JPH07148265A - 止血弁を有する医療器具 - Google Patents

止血弁を有する医療器具

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JPH07148265A
JPH07148265A JP5297936A JP29793693A JPH07148265A JP H07148265 A JPH07148265 A JP H07148265A JP 5297936 A JP5297936 A JP 5297936A JP 29793693 A JP29793693 A JP 29793693A JP H07148265 A JPH07148265 A JP H07148265A
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sheath
blood vessel
dilator
slit
film body
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JP5297936A
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English (en)
Inventor
Masaru Uchiyama
勝 内山
Tatsuo Kinebuchi
達夫 杵渕
Susumu Miyahara
将 宮原
Kyoko Yamaguchi
京子 山口
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 挿入物を挿入しない状態および挿入物を挿入
した状態の双方で、良好な止血作用を有し、さらに挿入
物を挿入し易い止血弁を有する医療器具を提供するこ
と。 【構成】 止血弁40が、可撓性の第1膜体42を有
し、この第1膜体42には、血管内に挿入されるカテー
テル管が膜体42を貫通する方向に挿通されるスリット
46が形成してあり、このスリット46が、カテーテル
管の差込み側で狭く、血管側で広い切込み断面を有す
る。第1膜体42の差込み側には、中央部に貫通孔48
が形成してある第2膜体44を配置することが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、患者の血管内にカテー
テル管などの長尺挿入物を挿入する際に用いられる止血
弁を有する医療器具の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】心不全等の心機能低下時の治療のために
用いる大動脈内バルーンポンピング法(IABP)、心
臓の回りの血管を広げるためなどの治療のために用いる
経皮的冠動脈形成方法(PTCA)、心臓の血流量を計
測するためなどに用いられる熱希釈カテーテル法(TD
C)などの治療法では、患者の動静脈血管内に、カテー
テル管を挿入する。このようなカテーテル管を患者の血
管内に挿入するために、カテーテル管挿入用具が用いら
れる。
【0003】カテーテル管挿入具は、シースと、このシ
ースに対して着脱自在に装着されるダイレータとを有
し、シース内にダイレータが挿入された状態で、患者の
血管内にダイレータの先端部が挿入され、血管の挿入口
をダイレータにより押し広げる。その後、ダイレータ
は、シースの基端部から抜き出される。シースの先端
は、血管の挿入口に挿入されたままである。その後、シ
ースの内部を通して、カテーテル管が血管内に導入され
る。
【0004】このようなカテーテル管挿入具では、シー
スの基端部側に、止血弁が装着してあり、ダイレータを
抜き取った後、カテーテル管を挿入するまでの間に、患
者の血管からシースを通して血液が漏出することを防止
している。この止血弁は、ダイレータがシース内に挿入
されている間と、シースを通してカテーテル管を血管内
に挿入する間にも、止血作用を奏することが要求され
る。
【0005】シース内に装着される止血弁としては、図
9に示すように、切込み状スリット1が形成された可撓
性の膜体3が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来例
に係る止血弁では、膜体3に形成されたスリット1を通
して、ダイレータ、カテーテル管およびガイドワイヤな
どの長尺挿入物7を血管内に挿入するため、特に挿入物
