JP2005068635A - ゴム補強用ポリエステル繊維およびディップコード - Google Patents

ゴム補強用ポリエステル繊維およびディップコード Download PDF

Info

Publication number
JP2005068635A
JP2005068635A JP2004357536A JP2004357536A JP2005068635A JP 2005068635 A JP2005068635 A JP 2005068635A JP 2004357536 A JP2004357536 A JP 2004357536A JP 2004357536 A JP2004357536 A JP 2004357536A JP 2005068635 A JP2005068635 A JP 2005068635A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
strength
dip
dtex
cord
elongation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004357536A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanao Kobashi
正直 小橋
Katsutoshi Imaoka
克利 今岡
Mitsuhiro Sakuta
光浩 作田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2004357536A priority Critical patent/JP2005068635A/ja
Publication of JP2005068635A publication Critical patent/JP2005068635A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Artificial Filaments (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

【課題】
高弾性率かつ低収縮性を有すると共に、ディップ処理時の強力利用率に優れる、ゴム補強用ポリエステル繊維およびディップコードを提供する。
【解決手段】
分子鎖の全繰返し単位の90モル%以上がポリエチレンテレフタレートからなるポリエステル繊維であって、固有粘度(IV)が0.85dl/g以上であり、下記(a)〜(d)の特性を同時に満足することを特徴とするポリエステル繊維。
(a)強度≧6.0 cN/dtex
(b)強度×(切断伸度)0.5≦26.0 cN/dtex・%0.5
(c)単糸繊度≦5.0 dtex
(d)110Hzの動的粘弾性測定における損失正接(tanδ)の主分散ピーク温度≦147.0℃

Description

本発明はタイヤコード、Vベルト、コンベアベルト、ホース等の産業用資材に適用されるポリエステル繊維に関するものである。特にゴム補強用として使用される、ディップコードが高弾性率かつ低収縮性を有すると共に、ディップ処理時の強力利用率に優れる、ポリエステル繊維に関するものである。
ポリエステル繊維は機械的性質、寸法安定性、耐久性に優れ、衣料用途のみでなく産業用途、なかでもタイヤコード、Vベルト、コンベアベルト、ホースなどゴム補強用に広く利用されている。タイヤコード用途では、乗用車用タイヤのラジアル化が進み、高速走行時の乗り心地や操縦安定性が優れ、かつ、燃費節約のため、軽量であることが要求されており、そのためカーカスプライ用ディップコードとしては、高弾性率かつ低収縮性であり、しかも高強度である繊維が強く求められている。
これらの特性に優れたポリエチレンテレフタレート繊維の製造方法としては、ポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸した後、1000〜3000m/minの比較的高い紡糸速度で引取ることにより、複屈折率が0.02〜0.07の高配向未延伸糸いわゆるPOYを得て、このPOYを1.5〜3.5倍の低い倍率で熱延伸する方法が知られている。(以下POY方式と称する)かかる方法によって得られたポリエステル繊維は、溶融紡糸後、1000m/min以下の低紡糸速度で引取った複屈折率が0.01以下の低配向未延伸糸を4〜7倍の高倍率で熱延伸する方法(以下、UDY方式と称する)によって得られる高強度繊維と比較して、高弾性率、低収縮性を実現する技術として極めて優れている。
