JP3819820B2 - 光スイッチ装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信や光計測、またディスプレイなどに用いられる光スイッチ装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
薄膜形成技術やフォトリソグラフィ技術を基本にしてエッチングすることなどで立体的に微細加工を行うマイクロマシン技術を利用して作製された、光スイッチ装置がある。この光スイッチ装置は、例えば、固定構造体と可動する反射構造体とから構成されている。反射構造体は、ミラーが形成された可動部材とこの可動部材を支持する支持部材とを有し、可動部材が、トーションバネなどのバネ部材によって支持部材に接続されている。このように構成された光スイッチは、固定構造体と反射構造体との間に働く引力、あるいは反発力によって反射構造体の可動部がその姿勢を変えることで光路を切り替えるスイッチング動作を行う。
【0003】
上述したような従来の光スイッチ装置をマイクロマシン技術で作製する場合には、大別して2つのタイプがある。一つは、いわゆる表面マイクロマシンによって作製されるタイプ(例えば、非特許文献1参照)であり、他方はバルクマイクロマシンによって作製されるタイプである(例えば、非特許文献2参照)。まず前者について説明する。表面マイクロマシンタイプは、図9の側面図に示すように、まず、基板801に回動可能に支持部802が設けられている。また、枠体804がヒンジ803を介して支持部802に支持され、枠体804には、図示しないトーションバネを介してミラー805が連結支持されている。
【0004】
ミラー805の下部には、ミラー805を駆動するための静電力を発生する電極部806が、図示しない配線に接続して形成されている。このような構造は、先にも記したように表面マイクロマシン技術によって、例えば、酸化シリコンを形成する工程,電極配線構造を形成する工程,ミラーとなるポリシリコン膜を形成する工程,及び酸化シリコンの所望の部分を犠牲層としてフッ酸等でエッチングしてミラーを基板より分離した状態にする工程を経て作製される。
【0005】
これらの表面マイクロマシン技術を構成する要素技術は、大規模集積回路のプロセス技術の応用である。このため、薄膜を形成して作製する構造の高さ方向の大きさは、たかだか数μmに制限される。ミラーの回転を可能とするため、下部の電極部とミラーとの間隔を10μm以上設ける必要がある光スイッチ装置では、酸化シリコンからなる犠牲層の除去とともに、基板801上に形成されたポリシリコンからなる支持部材の内部応力によってミラーを電極部から離すように持ち上げることや、支持部を静電力によって回動させてミラーの部分を電極部より離間させる方法がとられている。
【0006】
一方、バルクマイクロマシンタイプでは、一般的にミラーを構成する基板と電極を構成する基板とを個別に作製し、これらを連結させることによって光スイッチ装置を形成している。ミラーの作製にはSOI(Silicon on Insulator)基板を用いることが提案されている。SOI基板を用いて作製されたミラーは、単結晶のシリコンからなり、表面マイクロマシンで一般的なポリシリコンではない。このため、多結晶であるために発生する応力起因のミラーの反りが、SOI基板を用いたミラーでは比較的小さい等の利点を有する。
【0007】
以下、SOI基板を用いた光スイッチの製造について、図10の断面図を用いて概略を説明する。まず、図10(a)に示すように、SOI基板901の埋め込み酸化膜902が形成されている側(主表面)より、公知のフォトリソグラフィ技術とDEEP RIEなどのエッチングによって溝901aを形成することで、埋め込み酸化膜902上の単結晶シリコン層903にミラー904を形成する。
【0008】
このとき、ミラー904の反射率を向上させるために、ミラー904表面にAuなどの金属膜を形成する場合もある。なお、DEEP RIEは、例えばシリコンをドライエッチングするときに、SF6とC4F8のガスを交互に導入し、エッチングと側壁保護膜形成とを繰り返すことにより、アスペクト比が50にもなる溝または穴を、毎分数μmのエッチング速度で形成する技術である。
【0009】
次に、SOI基板901の裏面にミラー904の形成領域が開口したレジストパターンを形成し、水酸化カリウム水溶液などのエッチング液を用いてSOI基板901の裏面より選択的にシリコンをエッチングする。このエッチングでは、埋め込み酸化膜902をエッチングストッパ層として用い、図10(b)に示すように、ミラー904の形成領域に対応するSOI基板901の裏面に開口部901bを形成する。次いで、埋め込み酸化膜902の開口部901bに露出している領域を、フッ酸を用いて選択的に除去することで、図10(c)に示すように、基板901に支持された回動可能なミラー904が形成された状態とする。
【0010】
一方、シリコン基板911をシリコン窒化膜あるいはシリコン酸化膜からなる所定のマスクパターンをマスクとし、水酸化カリウム水溶液で選択的にエッチングすることで、図10(d)に示すように、凹部構造が形成された状態とする。次いで、凹部構造上に蒸着法などにより金属膜を形成し、この金属膜を公知の超深度露光を用いたフォトリソグラフィ技術とエッチング技術とによりパターニングし、図10(e)に示すように、電極部912を形成する。
【0011】
最後に、図10(c)に示すミラー904が形成されたSOI基板901と、図10(e)に示すシリコン基板911とを貼り合わせることで、図10(f)に示すように、電界印加によってミラー904が可動する光スイッチ装置が製造できる。
【0012】
【非特許文献1】