の径が大きい場合に、スリット1の端部に隙間5が生
じ、良好な止血作用を行うことができないおそれがあっ
た。
【0007】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、挿入物を挿入しない状態および挿入物を挿入した状
態の双方で、良好な止血作用を有し、さらに挿入物を挿
入し易い止血弁を有する医療器具を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の観点に係る止血弁を有する医療器具
は、止血弁が、可撓性の膜体を有し、この膜体には、血
管内に挿入される長尺挿入物が膜体を貫通する方向に挿
通されるスリットが形成してあり、このスリットが、長
尺挿入物の差込み側で狭く、血管側で広い切込み断面を
有することを特徴とする。
【0009】本発明の第2の観点に係る止血弁を有する
医療器具は、止血弁が、相互に近接して配置された可撓
性を有する第1膜体と第2膜体とを少なくとも有し、前
記第1膜体には、血管内に挿入される長尺挿入物が膜体
を貫通する方向に挿通されるスリットが形成してあり、
このスリットが、長尺挿入物の差込み側で狭く、血管側
で広い切込み断面を有し、前記第2膜体には、膜面を貫
通する貫通孔が形成してある止血弁を有することを特徴
とする。
【0010】前記第2膜体は、第1膜体の血管側に接触
して配置されることが好ましい。
【0011】
【作用】本発明の第1の観点に係る止血弁を有する医療
器具では、膜体のスリットに対して何も挿入されていな
い状態では、スリットが閉じているので、良好な止血作
用を奏する。また、膜体のスリットに対して何らかの長
尺挿入物が挿入されている場合には、血圧が、スリット
における幅広の切込み断面側から幅狭の切込み断面側に
作用し、幅狭の切込み断面側でスリットと挿入物との隙
間を閉じ、止血性が良好に保たれる。また、この止血弁
では、構造が単純なので、長尺挿入物の挿入も容易であ
る。
【0012】また、本発明の第2の観点に係る止血弁を
有する医療器具では、第1の観点に係る膜体と、膜面を
貫通する貫通孔が形成してある膜体とを組み合わせて用
いるので、長尺挿入物の挿入時および非挿入時の双方に
おいて、さらに止血性が向上する。また、この止血弁で
は、構造が単純なので、長尺挿入物の挿入も容易であ
る。
【0013】
【実施例】以下、本発明に係る止血弁を有する医療器具
を、図面に示す実施例に基づき説明する。図1は本発明
の一実施例に係る止血弁を有するシースの側面図、図2
は図1に示すシースに用いる止血弁の分解斜視図、図3
は図2に示す止血弁のIII−III線に沿う断面図、図4は
図1に示すシースにダイレータを差し込んでいる途中状
態を示す側面図、図5は図4に示すダイレータの基端部
側要部断面図、図6は図1に示すシースの使用状態を示
す説明図、図7(A)〜(E)は本発明の他の実施例で
用いる止血弁の第1膜体の変形例を示す斜視図および断
面図、図8(A)〜(D)は本発明の他の実施例で用い
る止血弁の第2膜体の変形例を示す斜視図および断面図
である。
【0014】図1に示すように、本発明の一実施例に係
る止血弁を有する医療器具は、長尺挿入物としてのカテ
ーテル管を患者の血管内に挿入するために用いられるシ
ース6である。シース6は、図4〜6に示すように、ダ
イレータ4と組み合わされて用いられる。
【0015】まず、ダイレータ4とシース6との概略に
ついて説明する。ダイレータ4は、図4,5に示すよう
に、血管の挿入口を押し広げるためのテーパ状先端部8
aが形成されたダイレータ本体8と、このダイレータ本
体8の基端部に接合してあるキャップ部10とを有す
る。
【0016】ダイレータ本体8は、図5に示すように、
中空のチューブで構成してあり、その内部に、ガイドワ
イヤ挿通孔8bが形成してある。このダイレータ本体8
の基端部に、ダイレータハブ部12およびキャップ部1
0が、接着または融着などの手段で接合してある。ダイ
レータ本体8は、たとえばフッソ樹脂、ポリアミド、ポ
リエチレン製のチューブで構成され、その内径は、たと
えば0.6〜1.0mmであり、その肉厚は、たとえば
0.2〜2.0mmである。
【0017】シース6は、図4に示すように、ダイレー
タ本体8の先端部8aが突き出すように差し込まれるシ
ース本体14と、このシース本体14の基端部に接合し
