0097】その結果、合成皮革や繊維製品等の表面仕
上げ加工用樹脂や各種のフィルム・シート、塗料や接着
剤、その他の製品に利用したときに、優れた吸放湿性あ
るいは風合い等を発揮でき、これらの製品の品質性能の
向上および用途の拡大に大きく貢献することができる。
【0098】具体的には、例えば、合成皮革の表面層を
構成する層材料として用いたり、合成皮革を構成する繊
維層に含浸させて用いたりした場合には、天然の皮革と
同程度の優れた吸放湿性を発揮し、肌触りが滑らかで、
強過ぎない自然な光沢を示すものとなり、従来の合成皮
革の欠点であったムレ感やベトツキ感を解消して、合成
皮革の品質向上を果たすことができる。
【0099】各種の衣料の表面仕上げあるいは繊維の表
面加工に用いた場合には、汗の吸収性が良くなるととも
に、吸収した汗を直ぐに放出することができ、帯電防止
性も良好になるので、さわやかな着心地感を与えること
ができる。塗料としては、優れた吸放湿性により結露防
止効果が発揮され、塗装面の質感もしっとりと落ち着い
た良好なものとなる。接着剤としては、前記した合成皮
革や繊維製品あるいは木材製品等の接着剤として用いた
場合、素材の吸放湿性を接着剤層の部分で遮断すること
が無くなり、製品全体が良好な吸放湿性を発揮できるこ
とになる。
【0100】しかも、通常の環境条件あるいは洗濯など
の処理に対しては溶け出すことがなく、耐水性あるいは
耐洗濯性などに優れたものとなり、前記した良好な吸湿
性などを長期間にわたって良好に発揮することができ
る。
【0101】第2の発明では、合成樹脂に、大きさが2
00メッシュ通過以下である塩基性多糖類粉末と酸性多
糖類粉末とが含有されていることにより、吸湿性を向上
できるとともに、水溶物除去処理を行った場合でも吸湿
性の低下が少なく、前記した吸放湿性の向上効果等を一
層高めることができる。しかも、各種製品の製造工程あ
るいは使用中において、洗浄や洗濯を行っても、親水性
多糖類が溶け出すことが少なく、改質合成樹脂製品の耐
久度を高め、改質効果を長期間にわたって良好に維持す
ることが可能になる。
【0102】第4の発明では、親水性多糖類粉末を含有
させた合成樹脂成形品に対して、水溶物を溶出させる水
溶物除去処理をすることで、吸放湿性や風合い・外観性
等を向上させることができ、前記した親水性多糖類粉末
を含有させることによる効果をより高めることが可能に
なる。
【0103】第5の発明および第6の発明では、改質合
成樹脂製品を製造する方法として、合成樹脂に含有させ
た親水性多糖類粉末を不溶化させることにより、不溶化
された親水性多糖類粉末は、水や熱水に溶けることがな
く、しかも、吸放湿性は不溶化させないものと同等に発
揮することができるので、前記洗浄や洗濯に対する耐久
性を高め、長期間にわたって良好な改質効果を発揮でき
るものとなる。
【0104】第7の発明では、親水性多糖類粉末の不溶
化処理と、水溶物の除去処理を組み合わせることで、不
溶化された親水性多糖類粉末による改質効果と、水溶物
除去処理によって形成された空隙による改質効果とを、
相乗的に発揮させることが可能になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−207238(JP,A) 特開 昭62−53351(JP,A) 特開 昭60−130623(JP,A) 特開 昭60−130638(JP,A) 特開 昭60−51732(JP,A)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂に、水に対する溶解温度が60
    ℃以上で大きさが200メッシュ通過以下の親水性多糖
    類粉末が含有されている改質合成樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 合成樹脂に、何れも大きさが200メッ
    シュ通過以下である塩基性多糖類粉末と酸性多糖類粉末
    とが含有されている改質合成樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の改質合成樹脂
    組成物からなり、この改質合成樹脂組成物が所定形状に
    成形されてなる改質合成樹脂成形品。
  4. 【請求項4】 合成樹脂組成物を成形硬化させて合成樹
    脂製品を製造する方法において、合成樹脂組成物に、親
    水性多糖類粉末とともに水溶物を含有させておき、合成
    樹脂組成物が成形硬化されるまでの間もしくは成形硬化
    された後に、水溶物を除去する改質合成樹脂製品の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 合成樹脂組成物を成形硬化させて合成樹
    脂製品を製造する方法において、合成樹脂組成物に、大
    きさが200メッシュ通過以下の親水性多糖類粉末を含
    有させておき、合成樹脂組成物が成形硬化されるまでの
    間もしくは成形硬化された後に、親水性多糖類粉末に不
    溶化処理剤を接触させて親水性多糖類粉末を不溶化させ
    ることを特徴とする改質合成樹脂製品の製造方法。
  6. 【請求項6】 合成樹脂組成物を成形硬化させて合成樹
    脂製品を製造する方法において、合成樹脂組成物に、大
    きさが200メッシュ通過以下の親水性多糖類粉末を含
    有させておき、合成樹脂組成物が成形硬化されるまでの
    間もしくは成形硬化された後に、親水性多糖類粉末を加
    熱して不溶化させることを特徴とする改質合成樹脂製品
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載の方法において、
    合成樹脂組成物に、親水性多糖類粉末とともに水溶物を
    含有させておき、合成樹脂組成物が成形硬化された後
    に、親水性多糖類粉末を不溶化させるのと同時もしくは
    不溶化させた後で、水溶物を除去する改質合成樹脂製品
    の製造方法。
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