JPH0714157U - トラクタ等におけるエンジンの吸気装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目 的】 前側吸気管６ａと後側吸気管６ｂとを負圧
センサー９を取付可能な接続管で組み付け、作業性を良
く接続するとともに、廉価な構成とする。 【構 成】 エアクリーナ４に取着した前側吸気管６ａ
とエンジン１に取着した後側吸気管６ｂとに負圧センサ
ー９を取付ける取付孔７ａを設けた接続管７の両端部を
それぞれ挿入して締具８で締着し、一連の吸気管６を構
成する。負圧センサー９を用いない場合にはその取付孔
７ａを前側または後側吸気管の一方に没入するように挿
入する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はトラクタ等のエンジンにおける吸気管の接続構成に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、トラクタ等の走行車に搭載されたエンジンは機体の前方に向ってラジエ ータ及びエアクリーナを順次配設し、ボンネットで覆われるとともに、長い吸気 管を介してエアクリーナと連結されている。 このようなトラクタでは馬力仕様等の変更で車種が異り、エンジンを変更した 場合にエアー吸入口位置が変わるため、これに適応した長さの吸気管を専用に製 作して取り付けていた。また、エアクリーナの目詰まりを検出して警報を行なう 負圧センサを設けたい場合に、この負圧センサは上記吸気管のエンジン側寄りの 部分に取付孔を穿設して挿入固着されるか、或いはエンジンのエア吸入口基部に 取付金具を設けて取着されるものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の吸気管ではエンジンの仕様や大きさが異なる毎に専用のゴムホース 等の高価な部材からなる長い一本状の吸気管を備え、エンジン及びラジエータ並 びにエアクリーナ等を機体に設置した後、前記吸気管をラジエータを経てエンジ ンとエアクリーナ間に組付ける必要があり、また、この部分のメンテナンスを必 要とする場合には狭いボンネット内で吸気管の着脱等を行なう煩雑な作業となる 欠点がある。また、負圧センサを設けるとき、その取付け構成が複雑で面倒な作 業となる問題がある。

【０００４】 本考案は上記従来の問題点を解決し、吸気管をラジエータ後方の空間部におい て分割し、負圧センサを取付け可能な接続管で連結し組付けることにより、構成 が簡単で廉価に製作できるとともに組立て性及びメンテナンス性のよいトラクタ 等におけるエンジンの吸気装置を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記問題点を解決するための本考案のトラクタ等におけるエンジンの吸気装置 は、エンジンを覆うボンネット室内でエンジンの前方に向けてラジエーター及び エアクリーナを順次配設するとともに、エアクリーナとエンジンとを吸気管で接 続するトラクタにおいて、上記吸気管をラジエータ後方の空間部において前側吸 気管と後側吸気管とに分割するとともに、負圧センサを着脱可能に取付ける取付 孔を有した接続管を上記前側及び後側吸気管の端部に挿入して両吸気管を連結し たことを特徴としている。

【０００６】

【作 用】

前側吸気管６ａと後側吸気管６ｂとに接続管７の両端部をそれぞれ挿入し、接 続して一連の吸気管６を構成する。負圧センサ１は吸気管６内の吸気圧を検出し てエアクリーナ４の目詰り等を報知する。上記負圧センサ９を用いない場合には その取付孔７ａを前側又は後側吸気管６ａ, ６ｂの一方の吸気管内に没入させた 状態で締着し接続させることにより両者の仕様において接続管７が共用できる。

【０００７】

【実 施 例】

本考案の実施例を図面を参照して説明する。 １はトラクタ等の走行車の機台２に搭載したエンジンであり、このエンジン１ の前方には冷却ファン１ａ及びラジエータ３並びにエアクリーナ４等を順次配設 し、これらを天板５ａ, 側板５ｂ及び吸気口付きの前面板５ｃで構成されるボン ネット５で覆っている。

【０００８】 上記エンジン１のヘッド部１ｂの吸気マニホールド１ｃとエアクリーナ４間に は一連の吸気管６で連結し、機体前方の清浄な空気を吸気可能となし、この吸気 管６はラジエータ３より後方のボンネット５で形成される空間部内においてゴム ホース等のパイプ部材からなる前側吸気管６ａと後側吸気管６ｂとに分割してお り、その両管６ａ，６ｂの接合端部に金属加工パイプ材からなる接続管７の両端 を挿入し、この挿入部をハンドクリップ等の締具８で締着し連結している。

【０００９】 また、上記接続管７にはその中央部から一側に偏寄した位置に負圧センサ９を ネジ込み式で着脱可能に取り付けた取付孔７ａ（図３）が開設され、エアクリー ナ４に目詰まり等を生じた場合には吸気管６内が負圧になることを検出し、図示 していない運転席の近傍に設置されるブザー或いはランプ等の警報機１０に接続 してオペレーターに報知するようにしている。

