JPH07149810A - 重合体製造方法 - Google Patents

重合体製造方法

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JPH07149810A
JPH07149810A JP32126493A JP32126493A JPH07149810A JP H07149810 A JPH07149810 A JP H07149810A JP 32126493 A JP32126493 A JP 32126493A JP 32126493 A JP32126493 A JP 32126493A JP H07149810 A JPH07149810 A JP H07149810A
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博幸 高宮
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孝一 田中
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/38Polymerisation using regulators, e.g. chain terminating agents, e.g. telomerisation

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 白色度やその熱安定性の高い、重合度の調節
された、臭気のない重合体を高い重合収率で製造する方
法を提供する。 【構成】 ビニル及び/又はビニリデン系単量体をラジ
カル重合又はラジカル共重合するに当たり、連鎖移動剤
として2,5ージヒドロフランと水溶性メルカプタンを
該単量体に対して0.1〜5.0重量%となるように併
用使用する事を特徴とする重合体製造方法。 【効果】 白色度やその熱安定性の高い、重合度の調節
された、臭気のない重合体を高い重合収率で製造する方
法を提供する。得られた重合体は樹脂、フィルム、繊
維、粉体等多岐にわたって商品価値の高い成形加工体を
提供できる。また、このようにして得た重合体を、塗
装、染色等を行う際に、鮮明に色を付与する事が可能で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビニル及び/又はビニ
リデン系単量体をラジカル重合又はラジカル共重合する
に当たり、生成する重合体の重合度を調節する方法に関
する。さらに詳しくは、連鎖移動剤として、2,5ージ
ヒドロフランと水溶性メルカプタンを併用使用する事に
よって白色度やその熱安定性の高い、重合度の調節され
た、臭気のない重合体を、工業的に有利な高い重合収率
で製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビニル及び/又はビニリデン系単量体は
ラジカル重合又はラジカル共重合によって、高い重合度
を有する重合体又は共重合体が得られる事が知られてい
る。このような高重合度の重合体の場合、重合体を溶解
あるいは溶融させた時の粘度が高くなるため成形加工が
容易でない。成形加工を容易にする為には、加工の際の
温度を高くするか重合体溶液中の重合体の濃度を低くす
る必要がある。しかし、この方法では重合体の着色、あ
るいは熱分解を生じ、商品価値を下げてしまうという欠
点や重合体の成形加工物の生産性を下げてしまうという
欠点を有している。
【0003】また、良好な加工性を有する重合体を得る
方法として、重合度の調節された重合体を製造するとい
う方法がある。その方法では、単量体に対する重合開始
剤の使用量の増加、高い温度での重合という条件を採用
する。しかし、かかる方法でも依然着色の問題を有する
ため望ましい重合体は得られてない。
【0004】重合系に連鎖移動剤を添加して重合体の重
合度を調節する方法も知られているが、着色が避けられ
即ち白色度が高く、且つ重合度が調節できるという要望
を満足するものではない。また得られる重合体が不快臭
を有する場合もある。かかる連鎖移動剤としては、ハロ
ゲン化炭化水素、ハロゲン化炭素、メルカプタン類、ア
ミン類、ハイドロキノン類、テルペン類、アリル化合物
等が知られているが、何れもが上記したいずれかの欠点
を有している。
【0005】例えば、ハロゲン化炭素の一つである四塩
化炭素は連鎖移動剤としての効果は良好で重合度の低い
重合体を与えるが、その重合体の白色度の熱安定性が悪
く着色が著しい為、商品価値が低いという欠点を有して
