JP3590283B2 - 静電型可動接点素子の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電引力を利用して接点の開閉を行う静電型可動接点素子に係り、特にLSIプロセスで形成可能な、微細化及び低電圧化の両立を実現する静電型可動接点素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、LSI上あるいは実装基板上に形成可能である微小かつ低抵抗のスイッチ素子に対する需要が高まってきている。従来、LSI上ではトランジスタスイッチ、実装基板上ではチップ型の電子部品のスイッチが用いられてきた。
しかし、LSI上に形成されるトランジスタスイッチは抵抗が1kΩ程度と高く、この結果、LSIでの遅延の主たる原因となっている。一方、チップ型のスイッチは、抵抗は数Ω程度と低いものの、大きさが数mm角程度と大きいため、チップ型のスイッチを使用した回路の微細化及び高密度化は困難である。
【0003】
低オン抵抗、小占有面積の両方を実現するスイッチとして近年期待されているのが表面マイクロマシン技術を利用して形成した微細可動接点素子である。これは、LSIプロセスを利用して半導体基板上に微小な有接点型スイッチを集積化して形成するというものである。なかでも、静電引力を接点開閉の駆動力に利用する静電引力型可動接点素子は、LSIプロセスと整合性が良いため、有望な技術と考えられている。このような静電型可動接点素子は、例えば下記の刊行物「K.E.Petersen,”Dynamic Micromechanics on Silicon:Technique and Devices”IEEE Trans.Electron Devices,ED−25,No 10,(1978)1241. 」で詳細に述べられている。
【0004】
図7(a)は従来の静電型可動接点素子の基本的な構造を示す断面図である。この静電型可動接点素子では、絶縁性基体22の上に固定吸引電極23及び固定接点電極26a,26bが設けられている。また、絶縁性基体22の上に接続部24が設けられ、接続部24の上に支持梁27が設けられている。
このように、一方が接続部24を介して絶縁性基体22に固定された支持梁27の固定されていない他方の下面には、微小空隙20を隔てて固定吸引電極23と対向するように可動吸引電極28が設けられると共に、微小空隙20を隔てて固定接点電極26a,26bと対向するように可動接点電極30が設けられている。
【0005】
可動接点電極30と支持梁27との間には絶縁膜29が形成されているため、可動接点電極30は、支持梁27とは絶縁されている。また、可動吸引電極28は支持梁27の下面に直接形成されているので、可動吸引電極28と支持梁27は導通している。
固定吸引電極23−可動吸引電極28間に駆動電圧を印加すると、静電引力が発生して両電極が引き合う。この静電引力により可動吸引電極28が固定吸引電極23の方に引き寄せられて支持梁27がたわみ、固定接点電極26a,26bと可動接点電極30とが接触する。この結果、固定接点電極26aと26bは、可動接点電極30を介して接続されるので、接点が閉じる。
【0006】
駆動電圧印加を停止すると、支持梁27の弾性力で可動接点電極30が元の位置に戻り、接点が開く。
このような静電型可動接点素子では、オン抵抗が数Ω以下と低いため、LSIや実装基板に集積化して形成することにより回路の高速化や低消費電力化を実現することが期待されている。しかし、図7の静電型可動接点素子では、静電引力の発生時に固定吸引電極23と可動吸引電極28とが接触すると、電位差が消失して、静電引力が働かなくなる。
【0007】
また、図7の静電型可動接点素子では、駆動電圧が10V以上と大きいため、固定吸引電極23と可動吸引電極28とが接触すると、これら電極間が融着し離れなくなる。さらに、必要な静電引力を発生させるために、吸引電極23,28は接点電極26a,26b,30より面積が遥かに大きく、この結果、吸引電極同士が接触した場合に働く表面引力は、接点電極同士が接触した場合と比較して遥かに大きくなる。
このため、静電型可動接点素子では、静電引力によって可動電極を引き下げる場合、固定接点電極26a,26bと可動接点電極30のみが接触し、固定吸引電極23と可動吸引電極28が接触しないように様々な工夫が施されている。
【0008】
図8は、このような工夫を施した従来の静電型可動接点素子の1構成例を示す断面図である。
図8において、31はSi基板、32はSi基板31上に形成されたP+ 拡散層、33はP+ 拡散層32上に形成されたスペーサー、36は固定接点電極、37は支持梁、38は支持梁37上に形成された可動吸引電極、40は可動吸引電極38上に形成された可動接点電極である。
【0009】
この静電型可動接点素子では、Si基板31上に形成されたP+ 拡散層32が固定吸引電極の役割を果たしている。
図8の構造において、可動吸引電極38が静電引力によってP+ 拡散層32に引き寄せられると、固定接点電極36と可動接点電極40がまず接触するため、スペーサー33による立体障害によって可動吸引電極38とP+ 拡散層32は接触しない。しかし、このような構造では、静電型可動接点素子の電極の1つがSi基板31であるため、配線工程を終えたLSIあるいは実装基板上への形成は不可能である。
