JP4531336B2 - 液滴放出器 - Google Patents

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キャべル アントニオ
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Micromachines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般に超小型電気機械デバイスに関し、より詳しくは、インクジェットデバイスおよびその他液滴放出器(リキッド・ドロップ・エミッタ: liquid drop emitter)に使用する超小型電気機械サーマルアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
超小型電気機械システム(MEMS:Micro−electro mechanical systems)は、比較的新しく開発されたものである。このMEMSはアクチュエータ、バルブ、位置決め器となる従来の電気機械デバイスに代わるものとして使用されている。超小型電気機械デバイスは、マイクロエレクトロニクス(半導体シリコン集積回路)の製造技術を使用しているため、低コストとなる可能性がある。また、MEMSデバイスの規模の小ささから、新たな用途も見出されつつある。
【0003】
MEMSテクノロジーの多くの用途において、その装置において必要な運動を提供するために、サーマルアクチュエータが利用されている。たとえば、多くのアクチュエータ、バルブ、位置決め器はその動作のためにサーマルアクチュエータを使用する。一部の用途では、パルス化された動作が必要とされる。たとえば、アクチュエータが第一の位置から第二の位置に高速で移動し、その後第一の位置に復帰するという動作を利用し、液体に圧力パルスを発生させる、あるいはアクチュエーションパルス1個につき、メカニズムを位置または回転を1単位ずつ進める。ドロップ・オン・デマンド型の液滴放出器は、個々に分離された圧力パルスを使って、ノズルから個別の量の液体を排出させる。
【0004】
ドロップ・オン・デマンド(DOD:Drop−on−demand)型液体放出デバイスは、インクジェット印刷システムにおけるインク印刷デバイスとして知られている。初期のデバイスは、圧電アクチュエータに基づくものであった(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0005】
現在人気の高いインクジェット印刷形態であるサーマルインクジェット(または「バブルジェット(登録商標)」)式では、電気抵抗ヒータを使って蒸気の泡を発生させ、これによって液滴を放出させている(例えば、特許文献3参照。)。
【0006】
電気抵抗ヒータによるアクチュエータは、開発の進んだマイクロエレクトロニクスのプロセスを使用して製造されるため、圧電式アクチュエータと比較し、製造コストの面で有利である。その一方で、サーマルインクジェット液滴放出メカニズムには、気化可能な成分を含むインクが必要であり、インクの温度が局所的にこの成分の沸点より高くなる。このような高温下にさらされるため、サーマルインクジェットデバイスによって確実に放出されるインクその他の液体の調合は極めて限定される。圧電式に作動されるデバイスは、液体を機械的に加圧するため、噴射できる液体にそうした厳しい制限は無い。
【0007】
インクジェットデバイスの供給者がこれまでに実現した利用可能性、コストおよび技術的パフォーマンスの改善により、液体の微量測定を必要とする他の用途にそうしたデバイスを利用することに対する関心が深まった。このような新たな用途の例には、微量分析化学薬品用の特殊化学薬品の供給(例えば、特許文献4参照。)、電子デバイス製造用被膜剤の供給(例えば、特許文献5参照。)、薬剤吸入療法用微小滴供給がある(例えば、特許文献6参照。)。
【0008】
最高品質の画像印刷だけでなく、液体供給が超微量の液滴の単独放出、正確な位置付けとタイミング、微細なインクリメントを必要とする新たな用途にとっても、要求に応じてさまざまな液体の微量小滴を放出することのできるデバイスや方法が必要とされる。
【0009】
さまざまな調合の液体に使用できる、低コストの微量小滴放出方法が必要とされている。それにはサーマルインクジェットシステムに使用されるマイクロエレクトロニクス製造技術の利点と、圧電機械デバイスに利用できる幅広い液体組成物とを組み合わせた装置と方法が必要である。
【0010】
サーモメカニカルアクチュエータを利用するDODインクジェットデバイスのアクチュエータは、インクジェットチャンバの中で移動可能な二層カンチレバーとして構成される。抵抗器によってビームが加熱され、2つの層の熱膨張率の違いにより、これが湾曲する。ビームの自由端が移動してノズルのインクを加圧し、液滴が放出される(特許文献7参照。)。
【0011】
最近、同様の熱機械DODインクジェットシステムの構成が、開示されている(例えば、特許文献8、9、10、11参照。)。
【0012】
マイクロエレクトロニクスのプロセスを使って熱機械インクジェットデバイスを製造する方法も開示されている(例えば、特許文献12、13、14参照。)。
【0013】
熱機械式で作動する液滴放出器は、マイクロエレクトロニクスの材料と機器を使って大量生産でき、サーマルインクジェットデバイスでは信頼性が低下してしまう液体を使って操作できるため、低コストのデバイスとして大きな将来性がある。しかしながら、サーマルアクチュエータ式の液滴放出器を高い滴下反復頻度で作動させる場合、温度の上昇に注意しなければならない。液滴生成は、ノズル部分の液体内に圧力衝撃を作ることに依存している。放出デバイス、熱機械アクチュエータそのもののベースライン(基底状態時)温度が大きく上昇すると、デバイスの材料と作用液体そのものの許容動作温度限度を超え、有効なアクチュエータ移動の一部に対するシステム制御が失われる。熱機械アクチュエータ内の熱を管理し、そのデバイスの生産性を最大限にする熱機械DOD放出器の作動装置と作動方法が必要である。
【0014】
熱機械アクチュエータの有益な設計は、一端がデバイス構造に固定され、自由端がビームに垂直にたわむカンチレバービームである。このたわみは、ビームの熱膨張勾配を垂直方向に設定することによって発生する。この膨張勾配は、ビームを形成する層の温度勾配または実際の材料の違いによって発生する。熱膨張勾配を素早く確立し、その後これをやはり素早く散逸させ、アクチュエータが当初の位置に復帰できることは、パルス式サーマルアクチュエータにとって望ましい。入力エネルギーの削減は、散逸しなければならない使用済み熱エネルギーの量が減ることになるため、アクチュエータの復帰に役立つ。
