JPH07138812A - ポリエステル繊維の製造法 - Google Patents

ポリエステル繊維の製造法

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JPH07138812A
JPH07138812A JP30584793A JP30584793A JPH07138812A JP H07138812 A JPH07138812 A JP H07138812A JP 30584793 A JP30584793 A JP 30584793A JP 30584793 A JP30584793 A JP 30584793A JP H07138812 A JPH07138812 A JP H07138812A
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JP
Japan
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particles
heat resistance
speed
polyethylene terephthalate
polyester fiber
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JP30584793A
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English (en)
Inventor
Kazunori Hashimoto
和典 橋本
Shuji Miyazaki
修二 宮崎
Naohiro Matsuo
直弘 松尾
Koji Kakumoto
幸治 角本
Akira Kanatsuki
亮 金築
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 産業資材用途、特に、ゴム補強用に適する、
良好な寸法安定性と耐熱性を兼ね備えたポリエステル繊
維を、工業的に安定して生産性よく製造することのでき
るポリエステル繊維の製造法を提供する。 【構成】 固有粘度が 0.8〜1.1 のポリエチレンテレフ
タレート又はこれを主体とするポリエステルに対し、粒
径が 0.3μm以下の四窒化ケイ素粒子又は炭化ケイ素粒
子を 0.3〜2.5 重量%添加し、溶融紡出した糸条を2800
〜4000m/分の引取速度で引き取り、紡糸に連続して、
1.5〜2.4 倍に延伸する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業資材用、特にゴム
補強用繊維に適した、熱に対する寸法安定性が優れると
同時に、耐熱性に優れたポリエステル繊維の製造法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート繊維で代表
されるポリエステル繊維は、産業資材用繊維として広く
使用されており、特に、ゴム補強用繊維として優れた性
能を有しているが、近年、高性能化への要求の高まりと
ともに、高熱環境下での寸法安定性と耐熱性を同時に満
たす繊維が要望されている。
【0003】寸法安定性を高める方法として、紡糸速度
の高速化により、分子配向度の高い未延伸糸を引き取
り、熱延伸を施す方法が知られている(特公昭63− 528
号、同63− 529号等)。また、近年、より高度な性能の
要求により、紡糸速度はさらに高速化の方向に進み、紡
糸ドラフトゾーンで配向結晶化させる方法が提案されて
いる(特開昭60−259620号、特公平3− 21647号等)。
しかし、これらの方法で製造した繊維は、分子の非晶部
分の配向度が低く、寸法安定性が優れているが、強度
は、従来の産業資材用繊維より劣っており、また、配向
度の低い非晶部がゴム中で劣化しやすいため、耐熱性が
ゴム補強用繊維とし満足されるレベルに達しないという
大きな欠点を持っている。
【0004】ゴム中での劣化を防ぐ方法として、繊維を
コード化した後のディップ処理時に、コードを劣化成分
から保護する成分を付与する方法が提案されている(特
開平2− 99667号、同2−127562号、同3− 59168号
等)。しかし、これらはいずれも繊維の表面を保護する
のみで、内部構造の改質には至っておらず、配向結晶化
を伴う高速紡糸により得た繊維に対しては、大きな効果
は期待できない。
【0005】繊維の内部構造を改良する方法としては、
プラズマ延伸法(特開平3−137219号)や、放電部分で
の延伸法(特開平5−148712号)等、新規な延伸法を採
用する方法も提案されているが、これらは、装置が大が
かりであったり、高速延伸に適していない等、工業的規
模の生産には適していない。
【0006】このように、熱に対する寸法安定性とゴム
中での耐熱性を兼ね備えたポリエステル繊維の工業的規
模での開発は、未だに達成されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、産業資材用
途、特に、ゴム補強用に適する、良好な寸法安定性と耐
熱性を兼ね備えたポリエステル繊維を、工業的に安定し
て生産性よく製造することのできるポリエステル繊維の
製造法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するもので、その要旨は、固有粘度が 0.8〜1.1 のポ
リエチレンテレフタレート又はこれを主体とするポリエ
ステルに対し、粒径が0.3μm以下の四窒化ケイ素粒子
又は炭化ケイ素粒子を 0.3〜2.5 重量%添加し、溶融紡
出した糸条を2800〜4000m/分の引取速度で引き取り、
紡糸に連続して、1.5〜2.4倍に延伸することを特徴とす
るポリエステル繊維の製造法にある。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明におけるポリエステル繊維は、実質的にポリエチレ
ンテレフタレート(PET)からなるものであり、ポリ
エステル本来の性質を損なわない程度において、耐熱
剤、難燃剤、艶消剤等の第3成分を含有していてもよ
い。固有粘度は、フェノールとテトラクロロエタンとの
等重量混合溶剤を用いて20℃での測定した値で 0.8〜1.
