JPH07139485A - スクロール型コンプレッサーのシール部材 - Google Patents

スクロール型コンプレッサーのシール部材

Info

Publication number
JPH07139485A
JPH07139485A JP5282991A JP28299193A JPH07139485A JP H07139485 A JPH07139485 A JP H07139485A JP 5282991 A JP5282991 A JP 5282991A JP 28299193 A JP28299193 A JP 28299193A JP H07139485 A JPH07139485 A JP H07139485A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scroll
seal member
weight
type compressor
nylon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5282991A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Nishida
健次 西田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bando Chemical Industries Ltd filed Critical Bando Chemical Industries Ltd
Priority to JP5282991A priority Critical patent/JPH07139485A/ja
Publication of JPH07139485A publication Critical patent/JPH07139485A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低コストで、製造が容易で、高荷重・高圧に
耐えるスクロール型コンプレッサーのシール部材を提供
する。 【構成】 シール部材4の組成(合計100重量%)
は、炭素繊維を10〜50重量%、PTFE若しくはH
DPE又は両者を5〜30重量%および残量を46ナイ
ロンとするか、またはシール部材の組成(合計100重
量%)は、ポリアミド繊維若しくは炭素繊維又は両者を
5〜30重量%、PTFE若しくはHDPE又は両者を
5〜30重量%、無機物を10〜30重量%および残量
を46ナイロンとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスクロール型コンプレッ
サーのシール部材に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】スク
ロール型コンプレッサーとは、渦巻壁を形成してなる一
対のスクロール部材の該渦巻壁相互を偏心状態で噛み合
わせ、相対的な公転円運動を行わせることにより、渦巻
壁間の密閉空間を中心方向に移動させながら流体を圧縮
し、この流体を中心部から吐出するようにしたものであ
る。本発明の理解を容易にするために、図に基づいてス
クロール型コンプレッサーの要部の構造を具体的に説明
すると、図1はスクロール部材の斜視図、図2は図1の
部分断面図であり、スクロール部材1は、その渦巻壁2
の先端部に溝3が形成され、溝3にシール部材4が装入
されている。また、図3は上記スクロール部材1を可動
側とし、固定側スクロール部材1´と偏心させて噛み合
わせた状態を示しており、両方の渦巻壁2の各シール部
材4を相互に他のスクロール部材の渦巻壁の底に摺接さ
せ、相互にシールする構造である。
【0003】このように、常に摺接動を強いられるスク
ロール型コンプレッサーのシール部材には、耐熱性に優
れ、低摩擦係数のポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)が主材料として用いられることが多く、例えば、特
開昭62−113882号公報には、「有機充填材入り
PTFEに射出成形可能なフッ素樹脂粉末を添加した材
料からなるスクロール型コンプレッサーのシール部材」
が開示され、また、特開昭62−223488号公報に
は、「芳香族ポリエーテルケトン樹脂、ポリアリーレン
スルフィド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂のうちの少な
くとも1種類の樹脂にPTFEおよび射出成形可能な含
フッ素樹脂を添加した材料からなるスクロール型コンプ
レッサーのシール部材」が開示されている。
【0004】ところで、現在スクロール型コンプレッサ
ーに使われている新冷媒(R134a)はコストが高い
ので、少量を高圧で使用するのが一般的な傾向であり、
さらに、コンプレッサーのコンパクト化は今後一層進む
ものと考えられ、その結果、シール部材もより一層の高
荷重に耐えるようなものが要求されている。この点、上
記公報に記載されたものはフッ素樹脂をベースとするも
のであり、高荷重による変形が大きく、使用に耐えない
という問題がある。
【0005】また、ポリフェニレンサルファイド(PP
