JPH0714483A - マイクロバイメタルリレーおよびその製造方法 - Google Patents

マイクロバイメタルリレーおよびその製造方法

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JPH0714483A
JPH0714483A JP15045593A JP15045593A JPH0714483A JP H0714483 A JPH0714483 A JP H0714483A JP 15045593 A JP15045593 A JP 15045593A JP 15045593 A JP15045593 A JP 15045593A JP H0714483 A JPH0714483 A JP H0714483A
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substrate
layer
region
forming
thermal expansion
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JP15045593A
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Tetsuya Inui
哲也 乾
Koji Matoba
宏次 的場
Susumu Hirata
進 平田
Yorishige Ishii
頼成 石井
Zenjiro Yamashita
善二郎 山下
Kenji Ota
賢司 太田
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Original Assignee
Sharp Corp
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H1/00Contacts
    • H01H1/0036Switches making use of microelectromechanical systems [MEMS]
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H61/00Electrothermal relays
    • H01H2061/006Micromechanical thermal relay
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H61/00Electrothermal relays
    • H01H61/02Electrothermal relays wherein the thermally-sensitive member is heated indirectly, e.g. resistively, inductively

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気的信頼性の高いマイクロバイメタルリレ
ーおよびその製造方法を提供する。 【構成】 第1の熱膨張係数を有する可動基板28と、
この可動基板28の裏面側の表面上に形成された第1の
熱膨張係数よりも大きい第2の熱膨張係数を有する金属
層32と、この可動基板28の上に設けられた加熱手段
14と第1の接点層16と、第1の接点層16の上方に
所定の空間を介在して対面する位置に配置された固定基
板24とこの固定基板24の第1の接点層16に対向す
る位置に配置された第2の接点層20とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、マイクロバイメタル
リレーに関し、特に、微小な機械的動作により接点間の
開閉動作が行なわれるマイクロバイメタルリレーに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体の分野ではドライエッ
チング、フォトリソグラフィ、PVD、CVDなどの手
法を用いて、微小な電子回路を高密度に構成し、集積化
する技術が開発されてきている。
【0003】これらは、いわゆる電子回路を構成するも
のであるが、最近、これらの技術を応用して微小な機械
要素を構成し、従来にない微小機械システムを作成しよ
うとする試みがなされ始めている。
【0004】一般的には、半導体リソグラフィの手法を
用いて、静電式のマイクロモータ、リンク機構、アクチ
ュエータ、あるいはシリコン(Si)の異方性エッチン
グを用いた弾性構造体などが開発されている。
【0005】これらの応用としては、特開平4−269
41号公報、あるいは文献“An Electrostatic Micro
actuator For Electro-Mechanical Relay ”(IEEE Mic
ro Electro Mechanical Systems 1989 pp.14
9−151)に記載されるようなマイクロリレーがあ
る。
【0006】上記文献などに示されたマイクロリレー
