JP3953849B2 - 光スイッチ装置及び光スイッチ装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信や光計測、またディスプレイなどに用いられる光スイッチ装置とこの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
薄膜形成技術やフォトリソグラフィ技術を基本にしてエッチングすることなどで立体的に微細加工を行うマイクロマシン技術を利用して作製された、光スイッチ装置がある。この光スイッチ装置は、例えば、固定構造体と可動する反射構造体とから構成されている。反射構造体は、支持材と可動部材を有し、可動部材が、トーションバネなどのバネ部材によって支持部材に接続されている。このように構成された光スイッチは、固定構造体と可動する反射構造体との間に働く引力、あるいは反発力によって反射構造体が可動することで光路を切り替えるスイッチング動作を行う。
【0003】
上述したような従来の光スイッチ装置をマイクロマシン技術で作製する場合には、大別して2つのタイプがある。一つは、いわゆる表面マイクロマシンによって作製されるタイプであり、他方はバルクマイクロマシンによって作製されるタイプである。まず前者について説明する。表面マイクロマシンタイプは、図8の側面図に示すように、まず、基板801に回動可能に支持部802が設けられている。また、枠体804がヒンジ803を介して支持部802に支持され、枠体804には、図示しないトーションバネを介してミラー805が連結支持されている。
【0004】
ミラー805の下部には、ミラー805を駆動するための静電力を発生する電極部806が、図示しない配線に接続して形成されている。このような構造は、先にも記したように表面マイクロマシン技術によって作製される。例えば、酸化シリコンを形成する工程,電極配線構造を形成する工程,ミラーとなるポリシリコン膜を形成する工程,及び酸化シリコンの所望の部分を犠牲層としてフッ酸等でエッチングしてミラーを基板より分離した状態にする工程などによって作製される。
【0005】
これらの表面マイクロマシン技術を構成する要素技術は、大規模集積回路のプロセス技術の応用である。このため、薄膜を形成して作製する構造の高さ方向の大きさは、たかだか数μmに制限される。ミラーの回転を可能とするため、下部の電極部とミラーとの間隔を10μm以上設ける必要がある光スイッチ装置では、酸化シリコンからなる犠牲層の除去とともに、内部応力によってミラーを電極部から離すように持ち上げることや、支持部を静電力によって回動させてミラーの部分を電極部より離間させる方法がとられている。
【0006】
一方、バルクマイクロマシンタイプでは、一般的にミラーを構成する基板と電極を構成する基板とを個別に作製し、これらを連結させることによって光スイッチ装置を形成している。ミラーの作製にはSOI(Silicon on Insulator)基板を用いることが提案されている。SOI基板を用いて作製されたミラーは、単結晶のシリコンからなり、表面マイクロマシンで一般的なポリシリコンではない。このため、多結晶であるために発生する応力起因のミラーの反りが、SOI基板を用いたミラーでは比較的小さい等の利点を有する。
【0007】
以下、SOI基板を用いた光スイッチの製造について、図9の断面図を用いて概略を説明する。まず、図9(a)に示すように、SOI基板901の埋め込み酸化膜902が形成されている側(主表面)より、公知のフォトリソグラフィ技術とDEEP RIEなどのエッチングによって溝901aを形成することで、埋め込み酸化膜902上の単結晶シリコン層903にミラー904を形成する。
【0008】
このとき、ミラー904の反射率を向上させるために、ミラー904表面にAuなどの金属膜を形成しする場合もある。なお、DEEP RIEは、例えばシリコンをドライエッチングするときに、SF6とC4F8のガスを交互に導入し、エッチングと側壁保護膜形成とを繰り返すことにより、アスペクト比が50にもなる溝または穴を、毎分数μmのエッチング速度で形成する技術である。
【0009】
つぎに、SOI基板901の裏面にミラー904の形成領域が開口したレジストパターンを形成し、水酸化カリウム水溶液などのエッチング液を用いてSOI基板901の裏面より選択的にシリコンをエッチングする。このエッチングでは、埋め込み酸化膜902をエッチングストッパ層として用い、図9(b)に示すように、ミラー904の形成領域に対応するSOI基板901の裏面に開口部901bを形成する。次いで、埋め込み酸化膜902の開口部901bに露出している領域を、フッ酸を用いて選択的に除去することで、図9(c)に示すように、基板901に支持された回動可能なミラー904が形成された状態とする。
【0010】
一方、シリコン基板911をシリコン窒化膜あるいはシリコン酸化膜からなる所定のマスクパターンをマスクとし、水酸化カリウム水溶液で選択的にエッチングすることで、図9(d)に示すように、凹部構造が形成された状態とする。次いで、凹部構造上に蒸着法などにより金属膜を形成し、この金属膜を公知の超深度露光を用いたフォトリソグラフィ技術とエッチング技術とによりパターニングし、図9(e)に示すように、電極部912を形成する。
【0011】