S)樹脂やポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹
脂をシール部材のベース樹脂とした場合、前者のもので
は、急激な圧力変化および摺動によって流体吐出口(図
1E部)付近で折損しやすく、後者のものは、射出成形
工程における流動性が悪くてシール部材の厚みが制約さ
れるという問題の他にPEEK自体のコストが高いとい
う問題がある。
【0006】本発明は従来の技術の有するこのような問
題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、低コ
ストで、製造が容易で、高荷重・高圧に耐えるスクロー
ル型コンプレッサーのシール部材を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、渦巻壁を形成する一対のスクロール部材の
該渦巻壁相互を偏心状態で噛み合わせ、渦巻壁の先端部
に形成された溝に嵌合するシール部材とによって両スク
ロール部材間に密閉空間を形成するスクロール型コンプ
レッサーに使用される上記シール部材が、46ナイロン
に以下の(A)および(B)成分を添加した合計量が1
00重量%の材料からなること特徴とするスクロール型
コンプレッサーのシール部材を第一の発明とする。
【0008】(A)炭素繊維を10〜50重量% (B)PTFE若しくは高密度ポリエチレン(HDP
E)又は両者を5〜30重量% また、渦巻壁を形成する一対のスクロール部材の該渦巻
壁相互を偏心状態で噛み合わせ、渦巻壁の先端部に形成
された溝に嵌合するシール部材とによって両スクロール
部材間に密閉空間を形成するスクロール型コンプレッサ
ーに使用される上記シール部材が、46ナイロンに以下
の(A´)、(B)および(C)成分を添加した合計量
が100重量%の材料からなること特徴とするスクロー
ル型コンプレッサーのシール部材を第二の発明とする。 (A´)ポリアミド繊維若しくは炭素繊維又は両者を5
〜30重量% (B)PTFE若しくはHDPE又は両者を5〜30重
量% (C)無機物を10〜30重量% なお、無機物としては、マイカ、チタン酸カリウムウィ
スカー、酸化チタン、クレー、カオリンおよび炭酸カル
シウムを使用することができる。
【0009】
【作用】46ナイロンは耐熱性、摺動性、耐摩耗性、耐
クリープ性および耐疲労性に優れているが、46ナイロ
ン単体では寸法変化が大きく、シール部材として使用す
るときの作動性が問題となる。そこで、寸法安定性なら
びに各特性の改良を図るべく、第一の発明または第二の
発明に示すような材料を46ナイロンに適量添加するの
が好ましい。以下に、各添加材料の作用について説明す
る。まず、第一の発明の添加材料について説明する。炭
素繊維は寸法安定性、耐クリープ性、耐衝撃性および耐
疲労性を改良するが、10重量%より少ないとその効果
が期待できず、一方、50重量%より多くなると、スク
ロール部材(アルミ又はアルミ合金が使用されることが
多い)の損傷度が大きくなり、また、シール部材の摩耗
も大きくなって短寿命となる。PTFEまたはHDPE
は摺動性を改良し、耐摩耗性を向上するが、5重量%よ
り少ないとその効果が期待できず、一方、30重量%よ
り多くなると、疲労強度および耐衝撃性が低下する。
【0010】次に、第二の発明の添加材料について説明
する。無機物は寸法安定性および耐クリープ性を改良す
るが、10重量%より少ないとその効果が期待できな
い。一方、30重量%より多くなると、スクロール部材
の損傷度が大きくなり、また、シール部材の摩耗も大き
くなる。さらに、シール部材が脆くなり、耐衝撃性が損
なわれる。ポリアミド繊維は、無機物やPTFEまたは
HDPEの添加量が多い場合でも、耐衝撃性および耐疲
労性の低下を防止する。しかし、添加量が5重量%より
少ないとその効果が期待できず、一方、30重量%より
多くなると、混合時の分散性が低下し、各物性が低下す
る。
【0011】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。表1に示
すような配合(重量%)のものから、図1〜3に示すよ
うな形状のシール部材4を射出成形により作製した。そ
して、このシール部材の温度による長さ方向の寸法変化
と実機による1000時間耐久テスト後の厚み変化率を
測定した。表1に、この測定結果と各配合例の物性を併
せて示す。なお、物性評価およびシール部材の特性評価
は以下のような方法で行った。
【0012】〔物性評価〕 (1) 線膨張係数 流れ方向の寸法変化を測定することで求めた。 (2) 圧縮クリープ変形率 ASTM D−621に準拠し、200 kgf/cm2 ×2
4Hrの条件で測定した。 (3) ノッチ付きアイゾット強度 ASTM D−256に準拠して測定した。 (4) 摩擦係数、摩耗係数 スラスト型摩擦摩耗試験機を用いて、すべり速度=1m
/sec 、面圧=3MPa、相手材=アルミ合金、雰囲気
温度=130℃の条件で測定した。
【0013】〔シール部材の特性評価〕 (1) 長さ方向の寸法変化 室温から180℃まで昇温させたときの長さ方向の寸法
変化を調べた。寸法変化が1%より小さいものを