【0015】
サーマルアクチュエーションの反復頻度は、これを利用するデバイスの生産性にとって重要である。たとえば、サーマルアクチュエータDODインクジェット印字ヘッドの印字速度は液滴反復頻度に依存し、液滴反復頻度は、サーマルアクチュエータをリセットするのに必要な時間に依存する。少ない入力エネルギーと高い許容ピーク温度で動作できるカンチレバー素子を用いたサーマルアクチュエータは、高い頻度で動作し、MEMS製造方法を使って製造できるシステムを構築するのに必要となる。
【0016】
【特許文献1】
米国特許第3,946,398号明細書
【特許文献2】
米国特許第3,747,120号明細書
【特許文献3】
米国特許第4,296,421号明細書
【特許文献4】
米国特許第5,599,695号明細書
【特許文献5】
米国特許第5,902,648号明細書
【特許文献6】
米国特許第5,771,882号明細書
【特許文献7】
特開平2−30543公報
【特許文献8】
米国特許第6,067,797号明細書
【特許文献9】
米国特許第6,087,638号明細書
【特許文献10】
米国特許第6,239,821号明細書
【特許文献11】
米国特許第6,243,113号明細書
【特許文献12】
米国特許第6,180,427号明細書
【特許文献13】
米国特許第6,254,793号明細書
【特許文献14】
米国特許第6,274,056号明細書
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、入力エネルギーを削減し、過剰な許容ピーク温度を必要としない熱機械アクチュエータを提供することである。
【0018】
また、本発明の目的は、作用液体に損傷を与えないピーク温度で動作するエネルギー効率のよい熱機械カンチレバーによって作動する液滴放出器を提供することでもある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記およびその他の本発明の特徴、目的、利点は、本明細書による詳細な説明、特許請求範囲および図面から容易に明らかになる。これらの特徴、目的、利点は、基部素子と、基部素子から長さLだけ延び、作動前の平常時は第一の位置に安定するカンチレバー素子を備える超小型電気機械デバイス用サーマルアクチュエータを構成することによって実現される。カンチレバー素子は、基部素子から長さLH(0.3L≦LH≦0.7L)だけ延びる均一な抵抗部分を持つようパターニングされた、チタンアルミナイド等、電気抵抗を有する材料で構成された第一層を有する。カンチレバー素子は、第一層に付着された、熱膨張率が第一層より低い誘電材料で構成される第二層を有する。均一な抵抗部分に接続された一対の電極により、電気パルスを印加してジュール熱を発生させ、その結果、第二層に対して相対的に第一層の均一な抵抗部分が熱膨張し、カンチレバー素子が第二の位置へとたわみ、電気パルス通過後は均一な抵抗部分から熱が伝達され、温度が低下すると、カンチレバー素子は第一の位置に復帰する。第一層は好ましくは、カンチレバー素子の長さとほぼ同じだけ延び、均一な抵抗部分は好ましくは、カンチレバー素子の長さの一部からこの材料の中央スロットを除去することによって形成される。均一な抵抗部分を長さLH(03L<LH<0.7L)となるよう形成することにより、動作に必要な入力エネルギーが削減でき、しかも動作温度の過剰な上昇を防止できる。
【0020】
本発明は、DODインクジェット印刷用印字ヘッドに使用される液滴放出器のためのサーモアクチュエータとして特に有益である。この好ましい実施形態において、サーマルアクチュエータは、液体を放出するためのノズルを有し、液体が充満したチャンバの中に設置される。サーマルアクチュエータはチャンバの壁から延びるカンチレバー素子を有し、その自由端はノズルに近い第一の位置に安定している。カンチレバー素子への熱パルスの印加により、自由端がノズルから液体を押し出す。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明は、特定の好ましい実施形態を参照しながら詳細に説明されるが、本発明の範囲内で変更や改造が可能である。
【0022】
以下に詳細に説明するように、本発明はサーマルアクチュエータおよびドロップ・オン・デマンド液体放出デバイス用の装置を提供する。このようなデバイスの最も一般的なものは、インクジェット印刷システムの印字ヘッドとして使用される。インクジェット印字ヘッドと同様であるが、インク以外の、精密に計量し、高い空間精度で着弾させる必要のある液体を放出するデバイスを利用する用途はその他にも数多く出現している。インクジェットと液滴放出器という用語は、本明細書において互換的に使用される。以下に説明する発明は、エネルギー効率と液滴放出の生産性を改善する熱機械アクチュエータに基づく液滴放出器を提供する。
【0023】
まず図1を見ると、本発明による装置を使用し、本発明に従って操作できるインクジェット印刷システムの略図が示されている。このシステムは、画像データ発生源400を有し、これが送信する信号をコントローラ300が印刷用液滴へのコマンドとして受信する。コントローラ300は、電気パルス発生源200に信号を出力する。パルス発生源200は、インクジェット印字ヘッド100内の各熱機械アクチュエータ15と関連する電気抵抗手段に印加される電気エネルギーパルスで構成される電圧信号を発生する。電気エネルギーパルスは、熱機械アクチュエータ15(以下、「サーマルアクチュエータ」と呼ぶ)を素早く湾曲させ、ノズル30内のインク60に圧力をかけ、インク小滴50を放出し、これがレシーバ500に着弾する。本発明は、ほぼ同じ体積と速度、つまり公称値+/−20%の範囲の体積と速度を持つ小滴の放出を実現する。液滴放出器の中には、主要小滴と、その後を追う非常に小さな、衛星小滴(サテライトドロップ: satellite drop)と呼ばれる小滴を放出するものもある。本発明は、用途の全体的目的、たとえば画像画素の印刷または液体のインクリメントの微量供給を実現する中で、このような衛星小滴を主要小滴の一部と考える。
【0024】