【0010】
図9は、従来の静電型可動接点素子の他の構成例を示す断面図である。
図9において、41はSi基板、42はSi基板41上に形成されたシリコン酸化膜、43はシリコン酸化膜42上に形成された固定吸引電極、44はシリコン酸化膜42上に形成された接続用電極、46a,46bはシリコン酸化膜42上に形成された固定接点電極、47は接続用電極44上に形成された支持梁、48は支持梁47上に形成された可動吸引電極、50は固定接点電極46a,46bと対向するように支持梁47に設けられた可動接点電極である。
【0011】
この静電型可動接点素子では、支持梁47を絶縁膜によって構成しており、支持梁47の上面に可動吸引電極48が、下面に可動接点電極50が形成されている。しかし、このような構造では、可動吸引電極48と支持梁47が金属/絶縁膜の積層構造となるため、金属/絶縁膜の応力差により歪みが生じる。
通常、可動吸引電極48の面積は10000μm2 以上と大きいため、可動吸引電極48の垂直方向の歪みが大きくなり、固定吸引電極43と可動吸引電極48間の距離を微小寸法にすることが困難となる。
【0012】
したがって、可動電極−固定電極間の空間を確保するためには、可動電極と固定電極の間隔を大きく設定する必要があるため、高い駆動電圧が必要となる。
また、図9の静電型可動接点素子では、接点が閉じる際に支持梁47と固定吸引電極43が接触する。このため、固定吸引電極43と支持梁47との間に表面引力が生じ、駆動電圧の印加を停止しても、支持梁47が元に戻らないという問題が生じる。
【0013】
図10は、従来の静電型可動接点素子の他の構成例を示す断面図である。
図10において、51はSi基板、52はSi基板51上に形成されたガラス基板、53はガラス基板52に形成された固定吸引電極、56はガラス基板52に形成された固定接点電極、58はSi基板51に形成された可動吸引電極、60は可動吸引電極58上に形成された可動接点電極である。
この静電型可動接点素子では、固定吸引電極53及び固定接点電極56を形成したガラス基板52と可動吸引電極58及び可動接点電極60を形成したSi基板51とを張り合わせることにより、固定吸引電極53と可動吸引電極58が接触しない構造を実現している。
【0014】
しかし、図10の静電型可動接点素子では、張り合わせを使用しているため、固定電極と可動電極の間隔を微小な距離に設定することは不可能である。このため、図9の例と同様に高い駆動電圧が必要となる。
また、張り合わせという工程を有しているため、通常のLSIや実装基板の製作プロセスと整合性が悪いという問題を有している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、現状では、可動吸引電極と固定吸引電極の短絡の問題を防止可能で、かつ微細化及び低駆動電圧化を実現可能な静電型可動接点素子は存在しないという問題点があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、固定吸引電極と可動吸引電極が接触時に短絡する問題を解決した、微細かつ低駆動電圧の静電型可動接点素子の製造法を提供することを目的とする。
【0017】
また、本発明の静電型可動接点素子の製造方法は、半導体基板(1)上に第1の絶縁膜(2)を形成する工程と、前記第1の絶縁膜を形成した後に前記第1の絶縁膜上に固定吸引電極(3)及び接続用電極(4)を形成する工程と、前記固定吸引電極及び接続用電極を形成した後に前記第1の絶縁膜、前記固定吸引電極及び前記接続用電極上に第2の絶縁膜(5)を形成する工程と、前記第2の絶縁膜を形成した後に前記第2の絶縁膜上に固定接点電極(6a,6b)を形成する工程と、前記固定接点電極を形成した後に前記第2の絶縁膜及び前記固定接点電極上に犠牲膜(11)を形成する工程と、前記犠牲膜を形成した後に前記第2の絶縁膜及び前記犠牲膜に前記接続用電極を露出させる開口部を形成する工程と、前記開口部を形成した後に前記開口部を通して前記接続用電極と接続される支持梁(7)を前記犠牲膜上に形成すると共に、この支持梁と接続される可動吸引電極(8)を前記固定吸引電極と対向するよう前記犠牲膜上に形成する工程と、前記可動吸引電極を形成した後に前記可動吸引電極の少なくとも一部を覆う第3の絶縁膜(9)を形成する工程と、前記第3の絶縁膜を形成した後に一部が前記第3の絶縁膜上に設けられ、他の部分が前記固定接点電極と対向するよう前記犠牲膜上に設けられる可動接点電極(10)を形成する工程と、前記可動接点電極を形成した後に前記犠牲膜を除去する工程とを順次実施する。このとき、固定接点電極の上面は、固定吸引電極の上面より高くなるように形成される。また、支持梁、可動吸引電極及び可動接点電極を平坦な犠牲膜上に形成するため、これらの各下面は同じ高さに揃うことになる。これにより、固定吸引電極と可動吸引電極の短絡を防止することができ、固定吸引電極と可動吸引電極の電極間距離を精度良く微小距離に設定することができる。さらに、固定吸引電極は第2の絶縁膜により被覆されているため、従来の静電型可動接点素子のような絶縁膜と可動吸引電極の応力差に起因するそりの問題が生じないので、固定吸引電極と可動吸引電極の電極間距離を精度良く微小距離に設定することができ、また固定吸引電極と可動吸引電極の短絡をより確実に防止することができる。