てあるシースハブ部16とを有する。シース本体14
は、図1に示すように、中空のチューブで構成してあ
り、その内部に、ダイレータ本体8が挿通するようにな
っている。シース本体14の長さは、その先端から、ダ
イレータ本体8のテーパ状先端部8aが突き出すように
設計される。
【0018】シース本体14は、たとえばフッソ樹脂、
ポリウレタン、ポリアミド製のチューブで構成され、そ
の内径は、たとえば1.0〜5.3mmであり、その肉厚
は、たとえば0.2〜0.6mmである。このシース本体
14の基端部には、シースハブ部16が、接着または融
着などの手段で接合してある。シースハブ部16には、
ルアーチューブ20が接続してある。ルアーチューブ2
0は、シース本体14とダイレータ本体8との隙間に連
通し、このルアーチューブ20を通して、血液の吸引、
ヘパリンなどの薬液や生理食塩水などの注入を行うこと
が可能になっている。
【0019】シースハブ部16は、図5に示すように、
キャップ部10の内部に形成してある嵌合用空間22内
に着脱自在に嵌合可能になっている。しかも、本実施例
では、シースハブ部16の外周に、リング状の係合用凸
部24が形成してあり、キャップ部10の内周に、係合
用凸部24に係合する係合用凹部26が形成してある。
【0020】係合用凸部24の突出高さは、特に限定さ
れないが、その外径が、シースハブ部16の外径の10
〜16%程度大きいことが好ましい。係合用凹部26の
溝深さは、係合用凸部24の突起が係合するように設計
される。シースハブ部16の外径aは、キャップ部10
の内径bに対して、同等以上、好ましくは、3%〜7%
大きいことが好ましい。キャップ部10内にシースハブ
部16が嵌合することで、キャップ部10の内径bが、
3〜7%拡張され、キャップ部10とシースハブ部16
との一体化が確実になり、これらが外れ難くなるからで
ある。
【0021】本実施例では、キャップ部10は、好まし
くはショア硬度で90A以下、さらに好ましくは85A
〜70Aの軟質合成樹脂で構成してあり、具体的には、
ポリウレタンまたはポリ塩化ビニル(PVC)、ナイロ
ン、天然ゴムなどで構成してある。また、シースハブ部
16は、好ましくはショア硬度で50D以上、さらに好
ましくは55D以上80D以下の硬質合成樹脂で構成し
てあり、具体的には、ABS、ポリ塩化ビニル(PV
C)、ポリアセタール、アクリル、ナイロン、ポリエチ
レン(PE)、ポリカーボネート(PC)、あるいはポ
リプロピレン(PP)などで構成してある。
【0022】本実施例に係るシース6のシースハブ部1
6には、図1に示すように、その内部に止血弁40が装
着してある。本実施例では、止血弁40は、相互に近接
して配置された第1膜体42と第2膜体44とで構成し
てある。これら第1膜体42および第2膜体44は、可
撓性を有する材質で構成され、たとえば天然ゴム、シリ
コンゴム、ポリウレタン、フッソゴム等の合成ゴムなど
で構成される。
【0023】第1膜体42および第2膜体44は、図
2,3に示すように、それぞれ円盤形状の膜体であり、
第1膜体42が血管側に配置され、第2膜体44が差込
み側に配置される。第1膜体42には、その中央部に、
一条のスリット46が形成してある。このスリット46
は、図3に示すように、ダイレータ本体8などの長尺挿
入物の差込み側で狭く、血管側で広い切込み断面を有す
る。差込み側の狭い切込み幅cは、そこを通して挿入さ
れる長尺挿入物の最大外径(たとえばダイレータ本体8
の外径f)などに応じて決定され、たとえば1〜5mmが
好ましい。また、血管側切込み幅dは、差込み側切込み
幅cに対して10〜70%大きく設計され、たとえば
1.1〜8.5mmが好ましい。血管側切込み幅dを差込
み側切込み幅cに対して大きくすることで、血圧を利用
して差込み側切込みを閉じ、良好な止血性を得ることが
できる。
【0024】第2膜体44には、その中央部に、膜面を
貫通する貫通孔48が形成してある。貫通孔48の内径
eは、貫通孔48に挿入される長尺挿入物の外径(一般
には、ガイドワイヤの径、使用されるカテーテル径また
はダイレータ径)よりも小さく設計されることが好まし
く、具体的には、0.1〜4.0mm程度が好ましい。
【0025】これら第1膜体42および第2膜体44の
膜厚t1 ,t2 は、特に限定されないが、長尺挿入物の