は、静電吸引力を微小な機械要素の駆動力に用いてい
る。
【0007】以下、上記文献などに示されたマイクロリ
レーを図面を参照して説明する。まず、図10は、従来
のマイクロリレーの構成を概略的に示す分解斜視図であ
る。また、図11は、従来のマイクロリレーを構成する
固定部基体の平面図(a)と可動部基体の底面図(b)
である。
【0008】図10と図11(a),(b)とを参照し
て、従来のマイクロリレーは、固定部基体510と、可
動部基体520とを有している。固定部基体510は、
基板501と、固定接点層503a、503b、505
a、505bと、電極層507、509とを有してい
る。
【0009】基板501の一方端部側の表面上には、固
定接点層503aと503bとが、また基板501の他
方端部側の表面上には、固定接点層505aと505b
とが各々形成されている。
【0010】また、基板501の中央付近であって、一
方端部側には電極507が、他方端部側には電極509
が各々形成されている。
【0011】可動部基体520は、可動片511と、枢
支部515と、枠体部517とを有している。これら可
動片511と枢支部515と枠体部517とは一体形状
を有している。
【0012】すなわち、可動片511は、その側面中央
部の枢支部515を介在して枠体部517に一体的に結
合されている。可動片511は、枢支部515を挟んで
前片部511aと後片部511bとからなっている。
【0013】この前片部511aの下面には可動接点層
513aが、後片部511bの下面には固定接点層51
3bが各々形成されている。
【0014】この固定部基体510と可動部基体520
とは、固定接点層503a、503b、505a、50
5bと可動接点層513a、513bとが所定の間隔を
介して対向するように配置されている。
【0015】次に、この従来のマイクロリレーの動作に
ついて説明する。図12(a),(b)は、従来のマイ
クロリレーの動作を説明するためのマイクロリレーの概
略側面図である。まず、図10と図12(a)とを参照
して、まず電極507もしくは509のいずれかに電圧
が印加される。この際、可動片511はGND(接地)
状態とされる。
【0016】この電極への電圧の印加により、電極と可
動片511との間に静電吸引力が生じ、可動片511が
枢支部515を支点としてシーソー状に変位する。
【0017】次に、図10と図12(b)とを参照し
て、この変位により、たとえば可動接点層513aが固
定接点層503aと503bとに接触し、両固定接点層
503aと503bとの間が閉成される。
【0018】上記の電極への電圧の印加を断つと、可動
片511は枢支部515のねじれ復元力で現状(図10
(a))に復帰し、両固定接点層503aと503bと
の間が開放される。
【0019】以上のように、静電吸引力を駆動源に用い
た上述のマイクロリレーにおいては、静電力を発生させ
るための電極507と509とを構成するだけでよいた
め、構造は非常に簡単であるという利点を有している。
【0020】しかし、静電吸引力は、原理的にその発生
力が小さいため、リレーのように導通をとるためある程
度の接点荷重が要求されるものに対して不適である。以
下、この点について詳細に説明する。
【0021】一般に、静電吸引力を表わす式は、以下の
ように示される。
【0022】
【数1】 上記の式より、静電吸引力Fを大きくするためには、電
極面積Sを大きくするか、もしくは電極に印加する電圧
Vを大きくするかのいずれかである。しかしながら電極
面積Sを大きくした場合、マイクロリレー自体の寸法は
大きくなるため、高集積化に対応することができなくな
る。
【0023】また、電極に印加する電圧Vには、駆動電
圧として100〜数百Vが必要である。この駆動電圧値
は、電子回路の電源に比較して格段に大きい。
【0024】このように、電極に印加する電圧Vが大き
くなると、基板上に形成された素子間に高い耐圧が要求
されることとなる。この高い耐圧を満足するためには、
各素子間における高い電気分離の能力が要求される。す
なわち、各素子間および各配線間の分離領域を大きく確
保する必要が生じ、それゆえ高集積化に対応することが
できなくなる。
【0025】このような観点から電極面積Sと電極に印
加する電圧Vとを大きくすることは困難である。したが
って、静電吸引力を駆動源として用いる従来のマイクロ
リレーにおいては、大きい吸引力を得ることができな
い。
【0026】この静電吸引力を利用する方式に変わる駆
動方式として、熱膨張係数の異なる少なくとも2つの層
を貼り合せた構造が注目されている。
【0027】すなわち、熱膨張係数の異なる2つの層を
貼り合せた構造を加熱することにより、貼り合せられた
2つの層に変形力を与え、この変形力により機械要素の
駆動力が得られる。
【0028】この熱膨張係数の異なる少なくとも2つの
層を貼り合せた構造を駆動源に用いたものは、文献
“電気的に作動するノーマルクローズダイアフラムバル
