JP2003260696A - サーマルアクチュエータ - Google Patents
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- Micromachines (AREA)
Abstract
温度の低い熱機械アクチュエータを提供する。 【解決手段】 長さLの、作動前に、第一の位置に静止
しているカンチレバー素子を有する。カンチレバー素子
は長さLH(ただし、0.3L≦LH≦0.7L)のチタ
ンアルミナイド等の電気抵抗材料で構成された層を有す
る。カンチレバー素子は、第一層に接着され、低い熱膨
張率を有する誘電材料で構成された第二層を有する。均
一抵抗部に電気パルスを印加して抵抗加熱を発生させ、
第一層の均一抵抗部が第二層に対して熱膨張し、第二の
位置にたわみ、その後、温度が下がると、第一の位置に
復帰する。第一層は、ほぼカンチレバー素子の長さ全体
にわたって延び、均一抵抗部は、この材料の中央スロッ
トをカンチレバー素子の長さの一部から除去することに
よって形成される。均一抵抗部を、長さLH(ただし、
0.3L<LH<0.7L)となるよう形成する。
Description
械デバイスに関し、より詳しくは、インクジェットデバ
イスおよびその他液滴放出器(リキッド・ドロップ・エ
ミッタ: liquiddrop emitter)に使用する超小型電気
機械サーマルアクチュエータに関する。
icro−electro mechanical s
ystems)は、比較的新しく開発されたものであ
る。このMEMSはアクチュエータ、バルブ、位置決め
器となる従来の電気機械デバイスに代わるものとして使
用されている。超小型電気機械デバイスは、マイクロエ
レクトロニクス(半導体シリコン集積回路)の製造技術
を使用しているため、低コストとなる可能性がある。ま
た、MEMSデバイスの規模の小ささから、新たな用途
も見出されつつある。
て、その装置において必要な運動を提供するために、サ
ーマルアクチュエータが利用されている。たとえば、多
くのアクチュエータ、バルブ、位置決め器はその動作の
ためにサーマルアクチュエータを使用する。一部の用途
では、パルス化された動作が必要とされる。たとえば、
アクチュエータが第一の位置から第二の位置に高速で移
動し、その後第一の位置に復帰するという動作を利用
し、液体に圧力パルスを発生させる、あるいはアクチュ
エーションパルス1個につき、メカニズムを位置または
回転を1単位ずつ進める。ドロップ・オン・デマンド型
の液滴放出器は、個々に分離された圧力パルスを使っ
て、ノズルから個別の量の液体を排出させる。
op−on−demand)型液体放出デバイスは、イ
ンクジェット印刷システムにおけるインク印刷デバイス
として知られている。初期のデバイスは、圧電アクチュ
エータに基づくものであった(例えば、特許文献1、2
参照。)。
あるサーマルインクジェット(または「バブルジェット
(登録商標)」)式では、電気抵抗ヒータを使って蒸気
の泡を発生させ、これによって液滴を放出させている
(例えば、特許文献3参照。)。
開発の進んだマイクロエレクトロニクスのプロセスを使
用して製造されるため、圧電式アクチュエータと比較
し、製造コストの面で有利である。その一方で、サーマ
ルインクジェット液滴放出メカニズムには、気化可能な
成分を含むインクが必要であり、インクの温度が局所的
にこの成分の沸点より高くなる。このような高温下にさ
らされるため、サーマルインクジェットデバイスによっ
て確実に放出されるインクその他の液体の調合は極めて
限定される。圧電式に作動されるデバイスは、液体を機
械的に加圧するため、噴射できる液体にそうした厳しい
制限は無い。
でに実現した利用可能性、コストおよび技術的パフォー
マンスの改善により、液体の微量測定を必要とする他の
用途にそうしたデバイスを利用することに対する関心が
深まった。このような新たな用途の例には、微量分析化
学薬品用の特殊化学薬品の供給(例えば、特許文献4参
照。)、電子デバイス製造用被膜剤の供給(例えば、特
許文献5参照。)、薬剤吸入療法用微小滴供給がある
(例えば、特許文献6参照。)。
が超微量の液滴の単独放出、正確な位置付けとタイミン
グ、微細なインクリメントを必要とする新たな用途にと
っても、要求に応じてさまざまな液体の微量小滴を放出
することのできるデバイスや方法が必要とされる。
ストの微量小滴放出方法が必要とされている。それには
サーマルインクジェットシステムに使用されるマイクロ
エレクトロニクス製造技術の利点と、圧電機械デバイス
に利用できる幅広い液体組成物とを組み合わせた装置と
方法が必要である。
るDODインクジェットデバイスのアクチュエータは、
インクジェットチャンバの中で移動可能な二層カンチレ
バーとして構成される。抵抗器によってビームが加熱さ
れ、2つの層の熱膨張率の違いにより、これが湾曲す
る。ビームの自由端が移動してノズルのインクを加圧
し、液滴が放出される(特許文献7参照。)。
システムの構成が、開示されている(例えば、特許文献
8、9、10、11参照。)。
って熱機械インクジェットデバイスを製造する方法も開
示されている(例えば、特許文献12、13、14参
照。)。
ロエレクトロニクスの材料と機器を使って大量生産で
