JPH06267383A - マイクロリレーおよびその製造方法 - Google Patents

マイクロリレーおよびその製造方法

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JPH06267383A
JPH06267383A JP5582993A JP5582993A JPH06267383A JP H06267383 A JPH06267383 A JP H06267383A JP 5582993 A JP5582993 A JP 5582993A JP 5582993 A JP5582993 A JP 5582993A JP H06267383 A JPH06267383 A JP H06267383A
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JP
Japan
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bimetal
relay
substrate
electrode
photolithography
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Withdrawn
Application number
JP5582993A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Inui
哲也 乾
Susumu Hirata
進 平田
Yorishige Ishii
頼成 石井
Zenjiro Yamashita
善二郎 山下
Kenji Ota
賢司 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Publication of JPH06267383A publication Critical patent/JPH06267383A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H37/00Thermally-actuated switches
    • H01H2037/008Micromechanical switches operated thermally

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  • Micromachines (AREA)
  • Manufacture Of Switches (AREA)
  • Thermally Actuated Switches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型で集積化が可能なリレーを製作する。 【構成】 それぞれフォトリソグラフィにより形成され
た、バイメタル102とヒータ回路104aと下部電極
105と上部電極106とを、基板101の上に積層す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロマシン特に電
気回路のスイッチングを行なうマイクロリレーの構造に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体の分野ではドライエッ
チング、フォトリソグラフィ、蒸着、スパッタ、CVD
等の手法を用いて、微小な電子回路を高密度に構成し、
集積化する技術が開発されてきた。これらはいわゆる電
子回路を構成するものであるが、最近これらの技術を応
用して微小な機械要素を構成し、従来にないような微小
な機械、いわゆるマイクロマシンを作製しようとする試
みがなされ始めている。
【0003】一般的には、半導体リソグラフィの手法を
用いて、静電式のマイクロモータ、リンク機構、アクチ
ュエータ、あるいはSiの異方性エッチングを用いて微
小な大きさの構造体を形成するなどして、バネ要素を形
成するなどが開発されている。
【0004】これらの応用としては、特許公開公報平4
−269416、あるいは“AnElectrostatic Microact
uator For Electro-Mechanical Relay ” IEEE MicroEl
ectro Mechanical Systems 1989 pp149 〜151 (以下文
献1という)に記載されているような、静電引力を用い
たマイクロリレーや、“電気的に作動するノーマルクロ
ーズダイヤフラムバルブ” センサ技術 1992年7
月号 Vol. 12,No.8, pp66 〜71(以下文献2という)
に記載されたバイメタル方式によるマイクロバルブ等が