ブ”(センサ技術1992年7月号、Vol.12,N
o.89,pp.66−71)に示されている。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】上記のような静電吸引
力を起動源とする従来のマイクロリレーでは、上述の種
々の制約により大きな吸引力を得ることができない。そ
のため、可動接点層513a,513bを固定接点層5
03a、503b、505a、505bに押付ける力、
いわゆる接点荷重を大きくすることができない。接点荷
重が小さいと、外部からの振動などにより接点間の接触
状態を維持できない場合が生じ、マイクロリレーの電気
的信頼性が低下してしまう。
【0030】一方、文献に示された構造によれば、微
小なバルブを開閉する機構が記載されている。これに記
載されているようなバイメタルを用いた駆動力の発生方
式は、発生力が静電吸引力を用いた場合よりも大きくと
れる。
【0031】しかし、上記文献に記載されている方
式、構造では、膨張率の高い金属としてAlの薄膜を用
いており、厚さが薄いために発生力に限界があり、この
構造をそのままマイクロリレーへ応用することは困難で
あった。
【0032】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたもので、電気的信頼性の高いマイクロ
バイメタルリレーおよびその製造方法を提供することを
目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
おいては、微小な機械的動作により接点間の開閉動作が
行なわれるマイクロバイメタルリレーであって、一方端
が移動可能なように他方端が支持され、第1の熱膨張係
数を有する可動基板と、上記可動基板の裏面側の表面上
に形成された上記第1の熱膨張係数よりも大きい第2の
熱膨張係数を有する金属層と、上記可動基板の一方端の
主表面の上に配置された第1の接点層と、上記可動基板
の主表面の所定の位置に配置された上記可動基板と上記
金属層とを加熱するための加熱手段と、上記可動基板の
上記第1の接点層の上方に所定の空間を介在して対面す
る位置に配置された固定基板と、上記固定基板の上記第
1の接点層に対向する位置に配置された第2の接点層と
を備えている。
【0034】次に、請求項2に記載の発明においては、
微小な機械的動作により接点間の開閉動作が行なわれる
マイクロバイメタルリレーの製造方法であって、以下の
工程を備えている。
【0035】まず、第1の熱膨張係数を有する基板の表
裏面に酸化膜が形成される。その後、上記基板の主表面
の所定の位置に、所定深さの溝部が形成され、上記基板
の主表面が第1の領域と第2の領域とに分離される。
【0036】次に、上記基板の裏面側に形成された酸化
膜の所定箇所が除去される。その後、上記第1の領域の
上記溝部の近傍に第1の接点層が形成される。
【0037】次に、上記第1の領域の略全面に加熱手段
が形成される。その後、上記第1の領域の上記第1の接
点層と上記加熱手段と上記溝部と上記第2の領域の上記
溝部近傍の領域とに擬制層が形成される。
【0038】次に、上記基板と上記擬制層との上全面に
第2の接点層が形成される。その後、上記第1の接点層
と上記溝部と上記第2の領域の略上方とに所定形状の対
向接点層を形成し、この対向接点層をマスクとして、上
記第2の接点層のパターニングが行なわれ、さらに擬制
層の除去が行なわれる。
【0039】次に、上記基板の裏面側より、上記裏面側
に残存する酸化膜をマスクとして、上記第1の領域にお
ける上記基板がカンチレバー梁となるように上記溝部が
貫通するまで前記基板のエッチングが行なわれる。
【0040】次に、上記基板の裏面側全面に導電膜を形
成し、その後、この導電膜の上に上記第1の熱膨張係数
よりも大きい第2の熱膨張係数を有する金属層が形成さ
れる。
【0041】
【作用】この発明に基づいたマイクロバイメタルリレー
によれば、第1の熱膨張率を有する可動基板と第2の熱
膨張率とを有する金属層とを組合わせることにより、可
動基板と金属層との加熱時における熱膨張率の違いか
ら、大きな変位を得ることができる。その結果、接点荷
重の大きな特性を有するマイクロバイメタルリレーを得
ることが可能となる。
【0042】次に、この発明に基づいたマイクロバイメ
タルリレーの製造方法によれば、金属層の作成に電鋳法
を用いることにより、金属層の膜厚を比較的厚く構成す
ることができ、可動基板の加熱時の変位時に大きい接点
荷重を発生させることが可能となる。
【0043】また、可動基板の裏面側に、金属層を形成
することにより、可動基板表面の加熱手段と第1の接点
層とは金属層とは別に構成することが可能となり、その
結果、マイクロバイメタルリレーの多層化を防止し、簡
単な製造工程で製造することが可能となる。
【0044】
【実施例】以下、この発明に基づいた実施例について説
明する。
【0045】まず、図1を参照して、この実施例におけ