いる。また、アミン類の一つであるトリエチルアミンも
同様の欠点を有している。
【0006】また、メルカプタン類は白色度の熱安定性
を損なわない重合度の調節された重合体を与えるが、不
快臭を有し作業環境の悪化や、残留する未反応メルカプ
タンの除去も困難であるという欠点を有している。
【0007】ハイドロキノン類、テルペン類、アリル化
合物も有効な連鎖移動剤ではあるがこれらは重合収率
(単量体の重合体への転換率)が低いという欠点を有し
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、白色
度やその熱安定性の高い、重合度の調節された、臭気の
ない重合体を、工業的に有利な高い重合収率で容易に得
る製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は重合度の調
節された白色度の高い重合体を得る方法として、連鎖移
動剤について鋭意研究を続けてきた。その結果、ビニル
及び/又はビニリデン系単量体をラジカル重合又はラジ
カル共重合するに当たり、連鎖移動剤として2,5ージ
ヒドロフランと水溶性メルカプタンを併用使用すると白
色度やその熱安定性の高い、臭気のない重合体を容易に
高重合収率で製造できるという発明にいたった。すなわ
ち本発明は、ビニル及び/又はビニリデン系単量体をラ
ジカル重合又はラジカル共重合するに当たり、連鎖移動
剤として2,5ージヒドロフランと水溶性メルカプタン
を該単量体に対して0.1〜5.0重量%となるように
併用使用する事を特徴とする重合体製造方法によって達
成する事ができる。
【0010】本発明によって得た重合体は、重合度が調
節され、白色度やその熱安定性の高い、臭気のない重合
体である。この為、樹脂、フィルム、繊維、粉体等多岐
にわたって商品価値の高い成形加工を施すことが可能で
ある。当然、重合体そのものを使用する場合においても
商品価値は高い。つまり、本発明により得た重合体は成
形が容易であるばかりでなく、重合体を乾燥、熱処理、
溶融、溶解等を行っても白色度の低下が非常に少ないと
いう特徴を有する。また、重合体の成形加工物に対し塗
装、染色等を行う際にも、白色度が高い為鮮明に色を付
与する事が可能であるという特徴も有する。また、重合
開始剤の使用量が少なくても重合度の調節された重合体
を製造できるという特徴も有する。短時間で重合収率高
く製造できる事も大きな特徴である。
【0011】以下、本発明を詳述する。本発明に適用さ
れるビニル及び/又はビニリデン系単量体とは、ラジカ
ル重合し得る単量体であれば特に限定されない。ビニル
系単量体としては例えば、塩化ビニル、臭化ビニル、フ
ッ化ビニル等のハロゲン化ビニル化合物;蟻酸ビニル、
酢酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、ジクロロ酢酸ビニ
ル、トリクロロ酢酸ビニル、モノフルオロ酢酸ビニル、
ジフルオロ酢酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル等のビ
ニルエステル類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、イタコン酸、ビニルプロピオン酸、pースチレンス
ルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、
スルホプロピルメタクリレート、ビニルステアリン酸、
ビニルスルフィン酸類、エチレンーαーβーカルボン酸
類等のビニル基含有酸化合物、またはその塩,その無水
物,その誘導体、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸ノルマルプロピル、アクリル酸イソ
プロピル、アクリル酸ノルマルブチル、アクリル酸ノル
マルオクチル、アクリル酸ー2ーエチルヘキシル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、ヒドロキシルエ
チルメタクリレート等のエステル、アクリルアミド、モ
ノメチルメタクリロアミド、ジメチルアクリルアミド、
モノエチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、
ノルマルーtーブチルアクリルアミド、メタクリロアミ
ド、モノメチルメタクリロアミド、ジメチルメタクリロ
アミド等のアミド;アクリロニトリル、メタクリロニト