公知である。
【0005】これらはいずれも半導体プロセスなどを取
り入れて、基板上に一度に多数の素子を作製してコスト
の削減を図り、同時に小型の素子を集積化しようとする
ものである。
【0006】このうち、前述の特許公開公報および文献
1に記載されているような静電引力を駆動力に用いた方
式は、静電力を発生させるための電極を構成するだけで
よいので、構造が簡単であるという利点がある。しか
し、静電力は原理的に発生力が小さく、リレーのように
電気の導通をとるために電極を互いに押しつける必要が
あるものには不適である。また駆動電圧は100〜数1
00ボルトが必要で特別な駆動電源を必要とする。
【0007】また、文献2にはバイメタルを用いて、微
小なバルブを開閉する機構が記載されている。これに記
載されているようなバイメタルを用いた駆動力の発生方
式は、発生力が静電力を用いた場合より、より大きくと
れる。しかし、文献2に記載されている方式,構造で
は、基板としてSiの単結晶を用いており、発生力や設
計の自由度に制約があり、リレーへの応用は難しい。た
とえば、バイメタルを形成する場合、3層以上の構成に
したり、異種の材料を用いた組合せにして異なる特性を
得たりすることができず、より高機能な特性を与えるに
は不十分で、マイクロリレーの構造に応用するには不十
分なものであった。また、構造上バイメタルの膜厚を厚
くできず、発生する駆動力に限りがある。
【0008】特にバイメタルを用いた場合、周囲の温度
が上昇すると、バイメタルを意図して加熱していないに
もかかわらず、変形が生じて誤動作を生じる可能性があ
った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、微小な
大きさのリレーを構成する際に、静電方式を用いた場合
には駆動力が小さくリレーとしての動作を安定に行なう
ことができない。また、静電力で力を発生させようとす
ると、駆動電圧が高く、特別な駆動電源が必要となり使
いにくい。
【0010】Si単結晶を用いたバイメタルは、比較的
駆動力が得られるが、設計に自由度がなく、大きな力を
発生させるような構造にすることが難しく、リレーに用
いるような駆動力を発生することが困難である。また外
気温度の変化に対しての安定性が保てない。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のマイクロリレー
においては、リレーの駆動力を発生させる発生源として
バイメタルを用い、そのバイメタルの構成要素として電
鋳により積層した金属膜を用いる。また外気温度に対す
る補償として、異なる順序に積層した2種のバイメタル
を結合した構造にして外気温度による変形が生じないよ
うな構造を用いる。
【0012】
【作用】フォトリソグラフィによって形成されたバイメ
タルにより小型のリレーを作製することができる。
【0013】
【実施例】図1は本発明による第1の実施例の斜視図で
ある。
【0014】基板101上にバイメタル102が構成さ
れている。バイメタル102は2種の異なる金属膜10
2a,102bが積層されている。バイメタル102は
絶縁膜103を介して積層されたヒータ回路104aに
ヒータ回路端子104bおよび104cから電流を流し
込むことで加熱される。ここで金属膜102aの材質と
して金属膜102bより熱膨張率の高い材料を用いる
と、加熱によりバイメタル102は下方向に変形し、基
板101上に形成された下部電極105と上部電極10
6が接触して電気的な導通がとれる。電流を流すことを
やめると、バイメタル102は放熱により冷却され、温
度が下がって変形は元に戻り、リレーは断の状態にな
る。上部電極106の下部電極105に相対する部分1
06aは、基板101から通常は浮いた状態にあり、そ
の根元部分106bは基板101に密着して構成されて
いる。このためバイメタル102の加熱により上下に動
いて下部電極105と接触,離脱してリレーとして動作
することが可能である。
【0015】図2(a)〜(g)および図3(a)〜
(f)は図1のマイクロリレーを作製する方法の各工程
の略断面図である。
【0016】図2(a)に示すように、基板101上に
下部電極105を構成する。基板101としてはガラ
ス,石英,Si基板などを用いることが可能である。下
部電極105はAu,Ag,Pt,Rh,Ni,Cu,
もしくはそれらの合金を用いることができる。下部電極
105はスパッタ,蒸着,印刷などの方法で形成し、フ
ォトリソグラフィの技術を用いて所望のパターンに形成
する。
【0017】次に、図2(b)に示すように犠牲層20
3a,203b,203cを形成する。これらの犠牲層