しかしながら、POY方式によるポリエステル繊維は、前記のような優れた特性を有する反面、UDY方式によるポリエステル繊維に比して強度および切断伸度が明らかに低く、この様に繊維の切断伸度が低いと撚糸時およびディップ処理時の強力低下が大きくなり、ディップコードとしての、強力が低く不十分なものであった。
かかる要求に対し例えば、特許第2569720号公報では、切断伸度≧11%で、かつ強伸度積が30〜36g/d・%0.5(26.5〜31.8 cN/dtex・%0.5)である、原糸を用いることで、ディップ処理時の強力利用率に優れ、高強度なディップコードが得られるが、寸法安定性については、レーヨン代替を視野に入れた、近年の更なる高弾性率、低収縮性の要求レベルを満足するものではない。
また、特許第2775923号公報では、強伸度積≧中間伸度+乾熱収縮率+22.0である原糸を用いることで、高強度なディップコードが得られているが、ディップコードの寸法安定性については明記されておらず、そのレベルが不明である。
本発明は以上の事情を背景としてなされたものであり、レーヨン代替を視野に入れた、高弾性率かつ低収縮性を有すると共に、ディップ処理時の強力利用率に優れる、ゴム補強用ポリエステル繊維およびディップコードを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段、即ち本発明の第1は、分子鎖の全繰返し単位の90モル%以上がポリエチレンテレフタレートからなるポリエステル繊維であって、固有粘度(IV)が0.85dl/g以上であり、下記(a)〜(d)の特性を同時に満足することを特徴とするポリエステル繊維であり、
(a)強度≧6.0 cN/dtex
(b)強度×(切断伸度)0.5≦26.0 cN/dtex・%0.5
(c)単糸繊度≦5.0 dtex
(d)110Hzの動的粘弾性測定における損失正接(tanδ)の主分散ピーク温度≦147.0℃
第2は、強度×(切断伸度)0.5が25.0 cN/dtex・%0.5以下である特許請求項1記載のポリエステル繊維であり、
第3は、強度×(切断伸度)0.5が25.0 cN/dtex・%0.5以下である特許請求項1記載のポリエステル繊維であり、
第4は、強度×(切断伸度)0.5が23.0 cN/dtex・%0.5以下である特許請求項1記載のポリエステル繊維であり、
第5は、請求項1〜4記載のいずれかに記載のポリエステル繊維からなる原糸を1本または複数本撚糸して下撚糸となし、下撚糸を2本以上撚り合わせ生コードとなし、該生コードをディップ処理して得られるディップコードが下記(a)および(b)の特性を同時に満足することを特徴とする、ポリエステルディップコードであり、
(a)ディップ処理時の強力利用率(ディップコード強力/生コード強力)≧96%
(b)中間伸度+乾熱収縮率≦7.5%
第6は、ディップ処理時の強力利用率(ディップコード強力/生コード強力)が98%以上である特許請求項5記載のポリエステルディップコードである。
本発明で用いられるポリエステル繊維は分子鎖の全繰返し単位の90モル%以上がポリエチレンテレフタレートからなり、固有粘度[IV]は0.85dl/g以上であることが必要である。固有粘度[IV]が0.85未満では、高強度、高耐久性など、ゴム補強材としての基本的な特性を満足するこができない。また、製糸性など操業性の面から、固有粘度[IV]は1.10以下、好ましくは1.00以下である。
本発明に言う強伸度積は、ポリエステル繊維のタフネス(繊維を切断するのに必要な仕事量)に相当するメジャーであり、従来技術、例えば特許第2569720号公報では、原糸の切断伸度が11%以上で、かつ強伸度積を30〜36g/d・%0.5(26.5〜31.8 cN/dtex・%0.5)とすることで、特許第2775923号公報では強伸度積≧(中間伸度+乾熱収縮率)+22.0とすることで高強度なディップ処理コードを得ている。これら、2つの公報においては、いずれも原糸の強伸度積を大きくすることで、撚糸時およびディップ処理時の強力低下を軽減させ、優れたディップコード強力を得ることが特徴である。
これに対し、本発明者が鋭意検討した結果、強伸度は、強度≧6.0 cN/dtexかつ強度×(切断伸度)0.5≦26.0 cN/dtex・%0.5、好ましくは、強度×(切断伸度)0.5≦25.0 cN/dtex・%0.5、更に好ましくは、強度×(切断伸度)0.5≦24.0 cN/dtex・%0.5、特に、強度×(切断伸度)0.5≦23.0 cN/dtex・%0.5であって、従来技術に比して非常に低強伸度積であるにもかかわらず、請求項1の(c)式および(d)式を同時に満足させることで、ディップ処理時の強力利用率を極めて高く維持できるという、まさに驚くべき事実を見出した。