【0018】
また、本発明の静電型可動接点素子の製造方法は、半導体基板(1)上に第1の絶縁膜(2)を形成する工程と、前記第1の絶縁膜を形成した後に前記第1の絶縁膜上に固定吸引電極(3a)、固定接点電極(6c,6d)及び接続用電極(4a)を形成する工程と、前記固定吸引電極、固定接点電極及び接続用電極を形成した後に前記第1の絶縁膜、前記固定吸引電極、前記固定接点電極及び前記接続用電極上に第2の絶縁膜(5a)を形成する工程と、前記第2の絶縁膜を形成した後に前記第2の絶縁膜に前記固定接点電極を露出させる第1の開口部を形成する工程と、前記第1の開口部を形成した後に前記第1の開口部により露出した前記固定接点電極を無電解メッキにより厚膜化する工程と、前記固定接点電極を厚膜化した後に前記第2の絶縁膜及び前記固定接点電極上に犠牲膜(11)を形成する工程と、前記犠牲膜を形成した後に前記第2の絶縁膜及び前記犠牲膜に前記接続用電極を露出させる第2の開口部を形成する工程と、前記第2の開口部を形成した後に前記第2の開口部を通して前記接続用電極と接続される支持梁(7)を前記犠牲膜上に形成すると共に、この支持梁と接続される可動吸引電極を前記固定吸引電極(8)と対向するよう前記犠牲膜上に形成する工程と、前記可動吸引電極を形成した後に前記可動吸引電極の少なくとも一部を覆う第3の絶縁膜(9)を形成する工程と、前記第3の絶縁膜を形成した後に一部が前記第3の絶縁膜上に設けられ、他の部分が前記固定接点電極と対向するよう前記犠牲膜上に設けられる可動接点電極(10)を形成する工程と、前記可動接点電極を形成した後に前記犠牲膜を除去する工程とを順次実施する。このとき、固定接点電極の上面は、固定吸引電極の上面より高くなるように形成される。また、支持梁、可動吸引電極及び可動接点電極を平坦な犠牲膜上に形成するため、これらの各下面は同じ高さに揃うことになる。また、固定吸引電極と固定接点電極を同一のマスクで形成した後、固定接点電極上の絶縁膜に第1の開口部を設け、第1の開口部により露出した固定接点電極の膜厚のみを無電解メッキにより増加させている。その結果、マスクの数を減らすことが可能となる。
【0019】
また、本発明の静電型可動接点素子の製造方法は、半導体基板(1)上に第1の絶縁膜(2)を形成する工程と、前記第1の絶縁膜を形成した後に前記第1の絶縁膜上に高さの異なる固定吸引電極(3b)、固定接点電極(6e,6f)及び接続用電極(4b)を形成する工程と、前記固定吸引電極、固定接点電極及び接続用電極を形成した後に前記第1の絶縁膜、前記固定吸引電極、前記固定接点電極及び前記接続用電極上に第2の絶縁膜(5b)を形成する工程と、前記第2の絶縁膜を形成した後に前記第2の絶縁膜が前記固定吸引電極のみを被覆するように加工する工程と、前記第2の絶縁膜を加工した後に前記第1の絶縁膜、前記第2の絶縁膜、前記固定接点電極及び前記接続用電極上に犠牲膜(11)を形成する工程と、前記犠牲膜を形成した後に前記犠牲膜に前記接続用電極を露出させる開口部を形成する工程と、前記開口部を形成した後に前記開口部を通して前記接続用電極と接続される支持梁(7)を前記犠牲膜上に形成すると共に、この支持梁と接続される可動吸引電極(8)を前記固定吸引電極と対向するよう前記犠牲膜上に形成する工程と、前記可動吸引電極を形成した後に前記可動吸引電極の少なくとも一部を覆う第3の絶縁膜(9)を形成する工程と、前記第3の絶縁膜を形成した後に一部が前記第3の絶縁膜上に設けられ、他の部分が前記固定接点電極と対向するよう前記犠牲膜上に設けられる可動接点電極(10)を形成する工程と、前記可動接点電極を形成した後に前記犠牲膜を除去する工程とを順次実施する。このとき、固定接点電極の上面は、固定吸引電極の上面より高くなるように形成される。また、支持梁、可動吸引電極及び可動接点電極を平坦な犠牲膜上に形成するため、これらの各下面は同じ高さに揃うことになる。
また、前記犠牲膜を形成する工程時に、前記犠牲膜は表面が平坦になるように形成される。
また、前述の無電解メッキは、Au,Ru,Ptの貴金属を析出させる還元型無電解メッキである。
【0020】
【発明の実施の形態】
[実施の形態の1]
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態となる静電型可動接点素子の断面図である。
本実施の形態の静電型可動接点素子では、半導体基板となるSi基板1上に絶縁性基体となる第1の絶縁膜2が形成され、この第1の絶縁膜2上に固定吸引電極3と、固定吸引電極3から離間して接続用電極4が形成されている。
【0021】
第1の絶縁膜2、固定吸引電極3及び接続用電極4の一部を覆う第2の絶縁膜5上には、固定吸引電極3から離間して固定接点電極6a,6bが形成されている。そして、接続用電極4の上に支持梁7が設けられている。