リル等のニトリル類;メチルビニルエーテル、エチルビ
ニルエーテル等のビニルエーテル;メチルビニルケト
ン、エチルビニルケトン、エチルビニルケトン、フェニ
ルビニルケトン等のビニルケトン類;Nービニルフタル
イミド、Nービニルサクシノイミド等のビニルイミド
類;ビニルピロリドン、Nービニルカルバゾール、ビニ
ルフラン、ビニルピリジン類等が例示できる。また、ジ
ビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミド、エチレ
ングリコ−ルジアクリレ−ト、エチレングリコ−ルジメ
タクリレート、ジエチレングリコ−ルジアクリレ−ト、
ジエチレングリコ−ルジメタクリレート、トリエチレン
グリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジ
メタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコールトリアクリレート、1,3
ーブチレングリコールジアクリレート、1,3ーブチレ
ングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタ
クリレート等の多官能性単量体等も例示できる。
【0012】また、ビニリデン系単量体としては塩化ビ
ニリデン、臭化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロ
ゲン化ビニリデンやシアン化ビニリデン等を例示する事
ができる。
【0013】次に、本願発明では2,5ージヒドロフラ
ンと水溶性メルカプタンを連鎖移動剤として併用する事
が重要な点である。ここでいう水溶性メルカプタンと
は、メルカプト基(−SH)を有する水溶性の化合物で
あれば特に限定されないが、一般には水酸基(−O
H)、カルボキシル基(−COOX)、カルボン酸無水
物等を同一分子中に併せ有するメルカプタンである。−
COOXのXはH、NH4、金属のいずれでも良い。な
お、ここでいう水溶性とは20℃、1気圧で1重量%以
上水に溶解する性質をいう。かかる水溶性メルカプタン
としては、例えば、水酸基を有するメルカプタンとして
2ーメルカプトエタノール、3ーメルカプトプロパノー
ル、チオプロピレングリコール、チオグリセリン等であ
り、カルボン酸を有するメルカプタンとしてチオグリコ
−ル酸、β−メルカプトプロピオン酸、チオマレイン
酸、チオ乳酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸、チオマ
レイン酸無水物等がある。
【0014】本発明の連鎖移動剤、すなわち2,5ージ
ヒドロフランと水溶性メルカプタンの併用採用で上記の
ような単量体について効果が認められるが、特に塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、アクリロニトリル
のような着色し易い重合体を与える単量体の重合の場合
に極めて有効である。中でもアクリロニトリルを主成分
とする場合に有効である。ここでいう主成分とは、重合
体中のアクリロニトリル単量体の占める割合が50重量
%以上である場合をいう。
【0015】2,5ージヒドロフランと水溶性メルカプ
タンを該単量体に対して併用使用する総量は0.1〜
5.0重量%であり、必要とする重合度に応じて適宜使
用量を選択するが、一般に通常の成形加工をする際に
は、0.15〜3.0重量%の範囲が好ましい。0.1
重量%未満の場合には連鎖移動剤としての効果が小さい
ため、重合度の調節されたポリマーが得られない。また
5.0重量%を越えて使用した場合、重合度が必要以上
に低下するため、白色度やその熱安定性の劣化を受けや
すくなるばかりか、成形加工物も脆く、重合収率もかな
り小さくなる為工業的に不利である。
【0016】2,5ージヒドロフランと水溶性メルカプ
タンを併用使用する際のモル比は、2,5ージヒドロフ
ラン/(2,5ージヒドロフラン+水溶性メルカプタ
ン)=0.2〜0.8の範囲を通常は選択する。しか
し、この比率は白色度或いはその熱安定性と重合収率等
によって適宜選択すべきものである。
【0017】本発明はラジカル開始剤を用いる全ての重
合法において適用する事ができる。即ち乳化重合、懸濁
重合、塊状重合、溶液重合等である。グラフト重合、シ
ード重合等にも適用できる。ビニル又はビニリデン単量
体の単独重合であっても共重合であっても良い。また、
重合形式としてはバッチ重合でも良いが、連続重合を適