1 の範囲にある必要がある。固有粘度がこの範囲より低
いと、強度や耐熱性が劣ったものとなり、また、この範
囲より高いと、紡糸応力が高く、配向結晶化をコントロ
ールしにくいため、好ましくない。
【0010】本発明の特徴は、PETの溶融時に四窒化
ケイ素粒子又は炭化ケイ素粒子を添加したPETを溶融
紡糸することにある。この添加物は、高温環境下で非常
に安定であり、自身の耐熱性に優れていると同時に、P
ETに添加することにより、PETの非晶部に分散し、
繊維全体の耐熱性を向上させることが可能となる。ま
た、この添加物は、耐摩耗材としても効果があり、繊維
表面の摩耗による機械的疲労を抑制することもできる。
【0011】四窒化ケイ素粒子又は炭化ケイ素粒子の粒
径は、 0.3μm以下とする必要があり、特に 0.1±0.05
μmのものが好ましい。この範囲内であれば、PET中
での分散性に優れ、適度な結晶化を誘発するため、PE
Tの結晶構造を阻害することはなく、少量の添加であれ
ば、強度や重合度の低下を起こすこともない。粒径がこ
の範囲より大きいと、PET中での分散性が悪く、極在
する粒子のために紡糸時に応力が均一に加わらず、分子
配向に斑ができ、寸法安定性が悪くなる。また、極端な
場合には、粒子近傍に応力が集中し、切断に至ることも
ある。
【0012】四窒化ケイ素粒子又は炭化ケイ素粒子の添
加量は、ポリエステルに対し、 0.3〜2.5 重量%とする
必要があり、この範囲より少ないと効果が少なく、この
範囲より多いとポリエステルの重合度が低下する等、強
度特性に影響するため、好ましくない。
【0013】本発明においては、まず、四窒化ケイ素粒
子又は炭化ケイ素粒子を添加したPETを紡糸温度 290
〜310 ℃で溶融紡糸し、紡出糸条を、加熱筒等を配設
し、口金下方10〜15cmの範囲の雰囲気温度を 300〜350
℃とした領域を通した後、冷却することが好ましい。紡
糸温度及び雰囲気温度がこの範囲より低いと初期応力が
高すぎ、高速引取が困難になり、また、紡糸温度及び雰
囲気温度がこの範囲より高いとその後の冷却が不完全に
なる。冷却方法は、10〜30℃の冷却風を60m/分以上の
風速で20cm以上の長さにわたって吹き付けることが望ま
しい。
【0014】引取速度は、2800〜4000m/分とする必要
がある。引取速度がこの範囲より低いと、紡糸応力が低
く、配向結晶化が起こらず、寸法安定性が悪くなり、こ
の範囲より高いと、最高延伸倍率が低くなり、耐熱性が
悪くなる。
【0015】引取った糸条は、紡糸に連続して延伸する
スピンドロー法により熱延伸する。本発明の場合、スピ
ンドロー法のような高速延伸にも十分対応でき、生産性
の上でも有利である。熱延伸は二段以上の多段延伸が好
ましく、加熱方法は加熱ローラや加熱蒸気、ヒートプレ
ート、ヒートボックス等による方法があり、特に限定さ
れるものではない。総延伸倍率は 1.5〜2.4 倍とする必
要がある。総延伸倍率がこの範囲より低いと、強度、耐
熱性ともに劣ったものになり、この範囲より高いと、良
好な寸法安定性が保てなくなる。
【0016】本発明では、上記の製造法により、強度が
6.8g/d以上、 180℃での乾熱収縮率が 3.6%以下の
ポリエステル繊維が製造でき、ディップコードにしたと
きの177℃での乾熱収縮率を 1.5%以下、ゴム中 160℃
での3時間後の強力保持率を70%以上とすることができ
る。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、本発明における特性値の測定法は次のとおり
である。 (a) 強伸度 島津製作所製オートグラフS−100 を用い、試料長25c
m、引っ張り速度30cm/分の条件で測定した。 (b) 乾熱収縮率 原糸については、 180℃で30分間無張力下で熱処理し、
ディップコードについては、 177℃で 0.015g/dの荷
重をかけて熱処理して測定した。 (c) ゴム中耐熱性 ディップコードをゴム中に埋め込み、温度 160℃、圧力
25kg/cm2 で3時間加硫し、取り出したコードの強力を
測定し、埋め込む前の強力に対する強力保持率を算出し
た。
【0018】実施例1 固有粘度が 0.9のPETチップに対し、粒径が 0.1±0.
