JPH071488A - 塩素含有樹脂製床材の製造方法 - Google Patents
塩素含有樹脂製床材の製造方法Info
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- JPH071488A JPH071488A JP26253193A JP26253193A JPH071488A JP H071488 A JPH071488 A JP H071488A JP 26253193 A JP26253193 A JP 26253193A JP 26253193 A JP26253193 A JP 26253193A JP H071488 A JPH071488 A JP H071488A
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- Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 焼却処理及び火災時に発生する塩化水素を捕
捉することができる塩素含有樹脂製床材の製造方法を得
ること。 【構成】 塩素含有樹脂、可塑剤、炭酸カルシウム、安
定剤及び塩化水素捕捉剤を主成分とする混合物を加熱混
練してシート状に成形し、冷却後、その成形物を所定の
形状と大きさに切断する塩素含有樹脂製床材の製造方法
であって、前記塩化水素捕捉剤として、含水性非晶質ケ
イ酸カルシウムに、炭素数６〜２４の有機脂肪酸または
／および官能基としてカルボキシル基を重合体中に保有
する熱可塑性樹脂を、含水性非晶質ケイ酸カルシウム１
００重量部に対して０．１〜５０重量部配合してなる塩
化水素捕捉剤を使用することを特徴とするもの。
捉することができる塩素含有樹脂製床材の製造方法を得
ること。 【構成】 塩素含有樹脂、可塑剤、炭酸カルシウム、安
定剤及び塩化水素捕捉剤を主成分とする混合物を加熱混
練してシート状に成形し、冷却後、その成形物を所定の
形状と大きさに切断する塩素含有樹脂製床材の製造方法
であって、前記塩化水素捕捉剤として、含水性非晶質ケ
イ酸カルシウムに、炭素数６〜２４の有機脂肪酸または
／および官能基としてカルボキシル基を重合体中に保有
する熱可塑性樹脂を、含水性非晶質ケイ酸カルシウム１
００重量部に対して０．１〜５０重量部配合してなる塩
化水素捕捉剤を使用することを特徴とするもの。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、特願平５−２５０５１
４号に開示した塩化水素捕捉剤を用いた、火災時に有害
な塩化水素を発生しない塩素含有樹脂製床材の製造方法
に関するものである。
４号に開示した塩化水素捕捉剤を用いた、火災時に有害
な塩化水素を発生しない塩素含有樹脂製床材の製造方法
に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来より、塩素含有樹脂、特にポリ塩化
ビニルは、難燃性を示すので難燃素材として床材に多量
に用いられている。しかし、最近では、逆に火災時に有
毒ガス及び黒煙を多量に発生するので問題になってい
る。また、使用後に焼却処理する時も最近の環境問題の
高まりの中でこの点が問題になっている。すなわち、廃
棄後焼却処理した時に発生する塩化水素が大気汚染、ひ
いては酸性雨の原因になったり、焼却炉が塩化水素によ
って腐食して耐久性が低下したり、黒い煙が大量に発生
するなどの欠点がクローズアップされている。特に塩素
含有樹脂製床材は、火災などの際、燃焼時に人体に有害
な塩化水素ガスを多量に発生し、煙の害とともに社会問
題になっている。
ビニルは、難燃性を示すので難燃素材として床材に多量
に用いられている。しかし、最近では、逆に火災時に有
毒ガス及び黒煙を多量に発生するので問題になってい
る。また、使用後に焼却処理する時も最近の環境問題の
高まりの中でこの点が問題になっている。すなわち、廃
棄後焼却処理した時に発生する塩化水素が大気汚染、ひ
いては酸性雨の原因になったり、焼却炉が塩化水素によ
