JPH0714448Y2 - 洗面台 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、洗面台で洗髪をする場合に好適な洗面台に
関する。

〔従来技術とその課題〕

周知のように、近年では、洗面台に洗髪用シャワー装置
を装備し、服を着たまま好きな時に洗髪を行うことがで
きる洗面台が多く提案されている。

しかしながら、上記のような洗髪用シャワー装置を有す
る洗面台で洗髪をする場合には、洗髪時の水跳ねによっ
て、服や床などが濡れる等の不具合を有しており、この
ため、従来では、洗髪する者が防水性シートを身にまと
ったり、床に防水性シートを展張したりしなければなら
ず、これらの作業が非常に煩わしく、手軽に洗髪をする
ことができない、という問題を有していた。

この考案は、かかる現状に鑑み創案されたものであっ
て、その目的とするところは、洗髪時の跳ね水が、服や
床等に飛び散ることを確実に防止することができ、しか
も、取り扱いが極めて簡便な洗面台を提供しようとする
ものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、この考案に係る洗面台にあっ
ては、洗面台の上方に配設される略Ｕ字状のレールの両
端部を回転可能に軸支し、上記レールにカーテンを展縮
自在に取り付けると共に、該カーテンの洗面ボウル側下
端部に吸水体を配設したことを特徴とするものである。

〔作用〕

それ故、この考案に係る洗面台にあっては、洗面台の洗
髪用シャワー装置を使用する場合、前記レールを洗面ボ
ールと平行になる位置まで倒し、次に、上記カーテンを
洗面ボールの両側縁及び前側縁に沿って展張させること
で、洗髪する者は、上記カーテンの例えば合せ目等から
首だけを洗面ボールの上部位置へと入れて手軽に洗髪を
行なうことができる。このとき、カーテンの内側に飛着
した水滴は、カーテン内側の下方に向かって流下した
後、上記吸水体によって吸水されるので、水滴が床面に
滴下して濡らす虞れもない。

また、洗髪を行なわないときには、上記レールを洗面ボ
ールの上部から壁方向へと起立させ、かつ、カーテンを
レールの基端方向へと折りたたむことで、通常の洗面台
として使用することができるように構成したことを特徴
とするものである。

〔実施例〕

以下、添付図面に示す実施例に基きこの考案を詳細に説
明する。

第１図乃至第８図は、この考案の第１実施例に係る洗面
台Ａを示しており、この実施例に係る洗面台Ａは、洗面
ボール１を有するキャビネット２と、このキャビネット
２の上部に配設されたミラーキャビネット３と、このミ
ラーキャビネット３の外周縁に沿って配設された略Ｕ字
状のレール４と、このレール４に展縮自在に取り付けら
れた２枚のカーテン５と、上記ミラーキャビネット３の
両側部に配設されたカーテン収納ボックス13,13と、か
ら構成されている。

キャビネット２は、その上部に、少なくともその外周面
が磁石が吸着する金属材で形成されてなる前記洗面ボー
ル１を有しており、この洗面ボール１の奥側には、水栓
６及び伸縮可能なシャワー７が配設されている他は、公
知の洗面台キャビネットと同様に構成されている。

ミラーキャビネット３は、上部が略Ｕ字状に形成されて
おり、その前面には、鏡８と、照明器具９と、上下に２
段の収納棚10と、スイッチ類11と、扉を有する収納ケー
ス12と、が配設されている。

また、上記ミラーキャビネット３の両側には、側面が開
口する単体のカーテン収納ボックス13,13が夫々固着さ
れている。尚、上記カーテン収納ボックス13,13の底面
部に、図示はしないが、スポンジ等の吸水体を配設して
もよい。

レール４は、上記ミラーキャビネット３の外周縁に沿う
ように略Ｕ字状に形成された耐錆性パイプで形成されて
おり、その中央部には、レール４の外形より大径の鍔体
15が固着されている。勿論、上記鍔体15を省略してもよ
い。

また、このレール４の両端部は、略Ｌ字状に折曲されて
前記カーテン収納ボックス13,13内に収納されており、
その各先端には係止こま16が固着されている。

この係止こま16は、第７図に示すように、軸受けを構成
する固定係止コマ17と摩擦係合してレール４を起立状態
（第１図と第２図の状態）に保持し、かつ、上記レール
４を倒して使用する場合（第３図の状態）には、第８図
に示すように、係止こま16の外周面に突設された係止突
起18が、前記カーテン収納ボックス13の内壁に突設され
たストッパ19と係合して、上記レール４を水平状態に保
持するように構成されている。勿論、このとき、上記係
止こま16と固定係止こま17の対向傾斜面は離間し、摩擦
係合が生じないように構成されている。

即ち、上記係止こま16と固定係止こま17とは、その対向
面が傾斜して形成されており、かつ、固定係止こま17に
は、上記係止こま16に突設された螺子杆16aと螺合する
螺子孔17aが開設されており、レール４を起立させた場
合には、上記係止こま16の螺子杆16aが固定係止こま17
の螺子孔17a内に前進して、該係止こま16の傾斜面が、
第７図に示すように、固定係止こま17の傾斜面と摩擦係
合し、また、レール４を水平状態に倒した場合には、上
記係止こま16の螺子杆16aが固定係止こま17の螺子孔17a
から後退して、該係止こま16の傾斜面が、第８図に示す
ように、固定係止こま17の傾斜面から離間するように構
成されている。