最後に、図9(c)に示すミラー904が形成されたSOI基板901と、図9(e)に示すシリコン基板901とを貼り合わせることで、図9(f)に示すように、電界印加によってミラー904が可動する光スイッチ装置が製造できる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前述した表面マイクロマシン技術による光スイッチの作製では、ミラーの作製過程で、図8に示す支持部802のように、可動構造体として支持構造体を形成するため、支持構造体を形成する工程の歩留りが他の工程の歩留りより低く、光スイッチ装置の製造歩留りを低下させる要因となっている。また、ミラー以外にも可動部分があるという可動部分の多さは、光スイッチの信頼性を低下させる要因となる。
【0013】
一方、バルクマイクロマシン技術による光スイッチの作製では、前述した表面マイクロマシンによる作製方法に比較して、ミラーの可動空間を稼ぐための犠牲層エッチングなどの工程がないので、歩留りや信頼性の点では有利な方法である。しかしながら、図9に示したこの製造方法では、ミラーの可動空間は主に、KOH溶液等によるSiの異方性エッチングによって作製されるため、以下に記す問題がある。まず、ミラー側のSOI基板においてミラーを回動可能とするためには、ほぼ基板の厚さに相当するSiのエッチングが必要となる。このとき、エッチングすべきSiの厚さは少なくとも数百μmに相当する。
【0014】
KOH溶液をエッチャントとし、例えば、市販されている厚さ625μmの、主表面がSi(100)の6インチSOI基板基板を、上述したようにアルカリ水溶液で異方性エッチングすると、約55度の傾斜角度を持つ(111)面を露出するようにエッチングされる。例えば、埋め込み酸化膜上のシリコン層の厚さを10μm、埋め込み酸化膜の厚さを1μmとすると、図9(b)に示したSiエッチングすべき厚さは614(=625−10−1)μmになる。
【0015】
このようなSiエッチング後において500μm角のミラーの領域を確保しようとすると、上述の異方性によって、約600μm角の領域をエッチング除去することになる。従って、一つのミラーを形成するために、ミラーの可動には関係しない無駄な領域が多くなる。これでは、チップ内におけるミラー形成部の占有する回動可能面積が大きくなり、光スイッチ装置の集積度を向上させる上で不利となる。
【0016】
さらに、このような加工法は、エッチングのために、基板の表側と裏側両方での位置合わせが必要になり、いわゆる両面アライナー工程など複雑な工程を必要とする点も欠点である、また、電極部を形成する側の基板も、ミラーの可動空間を作るために10μm以上のKOH溶液によるエッチングが必要となる。このとき、ミラーが形成される基板と同様に異方性エッチングのため、10μm角以上の領域をはじめに占有してパターニングしなければならないので、やはり電極側の集積度も上げられない。
【0017】
また、ICやLSIと言ったプレーナプロセスで作製される制御回路と、上記光スイッチ装置を一体化しようとしても、上述したような異方性エッチングに始まる電極基板の作り方では、ミラーの制御のために必要なICやLSIをあらかじめ電極基板側に作り込んでおくことが不可能であり、多層配線化も不可能である。このため、上述したような製造方法では、制御のための素子の高集積化やミラー当たり多数の電極配線が必要な複雑な制御系の達成も不可能である。従って、上述した光スイッチの製造方法では、光スイッチ構造自体は小型化が可能であっても、外部に制御回路が必要となるため所望の性能を得るための装置、例えば光スイッチ装置としては大きなものとなってしまうという問題がある。
【0018】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、集積度の低下や歩留りの低下を抑制した状態で、従来より容易により微細な光スイッチ装置が製造できるようにすることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光スイッチ装置は、半導体基板上の特定平面の上に形成された導電性を有する支柱と、この支柱に電気的に接続して支持されて特定平面の上部に所定の空間をあけて配置され、開口領域を備えた導電性を有するミラー基板と、このミラー基板の開口領域の内側に配置されてミラー基板に連結部を介して回動可能に連結されかつ電気的に接続された導電性を有するミラーと、このミラーの下部の特定平面の上にミラーと離間して形成された制御電極部と、特定平面下の半導体基板上に形成された複数の素子からなり、支柱及び制御電極部に接続してミラーの回動動作の制御を行う制御回路とを少なくとも備え、支柱は、第1金属パターンとこの上に積層された第2金属パターンとの積層体から構成され、制御電極部は、第1金属パターンと同じ膜厚に形成された第3金属パターンから構成されているようにしたものである。
この光スイッチ装置は、半導体基板上に、ミラーと制御電極部からなるミラー素子が、制御回路とともにモノリシックに形成されている。
【0020】