このように、一方が接続用電極4を介して絶縁膜2に固定された支持梁7の固定されていない他方には、微小空隙20を隔てて固定吸引電極3と対向するように可動吸引電極8が設けられると共に、微小空隙20を隔てて固定接点電極6a,6bと対向するように可動接点電極10が設けられている。
【0022】
なお、支持梁7と可動吸引電極8は一体成形されるので、接続用電極4と支持梁7と可動吸引電極8との間は導通している。また、可動吸引電極8と可動接点電極10は第3の絶縁膜9を介して機械的に連結されているので、可動吸引電極8と可動接点電極10との間は絶縁されている。
【0023】
本実施の形態では、絶縁膜2,5をシリコン酸化膜により形成し、絶縁膜9をシリコン窒化膜により形成した。
また、固定吸引電極3、支持梁7及び可動吸引電極8をAl(アルミニウム)により形成し、固定接点電極6a,6b及び可動接点電極10をAu(金)により形成した。
【0024】
固定吸引電極3は、図示しない配線パタンを介して駆動電圧源と接続され、可動吸引電極8は、支持梁7、接続用電極4、図示しない配線パタンを介して駆動電圧源と接続される。
駆動電圧源より固定吸引電極3−可動吸引電極8間に駆動電圧を印加すると、静電引力が発生して両電極が引き合う。
【0025】
この静電引力により可動吸引電極8が固定吸引電極3の方に引き寄せられて支持梁7がたわみ、固定接点電極6a,6bと可動接点電極10とが接触する。
この結果、固定接点電極6aと6bは、可動接点電極10を介して接続されるので、接点が閉じる。
【0026】
駆動電圧印加を停止すると、支持梁7の弾性力で可動接点電極10が元の位置に戻り、接点が開く。
このように、本発明の静電型可動接点素子は、駆動電圧の印加及び停止により開閉動作を行うことが可能である。
【0027】
本実施の形態において、素子全体の大きさは60μm×60μm程度であり、固定吸引電極3の高さは0.3μm、固定接点電極6a,6bの高さは0.5μm、第2の絶縁膜5の膜厚は0.1μmである。また、微小空隙20の高さ方向の寸法を、固定吸引電極3上の絶縁膜5と可動吸引電極8との間において1μmとしている。
これにより、固定接点電極6a,6bの上面は固定吸引電極3の上面より高くなり、絶縁膜5の膜厚も含めた固定吸引電極3と固定接点電極6a,6bの高さの差は0.2μmとなる。
【0028】
一方、支持梁7、可動吸引電極8及び可動接点電極10の各下面は同じ高さに揃っている。
したがって、固定接点電極6a,6bと可動接点電極10が接触しても、固定吸引電極3(絶縁膜5含む)と可動吸引電極8の間には0.2μmの間隔が維持される。この結果、固定吸引電極3と可動吸引電極8の短絡は防止される。
【0029】
さらに、固定吸引電極3は第2の絶縁膜5により被覆されているため、仮に可動吸引電極8の一部が可動接点電極10よりも低い位置までたわんだとしても、固定吸引電極3と可動吸引電極8の短絡が生じることはない。
【0030】
次に、本実施の形態の静電型可動接点素子の製造方法を説明する。図2は図1の静電型可動接点素子の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図2(a)に示すように、Si基板1上に第1の絶縁膜2を形成する。続いて、図2(b)のように第1の絶縁膜2上に固定吸引電極3及び接続用電極4を形成し、図2(c)のように第2の絶縁膜5を形成する。
【0031】
本実施の形態では、スパッタ法によって膜厚0.3μmのAl膜を形成した後、リソグラフィー工程及びエッチング工程によって加工することにより、固定吸引電極3及び接続用電極4を形成した。
また、第2の絶縁膜5としては、プラズマCVD法によって形成した膜厚0.1μmのシリコン酸化膜を使用している。
【0032】
次に、図2(d)に示すように、第2の絶縁膜5上に固定接点電極6a,6bを形成する。固定接点電極6a,6bを形成するには、最初に、膜厚0.1μmのCrと膜厚0.1μmのAuの積層膜を蒸着法によって順次堆積した後、配線パタン(固定接点電極6a,6bとそれにつながるパタンを含む)以外の部分にレジストを形成する。
【0033】
そして、このレジストを鎔にして電解メッキを行うことにより、膜厚0.5μmのAu配線パタンを形成する(ただし、0.5μmのうち最下層の0.1μmはCrの積層膜である)。最後に、配線パタン以外のCr/Au積層膜をウェットエッチング法によって除去する。これで、固定接点電極6a,6bの形成が完了する。
【0034】
次に、以上のような構造の上に犠牲膜11を形成する(図2(e))。
続いて、接続用電極4上の絶縁膜5及び犠牲膜11を除去して開口部を形成した後、開口部を通して接続用電極4と接続される支持梁7及び可動吸引電極8を犠牲膜11上に形成する(図2(f))。
本実施の形態では、犠牲膜11として1.3μm厚のポリイミドを使用した。これにより、犠牲膜11の表面を平坦化することが可能となる。犠牲膜11の加工には、酸素プラズマを用いたドライエッチング法を使用した。
【0035】