き、サーマルインクジェットデバイスでは信頼性が低下
してしまう液体を使って操作できるため、低コストのデ
バイスとして大きな将来性がある。しかしながら、サー
マルアクチュエータ式の液滴放出器を高い滴下反復頻度
で作動させる場合、温度の上昇に注意しなければならな
い。液滴生成は、ノズル部分の液体内に圧力衝撃を作る
ことに依存している。放出デバイス、熱機械アクチュエ
ータそのもののベースライン(基底状態時)温度が大き
く上昇すると、デバイスの材料と作用液体そのものの許
容動作温度限度を超え、有効なアクチュエータ移動の一
部に対するシステム制御が失われる。熱機械アクチュエ
ータ内の熱を管理し、そのデバイスの生産性を最大限に
する熱機械DOD放出器の作動装置と作動方法が必要で
ある。
端がデバイス構造に固定され、自由端がビームに垂直に
たわむカンチレバービームである。このたわみは、ビー
ムの熱膨張勾配を垂直方向に設定することによって発生
する。この膨張勾配は、ビームを形成する層の温度勾配
または実際の材料の違いによって発生する。熱膨張勾配
を素早く確立し、その後これをやはり素早く散逸させ、
アクチュエータが当初の位置に復帰できることは、パル
ス式サーマルアクチュエータにとって望ましい。入力エ
ネルギーの削減は、散逸しなければならない使用済み熱
エネルギーの量が減ることになるため、アクチュエータ
の復帰に役立つ。
は、これを利用するデバイスの生産性にとって重要であ
る。たとえば、サーマルアクチュエータDODインクジ
ェット印字ヘッドの印字速度は液滴反復頻度に依存し、
液滴反復頻度は、サーマルアクチュエータをリセットす
るのに必要な時間に依存する。少ない入力エネルギーと
高い許容ピーク温度で動作できるカンチレバー素子を用
いたサーマルアクチュエータは、高い頻度で動作し、M
EMS製造方法を使って製造できるシステムを構築する
のに必要となる。
書
書
書
書
書
は、入力エネルギーを削減し、過剰な許容ピーク温度を
必要としない熱機械アクチュエータを提供することであ
る。
与えないピーク温度で動作するエネルギー効率のよい熱
機械カンチレバーによって作動する液滴放出器を提供す
ることでもある。
明の特徴、目的、利点は、本明細書による詳細な説明、
特許請求範囲および図面から容易に明らかになる。これ
らの特徴、目的、利点は、基部素子と、基部素子から長
さLだけ延び、作動前の平常時は第一の位置に安定する
カンチレバー素子を備える超小型電気機械デバイス用サ
ーマルアクチュエータを構成することによって実現され
る。カンチレバー素子は、基部素子から長さLH(0.
3L≦LH≦0.7L)だけ延びる均一な抵抗部分を持
つようパターニングされた、チタンアルミナイド等、電
気抵抗を有する材料で構成された第一層を有する。カン
チレバー素子は、第一層に付着された、熱膨張率が第一
層より低い誘電材料で構成される第二層を有する。均一
な抵抗部分に接続された一対の電極により、電気パルス
を印加してジュール熱を発生させ、その結果、第二層に
対して相対的に第一層の均一な抵抗部分が熱膨張し、カ
ンチレバー素子が第二の位置へとたわみ、電気パルス通
過後は均一な抵抗部分から熱が伝達され、温度が低下す
ると、カンチレバー素子は第一の位置に復帰する。第一
層は好ましくは、カンチレバー素子の長さとほぼ同じだ
け延び、均一な抵抗部分は好ましくは、カンチレバー素
子の長さの一部からこの材料の中央スロットを除去する
ことによって形成される。均一な抵抗部分を長さL
H(03L<LH<0.7L)となるよう形成することに
より、動作に必要な入力エネルギーが削減でき、しかも
動作温度の過剰な上昇を防止できる。
字ヘッドに使用される液滴放出器のためのサーモアクチ
ュエータとして特に有益である。この好ましい実施形態
において、サーマルアクチュエータは、液体を放出する
ためのノズルを有し、液体が充満したチャンバの中に設
置される。サーマルアクチュエータはチャンバの壁から
延びるカンチレバー素子を有し、その自由端はノズルに
近い第一の位置に安定している。カンチレバー素子への
熱パルスの印加により、自由端がノズルから液体を押し
出す。
態を参照しながら詳細に説明されるが、本発明の範囲内
で変更や改造が可能である。
ーマルアクチュエータおよびドロップ・オン・デマンド
液体放出デバイス用の装置を提供する。このようなデバ
イスの最も一般的なものは、インクジェット印刷システ
ムの印字ヘッドとして使用される。インクジェット印字
ヘッドと同様であるが、インク以外の、精密に計量し、
高い空間精度で着弾させる必要のある液体を放出するデ
バイスを利用する用途はその他にも数多く出現してい
る。インクジェットと液滴放出器という用語は、本明細
書において互換的に使用される。以下に説明する発明
は、エネルギー効率と液滴放出の生産性を改善する熱機
械アクチュエータに基づく液滴放出器を提供する。
用し、本発明に従って操作できるインクジェット印刷シ
ステムの略図が示されている。このシステムは、画像デ
ータ発生源400を有し、これが送信する信号をコント
ローラ300が印刷用液滴へのコマンドとして受信す
る。コントローラ300は、電気パルス発生源200に
信号を出力する。パルス発生源200は、インクジェッ
ト印字ヘッド100内の各熱機械アクチュエータ15と
関連する電気抵抗手段に印加される電気エネルギーパル