の材料としては、通常のポジあるいはネガタイプのフォ
トレジスト、感光性ポリイミド、PSG(Phospherized
Silica Glass)等を用いることが可能であるが、感光性
ポリイミドを用いると、PSGを用いるより厚く積層す
ることが可能で、しかも後の工程で温度が上昇しても、
耐熱性があるため犠牲層が変質せず、最後に犠牲層を除
去するときに残渣が残らず好都合である。犠牲層として
は図に示すように下部電極105の一部にかかって、バ
イメタルのギャップを形成する部分203aおよびバイ
メタル素子の分離を図る部分203bおよび203cを
形成する。また、犠牲層の厚さは、バイメタルの構造,
材質により異なるが、たとえば5〜50μmの間の厚さ
に設定するのが望ましい。
【0018】次に、図2(c)に示すように上部電極1
06を形成する。上部電極106の材料としては、下部
電極105と同様の材料を用いることが可能である。こ
こで上部電極106は図に示すように、斜め方向から蒸
着し、犠牲層のそれぞれの一方の側面205a,205
b,205cに付着しないようにする。斜め蒸着を行な
うのは、最後の工程で犠牲層を除去するとき、除去液が
側面から入り込んでいくようにするためである。
【0019】次に図2(d)に示すように電解めっきに
より電鋳パターン206a,206bを形成する。電鋳
パターン206a,206bはフォトレジスト,感光性
ポリイミドを用いることが可能である。電鋳パターンの
厚さは10〜200μmの間に設定するのが望ましい。
電鋳パターン206a,206bは犠牲層203aの上
部および上部電極106が基板101に接している部分
を含む部分に、開口部207がくるようパターニングす
る。
【0020】次に図2(e)に示すように、開口部20
7に電鋳で、露出している上部電極106を陰極として
バイメタル102を形成する。ここで下部の金属膜10
2bは、上部の金属膜102aより熱膨張率が小さいも
のを用いる。バイメタル102の材料としては下記のも
のが用いられる。金属膜102aとしては、Zn,C
d,Sn,Cu,Al,Pb,またはこれらの合金を用
いることができる。特に、亜鉛,銅−亜鉛合金は熱膨張
率が大きく、良い特性が得られる。金属膜102bとし
ては、Ni,Fe,Cu,Cr,またはそれらの合金を
用いることが可能である。特にFe−Niの合金を用い
ると熱膨張率が小さく、良い特性が得られる。また、バ
イメタル102の厚さは、10〜200μmの間に設定
するのが好ましい。下記の表1に、金属の組合せ(それ
ぞれ厚さ50μm、バイメタルを長さ1.5mm×幅
1.5mmの片持ち梁としたときと、そのときの変位
(50℃昇温したとき)および最大発生力(変位0のと
き)を示す。
【0021】
【表1】
【0022】このように、大きさが1.5×1.5mm
角程度で数gの接点荷重が得られる。また、接点荷重を
変えて接触抵抗の値を測定する実験を行なうと、ほぼ5
gで接触抵抗の値が安定する結果が得られた。このこと
から、接点荷重としてはほぼ5g(1接点当り)必要と
いうことがわかる。
【0023】したがって、表1の結果から、バイメタル
を用いると必要な接点荷重がほぼ得られるということが
わかり、従来より非常に小さなリレーが構成できること
がわかる。
【0024】また、表1の組合せのうち、上部(高膨張
率側)にCdを用いるものは概して特性が良い。しかし
Cdは毒性があり使用に際しては特別の注意が必要とな
る。また下部(低膨張率側)にCrを用いるものも特性
が良いが、Crも毒性があり問題が多い。したがって、
毒性,安全性を考慮すると、バイメタルの組合せではZ
n/Ni,Al/Niの組合せがより好ましい。
【0025】次に図2(f)に示すように、電鋳が終わ
った後、全面に絶縁膜103を構成する。絶縁膜103
の材料としては、各種金属の酸化物,窒化物を用いるこ
とができ、特にSiO,SiO2 ,AlN,SiN,A
2 3 ,等を用いるのが好ましい。絶縁膜103の厚
さは10〜1000nmの間に設定するのが好ましい。
【0026】次に図2(g)に示すように、絶縁膜10
3上にヒータ層104−1を構成する。ヒータ層104
−1の材料は、Ni,Cr,Ta,Moまたはこれらの
合金を用いることが可能である。
【0027】次に図3(a)に示すように、ヒータ層1
04−1上に回路パターン211を構成する。回路パタ
ーン211の形状は図1のヒータ回路104aの形状の
ように構成する。回路パターン211はフォトレジス
ト,感光性ポリイミドを用いることが可能である。
【0028】次に図3(b)に示すように、回路パター
ン211をマスクとしてヒータ層104−1をエッチン