って腐食して耐久性が低下したり、黒い煙が大量に発生
するなどの欠点がクローズアップされている。特に塩素
含有樹脂製床材は、火災などの際、燃焼時に人体に有害
な塩化水素ガスを多量に発生し、煙の害とともに社会問
題になっている。
【０００３】また、従来より、ポリ塩化ビニル製床材に
は、増量剤、耐熱性・耐摩耗性充填剤として炭酸カルシ
ウムが多量に配合されているが、この炭酸カルシウムで
は、火災時、焼却処理時に発生する塩化水素捕捉剤とし
ての効果が少なかった。実際の火災や焼却処理では、約
２８０℃で脱塩化水素がポリ塩化ビニル樹脂中で起こ
り、約４５０℃までにほぼ全ての塩化水素が発生してし
まうからである。特に、火災では、初期の低温で黒煙や
有毒ガスが発生してしまうため、塩素含有樹脂が難燃性
であっても有害な樹脂となる。
は、増量剤、耐熱性・耐摩耗性充填剤として炭酸カルシ
ウムが多量に配合されているが、この炭酸カルシウムで
は、火災時、焼却処理時に発生する塩化水素捕捉剤とし
ての効果が少なかった。実際の火災や焼却処理では、約
２８０℃で脱塩化水素がポリ塩化ビニル樹脂中で起こ
り、約４５０℃までにほぼ全ての塩化水素が発生してし
まうからである。特に、火災では、初期の低温で黒煙や
有毒ガスが発生してしまうため、塩素含有樹脂が難燃性
であっても有害な樹脂となる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の事情に鑑みなされたもので、塩素含有樹脂が初期
着色、経時的着色を起こさず、焼却処理及び火災時に発
生する塩化水素を効率的に捕捉することができる塩素含
有樹脂製床材の製造法を提供することを目的とする。
従来の事情に鑑みなされたもので、塩素含有樹脂が初期
着色、経時的着色を起こさず、焼却処理及び火災時に発
生する塩化水素を効率的に捕捉することができる塩素含
有樹脂製床材の製造法を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段および作用】本発明が提供
する塩素含有樹脂製床材の製造方法は、塩素含有樹脂、
可塑剤、炭酸カルシウムで代表される充填剤、安定剤及
び塩化水素捕捉剤を主成分とする混合物を加熱混練して
シート状に成形し、冷却後、その成形物を所定の形状と
大きさに切断する塩素含有樹脂製床材の製造方法であっ
て、前記塩化水素捕捉剤として次の（１）〜（３）の塩
化水素捕捉剤のうち少なくとも１つを使用することを特
徴とするものである。
する塩素含有樹脂製床材の製造方法は、塩素含有樹脂、
可塑剤、炭酸カルシウムで代表される充填剤、安定剤及
び塩化水素捕捉剤を主成分とする混合物を加熱混練して
シート状に成形し、冷却後、その成形物を所定の形状と
大きさに切断する塩素含有樹脂製床材の製造方法であっ
て、前記塩化水素捕捉剤として次の（１）〜（３）の塩
化水素捕捉剤のうち少なくとも１つを使用することを特
徴とするものである。
【０００６】（１）塩素含有樹脂の燃焼時に発生する塩
化水素を樹脂内部で化学的に捕捉する目的で同樹脂に配
合する塩化水素捕捉剤であって、含水性非晶質ケイ酸カ
ルシウムに、炭素数６〜２４の有機脂肪酸または／およ
び官能基としてカルボキシル基を、重合体中に保有する
熱可塑性樹脂を含水性非晶質ケイ酸カルシウム１００重
量部に対して０．１〜５０重量部配合してなる塩化水素
捕捉剤。
化水素を樹脂内部で化学的に捕捉する目的で同樹脂に配
合する塩化水素捕捉剤であって、含水性非晶質ケイ酸カ
ルシウムに、炭素数６〜２４の有機脂肪酸または／およ
び官能基としてカルボキシル基を、重合体中に保有する
熱可塑性樹脂を含水性非晶質ケイ酸カルシウム１００重
量部に対して０．１〜５０重量部配合してなる塩化水素
捕捉剤。
【０００７】（２）塩素含有樹脂の燃焼時に発生する塩
化水素を樹脂内部で化学的に捕捉する目的で同樹脂に配
合する塩化水素捕捉剤であって、カップリング剤で表面
処理した含水性非晶質ケイ酸カルシウムに、炭素数６〜
２４の有機脂肪酸または／および官能基としてカルボキ