図2は、インクジェット印字ヘッド100の一部の平面図である。熱によって作動されるインクジェットユニットのアレイ100は、中央に整列されたノズル30と、相互に噛み合う形の2列のインクチャンバ12を有する。インクジェットユニット100は、マイクロエレクトロニクスによる製造方法を使い、基板10上およびその中に形成される。液滴放出器110を形成するのに使用できる製造シーケンスの一例は、本発明と同じ譲受人に譲渡された、2000年11月30日出願の同時係属中の米国特許第09/726,945号、「サーマルアクチュエータ」に記載されている。
【0025】
各液滴放出ユニット110は関連する電気リードコンタクト42,44を有し、これは図2において破線で示される電気的な均一抵抗部25とともに形成され、あるいはこれに電気的に接続されている。図の実施形態において、均一抵抗部25はサーマルアクチュエータ15の偏向層の中に形成され、後述するように、熱機械効果に貢献する。印字ヘッド100の素子80は、マイクロエレクトロニクスによる基板10および液体供給、電気信号、機械的インタフェース機能を相互接続するためのその他の手段を取り付けるための表面を提供する取付構造である。
【0026】
図3はひとつの液滴放出ユニット110の平面図であり、第二の平面図である図4ではノズル30を含めた液体チャンバカバー28が取り外されている。
【0027】
図3に破線で示されるサーマルアクチュエータ15は、図4においては実線で示されている。サーマルアクチュエータ15のカンチレバー素子20は、基板10の中に形成された液体チャンバ12の端部14から延びる。カンチレバー素子アンカー部26は、基板10に結合され、カンチレバーを固定する。
【0028】
アクチュエータのカンチレバー素子20は櫂の形状であり、長い平坦なシャフトの終端にシャフトの幅より大きな直径のディスクがある。この形状は使用可能なカンチレバーアクチュエータの一例に過ぎず、これ以外にも多くの形状が使用できる。櫂の形状で、ノズル30がカンチレバー素子の自由端部27の中心と一列に並ぶ。液体チャンバ12は16で曲線状の壁部を有し、これは自由端部27の曲率とほぼ一致し、アクチュエータが移動できる間隙ができるよう空間が設けられている。
【0029】
図4は、電気パルス発生源200を相互接続端子42,44で電気抵抗ヒータ25に取り付けた様子を図式的に示す。電圧が電圧端子42,44に印加され、U字型抵抗器25を通じて抵抗加熱が発生する。これは一般に、電流Iを示す矢印によって示される。図3,図4の平面図において、アクチュエータの自由端部27はパルスを受けると、図を見ている人の方向に移動し、カバー28のノズル30から液滴が図を見ている人に向かって放出される。この操作と液滴放出の幾何学は、多くのインクジェットに関する開示文献の中で「ルーフシュータ」と呼ばれる。
【0030】
図5,図6は、本発明の好ましい実施形態によるカンチレバーサーマルアクチュエータ15の側面図である。図5において、アクチュエータは第一の位置にあり、図6では上方にたわみ、第二の位置にある。カンチレバー素子20は、基部素子10のアンカー部14から長さLだけ延びる。カンチレバー素子20は複数の層で構成される。第一層22はたわみ層で、カンチレバー素子20内の他の層に関して熱によって伸長した時に上方にたわませる。これは熱膨張率の大きい電気抵抗材料、好ましくはチタンアルミナイド合金で構成される。第一層22の厚さはh1である。
【0031】
カンチレバー素子20はまた、第一層22に接着された第二層23を有する。第二層23は第一層22の構成に使用された材料に関して低い熱膨張率を有する材料で構成される。第二層23の厚さは、所与の熱エネルギー入力について、所望の機械的剛性を得て、カンチレバー素子のたわみを最大限にするよう選択される。第二層23は、第一層に形成された抵抗加熱素子を電気的に絶縁する誘電絶縁体でもあってもよい。第二層は、第一層22の一部として形成される電気抵抗器を部分的に定めるのに使用してもよい。第二層の厚さはh2である。
【0032】
第二層23は、熱流管理、電気的絶縁、カンチレバー素子20の層の強力な結合の機能を最適化するように、複数の材料によるサブレイヤ、積層で構成してもよい。
【0033】
図4に示されるパッシベーション(表面安定化処理)層21は、第一層22を化学的、電気的に保護するために設けられている。この保護は、本発明によるサーマルアクチュエータの用途によっては不要なものもあるため、その場合は省くことができる。作用液体がひとつまたは複数の表面に接触するサーマルアクチュエータを利用する液滴放出器は、作用液体に対して化学的、電気的に不活性なパッシベーション層21が必要となる。
【0034】
熱パルスが第一層22に印加されると、これによって第一層の温度が上昇し、伸長する。第二層23は、熱膨張率が低いことおよび第一層22から第二層23に熱が拡散するまでに時間がかかるので、第一層22ほど伸長しない。第一層22と第二層23の長さの違いにより、図6に示すように、カンチレバー素子20は上方に湾曲する。液滴放出器のアクチュエータとして使用された場合、カンチレバー素子20の湾曲応答は、ノズルの液体を十分に加圧できるよう急速でなければならない。一般的には、電気抵抗加熱装置を使って熱パルスを印加する。使用されるパルスの持続時間は10μ秒未満、好ましくは4μ秒未満である。
【0035】
図7から図13は、本発明の好ましい実施形態のいくつかによる単独液滴放出器を構成するための製造工程を示す。これらの実施形態について、第一層22は、チタンアルミナイド等、電気抵抗材料を使って構成され、電流Iを流すための部分を抵抗器にパターニングする。図7は、製造の第一段階におけるカンチレバーの第一層22を示す。図の構造は、一般的なマイクロエレクトロニクスの蒸着およびパターニング方法により、たとえば単結晶シリコン等の基板10の上に形成される。基板10の一部は、そこからカンチレバー素子20が延びることになる基部素子ともなる。チタンアルミナイド合金の蒸着は、たとえばRFまたはパルスDCマグネトロンスパッタリング等によって行うことができる。チタンアルミナイドに使用できる蒸着プロセスの一例は、本発明と同じ譲受人に譲渡された、2000年11月30日出願の同時係属中の米国特許第09/726,945号に記載されている。
【0036】