グし、ヒータ層104−1を回路パターン211と同じ
型に形成する。エッチング方法はエッチング液を用いる
ウェットエッチングでもよいし、ドライエッチングでも
よい。
【0029】次に図3(c)に示すように、エッチング
した後回路パターン211を除去する。これによりヒー
タ回路104aが形成される。
【0030】次に図3(d)に示すように、露出してい
る絶縁膜103を除去する。これには全面にイオンを照
射し、絶縁膜103を取り去ってもよいし、エッチング
によってもよい。また、図3(b)の工程で行なうエッ
チングで絶縁膜103を同時に取り去ってもよい。この
工程により、電鋳パターン206a,206b、犠牲層
203a,203b,203cが露出することになり、
除去することが可能になる。
【0031】次に図3(e)に示すように、電鋳パター
ン206a,206bおよび犠牲層203a,203
b,203cをすべて除去する。これにより、ギャップ
211が形成され、バイメタル102が上下に動くこと
が可能になる。
【0032】次に図3(f)に示すように、上部電極1
06,下部電極105,ヒータ回路104aにそれぞれ
信号線212,213,214a,214bをワイヤボ
ンドで配線する。リレーを動作させるには、信号線21
4a,bに電流を流してヒータ回路104aを加熱し、
バイメタル102を下向きに変形させ、上部電極106
と下部電極105を接触させて導通させる。
【0033】図4は、本発明による第2の実施例の斜視
図であり、これは図5について後述されるように、他の
同様なものと組合せて使用される。
【0034】図4において、基板301上にバイメタル
302が構成されている。バイメタル302は2種の異
なる金属膜302a,302bが積層されている。バイ
メタル302は絶縁膜303,導電膜307を介してヒ
ータ回路304a上に積層され、ヒータ回路端子304
b,304cから電流を流し込むことで加熱される。こ
こで金属膜302aの材質として、金属膜302bより
熱膨張率の低い材料を用いると、加熱によりバイメタル
302は上方向に変形する。ここで、図5のように、図
4のような素子を2個向かい合わせにスペーサ401を
用いて貼り合わせておくと、下部の電極306が上部の
電極306に接触して電気的な導通がとれる。電流を流
すことをやめると、バイメタル302は放熱により冷却
され、温度が下がって変形は元に戻り、リレーは断の状
態になる。電極306の下部は基板301から浮いた状
態にするため、基板301には凹部308が設けてあ
り、根元部分は基板301に密着して構成されている。
このためバイメタル302の加熱により上下に動いてリ
レーとして動作することが可能である。
【0035】図6(a)〜(f)および図7(a)〜
(d)は、図4のマイクロリレーを作製する各工程の略
断面図である。
【0036】まず図6(a)に示すように、基板301
上に凹部308を構成する。基板301としてはガラ
ス,石英,Si基板などを用いることが可能である。凹
部308はエッチングにより行なうことが可能である。
次にこの凹部308の中に犠牲層503を形成する。犠
牲層503の材料としては通常のポジあるいはネガタイ
プのフォトレジスト,感光性ポリイミド,PSG等を用
いることが可能であるが、感光性ポリイミドを用いる
と、PSGを用いるより厚く積層することが可能で、し
かも後の工程で温度が上昇しても、耐熱性があるため犠
牲層が変質せず、最後に犠牲層503を除去するときに
残渣が残らず好都合である。犠牲層としては図のよう
に、ちょうど凹部308の中に入り込むように形成す
る。また、犠牲層の厚さは、たとえば0.5〜50μm
の間の厚さに設定するのが望ましい。
【0037】次に図6(b)に示すように、ヒータ回路
304aを構成する。ヒータ回路304aの材料は、N
i,Cr,Ta,Moまたはこれらの合金を用いること
が可能である。ヒータ回路304aの構成方法として
は、まずヒータ層を形成した上に回路パターンを構成す
る。回路パターンの形状は図1のヒータ回路104aの
形状のように構成する。回路パターンはフォトレジス
ト,感光性ポリイミドを用いることが可能である。次に
回路パターンをマスクとしてヒータ層をエッチングし、
ヒータ層を回路パターンと同じ形に形成する。エッチン
グ方法はエッチング液を用いるウェットエッチングでも
よいし、ドライエッチングでもよい。エッチング後、回
路パターンを除去するとヒータ回路304aが得られ
る。
【0038】次に図6(c)に示すように、全面に電気
の絶縁膜303を構成する。絶縁膜303の材料として
は、各種金属の酸化物,窒化物を用いることができ、特
