JP2504889B2 - 改質合成樹脂組成物 - Google Patents

改質合成樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、改質合成樹脂組成
関し、詳しくは、各種製品の製造に用いたときに、そ
の表面の風合いや吸放湿性等の諸性質を改善することの
できる改質合成樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、合成皮革や合成繊維生地を製造す
る際に、その表面性状を改善するために、表面改質用の
合成樹脂フィルムを積層したり、表面改質用の合成樹脂
コーティングを施すことが行われている。これは、通常
の合成繊維生地は、天然の材料に比べて、吸湿性や防水
性あるいは表面の風合いに劣る等の欠点があり、これら
の欠点を解消するために、合成繊維または生地の表面の
みを別の改質合成樹脂で覆っておくことが行われるので
ある。例えば、ナイロンやポリエステル生地の防水性を
改善するために、これらの生地にウレタン樹脂で表面加
工することが行われている。 このようなウレタン樹脂
による表面改質加工では、表面の感触にべとつき感がな
いことや、表面の光沢が強過ぎず、生地の風合いを損な
わない等という機能が要求される。また、天然の皮革や
生地に劣らない吸放湿性を有することも必要である。こ
こで、吸放湿性とは、単に湿気を吸収保持する性質だけ
でなく、外部環境との湿度差によっては、吸収した湿気
を外部環境に容易に放出し、フィルムやシート等の表裏
面を湿気が通過し易いという、いわゆる透湿性をも意味
する性能である。
【0003】なお、上記表面改質加工用のウレタン樹脂
以外にも、各種の合成樹脂を利用する際に、その目的や
要求性能に合わせて、吸放湿性や表面の風合い等を改善
することが要望されている。そこで、本願発明者らは、
前記ウレタン樹脂その他の合成樹脂において、合成樹脂
から製造される製品の吸放湿性や表面の風合い等が良好
に改善される改質合成樹脂組成物、および、このような
改質効果が良好に発揮される改質合成樹脂製品を製造で
きる方法を開発し、先に、特願平3−161887号等
で特許出願している。
【0004】この方法は、合成樹脂に、キトサン塩やカ
ラギーナンなどの親水性多糖類の微粉末を含有させてお
くことにより、この合成樹脂から成形された合成樹脂製
品の前記諸性能を改善するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来技
術では、合成樹脂の流動性あるいは成形性を改善するた
めに加えられる溶剤と親水性多糖類との組み合わせによ
って、親水性多糖類による改質作用に大きな違いが生じ
る。すなわち、特定の合成樹脂および溶剤と親水性多糖
類との組み合わせでは、成形用の合成樹脂液に親水性多
糖類が均一に混合されなかったり、親水性多糖類による
吸放湿性などの作用効果が十分に発揮できなかったりす
るのである。
【0006】そこで、この発明の課題は、合成樹脂に対
する親水性多糖類粉末の混合が良好に行われ、塗布性や
成形性が良く、しかも、製造された改質合成樹脂製品
は、吸放湿性などの使用性能に優れている改質合成樹脂
組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する、こ
の発明にかかる改質合成樹脂組成物は、ウレタン樹脂
に、κ−カラギーナン微粉末と含有溶剤の60重量%以
上を占めるN,N−ジメチルホルムアミドとが含有され
ている。ウレタン樹脂としては、各種の製品を製造する
ための材料として利用されている通常の成形用ウレタン
樹脂が使用できる。具体的には、ポリエステル系ポリウ
レタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリカプロラク
トン系ポリウレタン、ポリカーボネート系ポリウレタ
ン、ポリアミノ酸変性ポリウレタン等が挙げられる。
【0008】溶剤には、ウレタン樹脂原料の製造時など
に添加されて、樹脂原料製品に予め含まれている溶剤成
分と、合成樹脂を成形する際に、合成樹脂の塗布性ある
いは流動性を高めるために加える粘度調整用の希釈剤と
して用いられる溶剤の両方を含む。この発明では、この
ような溶剤として、N,N−ジメチルホルムアミド(D
MF)を含有する合成樹脂組成物を用いる。DMF以外
の溶剤は、全く含まれないものであってもよいが、この
発明の作用効果を阻害しない程度で、他の溶剤が含まれ
ていても差し支えない。具体的には、溶剤全量に対する