また、本発明に係る光スイッチ装置は、半導体基板上の特定平面の上に形成された導電性を有する支柱と、この支柱に電気的に接続して支持されて特定平面の上部に所定の空間をあけて配置され、複数の開口領域を備えた導電性を有するミラー基板と、ミラー基板の複数の開口領域の内側に各々配置されてミラー基板に連結部を介して回動可能に連結されかつ電気的に接続された導電性を有する複数のミラーと、複数のミラーの下部の特定平面の上にミラーと離間して各々形成された複数の制御電極部と、特定平面下の半導体基板上に形成された複数の素子からなり、支柱及び制御電極部に接続してミラーの回動動作の制御を行う制御回路とを少なくとも備え、支柱は、第1金属パターンとこの上に積層された第2金属パターンとの積層体から構成され、制御電極部は、第1金属パターンと同じ膜厚に形成された第3金属パターンから構成されているようにしたものである。
この光スイッチ装置は、半導体基板上に、ミラーと制御電極部からなる複数のミラー素子が、制御回路とともにモノリシックに形成されている。なお、制御回路は、ミラーと制御電極部との対からなるミラー素子毎に備えるようにしてもよい。
【0021】
本発明に係る光スイッチ装置の製造方法は、半導体基板上に複数の素子からなる制御回路を形成する工程と、制御回路が形成された制御回路層上の特定平面上に各々が絶縁分離した複数の制御電極部を形成する工程と、導電性を有して制御電極部より高い支柱を特定平面の上に形成する工程と、複数の開口領域内に各々ミラーを備えてこのミラーが連結部を介して回動可能に連結された導電性材料からなるミラー基板を用意する工程と、ミラー基板を支柱の上に固定する工程とを少なくとも備え、ミラー基板は、複数のミラーが各々制御電極部に対応して制御電極部の上に所定の間隔をあけて配置された状態で支柱に固定し、支柱は、第1金属パターンとこの上に積層された第2金属パターンとの積層体から構成し、制御電極部は、第1金属パターンと同じ膜厚に形成された第3金属パターンから構成し、かつ制御回路による所定の信号が印加可能に接続した状態に形成するようにしたものである。
この製造方法によれば、半導体基板上に、ミラーと制御電極部からなる複数のミラー素子が、制御回路とともにモノリシックに形成される。
【0022】
また、本発明の他の形態に係る光スイッチ装置は、半導体基板上に複数の素子からなる制御回路を形成する工程と、制御回路が形成された制御回路層上の特定平面上に各々が絶縁分離した複数の制御電極部を形成する工程と、導電性を有して制御電極部より高い支柱を特定平面の上に形成する工程と、制御電極の上部に空間を備えた状態で支柱の上に導電性を有するミラー基板を形成する工程と、ミラー基板に溝を形成し、ミラー基板の複数の開口領域内に各々配置されてミラー基板に連結部を介して回動可能に連結された複数のミラーを形成する工程とを少なくとも備え、複数のミラーは、各々制御電極部に対応して制御電極部の上に所定の間隔をあけて配置された状態に形成し、支柱は、第1金属パターンとこの上に積層された第2金属パターンとの積層体から構成し、制御電極部は、第1金属パターンと同じ膜厚に形成された第3金属パターンから構成し、かつ制御回路による所定の信号が印加可能に接続した状態に形成するようにしたものである。
この製造方法によれば、半導体基板上に、ミラーと制御電極部からなる複数のミラー素子が、制御回路とともにモノリシックに形成される。
【0023】
また、本発明の他の形態に係る光スイッチ装置は、半導体基板上に複数の素子からなる制御回路を形成する工程と、半導体基板上に制御回路を覆って層間絶縁膜を形成する工程と、層間絶縁膜の表面で形成される特定平面上にシード層を形成する工程と、シード層の上に第1領域と複数の第2領域が開口した第1犠牲パターンを形成する工程と、第1領域及び第2領域に露出したシード層上に、メッキ法により第1犠牲パターンと実質的に同じ膜厚の第1金属パターン及び第2金属パターンを形成する工程と、第1犠牲パターン及び第2金属パターンの上に、第1領域上の第3領域が開口した第2犠牲パターンを形成する工程と、第3領域に露出した第1金属パターンの表面に、メッキ法により第2犠牲パターンと実質的に同じ膜厚の第3金属パターンを形成する工程と、第3金属パターンを形成した後、第1犠牲パターンと第2犠牲パターンを除去する工程と、これら犠牲パターンを除去した後、第1金属パターン及び第2金属パターンをマスクとしてシード層を選択的に除去し、第1金属パターンと第3金属パターンとの積層体からなる支柱と、複数の第2金属パターンからなる各々が特定平面上で分離した複数の制御電極部を形成する工程と、複数の開口領域内に各々ミラーを備えてこのミラーが連結部を介して回動可能に連結された導電性を有するミラー基板を用意する工程と、複数の制御電極部の上に複数のミラーが各々対応しかつ離間して配置されるように、支柱の上にミラー基板を接続固定する工程とを備え、制御電極部は、制御回路による所定の信号が印加可能に接続した状態に形成するようにしたものである。
この製造方法によれば、半導体基板上に、ミラーと制御電極部からなる複数のミラー素子が、制御回路とともにモノリシックに形成される。
【0024】