第一層22の厚さはh1である。均一な抵抗部25は、層材料のパターンを除去することにより、第一層22の中にパターニングされる。電流経路は矢印と文字Iによって示される。図では、アドレス用電気リード42,44も、第一層22の材料の中に形成されている。リード42,44は、基部素子基板10の中にすでに形成された回路と接触しても、あるいはテープ自動ボンディング(TAB)またはワイヤボンディング等、他の一般的な電気的相互接続方法によって外部から接触してもよい。パッシベーション層21は基板10の上に、第一層22の材料を蒸着、パターニングする前に形成する。このパッシベーション層は第一層22およびその他の後続構造の下に残しても、その後のパターニングプロセスにおいて除去してもよい。
【0037】
図8は、先に形成されたサーマルアクチュエータの第一層22の上に蒸着され、パターニングされた第二層23を示す。均一抵抗部25(図8では示されず)は、第一層22の電気抵抗材料を除去し、抵抗パターンを残すことによって形成された。第二層23は、残りの抵抗パターンを覆う第一層22の上に形成される。第二層23の厚さはh2である。第二層23の材料は、第一層22の材料より熱膨張率が低い。たとえば、第二層23は二酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムまたはこれらの材料等を何層か重ねたものでよい。
【0038】
この段階で、第二層23の上に化学的、電気的保護のためのパッシベーション材料を追加することができる。また、当初のパッシベーション層21において、基板10にエッチングで形成される開口部から液体が通過する部分がパターニングによって除去される。
【0039】
図9は、液滴放出器のチャンバの内側の形状に形成される犠牲層29を追加した図である。ポリイミドがデバイス基板に、図8に示す第一層22と第二層23の位相幾何学を有する表面を平面化するのに十分な深さで設置される。犠牲層29の材料については、隣接する材料に関して選択的に除去することのできるものであれば、何でも使用できる。
【0040】
図10は、犠牲層構造29の上に、プラズマ蒸着酸化シリコン、窒化シリコンその他等、絶縁保護材料を蒸着することによって形成される液滴放出器のチャンバウォールとカバーを示す。この層のパターニングにより、液滴放出器のチャンバ28が形成される。ノズル30が液滴放出器のチャンバの中に形成され、製造シーケンスのこの段階で液滴放出器のチャンバ28の中に残る犠牲材層29と連絡する。
【0041】
図11,12は、図10のA−Aで切断したデバイスの断面側面図である。図11において、犠牲層29は、ノズルの開口部30を除き、液滴放出器のチャンバウォール28の中に囲み込まれる。図11から、基板10には何も施されていないことがわかる。パッシベーション層21が基板10の表面のギャップ領域13とカンチレバー素子20の周辺から除去されている。これらの部分の層21の除去は、犠牲構造29を形成する前の製造段階で行われた。
【0042】
図12において、基板10はカンチレバー素子20およびカンチレバー素子20の周辺および横の液体チャンバ領域の下から除去される。この除去は、反応イオンエッチング等、あるいは使用される基板が単結晶シリコンの場合は方向依存エッチング等の異方性エッチングによって行うことができる。サーマルアクチュエータだけを構成する場合は、犠牲構造と液体チャンバのステップは不要となり、基板10をエッチングで除去するこのステップは、カンチレバー素子20を解放するために使用することができる。
【0043】
図13において、犠牲材層29は、酸素およびフッ素発生源を使ったドライエッチングによって除去された。エッチングガスはノズル30を通じて、基板10から先にエッチングされ、新たに開けられた液体供給チャンバ領域12から入る。このステップにより、カンチレバー素子20は解放され、液滴放出器構造の製造が完成する。
【0044】
図14から15は、本発明の好ましい実施形態による液滴放出器構造の側面図である。図14は、ノズル30に近い第一の位置にあるカンチレバー素子20を示す。図15は、カンチレバー素子20の自由端27がノズル30に向かってたわむ様子を示す。カンチレバー素子がこの第二の位置に急速にたわむことにより、液体60を加圧し、液滴50が放出される。
【0045】
図に示された種類のカンチレバー素子を有する動作中の放出器において、静止位置である第一の位置は、図14に示されるような水平位置より、カンチレバー20が部分的に曲がった状態となる場合もある。アクチュエータは、ひとつまたは複数のマイクロエレクトロニクスによる蒸着または硬化プロセスを実行した後に残る内部ストレスによって、室温で上下いずれかに湾曲する可能性がある。デバイスは、温度管理のためのデザインおよびインク特性の制御をはじめとするさまざまな目的のために、温度を上昇させて操作される場合もある。その場合、第一の位置は図15に示されているように、実質的に湾曲していることがある。
【0046】
明細書における本発明の説明においては、カンチレバー素子は自由端が湾曲した位置に大きく変化しない場合、静止している、あるいは第一の位置にあると言う。理解しやすさを期すために、第一の位置は図5および図14において水平に描かれている。しかしながら、湾曲している第一の位置に関するサーマルアクチュエータの動作は本発明の発明者によって知られ、予想され、完全に本発明の範囲に入る。
【0047】
図7から図13は好ましい製造シーケンス(工程)を説明している。しかしながら、周知のマイクロエレクトロニクスによる製造プロセスと材料を使い、これ以外にも多くの構成アプローチを採用できる。本発明の目的のために、第一層22と第二層23を有するカンチレバー素子が得られるのであれば、どのような製造アプローチでも採用できる。さらに、図7から図13に示されたシーケンスにおいて、液滴放出器の液体チャンバ28とノズル30は基板10上に形成された。これに代わり、サーマルアクチュエータを別に構成し、液体チャンバコンポーネントに結合して液滴放出器を形成してもよい。
【0048】
本発明の発明者は、カンチレバーサーマルアクチュエータのエネルギー効率を、たわみ層である第一層22の一部だけを加熱することによって改善することを発見した。第一層22を構成するために使用される電気抵抗材料は、カンチレバー素子の長さLの一部だけについて延びる均一抵抗部25を有するようパターニングすることができる。図16,17は、このコンセプトを説明するものである。図16は、図7に示したパターニング済みの第一層22の透視図である。第一層22の電気抵抗材料は、材料の中央スロット24を除去することにより、U字型抵抗器にパターニングされる。図16において、均一な抵抗部25はLH、つまりカンチレバー素子の全長Lだけ延びる。つまり、LH=Lである。