るマイクロバイメタルリレー100の構造について説明
する。
【0046】このマイクロバイメタルリレー100は、
第1の熱膨張係数を有し、一方端が移動可能なように他
方端が支持されたシリコン単結晶基板2からなるカンチ
レバー梁28を有している。
【0047】このカンチレバー梁28の裏面側には、N
i,Fe,Cu,などからなる導電膜30を介して、第
1の熱膨張係数よりも大きい第2の熱膨張係数を有する
するNiなどからなる厚さ10〜100μmの金属層3
2を有している。
【0048】カンチレバー梁28の主表面には、一方端
側に酸化膜4を介して接点回路16が設けられている。
また、カンチレバー梁28の主表面の略全面には、酸化
膜4を介してヒーター回路14が設けられている。
【0049】一方、接点回路16の上方には、所定の空
間を介在して対面する位置に、Ni,Au,Cr,A
g,Taなどからなる厚さ10〜1000μmの導電層
20を対向表面に有するNi,Fe,Cuなどからなる
厚さ10〜1000μmの対向接点部24が設けられて
いる。
【0050】次に、上記構成よりなるマイクロバイメタ
ルリレー100の動作について説明する。
【0051】図2を参照して、ヒーター回路14に電流
を流すことにより、ヒーター回路14を加熱する。これ
により、カンチレバー梁28と金属層30とが加熱され
る。
【0052】このとき、金属層30の方が熱膨張率が大
きくなるように設定していることにより、カンチレバー
梁28と金属層30は、上方に変位する。
【0053】したがって、カンチレバー梁28の一方端
に設けられた接点回路16が対向接点部17に押付けら
れ導通状態となる。
【0054】このとき、金属層30は、比較的厚く形成
されていることにより、加熱により十分変位し、大きな
接点荷重を得ることが可能となる。
【0055】また、対向接点部17においても、十分な
厚みを有することから、接点回路14が下方より押付け
られても十分な剛性を有している。
【0056】その結果、接点回路16と対向接点部24
とを確実に接触させることが可能となる。
【0057】次に、上記構成よりなるマイクロバイメタ
ルリレー100の製造工程について、図3ないし図9を
参照して説明する。
【0058】まず、図3を参照して、第1の熱膨張係数
を有するシリコン単結晶基板2の表裏面に酸化膜4,6
を形成する。その後、シリコン単結晶基板1の表面側の
酸化膜4の所定の位置に、エッチングにより窓部8を形
成する。
【0059】その後、この窓部8を用いて、KOHなど
の溶液により、シリコン単結晶基板2を異方性エッチン
グを施して凹部10を形成する。これにより、シリコン
単結晶基板2の主表面を第1の領域と第2の領域とに分
離する。
【0060】この凹部10の深さは、後に形成されるバ
イメタルAのカンチレバー梁28の厚さに等しくなるの
で、この深さを所望の厚さに等しくなるように形成す
る。
【0061】バイメタルAの特性を考慮すれば、約5グ
ラムの発生力を得るには、バイメタルAの大きさが1.
5×1.5mmの大きさとすると、カンチレバー梁28
および金属層32の厚さはそれぞれ約50μm必要であ
る。したがって、凹部10の深さは、10〜100μm
の深さに設定する。
【0062】次に、図4を参照して、シリコン単結晶基
板2の裏面側に形成された酸化膜6の所定の箇所を上記
と同様にエッチングにより窓部12を形成する。
【0063】次に、図5(a),(b)を参照して、シ
リコン単結晶基板2の第1の領域の表面に、ヒーター回
路14と接点回路16とを形成する。
【0064】ヒーター回路14と接点回路16との平面
図は、図5(b)に示すように形成される。
【0065】すなわち、ヒーター回路14と接点回路1
6の各々の回路パターンの根元には、パッド部14a,
14b,16aが設けられ、このパッド部14a,14
b,16aの部分に、外部への信号,電流供給線などを
ワイヤボンディングなどの方法により接続する。
【0066】ヒーター回路14は、Ni,Cr,Ta,
Hf,C,Si,Bあるいはこれらを2種以上含む合
金、金属間化合物、または、これらを含む窒化物を用い
て構成することが可能である。
【0067】また、接点回路16は、Au,Ag,R
h,Pt,Ni,Cu,Ruあるいはこれらを2種以上
含む合金を用いることが可能である。
【0068】ヒーター回路14と接点回路16の製造方
法は、両者ともスパッタ、真空蒸着、無電解メッキおよ
びフォトリソグラフィなどを組合わせて形成することが
可能である。
【0069】次に、シリコン単結晶基板2の第1の領域
と、前記凹部10の第2の領域の近傍の所定の領域に、
擬制層18を形成する。この擬制層18には、ポリイミ
ド、フォトレジスト、PSG(Phspherized Silica Gla
ss)などを用いることが可能である。
【0070】次に、図6を参照して、シリコン単結晶基
板2の表面全面に導電層20を形成する。この導電層2
0は、Ni,Au,Cr,Ag,Taなどの金属を厚さ