また、本発明の他の形態に係る光スイッチ装置は、半導体基板上に複数の素子からなる制御回路を形成する工程と、半導体基板上に制御回路を覆って層間絶縁膜を形成する工程と、層間絶縁膜の表面で形成される特定平面上にシード層を形成する工程と、シード層の上に第1領域と複数の第2領域が開口した第1犠牲パターンを形成する工程と、第1領域及び第2領域に露出したシード層上に、メッキ法により第1犠牲パターンと実質的に同じ膜厚の第1金属パターン及び第2金属パターンを形成する工程と、第1犠牲パターン及び第2金属パターンの上に、第1領域上の第3領域が開口した第2犠牲パターンを形成する工程と、第3領域に露出した第1金属パターンの表面に、メッキ法により第2犠牲パターンと実質的に同じ膜厚の第3金属パターンを形成する工程と、第3金属パターンに電気的に接続する導電性を有するミラー基板を第2犠牲パターン上に形成する工程と、ミラー基板に溝を形成し、ミラー基板の複数の開口領域内に各々配置されてミラー基板に連結部を介して回動可能に連結された複数のミラーを形成する工程と、ミラー基板のミラー形成部の溝を介して第1犠牲パターンと第2犠牲パターンを除去する工程と、これら犠牲パターンを除去した後、ミラー基板のミラー形成部の溝を介して第1金属パターン及び第2金属パターンをマスクとしてシード層を選択的に除去し、第1金属パターンと第3金属パターンとの積層体からなる支柱と、複数の第2金属パターンからなる各々が特定平面上で分離した複数の制御電極部を形成する工程とを備え、複数のミラーは、複数の制御電極部の上に各々対応しかつ離間して配置し、制御電極部は、制御回路による所定の信号が印加可能に接続した状態に形成するようにしたものである。
この製造方法によれば、半導体基板上に、ミラーと制御電極部からなる複数のミラー素子が、制御回路とともにモノリシックに形成される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
<実施の形態1>
はじめに、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1は、この実施の形態における光スイッチ装置の構成例を示す模式的な断面図である。図1では、主に光スイッチ装置の1構成単位である一つのミラーからなる部分(スイッチ素子)を示している。本実施の形態における光スイッチ装置は、半導体基板101上の特定平面上に導電性を有する支柱120により支持されて開口領域を備えたミラー基板130と、ミラー基板130の開口領域に回動可能に各々設けられたミラー131と、ミラー131に回動動作を行わせるための制御電極部140と制御回路150とから構成されたものである。これらは、例えば、シリコンからなる半導体基板101上に、集積されている。
【0026】
また、図2の斜視図に示すように、ミラー基板130は、複数の開口領域を備え、開口領域各々にミラー131が各々設けられ、一つのミラー131の部分で一つのスイッチ素子が形成されている。スイッチ素子は、ミラー131と制御電極部140との対から構成されている。これら、マトリクス状に配置(集積)された複数のスイッチ素子は、制御回路150に接続し、制御回路150は、通常の半導体集積回路と同様に、配線202を介してパッド端子201に接続し、パッド端子201と外部システムを接続することで、光スイッチ装置の機能が達成される。
【0027】
各スイッチ素子は、制御回路150(図1)により制御されるが、制御回路150は、スイッチ素子が形成されている領域下部の半導体基板101上に形成された図示しない複数の素子からなる能動回路により構成される。例えば、制御回路150より制御電極部140に信号を印加し、ミラー131と制御電極部140との間に電位差などを生成させることで、ミラー131を回動させる。
【0028】
また、制御回路150は、制御電極部140を介してフィードバックされる信号などにより、回動したミラー131の制御電極部140との間隔を検出し、ミラー131の回動状態(回転量)などを制御する。制御回路150は、一つのスイッチ素子に各々設けるようにしてもよく、また、一つの制御回路で、複数のスイッチ素子の各々所望の制御を、同時に行うことも可能である。
以上に説明したように、本実施の形態の図1,2に示す光スイッチ素子は、制御回路とともに集積して基板上に形成したので、小型化が可能であり、高い性能を備えている。
【0029】
以下、本実施の形態における光スイッチ装置の製造について説明する。まず、図3(a)に示すように、例えばシリコンなどの半導体からなる半導体基板101上に、前述した制御回路などを構成する能動回路(図示せず)を形成した後、シリコン酸化物からなる層間絶縁膜102を形成する。また、層間絶縁膜102に、接続口を形成してから、この接続口を介して下層の配線などに接続電極103を介して接続する配線層104を形成する。
【0030】
これらは、公知のフォトリソグラフィ技術とエッチング技術とにより形成できるものである。例えば、上記能動回路は、CMOSLSIプロセスで作製することができる。また、接続電極103及び配線層104は、Au/Tiからなる金属膜を形成し、これを加工することで形成できる。上記金属膜は、下層のTiは膜厚0.1μm程度とし、上層のAuは膜厚0.3μm程度とすればよい。
【0031】
この金属膜の形成は次のようにすればよい。シリコン酸化膜の上にスパッタ法や蒸着法などによりAu/Tiを形成する。次いで、フォトリソグラフィ技術により所定のパターンを形成する。このとき、電極配線、後述するミラー基板を貼り合わせるための接続部及びワイヤボンディング用パッドを形成するためのレジストパターンを同時に形成する。このレジストパターンをマスクとし、ウエットエッチング法によりAu/Ti膜を選択的に除去し、レジストパターンを除去すれば、配線層104が形成できる。また、配線層104には、電極配線,後述するミラー基板を接続するための接続部,ワイヤボンディング用パッド(図示せず)などが形成されている。