すなわち、本発明のポリエステル繊維においては、ディップ処理時の強力利用率が極めて高いため、操業安定性の観点から原糸強度を低くしても、最終的に求められるディップコード強度は犠牲にならない特徴を有する。
また、特許第2569720号公報の実施例では、高強伸度積を得るため、固有粘度[IV]1.3〜1.8のレジンチップを用い、固有粘度[IV]1.05〜1.15の繊維を得ているが、本発明では固有粘度[IV]0.95のレジンチップを用い、固有粘度[IV]0.89〜0.90の繊維により、課題を解決しており、特許第2569720号公報に比して非常に低粘度であり、かつ紡糸工程での固有粘度低下が小さいことが特徴と言える。これによりレジンチップのコスト面でのメリットを生じることや、紡糸溶融押出し時に熱劣化物が発生し難く、良好な操業性を得ることが出来る。
単糸繊度は、更なる高弾性、低収縮性を満足させるには5dtex以下であることが必要である。5dtex以上では、高弾性、低収縮性に劣るだけでなく、ディップ時の強力利用率を極めて高く維持することができない。
単糸繊度が寸法安定性、ディップ処理時の強力利用率に寄与する理由は、定かでないが、紡糸工程での、冷却固化時の単繊維内の応力分布差が小さくなり、単繊維内外層のユニフォミティーが向上しているためと考えている。
この作用は、紡糸工程での、冷却風の温度を50℃以上、好ましくは60℃以上とすることで、更に優れた相乗効果を得る事が出来る。
110Hzの動的粘弾性測定における損失正接(tanδ)の主分散ピーク温度(以下Tαと称する)は非晶鎖の拘束性の程度を示すメジャーであり、Tαが低いということは、非晶鎖の拘束性が弱いことを意味している。
レーヨン代替を視野に入れた、高弾性率、低収縮性を得るにはTα≦147.0℃であることが必要である。Tα>147.0℃では、低収縮性を満足するための原糸ポテンシャルが不十分である。また、Tαは未延伸糸の複屈折率および比重、つまり紡糸工程での配向結晶化の程度とよい対応を示しており、本発明の請求範囲であるTα≦147℃は、実施例に示す様な、紡糸条件下において、未延伸糸の複屈折率≧0.075、未延伸糸の比重≧1.355に相当し、高度に配向結晶化が進んでいる領域である。
次いで、生コードは本発明のポリエステル繊維からなる原糸を1本または複数本を撚糸して下撚糸となし、下撚糸を2本以上撚り合わせたものである。撚数は特に限定されるものでなく、下撚数と上撚数は、同じであっても、異なっていても良い。
本発明のディップ処理条件も特に限定されるものではなが、好ましい例としては、常法に従い処理液はレゾルシン・ホルマリン・ラテックスを基本とし、クロロフェノール系のキャリアー、エポキシやイソシアネートなどの接着助剤を併用した、1浴または、2浴以上の多段熱処理を行うことが望ましい。また、ヒートセット工程およびノルマライズ工程の熱処理温度は210〜250℃であることが望ましい。
ディップ処理時の強力利用率は、高ディップコード強力を維持するためには、ディップ処理時の強力利用率≧96%が必要である。好ましくは、ディップ処理時の強力利用率≧98%であって、更には100%以上である。96%未満では、高ディップコード強力を維持するため原糸強度を高くする必要があり、製糸操業性が低下する問題がある。もしくは、ディップコード強力の不足分を、簾織物のコード打込み密度を上げる、より高繊度な原糸を用いるなどの手法により補う場合は、軽量化やコスト面でのデメリットが生じることになる。
尚、特許第2569720号公報の実施例においては、原糸の強伸度積30〜36g/d・%0.5(26.5〜31.8cN/dtex・%0.5)であり、本発明の原糸の強伸度積≦26.0 cN/dtex・%0.5に比して非常に高いが、実施例でのディップ処理時の強力利用率は約95〜96%に止まっており、本発明の強力利用率がいかに優れているかは明白である。
中間伸度+乾熱収縮率は、コードの寸法安定性を示すメジャーである。中間伸度はコードの弾性率に相当するメジャーであり、中間伸度が低いということは、弾性率が高いことを示している。つまり、中間伸度と乾熱収縮率の和が小さいということは、高弾性と低収縮性を同時に併せ持つということである。中間伸度と収縮率の配分は特に限定されるものではないが、加硫条件や用途により適正なバランスが存在する。かかる観点から、レーヨン代替を視野に入れたディップコードでは中間伸度+乾熱収縮率≦7.5%であることが必要であり、特許第2569720報の実施例が約8.0%に比して、本発明では、飛躍的に寸法安定性を向上させている。
