JP2004063854A - 可変容量素子とその形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は機械式の可変容量素子に関し、特に高密度に集積化された電気回路内において、小型で高性能、高品質の可変容量素子やスイッチを供することを目的とする。
【解決手段】梁を静電力により撓ませる電極を複数個に分割し、それぞれに梁先端を支持する機能、交流信号ラインとしての機能、スティクションを解消する機能を付与することで、簡易な構成にて残留応力、熱膨張、スティクションによる品質や性能の劣化を抑制する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は機械式の可変容量素子に関し、特に高密度に集積化された電気回路において、小型で高性能、高品質の可変容量素子とその形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の可変容量素子について、可変容量構造を利用した図10の微小機械スイッチを参照して説明する。図10はIEEE MTT−S Digest 1999, pp.1923−1926に紹介されているマイクロ波スイッチである。シリコン片持ち梁1の先端下部に絶縁層5を介して金の接点部6が設けられ、接点部6に相対する面には、接点部との接触により閉回路を形成する回路端子部7と、接点部6に静電力を与えてシリコン片持ち梁1を撓ませる駆動電極8が設けられている。シリコン片持ち梁の長さは約200μm、幅は約20μm、厚みは約2.5μmである。接点部6と回路端子部7の隙間は10μm以下に設定されおり、駆動電極8に50V以上の電圧を加えることで梁1が撓んで接点部6が回路端子部7に接触し、接点が閉じられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、接点を閉じるために必要な電圧が50V以上と高いために、専用の昇圧回路を搭載する必要があり、スイッチ素子の小型化を阻害していた。またシリコン梁先端に形成されているパッドは面積が広いほど上下に駆動するときに雰囲気の空気の粘性抵抗を受けて動作が遅くなり、数μsレベルの高速スイッチング動作は難しくなる。
【0004】
図11は低電圧駆動と数μsレベルのスイッチング速度を達成できる梁構造である。梁1の寸法は幅W=2μm、厚さt=2μm、長さL=500μmである。梁1とは0.6μmの空隙を介して膜厚0.1μmの絶縁層5を表面に形成した電極2が基板4上に配置されている。梁1と電極2間に電圧Vを加えると、梁は静電力により−z方向にたわむ。プルイン電圧(引き込み電圧)以上になると梁の復元力よりも静電力の方が圧倒して力を増すため、梁1は絶縁層5上に急激に吸着される。さらに電圧を上げると梁1は絶縁層5との接触面積を増やしながら梁−電極間の容量を漸増させる。このように梁の長さを長くすることで梁のバネ性を弱め、また梁の幅を細くすることで空気の粘性抵抗を小さくすることで、低電圧駆動と数μsレベルのスイッチング速度が達成できる。梁の材料としてヤング率77GPaのアルミニウムを用いたとき、プルイン電圧は、梁を片持ちとした場合は0.25V、両持ちとした場合は1.72Vとなった。
【0005】
しかし、このような細長い梁形状で顕著になる問題は、(1)残留応力、(2)熱膨張、(3)スティクションである。
【0006】
第一の残留応力の問題について述べる。微小な梁形成には、半導体プロセスを用いた薄膜構造や、薄い圧延材料の接合構造などが利用されるが、いずれの場合も梁内部の残留応力が問題となる。この残留応力には2種類があり、一つは梁の長さ方向への圧縮/引っ張り応力、もう一つは梁の厚み方向への応力勾配である。
【0007】
例えば図11の梁を両持ち梁とした場合、図中のxおよびy方向に過度の圧縮応力が残留すると、y方向の応力解放は梁形状に大きな変化はもたらさないが、梁端面の拘束を受けているx方向に関しては、応力を解放しようとして座屈を起こし、静電力の印加とは無関係に梁は撓んでしまう。逆に引っ張り応力が残留する場合は見かけ上梁1に変化はないが、図12のグラフに示したように、残留引っ張り応力が大きくなるほどプルイン電圧が大きくなり、梁の駆動特性が著しく変化してしまう。すなわち、残留応力0で梁が生成されるのが理想であるが、梁の製造工程で内部応力を精度よく再現できないと、座屈やプルイン電圧のばらつきを招き、素子の品質が劣化する。なお、片持ち梁についてはこの種類の応力は解放されるので座屈やプルイン電圧のばらつきは生じない。