『小』、寸法変化が1%より大きいものを『大』とし
て、表1に示す。 (2) 厚み変化率 流体吸入圧力と吐出圧力との差=約30 kgf/cm2 、ク
ランク軸の回転数=750rpm 、吐出温度=130℃の
条件で、実機で1000時間連続運転し、テスト前後の
シール部材の摩耗による厚み変化率を測定した。
【0014】
【表1】
【0015】表1に明らかなように、本実施例に係るも
のは、実機テストの結果、長さ方向ならびに厚み方向の
寸法変化が少なく、スクロール型コンプレッサーのシー
ル部材として好適に使用することができる。しかし、比
較例1、比較例7に係るものは、それぞれ炭素繊維、ポ
リアミド繊維の添加量が本発明の範囲より多くて押出機
におけるペレット化ができず、物性評価およびシール部
材の特性評価が実施できなかった。また、比較例2、比
較例6に係るものは、それぞれ炭素繊維、無機物の添加
量が本発明の範囲より少ないために、寸法変化が大き
く、実機での耐久性の評価が実施できなかった。(シー
ル部材の作動が極端に悪かった) また、比較例3に係るものは、PTFEとHDPEの合
計量が本発明の範囲より多いために、機械的特性の中で
特に耐衝撃性が劣り、実機テスト中に吐出口付近のシー
ル部材が破損した。さらに、比較例8に係るものには、
炭素繊維またはポリアミド繊維が全く添加されていない
ので、機械的強度が不足し、実機テスト中に破損した。
また、比較例4に係るものには、PTFEまたはHDP
Eが全く添加されていないので、摺動性が悪くて摩耗し
やすく、実機テストでの厚み変化が大きかった。そし
て、比較例5に係るものは、無機物の添加量が本発明の
範囲より多いために相手材(アルミ合金)を損傷し、ま
たシール部材自体の摩耗も大きく、実機テストでの厚み
変化が大きかった。
【0016】
【発明の効果】本発明のシール部材は、46ナイロンが
本来有している摺動性、耐衝撃性および耐疲労性を損な
うことなく、耐摩耗性、寸法安定性および耐クリープ性
を著しく改善するものであり、高荷重・高圧条件で作動
するスクロール型コンプレッサーのシール部材として好
適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スクロール型コンプレッサーのスクロール部材
の斜視図である。
【図2】スクロール型コンプレッサーのスクロール部材
の一部を示す断面図である。
【図3】スクロール型コンプレッサーのスクロール部材
を噛み合わせた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1…スクロール部材 1´…スクロール部材 2…渦巻壁 3…溝 4…シール部材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 渦巻壁を形成する一対のスクロール部材
    の該渦巻壁相互を偏心状態で噛み合わせ、渦巻壁の先端
    部に形成された溝に嵌合するシール部材とによって両ス
    クロール部材間に密閉空間を形成するスクロール型コン
    プレッサーに使用される上記シール部材が、46ナイロ
    ンに以下の(A)および(B)成分を添加した合計量が
    100重量%の材料からなることを特徴とするスクロー
    ル型コンプレッサーのシール部材。 (A)炭素繊維を10〜50重量% (B)ポリテトラフルオロエチレン若しくは高密度ポリ
    エチレン又は両者を5〜30重量%
  2. 【請求項2】 渦巻壁を形成する一対のスクロール部材
    の該渦巻壁相互を偏心状態で噛み合わせ、渦巻壁の先端
    部に形成された溝に嵌合するシール部材とによって両ス
    クロール部材間に密閉空間を形成するスクロール型コン
    プレッサーに使用される上記シール部材が、46ナイロ
    ンに以下の(A´)、(B)および(C)成分を添加し
    た合計量が100重量%の材料からなることを特徴とす
    るスクロール型コンプレッサーのシール部材。 (A´)ポリアミド繊維若しくは炭素繊維又は両者を5
    〜30重量% (B)ポリテトラフルオロエチレン若しくは高密度ポリ
    エチレン又は両者を5〜30重量% (C)無機物を10〜30重量%
JP5282991A 1993-11-12 1993-11-12 スクロール型コンプレッサーのシール部材 Pending JPH07139485A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5282991A JPH07139485A (ja) 1993-11-12 1993-11-12 スクロール型コンプレッサーのシール部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5282991A JPH07139485A (ja) 1993-11-12 1993-11-12 スクロール型コンプレッサーのシール部材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07139485A true JPH07139485A (ja) 1995-05-30