スで構成される電圧信号を発生する。電気エネルギーパ
ルスは、熱機械アクチュエータ15(以下、「サーマル
アクチュエータ」と呼ぶ)を素早く湾曲させ、ノズル3
0内のインク60に圧力をかけ、インク小滴50を放出
し、これがレシーバ500に着弾する。本発明は、ほぼ
同じ体積と速度、つまり公称値+/−20%の範囲の体
積と速度を持つ小滴の放出を実現する。液滴放出器の中
には、主要小滴と、その後を追う非常に小さな、衛星小
滴(サテライトドロップ: satellite drop)と呼ばれる
小滴を放出するものもある。本発明は、用途の全体的目
的、たとえば画像画素の印刷または液体のインクリメン
トの微量供給を実現する中で、このような衛星小滴を主
要小滴の一部と考える。
の一部の平面図である。熱によって作動されるインクジ
ェットユニットのアレイ100は、中央に整列されたノ
ズル30と、相互に噛み合う形の2列のインクチャンバ
12を有する。インクジェットユニット100は、マイ
クロエレクトロニクスによる製造方法を使い、基板10
上およびその中に形成される。液滴放出器110を形成
するのに使用できる製造シーケンスの一例は、本発明と
同じ譲受人に譲渡された、2000年11月30日出願
の同時係属中の米国特許第09/726,945号、
「サーマルアクチュエータ」に記載されている。
リードコンタクト42,44を有し、これは図2におい
て破線で示される電気的な均一抵抗部25とともに形成
され、あるいはこれに電気的に接続されている。図の実
施形態において、均一抵抗部25はサーマルアクチュエ
ータ15の偏向層の中に形成され、後述するように、熱
機械効果に貢献する。印字ヘッド100の素子80は、
マイクロエレクトロニクスによる基板10および液体供
給、電気信号、機械的インタフェース機能を相互接続す
るためのその他の手段を取り付けるための表面を提供す
る取付構造である。
平面図であり、第二の平面図である図4ではノズル30
を含めた液体チャンバカバー28が取り外されている。
ータ15は、図4においては実線で示されている。サー
マルアクチュエータ15のカンチレバー素子20は、基
板10の中に形成された液体チャンバ12の端部14か
ら延びる。カンチレバー素子アンカー部26は、基板1
0に結合され、カンチレバーを固定する。
櫂の形状であり、長い平坦なシャフトの終端にシャフト
の幅より大きな直径のディスクがある。この形状は使用
可能なカンチレバーアクチュエータの一例に過ぎず、こ
れ以外にも多くの形状が使用できる。櫂の形状で、ノズ
ル30がカンチレバー素子の自由端部27の中心と一列
に並ぶ。液体チャンバ12は16で曲線状の壁部を有
し、これは自由端部27の曲率とほぼ一致し、アクチュ
エータが移動できる間隙ができるよう空間が設けられて
いる。
続端子42,44で電気抵抗ヒータ25に取り付けた様
子を図式的に示す。電圧が電圧端子42,44に印加さ
れ、U字型抵抗器25を通じて抵抗加熱が発生する。こ
れは一般に、電流Iを示す矢印によって示される。図
3,図4の平面図において、アクチュエータの自由端部
27はパルスを受けると、図を見ている人の方向に移動
し、カバー28のノズル30から液滴が図を見ている人
に向かって放出される。この操作と液滴放出の幾何学
は、多くのインクジェットに関する開示文献の中で「ル
ーフシュータ」と呼ばれる。
によるカンチレバーサーマルアクチュエータ15の側面
図である。図5において、アクチュエータは第一の位置
にあり、図6では上方にたわみ、第二の位置にある。カ
ンチレバー素子20は、基部素子10のアンカー部14
から長さLだけ延びる。カンチレバー素子20は複数の
層で構成される。第一層22はたわみ層で、カンチレバ
ー素子20内の他の層に関して熱によって伸長した時に
上方にたわませる。これは熱膨張率の大きい電気抵抗材
料、好ましくはチタンアルミナイド合金で構成される。
第一層22の厚さはh1である。
に接着された第二層23を有する。第二層23は第一層
22の構成に使用された材料に関して低い熱膨張率を有
する材料で構成される。第二層23の厚さは、所与の熱
エネルギー入力について、所望の機械的剛性を得て、カ
ンチレバー素子のたわみを最大限にするよう選択され
る。第二層23は、第一層に形成された抵抗加熱素子を
電気的に絶縁する誘電絶縁体でもあってもよい。第二層
は、第一層22の一部として形成される電気抵抗器を部
分的に定めるのに使用してもよい。第二層の厚さはh2
である。
ンチレバー素子20の層の強力な結合の機能を最適化す
るように、複数の材料によるサブレイヤ、積層で構成し
てもよい。
定化処理)層21は、第一層22を化学的、電気的に保
護するために設けられている。この保護は、本発明によ
るサーマルアクチュエータの用途によっては不要なもの
もあるため、その場合は省くことができる。作用液体が
ひとつまたは複数の表面に接触するサーマルアクチュエ
ータを利用する液滴放出器は、作用液体に対して化学
的、電気的に不活性なパッシベーション層21が必要と
なる。
れによって第一層の温度が上昇し、伸長する。第二層2
3は、熱膨張率が低いことおよび第一層22から第二層
23に熱が拡散するまでに時間がかかるので、第一層2
2ほど伸長しない。第一層22と第二層23の長さの違