シル基を、重合体中に保有する熱可塑性樹脂を含水性非
晶質ケイ酸カルシウム１００重量部に対して０．１〜５
０重量部配合してなる塩化水素捕捉剤。
化水素を樹脂内部で化学的に捕捉する目的で同樹脂に配
合する塩化水素捕捉剤であって、カップリング剤で表面
処理した含水性非晶質ケイ酸カルシウムに、炭素数６〜
２４の有機脂肪酸または／および官能基としてカルボキ
シル基を、重合体中に保有する熱可塑性樹脂を含水性非
晶質ケイ酸カルシウム１００重量部に対して０．１〜５
０重量部配合してなる塩化水素捕捉剤。
【０００８】（３）塩素含有樹脂の燃焼時に発生する塩
化水素を樹脂内部で化学的に捕捉する目的で同樹脂に配
合する塩化水素捕捉剤であって、チタネート系カップリ
ング剤で表面処理した含水性非晶質ケイ酸カルシウム
に、炭素数６〜２４の有機脂肪酸または／および官能基
としてカルボキシル基を重合体中に保有する熱可塑性樹
脂を、含水性非晶質ケイ酸カルシウム１００重量部に対
して０．１〜５０重量部配合してなる塩化水素捕捉剤。
化水素を樹脂内部で化学的に捕捉する目的で同樹脂に配
合する塩化水素捕捉剤であって、チタネート系カップリ
ング剤で表面処理した含水性非晶質ケイ酸カルシウム
に、炭素数６〜２４の有機脂肪酸または／および官能基
としてカルボキシル基を重合体中に保有する熱可塑性樹
脂を、含水性非晶質ケイ酸カルシウム１００重量部に対
して０．１〜５０重量部配合してなる塩化水素捕捉剤。
【０００９】本発明に用いる合成ケイ酸カルシウムは、
非晶質かつ含水性で、一般式は、次式で示されるもので
ある。
非晶質かつ含水性で、一般式は、次式で示されるもので
ある。
【００１０】ｘＣａＯ・ｙＳｉＯ2 ・ｚＨ2 Ｏ（ｘ／ｙ
＝１〜２、ｚ＞０） 合成ケイ酸カルシウムは、例えば、オートクレーブ中で
水熱反応により、下記のように製造される。
＝１〜２、ｚ＞０） 合成ケイ酸カルシウムは、例えば、オートクレーブ中で
水熱反応により、下記のように製造される。
【００１１】
【数１】
【００１２】ただし、Ｃ：ＣａＯ、Ｓ：ＳｉＯ2 、Ｈ：
Ｈ2 Ｏである。
Ｈ2 Ｏである。
【００１３】本発明に用いられる合成ケイ酸カルシウム
は、通常１５０℃以下で生成する含水性非晶質ケイ酸カ
ルシウム（一般名：Ｃ−Ｓ−Ｈ）である。塩素含有樹脂
は、ポリ塩化ビニルホモポリマーに限定されない。これ
には、塩化ビニルを主体とするブロック共重合体、グラ
フト共重合体、さらには塩化ビニル樹脂を主体とするポ
リマーブレンドが包含される。塩化ビニルと共重合され
るコモノマーとしては、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、
アクリル酸、メタアクリル酸およびそのエステル類、ア
クリロニトリル類、エチレン、プロピレン等のオレフィ
ン類、マレイン酸およびその無水物などを挙げることが
できる。これらは、１種または２種以上の混合物として
使用される。またポリ塩化ビニリデンにも、ポリ塩化ビ
ニル樹脂の例と同じく、ホモポリマー、ブロック共重合
体、グラフト共重合体、またはポリマーブレンドが包含
される。その他にも塩素化ポリエチレンや塩素化ポリ塩
化ビニルなども含まれる。
は、通常１５０℃以下で生成する含水性非晶質ケイ酸カ
ルシウム（一般名：Ｃ−Ｓ−Ｈ）である。塩素含有樹脂
は、ポリ塩化ビニルホモポリマーに限定されない。これ
には、塩化ビニルを主体とするブロック共重合体、グラ
フト共重合体、さらには塩化ビニル樹脂を主体とするポ
リマーブレンドが包含される。塩化ビニルと共重合され
るコモノマーとしては、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、
アクリル酸、メタアクリル酸およびそのエステル類、ア
クリロニトリル類、エチレン、プロピレン等のオレフィ
ン類、マレイン酸およびその無水物などを挙げることが
できる。これらは、１種または２種以上の混合物として
使用される。またポリ塩化ビニリデンにも、ポリ塩化ビ