DMFの含有量が60重量%以上であることが必要であ
り、好ましくは80重量%以上のものを用いる。
【0009】合成樹脂製品の吸放湿性を改善する材料と
して、κ−カラギーナンの微粉末を含有させておく。カ
ラギーナンには、λ−カラギーナンやι−カラギーナン
なども存在するが、これらのカラギーナンは、DMFに
は溶解し難く、目的とする作用効果が発揮できない。κ
−カラギーナンとしては、Na塩、K塩、Ca塩などが
用いられる。
【0010】κ−カラギーナンの微粉末は、通常、溶液
状態で抽出あるいは製造されたものを、加熱乾燥や凍結
乾燥により固形化してから粉砕したり、噴霧乾燥したり
して得られる。カラギーナンを粉末化するための手段
は、上記以外にも、通常の各種薬剤、化学製品における
粉末化手段が適用できる。κ−カラギーナンは、その大
きさすなわち粒径が小さい程、合成樹脂およびDMFと
良好に混練されたり、製造された製品の表面の風合いを
均一に改善出来る等の作用効果がある。この発明の作用
効果を十分に発揮させるには、粒径が50μm以下の微
粉末であることが必要である。50μmを超える粉末で
は、DMFに対する溶解性が十分でなかったり、製造さ
れた合成樹脂製品の表面性状に凹凸やムラ、バラツキが
出たり、改質効果が十分に発揮出来なくなったりする。
また、合成樹脂製品の強度や耐久性を大幅に低下させる
問題が生じる。粒径の下限としては、粉末製造の手間や
経済性等を考慮して適当な範囲に設定すればよい。実用
上好ましい粉末の大きさは、粒径0.1〜30μm程度
のものである。合成樹脂に対するκ−カラギーナン微粉
末の添加量は、目的とする製品の用途によっても異なる
が、通常、約0.5〜100重量%、好ましく5〜50
重量%の範囲である。
【0011】改質合成樹脂組成物には、目的とする製品
や用途に応じて、上記κ−カラギーナン以外の粉末材料
あるいは液体材料を添加することも可能である。具体的
には、着色剤、可塑剤、硬化剤、安定剤、滑剤、発泡剤
等、通常の合成樹脂に対する添加剤と同様のものであ
る。但し、これらの添加剤としては、DMFあるいはκ
−カラギーナンの機能を損なわない材料を選択して用い
る必要がある。
【0012】前記のようなDMFとκ−カラギーナン微
粉末およびその他の添加剤を、前記ウレタン樹脂に均一
に混合もしくは混練して、得られた改質合成樹脂組成物
を各種の用途に使用する。改質合成樹脂製品を製造する
ための成形方法は、通常の合成樹脂に対する成形方法が
適用できる。例えば、溶剤で適当な濃度に希釈された合
成樹脂液を、薄い膜状に流し広げた後、加熱乾燥などし
て成形硬化させれば、フィルム状の改質合成樹脂製品が
得られる。製造された改質合成樹脂製品は、そのままで
利用できるほか、別な合成樹脂製品の表面や一部のみ
を、この発明で製造された改質合成樹脂製品で構成する
ようにしてもよい。さらに、前記合成樹脂液を、合成樹
脂成形品や繊維、布生地、合成皮革その他の物品にコー
ティングして、コーティング製品の表面性状を改善する
ために用いることもできる。具体的なコーティング手段
は、通常の表面改質コーティング技術と同様に行われ
る。不織布や織物からなる布にコーティングする場合
は、布の表面だけでなく、内部まで浸透させて、個々の
繊維そのものをコーティングすることもできる。改質合
成樹脂製品の表面あるいはコーティングされた改質合成
樹脂層に対して、各種の表面処理加工を施すことができ
る。例えば、合成皮革の表面にコーティングされた改質
合成樹脂層に対して、サンディングや革シボ加工を施す
ことができる。
【0013】この発明の方法で製造される改質合成樹脂
製品の具体例について説明する。まず、改質合成樹脂フ
ィルムが製造できる。改質合成樹脂フィルムの成形もし
くは製造方法は、通常の合成樹脂フィルムと同様の方法
が採用できる。特に、有機溶媒で適当な濃度に調整され
た改質合成樹脂組成物液を薄く塗布した後、溶媒を蒸発
させて膜形成する方法が好ましい。改質合成樹脂フィル
ムは、それ自体で吸放湿性に優れたフィルム材料として
各種の用途に使用できるほか、この改質合成樹脂フィル
ムを、各種合成樹脂成形品や布、合成皮革等の表面に積
層して、これらの製品の表面改質加工に使用することが
できる。
【0014】不織布や織物からなる布を、前記合成樹脂
液に浸漬して、布の表面だけでなく内部全体に合成樹脂
液を含浸させれば、吸放湿性が改善された改質布が得ら
れる。不織布あるいは織物を構成する繊維材料は、通常
の合成繊維等からなるものが使用できる。合成樹脂とし