いにより、図6に示すように、カンチレバー素子20は
上方に湾曲する。液滴放出器のアクチュエータとして使
用された場合、カンチレバー素子20の湾曲応答は、ノ
ズルの液体を十分に加圧できるよう急速でなければなら
ない。一般的には、電気抵抗加熱装置を使って熱パルス
を印加する。使用されるパルスの持続時間は10μ秒未
満、好ましくは4μ秒未満である。
形態のいくつかによる単独液滴放出器を構成するための
製造工程を示す。これらの実施形態について、第一層2
2は、チタンアルミナイド等、電気抵抗材料を使って構
成され、電流Iを流すための部分を抵抗器にパターニン
グする。図7は、製造の第一段階におけるカンチレバー
の第一層22を示す。図の構造は、一般的なマイクロエ
レクトロニクスの蒸着およびパターニング方法により、
たとえば単結晶シリコン等の基板10の上に形成され
る。基板10の一部は、そこからカンチレバー素子20
が延びることになる基部素子ともなる。チタンアルミナ
イド合金の蒸着は、たとえばRFまたはパルスDCマグ
ネトロンスパッタリング等によって行うことができる。
チタンアルミナイドに使用できる蒸着プロセスの一例
は、本発明と同じ譲受人に譲渡された、2000年11
月30日出願の同時係属中の米国特許第09/726,
945号に記載されている。
抗部25は、層材料のパターンを除去することにより、
第一層22の中にパターニングされる。電流経路は矢印
と文字Iによって示される。図では、アドレス用電気リ
ード42,44も、第一層22の材料の中に形成されて
いる。リード42,44は、基部素子基板10の中にす
でに形成された回路と接触しても、あるいはテープ自動
ボンディング(TAB)またはワイヤボンディング等、
他の一般的な電気的相互接続方法によって外部から接触
してもよい。パッシベーション層21は基板10の上
に、第一層22の材料を蒸着、パターニングする前に形
成する。このパッシベーション層は第一層22およびそ
の他の後続構造の下に残しても、その後のパターニング
プロセスにおいて除去してもよい。
エータの第一層22の上に蒸着され、パターニングされ
た第二層23を示す。均一抵抗部25(図8では示され
ず)は、第一層22の電気抵抗材料を除去し、抵抗パタ
ーンを残すことによって形成された。第二層23は、残
りの抵抗パターンを覆う第一層22の上に形成される。
第二層23の厚さはh2である。第二層23の材料は、
第一層22の材料より熱膨張率が低い。たとえば、第二
層23は二酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニ
ウムまたはこれらの材料等を何層か重ねたものでよい。
気的保護のためのパッシベーション材料を追加すること
ができる。また、当初のパッシベーション層21におい
て、基板10にエッチングで形成される開口部から液体
が通過する部分がパターニングによって除去される。
状に形成される犠牲層29を追加した図である。ポリイ
ミドがデバイス基板に、図8に示す第一層22と第二層
23の位相幾何学を有する表面を平面化するのに十分な
深さで設置される。犠牲層29の材料については、隣接
する材料に関して選択的に除去することのできるもので
あれば、何でも使用できる。
マ蒸着酸化シリコン、窒化シリコンその他等、絶縁保護
材料を蒸着することによって形成される液滴放出器のチ
ャンバウォールとカバーを示す。この層のパターニング
により、液滴放出器のチャンバ28が形成される。ノズ
ル30が液滴放出器のチャンバの中に形成され、製造シ
ーケンスのこの段階で液滴放出器のチャンバ28の中に
残る犠牲材層29と連絡する。
たデバイスの断面側面図である。図11において、犠牲
層29は、ノズルの開口部30を除き、液滴放出器のチ
ャンバウォール28の中に囲み込まれる。図11から、
基板10には何も施されていないことがわかる。パッシ
ベーション層21が基板10の表面のギャップ領域13
とカンチレバー素子20の周辺から除去されている。こ
れらの部分の層21の除去は、犠牲構造29を形成する
前の製造段階で行われた。
素子20およびカンチレバー素子20の周辺および横の
液体チャンバ領域の下から除去される。この除去は、反
応イオンエッチング等、あるいは使用される基板が単結
晶シリコンの場合は方向依存エッチング等の異方性エッ
チングによって行うことができる。サーマルアクチュエ
ータだけを構成する場合は、犠牲構造と液体チャンバの
ステップは不要となり、基板10をエッチングで除去す
るこのステップは、カンチレバー素子20を解放するた
めに使用することができる。
よびフッ素発生源を使ったドライエッチングによって除
去された。エッチングガスはノズル30を通じて、基板
10から先にエッチングされ、新たに開けられた液体供
給チャンバ領域12から入る。このステップにより、カ
ンチレバー素子20は解放され、液滴放出器構造の製造
が完成する。
形態による液滴放出器構造の側面図である。図14は、
ノズル30に近い第一の位置にあるカンチレバー素子2
0を示す。図15は、カンチレバー素子20の自由端2
7がノズル30に向かってたわむ様子を示す。カンチレ
バー素子がこの第二の位置に急速にたわむことにより、
液体60を加圧し、液滴50が放出される。
する動作中の放出器において、静止位置である第一の位