パメラ・R・パターソン(Pamela.R.Patterson)、他4名,「MOEMSエレクトロスタティックスキャニングマイクロミラーズデザインアンドファブリケーション(MOEMS ELECTROSTATIC SCANNING MICROMIRRORS DESIGN AND FABRICATION)」,エレクトロケミカルソサイエティプロシーディングス(Electrochemical Society Proceedings) ,ボリューム2002−4(Volume 2002-4) ,ISBN1−56677−370−9,p.369−380
【非特許文献2】
レンシ・サワダ(Renshi Sawada)、他3名,「シングルクリスタラインミラーアクチュエーテッドエレクトロスタティカリーバイテラスドエレクトローデスウイズハイアクペクトレシオトーションスプリング(Single Crystalline Mirror Actuated Electrostatically by Terraced Electrodes With High-Aspect Ratio Torsion Spring)」,インターナショナルカンファレンスオンオプティカルMEMS2001(International Conference on Optical MEMS 2001),2001年9月26日
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前述した表面マイクロマシン技術による光スイッチの作製では、ミラーの作製過程で、図9に示す支持部802のように、可動構造体として支持構造体を形成するため、支持構造体を形成する工程の歩留りが他の工程の歩留りより低く、光スイッチ装置の製造歩留りを低下させる要因となっている。また、ミラー以外にも可動部分があるという可動部分の多さは、光スイッチの信頼性を低下させる要因となる。
【0014】
一方、バルクマイクロマシン技術による光スイッチの作製では、前述した表面マイクロマシンによる作製方法に比較して、ミラーの可動空間を稼ぐための犠牲層エッチングなどの工程がないので、歩留りや信頼性の点では有利な方法である。しかしながら、図10に示したこの製造方法では、ミラーの可動空間は主に、KOH溶液等によるSiの異方性エッチングによって作製されるため、以下に記す問題がある。まず、ミラー側のSOI基板においてミラーを回動可能とするためには、ほぼ基板の厚さに相当するSiのエッチングが必要となる。このとき、エッチングすべきSiの厚さは少なくとも数百μmに相当する。
【0015】
KOH溶液をエッチャントとし、例えば、市販されている厚さ625μmの、主表面がSi(100)の6インチSOI基板901を、上述したようにアルカリ水溶液で異方性エッチングすると、約55度の傾斜角度を持つ(111)面を露出するようにエッチングされる。例えば、埋め込み酸化膜902上のシリコン層の厚さを10μm、埋め込み酸化膜の厚さを1μmとすると、図10(b)に示したSiエッチングすべき厚さは614(=625−10−1)μmになる。
【0016】
このようなSiエッチング後において500μm角のミラーの領域を確保しようとすると、上述の異方性によって、約600μm角の領域をエッチング除去することになる。従って、一つのミラーに対して形成された可動空間に、ミラーの可動には関係しない無駄な領域が多くなる。これでは、チップ化した場合にチップ内におけるミラー形成部の占有する回動可能面積が大きくなり、光スイッチ装置の集積度を向上させる上で不利となる。
【0017】
さらに、このような加工法は、エッチングのために、基板の表側と裏側両方での位置合わせが必要になり、いわゆる両面アライナー工程など複雑な工程を必要とする点も欠点である、また、電極部を形成する側の基板も、ミラーの可動空間を作るために10μm以上のKOH溶液によるエッチングが必要となる。このとき、ミラーが形成される基板と同様に異方性エッチングのため、10μm角以上の領域をはじめに占有してパターニングしなければならないので、やはり電極側の集積度も上げられない。
【0018】
また、ICやLSIと言ったプレーナプロセスで作製される制御回路と、上記光スイッチ装置を一体化しようとしても、上述したような異方性エッチングに始まる電極基板の作り方では、ミラーの制御のために必要なICやLSIをあらかじめ電極基板側に作り込んでおくことが不可能であり、多層配線化も不可能である。このため、上述したような製造方法では、制御のための素子の高集積化やミラー当たり多数の電極配線が必要な複雑な制御系の達成も不可能である。従って、上述した光スイッチの製造方法では、光スイッチ構造自体は小型化が可能であっても、外部に制御回路が必要となるため所望の性能を得るための装置、例えば光スイッチ装置としては大きなものとなってしまうという問題がある。
【0019】
また、以上の光スイッチでは、ミラーを駆動するための静電力を発生する電極部806,912があるのみで、ミラーの回動角度を検出する機構が設けられていないため、ミラーを高精度に制御することが難しいという問題点があった。