10〜1000nmの厚さに形成する。この導電層20
は、マイクロバイメタルリレーが完成した後は、接点回
路8と接触して導通を生じさせるため、最も好ましく
は、電気電導性のよいAuで形成することが望ましい。
【0071】次に、この導電層20の上に、窓部22a
を有するフォトレジスト層22を形成する。その後、こ
の窓部22aに、対向接点部24を形成する。この対向
接点部24は、導電層20を陰極として、金属の電鋳法
により形成する。
【0072】この対向接点部24の材質としては、N
i,Fe,Guなどを用いることが好ましいが、対向接
点部27内部の応力を低くし、歪のない構造体を形成す
るためには、電鋳法の性能に優れたNiを用いることが
好ましい。
【0073】この対向接点部24は、接点回路8と接触
し導通する際に、接点回路8が下方より押付けられるた
めに、これに対抗できる剛性を有する必要がある。ま
た、ある程度剛性を低くして、ばね特性を持たせること
により、接点回路16が接触したときに確実に接触でき
るように設計する必要がある。以上を考慮した場合、対
向接点部24の厚みは、10〜1000μm必要であ
り、好ましくは20〜80μm程度となる。
【0074】次に、シリコン単結晶基板2の裏面側に残
存する酸化膜6をマスクとして、シリコン単結晶基板2
の異方性エッチングを行ない、開口部26を形成する。
【0075】このとき、開口部26は、凹部10にちょ
うど貫通する時点でエッチングを停止させる。これによ
り、カンチレバー梁28が完成する。
【0076】次に、図8を参照して、フォトレジスト膜
22を除去した後、対向接点部24をマスクとして、導
電層20のエッチングを行なう。さらにその後、擬制層
7を除去し、対向接点部24を完成させる。このときの
エッチング溶液は、ウエットエッチングや、溶液を用い
ないドライエッチングのいずれをも用いることが可能で
ある。
【0077】次に、図9を参照して、シリコン単結晶基
板2の裏面側全面に、導電膜30を形成する。この導電
膜30は、Ni,Fe,Guなどを用いることが可能で
あるが、この上に電鋳法を用いて、金属を堆積していく
しやすさの点では、Niが適している。
【0078】また、この導電膜30は、電極として用い
られるため、特に、シリコン単結晶基板2の角部(図中
丸印ア,イの領域)の箇所において、途切れないように
成膜する必要がある。この部分で、導電膜30が途切れ
た場合、電流が流れず、電鋳法を用いて金属を堆積する
ことができなくなる。したがって、これを防ぐために、
導電膜30の形成にあたっては、複数の斜めの方向か
ら、スパッタ、蒸着等を行なう。
【0079】その後、この導電膜30を陰極として、電
鋳法により金属層32を形成する。この金属層32とし
ては、各種の金属を用いることが可能であるが、上述し
たように、電鋳法の特性の優れたNiが適している。ま
た、この金属層32の厚さとしては、10〜100μ
m、好ましくは20〜80μmの間であり、最も好まし
くは約50μm程度が好ましい。
【0080】以上により、図1に示す断面に従ったマイ
クロバイメタルリレーが完成する。以上この実施例にお
けるマイクロバイメタルリレーの製造方法によれば、金
属層の形成に電鋳法を用いることにより、金属層の膜厚
を比較的厚く形成することができ、カンチレバーの変位
時に大きい接点荷重を発生させることが可能となる。
【0081】また、カンチレバーの裏面側に、金属層を
形成することにより、カンチレバーの表面のヒーター回
路と接点回路とは、金属層とは別に構成することがで
き、その結果、マイクロバリアメタルリレーの多層化を
防止し、簡単な製造工程で行なうことが可能となる。
【0082】
【発明の効果】以上この発明に基づいたマイクロバイメ
タルリレーによれば、第1の熱膨張率を有する可動基板
と、第2の熱膨張率とを有する金属層とを組合わせるこ
とにより、可動基板と金属層との加熱時に熱膨張率の違
いから、変位が大きく、その結果、接点荷重の大きな特
性を有するマイクロバイメタルリレーの構造を得ること
ができる。
【0083】これによって、外部からマイクロバイメタ
ルリレーに振動が加わった場合などにおいても、常に安
定した動作を得ることのできる信頼性、安定性、安全性
に優れたマイクロバイメタルリレーを提供することが可
能となる。
【0084】また、この発明に基づいたマイクロバイメ
タルリレーの製造方法によれば、金属層の形成に電鋳法
を用いることにより、金属層の膜厚を厚く構成すること
ができ、可動基板の変位時に大きい接点荷重を発生させ
ることができる。
【0085】また、可動基板の裏面側に金属層を形成す
ることにより、可動基板表面の加熱手段と第1の接点層
とは、金属層とは別に構成することができる。その結
果、マイクバイメタルリレーの多層化を防止し簡単な製
造工程でマイクロバイメタルリレーを製造することがで
きる。したがって、高性能でかつ低コストのマイクロバ