ニル樹脂の例と同じく、ホモポリマー、ブロック共重合
体、グラフト共重合体、またはポリマーブレンドが包含
される。その他にも塩素化ポリエチレンや塩素化ポリ塩
化ビニルなども含まれる。
【００１４】
【作用】含水性非晶質ケイ酸カルシウムを塩素含有樹脂
に配合した場合、含水性非晶質ケイ酸カルシウムの活性
が高いため、初期着色、経時的着色を起こす。しかし、
本発明の床材においては、その製造過程において、塩素
含有樹脂の初期着色、経時的着色を起こさない。
に配合した場合、含水性非晶質ケイ酸カルシウムの活性
が高いため、初期着色、経時的着色を起こす。しかし、
本発明の床材においては、その製造過程において、塩素
含有樹脂の初期着色、経時的着色を起こさない。
【００１５】したがって、この発明によれば、火災時や
焼却時に発生する塩化水素を捕捉し、かつ物性、外観等
に全く変化を与えない床材を製造できる。すなわち、火
災時及び焼却時に塩化水素の発生しない、またはその希
望量を抑制する床材を製造することができる。製造方法
としては、押出法、ペースト加工法、カレンダー法等を
使用することができる。
焼却時に発生する塩化水素を捕捉し、かつ物性、外観等
に全く変化を与えない床材を製造できる。すなわち、火
災時及び焼却時に塩化水素の発生しない、またはその希
望量を抑制する床材を製造することができる。製造方法
としては、押出法、ペースト加工法、カレンダー法等を
使用することができる。
【００１６】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例とともに説明
する。
する。
【００１７】（１）以下に述べる実施例、比較例におい
ては、下記の要領で床材を調整した。そして、床材作成
時の初期着色及び燃焼時の塩化水素発生量を測定した。
表２は、その結果を示す。
ては、下記の要領で床材を調整した。そして、床材作成
時の初期着色及び燃焼時の塩化水素発生量を測定した。
表２は、その結果を示す。
【００１８】ポリ塩化ビニルコンパウンドによる床材の
調整 ポリ塩化ビニル（酢ビ含量７％、平均重合度７００、チ
ッソ（株）製ＭＡ−８００）１００重量部に対して可塑
剤のＢＢＰ（フタル酸ブチルベンジル）とＤＩＤＰ（フ
タル酸ジイソデシル）の２：１混合品４５重量部、安定
剤６重量部、水添ロジン樹脂２０重量部、アスベスト１
００重量部、炭酸カルシウム３７０重量部、酸化チタン
１０重量部及び塩化水素捕捉剤３０重量部をブレンダー
で均一に混合し、ついで、１５０℃で５分間、バンバリ
ーミキサーにて混練し、ついで１６０℃のカレンダーロ
ールでシート化した後、冷却し、所定のサイズに切断し
た。
調整 ポリ塩化ビニル（酢ビ含量７％、平均重合度７００、チ
ッソ（株）製ＭＡ−８００）１００重量部に対して可塑
剤のＢＢＰ（フタル酸ブチルベンジル）とＤＩＤＰ（フ
タル酸ジイソデシル）の２：１混合品４５重量部、安定
剤６重量部、水添ロジン樹脂２０重量部、アスベスト１
００重量部、炭酸カルシウム３７０重量部、酸化チタン
１０重量部及び塩化水素捕捉剤３０重量部をブレンダー
で均一に混合し、ついで、１５０℃で５分間、バンバリ
ーミキサーにて混練し、ついで１６０℃のカレンダーロ
ールでシート化した後、冷却し、所定のサイズに切断し
た。
【００１９】（２）実施例における塩化水素捕捉剤の配
合量は、ポリ塩化ビニルの燃焼時に発生する塩化水素量
の約５０％を捕捉する化学量論的計算量とした。本実施
例の場合は、ポリ塩化ビニル樹脂１００重量部に対して
３０重量部とした。この量は、炭酸カルシウム配合量３
０重量部に代えて配合するものとする。配合例は、表１
に示した。
合量は、ポリ塩化ビニルの燃焼時に発生する塩化水素量
の約５０％を捕捉する化学量論的計算量とした。本実施
例の場合は、ポリ塩化ビニル樹脂１００重量部に対して
３０重量部とした。この量は、炭酸カルシウム配合量３
０重量部に代えて配合するものとする。配合例は、表１
に示した。
【００２０】
【表１】
【００２１】（３）実施例と比較例におけるポリ塩化ビ