【0020】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、集積度の低下や歩留りの低下を抑制しつつ、従来より微細な光スイッチ装置を容易に製造することができ、かつミラーを高精度に制御できるようにすることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光スイッチ装置の製造方法は、半導体基板上に、センサ電極部の信号に基づいてミラーの回動角度を検出するセンサ回路、及び前記ミラーの回動角度に基づいて制御電極部に電圧を与えることにより前記ミラーの回動動作を制御する制御回路を形成する工程と、前記半導体基板上に前記制御回路及び前記センサ回路を覆う層間絶縁膜を形成する工程と、前記層間絶縁膜上にシード層を形成する工程と、前記シード層の上に第1領域と複数の第2領域と複数の第3領域とが開口した第1犠牲パターンを形成する工程と、前記第1領域、前記第2領域及び前記第3領域に露出した前記シード層上に、メッキ法により前記第1犠牲パターンと実質的に同じ膜厚の第1金属パターン、この第1金属パターンと同膜厚以下の第2金属パターン及び第3金属パターンを形成する工程と、前記第1金属パターン、前記第2金属パターン及び前記第3金属パターンをそれぞれ所定の膜厚に形成した後、前記第1犠牲パターン、前記第2金属パターン及び前記第3金属パターンの上に、前記第1領域上の第4領域が開口した第2犠牲パターンを形成する工程と、前記第4領域に露出した前記第1金属パターンの表面に、メッキ法により前記第2犠牲パターンと実質的に同じ膜厚の第4金属パターンを形成する工程と、前記第4金属パターンを所定の膜厚に形成した後、前記第1犠牲パターンと前記第2犠牲パターンを除去する工程と、これら犠牲パターンを除去した後、前記第1金属パターン、前記第2金属パターン及び前記第3金属パターンをマスクとして前記シード層を選択的に除去し、前記第1金属パターンと前記第4金属パターンとの積層体からなる支持部材と、複数の前記第2金属パターンからなる各々が前記層間絶縁膜上で分離した複数の前記制御電極部と、複数の前記第3金属パターンからなる各々が前記層間絶縁膜上で分離した複数の前記センサ電極部とを形成する工程と、複数の開口領域内に各々前記ミラーを備えてこのミラーが連結部を介して回動可能に連結された導電性材料からなるミラー基板を用意する工程と、前記支持部材の上に前記ミラー基板を接続固定し、前記ミラー基板の各ミラーを前記制御電極部及び前記センサ電極部の上に離間して配置する工程とを備え、前記制御電極部は、前記制御回路から信号供給が可能なように前記制御回路と電気的に接続された状態に形成され、前記センサ電極部は、前記センサ回路へ信号出力が可能なように前記センサ回路と電気的に接続された状態に形成されるようにしたものである。
この製造方法によれば、半導体基板上に、ミラーと制御電極部とセンサ電極部とからなる複数のミラー素子が、制御回路及びセンサ回路とともにモノリシックに形成される。
【0026】
また、本発明の他の形態に係る光スイッチ装置の製造方法は、半導体基板上に、センサ電極部の信号に基づいてミラーの回動角度を検出するセンサ回路、及び前記ミラーの回動角度に基づいて制御電極部に電圧を与えることにより前記ミラーの回動動作を制御する制御回路を形成する工程と、前記半導体基板上に前記制御回路及び前記センサ回路を覆う層間絶縁膜を形成する工程と、前記層間絶縁膜上にシード層を形成する工程と、前記シード層の上に第1領域と複数の第2領域と複数の第3領域とが開口した第1犠牲パターンを形成する工程と、前記第1領域、前記第2領域及び前記第3領域に露出した前記シード層上に、メッキ法により前記第1犠牲パターンと実質的に同じ膜厚の第1金属パターン、この第1金属パターンと同膜厚以下の第2金属パターン及び第3金属パターンを形成する工程と、前記第1金属パターン、前記第2金属パターン及び前記第3金属パターンをそれぞれ所定の膜厚に形成した後、前記第1犠牲パターン、前記第2金属パターン及び前記第3金属パターンの上に、前記第1領域上の第4領域が開口した第2犠牲パターンを形成する工程と、前記第4領域に露出した前記第1金属パターンの表面に、メッキ法により前記第2犠牲パターンと実質的に同じ膜厚の第4金属パターンを形成する工程と、前記第4金属パターンを所定の膜厚に形成した後、この第4金属パターンに電気的に接続する導電性材料からなるミラー基板を前記第2犠牲パターン上に形成する工程と、前記ミラー基板に貫通孔を形成し、前記ミラー基板の複数の所定領域内に前記ミラー基板に連結部を介して回動可能に連結された複数の前記ミラーを形成する工程と、前記ミラー基板に形成された前記貫通孔を介して前記第1犠牲パターンと前記第2犠牲パターンを除去する工程と、これら犠牲パターンを除去した後、前記貫通孔を介して前記第1金属パターン、前記第2金属パターン及び前記第3金属パターンをマスクとして前記シード層を選択的に除去し、前記第1金属パターンと前記第4金属パターンとの積層体からなる支持部材と、複数の前記第2金属パターンからなる各々が前記層間絶縁膜上で分離した複数の前記制御電極部と、複数の前記第3金属パターンからなる各々が前記層間絶縁膜上で分離した複数の前記センサ電極部とを形成する工程とを備え、前記ミラー基板に形成された各ミラーは、前記制御電極部及び前記センサ電極部の上に離間して配置され、前記制御電極部は、前記制御回路から信号供給が可能なように前記制御回路と電気的に接続された状態に形成され、前記センサ電極部は、前記センサ回路へ信号出力が可能なように前記センサ回路と電気的に接続された状態に形成されるようにしたものである。
この製造方法によれば、半導体基板上に、ミラーと制御電極部とセンサ電極部とからなる複数のミラー素子が、制御回路及びセンサ回路とともにモノリシックに形成される。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
<実施の形態1>
はじめに、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1は本実施の形態における光スイッチ装置の構成例を示す模式的な断面図、図2は図1の光スイッチ装置の概略的な構成を示す斜視図である。図1では、主に光スイッチ装置の1構成単位である一つのミラーからなる部分(ミラー素子)を示している。例えばシリコンからなる半導体基板101上には、少なくとも制御回路150とセンサ回路152が形成されている。また、半導体基板101上には層間絶縁膜102,105および配線層104が形成されている。
【0028】