以下実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお各物性値は下記の方法により測定したものである。
(固有粘度)
ポリマーを0.4g/dlの濃度で、パラクロロフェノール/テトラクロロエタン=3/1混合溶媒に溶解し、30℃において測定した。
(繊度)
JIS−L1017の定義より、20℃、65%RHの温湿度管理された部屋で24時間放置後、繊度を測定した。
(強伸度)
JIS−L1017の定義より、20℃、65%RHの温湿度管理された部屋で24時間放置後、引張試験機により、強力、破断伸度、中間伸度を測定した。なお、原糸の中間伸度荷重は、4.0cN×試料の基準繊度、生コードおよびディップ処理コードの中間伸度荷重は、2.0cN×試料の基準繊度で定義される。コードの基準繊度は、例えば1440dtex/2の場合は2880dtexである。
(動的粘弾性)
初期試長4.0cmで500dtex相当になるよう引き揃えられた試料を、周波数110Hz、初荷重0.009cN/dtex、室温から昇温速度1℃/minで測定し、損失正接(tanδ)の主分散ピーク温度を求めた。
(収縮率)
JIS−L1017の定義より、20℃、65%RHの温湿度管理された部屋で24時間放置後、無荷重状態で、乾燥機内で150℃×30min熱処理し、熱処理前後の試長差より求めた。
(寸法安定性指数)
上記、中間伸度と収縮率の和で、寸法安定性のメジャーとした。
[実施例1]
原糸製造方法は、固有粘度[IV]0.95のポリエチレンテレフタレートチップを、紡糸温度310℃で、孔数336の紡糸口金より、繊度が1440dtexになるよう吐出量を調整し、紡糸筒内で70℃、1.0m/secの冷却風にて冷却固化せしめた糸条を紡糸速度3400m/minで引き取った後(未延伸糸の複屈折率は0.089、比重は1.368であった)、引き続き、強度が6.9cN/dtex、中間伸度が約5.5%になるよう、延伸・弛緩熱処理を行ったものである。次いで、生コードは該原糸を2本撚り合わせ、1440dtex/2、撚数43×43(t/10cm)を得た。ディップコードは、該生コードをレゾルシン−ホルマリン−ラテックス(以下RFLと称する)とバルナックス社製の“バルカボンドE”の混合液からなる第1処理液中に浸漬させた後、120℃のオーブンで56秒間乾燥させた後、240℃のオーブンで4.0%の伸長率を与えながら45秒間緊張熱処理を施した。引き続きをRFLからなる第2処理液中にコードを浸漬させた後、120℃のオーブンで56秒乾燥させた後、2.0%の弛緩率を与えながら235℃のオーブンで45秒間弛緩熱処理を施し得たものである。ディップコードの寸法安定性向上を飛躍的に向上させた例であり、かつ、ディップ処理時の強力利用率が優れるため、比較例1,3と比べて、原糸強力が低いにもかかわらず、ディップコード強力は上回っている。
[実施例2]
実施例1と同様の製造方法において、同じ未延伸糸から、強度が6.4cN/dtex、中間伸度が約5.5%になるよう、延伸・弛緩熱処理を行ったものである。生コード構成、ディップ処理条件は実施例1と同様である。最終的なディップコード強力を比較例1,3と同等に合せた例であり、ディップ処理時の強力利用率が極めて優れるため、原糸強力を大幅に低く設定することができ、その結果、寸法安定性向上と操業性向上を両立させることが可能となった。
[実施例3]
実施例1と同様の製造方法において、70℃、0.8m/secの冷却風にて冷却固化せしめた糸条を紡糸速度3200m/minで引き取った後(未延伸糸の複屈折率は0.078、比重は1.356であった)、引き続き、強度が7.1cN/dtex、中間伸度が約5.5%になるよう、延伸・弛緩熱処理を行ったものである。生コード構成、ディップ処理条件は実施例1と同様である。実施例1の紡糸速度を若干下げた例であり、ディップコード強力の向上を重視した例である。
[実施例4]
実施例1と同様の製造方法において、孔数380の紡糸口金に変更し、70℃、1.0m/secの冷却風にて冷却固化せしめた糸条を紡糸速度3200m/minで引き取った後(未延伸糸の複屈折率は0.080、比重は1.360であった)、引き続き、強度が7.1cN/dtex、中間伸度が約5.5%になるよう、延伸・弛緩熱処理を行ったものである。生コード構成、ディップ処理条件は実施例1と同様である。実施例の中で、最も単糸繊度を下げた例であり、実施例3との比較より、単糸繊度を低くすることで、ディップコード寸法安定性、強力利用率ともに向上することが判る。また、実施例1〜4において、強伸度積が小さい程、またTαが低い程、ディップ処理時の強力利用率が向上することが判る。