【0032】
これらを形成した後、配線層104を覆う層間絶縁膜105を形成する。層間絶縁膜105は、例えば、感光性有機樹脂であるポリベンゾオキサゾールを塗布することで膜厚数μm程度に形成したポリイミド膜から構成することができる。なお、層間絶縁膜105は、他の絶縁材料から形成するようにしてもよい。
【0033】
つぎに、図3(b)に示すように、層間絶縁膜105に、配線層104の所定部分が露出する開口部105aを形成する。上述したように、層間絶縁膜105を感光性有機樹脂で形成した場合、開口部105a領域が開口するように露光現像してパターンを形成し、パターンを形成した後でアニールして膜を硬化させることで、開口部105aを備えた層間絶縁膜105を形成することができる。
【0034】
つぎに、図3(c)に示すように、開口部105a内を含めて層間絶縁膜105上を覆うシード層106を形成する。シード層106は、例えば、Ti/Cu/Tiからなる金属膜であり、膜厚はTi,Cuとも0.1μm程度とすればよい。
つぎに、図3(d)に示すように、平坦部における膜厚が17μm程度の犠牲パターン301を形成する。犠牲パターン301は、例えば、感光性有機樹脂であるポリベンザオキサゾールからなる膜をフォトリソグラフィ技術で加工することで形成できる。
【0035】
例えば、ポリベンサオキサゾールを塗布することで形成したポリイミド膜上に、フォトリソグラフィ技術により、ミラー電極パターンやミラー基板を接続するための接続部分及びワイヤボンディング用パッドを形成する部分などが開口するように、フォトマスクを使用したコンタクトアライナやレチクルを使用したステッパを用いて露光及び現像し、感光部を現像液に溶解し、所望の開口領域を備えた犠牲パターン301を形成できる。
【0036】
つぎに、図3(e)に示すように、犠牲パターン301の開口部に露出したシード層106上に、電解メッキ法によりCuからなる金属パターン121,141を犠牲パターン301と同じ厚さに形成する。このとき、金属パターン121,141と犠牲パターン301との表面が、ほぼ同一平面を形成するように平坦な状態にする。
【0037】
つぎに、図3(f)に示すように、前述と同様にして、平坦部における膜厚が17μm程度の犠牲パターン302を形成し、犠牲パターン302の開口部に露出した金属パターン121,141上に、電解メッキ法によりCuからなる金属パターン122,142を犠牲パターン302と同じ厚さに形成する。
【0038】
つぎに、図4(a)に示すように、前述と同様にして、平坦部における膜厚が17μm程度の犠牲パターン401を形成し、犠牲パターン401の開口部に露出した金属パターン122,142上に、電解メッキ法によりCuからなる金属パターン123,143を犠牲パターン401と同じ厚さに形成する。
【0039】
つぎに、図4(b)に示すように、前述と同様にして、平坦部における膜厚が17μm程度の犠牲パターン402を形成し、犠牲パターン402の開口部に露出した金属パターン123,143上に、電解メッキ法によりCuからなる金属パターン124,144を犠牲パターン402と同じ厚さに形成する。
【0040】
つぎに、図4(c)に示すように、前述と同様にして、平坦部における膜厚が17μm程度の犠牲パターン403を形成し、犠牲パターン403の開口部に露出した金属パターン124上に、電解メッキ法によりCuからなる金属パターン125を犠牲パターン403と同じ厚さに形成する。なお、ここでは、犠牲パターン403の金属パターン144上部には、開口部を形成せず、犠牲パターン403により金属パターン144を覆った状態とする。
【0041】
つぎに、図4(d)に示すように、金属パターン125の表面を含む犠牲パターン403表面に、Au/Tiからなる金属膜から構成されたシード層404を形成する。シード層404は、例えば、膜厚0.1μmのTi層と、この上に形成された膜厚0.1μmのAu層とから構成する。シード層404を形成したら、金属パターン125の上部が部分的に開口したレジストパターン405を形成する。
【0042】
つぎに、図4(e)に示すように、レジストパターン405の開口部に露出したシード層404上に、電解メッキ法によりAuからなる膜厚1μm程度の金属膜406を形成する。次いで、図5(a)に示すように、レジストパターン405を除去したら、金属膜406をマスクとしてウエットエッチング法によりシード層404をエッチング除去し、図5(b)に示すように、金属パターン126が形成された状態とする。
【0043】
つぎに、図5(c)に示すように、例えばオゾンアッシャーを用いて灰化することで、犠牲パターン301,302,401,402,403を除去し、図5(c)に示すように、金属パターン121,122,123,124,125,及び金属パターン126からなる構造体と、金属パターン141,142,143,145からなる構造体とが形成され、これらの間に空間を備えた状態とする。
【0044】