置は、図14に示されるような水平位置より、カンチレ
バー20が部分的に曲がった状態となる場合もある。ア
クチュエータは、ひとつまたは複数のマイクロエレクト
ロニクスによる蒸着または硬化プロセスを実行した後に
残る内部ストレスによって、室温で上下いずれかに湾曲
する可能性がある。デバイスは、温度管理のためのデザ
インおよびインク特性の制御をはじめとするさまざまな
目的のために、温度を上昇させて操作される場合もあ
る。その場合、第一の位置は図15に示されているよう
に、実質的に湾曲していることがある。
カンチレバー素子は自由端が湾曲した位置に大きく変化
しない場合、静止している、あるいは第一の位置にある
と言う。理解しやすさを期すために、第一の位置は図5
および図14において水平に描かれている。しかしなが
ら、湾曲している第一の位置に関するサーマルアクチュ
エータの動作は本発明の発明者によって知られ、予想さ
れ、完全に本発明の範囲に入る。
(工程)を説明している。しかしながら、周知のマイク
ロエレクトロニクスによる製造プロセスと材料を使い、
これ以外にも多くの構成アプローチを採用できる。本発
明の目的のために、第一層22と第二層23を有するカ
ンチレバー素子が得られるのであれば、どのような製造
アプローチでも採用できる。さらに、図7から図13に
示されたシーケンスにおいて、液滴放出器の液体チャン
バ28とノズル30は基板10上に形成された。これに
代わり、サーマルアクチュエータを別に構成し、液体チ
ャンバコンポーネントに結合して液滴放出器を形成して
もよい。
アクチュエータのエネルギー効率を、たわみ層である第
一層22の一部だけを加熱することによって改善するこ
とを発見した。第一層22を構成するために使用される
電気抵抗材料は、カンチレバー素子の長さLの一部だけ
について延びる均一抵抗部25を有するようパターニン
グすることができる。図16,17は、このコンセプト
を説明するものである。図16は、図7に示したパター
ニング済みの第一層22の透視図である。第一層22の
電気抵抗材料は、材料の中央スロット24を除去するこ
とにより、U字型抵抗器にパターニングされる。図16
において、均一な抵抗部25はLH、つまりカンチレバ
ー素子の全長Lだけ延びる。つまり、LH=Lである。
バー素子の全長Lより短い距離LHだけ伸びる均一な抵
抗部25を持つようパターニングされる。つまり、LH
<Lである。第一層22は、点線によって3つの部分に
分けて描かれている。つまり、自由端部27、均一抵抗
部25、固定端部26である。電気入力パッド42,4
4は、固定端部26に形成される。
有するカンチレバー素子によるアクチュエータを操作す
る際、均一抵抗部25の長さLH全体について、ほぼ均
一に加熱される。均一抵抗部25の第一層22は、第二
層23に関して伸張し(図17では示さず)、これによ
ってカンチレバー素子は第一層22から遠ざかる方向に
湾曲する。第一層22の自由端27は均一抵抗部25に
固定されているため、自由端27もまた湾曲する。自由
端27はレバーアームのように動作し、直接加熱される
均一抵抗部25において発生するたわみ量を拡大する。
この拡大効果により、入力エネルギーが大きく節約され
る。アクチュエータの自由端の所望のたわみ量は、伸張
層の一部だけを加熱すればよいため、少ない入力エネル
ギーで実現できる。
益な、寸法上の関係を示す第一層22の平面図である。
第一層22は、図17について説明したように、3つの
部分で形成される。固定端部26、均一抵抗部25、自
由端部27である。電流が入力パッド42と44の間を
流れると、均一抵抗部25が均等に加熱される。この均
一な抵抗加熱により、図15に示すカンチレバー素子2
0のたわみが発生する。このような固定端部の抵抗加熱
は利用されないエネルギーであり、好ましくは、固定端
部26において、第一層22の断面積を増大させ、電流
経路の長さをできるだけ短くすることによって無効な加
熱を小さくできる。自由端部27においては、電流経路
が均一抵抗部25とほぼ一致するため、ほとんど抵抗加
熱が発生しない。
は、固定位置14から延びる長さがLSの中央スロット
24の部分の第一層22を除去することによって形成さ
れる。中央スロット24の幅は平均WSである。抵抗加
熱のホットスポットを防止するため、中央スロット24
は好ましくは、長さLSに沿って均一な寸法で形成す
る。機械的強度と熱サイクル効率の点から、中央スロッ
ト24の幅WSは、均一抵抗の電流経路の決定と同様
に、できるだけ狭くすることが好ましい。本発明の好ま
しい実施形態において、第二層23の材料は先にパター
ニングされた第一層22の材料の上に重ねられる。第一
層22を中央スロット24の中まで第二層23でくまな
く覆うために、中央スロット24はサイドウォールを下
から上に向かって先細に形成することができる。好まし
くは、中央スロット24は、その平均幅が第一層22の
厚さh1の3倍より小さくなるよう、つまりWS<3h1
となるよう形成される。高さ対幅のアスペクト比が1:
3の第一層22の特徴は、MEMS製造プロセスの能力
範囲内である。
Hは中央スロット24の長さLSより大きい。均一抵抗部
25内の電流経路は、中央スロット24の終端から外側
に向かって、電流経路の直線アーム部の幅にほぼ等しい