支柱120は、層間絶縁膜105を介して半導体基板101上に選択的に形成されている。この支柱120は、導電性を有し、層間絶縁膜105に形成されたスルーホールを通じて配線層104と電気的に接続され、さらに層間絶縁膜102に形成された接続電極103を介して所定の電位(例えば接地電位)が印加される。
【0029】
ミラー基板130は、支柱120によって半導体基板101と離間して支持されている。また、ミラー基板130は、導電性を有し、支柱120と電気的に接続され、ミラー131が設けられる開口領域を備えている。図2の斜視図に示すように、ミラー基板130の複数の開口領域の各々にミラー131が設けられ、一つのミラー131の部分で一つのミラー素子が形成されている。各ミラー素子は、図1に示すように、ミラー131と制御電極部140とセンサ電極部151とを備えている。
【0030】
図3はミラー基板130の平面図である。図3では、1つのミラー131を中心とする領域について示している。ミラー基板130の開口領域内に設けられたミラー131は、連結部によってミラー基板130と連結され、連結部によって回動可能に支持されている。連結部は、トーションバネ132,134と、ミラー枠体133とから構成される。トーションバネ132,134は、ミラー131の中心を挟んでその両側にそれぞれ1対設けられる。
【0031】
ミラー枠体133は、トーションバネ132によってミラー基板130と連結され、トーションバネ132によって回動可能に支持される。これにより、ミラー枠体133は、一対のトーションバネ132を通る、ミラー基板130と平行な軸(図3の上下方向)を回動軸として回動することが可能である。一方、ミラー131は、トーションバネ134によってミラー枠体133と連結され、トーションバネ134によって回動可能に支持される。これにより、ミラー131は、一対のトーションバネ134を通る、ミラー枠体133と平行な軸(図3の左右方向)を回動軸として回動することが可能である。結果として、ミラー131は、一対のトーションバネ132を通る軸と一対のトーションバネ134を通る軸の2軸を回動軸として回動することができる。
【0032】
ミラー131は、導電性を有し、導電性を有する連結部(トーションバネ132,134およびミラー枠体133)を介してミラー基板130と電気的に接続されている。ミラー131には、配線層104、支柱120、ミラー基板130および連結部を介して所定の電位(例えば接地電位)が印加される。
【0033】
光スイッチ装置は、マトリクス状に配置(集積)された複数のミラー素子を備え、各ミラー素子の制御電極部140は、制御回路150に接続され、センサ電極部151は、センサ回路152に接続されている。センサ回路152は、制御回路150に接続され、制御回路150は、通常の半導体集積回路と同様に、配線202を介してパッド端子201に接続される。パッド端子201と外部システムを接続することで、光スイッチ装置の機能が達成される。
【0034】
センサ電極部151は、ミラー131の下にあって回動するミラー131の姿勢を検出するためのものである。センサ電極部151は、絶縁膜105を介して半導体基板101上に選択的に形成され、ミラー131の下(ミラーの回動軸の真下を除く)にミラー131と所定距離離間して配置されている。センサ電極部151は、1つのミラー131について1本の回動軸の片側または両側に少なくとも1つずつ配置される。センサ電極部151は、層間絶縁膜105に形成されたスルーホールおよび層間絶縁膜102に形成された接続電極103および配線層104を介して、半導体基板101上に形成されたセンサ回路152と接続されている。
【0035】
センサ回路152は、半導体基板101上に形成された素子および配線によって構成された集積回路である。センサ回路152は、ミラー131の回動角に応じて変化するミラー131とセンサ電極部151との距離に応じた静電容量を検出することにより、ミラー131の姿勢、すなわち回動角度を検出する。センサ回路152によって検出されたミラー131の回動角度を表す信号は、制御回路150にフィードバックされる。
【0036】
制御電極部140は、ミラー131の下にあってミラー131の姿勢を制御するためのものである。制御電極部140は、絶縁膜105を介して半導体基板101上に選択的に形成され、ミラー131の下(ミラーの回動軸の真下を除く)にミラー131と所定距離離間して配置されている。制御電極部140は、1つのミラー131について1本の回動軸の片側または両側に少なくとも1つずつ配置される。制御電極部140は、層間絶縁膜105に形成されたスルーホールおよび層間絶縁膜102に形成された接続電極103および配線層104を介して、半導体基板101上に形成された制御回路150と接続されている。
【0037】
制御回路150は、半導体基板101上に形成された素子および配線によって構成された集積回路である。制御回路150は、センサ回路152からフィードバックされる信号によりミラー131の回動角度を認識して、このセンサ回路152で検出されるミラー131の回動角度が所望の値(例えば外部システムから設定される値)になるように、ミラー131の回動状態(回動量)を制御する電圧を制御電極部140に与える。
【0038】
制御回路150から制御電極部140に電圧を与えてミラー131との間に電位差を生じさせると、電界によってミラー131の制御電極部140と対向する部分に電荷が誘導される。ミラー131は、この電荷に作用する静電力(クーロン力)によって回動し、この静電力による回動軸まわりのトルクと回動によりトーションバネ(連結部)に生じた逆向きのトルクとが釣り合う位置で静止する。
【0039】
