JPH07150410A - 高強度、高弾性率ポリアクリロニトリル繊維、その製造及びその使用 - Google Patents

高強度、高弾性率ポリアクリロニトリル繊維、その製造及びその使用

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JPH07150410A
JPH07150410A JP6228254A JP22825494A JPH07150410A JP H07150410 A JPH07150410 A JP H07150410A JP 6228254 A JP6228254 A JP 6228254A JP 22825494 A JP22825494 A JP 22825494A JP H07150410 A JPH07150410 A JP H07150410A
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fiber
spinning
tex
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spinning solution
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JP6228254A
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Rahim Kashani-Shirazi
ラヒム・カシャニ−シラズィ
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Hoechst AG
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Hoechst AG
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    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F6/00Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof
    • D01F6/02Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolymers obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • D01F6/18Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolymers obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds from polymers of unsaturated nitriles, e.g. polyacrylonitrile, polyvinylidene cyanide

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  • Textile Engineering (AREA)
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  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 繊維形成物質として210,000 より小さい重量
平均分子量を有するポリアクリロニトリルホモポリマー
又はコポリマーを含む繊維であって、80 cN/texより大
きい強力、100%伸長に基づいて1800 cN/tex より大
きい初期弾性率、及び10%より小さい破断伸びを有す
る上記の繊維。 【効果】 本発明の繊維は、高強力、高初期弾性率及び
低破断伸びを有し、工業的応用に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高弾性率の高強度ポリ
アクリロニトリル繊維(以後においてPAN繊維と称
す)、及びそれらを製造するための特に適した方法、及
びそれらの使用、特には強化材料としての使用あるいは
フィルター又は摩擦ブレーキライニングを製造するため
の使用に関する。
【0002】
【従来技術】高強度のPAN繊維自体は既知である。例
えば、ドブレコブら(Dobrecov etal)は、Sowjet. Beit
rage zur Faserforschung und Textiltechnik, 9, 407-
411頁(1972)において、高分子量、例えば3×1
6 の分子量を有するPANグレードから派生する高強
度及び高弾性率のPAN繊維を記載している。EP-A-16
5,372及び-255,109は、8.83 cN/dtexより大きい強力を
有する繊維、及び高分子量のPANグレードを同様に使
用するそれらの製造方法を記載している。EP-A-255,109
によれば、500,000 より大きい分子量(重量平均)を有
するPANグレードが使用されているのに対し、EP-A-1
65,372は、210,000 より大きい分子量(重量平均)に対
応する2.5 より大きい極限粘度を有するPANグレード
を使用している。
【0003】上記文献は著しく高分子量のPANグレー
ドを排他的に使用している。PAN繊維の分子量につい
ての通常値は約80,000から180,000 の範囲内である(フ
ァルカイら(Falkai et al.) “Synthesefasern"、 200
頁、 Verlag Chemie (1981) 又はマソンら(Masson et a
l.) “Fiber Producer"、 1984年6月、 34-37頁を参照)。
これらの参考文献において特定されている高分子量PA
Nグレードの使用はまた、これらの繊維の製造において
問題を残す。例えば、高分子量PANグレードの低溶解
性のために、紡糸液の濃度を減少させる必要が生じる。
例えば、より低分子量のPANグレードを使用すれば、
19−21%の濃度の紡糸液を使用することができる。
しかしながら、上記参考文献においては、最大でも10
−15%という減少した紡糸液濃度が使用されている。
これは、生産プラントについてかなりの、即ち25−7
0%の低生産性を意味する。例えば、EP-A-165,372は、
6−12%の間の紡糸液濃度を使用している(実施例5
−7)。これは45−70%の間の生産性損失を意味す
る。
【0004】さらに、溶媒中にPANを溶解するための
滞留時間は、ポリマーの分子量が増加するにつれて、か
なり長くなる。溶解処理の効率を維持するするために
は、新しい設備を設置する必要がある。このように、通
常は、高紡糸液濃度を使用するためには付加的手段を講
じる必要がある。EP-A-255,109においては、高紡糸液濃
度を使用することを目的として、紡糸液に1−10%の
水を添加して粘度を減少させるという試みがなされてい
る。しかしながら、これは設備に関して腐食の危険をも
たらす;さらに、この手段では限定された粘度減少のみ
可能である。通常の分子量のPANグレードを使用して
製造された高強度PAN繊維もまたある。例えば、GB-A
-1,193,170は、17.5 g/denier までの強力を有するPA
N繊維を記載している。しかしながら、ここに記載され
た繊維の破断伸びは15%より高く、これは多くの応用
に関して高すぎる。
【0005】EP-A-44,534 は通常の分子量のPANグレ
ードを使用して同様に製造された高強度、高弾性率PA
N繊維を記載している。ここに記載された繊維は81 cN/
texまでの強力又は1989 cN/tex までの初期弾性率を有
している。80 cN/tex より大きい強力及び1800 cN/tex
より大きい初期弾性率の両方を有するPAN繊維は記載
されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】攻撃的媒体、例えば強
アルカリ性媒体において、又は照射に対して非常に耐性
のあるPAN繊維は、強化材料として大きな需要があ
る。工業的応用においては特に低い破断伸びと併有され
る高い強度及び高い初期弾性率が必要である。従って、
そのような特性プロフィールを有するPAN繊維、特に
は高生産性プロセスによって得ることができるPAN繊
維が必要とされる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、繊維形成物質
として210,000 より小さい重量平均分子量を有するポリ
アクリロニトリルホモポリマー又はコポリマーを含む繊
維であって、80 cN/texより大きい強力、100%伸長
に基づいて1800 cN/texより大きい初期弾性率、及び1
0%より小さい破断伸びを有する上記の繊維を提供す
る。好適なポリマー原料は、慣用的に製造された沈殿又
は溶液ポリマーである。使用分野の要求に応じて、アク
リロニトリルのホモポリマーだけではなくコポリマーも
また使用することができる。使用するモノマーは非常に
純粋であるべきである。好適なコモノマーには、アクリ
ロニトリルと共重合することができる全ての不飽和化合
物、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸又はイタコ
ン酸のような不飽和カルボン酸;アリル−、メタリル−
又はスチレン−スルホン酸のような不飽和スルホン酸;
アクリルアミド又はメタクリルアミドのような不飽和カ
ルボキシアミド;アクリル酸又はメタクリル酸のメチ
ル、エチル、プロピル又はブチルエステル、若しくはア
クリル酸又はメタクリル酸の多官能性ヒドロキシエチル
又はアミノエチルエステル又はそれらの誘導体のような
不飽和カルボン酸のエステル;例えば酢酸ビニル、ステ
アリン酸ビニル、酪酸ビニル、臭化酢酸ビニル、二塩化
酢酸ビニル又は三塩化酢酸ビニルといったビニルエステ
ル及びエーテルのような、カルボン酸と不飽和アルコー
ルとのエステル又は不飽和アルコールに基づいたエーテ
ル;アクロレイン又はクロトンアルデヒドのような不飽
和アルデヒド又はケトン;アクリロイル又はメタクリロ
イルクロライドのような不飽和カルボン酸のハロゲン化
物;あるいは、スチレン、ブタジエン、プロピレン又は
ハロゲン化ビニル、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン
又は臭化ビニルのような、アクリロニトリルと共重合す
ることができるモノマー;が含まれる。
【0008】好ましくは、使用するポリマーは、少なく
とも90重量%の、特には少なくとも99重量%のアク
リロニトリル単位を含む。重量平均分子量が175,000か
ら210,000であるポリアクリロニトリルホモポリマー又
はコポリマーを使用することが極めて特に好ましい。本
発明の繊維は、好ましくは、89から100 cN/texの強力を
有する。本発明による繊維の100%伸長に基づいた初期
弾性率は、好ましくは1850から2150 cN/tex、極めて特
に好ましくは1900から2150 cN/texの範囲である。本発
明による繊維の破断伸びは、好ましくは7から9%の範
囲である。15 cN/tex より大きい、特には17から20 cN/
tex の結節強さを有する、上記で定義した繊維がさらに
好ましい。本発明による繊維の線密度は、通常、織物線
密度の範囲内、例えば3.5 dtex以下の範囲内である。1.
5 から2.5 dtexの線密度を有する繊維が好ましい。
【0009】一定の処理条件を維持すると高強度PAN
繊維が高生産性において製造できることが開発作業の経
過中に見つかった。それゆえに本発明はまた、高強度ポ
リアクリロニトリル繊維を製造するための方法であっ
て、以下の各処理: a)有機中性溶媒又はそのような溶媒の混合物、並び
に、紡糸液に対して少なくとも15重量%の500,000 よ
り小さい重量平均分子量を有するポリアクリロニトリル
ホモポリマー又はコポリマー又はそのようなポリマーの
混合物を含む紡糸液を調製すること、 b)この紡糸液を、湿式紡糸法又は乾式ジェット−湿式
紡糸法によって、少なくとも5m/分の押出速度で凝固
浴中に紡糸すること、 c)紡糸されたフィラメントを凝固浴中で凝固し、これ
らのフィラメントを凝固浴から引き上げること、及び d)紡糸されたフィラメントを凝固浴から引き上げるた
めの装置と後処理領域からの出口地点との間の延伸比が
少なくとも1:12であるような一以上の延伸工程を遂
行することによって紡糸されたフィラメントを後処理す
ること、 を含む方法、を提供する。
【0010】紡糸溶剤としては、任意の有機中性溶媒又
はそのような溶媒の混合物を使用することができる。そ
のような溶媒の例としては、ジメチルスルホキシド(D
MSO)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、及び特
にはジメチルホルムアミド(DMF)が挙げられる。本
発明の方法は、500,000 以下の、好ましくは74,000から
500,000 の重量平均分子量を有するポリマーを使用して
実施される。重量平均分子量が75,000から400,000、特
には175,000から250,000 のポリマーを使用することが
特に好ましい。本方法の生産性を最大にするためには、
上記で限定した分子量を有するPANポリマーを使用す
ることが必要である。比較的低分子量を有するこれらの
PANポリマーにより、処理を妨害するかもしれない補
助手段を使用する必要なしに、十分に高濃度のポリマー
を含有する紡糸液を調製することが可能になる。高分子
量のPANポリマーの使用は、生産性の損失を生じさせ
る可能性が直接に高い。
【0011】紡糸液は慣用的な方法及び機械を使用して
調製することができる。本発明の方法においては、紡糸
液の濃度は、少なくとも15%、好ましくは17から2
2%、特には18から22%である。紡糸液の濃度が1
5%より小さいと、一般的に、ノズル流の問題、即ち、
紡糸口金ノズル流が不均一であり、融合したフィラメン
トを生じさせるかもしれないという問題が生じる。さら
に、後処理ラインの生産性は紡糸液濃度の減少とともに
直接的に減少する。紡糸の前に、紡糸液は通常ろ過さ
れ、ゲル粒子及び任意の不純物を除去する。ろ過の工程
が本発明の方法において非常に重要であるのは、この手
段によって紡糸処理及び後処理の失敗率をかなりの割合
で減少することができるからである。例えば、繊維の接
触及び湿式延伸の経過中に、紡糸の失敗の結果としてロ
ール上にラップが生じる可能性がある。
【0012】ろ過は、この目的のために既知の装置、例
えば紡糸液が多数の圧縮織物層を強行に通過するような
フィルタープレスを使用して実施することができる。ろ
過効果の尺度は透過性である;それはフィルターを通過
する粒径の上限値を表す。溶媒としてDMFを使用する
紡糸液の場合、5から15μmの透過性を有するフィル
ターを使用することが好ましい。これは、5から15μ
mより小さい直径を有する粒子がフィルターを通過でき
ることを意味する。紡糸液のろ過が適切に実施されない
場合、即ち、15μより粗いフィルターを使用して溶媒
としてDMFを有する溶液を紡糸する場合においては、
生産量の問題が後に生じる可能性が高い。DMF紡糸液
の場合、ろ過温度は好ましくは80から90℃の間であ
る。
【0013】紡糸口金からの出口地点におけるフィラメ
ントの速度は、繊維が液体に入る際にそれらが実質的に
縮れを生じさせず、それらの以前の運動方向を保持する
ように選択する必要がある。これは、紡糸液の押出速度
が少なくとも5m/分、好ましくは5から7m/分であ
る場合に保証される。押出速度Sは以下の式によって計
算される。 式中 S=押出速度(m/分) F=容積流量(cm3/分) Z=ノズルホールの数 d=ノズルホールの直径(mm)
【0014】高い押出速度のために、紡糸されたフィラ
メントは方向の有意な変化なしに凝固浴に入るか又は凝
固浴の表面を通過する。凝固浴に入る際にフィラメント
の方向が有意に変化すると、これらの繊維間の凝集及び
紡糸口金の表面への凝集が生じやすくなる。凝固浴中で
一度、フィラメントの移動方向を変化させてもよい。高
い押出速度及び高濃度の紡糸液の比較的高い粘度の結果
として、高い圧力が紡糸口金中に生じる可能性がある。
この圧力は紡糸に伴う諸問題をもたらす可能性があり、
紡糸口金を紡糸液の粘性のある液滴で汚す可能性があ
る。それゆえに、そのような問題が生じる場合には、紡
糸液の粘度をこの点において減少させる目的で、紡糸口
金の通過前に紡糸液の温度を上昇させることが適切であ
る。紡糸溶剤がDMFの場合には、紡糸口金への導入の
少し前に、紡糸液を少なくとも100℃まで加熱するこ
とが適切である。
【0015】紡糸液の温度が100℃より低いと一般的
には上記した問題が生じる。紡糸液の温度が130℃よ
り高いと、DMFの蒸発及びポリマーの黄色化が生じや
すくなる。DMFの場合には、従って、100から13
0℃の範囲内にある紡糸口金上流の紡糸液温度を使用す
ることが好ましい。ノズルホールの直径の正確な選択は
フィラメントの凝固浴中への完全かつ問題のない導入の
ために極めて重要である。本発明の方法に必要とされる
高い押出速度は、ノズルホール直径が大きい場合は、実
施することが特に困難である。紡糸の問題及び紡糸口金
の汚れが生じやすくなる。そのような問題が生じる場
合、オリフィスの直径を減少することが特定の場合にお
いては適切である。
【0016】さらに、フィラメントの厚さの選択は、凝
固浴の液体中への押出しの際にフィラメントの動作に影
響を与える可能性がある。既に述べたように、フィラメ
ントは、液体に入っていく繊維が縮れたりせず、それら
の以前の移動方向を失わないような条件下で、凝固浴中
に押出す必要がある。これはまた、ノズルホールの直径
の選択を通して影響を受ける可能性がある。典型的に
は、ノズルホールの直径は120μmより小さく、60
から120μmの直径のノズルホールが好ましい。紡糸
はそれ自体は既知である湿式紡糸法又は乾式ジェット−
湿式紡糸法によって行うことができる。従って、紡糸口
金は、紡糸されたフィラメントがエアギャップを通過す
るように、凝固浴中に浸けることもできるし、また凝固
浴表面から所定の距離に配置することもできる。紡糸口
金と凝固浴表面の間の距離は広範囲の限界値内において
変化させることができ、好ましくはその距離は10ミリ
メートルより小さく、特には1から10mmである。
【0017】凝固浴は一般的には、有機中性溶媒を含む
水性混合物、例えば、この有機中性溶媒の水中における
溶液、分散液又は懸濁液を含む。好ましくは、凝固浴中
の有機中性溶媒は選択した特定の紡糸溶剤である。凝固
浴中における有機中性溶媒の濃度は任意の特定の場合に
おいて選択して、十分に早くかつ完全な凝固を確実なも
のにする必要がある。比較的高い濃度の紡糸液を使用す
る場合には、凝固浴中における有機中性溶媒の濃度が高
すぎないことあるいは高くなり過ぎないことを確実にす
るために注意を払う必要がある。凝固浴中における有機
中性溶媒のために選択した濃度が高すぎると、繊維の完
全な凝固が確実ではないために、繊維の凝集が取り出し
ゴデットにおいて生じる可能性がある。典型的には、有
機中性溶媒の濃度は、凝固浴中の溶液に対して75重量
%より小さい。好ましくは、それは60から75重量%
である。
【0018】凝固後に、繊維を後処理する;これはそれ
自体既知である後処理領域上で行うことができる。本発
明の紡糸方法により非常に高い延伸比に延伸することが
できるPAN繊維を製造することが可能になることが、
意外にも見つかった。高強度PAN繊維を製造するため
には、紡糸されたフィラメントを凝固浴から引き出すた
めの装置と後処理領域からの出口地点との間の延伸比が
少なくとも1:12、好ましくは1:14から1:18
であるような1以上の延伸工程を遂行することによっ
て、紡糸されたフィラメントを後処理する。
【0019】後処理において、例えば、凝固浴から出て
行く繊維は、これらの工程における付加的凝固とともに
又はそれなしで1回以上洗浄することができる。通常、
繊維は少なくとも一回の洗浄工程中に、湿潤−伸張延伸
(wet-stretch drawn) されるか及び/又は紡糸−終了(s
pin-finished) される。洗浄後に、通常、繊維を乾燥す
る。その後、繊維はさらなる延伸工程において後延伸さ
れる;これは、温空気浴における延伸によって及び/又
は接触延伸によって、例えば加熱したゴデット上におい
て影響を受けることができる。次いで、繊維は、好まし
くは張力の下で、取り去られる。延伸した繊維を後延伸
後に硬化することもさらに可能であり、かつ好ましい。
その後、繊維を切断機に運び出すことができ、あるいは
また繊維はさらにフィラメントとして加工され、例えば
巻き上げられる。PANのためのそのような後処理プロ
セス自体は既知であり、例えば、EP-A-44,534、-165,37
2 及び-255,109に記載されている。
【0020】本発明のPAN繊維は非常に広範囲の応用
が可能である。典型的には、これらの繊維は工業上の目
的のために使用される。その例としては、例えば繊維強
化熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂の製造のため、あるい
は特には例えばコンクリートのような繊維強化水硬化性
材料の製造のためといった、複合材料の製造のための強
化材料としての使用である。さらに、本発明のPAN繊
維は、例えばフィルター又は幾何紡織繊維として使用さ
れる不織物を製造するために使用することができる。本
発明のPAN繊維のためのさらに好ましい使用分野は、
摩擦ブレーキライニング、特にブレーキライニングの製
造である。
【0021】
【実施例】以下の実施例は本発明を説明するものであ
り、それを限定するものではない。実施例1 200,000 の分子量を有するPANポリマー(実施例1
a)及び550,000 の分子量を有するPANポリマー(実
施例1b)を冷DMF中に分散し、溶解機中において8
0−90℃で溶解する。700±50秒の落球時間を生
じるように溶液濃度を選択する。落球時間は60℃でケ
ー・ジョスト(K.Jost)(Rheologica Acta, Vol. 1, 30
3頁)の方法によって測定する。以下の表は、紡糸液の製
造条件と特性を示す: 滞留時間(分) 落球時間 紡糸液濃度(%) 実施例1a 30 690 19 実施例1b 60 685 12
【0022】実施例2 実施例1aの紡糸液を10μのフィルター(実施例2
a)及び25μmのフィルター(実施例2b)を通して
一回ろ過した。次いで、紡糸液を100ホール/120
μmのノズル中に供給した。以下の表は、ろ過後の紡糸
液の滞留時間に対するノズル圧力の依存関係を表してい