距離だけ延びる。電流経路の直線アーム部の幅は約1/
2W(ただし、Wは第一層22の均一抵抗部の幅)であ
り、中央スロットの幅WSはWより小さく、WS<<Wと
なる。したがって、図18に示す形状において、LH=
LS+1/2Wである。
子20の長さLを均一抵抗部の長さLHで割った、分数
長さFという点で分析すると有益である。つまり、F=
LH/Lである。第一層22の最適なデザインを選択す
るために、カンチレバー素子20の自由端27の所望の
たわみDを得るために必要なピーク温度ΔTを、分数長
さFの関数として計算すると有益である。ΔTは基本動
作温度または室温からの温度上昇として測定される。所
望のたわみDを得るために必要な入力エネルギー量ΔQ
をヒータの分数長さFの関数として計算することも有益
である。
第一層22のデザインを示す。図19は、F=1/3の
デザインを示す。
起こるときのカンチレバー素子20のたわみを幾何学的
に分析することによって理解できる。図20は、理想的
なカンチレバー素子20を示し、その自由端は量Dだけ
たわんでいる。たわみ量Dは、基部素子10の固定位置
14から長さLHだけ延びる均一抵抗部25の伸長によ
って起こる。カンチレバー素子20の伸張後の長さはL
であり、加熱部分の長さLHはその一部である。つま
り、LH<Lである。均一抵抗部25が加熱されると、
第一層22は第二層23に関して量ΔLHだけ延びる
(図6参照)。
が、層の厚さ全体にわたって起こる。本発明を理解する
には、加熱された均一抵抗部25を層22と23の間の
熱膨張率の不一致ΔLHによって放物線状に形成される
ビームとして分析することが適当である。
5が、室温または基本動作温度Tbas eより高い温度ΔT
になるまで加熱された場合のカンチレバー素子20の形
状が示される。加熱部分は、図20に示すような放物線
アーチの形状に形成される。カンチレバー素子20の加
熱されていない自由端部27は、放物線アーチの接線と
して、均一抵抗部25の終端から延びる。自由端部27
の角度Θは、距離x=LHでの放物線アーチの傾斜を評
価することによって得られる。自由端部27の総たわみ
量Dは加熱された均一抵抗部26から生じるたわみ成分
D1と加熱されていない部分の角伸張から生じるたわみ
成分D2との総和である。
4の固定点からの距離xの関数として、機械的中心線D
c(x)から計算される。機械的中心線は、図20にお
いて線Dcで示される。熱膨張率が異なり、ビームが平
坦な基本温度より高い温度ΔTで平衡状態となる2層ビ
ームの機械的中心線Dc(x)に関する等式は以下のよ
うになる。
数、厚さ、ポアソン比である。項Gは曲げ剛性と呼ばれ
る。項α1とα2はそれぞれ、第一層と第二層の熱膨張率
である。重要な数量(cΔT)は、2層構造の熱モーメ
ントである。
=LHとすることによって得られる。
る直線として延長される。この直線の伸張の傾斜tan
Θは、数式(2)においてx=LHでとすることによっ
て得られる。
tanΘである。そこで、数式(7)と数式(11)を
数式(2)に代入すると、総たわみ量Dが出る。
結果を理解するために、公称デザインの場合と比較する
ことが有益である。公称デザインの場合、サーマルアク
チュエータの用途には、たわみ量Dが公称量D0でなけ
ればならないとされる。さらに、カンチレバー素子20
の全長Lが抵抗加熱され、LH=L,F=1.0である
と、ΔT0の温度差は電気パルスによって確立されなけ
ればならない。つまり、フルレングスのヒータの公称た
わみ量は
さF=LH/Lと上記の公称たわみ量D0から、以下のよ
うに公式化することができる。
の分数Fである時、たわみ量を実現するために到達しな
ければならないピーク温度の関係を示す。ピーク温度と
ヒータの分数長さとのトレードオフは、サーマルアクチ
ュエータのデバイス用途によって必要となる一定の公称
たわみ量D0と等しく設定される場合について、数式
(14)に代入することによって得られる。
うになる。ΔTは、ΔT0の単位でプロットされる。こ
の関係は、ヒータの分数長さFがF=1から減少する
と、所望のカンチレバー素子のたわみ量D0を達成する
のに必要な温度差が大きくなる。図19に示すように、
ヒータの分数長さF=1/3の場合、温度差は、ヒータ
長さ100%の公称ケースより約70%大きくなければ
ならない。図18に示すF=2/3の場合、ΔTはΔT
0より約20%大きくなければならない。したがって、
数式15と図21の曲線210から、カンチレバー素子
の加熱部分を縮小するには、デバイスのより高いピーク
温度の許容性を犠牲にしなければならないことがわか
る。サーマルアクチュエータの材料とアクチュエータに
使用する液体には、使用できる実際上のピーク温度を限
定するような故障モードがある。ヒータの分数長さを最
低値まで削減しようとすると、ある地点で、必要なピー
ク温度が使用液体の信頼できなくなるレベルにまでなる
ため、さらにヒータの長さを小さくすることは非現実的
である。
ュエータの加熱部分を縮小することの重要な利点は、入
力エネルギー削減が実現されることにある。均一抵抗部
25に加えられるエネルギーパルスΔQは、温度をΔT
だけ上昇させる。つまり、一次近似で、
質量である。ρ1は第一層22を構成するのに使用され
る電気抵抗材料の密度である。h1,W,FLは、電気