て、塗料用ウレタン樹脂を用いれば、改質塗料が得られ
る。塗料用樹脂には、κ−カラギーナン微粉末および必
要量のDMFのほか、着色剤その他の通常の各種塗料用
添加剤が加えられる。予め製造された樹脂塗料に、κ−
カラギーナン微粉末および必要量のDMFを添加するよ
うにしてもよい。
【0015】合成樹脂として、接着剤用樹脂を用いれ
ば、吸放湿性に優れた改質接着剤が得られる。接着剤用
樹脂には、κ−カラギーナン微粉末および必要量のDM
Fのほか、通常の各種接着剤用添加剤が加えられる。予
め製造された樹脂接着剤に、κ−カラギーナン微粉末お
よび必要量のDMFを添加するようにしてもよい。
【0016】
【作用】ウレタン樹脂は、合成皮革や合成繊維製品の表
面性状を改善するための表面加工剤として有用である。
このウレタン樹脂に、κ−カラギーナン微粉末を含有さ
せておけば、ウレタン樹脂を乾燥硬化させて得られる改
質合成樹脂製品の吸放湿性が良好に改善される。
【0017】すなわち、κ−カラギーナン微粉末には、
水分や湿気を吸収したり、吸収した水分や湿気を放出す
る性質があり、このようなκ−カラギーナン微粉末を含
有させた合成樹脂組成物からなる製品は、吸放湿性ある
いは透湿性が改善される。吸放湿性が改善された合成樹
脂製品の表面は、ベタツキ感がなく、滑り感のある肌触
りの良いものとなる。
【0018】そして、ウレタン樹脂に含まれる溶剤がD
MFを主体とするものの場合、κ−カラギーナン微粉末
がDMFに部分溶解することにより、DMFおよびウレ
タン樹脂中にκ−カラギーナン微粉末が均一かつ安定し
た状態で混合されるようになる。κ−カラギーナン微粉
末が均一に混合されたウレタン樹脂からなる改質合成樹
脂組成物は、静置しておいても、κ−カラギーナン微粉
末が沈降し難いので、安定して保管しておけ、改質合成
樹脂組成物を成形する際の作業性も良好になる。
【0019】このような改質合成樹脂組成物を用いて改
質合成樹脂製品を製造すると、合成樹脂中に均一に混合
されたκ−カラギーナン微粉末は、前記したような、吸
放湿性などの機能を良好に発揮できる。特に、DMFに
部分溶解したκ−カラギーナン微粉末は、粉末の表面性
状が変化して、吸放湿性が高くなるとともに、耐水性が
大幅に向上する。
【0020】上記のような作用効果が得られる理由は、
詳細には不明であるが、数多くの溶剤の中でも、DMF
をκ−カラギーナン微粉末と組み合わせた場合にしか有
効ではないことが判っており、DMFとκ−カラギーナ
ン微粉末との特異な相互作用によるものと考えられる。
【0021】
【実施例】
−実施例1:カラギーナン微粉末の溶剤に対する相溶性
− カラギーナン微粉末として、κ−カラギーナンK塩微粉
砕物(粒径11.9μm)を用いた。このカラギーナン
微粉末5重量部を、下記表1の溶剤100重量部に混合
して、その溶状を観察した。表中、MEKはメチルエチ
ルケトンの略称である。
【0022】
【表1】 ──────────────── 溶 剤 溶 状 ──────────────── DMF ○ MEK × トルエン △ 酢酸エチル × ジオキサン × イソプロピルアルコール × ──────────────── ○:均一なペースト状態 △:半透明な沈降状態で容易
に分散 ×:白色の沈降 上記試験の結果、カラギーナン微粉末は、DMFに対し
て、最も良好に混合されることが判る。
【0023】−実施例2:種々のカラギーナン微粉末の
DMFに対する溶解性− 下記表2の各カラギーナン微粉末1gを、DMF20g
に分散させ、密閉下で1昼夜保管した後、その溶状を評
価した。
【0024】
【表2】 ─────────────────────── カラギーナン 試験品の溶状 ──────────────────────── κ−カラギーナンK塩 粘稠なペースト ι−カラギーナンNa,Ca塩 粉末が沈降 λ−カラギーナンNa塩 粉末が沈降 ─────────────────────── 以上の結果、カラギーナンのうち、κ−カラギーナン微
粉末だけが、DMFに対して良好に溶解することが判
る。
【0025】−実施例3:カラギーナン微粉末の粒径− 粒径の異なるカラギーナン微粉末の、DMFに対する溶
解性を評価した。下記表3に示すように、κ−カラギー
ナンK塩としてA、B2種類を用意し、それぞれを粉砕
して、粒径の異なる試験材料を得た。前記実施例1と同
様の条件で、カラギーナン微粉末をDMFと混合し、そ
の溶状を観察した。
【0026】