【0049】
図17において、第一層22は、カンチレバー素子の全長Lより短い距離LHだけ伸びる均一な抵抗部25を持つようパターニングされる。つまり、LH<Lである。第一層22は、点線によって3つの部分に分けて描かれている。つまり、自由端部27、均一抵抗部25、固定端部26である。電気入力パッド42,44は、固定端部26に形成される。
【0050】
図17に示されるデザインの第一層22を有するカンチレバー素子によるアクチュエータを操作する際、均一抵抗部25の長さLH全体について、ほぼ均一に加熱される。均一抵抗部25の第一層22は、第二層23に関して伸張し(図17では示さず)、これによってカンチレバー素子は第一層22から遠ざかる方向に湾曲する。第一層22の自由端27は均一抵抗部25に固定されているため、自由端27もまた湾曲する。自由端27はレバーアームのように動作し、直接加熱される均一抵抗部25において発生するたわみ量を拡大する。この拡大効果により、入力エネルギーが大きく節約される。アクチュエータの自由端の所望のたわみ量は、伸張層の一部だけを加熱すればよいため、少ない入力エネルギーで実現できる。
【0051】
図18,19は、本発明を理解する上で有益な、寸法上の関係を示す第一層22の平面図である。第一層22は、図17について説明したように、3つの部分で形成される。固定端部26、均一抵抗部25、自由端部27である。電流が入力パッド42と44の間を流れると、均一抵抗部25が均等に加熱される。この均一な抵抗加熱により、図15に示すカンチレバー素子20のたわみが発生する。このような固定端部の抵抗加熱は利用されないエネルギーであり、好ましくは、固定端部26において、第一層22の断面積を増大させ、電流経路の長さをできるだけ短くすることによって無効な加熱を小さくできる。自由端部27においては、電流経路が均一抵抗部25とほぼ一致するため、ほとんど抵抗加熱が発生しない。
【0052】
図18,図19において、均一抵抗部25は、固定位置14から延びる長さがLSの中央スロット24の部分の第一層22を除去することによって形成される。中央スロット24の幅は平均WSである。抵抗加熱のホットスポットを防止するため、中央スロット24は好ましくは、長さLSに沿って均一な寸法で形成する。機械的強度と熱サイクル効率の点から、中央スロット24の幅WSは、均一抵抗の電流経路の決定と同様に、できるだけ狭くすることが好ましい。本発明の好ましい実施形態において、第二層23の材料は先にパターニングされた第一層22の材料の上に重ねられる。第一層22を中央スロット24の中まで第二層23でくまなく覆うために、中央スロット24はサイドウォールを下から上に向かって先細に形成することができる。好ましくは、中央スロット24は、その平均幅が第一層22の厚さh1の3倍より小さくなるよう、つまりWS<3h1となるよう形成される。高さ対幅のアスペクト比が1:3の第一層22の特徴は、MEMS製造プロセスの能力範囲内である。
【0053】
図18において、均一抵抗部25の長さLHは中央スロット24の長さLSより大きい。均一抵抗部25内の電流経路は、中央スロット24の終端から外側に向かって、電流経路の直線アーム部の幅にほぼ等しい距離だけ延びる。電流経路の直線アーム部の幅は約1/2W(ただし、Wは第一層22の均一抵抗部の幅)であり、中央スロットの幅WSはWより小さく、WS<<Wとなる。したがって、図18に示す形状において、LH=LS+1/2Wである。
【0054】
第一層22のデザインを、カンチレバー素子20の長さLを均一抵抗部の長さLHで割った、分数長さFという点で分析すると有益である。つまり、F=LH/Lである。第一層22の最適なデザインを選択するために、カンチレバー素子20の自由端27の所望のたわみDを得るために必要なピーク温度ΔTを、分数長さFの関数として計算すると有益である。ΔTは基本動作温度または室温からの温度上昇として測定される。所望のたわみDを得るために必要な入力エネルギー量ΔQをヒータの分数長さFの関数として計算することも有益である。
【0055】
図18は、ヒータの分数長さF=2/3の第一層22のデザインを示す。図19は、F=1/3のデザインを示す。
【0056】
本発明は、一部が均一に加熱され、湾曲が起こるときのカンチレバー素子20のたわみを幾何学的に分析することによって理解できる。図20は、理想的なカンチレバー素子20を示し、その自由端は量Dだけたわんでいる。たわみ量Dは、基部素子10の固定位置14から長さLHだけ延びる均一抵抗部25の伸長によって起こる。カンチレバー素子20の伸張後の長さはLであり、加熱部分の長さLHはその一部である。つまり、LH<Lである。均一抵抗部25が加熱されると、第一層22は第二層23に関して量ΔLHだけ延びる(図6参照)。
【0057】
第一層22と第二層23の長さの不一致が、層の厚さ全体にわたって起こる。本発明を理解するには、加熱された均一抵抗部25を層22と23の間の熱膨張率の不一致ΔLHによって放物線状に形成されるビームとして分析することが適当である。
【0058】
図20において、長さLHの均一抵抗部25が、室温または基本動作温度Tbaseより高い温度ΔTになるまで加熱された場合のカンチレバー素子20の形状が示される。加熱部分は、図20に示すような放物線アーチの形状に形成される。カンチレバー素子20の加熱されていない自由端部27は、放物線アーチの接線として、均一抵抗部25の終端から延びる。自由端部27の角度Θは、距離x=LHでの放物線アーチの傾斜を評価することによって得られる。自由端部27の総たわみ量Dは加熱された均一抵抗部26から生じるたわみ成分D1と加熱されていない部分の角伸張から生じるたわみ成分D2との総和である。
【0059】
D=D1+D2 (1)
カンチレバー素子20の加熱部分の形状は、固定位置14の固定点からの距離xの関数として、機械的中心線Dc(x)から計算される。機械的中心線は、図20において線Dcで示される。熱膨張率が異なり、ビームが平坦な基本温度より高い温度ΔTで平衡状態となる2層ビームの機械的中心線Dc(x)に関する等式は以下のようになる。
【0060】
【数1】
Figure 0004531336
ただし、
【数2】
Figure 0004531336
【数3】
Figure 0004531336
【数4】
Figure 0004531336
【数5】
Figure 0004531336