挿入がスムーズに行われ、適切なシール性を有するよう
に決定され、具体的には、それぞれ0.5〜5.0mm程
度が好ましい。本実施例に係るシース6を用いて、カテ
ーテル管を血管内に挿入するには、次のようにして行
う。まず、図6に示す患者の皮膚30の上から、図示省
略してある外套針(カニューラ)と内套針より構成され
る穿刺針を突き刺し、その先端を、血管32内に位置さ
せる。次に、外套針(カニューラ)を残したまま内套針
を抜き出し、内套針を抜き出した穴から、ガイドワイヤ
ー34を血管32内に挿入する。
【0026】次に、挿入したガイドワイヤー34に沿っ
て、外套針を抜き出し、その後、ガイドワイヤー34を
図5に示すダイレータ本体8の挿通孔8b内に通し、こ
のガイドワイヤー34に沿って、シース6とダイレータ
4とを一体化したカテーテル管挿入具の先端部を血管の
挿入口36に差し込む。その状態を図6に示す。
【0027】シース6内にダイレータ4を一体化させる
ために、本実施例では、シース6の基端部側のシースハ
ブ部16からダイレータ4のダイレータ本体8を差し込
み、ダイレータ本体8のテーパ状先端部8aを、シース
本体14の先端から突き出させる。そして、ダイレータ
4の基端部に形成してあるキャップ部10を、シース本
体8の基端部に形成してあるシースハブ部16の外周に
装着する。すなわち、シースハブ部16をキャップ部1
0の内周に押し込む。その結果、キャップ部10の内周
に形成してある係合用凹部26に、シースハブ部16の
外周に形成してある係合用凸部24が係合し、シース6
とダイレータ4とは、軸方向および回転方向に相対移動
不能になり、両者は一体化される。
【0028】その際に、本実施例では、キャップ部10
が、軟質合成樹脂で構成してあり、シースハブ部16が
硬質合成樹脂で構成してあることから、両者の嵌合は強
固であり、挿入作業時に、これらの嵌合が外れることは
ない。一体化されたシース6とダイレータ4とから成る
カテーテル管挿入具の先端を、図6に示すように、血管
の挿入口36に差し込めば、ダイレータ6の先端に形成
してあるテーパ状先端部8aが、血管の挿入口36を押
し広げる。さらにカテーテル管挿入具の先端を押し込め
ば、シース本体14の先端も、血管内に挿入される。
【0029】その後、カテーテル管挿入具の基端部を操
作し、キャップ部10をシースハブ部16に対して傾け
るなどして、係合用凸部24と係合用凹部26との係合
を解除し、キャップ部10をシースハブ部16から取り
外す。その際に、本実施例では、キャップ部10が、軟
質合成樹脂で構成してあることから、係合用凸部24と
係合用凹部26との係合の解除も容易である。なお、こ
の係合の解除をさらに容易にするために、キャップ部1
0の内周面には、潤滑剤を塗布してあることが好まし
い。潤滑剤としては、シリコンオイル、グリセリン、脂
肪酸、その他の界面活性剤などを用いることができる。
【0030】その後、キャップ部10をシースハブ部1
6に対して基端部側からガイドワイヤー34と共に引き
抜けば、ダイレータ本体8とガイドワイヤー34がシー
ス本体14内から引き抜かれる。その後、基端部側から
シース6内にカテーテル管を差し込めば、カテーテル管
は、血管32内に都合良く挿入される。
【0031】本実施例では、シース6のシースハブ部1
6内に、第1膜体42と第2膜体44とから成る止血弁
40が装着してあるので、シース6内にダイレータ本体
8あるいはカテーテル管などの長尺挿入物が挿入されて
いる間でも、シース先端側から流入する血液は、止血弁
40により良好にシールされる。特に、第1膜体42で
は、血圧が、スリットにおける幅広の切込み断面側から
幅狭の切込み断面側に作用し、幅狭の切込み断面側でス
リット46と挿入物との隙間を閉じ、止血性が良好に保
たれる。また、第2膜体44は、挿入物が貫通孔48内
に挿入されない状態では、止血性がないが、貫通孔48
に挿入物が差し込まれることにより、止血性が向上す
る。
【0032】ダイレータ4をシース6から抜取り、カテ
ーテル管を挿入する間までのように、止血弁40に対し
て何も挿入されていない状態では、第1膜体42のスリ
ット46が閉じているので、良好な止血作用を奏する。
本実施例の止血弁40では、構造が単純なので、ダイレ
ータ4またはカテーテル管などの長尺挿入物を挿入する
場合でも、挿入抵抗が過大にならず、挿入作業も容易で