05μmの範囲にある四窒化ケイ素粒子を表1に示す添加
量で添加し、混合したものをエクストルーダー型溶融紡
糸機に供給し、直径 0.5mmの紡糸孔を 500個有する紡糸
口金から紡糸温度 305℃で紡出し、口金直下に配設した
長さ12.5cm、温度 330℃の加熱筒を通した後、長さ30cm
の円筒型冷却装置より、風速60m/分、温度18℃の冷却
風を糸条に吹付け、70℃の加熱引取ローラで引取り、引
取ローラと 140℃の第1延伸ローラとの間で1.25倍に延
伸し、次いで、第1延伸ローラと 200℃の第2延伸ロー
ラとの間で延伸後、第2延伸ローラと 200℃の熱処理ロ
ーラとの間で0.97倍の弛緩熱処理を行った後、巻取り、
1500d/500 fのポリエステル繊維を得た。その際、引
取速度及び引取りローラと第2延伸ローラとの間の総延
伸倍率を表1に示す値に設定し、 No.1〜6の繊維を得
た。得られた繊維の物性を測定した値を表1に示す。な
お、 No.1、2が本発明例で No.3〜6は比較例であ
る。
【0019】
【表1】
【0020】さらに、 No.1〜6の原糸をリング撚糸機
によりZ方向に39回/10cmの下撚をかけ、下撚をかけた
ものを2本合糸してS方向に39回/10cmの上撚をかけて
生コードとした。次いで、リッツラー社製ディッピング
マシンを用い、固形分15%のRFL液を3.5〜4.0 %付
着させ、乾燥ゾーン 160℃×60秒、熱処理ゾーン 240℃
×50秒×2回の条件で処理し、ディップコードとした。
ディップコードの強度、強力保持率(原糸の強力に対す
る)、乾熱収縮率及びゴム中での耐熱性を測定した結果
を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】本発明例の No.1、2では、いずれもディ
ップコードでの乾熱収縮率が 1.5%以下で、ゴム中での
耐熱性は70%以上であった。一方、 No.3では、四窒化
ケイ素粒子の添加量が多いため、紡糸調子が悪く、延伸
倍率が低くなり、コードの強度、乾熱収縮率、耐熱性と
もに不満足であった。 No.4では、四窒化ケイ素粒子無
添加のため、耐熱性が劣り、 No.5では、引取速度が低
いため、延伸倍率が高くなり、乾熱収縮率が高かった。
No.6では、引取速度が高いため、延伸倍率が低くな
り、強度と耐熱性が低かった。
【0023】実施例2 四窒化ケイ素粒子の代わりに、粒径が 0.1±0.03μmの
範囲にある炭化ケイ素粒子を用い、実施例1と同様に実
施した。結果を表3及び表4に示す。なお、 No.7、8
が本発明例で No.9〜12は比較例である。
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、産業資材用途、特に、
ゴム補強用に適する、良好な寸法安定性と耐熱性を兼ね
備えたポリエステル繊維を、工業的に安定して生産性よ
く製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角本 幸治 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 金築 亮 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固有粘度が 0.8〜1.1 のポリエチレンテ
    レフタレート又はこれを主体とするポリエステルに対
    し、粒径が 0.3μm以下の四窒化ケイ素粒子又は炭化ケ
    イ素粒子を 0.3〜2.5 重量%添加し、溶融紡出した糸条
    を2800〜4000m/分の引取速度で引き取り、紡糸に連続
    して、 1.5〜2.4 倍に延伸することを特徴とするポリエ
    ステル繊維の製造法。
JP30584793A 1993-11-10 1993-11-10 ポリエステル繊維の製造法 Pending JPH07138812A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1431337A3 (en) * 2002-12-18 2006-02-15 Eastman Chemical Company Polyester compositions containing silicon carbide
CN103614796A (zh) * 2013-12-03 2014-03-05 紫罗兰家纺科技股份有限公司 一种凉感蜂窝纤维的生产方法
CN107974056A (zh) * 2016-10-21 2018-05-01 合肥杰事杰新材料股份有限公司 一种碳纤维增强聚对苯二甲酸乙二醇酯组合物及其制备方法

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CN103614796A (zh) * 2013-12-03 2014-03-05 紫罗兰家纺科技股份有限公司 一种凉感蜂窝纤维的生产方法
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