JPH0714298Y2

JPH0714298Y2 - 枚葉印刷機の排紙紙積装置

Info

Publication number: JPH0714298Y2
Application number: JP1988069914U
Authority: JP
Inventors: 実富田
Original assignee: Komori Corp
Current assignee: Komori Corp
Priority date: 1988-05-28
Filing date: 1988-05-28
Publication date: 1995-04-05
Anticipated expiration: 2003-05-28
Also published as: JPH01174367U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は枚葉印刷機において印刷後排紙チエーンで搬送
されたのち開放されて落下する紙を積載する排紙紙積装
置に関するものである。

〔従来の技術〕

枚葉印刷機において印刷ユニットで印刷されたのち排紙
チエーンの爪でくわえられて搬送された紙は、搬送終端
部で爪のくわえから解放されて落下し、紙積台上に積載
される。

このような紙積装置においては紙積台上に所定量の紙が
積載されるたびに機械を停めて紙を機外に取出している
と、生産性が低下するので、機械を停めずに紙を取出す
ことのできる板取り装置と呼ばれる紙積装置が従来から
用いられている。この種の板取り装置は、紙の落下径路
に支架されて水平方向に開閉する左右一対のガイドレー
ルとこのガイドレールへ挿入されるように準備された複
数枚の板取り板とを備えている。そして、紙積台上に所
定量の紙が積載されると、機械を運転したまゝガイドレ
ールを閉じ、落下する紙と紙との間へ素早く挿入される
ように板取り板をガイドレールに挿入して落下紙を受け
る。そしてこの板取り板上に紙が積まれている間に、紙
積台上に積載済の紙を機外に取出し、空の紙積台を上昇
させてガイドレールを開くと、板取り板は紙を積載した
まゝ紙積台上に乗り移り、板取り作業が終るので、通常
の排紙に移行し、紙積台を自動降下させながら紙の積載
が続けられる。このように紙積台上に多量の紙を一度に
積む方法を一般に棒積みと呼んでいる。

また、このように紙が多量に積まれる棒積みの場合に
は、紙の重量により未乾燥の印刷面が上の紙に裏移りす
るので、これを避けるためにすのこ取りと呼ばれる板取
り作業が行われる。この作業は、例えば棒積みの場合の
数分の一というような少量の紙が積まれるごとに前記板
取り作業を行って何段かに紙を積むものであって、上下
の板取り板間には、積載紙の高さよりやゝ高い横木が挿
入される。

このように板取り作業による紙の積載作業には、棒積み
と、すのこ取りとがあるが、棒積みの方が作業性や生産
性がよいので、裏移りのおそれがない印刷物の場合には
棒積みが多く採用されており、また裏移りのおそれがあ
る場合には、排紙前の紙の印刷面にスプレーパウダを散
布して裏移りを避けながら棒積みを行っている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが棒積みの場合には一般に紙積台上にパレットを
置いてこのパレット上に紙を積み、積載後にはパレット
の孔にフオークリフトのフオークを挿入したりして紙を
次工程へ運搬しているが、従来の紙積装置においては、
前述したように板取り作業を行うと、運搬時にはパレッ
トと紙との間に板取り板が介在することになるので、次
工程までにこのパレットを抜取らなければならず、多大
の労力と時間を要するという問題があった。またこれを
避けようとして板取り作業を行わないと、１ロットごと
に機械を停めなければならないので生産性が大幅に低下
するという問題があった。

〔課題を解決するための手段〕

このような課題を解決するために本考案では、左右一対
の板取り板挿入用ガイドレールを断面コ字状に形成し、
かつこのガイドレール側の部材に、支持部材を設けると
ともに、ガイドレールの下方においてこれと平行する左
右一対の断面Ｌ字状のパレット挿入用ガイドレールを、
前記支持部材に、上下方向と左右方向とへ移動調節自在
に固定した。