ニル製床材の燃焼によって発生する塩化水素の発生量
は、管状電気炉とガス吸着びんとポンプを接続し、ポン
プから一定量の空気を管状電気炉内に送り、その中に入
れた硬質ポリ塩化ビニル製タイルを管状電気炉内で加熱
し、発生する塩化水素ガスを吸着びん中の水酸化ナトリ
ウム水溶液と反応させて吸着させ、水中の塩素濃度をＪ
ＩＳ Ｋ２０１（滴定法）によって測定した。測定条件
は次のとおりである。
ニル製床材の燃焼によって発生する塩化水素の発生量
は、管状電気炉とガス吸着びんとポンプを接続し、ポン
プから一定量の空気を管状電気炉内に送り、その中に入
れた硬質ポリ塩化ビニル製タイルを管状電気炉内で加熱
し、発生する塩化水素ガスを吸着びん中の水酸化ナトリ
ウム水溶液と反応させて吸着させ、水中の塩素濃度をＪ
ＩＳ Ｋ２０１（滴定法）によって測定した。測定条件
は次のとおりである。
【００２２】燃焼温度：５００℃、燃焼時間：３０分、
燃焼サンプル量：ＰＶＣ量として約０．２５ｇになるよ
うに秤量、吸着液：水酸化ナトリウム０．５％水溶液、
キャリアーガス：空気 （４）実施例において使用した塩化水素捕捉剤 実施例１ 含水性非晶質ケイ酸カルシウム（この場合、含水性非晶
質のｘＣａＯ・ｙＳｉＯ2 ・ｚＨ2 Ｏ、ｘ／ｙ＝１．
５、ｚ＞０）１００重量部に対してステアリン酸３重量
部添加し、これを約８０℃に加熱して含水性非晶質ケイ
酸カルシウムとステアリン酸を均一に混合し、冷却後、
粉末化した塩化水素捕捉剤。
燃焼サンプル量：ＰＶＣ量として約０．２５ｇになるよ
うに秤量、吸着液：水酸化ナトリウム０．５％水溶液、
キャリアーガス：空気 （４）実施例において使用した塩化水素捕捉剤 実施例１ 含水性非晶質ケイ酸カルシウム（この場合、含水性非晶
質のｘＣａＯ・ｙＳｉＯ2 ・ｚＨ2 Ｏ、ｘ／ｙ＝１．
５、ｚ＞０）１００重量部に対してステアリン酸３重量
部添加し、これを約８０℃に加熱して含水性非晶質ケイ
酸カルシウムとステアリン酸を均一に混合し、冷却後、
粉末化した塩化水素捕捉剤。
【００２３】実施例２ 含水性非晶質ケイ酸カルシウム（この場合、含水性非晶
質のｘＣａＯ・ｙＳｉＯ2 ・ｚＨ2 Ｏ、ｘ／ｙ＝１．
５、ｚ＞０）にチタネート系カップリング剤として１重
量％のイソプロピルイソステアロイルチタネートを添加
し、ヘンシェルミキサーを使用して約６０℃でカップリ
ング処理をし、このカップリング処理をした含水性非晶
質ケイ酸カルシウム１００重量部とステアリン酸３重量
部を約８０℃に加熱して混合し、冷却後、粉末化した塩
化水素捕捉剤。
質のｘＣａＯ・ｙＳｉＯ2 ・ｚＨ2 Ｏ、ｘ／ｙ＝１．
５、ｚ＞０）にチタネート系カップリング剤として１重
量％のイソプロピルイソステアロイルチタネートを添加
し、ヘンシェルミキサーを使用して約６０℃でカップリ
ング処理をし、このカップリング処理をした含水性非晶
質ケイ酸カルシウム１００重量部とステアリン酸３重量
部を約８０℃に加熱して混合し、冷却後、粉末化した塩
化水素捕捉剤。
【００２４】比較例１ 含水性非晶質ケイ酸カルシウム（この場合、含水性非晶
質のｘＣａＯ・ｙＳｉＯ2 ・ｚＨ2 Ｏ、ｘ／ｙ＝１．
５、ｚ＞０）をそのまま塩化水素捕捉剤とした。
質のｘＣａＯ・ｙＳｉＯ2 ・ｚＨ2 Ｏ、ｘ／ｙ＝１．
５、ｚ＞０）をそのまま塩化水素捕捉剤とした。
【００２５】比較例２ 塩化水素捕捉剤を配合していない従来配合の床材（ブラ
ンク例）。
ンク例）。
【００２６】比較例３ 炭酸カルシウム及び塩化水素捕捉剤を配合していない床
材。
材。
【００２７】（５）ポリ塩化ビニルの燃焼時に発生する
塩化水素の捕捉率の算出方法 燃焼させたポリ塩化ビニル供試品より発生した塩化水素
の実測値を供試品１ｇ当りに換算した値を測定値（ＨＣ
ｌ発生量／サンプル１ｇ当り）とする。この測定値より
供試品中のポリ塩化ビニル樹脂より発生するＨＣｌの発
生率（％）を求める。この発生率をもとに下記の式を用
いて計算を行った。
塩化水素の捕捉率の算出方法 燃焼させたポリ塩化ビニル供試品より発生した塩化水素
