JPH0714684U - 発熱電子部品の実装構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 発熱電子部品を発熱を良好に放熱し得るよ
う、しかも組み立て時に発熱電子部品を破損することな
く電気機器内に取り付けするための発熱電子部品の実装
構造を提供すること。 【構成】 電気機器の外殻ケース内の基板上にそのリー
ド端子部を半田付けして実装される電子部品を中空の円
筒形状を呈しその内周壁部に電子部品の周胴部のみを支
持する複数の凸部が形成される樹脂部品を被せて支持
し、電子部品を樹脂部品の中空部内にてその上下方向移
動に対して自由なるように支持できるようにし、電子部
品の端子部に圧縮荷重が加わることなく、半田部への応
力負荷がかからず半田部にクラックを生じ電気接続不良
を起こす恐れがない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、発熱電子部品を発熱を良好に放熱し得るよう電気機器内に取り付け するための発熱電子部品の実装構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の実装構造としては回路基板Ｂに実装されたトランジスタ素子の ような発熱電子部品を剛性の高い発熱電子部品固定具をもって外殻ケースの壁面 に押しつけて固定するものがある。その具体構成は図５に示すように、外殻ケー スｃの壁面の係合凹部ｍに両終端部を係合する発熱電子部固定具ａの中腹部に形 成した突起部ｄをもって発熱電子部品ｅを外殻ケースｃの壁面の係合凹部ｍ間の 壁面部分に押しつけて固定するものである。このような実装構造は、発熱電子部 品をネジをもって外殻ケース壁面直接的に取り付ける形式のものに較べて発熱電 子部品の構造の簡単化および固定のための工数において改善が成されているもの である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような実装構造にあっては、その実装時においては、発熱 電子部品固定具ａの両終端部が係合凹部ｍに納まるように、かつ、中腹部に形成 した突起部ｂが発熱電子部品ｅの背面に当接するように上方向から下方に向けて 剛性の強い発熱電子部品固定具ａを押し下げて圧入するものであるから、人手に よる組み立ての場合、強く、かつ、正確に押し込む必要があるために作業性が悪 く、また、押し込み方が不適切であると発熱電子部品の背面に過大な力が加わり 場合によっては発熱電子部品を破損してしまう恐れもある。

【０００４】 また、発熱電子部品ｅの発熱は、外殻ケースｃおよび発熱電子部品固定具ａを 介して放熱されることが期待されるものであるが、発熱電子部品固定具ａは突起 部ｂの頂点をもって僅かに発熱電子部品ｅを接っしているものであり、かつ、発 熱電子部品固定具ａ自体の熱容量も限られたものであるために発熱電子部品固定 具ａからの大量の放熱が期待できないものである。

【０００５】 そこで本考案は、発熱電子部品固定具の装着時において発熱電子部品を破損す るような過大な外力がこれに加わわることなく、かつ、発熱電子部品固定具を介 しての大量の放熱が期待できるような発熱電子部品の実装構造を提供しようとす るものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

外殻ケースと、放熱のために外殻ケースの壁面に固定する発熱電子部品とその 両終端部を外殻ケースの壁面の係合凹部に係合すると共にその中腹部にて発熱電 子部品を外殻ケースの壁面に押しつけ固定する発熱電子部固定具とによって発熱 電子部品の実装構造において、その発熱電子部品固定具を、その一部領域あるい は全領域にわたってバネ性をもつ波形状部を含むものとして構成する。

【０００７】

【作用】

発熱電子部品固定具は、その両終端部を外殻ケース壁面の係合凹部に係合する 際にその中腹部を発熱電子部品の背面に当接せぬように外殻ケース壁面から離れ る方向に拡張され、両終端部を外殻ケース壁面の係合凹部に係合し終わった時点 で、その弾性復帰力をもって発熱電子部品の背面に当接されて発熱電子部品を抱 持固定する。このために、発熱電子部品固定具の装着時において発熱電子部品を 破損するような過大な外力がこれに加わわることがない。

【０００８】 また、発熱電子部品固定具は、その一部領域あるいは全領域にわたって波形状 部を呈するものであるから放熱のための実効面積が大きく発熱電子部品固定具を 介しての大量の放熱が期待できる。

【０００９】

【実施例】

図１は、本考案の第１の実施例を示す。図中、１は、回路基板Ｂに実装された 発熱電子部品２を放熱を主目的として外殻ケース３の壁面に固定するための発熱 電子部品固定具で、外殻ケース３の壁面の係合凹部４にその両終端部を係合する ようして発熱電子部品２を外殻ケース３の壁面に押しつけ固定するものある。こ の発熱電子部固定具１は、平坦形状である両終端部以外の全領域がバネ性をもつ 波形状に構成される。この発熱電子部固定具１は、図２に示すように、かつ、後 述の説明のようにその実装時に弾性復帰力をもって同図中矢印のように弾性変形 が可能なものである。