〔作用〕

パレットの寸法に合わせて支持部材とパレット用ガイド
レールとを各方向に移動調節したのち紙積台上にパレッ
トを載置して排紙を開始すると、紙はパレット上に積載
される。紙が所定量積載されると、ガイドレールを閉じ
てこれにパレットを挿入し、落下紙を受けさせながら下
方の積載済パレットを機外に取出したのち、紙積台を上
昇させてガイドレールを開くと、紙受け中のパレットが
紙積台に乗り移って通常の排紙に移行する。

〔実施例〕

第１図ないし第３図は本考案に係る枚葉印刷機の排紙紙
積装置の実施例を示し、第１図はその側面図、第２図は
同じく要部の拡大正面図、第３図は本考案を実施した排
紙装置の概要正面図である。図において、左右の排紙フ
レーム１に近接する位置には、第１図に矢印Ａで示す方
向すなわち第３図の紙背側から手前側へ向って走行する
左右一対の排紙チエーン２が張架されており、これら左
右の排紙チエーン２間に一定間隔で支架された複数個の
各爪竿３上には、爪と爪台とからなる複数組のくわえ爪
装置４（以下爪４という）が並設されている。そして、
印刷ユニットで印刷された紙５は、爪４でくわえられて
排紙チエーン２の走行により搬送され、搬送終端部にお
いて爪４のくわえから解放されて落下する。

この紙５の落下径路下方には、手動および排紙にしたが
って自動的に昇降する紙積台６が設けられている。ま
た、紙５の落下径路両側には、前半部を断面コ字状に形
成され後半部を断面Ｌ字状に形成された左右一対のガイ
ドレール７が、フレーム１に固定されたブラケット8,9
に、左右水平方向へ移動自在に支持されており、このガ
イドレール７は、図示しない開閉装置を手動操作するこ
とにより、図に実線で鎖線とで示す範囲で開閉するよう
に構成されている、そして、板取り板を用いた排紙作業
時には、閉じたガイドレール７に、第１図に矢印Ｂで示
す方向から板取り板が挿入される。

左右のガイドレール７の前後２箇所には、長方形状のプ
レート11が溶着されており、各プレート11には、前後に
並列する複数個の孔が穿設されている。12はこの孔の１
つを選択して着脱自在に挿入された受け金具であって、
ナット13で固定されて垂下されており、この受け金具12
にはねじ部12aが設けられている。14は断面Ｌ字状に形
成された左右一対にパレット用のガイドレールであっ
て、その前後２箇所には、長方形状に形成された支持部
材としてのプレート15が側方へ穿設されており、各プレ
ート15には複数個の孔がその長手方向に並列して穿設さ
れている。そして受け金具12のねじ部12aは、プレート1
5の孔のうちの１つを選択して挿入されており、ガイド
レール14はダブルナット16,17をねじ部12aに螺合するこ
とによって上下方向へ移動調節自在に固定されている。
このように支持されたガイドレール14には、第１図に矢
印Ｃで示す方向からパレット18が挿入される。そしてパ
レット18の寸法にしたがってプレート15の孔を選択する
ことによりパレット18の幅に対応し、パレット18の寸法
にしたがってダブルナット16,17の螺合位置を選択する
ことによりパレット18の高さに対応するように構成され
ている。なお、前記プレート11の孔を選択することによ
りパレット18の長さに対応する。また、第２図に鎖線14
Aで示すのは、格納位置にあるガイドレールである。