この後、金属パターン121,141などをマスクとし、ウエットエッチング法によりシード層106を選択的にエッチング除去することで、図5(d)に示すように、支柱120と制御電極部140とが形成された状態とする。この後、ミラー131が回動可能に連結部(図示せず)を介して設けられたミラー基板130を、支柱120上に接続固定することで、図1に示すように光スイッチ装置が形成される。ミラー基板130の支柱120への接続固定は、例えば、ハンダや異方性導電性接着剤により接着固定することで行えばよい。
【0045】
以上説明したように、本実施の形態によれば、最初にミラー駆動及び制御のための能動回路を下層電極基板に形成しておき、この後、上述したように制御電極部や支柱を形成し、支柱上にミラー基板を接続して光スイッチ装置を製造するようにした。この結果、本実施の形態によれば、光スイッチ装置の小型化を可能とし、また、高い性能の光スイッチ装置を得ることができる。
【0046】
<実施の形態2>
つぎに、本発明の他の形態について説明する。本実施の形態では、前述した実施の形態において、図3(a)〜図4(c)を用いて説明した工程までは、同様である。従って、以降では、これらの説明は省略する。本実施の形態では、前述した実施の形態と同様にし、犠牲パターン403及び金属パターン125を犠牲パターン403と同じ厚さに形成した後、図6(a)に示すように、金属パターン125の表面を含む犠牲パターン403表面に、Au/Tiからなる金属膜から構成されたシード層404を形成する。シード層404は、例えば、膜厚0.1μmのTi層と、この上に形成された膜厚0.1μmのAu層とから構成する。
【0047】
シード層404を形成したら、レジストパターン601を形成する。次いで、図6(b)に示すように、レジストパターン601の形成領域以外に露出しているシード層404上に、電解メッキ法によりAuからなる膜厚1μmの金属膜602を形成する。つぎに、レジストパターン601を除去した後、金属膜602をマスクとしてシード層404を選択的に除去することで、図6(c)に示すように、ミラー基板130とミラー131とが形成された状態とする。
【0048】
なお、ミラー131は、トーションバネのように作用する連結部(図示せず)によりミラー基板130に固定されている。連結部は、ミラー基板130とミラー131との間のレジストパターン601により被覆されていなかった箇所の金属膜602とシード層404とから形成されたものである。
【0049】
以上のようにしてミラー基板130及びミラー131を形成したら、ミラー基板130とミラー131との間の開口部を介し、犠牲パターン301,302,401,402,403を、例えばオゾンアッシャーを用いて灰化する。この後、金属パターン121,141をマスクとしてシード層106を選択的に除去することで、図6(d)に示すように、ミラー基板130及びミラー基板131の下に、支柱120と制御電極部140とが形成された状態とする。ミラー131は、制御電極部140上に所定の間隔をあけて配置された状態となる。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態においても、最初にミラー駆動及び制御のための能動回路を下層電極基板に形成しておき、この後、上述したように制御電極部や支柱を形成し、支柱上にミラー基板を接続して光スイッチ装置を製造するようにした。この結果、本実施の形態によれば、光スイッチ装置の小型化を可能とし、また、高い性能の光スイッチ装置を得ることができる。
【0051】
また、本実施の形態では、貼り合わせることなくミラー基板を形成するようにしたので、貼り合わせる工程が不要となり、この点で製造上の利点がある。なお応力による金属ミラーの反りを防ぐため,異なる応力特性を持つメッキ可能な金属を多層に積層して応力を制御したミラーを作製することが可能なことは,当業者であれば容易に推察できよう。
【0052】
<実施の形態3>
つぎに、本発明の他の形態について説明する。本実施の形態では、前述した実施の形態において、図3(a)〜図4(c)を用いて説明した工程までは、同様である。従って、以降では、これらの説明は省略する。本実施の形態では、前述した実施の形態と同様にし、犠牲パターン403及び金属パターン125を犠牲パターン403と同じ厚さに形成した後、図7に示すように、金属パターン125の表面を含む犠牲パターン403表面に、比較的低温で薄膜堆積可能なECRCVD法を用いてポリシリコンからなる薄膜701を膜厚1μm形成する。
【0053】
薄膜701を形成したら、図7(b)に示すように、レジストパターン702を形成する。次いで、レジストパターン702の開口部より薄膜701を選択的にエッチング除去し、レジストパターン702を除去することで、図7(c)に示すように、ミラー基板730とミラー731とが形成された状態とする。
【0054】
以上のようにしてミラー基板730及びミラー731を形成したら、ミラー基板730とミラー731との間の開口部を介し、犠牲パターン301,302,401,402,403を、例えばオゾンアッシャーを用いて灰化する。この後、金属パターン121,141をマスクとしてシード層106を選択的に除去することで、図6(d)に示すように、ミラー基板730及びミラー基板731の下に、支柱120と制御電極部140とが形成された状態とする。ミラー731は、制御電極部140上に所定の間隔をあけて配置された状態となる。