【0008】
しかし、図11の梁1を片持ち梁としたとき、z方向、すなわち梁の厚み方向に応力勾配が存在すると、応力解放により梁が反り上がる。例えば梁内部にz方向に沿ってプラスの応力勾配2MPa/μmが存在すると梁1の先端は約2μm反り上がる。この応力勾配の値を梁の製造工程で精度よく再現できないと、この反りの度合いがばらつき、梁1と電極2間距離が増すことによる容量減少のばらつきとプルイン電圧増大のばらつきを抑えることができなくなる。例えば応力勾配0で反りのない場合のプルイン電圧が0.25Vであるのに対して、先端が2μmそり上がった状態でのプルイン電圧は1.2Vまで増大する。
【0009】
この梁の長さ方向の圧縮・引っ張り応力や厚み方向の応力勾配を製造工程で制御するのは非常に難しい。製造工程における応力緩和方法として「やきなまし」があるが、素子を高温に晒すためにその温度は、素子を構成する梁以外の他の各種部材、例えば電極の金属や、梁を架橋構造にするために一時的に梁の下部に設けられ最終的にエッチングされる犠牲層材料などがその材料特性を変化させない温度にまで制限されるため、完全に応力を緩和することはできない。
【0010】
第二の熱膨張の問題について述べる。素子の周辺温度の上昇により梁は長さ方向に熱膨張を起こすが、両端を拘束される両持ち梁構造では梁が座屈を起こし、静電力の印加とは無関係に梁は撓んでしまう。
【0011】
第三のスティクションの問題について述べる。図13は図11の梁1を両持ち型としたときの構成で、残留応力をほぼ0とおさえた場合の電圧と容量の関係をあらわしている。電圧を加えると1.72Vでプルインを起こし、それ以上の電圧印加を行うと梁1と電極2は絶縁層5を介して接触し、接触面積を増加させて容量を増す。逆に電圧を下げていくと0.64Vまで電圧を降下させても梁と電極の接触は解消されない。これは梁のバネ性、すなわちバネの復元力が弱いことに起因する。このことは、電圧を0Vに戻しても、接触領域において、雰囲気中の水分子を介した吸着力、またはわずかな残留電荷による吸着力、またはvan der Waals力などが存在すると、梁は初期状態に戻れなくなる可能性が高いことを意味する。これを回避するには梁を電極から離す方向に強制的に梁を駆動する機構、例えば図11の梁1の上面を静電力で引き戻す電極を新たに設けるなど、複雑な構造をとる必要がある。
【0012】
本発明は、このように低電圧・高速駆動が可能な機械的な可変容量素子において、簡易な構成で高品質の可変容量機能を具現し、例えば微小機械スイッチとして提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、可撓性を有する梁と、梁との間にコンデンサを形成するために梁に近接して設置された電極とから構成され、梁と電極間に電圧をかけて梁を静電力で撓ませることで両者間の静電容量を変化させることを特徴とする可変容量素子であり、撓ませた前記梁と電極とを、少なくとも一方の表面上に形成された絶縁層を介して接触させて接触面積を変化させることで静電容量を変化させることを特徴とし、前記電極が複数個に分割されていることを特徴とする。また、前記電極の一部が他の電極表面の高さよりも低い凹部を絶縁層に設け、凹部の前記梁と他の電極との間に電圧を加え、凹部内部に梁を引き寄せることにより、凹部の一部である段差発生部を支点とした梁の反対部位を電極から離す力を発生させることを特徴とする。したがって、梁を静電力により撓ませる電極を複数個に分割し、それぞれに梁先端を支持する機能、交流信号ラインとしての機能、スティクションを解消する機能を付与することで、簡易な構成にて残留応力、熱膨張、スティクションによる品質や性能の劣化を抑制することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図9を用いて説明する。
【0015】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に関わる可変容量素子の概要図である。梁1はその一端をアンカー部3により基板4上に固定された片持ち梁であり、厚みt=2μm、幅W=2μm、長さL=500μmである。ここでは梁の材料としてヤング率77GPaのアルミニウムを用いている。電極2a、2bは梁1の側面に平行に位置して基板4上に固定されている。電極2aの長さlaは約50μm、電極2bの長さはlbは約450μmとなっており、梁1と電極2の電気的短絡を避けるために、絶縁層5が電極2の梁との対向面上に0.1μmほど形成されている。ここでは梁1上面の高さh1よりも電極2の上面高さh2を高くしている。