【表3】 ────────────────────────────────── 平均粒径 最大粒径 粘 度 溶 状 μm μm cps ────────────────────────────────── カラギーナン粉末A 96.6 350.0 1260 × 11.9 37.0 4085 ○ 7.7 22.0 2053 ○ ────────────────────────────────── カラギーナン粉末B 153.0 500.0 16720 × 9.8 37.0 1815 ○ ────────────────────────────────── ○:均一な溶液 ×:膨潤状態で未溶解 以上の結果、カラギーナン微粉末の粒径は、50μm以
下のものが好ましいことが判る。
【0027】−実施例4:ウレタン樹脂製品の改質効果
− ウレタン樹脂にDMFとκ−カラギーナン微粉末を含有
させた改質合成樹脂組成物を用いて、フィルム状製品を
製造し、その性能を評価した。 <合成樹脂液の配合:重量部> 実施例 ウレタン樹脂液 100 (不揮発分30%、溶剤DMF) DMF 40〜60 κ−カラギーナンK塩微粉末 3〜6 (平均粒径11.9μm) (樹脂固型分に対して1
0〜20%) 比較例 ウレタン樹脂液 100 (不揮発分30%、溶剤DMF/MEK=4/6) MEK 40〜60 κ−カラギーナンK塩微粉末 3〜6 (平均粒径11.9μm) <製膜方法>合成樹脂液を、ドクターブレード(クリア
ランス100μm)を用いて離型紙にコーティングし、
下記条件で乾燥硬化させた。
【0028】第1段乾燥:80℃×5分→第2段乾燥:
130℃×3分 形成された合成樹脂フィルムの膜厚は、12〜16μm
であった。 <評価試験> 透湿度:JIS Z−0208に準拠して測定し
た。 吸湿度:乾燥させた試験フィルムを、RH90%
(20℃)の環境に1時間保持し、試験前後の重量を測
定して、吸湿量を求めた。
【0029】 耐水性:試験フィルムを、60℃の温
水中に攪拌下で30分間浸漬した後、水洗および乾燥
し、試験前後の重量を測定して、減量割合を求めた。耐
水性の数値がマイナス側になるほど、温水への溶け出し
が多く、耐水性に劣ることになる。表4および表5に試
験結果を示している。
【0030】
【表4】 実施例(溶剤中DMF100%) ───────────────────────────────── ウレタン樹脂 カラギーナン 試 験 結 果 配合量 透湿度 吸湿度 耐水性 対樹脂固型分% g/m2・24Hr kg/m3 wt% ───────────────────────────────── ポリエステル系 0 1621 6.0 0 ウレタン樹脂 10 2643 17.1 −1.10 20 3335 30.4 −1.78 ───────────────────────────────── ポリエーテル系 0 6339 17.3 0 ウレタン樹脂 10 7605 31.0 0 20 7849 46.4 0 ───────────────────────────────── ポリエステル系 0 5882 10.4 0 /ポリエーテル系 20 7630 39.1 0 ウレタン樹脂 ─────────────────────────────────
【0031】
【表5】 比較例(溶剤中DMF22〜25%) ───────────────────────────────── ウレタン樹脂 カラギーナン 試 験 結 果 配合量 透湿度 吸湿度 耐水性 対樹脂固型分% g/m2・24Hr kg/m3 wt% ───────────────────────────────── ポリエステル系 0 − − − ウレタン樹脂 10 1901 18.9 −2.23 20 2168 35.3 −5.11 ───────────────────────────────── ポリエーテル系 0 − − − ウレタン樹脂 10 6435 34.5 −2.13 20 6928 51.6 −5.22 ───────────────────────────────── ポリエステル系 0 − − − /ポリエーテル系 20 6754 45.7 −5.19 ウレタン樹脂 ───────────────────────────────── 上記試験の結果、溶剤としてDMFのみを含有するウレ
タン樹脂に、κ−カラギーナン微粉末を添加することに
より、合成樹脂フィルムの透湿性、吸湿度が向上するこ
とが判る。また、溶剤にMEKが多く含まれる比較例と
比べれば、透湿度および耐水性の何れでも、この発明の
実施例のほうが優れているとともに、特に耐水性につい
