JPH07147892A - 冷凍タマネギの製造方法 - Google Patents

冷凍タマネギの製造方法

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JPH07147892A
JPH07147892A JP30040093A JP30040093A JPH07147892A JP H07147892 A JPH07147892 A JP H07147892A JP 30040093 A JP30040093 A JP 30040093A JP 30040093 A JP30040093 A JP 30040093A JP H07147892 A JPH07147892 A JP H07147892A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 解凍して使用した場合に、新鮮なタマネギと
同様の優れた食感を有するとともに、加熱調理後に繊維
物が口の中に残らない優れた冷凍タマネギを製造できる
方法を提供すること。 【構成】 カット処理したタマネギを凍結処理するに際
し、予め水分含量が72〜89重量%になるように乾燥
処理し、次いで凍結処理を施すことを特徴とする冷凍タ
マネギの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カレー、スープ、シチ
ュー、ミートソース、カツ丼、親子丼等の食品の材料と
して好適に使用することができる冷凍タマネギの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】タマネギは、一般に乾燥処理あるいは凍
結処理等を施して保存されている。ここで用いられる乾
燥処理としては、特開昭58−152440号公報、特
開昭58−152441号公報及び特開昭59−480
43号公報等に記載の方法が知られている。これらの方
法により新鮮なタマネギを、水分約5〜10%程度にな
るまで乾燥すると、得られた乾燥タマネギは、復元して
も、タマネギ本来が有するシャリシャリとした歯ごたえ
のある食感を失ってしまう。また、このような乾燥タマ
ネギを油脂等を用いて加熱調理し、これを食べると、口
中に繊維物が残ってしまうという問題があった。一方、
凍結処理を施す方法としては、特開昭53−18760
号公報及び特開昭63−294738号公報等に記載の
方法が知られている。しかしながら、これらの方法によ
り、カット処理したタマネギ片をそのまま凍結したもの
は、容量が大きく輸送コストがかかるとともに、保存す
るために多大なスペースを必要とする。また、これらの
方法によるとタマネギ片同志が付着した状態で冷凍され
てしまうという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、解凍して使
用した場合に、新鮮なタマネギと同様の優れた食感を有
するとともに、加熱調理後に繊維物が口の中に残らない
優れた冷凍タマネギを製造できる方法を提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、新鮮なタマネ
ギの水分含量を特定の範囲内に低下させた後、凍結する
と、上記課題を効率的に解決できるとの知見に基づいて
なされたのである。すなわち、本発明は、カット処理し
たタマネギを凍結処理するに際し、予め水分含量が72
〜89重量%になるように乾燥処理し、次いで凍結処理
を施すことを特徴とする冷凍タマネギの製造方法を提供
する。本発明で使用するタマネギとしては、任意の新鮮
なタマネギが使用できる。通常は、新鮮なタマネギの外
皮を剥皮し、芽及び根を除去したものを用いるのが好ま
しい。具体的に使用できるタマネギの種類としては、も
みじ3号、ターボ、北もみじ、札幌黄、泉州黄等の黄タ
マネギ、愛知白等の白タマネギ等が例示できるが、これ
らに限定されるものではない。又、本発明では、新鮮な
タマネギを多少予備乾燥したものも使用できる。本発明
では、上記新鮮なタマネギを裁切(カット処理)したも
のを使用する。カットした後のタマネギの大きさは任意
であるが、食材として使用できる大きさ、形状であれば
よい。例えば、ダイス状、小片状、櫛形状、輪切状等に
することができる。カット処理に当たっては、ダイサー
やスライサー等を用いればよい。
【0005】本発明では、上記カット処理したタマネギ
を、乾燥処理に施して、水分含量を72〜89重量%
(以下、%と略称する。)、好ましくは80〜87.5%
に低下させた後、凍結することができるが、乾燥処理の
前に、ブランチング処理を施すのがよい。ブランチング
処理を施すことにより、乾燥処理時におけるタマネギの
赤色化を抑えることができ、また、タマネギに含まれる
渋味の発現を抑止することができる。更に、タマネギ表
面の硬化を防止することができる。ブランチングは、蒸
気処理、湯浸漬処理等により行えばよいが、タマネギの
甘味成分等が消失しない点において蒸気処理の方が望ま
しい。蒸気処理によるブランチングは、タマネギの品温
が60〜90℃に達温するまで行えばよく、具体的に
は、90〜110°Cの蒸気を層厚が30mm程度にな
るように積み上げたカットタマネギに1〜10分間当
て、好ましくは100〜102°Cの蒸気をタマネギに
2〜5分間当てて行うのが望ましい。上記条件よりも緩
やかな条件の場合、タマネギの有する渋味が感じられ、
乾燥処理時にタマネギが赤色化する傾向があり、また、
タマネギの表面が硬化する。反対に、上記条件よりも厳
しい条件の場合、タマネギの組織が崩れタマネギの有す
る甘味成分等が消失してしまう。又、湯浸漬処理として
は、90〜100°C、好ましくは95〜100°Cの
熱湯中に、1〜10分間浸漬するのがよい。
【0006】本発明では、次いで、タマネギを凍結処理
する前に、水分含量が72〜89%、好ましくは80〜
87.5%になるように乾燥処理する。水分含量が72%
に達しない場合には、カットしたタマネギの表面が過乾
燥され硬くなってしまい、タマネギ本来のシャリシャリ
とした歯ごたえのある食感を得ることができない。ま
た、加熱調理した場合に繊維物が残ってしまう。反対