【0016】
梁1は片持ち梁であるため、x方向、y方向の引っ張り/圧縮応力や、z方向への応力勾配を解放することができる。図2に応力解放後の実際の梁の形状を示す。z方向への応力勾配は2MPa/μmほど残留していたため、先端は約2μmほどz方向に反り上がっている、電極2の高さはそれを充分補うだけの高さh2を有しているために、梁1と電極2間の対向面積は変化せず、従って静電容量の減少はない。図2のように梁1を接地、電極2に電圧を印加すると、梁はy方向に引き寄せられて0.25Vでプルインを起こし、0.20Vに電圧を若干戻すことで図3の上面図に示すように梁先端部は電極2a上に固定支持された状態となる。片持ち梁は外部振動の影響を受けやすいので、通常は図3の両端固定支持状態を維持し、必要に応じて電圧を解放して片持ち梁状態に戻して、熱膨張による内部応力の発生を緩和させるリフレッシュ動作を行うことができる。
【0017】
もし図1でh2をh1と等しくすると、応力解放による梁1のz方向への反りにより、梁1と電極2間の対向面積が減少し、プルイン電圧は0.42Vと高くなってしまう。このことからh2をh1よりも高くすることでプルイン電圧の上昇を抑制する効果が得られることがわかる。
【0018】
図2の構成では、梁1に静電力を加えて撓ませるための電極2を分割して、その一部である電極2bに入力ポートPiと出力ポートPoを設けた交流信号ラインとしての機能も持たせ、交流信号回路を形成している。図2の構成を単なるアクチュエータと考え、梁1に連結する可動部材を設けて、この可動部材で交流信号専用の可変容量部を形成することも可能であるが、構造が複雑となる上、梁1を含めた可動部材の質量が増えてしまうために動作速度、特にスイッチとして用いる場合のスイッチング速度が低下してしまうという問題がある。そのため、本発明の実施例では、図2のように、電極2の一部を交流信号ラインとして兼用する構造をとり、構成の簡素化を図り、高速スイッチングを達成している。
【0019】
図3の状態からさらに電圧を加えると梁1と電極2bは絶縁層5を介して接触面積を増やし静電容量は増加する。梁1と電極2bはシャント型のスイッチを形成しているため、図4のように電圧3.8Vを印加した状態では、梁1と電極2の対向面積の80%が接触状態となり、Pi−Po間の交流伝送線路をシャントでゼロ電位に落とした状態を作ることができる。
【0020】
図3の状態、すなわちシャントによる接地を行わない状態において、梁1と電極2bが近接しているA部近辺の容量が寄生容量として無視できない場合は、図5の構成をとることで解消することができる。ここでは電極2aを2bよりも梁1に近接させるとともに、電極2bを2b’と2b”に分割し、交流信号はA部より遠い位置にある電極2b”を通過するようにする。図5の構成により梁1と電極2bとの距離が離れるので寄生容量成分を抑制することができる。このとき電極2b’は梁を駆動する役割を担うために省くことはできない。
【0021】
次に本実施例の概要図である図1を構成するために用いた製作工程を示す。図6は図1のA−A’断面を用いた工程断面図である。高抵抗シリコン基板9上に熱酸化することで、シリコン酸化膜10を300nmの膜厚で形成する。その後、シリコン窒化膜11を減圧CVD法を用いて200nmの膜厚で堆積する。さらにシリコン酸化膜12を50nmの膜厚で減圧CVD法を用いて堆積する。図6a)参照。
【0022】
しかる後、シリコン酸化膜12にフォトレジストからなる犠牲層を膜厚2μmでスピンコート、露光、現像したのち、ホットプレートで140℃10分のベークを行うことで犠牲層13を形成する。図6b)参照。
【0023】
しかる後、図6c)に示すごとく、基板全面にアルミニウム14をスパッタにより2μmの膜厚で堆積し、所定の領域にレジストが残るようにフォトレジストによるパターン15aの形成を行い、レジストパターン15aの貫通穴よりアルミニウム14の一部の高さをエッチングにより低くする。
【0024】
次に図6d)に示すように再びフォトレジストによるパターン15bを形成する。
【0025】