ある。
【0033】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変するこ
とができる。たとえば、止血弁を構成する第1膜体とし
ては、図2に示す実施例に限定されず、図7に示す第1
膜体42a,42b,42c,42dを用いることも可
能である。図7(A)に示す第1膜体42aでは、スリ
ット46aが、十字形に交差した切込みで構成してあ
り、少なくとも一つの切込みについて、長尺挿入物の差
込み側で狭く、血管側で広い切込み断面を有する。
【0034】図7(B)に示す第1膜体42bでは、ス
リット46bが、Y字形に交差した切込みで構成してあ
り、各切込みについて、長尺挿入物の差込み側で狭く、
血管側で広い切込み断面を有する。スリットの切込み形
状としては、図7(A)および(B)以外にも、種々に
改変することが可能である。
【0035】図7(C)および(D)に示す第1膜体4
2cでは、膜体42cの差込み側表面に、凹曲面50が
形成してあり、その底部に、十字形のスリット46aが
形成してある。スリット46aの各切込みについて、長
尺挿入物の差込み側で狭く、血管側で広い切込み断面を
有する。
【0036】図7(E)に示す第1膜体42dでは、膜
体42dの差込み側表面に、凸曲面52が形成してあ
り、その頂部に、十字形のスリット46aが形成してあ
る。スリット46aの各切込みについて、長尺挿入物の
差込み側で狭く、血管側で広い切込み断面を有する。
【0037】また、止血弁を構成する第2膜体として
は、図2に示す実施例に限定されず、図8に示す第2膜
体44a,44b,42cを用いることも可能である。
図8(A),(B)に示す第1膜体44aでは、膜体4
4aの差込み側表面に、凹曲面54が形成してあり、そ
の底部に、貫通孔48aが形成してある。
【0038】図8(C)に示す第1膜体44bでは、膜
体44bの差込み側表面および血管側表面に、凹曲面5
6,56が形成してあり、その底部に、貫通孔48bが
形成してある。図8(D)に示す第1膜体44cでは、
膜体44cの血管側表面に、凹曲面58が形成してあ
り、その底部に、貫通孔48cが形成してある。
【0039】図7,8に示す第1膜体と第2膜体とを組
合せて用いることにより、図1〜6に示す実施例と同様
な作用を有する止血弁を有する医療器具を実現すること
ができる。上記実施例では、止血弁を、第1膜体と第2
膜体とで構成し、第1膜体を血管側に配置したが、本発
明では、これに限定されず、第2膜体を血管側に配置し
ても良い。また、本発明では、第1膜体のみで止血弁を
構成することも可能である。本発明では、第1膜体と第
2膜体との組合せで止血弁を構成することが最も好まし
いが、第1膜体のみで止血弁を構成しても、本発明の所
期の目的を達成することができる。また、本発明では、
止血弁として、第1膜体を含む構成であれば、膜体の積
層枚数は特に限定されず、三枚以上の膜体で止血弁を構
成することも可能である。
【0040】また、本発明の構造が適用される止血弁を
有する医療器具としては、上述した実施例のシースに限
らず、カテーテル管などの長尺挿入物を血管内に案内す
るために用いられる全ての医療器具に対して本発明の構
造を適用することができる。次に、本発明を、さらに具
体化した実施例に基づき説明する。
【0041】実施例1 第1膜体として、図2,3に示すように、中央部に一条
のスリット46が形成してある第1膜体42を用いた。
第1膜体42は、シリコンゴムで構成され、その外径
は、8.0mmであり、肉厚は、2.5mmであった。スリ
ット46における差込み側切込み幅cは、2.8mmであ
り、血管側切込み幅dは、4.6mmであった。
【0042】第2膜体としては、中央部に内径0.60
mmの貫通孔48が形成してある図2に示す第2膜体44
を用いた。第2膜体は、天然ゴムで構成され、その外径
は、8.0mmであり、肉厚は、1.2mmであった。これ
ら第1膜体42と第2膜体44とを、第1膜体42が血
管側に位置するように、図1に示すシース6のシースハ
ブ部16内に装着した。このシース6内に、外径1.9
mmのダイレータ本体8を差し込み、第1膜体と第2膜体
とからなる止血弁において、圧力可変可能な疑似血管回
路を用いた耐圧試験を行った結果、止血弁部より漏れの
生じた圧力は3400mmHgであった。また、止血弁