ては、顕著な作用効果の違いが実証された。
【0032】−実施例5:溶剤中のDMF/MEKの比
率− 合成樹脂液に含まれる溶剤中のDMFとMEKの割合に
よる性能の違いを評価した。ウレタン樹脂:UJ−36
60(商品名、セイコー化成製) 不揮発分30%、溶剤DMFのみ 配合(重量部): ウレタン樹脂 100 κ−カラギーナンK塩微粉末 6 溶 剤(DMF+MEK) 50 下記表6に示すように、DMFとMEKの比率を違えた
合成樹脂液を調製し、前記実施例と同様にして合成樹脂
フィルムを作製した。透湿度と耐水性について、前記同
様の評価試験を行った。その結果は、表5に示してい
る。表中、DMF比率は、ウレタン樹脂に含まれていた
DMFを合わせた全溶剤成分中のDMFの重量%を算出
した。
【0033】
【表6】 ─────────────────────────────── 溶 剤 DMF比率 透湿度 耐水性 DMF/MEK 重量% g/m2・24Hr wt% ─────────────────────────────── 実施例5.1 50/0 100 5134 −0.53 実施例5.2 44/6 95 4780 −1.43 実施例5.3 38/12 90 4726 −2.04 実施例5.4 26/24 80 4704 −2.24 実施例5.5 14/36 70 4603 −2.42 実施例5.6 2/48 60 4568 −2.69 比較例5.1 0/50 50 4406 −3.31 ─────────────────────────────── 以上の結果、DMF比率が高いほど、透湿度および耐水
性が良く、DMF100%の場合には、特に優れた性能
を発揮できることが判る。なお、カラギーナン微粉末を
無添加のウレタン樹脂についても、上記同様の試験を行
ったところ、透湿度は、3489g/m2・24Hrまでしかな
く、この発明による透湿度の改善効果が顕著であること
が実証された。
【0034】
【発明の効果】以上に述べた、この発明にかかる改質合
成樹脂組成物は、ウレタン樹脂に、溶剤としてジメチル
ホルムアミドを用い、かつ、κ−カラギーナン微粉末を
含有させておくことにより、改質合成樹脂組成物の取り
扱いが行い易いとともに、製造された改質合成樹脂製品
は、透湿性や耐水性などが非常に優れたものとなる。そ
の結果、吸放湿性の良好な合成樹脂製品を、長期間にわ
たって安定して製造することが可能になる。また、風合
いや外観性の点でも、従来の合成樹脂に比べて、はるか
に天然の素材に近い良好なものが得られる。吸湿性が良
いことから帯電防止性も高まる。しかも、κ−カラギー
ナン微粉末は、天然材料から製造されるものであるの
で、人体に対する安全性も高く、人体に直接触れる衣料
等にも好適に使用できる。
【0035】その結果、合成皮革や繊維製品等の表面仕
上げ加工用樹脂や各種のフィルム・シート、塗料や接着
剤、その他の製品に利用したときに、優れた吸放湿性あ
るいは風合い等を発揮でき、これらの製品の品質性能の
向上および用途の拡大に大きく貢献することができる。
具体的には、例えば、合成皮革の表面層を構成する層材
料として用いたり、合成皮革を構成する繊維層に含浸さ
せて用いたりした場合には、天然の皮革と同程度の優れ
た吸放湿性を発揮し、肌触りが滑らかで、強過ぎない自
然な光沢を示すものとなり、従来の合成皮革の欠点であ
ったムレ感やベトツキ感を解消して、合成皮革の品質向
上を果たすことができる。
【0036】各種の衣料の表面仕上げあるいは繊維の表
面加工に用いた場合には、汗の吸収性が良くなるととも
に、吸収した汗を直ぐに放出することができ、帯電防止
性も良好になるので、さわやかな着心地感を与えること
ができる。塗料としては、優れた吸放湿性により結露防
止効果が発揮され、塗装面の質感もしっとりと落ち着い
た良好なものとなる。
【0037】接着剤としては、前記した合成皮革や繊維
製品あるいは木材製品等の接着剤として用いた場合、素
材の吸放湿性を接着剤層の部分で遮断することが無くな
り、製品全体が良好な吸放湿性を発揮できることにな
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウレタン樹脂に、κ−カラギーナン微粉
    末と含有溶剤の60重量%以上を占めるN,N−ジメチ
    ルホルムアミドとが含有されていることを特徴とする改
    質合成樹脂組成物。
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