また、スパッタ法によって膜厚1μmのAl膜を堆積した後、リソグラフィー工程及びエッチング工程によって加工することにより、支持梁7及び可動吸引電極8を形成した。なお、可動吸引電極8は支持梁7と一体成形される。
次に、図2(g)に示すように、可動吸引電極8の一部を覆う第3の絶縁膜9を形成した後、図2(h)に示すように、一部が絶縁膜9上に設けられ、他の部分が固定接点電極6a,6bと対向するように犠牲膜11上に設けられる可動接点電極10を形成する。
【0036】
このように、支持梁7、可動吸引電極8及び可動接点電極10を平坦な犠牲膜11上に形成するため、これらの各下面は同じ高さに揃うことになる。
本実施の形態では、第3の絶縁膜9としてプラズマCVD法によって形成した膜厚0.1μmのシリコン窒化膜を使用し、可動接点電極10として膜厚0.5μmのAuの積層膜を使用した。
【0037】
最後に、図2(i)に示すように、酸素プラズマを使用した等方性ドライエッチング処理によって犠牲膜11を除去する。こうして、可動吸引電極8及び可動接点電極10が支持梁7によって空中に支持される構造を実現できる。
【0038】
以上のような製造方法により、本実施の形態では、固定吸引電極3の上面より固定接点電極6a,6bの上面が高い位置にあり、かつ可動吸引電極8の下面と可動接点電極10の下面が同一の高さに揃う静電型可動接点素子の形成が可能である。その結果、固定吸引電極3と可動吸引電極8の短絡を防止することができ、固定吸引電極3と可動吸引電極8の電極間距離を精度良く微小距離に設定することができる。電極間距離を微小距離に設定することにより、駆動電圧の低電圧化が可能となる。
【0039】
また、固定吸引電極3は第2の絶縁膜5により被覆されているため、従来の静電型可動接点素子のような絶縁膜と可動吸引電極の応力差に起因するそりの問題が生じないので、固定吸引電極3と可動吸引電極8の電極間距離を精度良く微小距離に設定することができ、また固定吸引電極3と可動吸引電極8の短絡をより確実に防止することができる。
さらに、本実施の形態の静電型可動接点素子の製作プロセスは、金属膜及び層間膜の形成及び加工から成り立っており、LSIや実装基板の製作プロセスと整合性がよい。このため、微細な構造の静電型可動接点素子の製作が実現可能である。
【0040】
なお、本実施の形態では、固定吸引電極3、接続用電極4、支持梁7及び可動吸引電極8にはAl配線を使用したが、必要とされる導電性及び剛性を有している材料であれば、他の材料を用いた配線でもよいことは言うまでもない。
さらに、固定接点電極6a,6b及び可動接点電極10にはAu配線を使用したが、PtやRu等、他の接点材料でも構わない。このAu配線の加工にはメッキを使用したが、リフトオフやウェットエッチなど他の方法による加工でも構わない。
【0041】
[実施の形態の2]
図3は本発明の第2の実施の形態となる静電型可動接点素子の断面図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。
実施の形態の1では、固定吸引電極3及び接続用電極4をAlで形成したが、本実施の形態では、固定吸引電極3aと接続用電極4aをAuで形成している。また、実施の形態の1では、固定接点電極6a,6bを第2の絶縁膜5上に形成したが、本実施の形態では、固定接点電極6c,6dを第1の絶縁膜2上に形成している。
【0042】
さらに、固定接点電極6c,6dは、下部が第2の絶縁膜5aによって被覆され、上部が第2の絶縁膜5a上に突出するように形成される。
本実施の形態における固定吸引電極3aの高さは0.3μm、固定接点電極6c,6dの高さは0.6μmである。その他の構造及び材料は実施の形態の1と同じである。
【0043】
次に、本実施の形態の静電型可動接点素子の製造方法を説明する。図4は図3の静電型可動接点素子の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図4(a)に示すように、Si基板1上に第1の絶縁膜2を形成する。
【0044】
実施の形態の1では、第2の絶縁膜5を形成した後に固定接点電極6a,6bを形成したが、本実施の形態では、固定吸引電極3a及び接続用電極4aと同時に固定接点電極6c,6dを形成し(図4(b))、これらを被覆するように第2の絶縁膜5aを形成した後に、固定接点電極6c,6dが露出するように開口部12を形成し(図4(c))、図4(d)に示すように、露出した固定接点電極6a,6bの膜厚を無電解メッキによって増加させるところに特徴がある。
【0045】
本実施の形態では、膜厚0.1μmのCrと膜厚0.2μmのAuの積層膜を蒸着法及びメッキ法によって順次堆積することにより、図4(b)に示す固定吸引電極3a、接続用電極4a及び固定接点電極6c,6dを形成した。
さらに、図4(d)に示すように、還元型無電解メッキを用いて選択的に固定接点電極6c,6dの膜厚を0.6μmになるまで増加させる(0.6μmのうち最下層の0.1μmはCrの積層膜である)。
【0046】
次に、以上のような構造の上に犠牲膜11を形成する(図4(e))。
続いて、接続用電極4a上の絶縁膜5a及び犠牲膜11を除去して開口部を形成した後、開口部を通して接続用電極4aと接続される支持梁7及び可動吸引電極8を犠牲膜11上に形成する(図4(f))。