【0055】
なお、ミラー731は、トーションバネのように作用する連結部(図示せず)によりミラー基板730に固定されている。連結部は、ミラー基板730とミラー731との間のレジストパターン702の開口部下の箇所の薄膜701から形成されたものである。
【0056】
以上説明したように、本実施の形態においても、最初にミラー駆動及び制御のための能動回路を下層電極基板に形成しておき、この後、上述したように制御電極部や支柱を形成し、支柱上にミラー基板を接続して光スイッチ装置を製造するようにした。この結果、本実施の形態によれば、光スイッチ装置の小型化を可能とし、また、高い性能の光スイッチ装置を得ることができる。また、本実施の形態では、貼り合わせることなくミラー基板を形成するようにしたので、貼り合わせる工程が不要となり、この点で製造上の利点がある。
なお、上述では、支柱120及び制御電極部140を銅メッキによって形成する例を示したが、これらは、金メッキなどメッキ可能な金属のメッキにより形成してもよい。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、半導体基板上に制御回路を形成し、この上に制御回路により動作が制御されるミラーからなるミラー素子を形成するようにした。この結果、本発明によれば、集積度の低下や歩留りの低下を抑制した状態で、従来より容易により微細な光スイッチ装置が製造できるというすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態における光スイッチ装置の概略的な構成を示す断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態における光スイッチ装置の概略的な構成を示す斜視図である。
【図3】 本発明の実施の形態における光スイッチの製造過程を示す工程図である。
【図4】 図3に続く、光スイッチの製造過程を示す工程図である。
【図5】 図4に続く、光スイッチの製造過程を示す工程図である。
【図6】 本発明の他の形態における光スイッチの製造過程を部分的に示す工程図である。
【図7】 本発明の他の形態における光スイッチの製造過程を部分的に示す工程図である。
【図8】 従来の光スイッチ装置の概略的な構成を示す側面図である。
【図9】 従来の光スイッチ装置の製造過程を概略的に示す工程図である。
【符号の説明】
101…半導体基板、120…支柱、130…ミラー基板、131…ミラー、140…制御電極部、150…制御回路。
Claims (7)
- 半導体基板上の特定平面の上に形成された導電性を有する支柱と、
この支柱に電気的に接続して支持されて前記特定平面の上部に所定の空間をあけて配置され、開口領域を備えた導電性を有するミラー基板と、
このミラー基板の前記開口領域の内側に配置されて前記ミラー基板に連結部を介して回動可能に連結されかつ電気的に接続された導電性を有するミラーと、
このミラーの下部の前記特定平面の上に前記ミラーと離間して形成された制御電極部と、
前記特定平面下の前記半導体基板上に形成された複数の素子からなり、前記支柱及び前記制御電極部に接続して前記ミラーの回動動作の制御を行う制御回路と
を少なくとも備え、
前記支柱は、第1金属パターンとこの上に積層された第2金属パターンとの積層体から構成され、
前記制御電極部は、前記第1金属パターンと同じ膜厚に形成された第3金属パターンから構成されている
ことを特徴とする光スイッチ装置。 - 半導体基板上の特定平面の上に形成された導電性を有する支柱と、
この支柱に電気的に接続して支持されて前記特定平面の上部に所定の空間をあけて配置され、複数の開口領域を備えた導電性を有するミラー基板と、
このミラー基板の複数の前記開口領域の内側に各々配置されて前記ミラー基板に連結部を介して回動可能に連結されかつ電気的に接続された導電性を有する複数のミラーと、
複数の前記ミラーの下部の前記特定平面の上に前記ミラーと離間して各々形成された複数の制御電極部と、
前記特定平面下の前記半導体基板上に形成された複数の素子からなり、前記支柱及び前記制御電極部に接続して前記ミラーの回動動作の制御を行う制御回路と
を少なくとも備え、
前記支柱は、第1金属パターンとこの上に積層された第2金属パターンとの積層体から構成され、
前記制御電極部は、前記第1金属パターンと同じ膜厚に形成された第3金属パターンから構成されている
ことを特徴とする光スイッチ装置。 - 請求項2記載の光スイッチ装置において、
前記制御回路は、前記ミラーと前記制御電極部との対からなるミラー素子毎に備えられたことを特徴とする光スイッチ装置。 - 半導体基板上に複数の素子からなる制御回路を形成する工程と、
前記制御回路が形成された制御回路層上の特定平面上に各々が絶縁分離した複数の制御電極部を形成する工程と、
導電性を有して前記制御電極部より高い支柱を前記特定平面の上に形成する工程と、
複数の開口領域内に各々ミラーを備えてこのミラーが連結部を介して回動可能に連結された導電性材料からなるミラー基板を用意する工程と、
前記ミラー基板を前記支柱の上に固定する工程と
を少なくとも備え、