次に、前記フォトレジストからなるパターン15bをマスクとしてアルミニウムのドライエッチングを行うことで、梁16を形成し、さらに酸素プラズマによりフォトレジストからなるパターン15bならびに犠牲層13を除去する。これにより基板表面と間隙17を有する梁が形成される。図6e)参照。
【0026】
さらに、図6f)に示すごとく全面にプラズマCVDによりシリコン窒化膜18を膜厚50nmで堆積することで、基板表面のシリコン酸化膜12上ならびに梁16の周辺にシリコン窒化膜18が形成される。
【0027】
最後に図6g)に示すようにシリコン窒化膜を異方性を有するドライエッチング法にて前記堆積膜厚以上の膜厚例えば100nmでシリコン酸化膜と選択比を有する条件でエッチバックすることで、上面にシリコン窒化膜がなく側面に窒化膜が残った梁19を形成し、梁上面から電気的導通をとることができるようになる。
【0028】
なお本実施の形態では基板に関して、高抵抗シリコン基板を用いたが、通常のシリコン基板、化合物半導体基板、絶縁材料基板を用いても良い。
【0029】
また、高抵抗シリコン基板9上に絶縁膜としてシリコン酸化膜10、シリコン窒化膜11、シリコン酸化膜12を形成したが、基板の抵抗が十分高い場合これら絶縁性膜の形成を省略しても良い。また、シリコン基板上にシリコン酸化膜10、シリコン窒化膜11、シリコン酸化膜12と3層構造の絶縁膜としたが、前記シリコン窒化膜11の膜厚が、梁上に堆積するシリコン窒化膜と比較して十分厚い膜厚、いわゆるエッチバック工程を経ても消失しない膜厚である場合、シリコン酸化膜12形成工程は省略することが可能である。
【0030】
なお、本実施の形態では梁を形成する材料としてアルミニウムを用いたが、他の金属材料Mo、Ti、Au、Cu、ならびに高濃度に不純物導入された半導体材料例えばアモルファスシリコン、導電性を有する高分子材料などを用いても良い。さらに成膜方法としてスパッタを用いたがCVD法、メッキ法などを用いて形成しても良い。
【0031】
(実施の形態2)
図7は図11の構成で梁1を両持ち梁とし、梁1を一度プルインにより絶縁層5に接触させた後に電圧を解除したが、スティクションにより梁中央部が絶縁層5から離脱できない状態を示している。これを解決する本発明の実施例を図8に示す。図8(a)はスティクションを起こしている梁1の中央部の拡大図であり、梁1は電極2上の絶縁層5に面接触している。この接触面には雰囲気中の水分子を介した吸着力や残留電荷による静電力やvan del Walls力などが作用している。電極2’は電極2よりも梁から離れて凹部を形成しており、梁との接触はない。ここで電極2’に電圧を印加すると図8(b)に示すように凹部に梁1を引きこみ、段差発生部Bを支点として梁1の電極2への付着を引き離す力を及ぼし、スティクションを解消することができる。図9は電極2、2’ともに表面は同一面内にあるが、絶縁層のみに凹部を設けている構造であり、同様にスティクション解消の効果を得ることができる。
【0032】
なお、本実施例の可変容量素子を真空封止することで雰囲気中の水分子によるスティクションを低減することができるので、本実施例で示した構造のスティクション解消機能はさらに効果的になる。
【0033】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、電極を複数個に分割し、それぞれに梁先端を支持する機能、交流信号ラインとしての機能、スティクションを解消する機能を付与することで、簡易な構成にて残留応力、熱膨張、スティクションによる品質や性能の劣化を抑制することができるという効果を有する。これにより低電圧・高速駆動が可能な小型・高品質の可変容量素子やこれを応用したRFスイッチの実現ができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例における可変容量素子の外観図
【図2】梁内部応力の解放による梁の形状変化をあらわす図
【図3】第1の実施例において梁先端を静電力で支持した状態をあらわす上面図
【図4】第1の実施例において交流信号ラインにシャント型のスイッチを付与した状態をあらわす上面図
【図5】第1の実施例において信号ラインの寄生容量を減らす構造をあらわす上面図
【図6】第1の実施例における構成の薄膜作製技術による製作工程図
【図7】両持ち梁がスティクションを起こした状態をあらわす図
【図8】第2の実施例におけるスティクション解消構造の原理図