にSiO,SiO2 ,AlN,SiN,Al2 3 等を
用いるのが好ましい。絶縁膜303の厚さは10〜10
00nmの間に設定するのが好ましい。次に導電膜30
7を構成する。導電膜307は次の電鋳工程で電鋳の陰
極にするためのもので、材料としてはNi,Cuを用い
ることが可能であるが、好ましくは次の工程で用いる電
鋳材料と同じ材料にすると電鋳の形成が容易である。電
鋳膜590の厚さは10〜500nmの間に設定するの
が好ましい。
【0039】次に図6(d)に示すように、電鋳パター
ン506a,506bを形成する。この電鋳パターンは
フォトレジスト,感光性ポリイミドを用いることが可能
である。電鋳パターンの厚さは10〜200μmの間に
設定するのが好ましい。電鋳パターン506a,506
bはヒータ回路510の上部およびヒータ回路510が
基板501に接している部分を含む部分に開口部507
がくるようパターニングする。
【0040】次に図6(e)に示すように、開口部50
7に、露出している導電膜307を陰極としてバイメタ
ル302を電鋳により形成する。ここで上部金属膜30
2aは下部金属膜302bより熱膨張率が小さいものを
用いる。バイメタル302の材料としては、下記のもの
が用いられる。下部の金属膜302bとしては、Zn,
Cd,Sn,Cu,Al,Pb,またはこれらの合金を
用いることができる。特に亜鉛、銅−亜鉛合金は熱膨張
率が大きく、良い特性が得られる。上部の金属膜302
aとしては、Ni,Fe,Cu,Cr,またはそれらの
合金を用いることが可能である。特にFe−Niの合金
を用いると熱膨張率が小さく、良い特性が得られる。ま
たバイメタル302の厚さは10〜200μmの間に設
定するのが好ましい。バイメタル材料の組合せとその特
性については表1に示したものと、上部,下部が逆にな
るだけで同じである。
【0041】次に図6(f)に示すように、電鋳が終わ
ると電鋳パターン506a,506bを除去する。
【0042】次に図7(a)に示すように、電極パター
ン589aおよび589bを形成した後、電極306を
形成する。電極306はAu,Ag,Pt,Rh,N
i,Cu,もしくはそれらの合金を用いることができ
る。ここで電極306は図に示すように、斜め方向から
蒸着し、バイメタル302の側面588に電極材料が付
着しやすくする。電極パターン589a,589bの上
にも電極材料が付着する。
【0043】次に図7(b)に示すように、電極パター
ン589a,589bを除去する。電極パターン589
a,589bの上に形成されていた電極材料は、電極パ
ターンが除去されるのに伴ってリフトオフされ、パター
ンが形成される。
【0044】次に図7(c)に示すように、再度レジス
ト層587a,587b,587cを形成し、ヒータコ
ンタクト穴586および犠牲層除去孔585をパターニ
ングし、その下部の導電膜307,絶縁膜303を除去
する。これには全面にイオンを照射し、導電膜307,
絶縁膜303を取り去ってもよいし、エッチングによっ
てもよい。この工程により、犠牲層503が露出するこ
とになり除去することが可能になる。
【0045】次に図7(d)に示すように、レジスト層
587a,587b,587cおよび犠牲層503をす
べて除去する。これにより凹部308が形成され、バイ
メタル302が上下に動くことが可能になる。
【0046】その後、電極306,ヒータ回路304a
にそれぞれ信号線512,304b,304cをワイヤ
ボンドで配線する。そして図5のように2個の素子を向
かい合わせに接着する。リレーを動作させるには、信号
線304b,304cに電流を流してヒータ回路304
aを加熱し、バイメタル302を上向きに変形させるこ
とにより行なう。
【0047】図8は本発明による第3の実施例の斜視図
である。基板601上にはバイメタル602が構成され
ている。バイメタル602には2つのスリット607
a,607bが設けられており、バイメタル602を3
つの部分608a,608b,608cに分けている。
ヒータ回路604aは中央部分608b上に設けられて
いる。
【0048】バイメタル602は金属膜602a,60
2b,602c,602dがずらして積層されている
が、ここで602aと602c,602dは同じ材質で
あり、602bとは異なる。バイメタル602は絶縁膜
603を介して積層されたヒータ回路604aに、ヒー
タ回路端子604b,604cから電流を流し込むこと
で加熱される。
【0049】金属膜602aの材質として金属膜602
bより熱膨張率の低い材料を用いると、加熱により、中
央部608bのみが加熱されるので下向きの力を発生
し、その結果バイメタル602全体は下方向に変形し、