【００１０】 本実施例の発熱電子部品固定具１は、実装時においてその両終端部を外殻ケー ス３の壁面の係合凹部に係合しつつ、その中腹部を発熱電子部品２の背面に当接 せぬように外殻ケース３の壁面から離れる方向に拡張させて装着されるもので、 両終端部が外殻ケース３の壁面の係合凹部４に係合し終わった時点で、その弾性 復帰力をもって発熱電子部品２の背面に当接されて発熱電子部品２を外殻ケース ３の壁面と共に抱持固定するものである。このために、発熱電子部品固定具１の 装着時において発熱電子部品１を破損するような過大な外力がこれに加わわるこ とがない。

【００１１】 図３は、本考案の第２の実施例を示す。図中、５は２個の発熱電子部品６a 、 ６b を外殻ケース７の壁面に固定するための発熱電子部品固定具で、外殻ケース ７の壁面の係合凹部８にその両終端部を係合するようにして発熱電子部品６a 、 ６b を外殻ケース７の壁面に押しつけ固定するものある。この発熱電子部固定具 ５は、それぞれの発熱電子部品６a 、６b と当接される部分を平坦形状部５a 、 ５b としているものであり、発熱電子部品固定具５の外殻ケース７の壁面方向に 向かう弾性復帰力を得るための水平方向に向かう波形状部９は発熱電子部品６a 、６b との当接部間およびこの当接部と両終端部間に形成されている。

【００１２】 本実施例の発熱電子部品固定具５は、実装時における作用については前記第１ の実施例の場合と同様であるのでその説明を省略するが、本実施例において改善 されている点は、複数の発熱電子部品を一個の発熱電子部品固定具によって固定 できる点、および発熱電子部品と発熱電子部品固定具とが多くの面積をもって接 触しているために発熱電子部品固定具を介してのより多量の放熱が期待できる点 である。

【００１３】 図４は、本考案の第３の実施例を示す。図中、10は２個の発熱電子部品11a 、 11b を外殻ケース12の壁面に固定するための発熱電子部品固定具で、外殻ケース 12の壁面の係合凹部13にその両終端部を係合するようにして発熱電子部品11a 、 11b を外殻ケース12の壁面に押しつけ固定するものある。この発熱電子部固定具 10は、それぞれの発熱電子部品11a 、11b との当接部14a 、14b をその上下方向 に向かう波形状に構成しているものであり、発熱電子部品固定具10の外殻ケース 12の壁面方向に向かう弾性復帰力を得るための水平方向に向かう波形状部15は発 熱電子部品11a 、11b との当接部間およびこの当接部と両終端部間に形成されて いる。

【００１４】 本実施例は、第１実施例での波形状部が全て水平方向に向っている結果、バネ 性に富みすぎ十分な押圧力を発揮できないと言う難点を改善したものであり、即 ち、本実施例の当接部14a 、14b を上下方向に向かう波形状にして発熱電子部品 固定具10全体の弾性復帰力を高めて十分な押圧力をもって発熱電子部品11a を外 殻ケース12の壁面に固定するものである。

【００１５】 更に本実施例では、その当接部14a 、14b が波形状に形成されているので第２ 実施例のものに較べて、この部分における放熱のための実効面積が大きく多量の 放熱が期待できる。

【００１６】

【考案の効果】

この考案は、外殻ケースと、その壁面に固定する発熱電子部品と、両終端部を 外殻ケースの壁面の係合凹部に係合すると共にその中腹部にて発熱電子部品を外 殻ケースの壁面に押しつける発熱電子部品固定具とによって発熱電子部品の実装 構造において、その発熱電子部品固定具の一部領域あるいは全領域にわたってバ ネ性をもつ波形状部を含むものとして構成したため、発熱電子部品固定具は、実 装時においてその中腹部を発熱電子部品の背面に当接せぬように外殻ケース壁面 から離れる方向に拡張され得るので、実装時における発熱電子部品を破損するよ うなことがない。

【００１７】 また、発熱電子部品固定具をその一部領域あるいは全領域にわたって波形状の ものとして構成したため、放熱のための実効面積が大きく発熱電子部品固定具を 介しての大量の放熱が期待できるものである。

【００１８】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例を示す斜視図である。

【図２】本考案の第１の実施例の説明図である。

【図３】本考案の第２の実施例を示す斜視図である。

【図４】本考案の第３の実施例を示す斜視図である。

【図５】従来例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 発熱電子部品固定具 ２ 発熱電子部品 ３ 外殻ケース ４ 係合凹部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】外殻ケースと、放熱のために外殻ケースの
   壁面に固定する発熱電子部品と、その両終端部を外殻ケ
   ースの壁面の係合凹部に係合すると共にその中腹部を発
   熱電子部品を外殻ケースの壁面に押しつけ固定する当接
   部とする発熱電子部固定具とよりなり、前記の発熱電子
   部品固定具は、その一部領域あるいは全領域にわたって
   バネ性をもつ波形状部を含むことを特徴とする発熱電子
   部品の実装構造
2. 【請求項２】前記の当接部が、発熱電子部品固定具の一
   部領域あるいは全領域にわたる前記の波形状部とは９０
   度異なる方向に波動する波形状部によって構成されてい
   ることを特徴とする実用新案登録請求項１の発熱電子部
   品の実装構造