エネルギーパルスによってはじめに加熱される第一層2
2の材料の厚さ、幅、長さである。C1は、第一層22
の電気抵抗材料の比熱である。
合に必要な入力エネルギー量は、
の分数長さとのトレードオフを説明する。公称入力パル
スエネルギーΔQ0によって正規化される入力パルスエ
ネルギーΔQをプロットすると、図21の曲線212と
なる。曲線212は、ヒータの分数長さが減少すると、
必要なエネルギーも減ることを示している。加熱部分の
材料はより高い温度差ΔTまで上昇されなければならな
いものの、加熱される材料は少なくてすむ。したがっ
て、入力パルスエネルギーの最終的な削減は、ヒータの
分数長さを減らすことによって実現できる。たとえば、
図18に示すF=2/3のヒータ構成では、F=1の公
称ケースより必要なエネルギーが25%少なくてすむ。
図19に示すF=1/3のヒータ構成は、公称ケースよ
り必要なエネルギーが40%少ない。
ーマルアクチュエータを操作することにより、必要な量
のたわみを実現するために使用される入力エネルギーを
少なくすることができる。使用エネルギーの削減には、
電源節約、ドライバ回路の費用、デバイスのサイズ、包
装の面での利点をはじめとする多くのシステムの利点が
ある。
イスの場合、入力エネルギーの削減は、液滴反復頻度が
改善されることも意味する。サーマルアクチュエータの
クールダウン時間が液滴反復頻度を左右する物理的効果
を限定することがしばしばある。作動させるのに使われ
るエネルギーが少ないと、入力熱エネルギーが散逸し、
公称のアクチュエータ位置に復帰するのに必要な時間が
短縮される。
さらに、入力熱エネルギーの大部分が基板基部素子10
の付近に留まるため、各動作後にカンチレバー素子20
から基部素子10へと素早く熱が伝えられる。カンチレ
バー素子からの熱伝導の時間定数τは、熱伝導の一次元
的分析を使うことにより、一次近似まで理解することが
できる。このような分析により、時間定数は、熱流経路
の長さの二乗に比例することがわかる。したがって、長
さLH=FLの均一抵抗部25の熱伝導時間定数は、F2
に比例する。
関する熱伝導時間定数である。したがって、アクチュエ
ータのクールダウンに必要な時間は、均一な抵抗部25
の分数長さを減少させることによって大幅に改善でき
る。F2に比例して発生する伝導伝熱時間定数の減少
は、本発明による分数長さのヒータを使ったサーマルア
クチュエータを使用する場合の重要なシステム上の利点
である。
し、伝導を通じた放熱速度を改善することにより、反復
動作が必要な場合に、より低い温度ベースラインを保つ
ことができる。より低い入力エネルギーで複数のパルス
がサポートされ、開始温度をパルス間で上昇させ、しか
もデバイス温度を、ある故障上限より低く保つことがで
きる。
わみ量を実現するために、短いヒータを選択する際、シ
ステム上のトレードオフがあることを示している。ヒー
タの長さが短くなるとエネルギー入力は減るが、ピーク
温度が高くなり、信頼性の面で問題が生じる。多くのシ
ステムにおいて、エネルギー削減割合と温度上昇割合
は、コストと信頼性の面でシステムに与える影響はほぼ
等しい。これら2つの数量の最適化は、2つの積を出す
ことによって理解できる。ΔQのエネルギーを削減しよ
うとすれば、基本動作温度より高い必要温度ΔTを上昇
させなければならない。
さFの関数として、数式(15),数式(20)から以
下のように表すことができる。
と、図21の曲線214のようになる。これが正規化さ
れ、ΔQ0ΔT0のユニットを持つことになる。曲線21
4から、システム最適化係数Sは最低値Smまで改善さ
れ、次に、ΔQの削減と比較して、必要なΔTが大きく
なることがわかる。システム最適化係数の最低値S
mは、Sの導関数がゼロの場合のFの数値として見つけ
られる。
って、F=2/3を選択すると、基礎動作温度以上の必
要温度差割合(パーセンテージ)によって調整されるエ
ネルギー節約割合を実現するデザインを最適化できる。
マルアクチュエータシステムには、1>F>2/3の
時、ピーク温度上昇というデメリットより大きな割合で
エネルギーが削減されるというメリットがある。F=2
/3以下の場合、ピーク温度上昇割合は、入力パルスエ
ネルギーの低減割合より大きい。F=1/2の時、33
%というピーク温度上昇割合は、やはり33%のパルス
エネルギー削減割合と同じである。
は、パルスエネルギー削減割合より大きい。必要な温度
上昇量(パーセンテージ)は、F〜0.3の時、公称ケ
ースの2倍である。動作温度は、この分数長さ以下で急
速に増加し、F〜0.2ではF=1の場合の3倍近くな
る。図21と数式(15),数式(20)から、F<
0.3の場合、エネルギー削減はわずかに数パーセント
ポイントのみ増加するが、その一方で必要な温度は2
倍、3倍となる。動作温度のこのように大きな上昇は、
サーマルアクチュエータの構成と組立に使用できる材料
を厳しく限定し、本発明の液滴放出器の実施形態におけ
るサーマルアクチュエータに必然的に接触する液体の組
成を厳しく限定する。したがって、本発明によれば、ヒ
ータの分数長さは、過剰な動作温度によって生じるデバ
イスとシステムの信頼性の問題を回避するために、F>
0.3となるよう選択する。
ンスをとるシステムデザインは、0.3L<LH<0.