【0047】
次に、図4(g)に示すように、可動吸引電極8の一部を覆う第3の絶縁膜9を形成した後、図4(h)に示すように、一部が絶縁膜9上に設けられ、他の部分が固定接点電極6c,6dと対向するように犠牲膜11上に設けられる可動接点電極10を形成する。
最後に、図4(i)に示すように、酸素プラズマを使用した等方性ドライエッチング処理によって犠牲膜11を除去する。
【0048】
以上示したように、本実施の形態では、固定吸引電極3aと固定接点電極6c,6dを同一のマスクで形成した後、固定接点電極6c,6d上の絶縁膜5aに開口部12を設け、そこから固定接点電極6c,6dの膜厚のみを増加させるところに特徴がある。この結果、本実施の形態の1と比較してマスクの数を減らすことが可能となる。
【0049】
[実施の形態の3]
図5は本発明の第3の実施の形態となる静電型可動接点素子の断面図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。
本実施の形態では、固定吸引電極3bと接続用電極4bと固定接点電極6e,6fをAuで形成している。また、固定接点電極6e,6fを第1の絶縁膜2上に形成している。
【0050】
さらに、第2の絶縁膜5bは、固定吸引電極3bのみを被覆する形状となっている。
本実施の形態における固定吸引電極3bの高さは0.3μm、固定接点電極6e,6fの高さは0.6μmである。その他の構造及び材料は実施の形態の1と同じである。
【0051】
次に、本実施の形態の静電型可動接点素子の製造方法を説明する。図6は図5の静電型可動接点素子の製造方法を示す工程断面図である。
本実施の形態では、固定吸引電極3b、接続用電極4bを形成した後に、これらと高さの異なる固定接点電極6e,6fを形成し、これらを被覆するように第2の絶縁膜5bを形成した後、固定吸引電極3bのみを被覆するように絶縁膜5bを加工するところに特徴がある。
【0052】
まず、図6(a)に示すように、Si基板1上に第1の絶縁膜2を形成する。続いて、第1の絶縁膜2上に種電極13を形成した後、リソグラフィ工程、電解メッキ、レジスト除去という工程を経て、固定吸引電極3b及び接続用電極4bを形成する(図6(b))。
【0053】
さらに、図6(c)に示すように、リソグラフィ工程、電解メッキ、レジスト除去という工程をもう一度繰り返すことにより、固定吸引電極3bよりも高く設定した固定接点電極6e,6fを形成する。
そして、図6(d)に示すように、ウェットエッチング法を用いて固定吸引電極3b、接続用電極4b及び固定接点電極6e,6fの下部以外の種電極13を除去する。
【0054】
本実施の形態では、種電極13としてCrとAuを順次堆積した積層膜を使用している。
次に、第1の絶縁膜2、固定吸引電極3b、固定接点電極6e,6f及び接続用電極4b上に第2の絶縁膜5bを形成した後、第2の絶縁膜5bが固定吸引電極3bのみを被覆するように加工する(図6(e))。
【0055】
次いで、以上のような構造の上に犠牲膜11を形成する(図6(f))。
続いて、接続用電極4b上の絶縁膜5b及び犠牲膜11を除去して開口部を形成した後、開口部を通して接続用電極4bと接続される支持梁7及び可動吸引電極8を犠牲膜11上に形成する(図6(g))。
【0056】
さらに、図6(h)に示すように、可動吸引電極8の一部を覆う第3の絶縁膜9を形成した後、図6(i)に示すように、一部が絶縁膜9上に設けられ、他の部分が固定接点電極6e,6fと対向するように犠牲膜11上に設けられる可動接点電極10を形成する。
最後に、図6(j)に示すように、酸素プラズマを使用した等方性ドライエッチング処理によって犠牲膜11を除去する。
【0057】
以上示したように、本実施の形態では、高さの異なる固定吸引電極3b及び固定接点電極6e,6fを形成した後、第2の絶縁膜5bを形成し、さらに固定吸引電極3bのみを被覆するように第2の絶縁膜5bを加工するところに特徴がある。この結果、固定吸引電極3bと固定接点電極6e,6fを形成する際において同一の種電極13を使用することが可能であり、工程を簡略化することが可能である。
【0058】
ところで、以上の実施の形態の1〜3では、断面図で説明する都合上、各電極や支持梁等を横一列に並べたが、これらは2次元平面上で考えればより自由な配置が可能であることは言うまでもない。
また、実施の形態の1〜3では、片側だけを固定した片もち型の支持梁7を有する静電型可動接点素子を用いているが、両側を固定した両もち型の支持梁等、他の構造を有する静電型可動接点素子であってもよい。
【0059】
また、実施の形態の1〜3では、半導体基板としてSi基板を用いたが、GaAs等の他の基板でも構わない。
また、第1の絶縁膜2、第2の絶縁膜5,5a,5bにはシリコン酸化膜を使用し、第3の絶縁膜9にはシリコン窒化膜を使用したが、他の絶縁性薄膜を使用してもよいことは言うまでもない。
また、固定接点電極6a,6b,6c,6d,6e,6f及び可動接点電極10にはAu配線を使用したが、PtやRu等、他の接点材料でも構わない。