の実測値を供試品１ｇ当りに換算した値を測定値（ＨＣ
ｌ発生量／サンプル１ｇ当り）とする。この測定値より
供試品中のポリ塩化ビニル樹脂より発生するＨＣｌの発
生率（％）を求める。この発生率をもとに下記の式を用
いて計算を行った。
【００２８】
【数２】
【００２９】（６）塩化水素発生量の測定結果及び硬質
ポリ塩化ビニル製床材の初期着色度合は、表２のとおり
である。
ポリ塩化ビニル製床材の初期着色度合は、表２のとおり
である。
【００３０】
【表２】
【００３１】表２の結果から明らかなように、塩化水素
捕捉剤として含水性非晶質ケイ酸カルシウムをそのまま
配合した場合（比較例１）は、塩化水素の捕捉効果が高
いが、初期着色が著しいので、床材として不適である。
捕捉剤として含水性非晶質ケイ酸カルシウムをそのまま
配合した場合（比較例１）は、塩化水素の捕捉効果が高
いが、初期着色が著しいので、床材として不適である。
【００３２】実施例１、２は、比較例と比べて明らかに
塩化水素を希望量以上捕捉し、初期着色もなく、実用上
問題はない。
塩化水素を希望量以上捕捉し、初期着色もなく、実用上
問題はない。
【００３３】たしかに、比較例２は、３３．２％の塩化
水素を抑制している。これは従来より配合されている重
質炭酸カルシウムがその表面層で塩化水素と反応してい
ることを示している。しかし、その量は極めて少ないた
め、火災時、焼却時においては有害な塩化水素が多量発
生し問題がある。
水素を抑制している。これは従来より配合されている重
質炭酸カルシウムがその表面層で塩化水素と反応してい
ることを示している。しかし、その量は極めて少ないた
め、火災時、焼却時においては有害な塩化水素が多量発
生し問題がある。
【００３４】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
上述のような構成としたので、塩素含有樹脂が初期着
色、経時的着色を起こさず、しかも焼却処理及び火災時
に発生する塩化水素を捕捉できる塩素含有樹脂製床材の
製造方法を得ることができる。
上述のような構成としたので、塩素含有樹脂が初期着
色、経時的着色を起こさず、しかも焼却処理及び火災時
に発生する塩化水素を捕捉できる塩素含有樹脂製床材の
製造方法を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ２９Ｌ 31:10
Claims (1)
- 【請求項１】 塩素含有樹脂、可塑剤、炭酸カルシウム
で代表される充填剤、安定剤及び塩化水素捕捉剤を主成
分とする混合物を加熱混練してシート状に成形し、冷却
後、その成形物を所定の形状と大きさに切断する塩素含
有樹脂製床材の製造方法であって、前記塩化水素捕捉剤
として、次の（１）〜（３）の塩化水素捕捉剤のうち少
なくとも１つを使用することを特徴とする塩素含有樹脂
製床材の製造方法。 （１）塩素含有樹脂の燃焼時に発生する塩化水素を樹脂
内部で化学的に捕捉する目的で同樹脂に配合する塩化水
素捕捉剤であって、含水性非晶質ケイ酸カルシウムに、
炭素数６〜２４の有機脂肪酸または／および官能基とし
てカルボキシル基を重合体中に保有する熱可塑性樹脂
を、含水性非晶質ケイ酸カルシウム１００重量部に対し
て０．１〜５０重量部配合してなる塩化水素捕捉剤。 （２）塩素含有樹脂の燃焼時に発生する塩化水素を樹脂
内部で化学的に捕捉する目的で同樹脂に配合する塩化水
素捕捉剤であって、カップリング剤で表面処理した含水
性非晶質ケイ酸カルシウムに、炭素数６〜２４の有機脂
肪酸または／および官能基としてカルボキシル基を重合
体中に保有する熱可塑性樹脂を、含水性非晶質ケイ酸カ
ルシウム１００重量部に対して０．１〜５０重量部配合
してなる塩化水素捕捉剤。 （３）塩素含有樹脂の燃焼時に発生する塩化水素を樹脂
内部で化学的に捕捉する目的で同樹脂に配合する塩化水
素捕捉剤であって、チタネート系カップリング剤で表面
処理した含水性非晶質ケイ酸カルシウムに、炭素数６〜
２４の有機脂肪酸または／および官能基としてカルボキ