用すると製品の安定性等の面から工業的に有利である。
この場合、一槽連続重合でも多槽連続重合であっても良
い。
【0018】重合開始剤の種類としては、ラジカル重合
を開始させるものであれば何であっても良い。例えば、
光、X線、熱や、過酸化物、アゾ化合物、レドックス系
の触媒等である。
【0019】水性媒体において本発明の重合方法を行っ
た場合、極めて有効な結果が得られる。水性媒体とは水
単独、あるいは水と相溶性のある物質との混合系を言
う。例えば、メチルアルコール、エチルアルコール等の
水溶性アルコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルア
セトアミド、ジメチルホルムアミド、アセトン、γーブ
チロラクトン、エチレンカーボネート、硝酸、硫酸等と
水との混合系でも良い。また、無機塩、水溶性の高分子
を含有する系であってもかまわない。例えば、塩化ナト
リウム、塩化カルシウム、塩化リチウム、塩化亜鉛、臭
化リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硝酸
ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カ
リウム、チオシアン酸カルシウム、チオシアン酸アンモ
ニウム等の水溶液、ポリビニルアルコール、不完全けん
化ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酢酸
ビニルー無水マレイン酸共重合体、メチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース、デンプン、ゼラチン等を
含有する水溶液である。また、アニオン系、カチオン
系、ノニオン系の何れの界面活性剤を添加した系であっ
ても良い。また、金属イオンを添加しても良い。金属イ
オンとは、鉄、亜鉛、セリウム、カドミウム、金、銀、
水銀、パラジウム、銅、白金、コバルト、チタン、バナ
ジウム、クロム、ジルコニウム、モリブデン、マンガン
等のイオンである。
【0020】水性媒体においてレドックス系の重合開始
剤を使用する場合、本発明の効果は大きい。レドックス
系の重合開始剤は、低温で重合が行える事、重合開始剤
が安価である事、安全性の面からも取り扱い易い事、重
合体を高重合収率で得られる等の点から工業的にも広く
使用されている。しかし一方、酸化剤を使用するので白
色度が低くその熱安定性も低い重合体を得るという欠点
を有する。しかし、本発明の方法を用いればこれらの問
題は極めて抑制されるのである。
【0021】本発明で推奨するレドックス系の重合開始
剤としては以下のものが代表される。酸化剤としては、
過酸化水素、過硫酸またはその塩、過マンガン酸カリウ
ム、塩素酸ナトリウム等である。また還元剤としては、
亜硫酸ガス,亜硫酸,亜硫酸塩,チオ硫酸,チオ硫酸
塩,重亜硫酸,重亜硫酸塩,メタ亜硫酸,メタ重亜硫酸
塩等の還元性スルホキシ化合物、二価の鉄イオン、硝酸
銀、トリプロピルアミン、モノエタノールアミン、シュ
ウ酸等である。
【0022】重合系の媒体として有機媒体を採用する場
合にも本発明の方法は有効である。有機媒体とは有機化
合物であれば特に限定されないが、単量体あるいは重合
体を溶解するものが好ましい。また、有機媒体の混合物
であっても良い。このような有機溶媒としては、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセ
トアミド、γーブチロラクトン、エチレンカーボネート
等が例示される。
【0023】本発明の連鎖移動剤を使用して重合する際
に、酸化防止剤、着色安定剤等の添加剤を併用してもよ
い。この場合、更に白色度やその熱安定性は向上する。
例えば、重合の際に還元性スルホキシ化合物を過剰に添
加する等の方法である。また、成形加工を行う際にも酸
化防止剤、着色安定剤、金属捕捉剤等を使用すれば更に
白色度やその熱安定性は向上する。
【0024】
【作用】本発明で採用する連鎖移動剤が、いかなる機構
で白色度やその熱安定性の向上、重合収率の向上に作用
をするのか、その作用機構は明らかでない。しかし、連
鎖移動剤としての効果はメルカプタンについてはーSH
の水素、2,5ージヒドロフランについてはアリル位の
炭素原子に結合している水素の結合エネルギーが小さい
事に起因していると考えられる。また2,5ージヒドロ
フラン、水溶性メルカプタンは、水との親和性もあるた
め重合体に残留する連鎖移動剤を安価に効率よく除去す