【0060】
また、実施の形態の1〜3では、犠牲膜11としてポリイミドを使用し、この犠牲膜11の除去のためのエッチング処理として酸素プラズマによるドライエッチング処理を用いた。
しかし、下部構造の凹凸を緩和して表面が平坦化でき、かつ他の構造(絶縁膜5,5a,5b,9、固定接点電極6a,6b,6c,6d,6e,6f、支持梁7、可動吸引電極8、可動接点電極10等)を構成する材料との選択比が大きくとれるドライエッチング処理が存在する材料であれば、他の材料でも構わないことは言うまでもない。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の静電型可動接点素子及びその製造方法では、固定接点電極の上面が固定吸引電極の上面より高い位置にあり、かつ可動吸引電極の下面と可動接点電極の下面は同一の高さに揃っている。その結果、本発明によれば以下の効果が得られる。
(1)接点が閉じる際の可動吸引電極と固定吸引電極の短絡を確実に防止することができる。
(2)半導体基板を電極に使用せず、配線工程だけで形成が可能であるため、配線工程が終了したLSIや実装基板上にも形成することができる。
(3)他の基板との張り合わせ等がなく、LSIプロセスのみで形成が可能であるため、構造を微細化することができる。
(4)固定吸引電極と可動吸引電極の電極間距離を精度良く微小距離に設定することができる。
【0062】
また、本発明の静電型可動接点素子では、可動吸引電極では無く、固定吸引電極を絶縁性薄膜で被覆しているため、従来の静電型可動接点素子のような絶縁膜と可動吸引電極の応力差に起因するそりの問題が生じない。このため、固定吸引電極と可動吸引電極の電極間距離を精度良く微小距離に設定することができる。また、固定吸引電極を絶縁性薄膜で被覆したため、仮に可動吸引電極の一部が可動接点電極よりも低い位置までたわんだとしても、固定吸引電極と可動吸引電極の短絡が生じることはない。
【0063】
また、本発明の静電型可動接点素子の製造方法では、固定吸引電極と固定接点電極を同一のマスクで形成した後、固定接点電極上の絶縁膜に第1の開口部を設け、第1の開口部により露出した固定接点電極の膜厚のみを無電解メッキにより増加させている。その結果、マスクの数を減らすことが可能となる。
【0064】
また、本発明の静電型可動接点素子の製造方法では、高さの異なる固定吸引電極及び固定接点電極を形成した後、第2の絶縁膜を形成し、さらに固定吸引電極のみを被覆するように第2の絶縁膜を加工している。この結果、固定吸引電極と固定接点電極を形成する際において同一の種電極を使用することが可能であり、工程を簡略化することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態となる静電型可動接点素子の断面図である。
【図2】図1の静電型可動接点素子の製造方法を示す工程断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態となる静電型可動接点素子の断面図である。
【図4】図3の静電型可動接点素子の製造方法を示す工程断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態となる静電型可動接点素子の断面図である。
【図6】図5の静電型可動接点素子の製造方法を示す工程断面図である。
【図7】従来の静電型可動接点素子の基本的な構造及びその動作を示す断面図である。
【図8】従来の静電型可動接点素子の1構成例を示す断面図である。
【図9】従来の静電型可動接点素子の他の構成例を示す断面図である。
【図10】従来の静電型可動接点素子の他の構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…Si基板、2…第1の絶縁膜、3、3a、3b…固定吸引電極、4、4a、4b…接続用電極、5、5a、5b…第2の絶縁膜、6a、6b、6c、6d、6e、6f…固定接点電極、7…支持梁、8…可動吸引電極、9…第3の絶縁膜、10…可動接点電極、11…犠牲膜、12…開口部、13…種電極、20…微小空隙。
Claims (5)
- 固定吸引電極と可動吸引電極間の静電引力により支持梁を動かして固定接点電極と可動接点電極とからなる接点を開閉する静電型可動接点素子の製造方法において、
半導体基板上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜を形成した後に前記第1の絶縁膜上に固定吸引電極及び接続用電極を形成する工程と、
前記固定吸引電極及び接続用電極を形成した後に前記第1の絶縁膜、前記固定吸引電極及び前記接続用電極上に第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜を形成した後に前記第2の絶縁膜上に固定接点電極を形成する工程と、
前記固定接点電極を形成した後に前記第2の絶縁膜及び前記固定接点電極上に犠牲膜を形成する工程と、
前記犠牲膜を形成した後に前記第2の絶縁膜及び前記犠牲膜に前記接続用電極を露出させる開口部を形成する工程と、