シル基を重合体中に保有する熱可塑性樹脂を、含水性非
晶質ケイ酸カルシウム１００重量部に対して０．１〜５
０重量部配合してなる塩化水素捕捉剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26253193A JPH071488A (ja) | 1993-02-26 | 1993-10-20 | 塩素含有樹脂製床材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5-37662 | 1993-02-26 | ||
| JP3766293 | 1993-02-26 | ||
| JP26253193A JPH071488A (ja) | 1993-02-26 | 1993-10-20 | 塩素含有樹脂製床材の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH071488A true JPH071488A (ja) | 1995-01-06 |
Family
ID=26376794
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26253193A Pending JPH071488A (ja) | 1993-02-26 | 1993-10-20 | 塩素含有樹脂製床材の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH071488A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN100462398C (zh) * | 2006-07-15 | 2009-02-18 | 庄广盛 | 一种耐磨型塑料地板的生产方法 |
Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS54146846A (en) * | 1978-05-09 | 1979-11-16 | Agency Of Ind Science & Technol | Stabilizer composition for chlorine-containing resin |
| JPS5939461A (ja) * | 1982-08-30 | 1984-03-03 | Komatsu Ltd | 粒子分散型耐摩耗性複合材料の製造方法 |
| JPH02190315A (ja) * | 1989-01-20 | 1990-07-26 | Tesuko:Kk | 籾殻混入塩化ビニル樹脂製シートの製造方法 |
-
1993
- 1993-10-20 JP JP26253193A patent/JPH071488A/ja active Pending
Patent Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS54146846A (en) * | 1978-05-09 | 1979-11-16 | Agency Of Ind Science & Technol | Stabilizer composition for chlorine-containing resin |
| JPS5939461A (ja) * | 1982-08-30 | 1984-03-03 | Komatsu Ltd | 粒子分散型耐摩耗性複合材料の製造方法 |
| JPH02190315A (ja) * | 1989-01-20 | 1990-07-26 | Tesuko:Kk | 籾殻混入塩化ビニル樹脂製シートの製造方法 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN100462398C (zh) * | 2006-07-15 | 2009-02-18 | 庄广盛 | 一种耐磨型塑料地板的生产方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19960213 |