j,hj,δjはj番目の層(j=1,2)のヤング係数、厚さ、ポアソン比である。項Gは曲げ剛性と呼ばれる。項α1とα2はそれぞれ、第一層と第二層の熱膨張率である。重要な数量(cΔT)は、2層構造の熱モーメントである。
【0061】
たわみ成分D1は、数式(2)においてx=LHとすることによって得られる。
【0062】
【数6】
Figure 0004531336
ビームの終端は、x=LHの地点で放物線アーチに接する直線として延長される。この直線の伸張の傾斜tanΘは、数式(2)においてx=LHでとすることによって得られる。
【0063】
【数7】
Figure 0004531336
【数8】
Figure 0004531336
【数9】
Figure 0004531336
【数10】
Figure 0004531336
Θが小さいため、Θに関する二次近似によりsinΘ≒tanΘである。そこで、数式(7)と数式(11)を数式(2)に代入すると、総たわみ量Dが出る。
【0064】
【数11】
Figure 0004531336
短い長さを持つ均一抵抗部25を形成することの利点と結果を理解するために、公称デザインの場合と比較することが有益である。公称デザインの場合、サーマルアクチュエータの用途には、たわみ量Dが公称量D0でなければならないとされる。さらに、カンチレバー素子20の全長Lが抵抗加熱され、LH=L,F=1.0であると、ΔT0の温度差は電気パルスによって確立されなければならない。つまり、フルレングスのヒータの公称たわみ量は
【数12】
Figure 0004531336
となる。
【0065】
たわみ量の数式(12)はヒータの分数長さF=LH/Lと上記の公称たわみ量D0から、以下のように公式化することができる。
【0066】
【数13】
Figure 0004531336
数式(14)は、カンチレバー素子の加熱部分が全長Lの分数Fである時、たわみ量を実現するために到達しなければならないピーク温度の関係を示す。ピーク温度とヒータの分数長さとのトレードオフは、サーマルアクチュエータのデバイス用途によって必要となる一定の公称たわみ量D0と等しく設定される場合について、数式(14)に代入することによって得られる。
【0067】
【数14】
Figure 0004531336
数式(15)をグラフにすると図21の曲線210のようになる。ΔTは、ΔT0の単位でプロットされる。この関係は、ヒータの分数長さFがF=1から減少すると、所望のカンチレバー素子のたわみ量D0を達成するのに必要な温度差が大きくなる。図19に示すように、ヒータの分数長さF=1/3の場合、温度差は、ヒータ長さ100%の公称ケースより約70%大きくなければならない。図18に示すF=2/3の場合、ΔTはΔT0より約20%大きくなければならない。したがって、数式15と図21の曲線210から、カンチレバー素子の加熱部分を縮小するには、デバイスのより高いピーク温度の許容性を犠牲にしなければならないことがわかる。サーマルアクチュエータの材料とアクチュエータに使用する液体には、使用できる実際上のピーク温度を限定するような故障モードがある。ヒータの分数長さを最低値まで削減しようとすると、ある地点で、必要なピーク温度が使用液体の信頼できなくなるレベルにまでなるため、さらにヒータの長さを小さくすることは非現実的である。
【0068】
カンチレバー素子を有するサーマルアクチュエータの加熱部分を縮小することの重要な利点は、入力エネルギー削減が実現されることにある。均一抵抗部25に加えられるエネルギーパルスΔQは、温度をΔTだけ上昇させる。つまり、一次近似で、
【数15】
Figure 0004531336
【数16】
Figure 0004531336
となる。ただし、m1は第一層22の均一抵抗部25の質量である。ρ1は第一層22を構成するのに使用される電気抵抗材料の密度である。h1,W,FLは、電気エネルギーパルスによってはじめに加熱される第一層22の材料の厚さ、幅、長さである。C1は、第一層22の電気抵抗材料の比熱である。
【0069】
H=L,F=1.0の公称デザインの場合に必要な入力エネルギー量は、
【数17】
Figure 0004531336
となる。
【0070】
数式(18)を正規化すると、
【数18】
Figure 0004531336
【数19】
Figure 0004531336
となる。
【0071】
数式(20)は、入力エネルギーとヒータの分数長さとのトレードオフを説明する。公称入力パルスエネルギーΔQ0によって正規化される入力パルスエネルギーΔQをプロットすると、図21の曲線212となる。曲線212は、ヒータの分数長さが減少すると、必要なエネルギーも減ることを示している。加熱部分の材料はより高い温度差ΔTまで上昇されなければならないものの、加熱される材料は少なくてすむ。したがって、入力パルスエネルギーの最終的な削減は、ヒータの分数長さを減らすことによって実現できる。たとえば、図18に示すF=2/3のヒータ構成では、F=1の公称ケースより必要なエネルギーが25%少なくてすむ。図19に示すF=1/3のヒータ構成は、公称ケースより必要なエネルギーが40%少ない。
【0072】
本発明による分数長さのヒータを有するサーマルアクチュエータを操作することにより、必要な量のたわみを実現するために使用される入力エネルギーを少なくすることができる。使用エネルギーの削減には、電源節約、ドライバ回路の費用、デバイスのサイズ、包装の面での利点をはじめとする多くのシステムの利点がある。
【0073】
液滴放出器等の熱によって作動されるデバイスの場合、入力エネルギーの削減は、液滴反復頻度が改善されることも意味する。サーマルアクチュエータのクールダウン時間が液滴反復頻度を左右する物理的効果を限定することがしばしばある。作動させるのに使われるエネルギーが少ないと、入力熱エネルギーが散逸し、公称のアクチュエータ位置に復帰するのに必要な時間が短縮される。
【0074】
分数長さの均一抵抗部25を使用すると、さらに、入力熱エネルギーの大部分が基板基部素子10の付近に留まるため、各動作後にカンチレバー素子20から基部素子10へと素早く熱が伝えられる。カンチレバー素子からの熱伝導の時間定数τは、熱伝導の一次元的分析を使うことにより、一次近似まで理解することができる。このような分析により、時間定数は、熱流経路の長さの二乗に比例することがわかる。したがって、長さLH=FLの均一抵抗部25の熱伝導時間定数は、F2に比例する。
【0075】
【数20】
Figure 0004531336