前記開口部を形成した後に前記開口部を通して前記接続用電極と接続される支持梁を前記犠牲膜上に形成すると共に、この支持梁と接続される可動吸引電極を前記固定吸引電極と対向するよう前記犠牲膜上に形成する工程と、
前記可動吸引電極を形成した後に前記可動吸引電極の少なくとも一部を覆う第3の絶縁膜を形成する工程と、
前記第3の絶縁膜を形成した後に一部が前記第3の絶縁膜上に設けられ、他の部分が前記固定接点電極と対向するよう前記犠牲膜上に設けられる可動接点電極を形成する工程と、
前記可動接点電極を形成した後に前記犠牲膜を除去する工程とを順次実施し、
前記接点での接触を確保するために前記固定接点電極の上面が前記固定吸引電極の上面より高くなるように形成されることを特徴とする静電型可動接点素子の製造方法。 - 固定吸引電極と可動吸引電極間の静電引力により支持梁を動かして固定接点電極と可動接点電極とからなる接点を開閉する静電型可動接点素子の製造方法において、
半導体基板上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜を形成した後に前記第1の絶縁膜上に固定吸引電極、固定接点電極及び接続用電極を形成する工程と、
前記固定吸引電極、固定接点電極及び接続用電極を形成した後に前記第1の絶縁膜、前記固定吸引電極、前記固定接点電極及び前記接続用電極上に第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜を形成した後に前記第2の絶縁膜に前記固定接点電極を露出させる第1の開口部を形成する工程と、
前記第1の開口部を形成した後に前記第1の開口部により露出した前記固定接点電極を無電解メッキにより厚膜化する工程と、
前記前記固定接点電極を厚膜化した後に前記第2の絶縁膜及び前記固定接点電極上に犠牲膜を形成する工程と、
前記犠牲膜を形成した後に前記第2の絶縁膜及び前記犠牲膜に前記接続用電極を露出させる第2の開口部を形成する工程と、
前記第2の開口部を形成した後に前記第2の開口部を通して前記接続用電極と接続される支持梁を前記犠牲膜上に形成すると共に、この支持梁と接続される可動吸引電極を前記固定吸引電極と対向するよう犠牲膜上に形成する工程と、
前記可動吸引電極を形成した後に前記可動吸引電極の少なくとも一部を覆う第3の絶縁膜を形成する工程と、
前記第3の絶縁膜を形成した後に一部が前記第3の絶縁膜上に設けられ、他の部分が前記固定接点電極と対向するよう前記犠牲膜上に設けられる可動接点電極を形成する工程と 、
前記可動接点電極を形成した後に前記犠牲膜を除去する工程とを順次実施し、
前記接点での接触を確保するために前記固定接点電極の上面が前記固定吸引電極の上面より高くなるように形成されることを特徴とする静電型可動接点素子の製造方法。 - 固定吸引電極と可動吸引電極間の静電引力により支持梁を動かして固定接点電極と可動接点電極とからなる接点を開閉する静電型可動接点素子の製造方法において、
半導体基板上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜を形成した後に前記第1の絶縁膜上に高さの異なる固定吸引電極、固定接点電極及び接続用電極を形成する工程と、
前記固定吸引電極、固定接点電極及び接続用電極を形成した後に前記第1の絶縁膜、前記固定吸引電極、前記固定接点電極及び前記接続用電極上に第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜を形成した後に前記第2の絶縁膜が前記固定吸引電極のみを被覆するように加工する工程と、
前記第2の絶縁膜を加工した後に前記第1の絶縁膜、前記第2の絶縁膜、前記固定接点電極及び前記接続用電極上に犠牲膜を形成する工程と、
前記犠牲膜を形成した後に前記犠牲膜に前記接続用電極を露出させる開口部を形成する工程と、
前記開口部を形成した後に前記開口部を通して前記接続用電極と接続される支持梁を前記犠牲膜上に形成すると共に、この支持梁と接続される可動吸引電極を前記固定吸引電極と対向するよう前記犠牲膜上に形成する工程と、
前記可動吸引電極を形成した後に前記可動吸引電極の少なくとも一部を覆う第3の絶縁膜を形成する工程と、
前記第3の絶縁膜を形成した後に一部が前記第3の絶縁膜上に設けられ、他の部分が前記固定接点電極と対向するよう前記犠牲膜上に設けられる可動接点電極を形成する工程と、
前記可動接点電極を形成した後に前記犠牲膜を除去する工程とを順次実施し、
前記接点での接触を確保するために前記固定接点電極の上面が前記固定吸引電極の上面より高くなるように形成されることを特徴とする静電型可動接点素子の製造方法。 - 請求項1、2又は3のいずれか1項に記載の静電型可動接点素子の製造方法において、
前記犠牲膜を形成する工程時に、前記犠牲膜は表面が平坦になるように形成されることを特徴とする静電型可動接点素子の製造方法。 - 請求項2記載の静電型可動接点素子の製造方法において、
前記無電解メッキは、Au,Ru,Ptの貴金属を析出させる還元型無電解メッキであることを特徴とする静電型可動接点素子の製造方法。
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