る事が可能である。その為、臭気のない重合体を与える
事が出来ると推定される。
【0025】アリル化合物は白色度の高い重合体を与え
る連鎖移動剤であるが重合収率が低い。しかし同じアリ
ル化合物ではあるが環状のアリルオキシ化合物である
2,5ージヒドロフランは他のアリル化合物に比べ、水
溶性メルカプタンには及ばないものの重合収率をかなり
向上させる事を見出した。しかもこの連鎖移動剤を使用
すると極めて白色度やその熱安定性が良い事を見出し
た。白色度の高い、重合度の調節された重合体を与える
水溶性メルカプタンを併用する事によって、2,5ージ
ヒドロフランでの重合収率の低さも補う事が可能となっ
た。この事により重合の高温度化,開始剤量の増加をせ
ずに、重合度の調節された、臭気のない重合体を高い重
合収率で製造する事が可能となったと考えられる。しか
も、これは白色度やその熱安定性が非常に高い重合体で
ある。
【0026】
【実施例】以下、本発明の理解を容易にする為の実施例
を示す。しかし、これらはあくまで例示的なものであ
り、本発明の要旨はこれにより限定されるものではな
い。なお、実施例及び比較例において部及び百分率は特
に断りのない限り重量基準で示す。
【0027】実施例及び比較例に記す重合体の白色度と
は以下の方法によって求めた値である。即ち各実施例の
ようにして得た重合体を70℃の真空乾燥機にて2時間
乾燥処理した後、ペレットを作成する。酸化アルミニウ
ムの453nm,553nm,595nmの反射率を1
00%としてこのペレットの各波長での反射率を測定
し、数1に従って求めた値である。この値が小さい程白
色度が高い事即ち、白い事を示す。また、白色度の熱安
定性とは、重合体を工業用水で1時間煮沸処理した後、
白色度を測定した値を示す。この値が大きくなるほど白
色度の熱安定性が悪い事を示す。白色度や白色度の熱安
定性が0.5以上違うと視感でも白さの差がわかる。
【0028】
【数1】
【0029】実施例1における平均重合度はJISーK
6721に基づいて測定した値である。実施例2〜実施
例5における重量平均分子量(Mw)は得られた重合体
を30℃のジメチルホルムアミド(DMF)を溶媒とし
て極限粘度を求め、渋川等の式(数2)(Journa
l of Polymer Science,Part
A−1,Vol 6,147(1968)によって求
めた値である。
【0030】
【数2】
【0031】重合体の臭いについては、重合体20部を
60℃の純水200部で洗浄した後、臭気を調べた結果
である。
【0032】
【実施例】
【1】水性媒体中で有機系の重合開始剤を用いる懸濁重
合において、平均重合度720を目標として連鎖移動剤
の種類と量を変化させて重合した例を表1に示す。即
ち、純水1500部、不完全けん化ポリビニルアルコー
ル0.5部を2.5Lのステンレス重合槽に入れ、60
℃にした後、塩化ビニル単量体750部、α,α’−ア
ゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル0.3部と各
種連鎖移動剤を加え、8時間重合を行った後、未反応単
量体を除去した時の結果である。一般に塩化ビニルの重
合においては、重合収率は85%以上である事、重合体
の白色度は3以下である事が望まれている。かかる要望
に対し本発明を満たす実験No.本発明例1〜3は、白
色度が極めて高く、その熱安定性も良く、重合度の調節
された、臭いのない重合体が生成されている事が理解さ
れる。これに対し、連鎖移動剤の量が少ない場合(実験
No.比較例1)も、多い場合(実験No.比較例2)
でも重合度の調節ができていない。特に使用量が多い場
合は重合収率が非常に低くなっている。また、2,5ー
ジヒドロフランの単独使用の場合(実験No.比較例
4)では重合収率が80%にも達っせず工業的に採用で
きるものではない。なお、重合収率10%の違いは生産
性に対して極めて影響を与える。非水溶性メルカプタン
を使用した場合(実験No.比較例3、5)ではメルカ
プタンの臭いが残留している。また、2,5ージヒドロ
フランを併用しない場合(比較例6〜8)では、白色度
が3を越えているため商品価値の低いものとなってい
る。
【0033】
【表1】
【0034】
【実施例】
【2】水性媒体中でレドックス系の重合開始剤を用いる
懸濁重合において、平均分子量(Mw)100,000
を目標として連鎖移動剤の種類と量を変化させて重合を
した例を表2に示す。即ち、純水1200部、アクリロ