以上のように構成された紙積装置の動作を、板取り板を
用いずにパレットを用いる棒積み作業について説明す
る。印刷作業に先立ち、パレット18の寸法にしたがって
プレート11,15の孔を選択し，ダブルナット16,17の螺合
位置を選択すると、ガイドレール14が、前後，左右，上
下方向に移動調節されてパレット18の長さ，幅，高さに
対応する。そこで、紙積台６を所定位置まで上昇させて
その上にパレット18を載置して印刷作業を開始すると、
排紙チエーン２の爪４でくわえられて搬送されてきた紙
５は、搬送終端部において爪４のくわえから解放されて
落下し、パレット18上に積載される。積載にしたがい紙
積台６が自動降下し、積載紙５の上端面は一定高さを維
持する。紙５が所定量に達すると、紙積台６を次のパレ
ット18の挿入可能な所定位置までわずかに下降させ、手
動操作で板取り板用のガイドレール７を閉じると、この
ガイドレール７との間を受け金具で一体化されたパレッ
ト用ガイドレール14も閉じる。そこで次のパレット18
を、閉じたガイドレール14に素早く挿入すると、落下紙
積台５はこのパレット18上に積載される。この積載中に
紙積台６を手動で下降限位置まで下降させてパレット18
の孔へフォークリフトのフォークを挿入し、機外へ取出
して次工程へ運搬する。次いで紙積台６を紙受け中のパ
レット18にほゞ接する高さまで上昇させ、ガイドレール
14を開くと、パレット18が紙積台６上に乗り移るので、
紙積台６の昇降を手動から自動に切替えると、通常の排
紙に移行する。このあと、所定量の紙５が積載されるた
びに上記動作を繰返すことにより機械を停止させること
なく連続した排紙は行われる。

このような紙積作業において、紙積台６上には、板取り
板10を介在させることなくパレット18が直接載置される
ので、次工程への運搬前に板取り板10を抜く手間を要し
ない。また、ガイドレール14をパレット18の寸法に対応
させることができるので、要旨業者からの多種のパレッ
トをそのまゝ使用できる。また、ナット13を弛めてガイ
ドレール14を受け金具12とともに取り外せば、すのこ取
りなど板取り板10を使用する紙積作業を行うことができ
る。

〔考案の効果〕

以上の説明により明らかなように本考案によれば枚葉印
刷機の排紙紙積装置において、左右一対の板取り板挿入
用ガイドレール側の部材に、支持部材を設けるとともに
ガイドレールの下方においてこれと平行する左右一対の
パレット挿入用ガイドレールを、前記支持部材に、上下
方向と左右方向とへ移動調節自在に固定したことによ
り、紙サイズや用紙業者によって寸法が変化する多種の
パレットに対応でき、棒積みの排紙紙積作業を機械を運
転したまゝ連続的に実施できるので、印刷機の稼働率が
向上するとともに、紙積台上にパレットを直接載置して
紙積みできるので、次工程への運搬前に板取り板を抜き
取る必要がなく労力の軽減と省力化が計れる。また、棒
積み時に板取り板を必要としないので、板取り板の設備
数が減少し経費が節減される。また、板取り板挿入用ガ
イドレールを断面コ字状に形成し、このガイドレールで
パレットと比較して軽い板取り板をガイドするようにし
たので、ガイドレールを挿入する際、板取り板の挿入先
端部が上方に持ち上がり、機械を損傷するようなことを
防止できる。さらに、重量があり暑いパレットに対して
は、断面Ｌ字状のパレット挿入用ガイドレールで対応す
るようにして、既存の板取り板挿入用ガイドレールにパ
レット挿入用ガイドレールを付設するようにしたので、
改造が容易であるとともに、製造上、パレット挿入用ガ
イドレールを必要としない機種との部品の兼用が可能と
なり、機種の統一を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案に係る枚葉印刷機の排紙紙
積装置の実施例を示し、第１図はその側面図、第２図は
同じく要部の拡大正面図、第３図は本考案を実施した排
紙装置の概要正面図である。５……紙、６……紙積台、７……板取り板用ガイドレー
ル、10……板取り板、11……プレート、12……受け金
具、14……パレット用ガイドレール、15……プレート、
16,17……ダブルナット、18……パレット。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】昇降自在な紙積台と、その上限位置上方に
支架された開閉自在な左右一対の板取り板挿入用ガイド
レールとを備えた枚葉印刷機の排紙装置において、前記
ガイドレールを断面コ字状に形成し、かつこのガイドレ
ール側部材に支持部材を設けるとともに、前記ガイドレ
ールの下方においてこれと平行する左右一対の断面Ｌ字
状のパレット挿入用ガイドレールを、前記支持部材に、
上下方向と左右方向とへ移動調節自在に固定したことを
特徴とする枚葉印刷機の排紙紙積装置。