なお、制御回路150およびセンサ回路152は、一つのミラー素子に各々設けるようにしてもよく、また、一つの制御回路150と一つのセンサ回路152で、複数のミラー素子の各々所望の制御を、同時に行うことも可能である。
以上に説明したように、本実施の形態の図1,2に示す光スイッチ装置は、制御回路とともに集積して基板上に形成したので、小型化が可能であり、高い性能を備えている。
【0040】
以下、本実施の形態における光スイッチ装置の製造について説明する。まず、図4(a)に示すように、例えばシリコンなどの半導体からなる半導体基板101上に、前述した制御回路150およびセンサ回路152などを構成する能動回路(図示せず)を形成した後、シリコン酸化物からなる層間絶縁膜102を形成する。また、層間絶縁膜102に、接続口を形成してから、この接続口を介して下層の配線などに接続電極103を介して接続する配線層104を形成する。
【0041】
これらは、公知のフォトリソグラフィ技術とエッチング技術とにより形成できるものである。例えば、上記能動回路は、CMOSLSIプロセスで作製することができる。また、接続電極103及び配線層104は、Au/Tiからなる金属膜を形成し、これを加工することで形成できる。上記金属膜は、下層のTiは膜厚0.1μm程度とし、上層のAuは膜厚0.3μm程度とすればよい。
【0042】
この金属膜の形成は次のようにすればよい。シリコン酸化膜の上にスパッタ法や蒸着法などによりAu/Tiを形成する。次いで、フォトリソグラフィ技術により所定のパターンを形成する。このとき、電極配線、後述するミラー基板を貼り合わせるための接続部及びワイヤボンディング用パッドを形成するためのレジストパターンを同時に形成する。このレジストパターンをマスクとし、ウエットエッチング法によりAu/Ti膜を選択的に除去し、レジストパターンを除去すれば、配線層104が形成できる。また、配線層104には、電極配線,後述するミラー基板を接続するための接続部,ワイヤボンディング用パッド(図示せず)などが形成されている。
【0043】
これらを形成した後、配線層104を覆う層間絶縁膜105を形成する。層間絶縁膜105は、例えば、感光性有機樹脂であるポリベンゾオキサゾールを塗布することで膜厚数μm程度に形成したポリイミド膜から構成することができる。なお、層間絶縁膜105は、他の絶縁材料から形成するようにしてもよい。
【0044】
次に、図4(b)に示すように、層間絶縁膜105に、配線層104の所定部分が露出する開口部105aを形成する。上述したように、層間絶縁膜105を感光性有機樹脂で形成した場合、開口部105a領域が開口するように露光現像してパターンを形成し、パターンを形成した後でアニールして膜を硬化させることで、開口部105aを備えた層間絶縁膜105を形成することができる。
【0045】
次に、図4(c)に示すように、開口部105a内を含めて層間絶縁膜105上を覆うシード層106を形成する。シード層106は、例えばTi/Cu/Tiからなる金属膜であり、膜厚はTi,Cuとも0.1μm程度とすればよい。次に、図4(d)に示すように、平坦部における膜厚が17μm程度の第1犠牲パターン301を形成する。第1犠牲パターン301は、例えば、感光性有機樹脂であるポリベンザオキサゾールからなる膜をフォトリソグラフィ技術で加工することで形成できる。
【0046】
例えば、ポリベンサオキサゾールを塗布することで形成したポリイミド膜上に、フォトリソグラフィ技術により、ミラー電極パターンやミラー基板を接続するための接続部分及びワイヤボンディング用パッドを形成する部分などが開口するように、フォトマスクを使用したコンタクトアライナやレチクルを使用したステッパを用いて露光及び現像し、感光部を現像液に溶解し、所望の開口領域を備えた第1犠牲パターン301を形成できる。
【0047】
次に、図4(e)に示すように、第1犠牲パターン301の第1領域(支柱120の形成領域)、第2領域(制御電極部140の形成領域)、第3領域(センサ電極部151の形成領域)の各開口部に露出したシード層106上に、電解メッキ法によりCuからなる第1金属パターン121、第2金属パターン141、第3金属パターン151を第1犠牲パターン301と同じ厚さに形成する。このとき、金属パターン121,141,151と第1犠牲パターン301との表面が、ほぼ同一平面を形成するように平坦な状態にする。
【0048】
次に、図4(f)に示すように、前述と同様にして、平坦部における膜厚が17μm程度の第1犠牲パターン302を形成し、第1犠牲パターン302の開口部に露出した第1金属パターン121、第2金属パターン141上に、電解メッキ法によりCuからなる第1金属パターン122、第2金属パターン142を第1犠牲パターン302と同じ厚さに形成する。なお、ここでは第1犠牲パターン302の第3金属パターン151上部には開口部を形成せず、第1犠牲パターン302により第3金属パターン151を覆った状態としているが、これはあくまでも1例であり、第1犠牲パターン302に開口部を形成し、さらに金属パターンを形成してもよい。
【0049】
次に、図5(a)に示すように、前述と同様にして、平坦部における膜厚が17μm程度の第1犠牲パターン401を形成し、第1犠牲パターン401の開口部に露出した第1金属パターン122、第2金属パターン142上に、電解メッキ法によりCuからなる第1金属パターン123、第2金属パターン143を第1犠牲パターン401と同じ厚さに形成する。
【0050】
次に、図5(b)に示すように、前述と同様にして、平坦部における膜厚が17μm程度の第1犠牲パターン402を形成し、第1犠牲パターン402の開口部に露出した第1金属パターン123、第2金属パターン143上に、電解メッキ法によりCuからなる第1金属パターン124、第2金属パターン144を第1犠牲パターン402と同じ厚さに形成する。
【0051】