ただし、τ0は、フルレングスのヒータの公称ケースに関する熱伝導時間定数である。したがって、アクチュエータのクールダウンに必要な時間は、均一な抵抗部25の分数長さを減少させることによって大幅に改善できる。F2に比例して発生する伝導伝熱時間定数の減少は、本発明による分数長さのヒータを使ったサーマルアクチュエータを使用する場合の重要なシステム上の利点である。
【0076】
動作ごとに必要な入力エネルギーを削減し、伝導を通じた放熱速度を改善することにより、反復動作が必要な場合に、より低い温度ベースラインを保つことができる。より低い入力エネルギーで複数のパルスがサポートされ、開始温度をパルス間で上昇させ、しかもデバイス温度を、ある故障上限より低く保つことができる。
【0077】
図21の曲線210と212は、必要なたわみ量を実現するために、短いヒータを選択する際、システム上のトレードオフがあることを示している。ヒータの長さが短くなるとエネルギー入力は減るが、ピーク温度が高くなり、信頼性の面で問題が生じる。多くのシステムにおいて、エネルギー削減割合と温度上昇割合は、コストと信頼性の面でシステムに与える影響はほぼ等しい。これら2つの数量の最適化は、2つの積を出すことによって理解できる。ΔQのエネルギーを削減しようとすれば、基本動作温度より高い必要温度ΔTを上昇させなければならない。
【0078】
システム最適化係数Sは、ヒータの分数長さFの関数として、数式(15),数式(20)から以下のように表すことができる。
【0079】
【数21】
Figure 0004531336
【数22】
Figure 0004531336
数式(23)のシステム最適化係数Sをプロットすると、図21の曲線214のようになる。これが正規化され、ΔQ0ΔT0のユニットを持つことになる。曲線214から、システム最適化係数Sは最低値Smまで改善され、次に、ΔQの削減と比較して、必要なΔTが大きくなることがわかる。システム最適化係数の最低値Smは、Sの導関数がゼロの場合のFの数値として見つけられる。
【数23】
Figure 0004531336
F=Fm=2/3の時、dS/dF=0である。したがって、F=2/3を選択すると、基礎動作温度以上の必要温度差割合(パーセンテージ)によって調整されるエネルギー節約割合を実現するデザインを最適化できる。
【0080】
図21でグラフに表された関係から、サーマルアクチュエータシステムには、1>F>2/3の時、ピーク温度上昇というデメリットより大きな割合でエネルギーが削減されるというメリットがある。F=2/3以下の場合、ピーク温度上昇割合は、入力パルスエネルギーの低減割合より大きい。F=1/2の時、33%というピーク温度上昇割合は、やはり33%のパルスエネルギー削減割合と同じである。
【0081】
F<1/2の場合、ピーク温度上昇割合は、パルスエネルギー削減割合より大きい。必要な温度上昇量(パーセンテージ)は、F〜0.3の時、公称ケースの2倍である。動作温度は、この分数長さ以下で急速に増加し、F〜0.2ではF=1の場合の3倍近くなる。図21と数式(15),数式(20)から、F<0.3の場合、エネルギー削減はわずかに数パーセントポイントのみ増加するが、その一方で必要な温度は2倍、3倍となる。動作温度のこのように大きな上昇は、サーマルアクチュエータの構成と組立に使用できる材料を厳しく限定し、本発明の液滴放出器の実施形態におけるサーマルアクチュエータに必然的に接触する液体の組成を厳しく限定する。したがって、本発明によれば、ヒータの分数長さは、過剰な動作温度によって生じるデバイスとシステムの信頼性の問題を回避するために、F>0.3となるよう選択する。
【0082】
エネルギー削減とピーク温度の上昇のバランスをとるシステムデザインは、0.3L<LH<0.7Lの範囲でヒータの分数長さを選択することによって得られる。この範囲の上限は、エネルギー節約のゲインを最適化しながら、動作温度の上昇を最小限にする分数長さによって決まる。この範囲の下限は、動作温度の上昇がフルレングスのヒータの場合の2倍となり、さらにエネルギー削減が必要な動作温度の急上昇と比較して非常に小さい地点によって決まる。
【0083】
ここまで説明したカンチレバー素子は、カンチレバー素子20のほぼ長さ全体にわたって延びる電気抵抗材料の第一層22を使用した。この構成は、機械的強度と動作サイクルの冷却段階における熱伝達から好ましい。しかしながら、本発明は、電気抵抗層22の長さを短くして短いヒータを構成することによっても実現できる。この実施形態を図23に示す。図24の構成において、カンチレバー素子20の加熱部25は、支持用の第二層23だけが自由端部27を有するように先端が切られている。ほぼフルレングスの電気抵抗材料の層を有する上述の構成を比較のために図22として示す。
【0084】
図22,図23に示す2つの構成は、これらが数式(1)から(14)の関連パラメータの全部について同じ数値を持つことから、ほぼ同じたわみ量Dを呈するものと予想される。しかしながら、図23の構成は、液体を移動させるために使用された場合にそれほど急速に低温化せず、また、自由端部27からの熱はカンチレバー素子から容易に伝わらない。また、図23の自由端構成の強度は図22の構成のそれより弱い。この弱さは、液滴放出デバイスの破損または自由端が大量の液体その他の材料を移動させるその他の用途においてアクチュエータが故障する原因となる可能性がある。図23に示す部分的長さのヒータ材料構成は、自由端先端が機械的に弱くても、また、アクチュエータの反復時間がゆっくりであっても容認される用途について可能性の高い本発明の実施形態である。
【0085】
以上の説明の多くは単独サーマルアクチュエータまたは液滴放出器の構成と動作に関するものであったが、本発明は複数のサーマルアクチュエータおよび液滴放出ユニットのアレイやアセンブリを構成する場合にも適用できると理解すべきである。また、本発明によるサーマルアクチュエータデバイスは、他の電子コンポーネントと回路と同時に製造しても、電子コンポーネントと回路の製造の前または後に、同じ基板上に形成してもよい。
【0086】
本発明の好ましい実施形態に関する上記の説明は、例示と説明を目的として行われた。これは、開示されたそのままの形態に本発明を限定しようとするものではない。変更や改変も可能であり、当業者は上記の教示から、そのような変更や改変を予想できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるインクジェットシステムの略図である。