【００１０】 本考案は上記構成としたので、トラクタ等の製作時において互いに隣設するエ アクリーナ４とラジエータ３とを機台２に組み付ける前に、部品組立体としてセ ットし、前側吸気管６ａを取り付けた状態で前記機台２の所定位置に能率よく設 置される。 その後、エンジン１に接続して前方に指向する後側吸気管６ｂと上記前側吸気 管６ａ端部内にあらかじめ負圧センサ９を取着した接続管７を挿入し、締具８に より締着し連結組み付けを行なうものである。

【００１１】 従って、仕様や大きさの異なるエンジン１を機台２に搭載する場合に、このエ ンジン１とエアクリーナ４間の異なる距離の差は接続管７の前側及び後側吸気管 ６ａ, ６ｂに対する挿入量を調整すること、或いは接続管７のみを別途長さの異 なるものを適数準備することにより、前記両吸気管６ａ, ６ｂを種々なエンジン 等に専用な吸気管６としていたずらに用いることなく共通部品として用いること ができるので、組立て効率が良くなるとともに廉価に製作することができる。

【００１２】 さらに上記接続管７の接続作業はボンネット５内のラジエータ３後方の広い空 間部において行なうようにしたので、作業が簡単で容易に行なうことができる。 また、負圧センサ９を用いない仕様のエンジンとする場合には、図３に示すよ うに単に上記負圧センサ９を取り外した後、取付孔７ａが一方の例えば前側吸気 管６ａ内側に没入される位置まで挿入し締具８で締着することにより、負圧セン サ９付の接続管７を共用することができて便利となるものである。

【００１３】 尚、１２は前述吸気管６の中途から分岐管１１を設けてエンジン１上方近傍空 間に設置した補助エアクリーナであり、この補助エアクリーナ１２は以下の目的 において備えられる。 即ち、エンジン排気量を大きな仕様に変更して上記機台２に搭載する場合おい て、エアクリーナ４そのものも大型なものに変更する必要が生じて、前記既製の ボンネット５内に収納装着できずにボンネットの新作を要求される。この様な場 合、既存のエアクリーナ４を設けながら上記補助エアクリーナ１２を設けること により、吸気容量を大容量に対応させることができる。従ってボンネット５を変 更することなく便利、且つ低コストにエンジンの仕様変更等を簡単に行なうこと ができるものである。

【００１４】 このような補助エアクリーナ１２は本考案実施例に示すように、その分岐管１ １を上述の接続管７の中途に突設形成した取付管７ｂに取着することにより、前 側及び後側吸気管６ａ，６ｂを何ら加工することなく、取付孔７ａとともに上記 接続管７の簡単な加工のみで構成することができて一層便利なものにすることが できる。なお、１１ａは補助エアクリーナ１２の吸気パイプであり、吸気口をボ ンネット５外に開口させ清浄な冷気を取り入れるようにしている。

【００１５】

【考案の効果】

本考案にかかるトラクタ等におけるエンジンの吸気装置は、エンジンを覆うボ ンネット室内でエンジンの前方に向けてラジエーター及びエアクリーナを順次配 設するとともに、エアクリーナとエンジンとを吸気管で接続するトラクタにおい て、上記吸気管をラジエータ後方の空間部において前側吸気管と後側吸気管とに 分割するとともに、負圧センサを着脱可能に取付ける取付孔を有した接続管を上 記前側及び後側吸気管の端部に挿入して両吸気管を連結して構成されている。

【００１６】 従って、前側吸気管と後側吸気管とをラジエータ後方のボンネット内空間部に おいて接続管により簡単に連結することができるとともに、接続管に形成した負 圧センサ取付孔を一方の吸気管内に没入状に挿入する状態としない状態とに切換 えて締着することにより、負圧センサ付のものとこれを有しない一連の吸気管と を簡単に構成することができる。 従って、多種な吸気管を不要とし部品の共用化を図りながら簡単で組み付け作 業性のよい廉価なトラクタ等おけるエンジンの吸気装置を提供することができる ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係わる吸気装置を備えたトラ
クタのエンジン部分を示す正面図である。

【図２】図１の平面図である。

【図３】接続管の取付け例を示す破断図である。

【符号の説明】

１ エンジン ２ 機台 ３ ラジエータ ４ エアクリー
ナ ５ ボンネット ６ 吸気管 ６ａ 前側吸気管 ６ｂ 後側吸気
管 ７ 接続管 ７ａ 取付孔 ８ 締具 ９ 負圧センサ １０ 補助エアクリーナ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 エンジンを覆うボンネット室内でエンジ
   ンの前方に向けてラジエーター及びエアクリーナを順次
   配設するとともに、エアクリーナとエンジンとを吸気管
   で接続するトラクタにおいて、上記吸気管をラジエータ
   後方の空間部において前側吸気管と後側吸気管とに分割
   するとともに、負圧センサを着脱可能に取付ける取付孔
   を有した接続管を上記前側及び後側吸気管の端部に挿入
   して両吸気管を連結したことを特徴とするトラクタ等に
   おけるエンジンの吸気装置。