基板上に形成された下部電極605と上部電極606が
接触し電気的な導通がとれる。
【0050】電流を流すことをやめると、バイメタル6
02は放熱により冷却され、温度が下がって変形は元に
戻り、リレーは断の状態になる。上部電極606の下部
電極605に相対する部分606aは、基板601から
通常は浮いた状態にあり、その根元部分606bは基板
601に密着して構成されている。このためバイメタル
602の加熱により上下に動いて下部電極605と接
触,離脱してリレーとして動作することが可能である。
【0051】ここで、バイメタル602の中央部分60
8bとバイメタルの側方部分608a,608cの幅の
比は2対1に設定するのが好ましい。このような幅の比
に設定すると、中央部分608bと側方部分608a,
608cとはバイメタル構成順序が逆なので、外部温度
の変化に対して互いに逆方向に同じ大きさの力が働きバ
イメタル602は変形を生じない作用がある。
【0052】また、スリット607aおよび607bは
中央部分608bのみを加熱し、その他の部分に熱を伝
えない作用があるが、先端部分は結合されているので、
外気の温度変化によって生じる逆方向への力は互いに相
殺し合うような作用がある。
【0053】図9(a)はバイメタル部分の拡大斜視図
であり、同図(b)は(a)のA−A′断面図である。
【0054】図10(a)〜(c)は図8のバイメタル
の構造を得るための各工程の略断面図である。この工程
は図2(d)以降のプロセスに対応するもので、バイメ
タルを先端から根元方向に見たものである。
【0055】まず図10(a)に示すように上部電極6
06の上に、レジスト層805a,805bを形成し、
中央部に開口部806をフォトリソグラフィで形成す
る。そして、その開口部806の中に、露出した上部電
極606の上に、電鋳層807を設ける。電鋳層807
はバイメタルの下部の金属膜に用いる熱膨張率の小さい
金属を用いる。電鋳が完了すればレジスト層805a,
805bを除去する。
【0056】次に、図10(b)に示すように、レジス
ト層808a,808b,808cを形成し、パターニ
ングを行なう。パターニングは、図6のスリット607
a,607bに対応する部分808b,808cと、両
側の部分808a,808dを形成する。そして、第2
の電鋳層809a,809b,809cを設ける。電鋳
層809a,809b,809cは熱膨張率の大きな材
料で行なう。電鋳が完了すれば、レジスト808a,8
08b,808c,808dを除去する。
【0057】次に、図10(c)に示すように、レジス
ト層810a,810b,810cを形成しパターニン
グを行なう。パターニングは両側の部分のみ電鋳層が形
成するような形に行なう。そして電鋳層811a,81
1bを形成する。電鋳層811a,811bは電鋳層8
07と同じ熱膨張率の小さな材料で行なう。
【0058】このように形成した後図2(f)以降のプ
ロセスを行なえば、図8に示したような構造のリレーが
得られる。
【0059】図11は本発明による第4の実施例の斜視
図である。これは図8に示した第3の実施例とほぼ同様
の構造をしており、バイメタル902がスリット907
aおよび907bによって3つの部分に分けられ、両側
の部分のバイメタルは中央の部分のバイメタルと逆の順
序で積層されている。ここで図8の構造と異なるのは、
3つに分けられたバイメタル902の上に、それぞれに
対応して3つのヒータ604a,604b,604cが
設けられ、それぞれ独立に加熱できるよう信号線90
7,908,909を有している点である。このような
構造をとることで、バイメタル902は図8で上方向,
下方向のどちらにも変形させることが可能である。
【0060】すなわち、信号線907に通電してバイメ
タル902の中央部分のみを加熱すると、バイメタル9
02は下方向に変形する。信号線908,909に通電
するとバイメタル902は上方向に変形する。
【0061】これらの図8および図11のような構造の
バイメタルを用いると、環境温度の変化によっても変形
しない安定なリレーを得ると同時に、特性の改善を行な
うことが可能である。
【0062】これは、上部電極と下部電極の初期ギャッ
プ長を非常に小さく(あるいはゼロに)設定しておくこ
とで実施できる。これは最初の犠牲層203の厚さを調
節することで得られる。このようにすると、リレーをオ
ンにしたときの接点が押しつけられる力(接点荷重)を
大きくすることができる。
【0063】図12(a)はバイメタルのギャップ長と
発生力を表わしたグラフである。同図(b)はギャップ
長の説明図である。通常、リレーの初期ギャップ長G1