ニトリル92部、酢酸ビニル7.5部、pースチレンス
ルホン酸ソーダ0.5部および硫酸2部と重合開始剤を
還流冷却機を付けたフラスコに入れた後、窒素バブリン
グを行いながら50℃で2時間攪拌を行った結果であ
る。いずれも水溶性メルカプタンを使用している。アク
リロニトリルを単量体主成分とする本実施例のような重
合を行う場合、重合収率は80%以上である事、白色度
は1.5以下である事が望まれている。かかる要望に対
し本発明例を満たす実験No.本発明例4〜7では重合
度の調節された、極めて白色度の高い重合体を重合収率
高く得られている事が理解される。また、レドックス触
媒系でアクリロニトリルを主成分として重合を行う場合
に本発明は非常に効果が高い事が理解される。また、還
元剤の添加量を多くすると白色度が向上する事も実験N
o.本発明例7から理解される。これに対して、実験N
o.比較例9に示すように本発明の連鎖移動剤を使用し
ない場合には、目標のMwを得るために重合開始剤の添
加量を多くする必要があり、白色度が非常に悪くなって
いる。この事からも本発明の効果は非常に高い事が理解
される。2,5ージヒドロフランを単独使用した実験N
o.比較例10は白色度が極めて高い重合体を得る事が
可能であるが、重合収率が非常に低く工業的に採用でき
るものではない。水溶性メルカプタンを単独使用した実
験No.比較例11の場合は目標の白色度を得る事がで
きていない。実験No.本発明例4〜7、比較例9〜1
1は、いずれも臭いは無かった。また、実験No.本発
明例4〜7、比較例10は、いずれも白色度の熱安定性
は極めて良好であった。
【0035】
【表2】
【0036】
【実施例】
【3】有機媒体中で溶液重合を行う場合において、平均
分子量(Mw)100,000を目標として連鎖移動剤
の種類を変化させて重合した例を表3に示す。即ち、ア
クリロニトリル85部、塩化ビニリデン15部、アゾビ
スイソブチロニトリル0.5部をジメチルホルムアミド
500部に溶解し、窒素置換を行い、60℃にて3時間
溶液重合を行った後、得られた溶液をメタノール中に析
出させて水洗した結果である。かかる系のような溶液重
合の場合、60%以上の重合収率、2.0以下の白色度
が望まれている。かかる要望に対し、本発明を満たす実
験No.本発明例8、9では、重合度の調節された、白
色度の高い、臭いのない重合体が重合収率高く得られて
いる事が理解される。これに対し、2,5ージヒドロフ
ランを単独で使用した実験No.比較例12は白色度は
非常に高いが重合収率が極めて低い。水溶性メルカプタ
ンを単独使用した実験No.比較例13、14は目的と
する白色度が得られていない。アミン類を使用した実験
No.比較例15、17は重合収率、白色度共極めて低
い。非水溶性メルカプタンを使用した実験No.比較例
16、18は、臭いが残留してしまううえに重合収率、
白色度共に悪い。
【0037】
【表3】
【0038】
【実施例】
【4】無機塩を含有する水系媒体中で、平均分子量Mw
150,000を目標として連鎖移動剤の種類を変えて
溶液重合を行った例を表4に示す。即ち、アクリロニト
リル96.5部、メタクリル酸メチル3.5部、アゾビ
スイソブチロニトリル1部の溶液を純水315部、チオ
シアン酸ナトリウム235部からなる溶液に溶解し、連
鎖移動剤を添加して60℃、2時間重合を行った後、得
られた溶液を水中に析出させ、水洗を行った結果であ
る。本発明を満たす実験No.本発明例10,11は、
重合度の調節された、白色度の高い、臭いのない重合体
を重合収率高く得る事が可能である事が理解される。こ
れに対し、連鎖移動剤を使用しない実験No.19では
Mwが高くなってしまうばかりか白色度も満足したもの
が得られてない。2,5ージヒドロフランを単独で使用
した実験No.比較例20では白色度は非常に高いが重
合収率が極めて低い。水溶性メルカプタンを単独使用し
た実験No.比較例21、22は重合収率は高いもの
の、商品価値のある白色度の重合体を得ることができな
い事を示している。実験No.本発明例10、11、比
較例19〜22共、いずれも臭いは無かった。
【表4】
【0039】
【実施例】
【5】水性媒体中でレドックス系触媒を用いる懸濁重合
において、平均分子量Mw100,000を目標とし
て、連鎖移動剤の種類を変えて連続重合で行った結果を
表5に示す。即ち、純水230部、アクリロニトリル9
0部、酢酸ビニル10部、pースチレンスルホン酸ソー
ダ0.7部そして重合開始剤として過硫酸カリウム0.