また、これら各係止こま16と固定係止コマ17とは、第７
図と第８図に示すように、上記カーテン収納ボックス1
3,13内に収納されている。

カーテン５は、第４図に示すように、前記レール４の外
周に嵌装される防水布性の筒部20と、この筒部20の下端
から下方向へ垂れ下がる防水布性のシート部21と、この
シート部21に開設された腕挿入用穴24と、から形成され
ており、このシート部21の洗面ボール側下端部には、ス
ポンジ等の吸水体22と、この吸水体22の下部に所定間隔
毎に配設された磁石板23とが固着されている。勿論、こ
の考案にあっては、第５図に示すように、シート部21の
洗面ボール側下端部に吸水体22のみを固着してもよく、
或は、吸水体22と磁石板23とを、第６図に示すように、
交互に固着してもよい。また、上記磁石板23に代えて他
の吸着体、例えば、吸盤等を用いてもよく、さらには、
上記腕挿入用穴24を省略することもできる。

次に、上記実施例に係る洗面台Ａを用いて洗髪を行なう
場合には、先ず、レール４を手前側に倒し、洗面ボール
１の上部に平行にセットする。このとき、上記レール４
は、その係止こま16の係止突起18がストッパ19と係合し
て水平状態を保持する。

このようにしてレール４が洗面ボール１の上部にセット
された後は、カーテン５を前記カーテン収納ボックス1
3,13内から引き出してレール４の長手方向に沿って展張
し、各カーテン５の手前側端部を前記鍔体15と衝合させ
る。これにより、洗面ボール１の略中央上部にカーテン
5,5の合せ目Ｂ（第３図参照）が形成される。また、こ
のとき、各カーテン５の下端部は、磁石板23によって洗
面ボール１の両側縁及び前側縁に吸着されるため、カー
テン５と洗面ボール１との間から水が滴下しても、この
水を床にこぼすことなく前記吸水体22に吸水させること
ができる。

このようにして洗髪準備が整った後には、洗髪する者
が、上記カーテン5,5の合せ目Ｂから洗面ボール１の上
部に首だけを入れ、かつ、上記カーテン5,5の腕挿入用
穴24に腕を入れて所定の洗髪作業を行なう。

また、洗髪が終了した後には、吸水体22に吸水された水
を洗面ボール１の上で絞った後、各カーテン5,5をミラ
ーキャビネット方向へ折りたたみ、前記カーテン収納ボ
ックス13,13内に収納すると共に、レール４を起立させ
る。このとき、レール４は、その係止こま16と固定係止
こま17の各傾斜面が摩擦係合するので、上記起立状態が
保持される。

第９図は、この考案の第２実施例に係る洗面台Ａを示し
ており、この実施例では、ミラーキャビネット３の両側
にカーテン収納穴13a,13aを開設し、ミラーキャビネッ
ト３の両側に配設したカーテン収納ボックス13,13を廃
止した他は、他の構成・作用は前記第１実施例に係る洗
面台Ａと同様であるため、その詳細な説明をここでは省
略する。

また、第10図は、この考案の第３実施例に係る洗面台Ａ
を示しており、この実施例では、ミラーキャビネット３
が正面長方形に形成されており、これに対応してレール
４を逆凹状に形成した他は、他の構成・作用は前記第１
実施例に係る洗面台Ａと同様であるため、その詳細な説
明をここでは省略する。

尚、上記各実施例にあっては、前記レール４の両端部
を、ミラーキャビネット３の両側に回転可能に取り付け
た場合を例にとり説明したが、この考案にあっては、適
宜の取付金具を用いて、レールを壁等に直接取り付ける
こともできる。

〔考案の効果〕

この考案に係る洗面台は、以上説明したように構成した
ので、洗髪時の跳ね水が、服や床等に飛び散ることを確
実に防止することができ、しかも、カーテンの内側に飛
着した水滴は、カーテンの洗面ボウル側下端部に配設さ
れた吸水体によって吸水されるので、水滴が床面に滴下
して濡らす虞れもなく、また、取扱が極めて簡便である
ため、手軽に好きなときに洗髪を楽しむことができる
等、幾多の優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の第１実施例に係る洗面台の正面図、
第２図は同洗面台の右側面図、第３図は同洗面台のレー
ルを倒しカーテンを展張した状態を一部切欠して示す斜
視図、第４図はカーテンの第１構成例を一部切欠して示
す裏面図、第５図はカーテンの第２構成例を一部切欠し
て示す裏面図、第６図はカーテンの第３構成例を一部切
欠して示す裏面図、第７図はレールの起立状態時におけ
る端部の状態を拡大して示す一部切欠断面図、第８図は
レールを倒した状態時における端部の状態を拡大して示
す一部切欠断面図、第９図はこの考案の第２実施例に係
る洗面台の要部を示す斜視図、第10図はこの考案の第３
の実施例に係る洗面台の正面図である。 〔符号の説明〕 Ａ…洗面台、１…洗面ボール ４…レール、５…カーテン 23…磁石板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】洗面台の上方に配設される略Ｕ字状のレー
   ルの両端部を回転可能に軸支し、上記レールにカーテン
   を展縮自在に取り付けると共に、該カーテンの洗面ボウ
   ル側下端部に吸水体を配設したことを特徴とする洗面
   台。