は図12(a)に示すように、そのバイメタルが一定の
昇温温度によって変形する最大変形量Gmax の半分程度
に設定する。これは環境温度の上昇によっても接点が導
通せず、かつ環境温度の減少によっても確実に接点の導
通がとれるようにするためである。すなわち図12
(a)で、環境温度にΔ−、Δ+の変動があると、ギャ
ップはGΔ- 、GΔ+ に変化する。バイメタルによる発
生力は、ギャップすなわち変形量が小さいほど大きく、
最大に変形してしまった状態(Gmax )では発生力は生
じない。このような設定にする必要があるため、室温で
の発生力は最大発生力f0 の約半分に低下する。
【0064】ここで、初期ギャップを非常に小さくG2
と設定すると、発生力はf2 と大きくできる。ここで、
図8および図11のような環境温度によって変形しない
バイメタル構造の場合には、初期ギャップを小さくして
も環境温度による変形が生じないのでこのような設定が
可能になる。
【0065】ただ、あまり初期ギャップを小さくし過ぎ
ると、外部振動によりバイメタルが動いて接点が導通し
たりするので、この場合には、図11のような構造にし
て、導通をとらないときは、反対方向に変形させておく
とよい。これは図11の両側のヒータ604b,604
cに通電して加熱を行なうことで達成できる。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、リレーの構造体や駆動
源を半導体リソグラフィの技術で構成することができる
ので、極めて小さいリレーを構成することができる。ま
た、一度にこれらの小型の素子を作製でき、集積化する
ことも容易である。
【0067】また、バイメタルを駆動源に用いているの
で、定電圧で動作させることができ、静電方式のように
高い電圧を必要とすることがない。また、静電方式より
大きな発生力を得ることができ、確実な動作が可能にな
る。
【0068】さらに、環境温度に対する安定性も、逆に
積層したバイメタルを組合せることによって達成でき、
この場合には接点荷重をさらに大きくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施例の斜視図である。
【図2】(a)〜(g)は図1の構造を得るための各工
程の略断面図である。
【図3】(a)〜(f)は図1の構造を得るための各工
程の略断面図である。
【図4】本発明による第2の実施例の斜視図である。
【図5】図4の構造を組合せた側面図である。
【図6】(a)〜(f)は図4の構造を得るための各工
程の略断面図である。
【図7】(a)〜(d)は図4の構造を得るための各工
程の略断面図である。
【図8】本発明による第3の実施例の斜視図である。
【図9】(a)は図8のバイメタルの拡大斜視図であ
り、(b)は(a)のA−A′断面図である。
【図10】(a)〜(c)は図8のバイメタルの作製の
各工程の略断面図である。
【図11】本発明による第4の実施例の斜視図である。
【図12】(a)はバイメタルによる電極間のギャップ
長と発生力との関係を示すグラフであり、(b)はギャ
ップ長の説明図である。
【符号の説明】
101,301 基板 104a,304a ヒータ回路 105 下部電極 106 上部電極 103,303 絶縁膜 307 導電膜 203a,203b,203c,503 犠牲層 206a,206b,506a,506b 電鋳パター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 善二郎 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 太田 賢司 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォトリソグラフィにより形成されたバ
    イメタルと、フォトリソグラフィにより形成されたバイ
    メタル加熱用のヒータ回路と、フォトリソグラフィによ
    り形成されたバイメタルにより駆動される電極とを1枚
    の基板に積層したことを特徴とするマイクロリレー。
  2. 【請求項2】 バイメタルは複数の領域に分割され、各
    領域のバイメタルを構成する金属の積層順序が異なって
    いることを特徴とする請求項1記載のマイクロリレー。
  3. 【請求項3】 フォトリソグラフィによりパターンを形
    成し、そのパターンによって異種の金属を電解めっき法
    によって積層してバイメタルを構成する工程を有するマ
    イクロリレーの製造方法。
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