5部、亜硫酸ナトリウム0.6部、連鎖移動剤(表5中
に記載した 部)をステンレス重合槽中の滞留時間60
分となるように前記した比率で連続的に添加した時の結
果である。重合温度は60℃であった。アクリロニトリ
ルを単量体主成分とするかかる重合の場合、白色度1.
5以下、重合収率80%以上である事が望まれている。
これに対し本発明を満たす実験No.本発明例12〜1
4では、重合度の調節された、白色度が高く且つその熱
安定性の良い、臭いのない重合体を高い重合収率で得ら
れている事が理解される。このように、アクリル系単量
体のレドックス触媒系では本発明方法は非常に効果が高
い事を示している。これに対し、2,5ージヒドロフラ
ンを単独で使用した実験No.比較例23は白色度は非
常に高いが重合収率が極めて低い。水溶性メルカプタン
を単独使用した実験No.比較例24〜26は望まれて
いる白色度を得ることができない事を示している。非水
溶性メルカプタンを連鎖移動剤として使用した実験N
o.比較例27,28は白色度が劣るばかりか臭いが残
留してしまう。
【0040】
【表5】
【0041】
【発明の効果】本発明の方法で重合を行う事により、白
色度やその熱安定性の高い、重合度の調節された、臭気
がない重合体を高い重合収率で製造する事が可能となっ
た。この為、樹脂、フィルム、繊維、粉体等多岐にわた
って商品価値の高い成形加工体を提供できるようになっ
た。重合体そのものについても非常に商品価値の高いも
のを得る事が出来る。これは、本発明により得た重合体
が乾燥、熱処理、溶融、溶解等を行っても白色度の低下
が非常に少ないという特徴を有する為である。また、本
発明によって得た重合体を、塗装、染色等を行う際に、
鮮明に色を付与する事が可能であるという特徴も有す
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル及び/又はビニリデン系単量体を
    ラジカル重合又はラジカル共重合するに当たり、連鎖移
    動剤として2,5ージヒドロフランと水溶性メルカプタ
    ンを該単量体に対して0.1〜5.0重量%となるよう
    に併用使用する事を特徴とする重合体製造方法。
  2. 【請求項2】 単量体主成分がアクリロニトリルである
    ことを特徴とする請求項1記載の重合体製造方法。
  3. 【請求項3】 重合系が水性媒体であることを特徴とす
    る請求項1または請求項2記載の重合体製造方法。
  4. 【請求項4】 重合開始剤がレドックス系であることを
    特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の重合体製造方
    法。
  5. 【請求項5】 重合系が有機媒体であることを特徴とす
    る請求項1または請求項2記載の重合体製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1998004595A1 (fr) * 1996-07-25 1998-02-05 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Procede de fabrication d'un ester d'acides poly(meth)acrylique
JP2000128911A (ja) * 1998-10-23 2000-05-09 Soken Chem & Eng Co Ltd 塊状重合用触媒および該触媒を用いた塊状重合法

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