イメタルリレーを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に基づいた実施例におけるマイクロバ
イメタルリレーの構造を示す断面図である。
【図2】この発明に基づいたマイクロバイメタルリレー
の動作を示す模式図である。
【図3】この発明に基づいたマイクロバイメタルリレー
の製造工程を示す第1の断面図である。
【図4】この発明に基づいたマイクロバイメタルリレー
の製造工程を示す第2の断面図である。
【図5】(a)は、この発明に基づいたマイクロバイメ
タルリレーの製造工程を示す第3の断面図である。
(b)は接点回路とヒーター回路の構造を示す平面図で
ある。
【図6】この発明に基づいたマイクロバイメタルリレー
の製造工程を示す第4の断面図である。
【図7】この発明に基づいたマイクロバイメタルリレー
の製造工程を示す第5の断面図である。
【図8】この発明に基づいたマイクロバイメタルリレー
の製造工程を示す第6の断面図である。
【図9】この発明に基づいたマイクロバイメタルリレー
の製造工程を示す第7の断面図である。
【図10】従来のマイクロリレーの構成を概略的に示す
分解斜視図である。
【図11】(a)は、従来のマイクロリレーの固定部基
体の構成を概略的に示す平面図である。(b)は、従来
のマイクロリレーの可動部基体の構成を概略的に示す平
面図である。
【図12】(a)は、従来のマイクロリレーの動作を説
明するための第1の図である。(b)は、従来のマイク
ロリレーの動作を説明するための第2の図である。
【符号の説明】
2 シリコン単結晶基板 4,6 酸化膜 10 凹部 14 ヒーター回路 16 接点回路 20 導電層 24 対向接点部 26 開口部 28 カンチレバー梁 30 導電膜 32 金属層 100 マイクロバイメタルリレー A バイメタル なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
フロントページの続き (72)発明者 石井 頼成 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 山下 善二郎 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 太田 賢司 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微小な機械的動作により接点間の開閉動
    作が行なわれるマイクロバイメタルリレーであって、 一方端が移動可能なように他方端が支持され、第1の熱
    膨張係数を有する可動基板と、 前記可動基板の裏面側の表面上に形成された前記第1の
    熱膨張係数よりも大きい第2の熱膨張係数を有する金属
    層と、 前記可動基板の一方端の主表面の上に配置された第1の
    接点層と、 前記可動基板の主表面の所定の位置に配置された、前記
    可動基板と前記金属層とを加熱するための加熱手段と、 前記可動基板の前記第1の接点層の上方に所定の空間を
    介在して対面する位置に配置された固定基板と、 前記固定基板の前記第1の接点層に対向する位置に配置
    された第2の接点層と、を備えたマイクロバイメタルリ
    レー。
  2. 【請求項2】 微小な機械的動作により接点間の開閉動
    作が行なわれるマイクロバイメタルリレーの製造方法で
    あって、 第1の熱膨張係数を有する基板の表裏面に酸化膜を形成
    する工程と、 前記基板の主表面の所定の位置に、所定深さの溝部を形
    成し、前記基板の主表面を第1の領域と第2の領域とに
    分離する工程と、 前記基板の裏面側に形成された酸化膜の所定箇所を除去
    する工程と、 前記第1の領域の前記溝部の近傍に第1の接点層を形成
    する工程と、 前記第1の領域の略全面に加熱手段を形成する工程と、 前記第1の領域の前記第1の接点層と前記加熱手段と前
    記溝部と前記第2の領域の前記溝部近傍の領域との上に
    擬制層を形成する工程と、 前記基板と前記擬制層との上全面に第2の接点層を形成
    する工程と、 前記第1の接点層と前記溝部と前記第2の領域の上方と
    に所定形状の対向接点層を形成し、この対向接点層をマ
    スクとして、前記第2の接点層のパターニングを行な
    い、さらに、擬制層の除去を行なう工程と、 前記基板の裏面側より、前記裏面側に残存する酸化膜を
    マスクとして、前記第1の領域における前記基板がカン
    チレバー梁となるように、前記溝部が貫通するまで前記
    基板のエッチングを行なう工程と、 前記基板の裏面側全面に導電膜を形成し、その後、この
    導電膜の上に電鋳法を用いて前記第1の熱膨張係数より
    も大きい第2の熱膨張係数を有する金属層を形成する工
    程と、を備えたマイクロバイメタルリレーの製造方法。
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