【図2】 本発明によるインクジェットユニットまたは液滴放出ユニットアレイの平面図である。
【図3】 図2に示すここのインクジェットユニットの拡大平面図である。
【図4】 図2に示すここのインクジェットユニットの拡大平面図である。
【図5】 本発明によるサーマルアクチュエータの運動を示す側面図である。
【図6】 本発明によるサーマルアクチュエータの運動を示す側面図である。
【図7】 本発明によるサーマルアクチュエータを構成するのに適したプロセスの初期段階で、カンチレバー素子の第一層が形成される様子の透視図である。
【図8】 図7に示すプロセスの次の段階で、カンチレバー素子の第二層が形成される様子の透視図である。
【図9】 図7,図8に示すプロセスの次の段階で、本発明による液滴放出器のチャンバを満たす液体の形状の犠牲層が形成される様子の透視図である。
【図10】 図7から図9に示すプロセスの次の段階で、本発明による液滴放出器の液体チャンバとノズルが形成される様子の透視図である。
【図11】 図7から図10に示すプロセスの次の段階で、液体供給経路が形成され、犠牲層が除去されて本発明による液滴放出器が完成する様子の側面図である。
【図12】 図7から図10に示すプロセスの次の段階で、液体供給経路が形成され、犠牲層が除去されて本発明による液滴放出器が完成する様子の側面図である。
【図13】 図7から図10に示すプロセスの次の段階で、液体供給経路が形成され、犠牲層が除去されて本発明による液滴放出器が完成する様子の側面図である。
【図14】 本発明による液滴放出器の動作を示す側面図である。
【図15】 本発明による液滴放出器の動作を示す側面図である。
【図16】 本発明の好ましい実施形態を示す第一層のデザインの透視図である。
【図17】 本発明の好ましい実施形態を示す第一層のデザインの透視図である。
【図18】 本発明の好ましい実施形態を示す第一層のデザインの平面図である。
【図19】 本発明の好ましい実施形態を示す第一層のデザインの平面図である。
【図20】 本発明の好ましい実施形態を分析するのに使用される幾何学的数量を示す図である。
【図21】 本発明によるサーマルアクチュエータ性能の属性を示すグラフである。
【図22】 本発明の2つの好ましい実施形態の比較を示す側面図である。
【図23】 本発明の2つの好ましい実施形態の比較を示す側面図である。
【符号の説明】
10 基板基部素子、12 液体チャンバ、 13 カンチレバー素子とチャンバウォールとのギャップ、14 カンチレバー素子固定位置、15 サーマルアクチュエータ、16 液体チャンバ湾曲ウォール部、20 カンチレバー素子、21 パッシベーション層、22 第一層、23 第二層、24 均一抵抗部を形成する中央スロット、25 カンチレバー素子の均一抵抗部、26 カンチレバー素子の固定端部、27 カンチレバー素子の自由端部、28 液体チャンバ構造の壁(カバー)、29 パッシベーション層、30 ノズル、41 TABリード、42 電気入力パッド、43 はんだバンプ、44、電気入力パッド、50 液滴、60 作用液体、80 支持構造、100 インクジェット印字ヘッド、110 液滴放出ユニット、200、電気パルス発生源、300 コントローラ、400 画像データ発生源、500 レシーバ。

Claims (5)

  1. 基部素子と、
    前記基部素子に固定された固定端を有する第一層と、前記第一層に積層され前記第一層とは異なる熱膨張率を有する第二層と、を備えたカンチレバー素子と、
    前記第一層に接続された接続端子と、
    前記基部素子に形成され、液体を保持するための容器と、液体を放出するノズルとを有し、前記容器の内部に前記カンチレバー素子を備えた液体チャンバと、
    を備え、
    前記第一層には、電流が流れることによりジュール熱が発生する抵抗部が形成され、
    前記抵抗部には長手方向に溝が形成され、
    前記抵抗部の幅Wと前記溝の長手方向の長さL が、前記カンチレバー素子の長手方向の長さLに対して、0.3L<L +W/2<0.7Lとなるように前記抵抗部及び前記溝が形成され、
    前記接続端子から前記第一層に電流を供給して前記第一層の前記抵抗部にジュール熱を発生させて前記カンチレバー素子を撓ませることにより、前記液体チャンバのノズルから予め定めた量の液滴を放出させることを特徴とする液滴放出器。
  2. 請求項1に記載の液滴放出器であって、
    前記抵抗部は前記溝の周辺にU字型の電流経路を形成し、前記接続端子から前記電流経路に電流が流れることによって前記抵抗部が加熱されることを特徴とする液滴放出器。
  3. 請求項1に記載の液滴放出器であって、前記抵抗部の幅Wと前記溝の長手方向の長さL について、L +1/2W=2/3Lとなるように前記抵抗部及び前記溝が形成されていることを特徴とする液滴放出器。
  4. 請求項1に記載の液滴放出器であって、前記抵抗部は前記基部素子に近接して設けられていることを特徴とする液滴放出器。
  5. (a)基部素子に形成され、液体を保持するための容器と、液体を放出するノズルとを有する液体チャンバと、
    (b)前記液体チャンバ内に設けられ、前記液体チャンバの壁に固定された固定端と、前記固定端から長さLだけ延びた自由端とを有し、前記自由端は前記ノズル近傍の第一の位置に配置される、カンチレバー素子であって
    前記液体チャンバの壁から延びる第一層と、前記第一層に積層され、前記第一層とは異なる熱膨張率を有する第二層と、を有し、
    前記第一層には、電流が流れることによりジュール熱が発生する抵抗部が形成され、
    前記抵抗部には長手方向に溝が形成され、
    前記抵抗部の幅Wと前記溝の長手方向の長さL が、前記カンチレバー素子の長手方向の長さLに対して、0.3L<L +W/2<0.7Lとなるように前記抵抗部及び前記溝が形成された、カンチレバー素子と、
    (c)前記第一層に接続された一対の電極と、
    を備え、前記一対の電極から前記第一層の前記抵抗部に電流を供給して前記抵抗部にジュール熱を発生させて前記カンチレバー素子を撓ませることにより前記ノズルから液体を放出させ、ジュール熱が前記抵抗部から逃げて前記抵抗部の温度が低下すると前記カンチレバー素子の前記自由端が前記第一の位置に復帰する、ことを特徴とする液滴放出器。
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