Family

ID=17659799

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5282991A Pending JPH07139485A (ja) 1993-11-12 1993-11-12 スクロール型コンプレッサーのシール部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07139485A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014509706A (ja) * 2011-03-29 2014-04-21 エドワーズ リミテッド スクロール圧縮機

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014509706A (ja) * 2011-03-29 2014-04-21 エドワーズ リミテッド スクロール圧縮機
US9938975B2 (en) 2011-03-29 2018-04-10 Edwards Limited Scroll compressor including seal with axial length that is greater than radial width

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20200056030A1 (en) Sealing element and/or guide ring made of a composition of polytetrafluoroethylene, perfluoroalkoxy polymer, and filler
CN111853233B (zh) 活塞环、往复式压缩机、活塞环选定方法及寿命评价方法
US20020168506A1 (en) Tip seal and seal material for scroll type compressor
EP4074969A1 (en) Shaft seal
JPH07139485A (ja) スクロール型コンプレッサーのシール部材
US5575634A (en) Sealing material for scroll-type compressor
JPS62223488A (ja) スクロ−ル型コンプレツサ−のシ−ル部材
US6255380B1 (en) Pressure-resistant, sliding tetrafluoroethylene resin composition
JPS6215280A (ja) リツプシ−ル材
JP4482262B2 (ja) スクロール型コンプレッサ用チップシール
JP3871506B2 (ja) 耐圧摺動性四フッ化エチレン樹脂組成物
JPH06340866A (ja) シール部材料
JP3162502B2 (ja) コンプレッサー用シール部材
JP2942514B2 (ja) スクロール型コンプレッサー用シールの製造方法
JP2975215B2 (ja) チップシール
JP3162501B2 (ja) コンプレッサー用シール部材
JPH03273083A (ja) スクロール型コンプレッサー用シール部材料
JPH08267613A (ja) スクロール型コンプレッサ用シール部材組成物
JP5857417B2 (ja) スクロール型冷媒圧縮機用チップシール
JPH0472345A (ja) 四フッ化エチレン樹脂組成物
JP7390177B2 (ja) 軸シール
JP3164637B2 (ja) 流体圧縮機
JP7405722B2 (ja) 軸シール
JPH08135585A (ja) 冷凍機用回転ポンプの摺動部材
JP2001074057A (ja) 滑りキー用樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080512

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090512

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees