JPH0714996A - 赤外線検出器とその製造方法 - Google Patents

赤外線検出器とその製造方法

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JPH0714996A
JPH0714996A JP5147162A JP14716293A JPH0714996A JP H0714996 A JPH0714996 A JP H0714996A JP 5147162 A JP5147162 A JP 5147162A JP 14716293 A JP14716293 A JP 14716293A JP H0714996 A JPH0714996 A JP H0714996A
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JP
Japan
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layer
conductivity type
cdhgte
region
infrared detector
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Application number
JP5147162A
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English (en)
Inventor
Kotaro Mitsui
興太郎 三井
Yoshihei Kawatsu
善平 川津
Kazuo Mizuguchi
一男 水口
Seiji Ochi
誠司 越智
Yuji Okura
裕二 大倉
Akio Hayafuji
紀生 早藤
Hirotaka Kinetsuki
弘隆 杵築
Mari Tsugami
真理 津上
Akihiro Takami
明宏 高見
Manabu Kato
加藤  学
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Priority to US08/260,791 priority patent/US5602414A/en
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Publication of JPH0714996A publication Critical patent/JPH0714996A/ja
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L27/00Devices consisting of a plurality of semiconductor or other solid-state components formed in or on a common substrate
    • H01L27/14Devices consisting of a plurality of semiconductor or other solid-state components formed in or on a common substrate including semiconductor components sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation and specially adapted either for the conversion of the energy of such radiation into electrical energy or for the control of electrical energy by such radiation
    • H01L27/144Devices controlled by radiation
    • H01L27/146Imager structures
    • H01L27/14643Photodiode arrays; MOS imagers
    • H01L27/14649Infrared imagers

Abstract

(57)【要約】 【目的】 画素間のクロストークが生じず、かつ高密度
に集積された赤外線検出器を得る。 【構成】 高エネルギーの電子線やプロトンビームを打
ち込むことにより、赤外線検出領域よりCd組成の大き
いカドミウム水銀テルル分離層8を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複数個の画素を有す
る赤外線検出器及びその製造方法に関し、特にクロスト
ークの低減と画素の高集積化を両立させるための構造お
よび製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図25は従来の赤外線検出器の断面図で
あり、図において、551は従来の赤外線検出器を示
し、1はp型CdTe基板、2はCd組成x=0.2の
p型カドミウム水銀テルル(Cd0.2 Hg0.8 Te:以
下CMTと略す)層、5は陽極、31,32はn型CM
T領域、41,42はpn接合、61,62は陰極、1
01,102は1画素を構成する赤外線検知部である。
また、70は波長10μmの赤外線を表わしている。
【0003】次に動作について説明する。CdTe基板
1側から入射した波長10μmの赤外線70はCdTe
基板1を透過してp型CMT層2内で吸収され、ここで
電子−正孔対が発生する。少数キャリアである電子7
1,72がpn接合41,42まで拡散することによっ
て、陰極61,62を通して赤外光の量が電気出力とし
て外部に取り出される。このように各画素を構成する検
知部の出力の有無により各画素に対応する位置における
赤外線入射の有無を検知できる。よって、図示していな
い多くの検知部を含むこの赤外線検出器551は赤外画
像としての電気信号を出力することができる。
【0004】ところが、このような構成を有する赤外線
検知器では、例えば画素101に対応する部分に入射し
た赤外線によって発生した電子71は、拡散によって画
素102側のpn接合42に到達する可能性がある。同
様に画素102側で発生した電子72が画素101で収
集される可能性がある。このように赤外線の入射位置を
誤って判断する、いわゆるクロストークという問題が生
じる。一般にp型CMT内での電子の拡散長は40μm
程度あり、従って各画素間隔をこれ以下とすると、クロ
ストークが発生するため、高分解能,高密度の赤外線検
出器が得られないという問題点があった。
【0005】このような問題点を解消する従来の赤外線
検出器の他の例として、特開平2−272766号公報
に示されるようなものがある。すなわち図26におい
て、552は従来の他の例による赤外線検出器を示し、
14は各画素に対応する位置に凹陥部を有する、Cd組
成X=0.3のp型C0.3 M0.7 T基板、101,10
2は1画素を構成する赤外線検知部を示し、21,22
は上記基板1の凹陥部に埋設されたp型C0.2 M0.8 T
層、31,32は上記p型C0.2 M0.8 T層21,22
表面に形成されたn型CMT領域、42,43はpn接
合、51は上記p型C0.2 M0.8 T層21,22と接続
する陽極である。また、81はソースダイオード、82
はドレインダイオード、83はソース電極、84はドレ
イン電極、85はゲート電極を示し、これらによって、
MIS型FETスイッチ素子111,112が構成さ
れ、さらにこれらMIS型FETスイッチ素子111,
112は素子間配線86によって上記赤外線検知部10
1,102の陽極51と接続されている。
【0006】以下、図26に示された赤外線検出器55
2の動作について説明する。p型C0.3 M0.7 T基板1
4裏面から入射した波長10μmの赤外線70は、p型
C0.2 M0.8 T層21,22で吸収され、ここで発生し
た電気出力はMIS型FETスイッチ素子111,11
2の開閉により、検出器552外部に信号として取り出
される。以上のように、各画素間を基板によって分離す
ることにより、隣接する画素で発生したキャリアが当該
画素へ到達するのを防止することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の赤外線検出器は
以上のように構成されているので、クロストークの発生
の問題はないものの、各画素はCd0.3 Hg0.7 Te基
板に凹陥部を設けてこの中に受光層を設けるという構成
となっているため、赤外線を十分に吸収させるには、上
記凹陥部の深さを10μm程度以上深く形成する必要が
あり、この凹陥部をCd0.3 Hg0.7 Te基板に高密度
に配置するのは加工上、困難であるという問題点があっ
た。
【0008】さらに、各画素間にMIS型スイッチ素子
を配置させているため、少なくとも各画素間に10μm
程度の空間を設けなければならず、この素子幅よりも画
素間隔を小さくできず、高密度化における障害となると
いう問題点があった。
【0009】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、クロストークを防止しつつ、集
積度の高い赤外線検出器を得ることを目的としており、
さらにはこれに適した製造方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係る赤外線検
出器の製造方法は、各受光領域間に位置するCdHgT
e層に荷電粒子ビームを打ち込むことにより、上記各受
光領域を囲む、Cd組成の大きなCdHgTe埋込層を
形成するものである。
【0011】また、この発明に係る赤外線検出器は、各
受光領域を、これらの間のCdHgTe層表面から基板
に達する分離溝によって分離するようにしたものであ
る。
【0012】また、上記分離溝内を、上記CdHgTe
層よりもCd組成の大きなCdHgTe埋込層で充填し
たものである。
【0013】また、上記溝内をCd組成の大きなCdH
gTe埋込層で充填するとともに、上記基板とCdHg
Te層との間、及び前記CdHgTe層表面にぞれぞ
れ、上記CdHgTe層よりもCd組成の大きな下側,
上側CdHgTe層を設けたものである。
【0014】また、この発明に係る半導体装置の製造方
法は、基板に複数個の凹陥部を設け、これの内面に分離
用CdHgTe層を形成し、該分離用CdHgTe層上
面に上記凹陥部を覆う、上記分離用CdHgTe層より
もCd組成の小さいCdHgTe層を設け、さらにこの
表面に異種導電型のCdHgTe領域を形成して受光領
域を形成し、さらに基板全面に受光領域を構成するCd
HgTeよりもCd組成の大きなCdHgTe窓層を設
けるものである。
【0015】また、この発明に係る赤外線検出器の製造
方法は、複数の凹陥部を有する分離用CdHgTe層を
基板上に設け、この上にこれよりもCd組成の小さなC
dHgTe層を設けて上記凹陥部を平坦化し、前記凹陥
部間の上記Cd組成の小さなCdHgTe層に上記分離
用CdHgTe層に達する溝を設け、該溝内に上記凹陥
部内のCdHgTe層よりもCd組成の大きなCdHg
Te分離埋込層を形成し、さらに凹陥部に対応する上記
CdHgTe層表面に異種導電型のCdHgTe領域を
形成して受光領域を形成するものである。
【0016】また、この発明に係る赤外線検出器は、赤
外線検出器を構成する基板の、受光領域に対応する部分
に、受光領域に入射した赤外光を該領域の空乏層に集光
させる凸レンズ部を備えたものである。さらに、上記構
成の赤外線検出器において、上記基板の凸レンズ部を除
く領域に赤外光を遮る遮光膜を設けたものである。ま
た、この発明に係る赤外線検出器は、受光面と反対側の
基板面に、各受光領域を取り囲むように格子状に電極を
配置したものである。
【0017】また、上記格子状の電極を、上記各受光領
域を分離する分離溝底面部に配置したものである。ま
た、上記格子状の電極を、上記各受光領域を分離する分
離溝内に、これを埋め込むように配置したものである。
また、上記格子状の電極を分離溝内に配置するものにお
いて、受光領域を構成するCdHgTe層よりもCd組
成の大きなCdHgTe層を介して配置するようにした
ものである。
【0018】また、この発明に係る赤外線検出器の製造
方法は、基板上の受光領域に対応する部分にバッファ層
を設け、この基板全面にCdHgTe層をエピタキシャ
ル成長させ、さらに該CdHgTe層表面の上記受光領
域に対応する部分に異種導電型のCdHgTe領域を形
成して受光領域を形成するものである。
【0019】また、この発明に係る赤外線検出器の製造
方法は、基板上の受光領域に対応する部分を囲むよう
に、前記基板とは格子定数の異なる格子状の下地半導体
層を設け、この基板全面にCdHgTe層をエピタキシ
ャル成長させ、さらに該CdHgTe層表面の上記受光
領域に対応する部分に異種導電型のCdHgTe領域を
形成して受光領域を形成するものである。
【0020】また、この発明に係る赤外線検出器は、各
受光領域を構成するCdHgTe層間に高抵抗半導体層
を設けたものである。また、この発明に係る赤外線検出
器は、複数の凹陥部を有する基板の凹陥部内に、その側
面に絶縁膜を介して配置されたCdHgTe層と、該C
dHgTe層表面に形成された異種導電型のCdHgT
e領域とからなる受光領域を備えたものである。
【0021】
【作用】この発明においては、荷電粒子の照射によって
受光領域間のCdHgTe層のHgが蒸発して該照射領
域がCd組成の大きなCdHgTe層となるため、巾の
狭い画素分離層を精度よく得ることができる。また、受
光領域間のCdHgTeに形成された分離溝のために、
当該画素で発生した電子は隣接する画素へ拡散しない。
【0022】また、上記分離溝内を、上記CdHgTe
層よりもCd組成の大きなCdHgTe埋込層で充填す
ることで、各画素間にバンドギャップ障壁が形成され、
当該画素で発生した電子はここで反射されて再結合しな
い。
【0023】また、上記溝内をCd組成の大きなCdH
gTe埋込層で充填するとともに、上記基板とCdHg
Te層との間、及び前記CdHgTe層表面にぞれぞ
れ、上記CdHgTe層よりもCd組成の大きな下側,
上側CdHgTe層を設けることにより、各画素のCd
HgTe層がこれよりもバンドギャップの大きなCdH
gTe層で囲まれるようになり、上記各画素のCdHg
Te層表面での再結合損失が低減される。
【0024】また、半導体基板に複数個の凹陥部を設
け、該凹陥部内面に分離用CdHgTe層を形成し、該
分離用CdHgTe層上に、上記凹陥部を埋め込み、か
つ該分離用CdHgTe層よりもCd組成の小さいCd
HgTe層を形成し、さらに基板全面に上記CdHgT
e層よりもCd組成の大きいCdHgTe窓層を形成
し、この後上記CdHgTe層表面に第2導電型のCd
HgTe領域を形成して受光領域を形成するようにした
から、容易に受光領域のCdHgTe層をこれよりもC
d組成の大きなCdHgTe層で覆う構造を得ることが
できる。
【0025】また、基板上に形成された複数の凹陥部を
有する分離用CdHgTe層上にこれが平坦となるよう
にこれよりもCd組成の小さなCdHgTe層を成長さ
せ、該CdHgTe層の各受光領域に対応する部分に、
上記分離用CdHgTe層に達する溝を設け、該溝を前
記CdHgTe層よりもCd組成の大きなCdHgTe
分離埋込層で埋め込んで画素間の分離を行うため、画素
の分離を容易かつ確実に行うことがきる。
【0026】また、当該画素に入射した赤外光を凸レン
ズによって集光させることで、pn接合近傍で発生する
少数キャリアの割合が増加する。また、上記レンズ以外
の部分の受光面が遮光膜によって覆われているため、凸
レンズ部以外に入射した赤外線によるクロストークを防
止することができる。
【0027】また、受光領域を囲むようにCdHgTe
層表面に電極を格子状に配置することで、電極下部で少
数キャリアが再結合して、隣接する画素へのキャリアの
拡散が防止されるとともに、直列抵抗が低減される。ま
た、CdHgTe層を各画素毎に格子状に分離するため
の溝に埋め込まれた電極により、隣接する画素へのキャ
リアの拡散が防止されるとともに、内部抵抗が低減され
る。また、上記溝内に電極を配置する際に、Cd組成の
大きなCdHgTe層を介在させることにより、電子の
再結合損失を低減することができる。
【0028】また、基板上の受光領域に対応する領域に
バッファ層を設ける、あるいは各受光領域を囲むよう、
基板と格子定数の異なる下地半導体層を設けてた後、こ
の上にCdHgTe層をエピタキシャル成長させること
により、各画素領域間のCdHgTe層に高欠陥密度領
域が形成される。
【0029】また、各画素間に高抵抗領域を形成するこ
とにより、当該画素で発生した電子はこれによって反射
され、隣接する画素に拡散しない。また、各画素間に絶
縁膜を設けることにより、各該画素が電気的に分離さ
れ、当該画素で発生した電子は隣接する画素に拡散しな
い。
【0030】
【実施例】実施例1.以下、この発明の第1の実施例に
よる赤外線検出器の製造方法を図について説明する。図
1において、501は本実施例による赤外線検出器を示
し、8は電子線照射によって形成されたC0.3 M0.7 T
分離層であり、各画素(赤外線検知部)を区分するよう
にp型C0.2 M0.8 T層2に対して碁盤の目のように形
成されている。
【0031】次に製造方法について説明する。まず、図
1(a) に示すように、p型CdTe基板1上に、LPE
法、若しくはMOCVD法等によって、p型の、Cd組
成x=0.2のCd0.2 Hg0.8 Te(C0.2 M0.8
T)層2を10μm程度成長させる。次にHg拡散法や
Bイオン注入法等によって、C0.2 M0.8 T層2表面に
選択的にn型C0.2 M0.8 T領域31,32を形成する
(図1(b) )。次にp型CdTe基板1の受光面側に、
陽極5を、また各画素のn型C0.2 M0.8 T層31,3
2に陰極61,62を、Cr,Au等の真空蒸着法によ
って形成する(図1(c) )。さらに画素境界となるべき
部分に図1(d) のEで示すように、前記p型C0.2M0.8
T層2表面から、300KeVのエネルギーの電子線
を3×1011e/cm2/sec の線量率で5分間照射(全線量
=9×1013cm-2)とすることにより、表面から基板1
に到達する、Cd組成x=0.3のC0.3 M0.7 T分離
層8を形成して、画素領域のp型C0.2 M0.8 T層2
1,22を作製する。この電子線照射によってCd濃度
の高い領域ができるメカニズムは、表面科学vol.8,No6
(1987年発行) で示されているように、電子線照射によ
ってCd0.2 Hg0.8 Te2の表面からHg原子が解離
してCd0.2 Hg0.8 Te2より抜け出し、Cd組成が
増大したものと考えられる。以上のようにして、各画素
(赤外線検知部)101,102のpn接合41,42
を完全に包囲する、巾3μm程度の分離層8が得られ
る。
【0032】次に作用効果について説明する。図2(a)
に示すように、波長10μm程度の赤外線70がCdT
e基板1側から入射して、各画素101,102に対応
するp型C0.2 M0.8 T層21,22で吸収され、それ
ぞれ少数キャリアである電子71,72が発生する。こ
の場合、電子71は必ず、画素101内のpn接合41
に到達し、画素101の出力として検出される。すなわ
ちp型C0.2 M0.8 T層21は、Cd組成の大きい分離
層8で包囲されており、これによって発生している電気
的ポテンシャルによってこの領域を越えて電子71は他
の画素へ移動することができない。同様に画素102に
入射した赤外線によって発生した電子72は、画素10
2のみの出力として検出される(図2(b) 参照)。した
がって、従来の赤外線検出器において、発生していた少
数キャリアの拡散によるクロストークを防止することが
でき、感度を低下させることなく優れた画素分解能を有
する赤外線検出器501を得ることができる。さらに、
この分離層8は電子ビーム描画により形成されているの
で、極めて細く(数μm)、精度よく形成することがで
きるので、高密度化が可能である。
【0033】実施例2.次に本発明の第2の実施例によ
る赤外線検出器の製造方法を図に基づいて説明する。図
3において、502は本実施例による赤外線検出器を示
し、8aは、p型C0.2 M0.8 T層2にプロトンビーム
を照射して形成したC0.3 M0.7 T分離層である。
【0034】次に製造方法を図3に基づいて説明する。
図3(a) 〜図3(c) の工程については上記図1(a) 〜図
1(c) と同一であるためここではその説明を省略して、
以降の工程である図3(d) について説明する。すなわち
上記実施例1と同様にして、p型CdTe基板1上にp
型C0.2 M0.8 T層2を成長し、さらにこれにn型C0.
2 M0.8 T領域31,32を設け、陽極5,陰極61,
62を形成した後、図3(d) にPで示すように、画素境
界となるべき部分に、p型C0.2 M0.8 T層2表面から
3MeVのエネルギーのプロトンビームを、1×109p
/cm2/secの線量率で5分間照射(全線量3×1011c
m-2)することにより、表面から基板1に到達する、C
d組成x=0.3のC0.3 M0.7 T分離層8aを形成す
る。これは、実施例1で説明した電子線照射の例から推
測できるように、高エネルギーのプロトンとの相互作用
により、p型C0.2 M0.8 T層2のHg原子が解離し
て、Cd組成が増大したものと考えられる。ただ、プロ
トンビームの場合は、10μmの層厚のC0.2 M0.8 T
層2を完全に貫通させるには、電子線照射の場合よりも
遙かに大きなエネルギー(3MeV)が必要であった。
このようにして、各画素101,102を完全に分離す
る分離層8aが得られる。
【0035】この実施例における赤外線検出器の動作は
実施例1の場合とほぼ同様で、プロトンビーム照射によ
って形成された、Cd組成の大きい分離層8aでのポテ
ンシャルバリヤによる少数キャリアの閉じ込め効果によ
って、クロストークを防止することができる。また分離
層8aの形成をプロトンビーム照射によって行っている
ため、ビームがより直線的にp型C0.2 M0.8 T層2に
入射して、より微細な分離層8aができる。
【0036】実施例3.次に本発明の第3の実施例によ
る赤外線検出器を図に基づいて説明する。図4におい
て、503は本実施例による赤外線検出器を示し、9は
各画素101,102を分離する分離溝である。
【0037】次に製造方法について説明する。上記各実
施例と同様にして、p型CdTe基板1上のp型C0.2
M0.8 T層2、n型C0.2 M0.8 T領域31,32陽極
5、陰極61,62を形成した後、画素境界となるべき
部分に、イオンミリング法によって分離溝9を形成す
る。このイオンミリングには、Reactive Ion Beam Etch
ing (RIBE)法や、Chemically Assisted Ion Beam
Etching(CAIBE)法を用いることができる。例え
ばCAIBE法においては、次のプロセスによって分離
溝9を形成することができる。まずp型C0.2 M0.8 T
層2表面上にフォトレジストをコーティングし、画素境
界となるべき位置に巾3μmの開孔部を設ける。この開
孔部において露出したCMT2の表面に500eVのア
ルゴンイオンAr+ を300μA/cm2 のイオン密度で
照射すると同時にCl2 ガスもしくはBr2 ガスを流
し、かつ雰囲気を充分排気することにより、約20分間
で巾3μm,深さ10μmで底部がCdTe基板1に達
した分離溝9を形成することができる。
【0038】次に作用効果について説明する。CdTe
基板1の裏面から入射した赤外線70の吸収によって発
生した電子71,72は、分離溝9が存在するため、他
の画素まで拡散して行くことはできず、それぞれの画素
101,102に設けられたpn接合41,42によっ
て収集され電気出力として検出される。このように、イ
オンミリング法によって形成された巾の狭い分離溝9に
よってクロストークが防止される。従って画素101,
102間の間隔を小さくして集積度を向上させることが
できる。
【0039】実施例4.次に本発明の第4の実施例によ
る赤外線検出器を図について説明する。図5において、
504は本実施例による赤外線検知器を示し、8bは、
上記実施例3の分離溝9を、減圧MOCVD法によって
埋め込むことによって形成された、Cd組成x=0.3
程度のp型C0.3 M0.7 T分離層である。
【0040】次に作用効果について説明する。各画素間
101,102を分離する溝内に埋め込まれたC0.3 M
0.7 T分離層8bは有効受光層であるp型C0.2 M0.8
T層21,22よりもその禁制帯巾が大きいため、上記
実施例1及び2のものと同一の原理によって隣接する画
素間に電気的なポテンシャルバリヤが生じており、各画
素101,102内で発生した電子71,72が他の画
素に拡散することが抑制されクロストークが防止され
る。また上記実施例3においては、発生した電子71,
72が、分離溝9側面部において露出したC0.2 M0.8
T層21,22面で再結合することによって消失して、
電気出力信号として検出されない可能性があるのに対
し、この実施例においては、溝側面にはいわゆる窓層が
形成されていることになり、従ってここでの再結合損失
は生じないものである。さらに、本実施例ではMOCV
D法によって溝内にp型C0.3 M0.7 T分離層8bを埋
め込む方法を採用しているため、実施例1,2の分離層
8,8bを構成する結晶に比べて結晶性の良好な分離層
を形成することができ、電子の閉じ込め効果の向上を期
待することができる。
【0041】実施例5.次に本発明の第5の実施例によ
る赤外線検出器を図について説明する。図6において、
505は本実施例による赤外線検出器を示し、3はp型
CdTe基板1上全面に形成された、Cd組成x=0.
3程度のp型C0.3 M0.7 T層であり、この上に有効受
光層となるp型C0.2 M0.8 T層2が形成されており、
各画素101,102間には、p型C0.3 M0.7 T分離
層8cが形成されており、さらに前記分離層8cによっ
て分離されたp型C0.2 M0.8 T層21,22内にはn
型C0.2 M0.8 T領域31,32が形成されており、p
型C0.2 M0.8 T層21,22およびn型C0.2 M0.8
T層領域31,32上部には、それぞれ、よりCd組成
の大きいp型C0.3 M0.7 T窓層4a,n型C0.3 M0.
7 T窓層4bが形成されている。これらのn型領域(3
1,32,4b)は、p型C0.2 M0.8 T層21,22
全面上にp型C0.3 M0.7 T層4を形成した後、この表
面から選択的にHg拡散やBなどのイオンを注入するこ
とで形成され、このときn型C0.2 M0.8 T層31,3
2は、n型C0.3 M0.7 T層4bを通して、HgやBが
侵入することにより形成される。
【0042】次に作用効果について説明する。各画素中
で発生した電子70は、分離層8cによって、他の画素
への侵入を防止されるのに加えて、p型C0.2 M0.8 T
層21,22表面には、いわゆる窓層4aが形成されて
いるため、p型C0.2 M0.8T層21,22表面での再
結合損失が防止され効率よく電子71,72がそれぞれ
の画素101,102のpn接合41,42に到達し、
電気信号として取り出される。さらに陰極61,62
は、n型C0.2 M0.8 T領域31,32よりもバンドギ
ャップの大きいn型C0.3 M0.7 T層4b上に形成され
ているので、n型C0.2 M0.8 T領域31,32内に蓄
積した電子が、陽極5,陰極61,61に印加した電圧
に応じた分だけ取り出されるようになり、暗電流効果に
よるリーク電流を抑えることができる。
【0043】実施例6.次に本発明の第6の実施例によ
る赤外線検出器を図について説明する。図7において5
06は赤外線検出器を示し、11,12はp型CdTe
基板1の凹陥部に設けられたp型C0.3 M0.7 T層、2
1a,22bはこの凹陥部内に埋め込まれたp型C0.2
M0.8 T層である。
【0044】次に製造方法について説明する。まず、p
型CdTe基板1に凹陥部を設け、この部分に液相エピ
タキシャル成長(LPE)法によってCd組成x=0.
3のp型C0.3 M0.7 T層11,12を図8(a) に示す
ように形成する。次にこの上にCd組成X=0.2のp
型C0.2 M0.8 T層21a,22aを、凹陥部が平坦に
なるまで埋め込んだ後、MOCVD法等を用いて全面に
p型C0.3 M0.7 T層4を形成する(図8(b) )。次
に、前記凹陥部の上方のp型C0.2 M0.8 T層21a,
22aの表面に、選択的にHg拡散やBなどのイオン打
込みによって、n型C0.3 M0.7 T領域4b、n型C0.
2 M0.8 T領域31,32を形成する(図8(c) )。最
後に陽極5、及び陰極61,62をCr,Au等の真空
蒸着法によって形成して図8(d) の構造を得る。
【0045】次に作用効果について図7を参照しつつ説
明する。有効受光領域となるp型C0.2 M0.8 T層2
1,22がこれよりもCd組成の大きなp型C0.3 M0.
7 T層11,12および4a、及びn型C0.3 M0.7 T
層4bによって完全に被覆されているので、上記実施例
5と同様に赤外線の吸収によって発生した電子71,7
2がそれぞれの画素の接合41,42によって効率良く
収集される。この発明においては凹部を平坦に埋め込む
特性を有するLPE法を用いていて、有効受光領域とな
るp型C0.2 M0.8 T層21,22を作製することが特
徴であり、このようにすることで、実施例5よりも容易
にp型C0.2 M0.8 T層21,22をCd組成の大きな
p型C0.3 M0.7 T層で囲む構造を得ることができる。
【0046】実施例7.次に本発明の第7の実施例によ
る赤外線検出器を図について説明する。図9において、
507は本実施例による赤外線検出器を示し、3aはp
型CdTe基板1上に形成された、所定の凹凸形状を有
するp型C0.3 M0.7 T層、8dは上記p型C0.3 M0.
7 T層の凸部に接続して有効受光層となるp型C0.2 M
0.8 T層2を各画素101,102のp型C0.2 M0.8
T層21b22bに分離するp型C0.3 M0.7 T分離層
である。
【0047】次に製造方法について説明する。まず図1
0(a) に示すように、p型CdTe基板1上にp型C0.
3 M0.7 T層を設け、続いてこのp型C0.3 M0.7 T層
に、複数個の凹陥部を設け、該p型C0.3 M0.7 T層3
a上に、LPE法によって、その表面が平坦になるよう
に、p型C0.2 M0.8 T層2を形成する。次に、前記凹
陥部でない部分に形成されたp型C0.2 M0.8 T層2の
画素境界となるべき部分にイオンミリング法によって分
離溝9aを形成する(図10(b))。次に、上記溝9a
をp型C0.3 M0.7 T分離層8dで埋め込む(図10
(c) )。以降、n型領域31,32、n型電極61,6
2、p型電極5を上記各実施例と同様の方法で形成して
図10(d) に示される構造を得る。
【0048】次に作用効果について説明する。本実施例
においては、実施例6と同様に、n型分離層8dによっ
て、各画素101,102中での少数キャリア(電子7
1,72)の閉じ込めを行ってクロストークを防止でき
るのに加えて、イオンミリングによって形成する分離溝
9aの深さが浅いため、イオンミリング工程が容易にな
るだけでなく、分離層9aの埋め込み工程も容易にな
り、画素の分離を容易に行うことができる。
【0049】実施例8.次に本発明の第8の実施例によ
る赤外線検出器を図に基づいて説明する。図11におい
て、508は本実施例による赤外線検出器を示し、1a
はp型CdTe基板1の受光面側の、有効受光層である
p型C0.2 M0.8 T層31,32に相当する領域に形成
された凸レンズであり、各画素に対応する位置に、その
焦点位置が各n型C0.2 M0.3 T領域31,32の中央
部でかつpn接合41,42付近となるように設計され
ている。
【0050】次に作用効果について説明する。レンズ1
a面に入射した赤外線70は屈折によって曲げられるた
め、各画素101,102に対応する位置の中央部でか
つ、pn接合41,42近傍で最も多く電子71,72
が発生する。このためこれらの電子71,72はすぐ
に、それぞれの接合41,42によって収集されるた
め、他の画素へ拡散して行く割合が大巾に低減し、クロ
ストークが大巾に改善される。このように、基板1の受
光面にレンズ1aを設けて各画素のpn接合近傍で電子
を発生させることにより、画素間の間隔を狭くしてもク
ロストークの発生を抑えることができる。
【0051】実施例9.次に本発明の第9の実施例によ
る赤外線検出器を図に基づいて説明する。図12におい
て、509は本実施例による赤外線検出器を示し、実施
例8と同様に基板1の受光面に凸レンズ1aを設けると
ともに、レンズ1a以外のp型CdTe基板1の受光面
をp型電極5aで覆うようにしたものである。
【0052】次に作用効果について説明する。レンズ1
a面以外の基板1の面がp型電極5aで覆われているた
め、レンズ1a面以外からは赤外線70はp型C0.2 M
0.3T層2には入射せず、各画素101,102に入射
した赤外光はレンズ1aによってpn接合41,42近
傍に集光され、電子71,72はほぼ画素101,10
2の中心のみで、かつ各pn接合41,42の近傍で発
生する。よって実施例8ではレンズ1a間の基板1から
入射した光によってクロストークが発生する可能性があ
るのに対して、本実施例では、さらに効果的に各画素1
01,102に入射した赤外線のみを検出することがで
きるため、クロストークがさらに改善される。なおレン
ズ1a間に設けられたp型電極5aは、有効受光層であ
るp型C0.2 M0.8 T層31,32間に設けられている
ため、画素に入射する実効的な赤外光を遮ることはな
く、感度低下等の問題はない。
【0053】実施例10.次に本発明の第10の実施例
による赤外線検出器を図について説明する。図13にお
いて、510は本実施例による赤外線検出器を示し、p
型CdTe基板1上のp型C0.2 M0.8 T層2、n型C
0.2 M0.8 T領域31,32およびn型電極61,62
は図25の従来例で示したのと同様に形成されている
が、本実施例では該図に示すように、p型電極5bが各
画素を包囲する格子状に形成されている点が特徴であ
る。
【0054】次に作用効果について説明する。本実施例
においては、p型電極5bが、各画素のp型C0.2 M0.
3 T層2の近傍に形成されているため、上記図25の従
来例に比べて内部抵抗が減少している。すなわち従来例
においては、画素の2次元配置において、ほぼ中央部の
画素で発生した電流を、検出器の周囲に額縁状に設けら
れたp型電極から取り出すため、途中に比抵抗が100
Ω程度と比較的高いp型CdTe基板1を通るため非常
に内部抵抗が高くなっている。しかしながら本実施例で
は、各画素周辺にp型電極5bがはりめぐらされている
ため内部抵抗が大巾に低減される。さらにこの電極5b
下部では、表面再結合速度が大きくなり、他の画素へ拡
散しようとする電子をここで捕えることにより、クロス
トークを防止する作用もある。またこのような電極構造
を上記実施例1,2,4に示した赤外線検出器に採用す
ることにより、大幅なクロストークの低減を図ることが
できる。
【0055】実施例11.次に本発明の第11の実施例
による赤外線検出器を図について説明する。図14にお
いて、511は本実施例による赤外線検出器を示し、3
1a,32aはそれぞれ各画素に対応するp型C0.2 M
0.8 T層2に対応して形成されたn型C0.2 M0.8 T層
である。
【0056】このような赤外線検出器511は例えば、
次のような方法で製造することができる。すなわちp型
CdTe基板1上にn型C0.2 M0.8 T層2を形成し、
その後、全面Hg拡散またはBイオン打ち込みによって
n型C0.2 M0.8 T層30を形成する。次に各画素領域
をメサエッチして分離溝9を設け、各画素の分離を行
い、さらに前記分離溝9の底部にp型電極5を設けるこ
とにより格子状の陽極5bを形成している。
【0057】次に作用効果について説明する。本実施例
においては、n型C0.2 M0.8 T層2表面全面にn型C
0.2 M0.8 T層30を設け、メサエッチングにより分離
溝9を設け各画素のn型C0.2 M0.8 T層31a,32
aを形成するため、画素のpn接合の形成を容易に行う
ことができるのに加えて、メサエッチにより各画素の分
離が容易になるとともに、格子状電極5bによる内部抵
抗低減の作用がある。
【0058】実施例12.次に本発明の第12の実施例
による赤外線検出器を図について説明する。図15にお
いて、512は本実施例による赤外線検出器を示し、該
検出器512は、図4に示した実施例3の構成に加え
て、格子状の分離溝9内にp型電極5cを埋設した構造
を有している。
【0059】次に作用効果について説明する。上記構成
を有する本実施例では実施例3における分離溝9による
クロストーク防止の作用に加えて、格子状電極5cによ
る内部抵抗低減の作用を期待することができる。
【0060】実施例13.次に本発明の第13の実施例
による赤外線検出器を図について説明する。図16にお
いて、513は本実施例による赤外線検出器を示し、該
検出器513は、上記実施例12の構成に加えて、n型
C0.2 M0.8 T層2と格子状のp型電極5cとの間に薄
いC0.3 M0.7 T被覆層8eを設けたものである。この
ような構成を得るためには、例えばイオンミリングによ
って分離溝を形成した後、減圧MOCVD法を用いるこ
とで分離溝内に薄いC0.3 M0.7 T被覆層8eを形成す
ることができる。このときのC0.3 M0.7 T被覆層8e
の層厚としては少なくても500オングストローム程度
あれば、キャリア閉じ込め効果を奏することができる。
【0061】このように本実施例によれば、分離溝内に
薄いC0.3 M0.7 T被覆層8eを設けて格子状の電極5
cを埋設するようにしたから、上記実施例12の効果に
加えて、溝側面でのキャリアの再結合による損失を防止
できる。
【0062】実施例14.次に本発明の第14の実施例
による赤外線検出器を図について説明する。図17にお
いて、514は本実施例による赤外線検出器を示し、5
0はp型シリコン単結晶基板、81,82は島状のp型
GaAs層、21b,22bはp型CMT層2のうちp
型GaAs層81,82上に成長した領域、23はp型
シリコン単結晶基板50上に成長した高欠陥密度領域を
表わす。
【0063】次に製造方法について説明する。まず図1
8(a) に示すように、p型シリコン基板50上に島状の
p型GaAs層81,82を形成する。このような構造
を得る方法として、シリコン基板50上にGaAs層を
全面成長した後、フォトレジスト法及びエッチングによ
りGaAs層をパターニングすることにより実現でき
る。また上記シリコン基板上にGaAs層を成長する際
には、有機金属気相成長法(MOCVD法)あるいは分
子線エピタキシー(MBE法)により、低温バッファ
層,歪超格子バッファ層といったバッファ層を成長した
後にGaAs層の成長を行うことでGaAs層の欠陥密
度を低減することができる。また、他の方法として、シ
リコン基板上にシリコン窒化膜,シリコン酸化膜等を全
面に形成した後、これをフォトレジスト法及びエッチン
グで格子状にパターニングしてシリコン基板を露呈させ
る。そしてこのシリコン基板が露呈した部分に選択的に
MOCVD法あるいはMBE法によりGaAs層を成長
した後、シリコン窒化膜あるいはシリコン酸化膜をエッ
チング等で除去することにより実現できる。
【0064】このように、p型シリコン基板50上に複
数個の互いに分離された島状のGaAs層81,82を
形成した後に、p型のCdx Hg1-x Te(CMT)層
をMOCVD法,MBE法等で結晶成長を行う。この結
晶成長に際しては、CdTeバッファ層,HgTe−C
dTe超格子バッファ層を成長した後にCMT層の成長
が行われる。このときp型CMT層2はGaAs層8
1,82上に成長した領域21b,22bと、シリコン
基板50上に成長した領域23に分かれる(図18(b)
参照)。
【0065】次いで、p型CMT層2のうちGaAs層
上に成長した領域21b,22bにイオン注入、あるい
は拡散の手法を用いてn型領域31,32を形成する
(図18(c) 参照)。そして、上記n型領域31,32
に陰極61,62を蒸着等によって設けるとともに、基
板50の受光面に陽極(図示せず)を形成して図18
(d) に示す構造を得る。
【0066】次に動作について説明する。図17におい
て、波長10μm程度の赤外線70がシリコン基板50
の裏面(検出器の受光面)から入射し、各画素101,
102に対応するp型CMT層21b,22bにおいて
吸収され、それぞれ少数キャリアである電子71,72
が発生する。この場合、電子71は画素101内のpn
接合41に到達して画素101の出力として検出される
が、これが画素102内のpn接合42に到達して画素
102の出力として検出されることはない。以下、その
原理について詳述する。
【0067】基板上に異種材料を結晶成長する際には、
各々の結晶材料の格子定数の差が大きな問題となること
が知られている。格子定数の差が大きすぎると、この差
に起因したミスマッチ転位と呼ばれる格子欠陥が結晶成
長層に導入される。本実施例のようにシリコン基板50
上にGaAs層81,82の結晶成長を行う際には、低
温成長バッファ層,歪超格子バッファ層等の導入によ
り、成長されるGaAs層81,82の欠陥密度を〜1
×106/cm2 にまで低減されることが最近の研究により
明らかとなっている。一方、CMTの結晶成長におい
て、Si基板上への成長とGaAs基板上への成長とで
は、GaAs基板上への成長の方が低欠陥密度の成長が
可能である。なぜなら、CMT,GaAs,Siの格子
定数はそれぞれ6.464オングストローム,5.65
3オングストローム,5.431オングストロームであ
り、SiよりもGaAsの格子定数の方がCMTの格子
定数に近いためである。また、近年の研究では、CMT
をGaAs基板上に成長する際に、CdTeバッファ層
及びHgTe−CdTe超格子バッファ層の採用によ
り、CMT結晶成長層の欠陥密度は〜1×106/cm2
まで低減されることが明らかとなっている。一方、Si
基板上へのCMT成長においては、各種のバッファ層の
導入によってもCMT結晶成長層の欠陥密度は108
109/cm2 のレベルである。これはSiとCMTの格子
定数の差に起因するものであることは言うまでもない。
【0068】そして本実施例では、各画素101,10
2がCMT層2のうちのGaAs層81,82上に成長
された領域21b,22b内に形成され、各々がSi基
板1上に成長された領域23で分離された形となってい
る。即ち、各画素101,102はCMT層2中の低欠
陥密度(〜1×106/cm2 )領域に形成され、その各々
が高欠陥密度(108 〜109/cm2 )領域により分離さ
れている構造となっているわけである。赤外線の吸収に
より発生した電子71が隣接する画素102内のpn接
合42へ拡散して到達するためには、高欠陥密度領域2
3を通過する必要がある。ところが、高密度に存在する
結晶欠陥が電子のトラップとして働くために、画素10
1のCMT層21bで発生した電子71が高欠陥密度領
域23を通過して隣接する画素102のCMT層22b
に到達することはあり得ない。
【0069】このため、画素101側で発生した電子7
1が画素102側のpn接合42に到達することはあり
得ず、赤外線の入射位置を誤まって判断する、いわゆる
クロストークの問題は生じない。また、画素間隔はGa
As層のパターニング精度により決定されるので、該間
隔を数μm程度にすることができ、高密度の赤外線検出
器にも適応できる。
【0070】このように本実施例によれば、隣接する画
素間を欠陥密度の高い領域23を設けることにより、当
該画素で発生して隣接する画素に拡散する電子は上記欠
陥密度の高い領域23で再結合を起こしてトラップされ
るようになるため、クロストークの発生が防止される。
【0071】実施例15.次に本発明の第15の実施例
による赤外線検出器を図について説明する。図19にお
いて、515は本実施例による赤外線検出器を示し、5
1はCdTe基板、83はCdTe基板51上に形成さ
れた格子状のSi層、21c,22cはp型CMT層2
のうちCdTe基板51上に成長した領域、24はSi
層上に成長した領域を表わす。
【0072】次に製造方法について説明する。まず図2
0(a) に示すように、CdTe基板51上にSi層83
を形成する。例えばCdTe基板51上にSi層をCV
D法等により全面成長した後にフォトリソグラフィー及
びエッチングによりSi層をパターニングすることによ
り、格子状のSi層83が得られる。また、あるいはC
dTe基板51上にシリコン窒化膜,シリコン酸化膜等
を全面に形成した後に、フォトリソグラフィー及びエッ
チングの手法によりシリコン窒化膜,シリコン酸化膜等
にパターニングを行い、島状にCdTe基板51を露呈
させ、この部分に選択的にSi層をCVD法等により選
択成長を行った後にシリコン酸化膜、あるいはシリコン
窒化膜をエッチング等により選択的に除去しても同様に
格子状のSi層83が得られる。
【0073】このように、CdTe基板51上に格子状
のSi層83を形成した後に、p型CMT層2を液相成
長法(LPE法),MOCVD法,MBE法等で結晶成
長を行う。これによりp型CMT層2はCdTe基板5
1上に成長した領域21c,22cとSi層83上に成
長した領域24とに分かれる。
【0074】次いで、p型CMT層2のうちCdTe基
板51上に成長した領域21c,22cにイオン注入、
あるいは拡散の手法を用いてn型領域31,32を形成
する(図20(c) )。そして、上記n型領域31,32
に陰極61,62を蒸着等によって設けるとともに、基
板51の受光面に陽極(図示せず)を形成して図18
(d) に示す構造を得る。
【0075】次に動作について説明する。図19におい
て、波長10μm程度の赤外線70がCdTe基板51
の裏面から入射し、各画素101,102に対応するp
型CMT層21c,22cにおいて吸収され、それぞれ
少数キャリアである電子71,72が発生する。この場
合、電子71は画素101内のpn接合41に到達して
画素101の出力として検出されるが、画素102内の
pn接合42に到達して画素102の出力として検出さ
れることはない。以下、その原理について詳述する。
【0076】実施例14において説明したように、CM
T層をSi基板上に結晶成長した際には、108 〜10
9/cm2 の高密度の結晶欠陥が存在する。一方、CdTe
の格子定数は6.481オングストロームであり、CM
Tの格子定数6.464オングストロームと極めて近
く、CdTe基板上へのCMT結晶成長では特別なバッ
ファ層なしに低欠陥密度(105 〜106/cm2 )のCM
T成長層を得ることができる。
【0077】本実施例では、各画素101,102がC
MT層2のうちのCdTe基板51上に成長された領域
21c,22c内に形成され、各々が格子状のSi層8
3上に成長された領域24で分離された形となってい
る。即ち、各画素101,102はCMT層2中の低欠
陥密度(105 〜106/cm2 )領域に形成され、その各
々が高欠陥密度(108 〜109/cm2 )領域により分離
されている構造となっている。赤外線の吸収により発生
した電子71が画素102内のpn接合42に拡散して
到達するためには、高欠陥密度(108 〜109/cm2
領域24を通過する必要がある。ところが、高密度に存
在する結晶欠陥が電子のトラップとして働くために、C
MT層21cで発生した電子71が高欠陥密度領域24
を通過して隣接する画素のCMT層22cに到達するこ
とはあり得ない。このため、画素101側で発生した電
子71が画素102側のpn接合42に到達することは
あり得ず、赤外線の入射位置を誤って判断するクロスト
ークの問題は生じない。また、画素間隔はSi層83の
パターニング精度により決定されるので、高密度の赤外
線検出器にも適応でき、上記実施例14と同様の効果を
奏することができる。
【0078】なお、本実施例においては、CdTe基板
を用いた例について説明したが、CdTe基板に換えて
Cdy Zn1-y Te基板を用いても同様の効果を奏す
る。
【0079】実施例16.次に本発明の第16の実施例
による赤外線検出器を図について説明する。図21にお
いて、516は本実施例による赤外線検出器を示し、5
2はGaAs基板、21d,22dはGaAs基板52
上に成長したp型CMT層、25は格子状の高抵抗Al
GaAs層を表わす。
【0080】次に製造方法について説明する。図22
(a) に示すように、GaAs基板52上に格子状のAl
GaAs層25を形成する。例えばこれはGaAs基板
52上に高抵抗AlGaAs層をLPE法,MOCVD
法,MBE法等により全面成長を行い、フォトリソグラ
フィーと選択エッチングにより、複数個の互いに分離さ
れた島状に露呈したGaAs基板面と、前記GaAs基
板面を島状に分離する格子状の高抵抗AlGaAs層2
5とを形成する。次いで図22(b) に示すように、島状
に露呈したGaAs基板52面に選択的にバッファ層
(図示せず)及びp型CMT層21d,22dを結晶成
長させる。次いで図22(c) に示すように、選択的に結
晶成長されたp型CMT層21d,22dにイオン注
入、あるいは拡散の手法を用いてn型領域31,32を
形成する。そして、上記n型領域31,32に陰極6
1,62を蒸着等によって設けるとともに、基板52の
受光面に陽極5を形成して図22(d) に示す構造を得
る。
【0081】次に作用効果について説明する。図21に
おいて、赤外線70の吸収で生成したキャリア(電子7
1,72)はpn接合41,42に到達した後に画素1
01,102の出力として検出される。この際キャリア
の引き出し効率を上げるために陽極5よりバイアス電圧
を印加している。本実施例においては画素101,10
2間を高抵抗AlGaAs層25で分離しているため
に、ここでキャリアは反射されることとなり、画素10
1で発生した電子71は画素102のpn接合42に到
達することはなく、クロストークが防止できる。
【0082】また、上記実施例においては、高抵抗Al
GaAs層を画素間を分離するための層として用いた例
について説明したが、AlGaAs層に換えて高抵抗A
lGaInP層などの他のIII −V族化合物半導体の高
抵抗層を用いても同様の効果を奏することができる。
【0083】実施例17.次に本発明の第17の実施例
による赤外線検出器を図について説明する。図23にお
いて、517は本実施例による赤外線検出器を示し、5
3はp型シリコン基板、21e,22eはシリコン基板
53内のトレンチ内に形成されたp型CMT層、91,
92,93,94はシリコン酸化膜を表わす。
【0084】次に製造方法について説明する。まず、図
24(a) に示すように、p型シリコン基板53の全面に
シリコン酸化膜を形成し、フォトリソグラフィー及びエ
ッチングにより格子状のパターニングしてSi基板53
を島状に露出させる。次に、シリコン酸化膜91,9
2,93をマスクとし、RIE等の異方性エッチングに
よりSi基板53に図24(b) のようなトレンチ53a
を形成する。その後、熱処理を行うことにより、Si基
板53に形成したトレンチ53aの側面と底部にシリコ
ン酸化膜94を図24(c) のように形成する。次に、R
IE等の異方性エッチングにより、図24(d) のよう
に、トレンチ53a底部のシリコン酸化膜94をエッチ
ングしてSi基板53を露出させる。この際、垂直方向
のエッチングが起こるのてトレンチ53a側面のシリコ
ン酸化膜はエッチングされない。また、トレンチ53a
外部のシリコン酸化膜91,92,93はトレンチ53
a底部のシリコン酸化膜94に比べ十分に厚くしておけ
ば、エッチングされても目減り程度のものであり、消失
することはない。次に、シリコン酸化膜91,92,9
3を選択成長マスクとしてトレンチ53a内部にp型C
MT層の結晶成長を行う(図24(e))。前述のように、
Si基板上へのCMT成長では格子定数の大きな違いか
ら低欠陥密度の結晶成長層は得られない。ここでは、S
i基板53上に低温成長GaAsバッファ層,歪超格子
バッファ層(ともに図示せず)を導入した後に低欠陥な
GaAs層を成長し、さらに、CdTeバッファ層,H
gTe−CdTe超格子バッファ層(ともに図示せず)
を成長し、この後、低欠陥CdTe層を成長し、その
後、CMT層を成長することで低欠陥なCMT成長層2
1e,22eを得るようにしている。
【0085】こうして成長されたp型CMT層21e,
22eにイオン注入、あるいは拡散の手法を用いてn型
領域31,32を形成し、ここに陰極61,62を設け
る。また、p型Si基板の裏面に陽極5を設け、図24
(f) に示す構造の赤外線検出器を得る。
【0086】次に作用効果について説明する。本実施例
では、各画素101,102がシリコン酸化膜91,9
2,93,94によって分離されているために、各画素
は電気的に分離されており、このため当該画素で発生し
た電子は隣接する画素に拡散することがなく、クロスト
ークの防止に有効である。
【0087】
【発明の効果】以上のように、この発明による赤外線検
出器の製造方法によれば、荷電粒子ビームの照射によっ
て、赤外線吸収領域よりもCd組成の大きいCMT分離
層を形成したので、画素間のクロストークがなく、高密
度に集積された、高分離能の赤外線の検出器が得られる
効果がある。
【0088】また、この発明による赤外線検出器によれ
ば、画素間のCMT層にイオンミリングを用いて狭い巾
で、底が基板まで達する分離溝を設けたので、画素間の
クロストークがなく、高密度に集積された、高分解能の
赤外線検出器が得られる効果がある。
【0089】また、上記イオンミリング法によって形成
した分離溝側面に露出したCMT層表面を、この層より
もCd組成の大きいCMT埋込層で覆うことにより、上
記分離溝側面での電子の再結合損失を防止でき、検出器
の感度低下を防止できる効果がある。
【0090】また、上記CMT埋込層を有する赤外線検
出器において、受光領域のCMT層によもCd組成の大
きいCMT層で前記受光領域のCMT層表面を完全に被
覆する構造にしたので、高効率の赤外線検出器が得られ
る効果がある。
【0091】また、この発明に係る赤外線検出器の製造
方法によれば、基板に複数個の凹陥部を設け、該凹陥部
内面にCd組成の大きな分離用CMT層を形成し、この
上に受光領域のCMT層を形成した後、基板全面に受光
領域のCMT層よりもCd組成の大きなCMT窓層を形
成するようにしたから、容易な方法で受光領域のCMT
層をこれよりもバンドギャップの大きな層で取り囲むこ
とができる効果がある。
【0092】また、この発明に係る赤外線検出器の製造
方法によれば、複数の凹陥部を有する分離用CMT層上
に、これよりもCd組成の小さなCMT層をエピタキシ
ャル成長させて平坦化し、各画素間に上記分離用CMT
層に達する溝を設け、該溝内を受光領域のCMT層より
もCd組成の大きなCMT分離埋込層で埋め込むように
したから、画素分離を容易かつ確実に行うことができる
効果がある。
【0093】また、この発明に係る赤外線検出器によれ
ば、当該画素に入射した赤外光を凸レンズによって集光
させるようにしたので、pn接合近傍で発生する少数キ
ャリアの割合が増加し、各画素を近接して作製してもク
ロストークが生じにくくなる効果がある。また、上記レ
ンズ以外の部分の受光面を覆う遮光膜を備えたから、レ
ンズ部以外に入射した赤外光によるクロストークを防止
することができる効果がある。
【0094】また、この発明に係る赤外線検出器によれ
ば、受光領域を囲むようにCdHgTe層表面に電極を
格子状に配置したので、電極下部で少数キャリアが再結
合して、隣の画素へのキャリアの拡散が防止されるとと
もに、直列抵抗が低減される効果がある。
【0095】また、格子状に画素間のCdHgTeを分
離する分離溝に上記電極を埋め込むことにより、隣接す
る画素へのキャリアの拡散が防止されるとともに、内部
抵抗が低減される効果がある。また、上記分離溝内にC
d組成の大きなCdHgTe層を介在させて上記電極を
配置するようにしたので、電子の再結合損失を低減する
ことができる効果がある。また、この発明に係る赤外線
検出器の製造方法によれば、基板上の受光領域に対応す
る領域にバッファ層を設ける、あるいは各受光領域を囲
むように、基板と格子定数の異なる下地半導体層を設け
て、この上にCdHgTe層をエピタキシャル成長させ
ることにより、各画素領域間のCdHgTe層に高欠陥
密度領域が形成され、クロストークが防止される効果が
ある。
【0096】また、この発明に係る赤外線検出器によれ
ば、各画素間に高抵抗領域を備えたので、当該画素で発
生した少数電子はこれによって反射され、隣接する画素
に拡散せず、クロストークを低減できる効果がある。
【0097】また、この発明に係る赤外線検出器によれ
ば、各画素間に絶縁膜を設けて各画素を電気的に分離し
たので、当該画素で発生した電子は隣接する画素に拡散
せず、クロストークが防止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例による赤外線検出器の
製造方法を示す工程図である。
【図2】上記赤外線検出器の動作を説明するための図で
ある。
【図3】この発明の第2の実施例による赤外線検出器の
製造方法を示す工程断面図である。
【図4】この発明の第3の実施例による赤外線検出器を
示す断面図である。
【図5】この発明の第4の実施例による赤外線検出器を
示す断面図である。
【図6】この発明の第5の実施例による赤外線検出器を
示す断面図である。
【図7】この発明の第6の実施例による赤外線検出器を
示す断面図である。
【図8】上記赤外線検出器の製造方法を示す工程断面図
である。
【図9】この発明の第7の実施例による赤外線検出器を
示す断面図である。
【図10】上記赤外線検出器の製造方法を示す工程断面
図である。
【図11】この発明の第8の実施例による赤外線検出器
を示す断面図である。
【図12】この発明の第9の実施例による赤外線検出器
を示す断面図である。
【図13】この発明の第10の実施例による赤外線検出
器を示す斜視図である。
【図14】この発明の第11の実施例による赤外線検出
器を示す斜視図である。
【図15】この発明の第12の実施例による赤外線検出
器を示す斜視図である。
【図16】この発明の第13の実施例による赤外線検出
器を示す斜視図及び部分断面図である。
【図17】この発明の第14の実施例による赤外線検出
器を示す断面図である。
【図18】上記赤外線検出器の製造方法を示す工程断面
図である。
【図19】この発明の第15の実施例による赤外線検出
器を示す斜視図である。
【図20】上記赤外線検出器の製造方法を示す工程断面
図である。
【図21】この発明の第16の実施例による赤外線検出
器を示す断面図である。
【図22】上記赤外線検出器の製造方法を示す工程断面
図である。
【図23】この発明の第17の実施例による赤外線検出
器を示す断面図である。
【図24】上記赤外線検出器の製造方法を示す工程断面
図である。
【図25】従来の赤外線検出器を示す断面図である。
【図26】従来の赤外線検出器の他の例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 p型CdTe基板 1a 凸レンズ 2 p型CdHgTe層 11 p型C0.3 M0.7 T層 12 p型C0.3 M0.7 T層 13 p型GaAs基板 2 p型CMT層 21 画素領域のC0.2 M0.8 T層 21a 画素領域のC0.2 M0.8 T層 21b p型GaAs層上に成長したp型CMT層 21c p型CdTe基板上に成長したp型CMT層 21d p型GaAs層上に成長したp型CMT層 21e p型GaAs層上に成長したp型CMT層 22 画素領域のC0.2 M0.8 T層 22a 画素領域のC0.2 M0.8 T層 22b p型GaAs層上に成長したp型CMT層 22c p型CdTe基板上に成長したp型CMT層 22d p型GaAs層上に成長したp型CMT層 22e p型GaAs層上に成長したp型CMT層 23 p型シリコン単結晶上に成長したp型CMT層 24 p型シリコン単結晶上に成長したp型CMT層 25 高抵抗AlGaAs層 3 p型C0.3 M0.7 T層 3a p型C0.3 M0.7 T層 31 n型C0.2 M0.8 T領域 31a n型C0.2 M0.8 T層 32 n型C0.2 M0.8 T領域 32a n型C0.2 M0.8 T領域 4a p型C0.3 M0.7 T層 4b n型C0.3 M0.7 T層 5 p型電極(陽極) 5a p型電極(陽極) 5b p型電極(陽極) 5c p型電極(陽極) 50 p型シリコン単結晶基板 51 p型CdTe基板 52 GaAs基板 53 p型シリコン基板 53a トレンチ 61 n型電極(陰極) 62 n型電極(陰極) 8 C0.3 M0.7 T分離層 8a C0.3 M0.7 T分離層 8b C0.3 M0.7 T分離層 8c C0.3 M0.7 T分離層 8d C0.3 M0.7 T分離層 8e C0.3 M0.7 T被覆層 81 島状のp型GaAs層 82 島状のp型GaAs層 83 格子状のSi層 91 シリコン酸化膜 92 シリコン酸化膜 93 シリコン酸化膜 94 トレンチ内のシリコン酸化膜 9 分離溝 9a 分離溝 41 pn接合 42 pn接合 61 n型電極(陰極) 70 赤外線 71 赤外線の吸収によって発生した電子 72 赤外線の吸収によって発生した電子 101 赤外線検知器(画素) 102 赤外線検知器(画素) 501 赤外線検出器 502 赤外線検出器 503 赤外線検出器 504 赤外線検出器 505 赤外線検出器 506 赤外線検出器 507 赤外線検出器 508 赤外線検出器 509 赤外線検出器 510 赤外線検出器 511 赤外線検出器 512 赤外線検出器 513 赤外線検出器 514 赤外線検出器 515 赤外線検出器 516 赤外線検出器 517 赤外線検出器 E 電子線 P プロトンビーム
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年9月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項7
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項8
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】次に作用効果について説明する。各画素中
で発生した電子71,72は、分離層8cによって、他
の画素への侵入を防止されるのに加えて、p型C0.2 M
0.8T層21,22表面には、いわゆる窓層4aが形成
されているため、p型C0.2M0.8 T層21,22表面
での再結合損失が防止され効率よく電子71,72がそ
れぞれの画素101,102のpn接合41,42に到
達し、電気信号として取り出される。さらに陰極61,
62は、n型C0.2 M0.8 T領域31,32よりもバン
ドギャップの大きいn型C0.3 M0.7 T層4b上に形成
されているので、n型C0.2 M0.8 T領域31,32内
に蓄積した電子が、陽極5,陰極61,6に印加した
電圧に応じた分だけ取り出されるようになり、暗電流効
果によるリーク電流を抑えることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】実施例8.次に本発明の第8の実施例によ
る赤外線検出器を図に基づいて説明する。図11におい
て、508は本実施例による赤外線検出器を示し、1a
はp型CdTe基板1の受光面側の、有効受光層である
p型C0.2 M0.8 T層31,32に相当する領域に形成
された凸レンズであり、各画素に対応する位置に、その
焦点位置が各n型C0.2 M0.8 T領域31,32の中央
部でかつpn接合41,42付近となるように設計され
ている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正内容】
【0056】このような赤外線検出器511は例えば、
次のような方法で製造することができる。すなわちp型
CdTe基板1上に型C0.2 M0.8 T層2を形成し、
その後、全面Hg拡散またはBイオン打ち込みによって
n型C0.2 M0.8 T層30を形成する。次に各画素領域
をメサエッチして分離溝9を設け、各画素の分離を行
い、さらに前記分離溝9の底部にp型電極5を設ける
ことにより格子状の陽極5bを形成している。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】次に作用効果について説明する。本実施例
においては、型C0.2 M0.8 T層2表面全面にn型C
0.2 M0.8 T層30を設け、メサエッチングにより分離
溝9を設け各画素のn型C0.2 M0.8 T層31a,32
aを形成するため、画素のpn接合の形成を容易に行う
ことができるのに加えて、メサエッチにより各画素の分
離が容易になるとともに、格子状電極5bによる内部抵
抗低減の作用がある。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正内容】
【0060】実施例13.次に本発明の第13の実施例
による赤外線検出器を図について説明する。図16にお
いて、513は本実施例による赤外線検出器を示し、該
検出器513は、上記実施例12の構成に加えて、
C0.2 M0.8 T層2と格子状のp型電極5cとの間に薄
いC0.3 M0.7 T被覆層8eを設けたものである。この
ような構成を得るためには、例えばイオンミリングによ
って分離溝を形成した後、減圧MOCVD法を用いるこ
とで分離溝内に薄いC0.3 M0.7 T被覆層8eを形成す
ることができる。このときのC0.3 M0.7 T被覆層8e
の層厚としては少なくても500オングストローム程度
あれば、キャリア閉じ込め効果を奏することができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図19
【補正方法】変更
【補正内容】
【図19】この発明の第15の実施例による赤外線検出
器を示す断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 越智 誠司 兵庫県伊丹市瑞原4丁目1番地 三菱電機 株式会社光・マイクロ波デバイス研究所内 (72)発明者 大倉 裕二 兵庫県伊丹市瑞原4丁目1番地 三菱電機 株式会社光・マイクロ波デバイス研究所内 (72)発明者 早藤 紀生 兵庫県伊丹市瑞原4丁目1番地 三菱電機 株式会社光・マイクロ波デバイス研究所内 (72)発明者 杵築 弘隆 兵庫県伊丹市瑞原4丁目1番地 三菱電機 株式会社光・マイクロ波デバイス研究所内 (72)発明者 津上 真理 兵庫県伊丹市瑞原4丁目1番地 三菱電機 株式会社光・マイクロ波デバイス研究所内 (72)発明者 高見 明宏 兵庫県伊丹市瑞原4丁目1番地 三菱電機 株式会社光・マイクロ波デバイス研究所内 (72)発明者 加藤 学 兵庫県伊丹市瑞原4丁目1番地 三菱電機 株式会社光・マイクロ波デバイス研究所内

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の半導体基板上に、第1導電
    型のCdHgTe層を形成する工程と、 該CdHgTe層表面に、複数個の互いに分離された第
    2導電型のCdHgTe領域を形成する工程と、 上記第2の導電型のCdHgTe領域間に露出した、上
    記第1導電型のCdHgTe層の表面から荷電粒子ビー
    ムを打ち込むことによってその表面からHgを蒸発させ
    て、上記第1のCdHgTe層を貫通し、かつ、個々の
    上記第2のCdHgTe領域を完全に包囲する、上記第
    1の導電型のCdHgTe層よりもCd組成の大きい第
    1導電型CdHgTe分離層を形成する工程を含むこと
    を特徴とする赤外線検出器の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記荷電粒子ビームは、電子ビームであ
    ることを特徴とする赤外線検出器の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記荷電粒子ビームは、プロトンビーム
    であることを特徴とする赤外線検出器の製造方法。
  4. 【請求項4】 複数の受光領域を有し、基板側から入射
    した赤外線を、該入射による発生電圧により各受光領域
    毎に検出する赤外線検出器において、 第1導電型の半導体基板裏面に形成された第1導電型の
    CdHgTe層と、 該第1の導電型のCdHgTe層表面に形成され、互い
    に分離された複数個の第2導電型のCdHgTe領域
    と、 上記第1導電型のCdHgTe層表面から上記基板に達
    し、上記各受光領域を分離する分離溝とを備えたことを
    特徴とする赤外線検出器。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の赤外線検出器において、 上記分離溝を、上記第1導電型のCdHgTe層よりも
    Cd組成の大きな第1導電型CdHgTe埋込層で充填
    したことを特徴とする赤外線検出器。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の赤外線検出器において、 上記基板と上記第1導電型のCdHgTe層との間に、
    該CdHgTe層よりもCd組成の大きな第1導電型の
    下側CdHgTe層を設け、 上記第2導電型のCdHgTe領域表面に、これよりも
    Cd組成の大きな第2導電型の上側CdHgTe層を設
    けるとともに、上記第2導電型のCdHgTe領域を除
    く上記第1導電型のCdHgTe層表面にこれよりもC
    d組成の大きな第1導電型の上側CdHgTe層を設け
    たことを特徴とする赤外線検出器。
  7. 【請求項7】 複数の受光領域を有し、基板側から入射
    した赤外線を、該入射による発生電圧により各受光領域
    毎に検出する赤外線検出器において、 第1導電型の半導体基板裏面に形成された第2導電型の
    CdHgTe領域と、 該第2導電型のCdHgTe領域を下方から覆うように
    形成された第1導電型のCdHgTe層と、 該第1導電型のCdHgTe層を下方から覆い、これよ
    りもCd組成の大きな第1導電型の分離用CdHgTe
    層と、 上記第2導電型のCdHgTe領域表面に、これよりも
    Cd組成の大きな第2導電型のCdHgTe窓層を設け
    るとともに、上記第2導電型のCdHgTe領域を除く
    上記第1導電型のCdHgTe層表面にこれよりもCd
    組成の大きな第1導電型のCdHgTe窓層を設けたこ
    とを特徴とする赤外線検出器。
  8. 【請求項8】 第1導電型の半導体基板に、複数個の凹
    陥部を設け、該凹陥部内面に第1導電型の分離用CdH
    gTe層を形成する工程と、 該第1導電型の分離用CdHgTe層上に、上記凹陥部
    を埋め込み、かつ該分離用CdHgTe層よりもCd組
    成の小さい第1導電型のCdHgTe層を形成する工程
    と、 基板全面に上記第1導電型のCdHgTe層よりもCd
    組成の大きい第1導電型のCdHgTe窓層を形成する
    工程と、 上記第1導電型のCdHgTe層表面に第2導電型のC
    dHgTe領域を形成する工程とを含むことを特徴とす
    る赤外線検出器の製造方法。
  9. 【請求項9】 複数の受光領域を有し、基板側から入射
    した赤外線を、該入射による発生電圧により各光領域毎
    に検出する赤外線検出器において、 第1導電型の半導体基板上に形成され、複数の凹陥部を
    有する第1導電型の分離用CdHgTe層と、 該第1導電型の分離用CdHgTe層上面を覆うように
    形成され、該分離用CdHgTe層よりもCd組成の小
    さい第1導電型のCdHgTe層と、 上記第1導電型の分離用CdHgTe層の凹陥部上方の
    上記第1導電型のCdHgTe層表面に形成された第2
    導電型のCdHgTe領域と、 隣接する上記第2導電型のCdHgTe領域間に位置す
    る上記第1導電型のCdHgTe層に、上記第1導電型
    の分離用CdHgTe層に達するように形成され、前記
    第1導電型のCdHgTe層よりもCd組成の大きい第
    1導電型の分離用CdHgTe埋込層とを備えたことを
    特徴とする赤外線検出器。
  10. 【請求項10】 第1導電型の半導体基板上に複数の凹
    陥部を有する第1導電型の分離用CdHgTe層を形成
    する工程と、 該分離用CdHgTe層よりもCd組成の小さな第1導
    電型のCdHgTe層によって上記分離用CdHgTe
    層上方を覆い平坦化する工程と、 上記第1導電型の分離用CdHgTe層の凹陥部間に位
    置する上記第1導電型のCdHgTe層に、上記分離用
    CdHgTe層に達する溝を形成する工程と、 上記溝内に、上記第1導電型のCdHgTe層よりもC
    d組成の大きな第1導電型の分離用CdHgTe埋込層
    を形成する工程と、 上記凹陥部上方の上記第1導電型のCdHgTe層表面
    に第2導電型のCdHgTe領域を形成する工程とを含
    むことを特徴とする赤外線検出器の製造方法。
  11. 【請求項11】 複数の受光領域を有し、基板側から入
    射した赤外線を、該入射による発生電圧により各受光領
    域毎に検出する赤外線検出器において、 第1導電型の半導体基板と、 第1導電型の半導体基板上に形成された第1導電型のC
    dHgTe層と、 該第1導電型のCdHgTe層表面に、上記受光領域に
    対応して形成された第2導電型のCdHgTe領域と、 上記基板の、上記受光領域に対応する部分に形成され、
    該部分より入射した赤外線を上記第2導電型のCdHg
    Te領域中心近傍の空乏層に集光する凸レンズ部とを備
    えたことを特徴とする赤外線検出器。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の赤外線検出器におい
    て、 上記基板の上記凸レンズ部を除く領域に赤外線を遮光す
    る遮光膜を備えたことを特徴とする赤外線検出器。
  13. 【請求項13】 請求項5,7,9,11のいずれかに
    記載の赤外線検出器において、 上記受光領域を囲むように、上記第1導電型のCdHg
    Te層表面に配置された格子状の電極を備えたことを特
    徴とする赤外線検出器。
  14. 【請求項14】 請求項4記載の赤外線検出器におい
    て、 上記受光領域を分離する分離溝底面部に、各受光領域を
    囲むように形成された格子状の電極を備えたことを特徴
    とする赤外線検出器。
  15. 【請求項15】 請求項4記載の赤外線検出器におい
    て、 上記受光領域を分離する分離溝内に、これを埋め込むよ
    うに形成された格子状の電極を備えたことを特徴とする
    赤外線検出器。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の赤外線検出器におい
    て、 上記電極は、上記分離溝内に、上記第1導電型のCdH
    gTe層よりもCd組成の大きな第1導電型のCdHg
    Te層を介して設けられていることを特徴とする赤外線
    検出器。
  17. 【請求項17】 複数の受光領域を有し、基板側から入
    射した赤外線を、該入射による発生電圧により各受光領
    域毎に検出する赤外線検出器において、 第1導電型の半導体基板上にバッファ層を介して形成さ
    れた、上記各受光領域に対応する第1導電型のCdHg
    Te層と、 上記第1導電型の半導体基板上に直接形成された、上記
    各受光領域を囲む第1導電型の分離用CdHgTe層
    と、 上記各受光領域に対応する上記第1導電型のCdHgT
    e層表面に形成された第2導電型のCdHgTe領域と
    を備え、 上記第1導電型のCdHgTe層と第1導電型の分離用
    CdHgTe層とはエピタキシャル成長により成長さ
    れ、上記第1導電型のCdHgTe層と上記第1導電型
    の分離用CdHgTe層との界面領域に高欠陥密度領域
    を有していることを特徴とする赤外線検出器。
  18. 【請求項18】 第1導電型の半導体基板上の、各受光
    領域に対応する領域にバッファ層を形成する工程と、 上記基板全面に第1導電型のCdHgTeをエピタキシ
    ャル成長して、上記各受光領域に対応する第1導電型の
    CdHgTe層と、これとの界面領域に高欠陥密度領域
    を有し、前記受光領域を囲む第1導電型の分離用CdH
    gTe層とを形成する工程と、 上記各受光領域に対応する上記第1導電型のCdHgT
    e層表面に第2導電型のCdHgTe領域を形成する工
    程とを含むことを特徴とする赤外線検出器の製造方法。
  19. 【請求項19】 複数の受光領域を有し、基板側から入
    射した赤外線を、該入射による発生電圧により各受光領
    域毎に検出する赤外線検出器において、 上記第1導電型の半導体基板上に直接形成された、上記
    各受光領域に対応する第1導電型のCdHgTe層と、 上記第1導電型の半導体基板上に、これとはその格子定
    数が異なり上記受光領域を囲むように格子状に形成され
    た下地半導体層を介してこの上に形成された第1導電型
    の分離用CdHgTe層と、 上記各受光領域に対応する上記第1導電型のCdHgT
    e層表面に形成された第2導電型のCdHgTe領域と
    を備え、 上記第1導電型のCdHgTe層と第1導電型の分離用
    CdHgTe層とはエピタキシャル成長により成長さ
    れ、上記第1導電型のCdHgTe層と上記第1導電型
    の分離用CdHgTe層との界面領域に高欠陥密度領域
    を有していることを特徴とする赤外線検出器。
  20. 【請求項20】 第1導電型の半導体基板上の、各受光
    領域に対応する領域を囲むように、上記半導体基板と格
    子定数の異なる下地半導体層を形成する工程と、 上記基板全面に第1導電型のCdHgTeをエピタキシ
    ャル成長して、上記各受光領域に対応する第1導電型の
    CdHgTe層と、これとの界面領域に高欠陥密度領域
    を有し、前記受光領域を囲む第1導電型の分離用CdH
    gTe層とを形成する工程と、 上記各受光領域に対応する上記第1導電型のCdHgT
    e層表面に第2導電型のCdHgTe領域を形成する工
    程とを含むことを特徴とする赤外線検出器の製造方法。
  21. 【請求項21】 複数の受光領域を有し、基板側から入
    射した赤外線を、該入射による発生電圧により各受光領
    域毎に検出する赤外線検出器において、 第1導電型の半導体基板上面に形成された第1導電型の
    CdHgTe層と、 該第1の導電型のCdHgTe層表面に各受光領域に対
    応して形成された、第2導電型のCdHgTe領域と、 上記各受光領域周囲に、上記第1導電型のCdHgTe
    層表面から上記基板に達するように形成された高抵抗半
    導体領域とを備えたことを特徴とする赤外線検出器。
  22. 【請求項22】 第1導電型の半導体基板上の、各受光
    領域に対応する領域を囲むように高抵抗半導体層を形成
    する工程と、 上記基板上の、上記各受光領域に対応する領域に第1導
    電型のCdHgTe層を形成する工程と、 上記各受光領域に対応する上記第1導電型のCdHgT
    e層表面に第2導電型のCdHgTe領域を形成する工
    程とを含むことを特徴とする赤外線検出器の製造方法。
  23. 【請求項23】 複数の受光領域を有し、基板側から入
    射した赤外線を、該入射による発生電圧により各受光領
    域毎に検出する赤外線検出器において、 複数の凹陥部を有する第1導電型の半導体基板と、 上記凹陥部内に、その側面との間に絶縁膜を介在させて
    配置された第1の導電型のCdHgTe層と、 上記第1の導電型のCdHgTe層表面に形成された第
    2導電型のCdHgTe領域とを備えたことを特徴とす
    る赤外線検出器。
  24. 【請求項24】 第1導電型の半導体基板上の各受光領
    域に対応する領域を囲むように酸化膜を形成する工程
    と、 該酸化膜をマスクとしてエッチングを行い、上記各受光
    領域に対応する上記基板領域に凹陥部を形成する工程
    と、 熱処理を行い、上記凹陥部底面及び側面に酸化膜を形成
    する工程と、 異方性エッチングにより上記凹陥部底面の酸化膜を除去
    する工程と、 上記凹陥部内に第1導電型のCdHgTe層を形成する
    工程と、 該第1導電型のCdHgTe層の表面に第2導電型のC
    dHgTe領域を形成する工程とを含むことを特徴とす
    る赤外線検出器の製造方法。
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