次に、図5(c)に示すように、前述と同様にして、平坦部における膜厚が17μm程度の第2犠牲パターン403を形成し、第2犠牲パターン403の第4領域(第1領域上の領域)の開口部に露出した第1金属パターン124上に、電解メッキ法によりCuからなる第4金属パターン125を第2犠牲パターン403と同じ厚さに形成する。なお、ここでは、第2犠牲パターン403の第2金属パターン144上部には、開口部を形成せず、第2犠牲パターン403により第2金属パターン144を覆った状態とする。
【0052】
次に、図5(d)に示すように、第4金属パターン125の表面を含む第2犠牲パターン403表面に、Au/Tiからなる金属膜から構成されたシード層404を形成する。シード層404は、例えば、膜厚0.1μmのTi層と、この上に形成された膜厚0.1μmのAu層とから構成する。シード層404を形成したら、第4金属パターン125の上部が部分的に開口したレジストパターン(第2犠牲パターン)405を形成する。
【0053】
次に、図5(e)に示すように、レジストパターン405の開口部に露出したシード層404上に、電解メッキ法によりAuからなる膜厚1μm程度の金属膜(第4金属パターン)406を形成する。次いで、図6(a)に示すように、レジストパターン405を除去したら、金属膜406をマスクとしてウエットエッチング法によりシード層404をエッチング除去し、図6(b)に示すように、金属パターン126が形成された状態とする。
【0054】
次に、図6(c)に示すように、例えばオゾンアッシャーを用いて灰化することで、犠牲パターン301,302,401,402,403を除去し、図6(c)に示すように、金属パターン121,122,123,124,125及び金属パターン126からなる構造体と、金属パターン141,142,143,144からなる構造体と、金属パターン151からなる構造体とが形成され、これらの間に空間を備えた状態とする。
【0055】
この後、金属パターン121,141,151などをマスクとし、ウエットエッチング法によりシード層106を選択的にエッチング除去することで、図6(d)に示すように、支柱120と制御電極部140とセンサ電極部151とが形成された状態とする。この後、ミラー131が回動可能に連結部(トーションバネ132,134およびミラー枠体133)を介して設けられたミラー基板130を、支柱120上に接続固定することで、図1に示すように光スイッチ装置が形成される。ミラー基板130の支柱120への接続固定は、例えば、ハンダや異方性導電性接着剤により接着固定することで行えばよい。
【0056】
以上説明したように、本実施の形態によれば、最初にミラー駆動、ミラー回動角度検出及び制御のための能動回路150,152を下層電極基板101に形成しておき、この後、上述したように支柱120と制御電極部140とセンサ電極部151とを形成し、支柱120上にミラー基板130を接続して光スイッチ装置を製造するようにした。この結果、本実施の形態によれば、光スイッチ装置の小型化を可能とし、高い性能の光スイッチ装置を得ることができる。また、本実施の形態によれば、センサ電極部151の信号に基づいてセンサ回路152がミラー131の回動角度を検出し、この検出された回動角度に基づいて制御回路150がミラー131の回動動作を制御するようにしたので、ミラー131を高精度に制御することができる。
【0057】
<実施の形態2>
次に、本発明の他の形態について説明する。本実施の形態では、前述した実施の形態において、図4(a)〜図5(c)を用いて説明した工程までは、同様である。従って、以降では、これらの説明は省略する。本実施の形態では、前述した実施の形態と同様にし、第2犠牲パターン403を形成し、第4金属パターン125を第2犠牲パターン403と同じ厚さに形成した後、図7(a)に示すように、第4金属パターン125の表面を含む第2犠牲パターン403表面に、Au/Tiからなる金属膜から構成されたシード層404を形成する。シード層404は、例えば、膜厚0.1μmのTi層と、この上に形成された膜厚0.1μmのAu層とから構成する。
【0058】
シード層404を形成した後、レジストパターン601を形成する。次いで、図7(b)に示すように、レジストパターン601の形成領域以外に露出しているシード層404上に、電解メッキ法によりAuからなる膜厚1μmの金属膜602を形成する。次に、レジストパターン601を除去した後、金属膜602をマスクとしてシード層404を選択的に除去し貫通孔を形成することで、図7(c)に示すように、ミラー基板130とミラー131とが形成された状態とする。
【0059】
なお、ミラー131は、トーションバネのように作用する連結部(トーションバネ132,134およびミラー枠体133)によりミラー基板130に固定されている。連結部は、ミラー基板130とミラー131との間のレジストパターン601により被覆されていなかった箇所の金属膜602とシード層404とから形成されたものである。
【0060】
以上のようにしてミラー基板130及びミラー131を形成した後、ミラー基板130とミラー131との間の開口部(貫通孔)を介し、犠牲パターン301,302,401,402,403を、例えばオゾンアッシャーを用いて灰化する。この後、金属パターン121,141,151をマスクとしてシード層106を選択的に除去することで、図7(d)に示すように、ミラー基板130及びミラー基板131の下に、支柱120と制御電極部140とセンサ電極部151とが形成された状態とする。ミラー131は、制御電極部140およびセンサ電極部151上に所定の間隔をあけて配置された状態となる。
【0061】