る: 実施例2a 実施例2b 時間(分) ノズル圧力 (bar) ノズル圧力 (bar) 1 7.0 7.0 10 7.0 8.2 60 7.0 10.1 120 7.1 12.2 180 7.0 スナップドオフ
【0023】実施例3 200,000 分子量を有するPANポリマーを16、18及
び22%の濃度でDMF中に実施例1aに記載されてい
るように溶解し、10μmのフィルターを通してろ過
し、100ホール/120μのノズルに供給した。凝固
浴濃度は水における70%のDMFであり、凝固浴温度
は0℃であった。結果は以下の表に示される: 実施例 紡糸液濃度(%) ノズル流 3a 16 不満足: ノズルにおいて繊維破損 3b 18 極めて良好 3c 22 不満足: ノズル圧力の激しい上昇
【0024】実施例4 紡糸液を実施例3bに記載されているように調製した。
紡糸液温度は85−120℃の間で変化させた。結果は
以下の表中に示される: 実施例 紡糸液温度.℃ ノズル流 4a 85 貧弱−処理不可能 4b 90 貧弱−処理不可能 4c 95 貧弱−中断 4d 100 貧弱−約30分間の流れ 4e 105 時々中断を伴うノズル流 4f 110 良好 4g 120 極めて良好
【0025】実施例5 実施例4gの紡糸液を取り、各種の直径のノズルホール
を強行に通過させた。結果は以下の表中に表される: 実施例 ノズル ノズル流 5a 100/60μm 満足 5b 100/80μm 良好 5c 100/120μm 良好 5d 100/150μm 貧弱
【0026】実施例6 紡糸液を実施例5cと同様に調製し、押出速度を変化さ
せた。結果は以下の表中に表される: 実施例 押出速度(m/分) ノズル流 6a 3 不可能 6b 5 良好 6c 7 良好
【0027】実施例7 紡糸液及び紡糸組織を実施例6bに記載されているよう
に調製し、凝固浴濃度を変化させた。結果は以下の表中
に表される: 実施例 凝固浴濃度(%) 凝集した繊維 7a 90 非常に多量 7b 80 多量 7c 70 なし 7d 60 なし
【0028】実施例8 実施例7cの繊維を取り出しゴデットで取り出し、慣用
的な後処理ラインにかけて湿潤−伸張延伸、洗浄、紡糸
−終了、乾燥、接触−延伸を行い、引張って取り出し
た。全体の延伸比は1:12(実施例8a)又は1:1
0(実施例8b)であった。結果は以下の表中に表され
る:繊維の値は以下の通りである: 測定値 8a 8b 線密度(dtex) 2.0 2.0 強力(cN/tex) 90 80 結節強さ(cN/tex) 20 14 破断時の伸び(%) 8 10 弾性率(cN/tex) 2000 1400 繊維の強力、繊維の破断時の伸び及び結節強さは各々D
IN53816に従って測定した。
【発明の効果】本発明の繊維は、高強力、高初期弾性率
及び低破断伸びを有し、工業的応用に有用である。

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維形成物質として210,000 より小さい
    重量平均分子量を有するポリアクリロニトリルホモポリ
    マー又はコポリマーを含む繊維であって、80 cN/tex よ
    り大きい強力、100%伸長に基づいて1800 cN/tex よ
    り大きい初期弾性率、及び10%より小さい破断伸びを
    有する上記の繊維。
  2. 【請求項2】 ポリアクリロニトリルホモポリマー又は
    コポリマーが175,000 から210,000 の重量平均分子量を
    有する請求項1に記載の繊維。
  3. 【請求項3】 89から100 cN/tex の強力を有する請求
    項1に記載の繊維。
  4. 【請求項4】 100%伸長に基づいて1850から2150 c
    N/texの初期弾性率を有する請求項1に記載の繊維。
  5. 【請求項5】 100%伸長に基づいて1900から2150 c