に対してダイレータ本体に差し込まない状態における耐
圧試験の結果は4300mmHgであった。
【0043】実施例2 第1膜体として、その外径が7.5mm、肉厚が2.2
mm、差込側切込み幅が2.5mm、血管側切込み幅が
4.1mmで、該第1膜体のみで止血弁を構成した他
は、実施例1と同様にして耐圧試験を行った。その結
果、ダイレータ本体差込み時は3100mmHg、非差
込み時は3900mmHgであった。
【0044】比較例1 スリットの切り込み幅が差込み側と血管側とで3.6m
mの同一幅である1の膜体のみで止血弁を構成した他は
実施例1と同様にして耐圧試験を行った。その結果、挿
入物差込み時は70mmHg、非差込み時は125mm
Hgであった。
【0045】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係る
止血弁を有する医療器具では、膜体のスリットに対して
何も挿入されていない状態では、スリットが閉じている
ので、良好な止血作用を奏する。また、膜体のスリット
に対して何らかの長尺挿入物が挿入されている場合に
は、血圧が、スリットにおける幅広の切込み断面側から
幅狭の切込み断面側に作用し、幅狭の切込み断面側でス
リットと挿入物との隙間を閉じ、止血性が良好に保たれ
る。また、この止血弁では、構造が単純なので、長尺挿
入物の挿入も容易である。
【0046】特に、このスリットが形成してある膜体
と、貫通孔が形成してある膜体とを組み合わせて止血弁
を構成すれば、止血性が総合的に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例に係る止血弁を有する
シースの側面図である。
【図2】図2は図1に示すシースに用いる止血弁の分解
斜視図である。
【図3】図3は図2に示す止血弁のIII−III線に沿う断
面図である。
【図4】図4は図1に示すシースにダイレータを差し込
んでいる途中状態を示す側面図である。
【図5】図5は図4に示すダイレータの基端部側要部断
面図である。
【図6】図6は図1に示すシースの使用状態を示す説明
図である。
【図7】図7(A)〜(E)は本発明の他の実施例で用
いる止血弁の第1膜体の変形例を示す斜視図および断面
図である。
【図8】図8(A)〜(D)は本発明の他の実施例で用
いる止血弁の第2膜体の変形例を示す斜視図および断面
図である。
【図9】図9は従来例に係る止血弁を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
4… ダイレータ 6… シース(止血弁を有する医療器具) 8… ダイレータ本体 8a… テーパ状先端部 10… キャップ部 14… シース本体 16… シースハブ部 24… 係合用凸部 26… 係合用凹部 32… 血管 36… 挿入口 40… 止血弁 42,42a,42b,42c,42d… 第1膜体 44,44a,44b,44c… 第2膜体 46,46a,46b… スリット 48,48a,48b,48c… 貫通孔

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 止血弁を有する医療器具であって、 前記止血弁が、可撓性の膜体を有し、この膜体には、血
    管内に挿入される長尺挿入物が膜体を貫通する方向に挿
    通されるスリットが形成してあり、このスリットが、長
    尺挿入物の差込み側で狭く、血管側で広い切込み断面を
    有することを特徴とする止血弁を有する医療器具。
  2. 【請求項2】 止血弁を有する医療器具であって、 前記止血弁が、相互に近接して配置された可撓性を有す
    る第1膜体と第2膜体とを少なくとも有し、前記第1膜
    体には、血管内に挿入される長尺挿入物が膜体を貫通す
    る方向に挿通されるスリットが形成してあり、このスリ
    ットが、長尺挿入物の差込み側で狭く、血管側で広い切
    込み断面を有し、 前記第2膜体には、膜面を貫通する貫通孔が形成してあ
    る止血弁を有する医療器具。
  3. 【請求項3】 前記第1膜体が、第2膜体の血管側に接
    触して配置される請求項2に記載の止血弁を有する医療
    器具。
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