以上説明したように、本実施の形態においても、最初にミラー駆動、ミラー回動角度検出及び制御のための能動回路150,152を下層電極基板101に形成しておき、この後、上述したように支柱120と制御電極部140とセンサ電極部151とを形成し、支柱120上にミラー基板130を接続して光スイッチ装置を製造するようにした。この結果、本実施の形態によれば、光スイッチ装置の小型化を可能とし、また、高い性能の光スイッチ装置を得ることができる。また、実施の形態1と同様に、センサ電極部151の信号に基づいてセンサ回路152がミラー131の回動角度を検出し、この検出された回動角度に基づいて制御回路150がミラー131の回動動作を制御するようにしたので、ミラー131を高精度に制御することができる。
【0062】
さらに、本実施の形態では、貼り合わせることなくミラー基板130を形成するようにしたので、貼り合わせる工程が不要となり、この点で製造上の利点がある。なお応力による金属ミラーの反りを防ぐため,異なる応力特性を持つメッキ可能な金属を多層に積層して応力を制御したミラー131を作製することが可能なことは、当業者であれば容易に推察できよう。
【0063】
<実施の形態3>
次に、本発明の他の形態について説明する。本実施の形態では、前述した実施の形態において、図4(a)〜図5(c)を用いて説明した工程までは、同様である。従って、以降では、これらの説明は省略する。本実施の形態では、前述した実施の形態と同様にし、第2犠牲パターン403を形成し、第4金属パターン125を第2犠牲パターン403と同じ厚さに形成した後、図8(a)に示すように、第4金属パターン125の表面を含む第2犠牲パターン403表面に、比較的低温で薄膜堆積可能なECRCVD法を用いてポリシリコンからなる薄膜701を膜厚1μm形成する。
【0064】
薄膜701を形成したら、図8(b)に示すように、レジストパターン702を形成する。次いで、レジストパターン702の開口部より薄膜701を選択的にエッチング除去して貫通孔を形成し、レジストパターン702を除去することで、図8(c)に示すように、ミラー基板730とミラー731とが形成された状態とする。
【0065】
以上のようにしてミラー基板730及びミラー731を形成した後、ミラー基板730とミラー731との間の開口部(貫通孔)を介し、犠牲パターン301,302,401,402,403を、例えばオゾンアッシャーを用いて灰化する。この後、金属パターン121,141,151をマスクとしてシード層106を選択的に除去することで、図8(d)に示すように、ミラー基板730及びミラー731の下に、支柱120と制御電極部140とセンサ電極部151とが形成された状態とする。ミラー731は、制御電極部140およびセンサ電極部151上に所定の間隔をあけて配置された状態となる。
【0066】
なお、ミラー731は、トーションバネのように作用する連結部(トーションバネ132,134およびミラー枠体133)によりミラー基板730に固定されている。連結部は、ミラー基板730とミラー731との間のレジストパターン702の開口部下の箇所の薄膜701から形成されたものである。
【0067】
以上説明したように、本実施の形態においても、最初にミラー駆動、ミラー回動角度検出及び制御のための能動回路150,152を下層電極基板101に形成しておき、この後、上述したように支柱120と制御電極部140とセンサ電極部151とを形成し、支柱120上にミラー基板730を接続して光スイッチ装置を製造するようにした。この結果、本実施の形態によれば、光スイッチ装置の小型化を可能とし、高い性能の光スイッチ装置を得ることができる。また、実施の形態1と同様に、センサ電極部151の信号に基づいてセンサ回路152がミラー731の回動角度を検出し、この検出された回動角度に基づいて制御回路150がミラー731の回動動作を制御するようにしたので、ミラー731を高精度に制御することができる。さらに、本実施の形態では、貼り合わせることなくミラー基板730を形成するようにしたので、貼り合わせる工程が不要となり、この点で製造上の利点がある。
【0068】
なお、実施の形態1〜実施の形態3では、支柱120と制御電極部140とセンサ電極部151を銅メッキによって形成する例を示したが、これらは、金メッキなどメッキ可能な金属のメッキにより形成してもよい。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、半導体基板上に制御回路を形成し、この上に制御回路により動作が制御されるミラーからなるミラー素子を形成するようにした。この結果、本発明によれば、集積度の低下や歩留りの低下を抑制した状態で、従来より容易により微細な光スイッチ装置が製造できるというすぐれた効果が得られる。また、本発明によれば、ミラーの下部にセンサ電極部を形成して半導体基板上にセンサ回路を形成し、センサ電極部の信号に基づいてセンサ回路がミラーの回動角度を検出し、この検出された回動角度に基づいて制御回路がミラーの回動動作を制御するようにしたので、ミラーを高精度に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態における光スイッチ装置の概略的な構成を示す断面図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態における光スイッチ装置の概略的な構成を示す斜視図である。
【図3】 本発明の第1の実施の形態におけるミラー基板の平面図である。
【図4】 本発明の第1の実施の形態における光スイッチ装置の製造過程を示す工程図である。
【図5】 図4に続く、光スイッチ装置の製造過程を示す工程図である。
【図6】 図4に続く、光スイッチ装置の製造過程を示す工程図である。
【図7】 本発明の第2の実施の形態における光スイッチ装置の製造過程を部分的に示す工程図である。