    N/texの初期弾性率を有する請求項4に記載の繊維。
  6. 【請求項6】 7から9%の破断伸びを有する請求項1
    に記載の繊維。
  7. 【請求項7】 15 cN/tex より大きな結節強さを有する
    請求項1に記載の繊維。
  8. 【請求項8】 17から20 cN/texの結節強さを有する請
    求項7に記載の繊維。
  9. 【請求項9】 1.5 から2.5 dtex の線密度を有する請
    求項1に記載の繊維。
  10. 【請求項10】 高強度ポリアクリロニトリル繊維を製
    造するための方法であって、以下の各処理: a)有機中性溶媒又はそのような溶媒の混合物、並び
    に、紡糸液に対して少なくとも15重量%の500,000 よ
    り小さい重量平均分子量を有するポリアクリロニトリル
    ホモポリマー又はコポリマー又はそのようなポリマーの
    混合物を含む紡糸液を調製すること、 b)この紡糸液を、湿式紡糸法又は乾式−ジェット湿式
    紡糸法によって、少なくとも5m/分の押出速度で凝固
    浴中に紡糸すること、 c)紡糸されたフィラメントを凝固浴中で凝固し、これ
    らのフィラメントを凝固浴から引き上げること、及び d)紡糸されたフィラメントを凝固浴から引き上げるた
    めの装置と後処理領域からの出口地点との間の延伸比が
    少なくとも1:12であるような一以上の延伸工程を遂
    行することによって紡糸されたフィラメントを後処理す
    ること、を含む方法。
  11. 【請求項11】 使用する紡糸溶剤がジメチルホルムア
    ミドである請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 使用するポリアクリロニトリルホモポ
    リマー又はコポリマーが175,000 から250,000 の重量平
    均分子量を有する請求項10に記載の方法。
  13. 【請求項13】 ポリアクリロニトリルホモポリマー又
    はコポリマー及びジメチルホルムアミドの紡糸液を、紡
    糸の前に、5−15μmの透過性を有するフィルターを
    通してろ過する、請求項11に記載の方法。
  14. 【請求項14】 紡糸液中におけるポリアクリロニトリ
    ルホモポリマー又はコポリマーの比率が紡糸液に対して
    18から22重量%である、請求項11に記載の方法。
  15. 【請求項15】 紡糸口金の上流の紡糸液温度が100
    から130℃である請求項11に記載の方法。
  16. 【請求項16】 紡糸口金のホールの直径が60から1
    20μmである請求項11に記載の方法。
  17. 【請求項17】 押出速度が5から7m/分である請求
    項10に記載の方法。
  18. 【請求項18】 乾式ジェット−湿式紡糸法における紡
    糸口金及び凝固浴表面の間のエアギャップの大きさが1
    から10mmである請求項10に記載の方法。
  19. 【請求項19】 凝固浴が紡糸溶剤の水性混合液を含
    み、紡糸溶剤の濃度が凝固浴に対して70重量%より小
    さい、請求項10に記載の方法。
  20. 【請求項20】 複合材料の製造のための強化材料とし
    ての請求項1に記載の繊維の使用。
  21. 【請求項21】 複合材料が繊維強化水硬化性材料であ
    る請求項20に記載の使用。
  22. 【請求項22】 不織物を製造するための、特にフィル
    ター又は幾何紡織繊維を製造するための、請求項1に記
    載の繊維の使用。
  23. 【請求項23】 摩擦ブレーキライニングを製造するた
    めの請求項1に記載の繊維の使用。
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