7Lの範囲でヒータの分数長さを選択することによって
得られる。この範囲の上限は、エネルギー節約のゲイン
を最適化しながら、動作温度の上昇を最小限にする分数
長さによって決まる。この範囲の下限は、動作温度の上
昇がフルレングスのヒータの場合の2倍となり、さらに
エネルギー削減が必要な動作温度の急上昇と比較して非
常に小さい地点によって決まる。
ンチレバー素子20のほぼ長さ全体にわたって延びる電
気抵抗材料の第一層22を使用した。この構成は、機械
的強度と動作サイクルの冷却段階における熱伝達から好
ましい。しかしながら、本発明は、電気抵抗層22の長
さを短くして短いヒータを構成することによっても実現
できる。この実施形態を図23に示す。図24の構成に
おいて、カンチレバー素子20の加熱部25は、支持用
の第二層23だけが自由端部27を有するように先端が
切られている。ほぼフルレングスの電気抵抗材料の層を
有する上述の構成を比較のために図22として示す。
らが数式(1)から(14)の関連パラメータの全部に
ついて同じ数値を持つことから、ほぼ同じたわみ量Dを
呈するものと予想される。しかしながら、図23の構成
は、液体を移動させるために使用された場合にそれほど
急速に低温化せず、また、自由端部27からの熱はカン
チレバー素子から容易に伝わらない。また、図23の自
由端構成の強度は図22の構成のそれより弱い。この弱
さは、液滴放出デバイスの破損または自由端が大量の液
体その他の材料を移動させるその他の用途においてアク
チュエータが故障する原因となる可能性がある。図23
に示す部分的長さのヒータ材料構成は、自由端先端が機
械的に弱くても、また、アクチュエータの反復時間がゆ
っくりであっても容認される用途について可能性の高い
本発明の実施形態である。
エータまたは液滴放出器の構成と動作に関するものであ
ったが、本発明は複数のサーマルアクチュエータおよび
液滴放出ユニットのアレイやアセンブリを構成する場合
にも適用できると理解すべきである。また、本発明によ
るサーマルアクチュエータデバイスは、他の電子コンポ
ーネントと回路と同時に製造しても、電子コンポーネン
トと回路の製造の前または後に、同じ基板上に形成して
もよい。
説明は、例示と説明を目的として行われた。これは、開
示されたそのままの形態に本発明を限定しようとするも
のではない。変更や改変も可能であり、当業者は上記の
教示から、そのような変更や改変を予想できる。
である。
液滴放出ユニットアレイの平面図である。
拡大平面図である。
拡大平面図である。
を示す側面図である。
を示す側面図である。
するのに適したプロセスの初期段階で、カンチレバー素
子の第一層が形成される様子の透視図である。
バー素子の第二層が形成される様子の透視図である。
発明による液滴放出器のチャンバを満たす液体の形状の
犠牲層が形成される様子の透視図である。
で、本発明による液滴放出器の液体チャンバとノズルが
形成される様子の透視図である。
で、液体供給経路が形成され、犠牲層が除去されて本発
明による液滴放出器が完成する様子の側面図である。
で、液体供給経路が形成され、犠牲層が除去されて本発
明による液滴放出器が完成する様子の側面図である。
で、液体供給経路が形成され、犠牲層が除去されて本発
明による液滴放出器が完成する様子の側面図である。
図である。
図である。
デザインの透視図である。
デザインの透視図である。
デザインの平面図である。
デザインの平面図である。
使用される幾何学的数量を示す図である。
の属性を示すグラフである。
示す側面図である。
示す側面図である。
ンチレバー素子とチャンバウォールとのギャップ、14
カンチレバー素子固定位置、15 サーマルアクチュ
エータ、16 液体チャンバ湾曲ウォール部、20 カ
ンチレバー素子、21 パッシベーション層、22 第
一層、23 第二層、24 均一抵抗部を形成する中央
スロット、25 カンチレバー素子の均一抵抗部、26
カンチレバー素子の固定端部、27 カンチレバー素
子の自由端部、28 液体チャンバ構造の壁(カバ
ー)、29 パッシベーション層、30 ノズル、41
TABリード、42 電気入力パッド、43 はんだ
バンプ、44、電気入力パッド、50 液滴、60 作
用液体、80 支持構造、100 インクジェット印字
ヘッド、110 液滴放出ユニット、200、電気パル
ス発生源、300 コントローラ、400 画像データ
発生源、500 レシーバ。
Claims (3)
- 【請求項1】 (a)基部素子と、 (b)前記基部素子から長さLだけ延び、第一の位置に
安定するカンチレバー素子であって、該基部素子から長
さLH(ただし、0.3L≦LH≦0.7L)だけ延びる
均一抵抗部を持つようパターニングされた、電気抵抗材
料で構成される第一層と、前記第一層に付着された、前
記第一層より低い熱膨張率を有する誘電材料で構成する
第二層と、を有するカンチレバー素子と、 (c)前記均一抵抗部に接続され、電気パルスを印加し
てジュール熱を発生させ、その結果、前記第二層に対す
る前記第一層の均一抵抗部の熱膨張と前記カンチレバー
素子の第二の位置へのたわみを生じさせた後、前記熱が
前記均一抵抗部から伝搬し、その温度が低下すると、前
記カンチレバー素子が前記第一の位置に復帰するように
する一対の電極と、を備えることを特徴とする超小型電
気機械装置用サーマルアクチュエータ。 - 【請求項2】 前記第一層は該基部素子から該カンチレ
バー素子の長さLとほぼ等しい分だけ延びることを特徴
とする請求項1に記載のサーマルアクチュエータ。 - 【請求項3】 前記LHは2/3Lとほぼ等しいことを
特徴とする請求項1に記載のサーマルアクチュエータ。
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