に、水分含量が89%を越える場合には、乾燥処理から
凍結処理の間にタマネギからドリップが滲出し、タマネ
ギの甘味成分等が消失してしまう。また、本発明では、
上記した乾燥処理により上記水分含量に調整するに当た
り、カット処理したタマネギの重量が40〜90%、好
ましくは60〜80%になるように、つまり歩留りが上
記値になるようにすればよい。乾燥処理方法としては、
熱風乾燥処理、過熱水蒸気処理、マイクロ波加熱乾燥処
理、減圧乾燥処理等が例示できる。このうち熱風乾燥処
理により、上記水分含量に調整する場合には、100〜
150°Cで5〜90分間、風速0.5〜10mの熱風を
カットしたタマネギに当てて行うのがよく、好ましくは
110〜130°Cで10〜25分間、風速3〜5mの
条件で行うのがよい。
【0007】以上の方法により、水分量を72〜89%
に調整したタマネギを、凍結処理、特にIQF(indivis
ual quick freezing) 処理するのが好ましい。これによ
り、解凍等の手間をかけることなく冷凍タマネギを料理
等に使用できる。具体的には、パンチング板上にタマネ
ギ片を載せ、該パンチング板の下方から約−16°C程
度の冷風を約5〜10分間吹き上げることにより、上記
タマネギ片同志を付着させることなくひとつひとつを凍
結させることができる。本発明では、上記冷凍したタマ
ネギが冷凍されたままの状態で保存できる限り、任意の
条件で保存することができるが、−18°C以下で保存
するのが好ましい。具体的には、上記冷凍タマネギをプ
ラスチック製の袋又はコンテナー等に充填した後、密封
状態で−18°C以下で保存するのが好ましい。
【0008】
【発明の効果】本発明によれば、カレー、スープ、シチ
ュー、ミートソース、カツ丼、親子丼等の調理時に、他
の食品原料とともに使用することにより、又はチャーハ
ンなどに加えることにより、新鮮なタマネギと同様の優
れた食感を有するとともに、加熱調理後に繊維物が口の
中に残らないといった、優れた冷凍タマネギが得られ
る。さらに、本発明の方法により得られる冷凍タマネギ
は、輸送コストがかからず、保存スペースも小さくでき
るとともに、凍結の際、タマネギ片同志の付着を防止で
きるという優れた効果も得られる。さらに、乾燥処理前
にブランチング処理を採用することにより、処理タマネ
ギのもつ渋味の発現を抑止でき、乾燥処理におけるタマ
ネギの赤色への変色を防止できる。又、ブランチング処
理を蒸気により行うことにより、タマネギのもつ甘味等
の消失を防止できるといった優れた効果が得られる。次
に実施例により本発明を説明する。
【0009】
【実施例】 実施例1 外皮を剥皮し、芽及び根を除去したタマネギ(品種:も
みじ3号)を、ダイサーを用いて13mm×20mm×
20mmの大きさにカット処理した後、タマネギの品温
が80°Cになるまで雰囲気温度100〜101°Cの
蒸気内で3分間保持し、カットタマネギにブランチング
処理を施した。次に、得られたタマネギ1000重量部
を、重量が600重量部(歩留り60%)になるまで
(水分含量83.3%になるまで)、120°C、風速5
m、20分間の条件で熱風乾燥処理し、これをパンチン
グ板上にまんべんなく載せ、該パンチング板の下方から
−16°Cの冷風を約10分間吹き上げ、冷凍タマネギ
を得た。
【0010】実施例2 ブランチング処理を施さないこと以外は、実施例1と同
様の方法により冷凍タマネギを得た。 実施例3 熱風乾燥処理を120°C、風速5m、10分間の条件
で行い、水分含量を87.5%(歩留り80%)にした以
外は、実施例1と同様の方法により冷凍タマネギを得
た。 実施例4 熱風乾燥処理を120°C、風速5m、27分間の条件
で行い、水分含量を80.0%(歩留り50%)にした以
外は、実施例1と同様の方法により冷凍タマネギを得
た。
【0011】比較例1 熱風乾燥処理を120°C、風速5m、45分間の条件
で行い、水分含量を66.7%(歩留り30%)にした以
外は、実施例1と同様にしておこなった。実施例1〜4
及び比較例1により得られた冷凍タマネギ100重量部
と、油脂6重量部を約40分間混合加熱して得られた焙
煎タマネギの食感について、以下の基準に基づき15人
のパネルにより官能評価した平均値を表−1に示す。 (評価基準) 1 : 口中に繊維物が残り非常に悪い、 2 : 口中に繊維物が残り悪い、 3 : 普通、 4 : 口中に繊維物は感じられず良い、 5 : 口中に繊維物は感じられず非常によい
【0012】
【表1】 表−1

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カット処理したタマネギを凍結処理する
    に際し、予め水分含量が72〜89重量%になるように
    乾燥処理し、次いで凍結処理を施すことを特徴とする冷
    凍タマネギの製造方法。
  2. 【請求項2】 水分含量が80〜87.5重量%になるよ
    うに乾燥処理を施す請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 乾燥処理が、熱風乾燥処理、マイクロ波
    加熱乾燥処理、過熱水蒸気処理又は減圧乾燥処理である
    請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 乾燥処理の前にブランチング処理を施す
    請求項1記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 ブランチング処理が、蒸気処理である請
    求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 蒸気処理を、タマネギの品温が60〜9
    0°Cに達温するまで行う請求項5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 凍結処理が、IQF処理である請求項1
    〜6のいずれか1項記載の製造方法。
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