【図9】第2の実施例において絶縁層のみの段差で凹部を形成した構造をあらわす図
【図10】従来の可変容量構造を応用したマイクロ波スイッチの構造を示す図
【図11】従来の低電圧・高速動作が可能な可変容量構造を示す図
【図12】両持ち梁とした図10の構造において、梁内部のx、y方向の内部残留応力とプルイン電圧の関係をあらわす図
【図13】残留応力がほぼ0の両持ち梁とした図10の構造において、印加電圧と容量変化の関係をあらわす図
【符号の説明】
1 梁
2 電極
3 アンカー部
4 基板
5 絶縁層
6 接点部
7 回路端子部
8 駆動電極
9 シリコン基板
10 シリコン酸化膜
11 シリコン窒化膜
12 シリコン酸化膜
13 犠牲層
14 アルミニウム
15 レジストパターン
16 梁
17 梁−基板間の間隙
18 シリコン窒化膜
19 上面の窒化膜が除かれた梁

Claims (15)

  1. 可撓性を有する梁と、梁との間にコンデンサを形成するために梁に近接して設置された電極とから構成され、梁と電極間に電圧をかけて梁を静電力で撓ませることで両者間の静電容量を変化させることを特徴とする可変容量素子。
  2. 撓ませた前記梁と電極とを、少なくとも一方の表面上に形成された絶縁層を介して接触させて接触面積を変化させることで静電容量を変化させることを特徴とする請求項1記載の可変容量素子。
  3. 前記電極が複数個に分割されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の可変容量素子。
  4. 前記電極の一部が梁の自由端を静電力で吸着して支持することを特徴とした請求項1乃至3のいずれかに記載の可変容量素子。
  5. 前記梁の自由端を静電力で支持する電極と梁との距離が、他の電極よりも梁に近接して配置されたことを特徴とする請求項4記載の可変容量素子。
  6. 前記電極の表面が、残留応力を解放して撓んだ状態にある梁の撓み方向および長さ方向に平行であり、電極と対向する梁の側面形状よりも電極形状の方が大きいことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の可変容量素子。
  7. 基板上に犠牲層を形成するステップと、前記基板全面にスパッタによりパターンを形成するステップと、前記パターンをマスクとしてドライエッチングをして梁を形成するステップと、前記パターンと犠牲層を除去するステップとからなる可変容量素子の形成方法。
  8. 基板上に第1のシリコン酸化膜を形成した後、シリコン窒化膜を堆積するステップと、前記シリコン窒化膜に犠牲層を形成するステップと、前記基板全面にスパッタによりパターンを形成するステップと、前記パターンをマスクとしてドライエッチングをして梁を形成するステップと、前記パターンと犠牲層を除去するステップとからなる可変容量素子の形成方法。
  9. 基板上に第1のシリコン酸化膜を形成した後、シリコン窒化膜を堆積しさらに第2のシリコン酸化膜を堆積するステップと、前記第2のシリコン酸化膜に犠牲層を形成するステップと、前記基板全面にスパッタによりパターンを形成するステップと、前記パターンをマスクとしてドライエッチングをして梁を形成するステップと、前記パターンと犠牲層を除去するステップとからなる可変容量素子の形成方法。
  10. 前記電極の一部が他の電極表面の高さよりも低い凹部を絶縁層に設け、
    凹部の前記梁と他の電極との間に電圧を加え、凹部内部に梁を引き寄せることにより、凹部の一部である段差発生部を支点とした梁の反対部位を電極から離す力を発生させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の可変容量素子。
  11. 複数個の電極の一部を交流信号ラインとすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の可変容量素子。
  12. 請求項1乃至6、10のいずれかに記載の可変容量素子を真空封止した可変容量素子。
  13. 請求項1乃至6、10,11のいずれかに記載の可変容量素子を利用したスイッチ。
  14. 請求項1乃至6、10乃至12のいずれかに記載の可変容量素子またはスイッチを利用した高周波回路。
  15. 請求項14記載の高周波回路を利用した無線通信装置。
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