前記ミラー基板は、複数の前記ミラーが各々前記制御電極部に対応して前記制御電極部の上に所定の間隔をあけて配置された状態で前記支柱に固定し、
前記支柱は、第1金属パターンとこの上に積層された第2金属パターンとの積層体から構成し、
前記制御電極部は、前記第1金属パターンと同じ膜厚に形成された第3金属パターンから構成し、かつ前記制御回路による所定の信号が印加可能に接続した状態に形成する
ことを特徴とする光スイッチ装置の製造方法。 - 半導体基板上に複数の素子からなる制御回路を形成する工程と、
前記制御回路が形成された制御回路層上の特定平面上に各々が絶縁分離した複数の制御電極部を形成する工程と、
導電性を有して前記制御電極部より高い支柱を前記特定平面の上に形成する工程と、
前記制御電極の上部に空間を備えた状態で前記支柱の上に導電性を有するミラー基板を形成する工程と、
前記ミラー基板に溝を形成し、前記ミラー基板の複数の開口領域内に各々配置されて前記ミラー基板に連結部を介して回動可能に連結された複数のミラーを形成する工程と
を少なくとも備え、
複数の前記ミラーは、各々前記制御電極部に対応して前記制御電極部の上に所定の間隔をあけて配置された状態に形成し、
前記支柱は、第1金属パターンとこの上に積層された第2金属パターンとの積層体から構成し、
前記制御電極部は、前記第1金属パターンと同じ膜厚に形成された第3金属パターンから構成し、かつ前記制御回路による所定の信号が印加可能に接続した状態に形成する
ことを特徴とする光スイッチ装置の製造方法。 - 半導体基板上に複数の素子からなる制御回路を形成する工程と、
前記半導体基板上に前記制御回路を覆って層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜の表面で形成される特定平面上にシード層を形成する工程と、
前記シード層の上に第1領域と複数の第2領域が開口した第1犠牲パターンを形成する工程と、
前記第1領域及び前記第2領域に露出した前記シード層上に、メッキ法により前記第1犠牲パターンと実質的に同じ膜厚の第1金属パターン及び第2金属パターンを形成する工程と、
前記第1犠牲パターン及び前記第2金属パターンの上に、前記第1領域上の第3領域が開口した第2犠牲パターンを形成する工程と、
前記第3領域に露出した前記第1金属パターンの表面に、メッキ法により前記第2犠牲パターンと実質的に同じ膜厚の第3金属パターンを形成する工程と、
前記第3金属パターンを形成した後、前記第1犠牲パターンと第2犠牲パターンを除去する工程と、
これら犠牲パターンを除去した後、前記第1金属パターン及び第2金属パターンをマスクとして前記シード層を選択的に除去し、前記第1金属パターンと第3金属パターンとの積層体からなる支柱と、複数の前記第2金属パターンからなる各々が前記特定平面上で分離した複数の制御電極部を形成する工程と、
複数の開口領域内に各々ミラーを備えてこのミラーが連結部を介して回動可能に連結された導電性を有するミラー基板を用意する工程と、
前記複数の制御電極部の上に複数の前記ミラーが各々対応しかつ離間して配置されるように、前記支柱の上に前記ミラー基板を接続固定する工程と
を備え、
前記制御電極部は、前記制御回路による所定の信号が印加可能に接続した状態に形成することを特徴とする光スイッチ装置の製造方法。 - 半導体基板上に複数の素子からなる制御回路を形成する工程と、
前記半導体基板上に前記制御回路を覆って層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜の表面で形成される特定平面上にシード層を形成する工程と、
前記シード層の上に第1領域と複数の第2領域が開口した第1犠牲パターンを形成する工程と、
前記第1領域及び前記第2領域に露出した前記シード層上に、メッキ法により前記第1犠牲パターンと実質的に同じ膜厚の第1金属パターン及び第2金属パターンを形成する工程と、
前記第1犠牲パターン及び前記第2金属パターンの上に、前記第1領域上の第3領域が開口した第2犠牲パターンを形成する工程と、
前記第3領域に露出した前記第1金属パターンの表面に、メッキ法により前記第2犠牲パターンと実質的に同じ膜厚の第3金属パターンを形成する工程と、
前記第3金属パターンに電気的に接続する導電性を有するミラー基板を前記第2犠牲パターン上に形成する工程と、
前記ミラー基板に溝を形成し、前記ミラー基板の複数の開口領域内に各々配置されて前記ミラー基板に連結部を介して回動可能に連結された複数のミラーを形成する工程と、
前記ミラー基板の前記ミラー形成部の溝を介して前記第1犠牲パターンと第2犠牲パターンを除去する工程と、
これら犠牲パターンを除去した後、前記ミラー基板の前記ミラー形成部の溝を介して前記第1金属パターン及び第2金属パターンをマスクとして前記シード層を選択的に除去し、前記第1金属パターンと第3金属パターンとの積層体からなる支柱と、複数の前記第2金属パターンからなる各々が前記特定平面上で分離した複数の制御電極部を形成する工程と
を備え、
複数の前記ミラーは、前記複数の制御電極部の上に各々対応しかつ離間して配置し、
前記制御電極部は、前記制御回路による所定の信号が印加可能に接続した状態に形成する
ことを特徴とする光スイッチ装置の製造方法。
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