【図8】 本発明の第3の実施の形態における光スイッチ装置の製造過程を部分的に示す工程図である。
【図9】 従来の光スイッチ装置の概略的な構成を示す側面図である。
【図10】 従来の光スイッチ装置の製造過程を概略的に示す工程図である。
【符号の説明】
101…半導体基板、120…支柱、130…ミラー基板、131…ミラー、132、134…トーションバネ、133…ミラー枠体、140…制御電極部、150…制御回路、151…センサ電極部、152…センサ回路。
Claims (2)
- 半導体基板上に、センサ電極部の信号に基づいてミラーの回動角度を検出するセンサ回路、及び前記ミラーの回動角度に基づいて制御電極部に電圧を与えることにより前記ミラーの回動動作を制御する制御回路を形成する工程と、
前記半導体基板上に前記制御回路及び前記センサ回路を覆う層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜上にシード層を形成する工程と、
前記シード層の上に第1領域と複数の第2領域と複数の第3領域とが開口した第1犠牲パターンを形成する工程と、
前記第1領域、前記第2領域及び前記第3領域に露出した前記シード層上に、メッキ法により前記第1犠牲パターンと実質的に同じ膜厚の第1金属パターン、この第1金属パターンと同膜厚以下の第2金属パターン及び第3金属パターンを形成する工程と、
前記第1金属パターン、前記第2金属パターン及び前記第3金属パターンをそれぞれ所定の膜厚に形成した後、前記第1犠牲パターン、前記第2金属パターン及び前記第3金属パターンの上に、前記第1領域上の第4領域が開口した第2犠牲パターンを形成する工程と、
前記第4領域に露出した前記第1金属パターンの表面に、メッキ法により前記第2犠牲パターンと実質的に同じ膜厚の第4金属パターンを形成する工程と、
前記第4金属パターンを所定の膜厚に形成した後、前記第1犠牲パターンと前記第2犠牲パターンを除去する工程と、
これら犠牲パターンを除去した後、前記第1金属パターン、前記第2金属パターン及び前記第3金属パターンをマスクとして前記シード層を選択的に除去し、前記第1金属パターンと前記第4金属パターンとの積層体からなる支持部材と、複数の前記第2金属パターンからなる各々が前記層間絶縁膜上で分離した複数の前記制御電極部と、複数の前記第3金属パターンからなる各々が前記層間絶縁膜上で分離した複数の前記センサ電極部とを形成する工程と、
複数の開口領域内に各々前記ミラーを備えてこのミラーが連結部を介して回動可能に連結された導電性材料からなるミラー基板を用意する工程と、
前記支持部材の上に前記ミラー基板を接続固定し、前記ミラー基板の各ミラーを前記制御電極部及び前記センサ電極部の上に離間して配置する工程とを備え、
前記制御電極部は、前記制御回路から信号供給が可能なように前記制御回路と電気的に接続された状態に形成され、
前記センサ電極部は、前記センサ回路へ信号出力が可能なように前記センサ回路と電気的に接続された状態に形成されることを特徴とする光スイッチ装置の製造方法。 - 半導体基板上に、センサ電極部の信号に基づいてミラーの回動角度を検出するセンサ回路、及び前記ミラーの回動角度に基づいて制御電極部に電圧を与えることにより前記ミラーの回動動作を制御する制御回路を形成する工程と、
前記半導体基板上に前記制御回路及び前記センサ回路を覆う層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜上にシード層を形成する工程と、
前記シード層の上に第1領域と複数の第2領域と複数の第3領域とが開口した第1犠牲パターンを形成する工程と、
前記第1領域、前記第2領域及び前記第3領域に露出した前記シード層上に、メッキ法により前記第1犠牲パターンと実質的に同じ膜厚の第1金属パターン、この第1金属パターンと同膜厚以下の第2金属パターン及び第3金属パターンを形成する工程と、
前記第1金属パターン、前記第2金属パターン及び前記第3金属パターンをそれぞれ所定の膜厚に形成した後、前記第1犠牲パターン、前記第2金属パターン及び前記第3金属パターンの上に、前記第1領域上の第4領域が開口した第2犠牲パターンを形成する工程と、
前記第4領域に露出した前記第1金属パターンの表面に、メッキ法により前記第2犠牲 パターンと実質的に同じ膜厚の第4金属パターンを形成する工程と、
前記第4金属パターンを所定の膜厚に形成した後、この第4金属パターンに電気的に接続する導電性材料からなるミラー基板を前記第2犠牲パターン上に形成する工程と、
前記ミラー基板に貫通孔を形成し、前記ミラー基板の複数の所定領域内に前記ミラー基板に連結部を介して回動可能に連結された複数の前記ミラーを形成する工程と、
前記ミラー基板に形成された前記貫通孔を介して前記第1犠牲パターンと前記第2犠牲パターンを除去する工程と、
これら犠牲パターンを除去した後、前記貫通孔を介して前記第1金属パターン、前記第2金属パターン及び前記第3金属パターンをマスクとして前記シード層を選択的に除去し、前記第1金属パターンと前記第4金属パターンとの積層体からなる支持部材と、複数の前記第2金属パターンからなる各々が前記層間絶縁膜上で分離した複数の前記制御電極部と、複数の前記第3金属パターンからなる各々が前記層間絶縁膜上で分離した複数の前記センサ電極部とを形成する工程とを備え、
前記ミラー基板に形成された各ミラーは、前記制御電極部及び前記センサ電極部の上に離間して配置され、
前記制御電極部は、前記制御回路から信号供給が可能なように前記制御回路と電気的に接続された状態に形成され、
前記センサ電極部は、前記センサ回路へ信号出力が可能なように前記センサ回路と電気的に接続された状態に形成されることを特徴とする光スイッチ装置の製造方法。
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