[比較例1]
実施例1と同様の製造方法において、70℃、0.8m/secの冷却風にて冷却固化せしめた糸条を紡糸速度3000m/minで引き取った後(未延伸糸の複屈折率は0.072、比重は1.347であった)、引き続き、強度が7.1cN/dtex、中間伸度が約5.5%になるよう、延伸・弛緩熱処理を行ったものである。生コード構成、ディップ処理条件は実施例1と同様である。Tαが請求範囲から外れており、その結果、ディップコードの寸法安定性、強力利用率ともに不十分なものとなっている。
[比較例2]
実施例1と同様の製造方法において、孔数250の紡糸口金に変更し、70℃、0.8m/secの冷却風にて冷却固化せしめた糸条を紡糸速度3500m/minで引き取った後(未延伸糸の複屈折率は0.085、比重は1.363であった)、引き続き、強度が6.9cN/dtex、中間伸度が約5.5%になるよう、延伸・弛緩熱処理を行ったものである。生コード構成、ディップ処理条件は実施例1と同様である。単糸繊度が請求範囲から外れており、その結果、ディップコードの強力利用率が不十分なものとなっている。
[比較例3]
実施例1と同様の製造方法において、孔数250の紡糸口金に変更し、70℃、0.8m/secの冷却風にて冷却固化せしめた糸条を紡糸速度3200m/minで引き取った後(未延伸糸の複屈折率は0.075、比重は1.345であった)、引き続き、強度が7.1cN/dtex、中間伸度が約5.5%になるよう、延伸・弛緩熱処理を行ったものである。生コード構成、ディップ処理条件は実施例1と同様である。単糸繊度とTαが請求範囲から外れており、その結果、ディップコードの寸法安定性、強力利用率ともに不十分なものとなっている。
[比較例4]
実施例1と同様の製造方法において、固有粘度[IV]1.10の高粘度レジンを用い、孔数250の紡糸口金に変更し、70℃、0.8m/secの冷却風にて冷却固化せしめた糸条を紡糸速度3000m/minで引き取った後(未延伸糸の複屈折率は0.071、比重は1.350であった)、引き続き、強度が7.4cN/dtex、中間伸度が約5.5%になるよう、延伸・弛緩熱処理を行ったものである。生コード構成、ディップ処理条件は実施例1と同様である。 強伸度積、単糸繊度、Tα、いずれも請求範囲から外れている。その結果、原糸強度が高いにもかかわらず、強力利用率が低くいため、ディップコード強力は実施例3と同等レベルに止まっている。また、寸法安定性も不充分である。
上記した、実施例1〜4および比較例1〜4の原糸製造条件および物性を以下の表1に、生コード物性を以下の表2に、ディッププコード物性を以下の表3に示す。
Figure 2005068635
Figure 2005068635
Figure 2005068635
発明の効果
本発明のゴム補強用ポリエステル繊維およびディップコードは、高弾性率かつ低収縮性を向上させる為、従来犠牲となっていた、ディップコード強度の低下を、ディップ処理時の強力利用率を飛躍的に向上させることで解消したものであり、従来にない高弾性率、低収縮性と高強度を両立させたゴム補強用ポリエステル繊維およびディップコードを提供することが出来る。

Claims (2)

  1. 分子鎖の全繰返し単位の90モル%以上がポリエチレンテレフタレートからなるポリエステル繊維であって、固有粘度(IV)が0.85dl/g以上であり、下記(a)〜(d)の特性を同時に満足することを特徴とするポリエステル繊維。
    (a)強度≧6.0 cN/dtex
    (b)強度×(切断伸度)0.5≦26.0 cN/dtex・%0.5
    (c)単糸繊度≦5.0 dtex
    (d)110Hzの動的粘弾性測定における損失正接(tanδ)の主分散ピーク温度≦147.0℃
  2. 請求項1に記載のポリエステル繊維からなる原糸を1本または複数本撚糸して下撚糸となし、下撚糸を2本以上撚り合わせ生コードとなし、該生コードをディップ処理して得られるディップコードが下記(a)および(b)の特性を同時に満足することを特徴とする、ポリエステルディップコード。
    (a)ディップ処理時の強力利用率(ディップコード強力/生コード強力)≧96%
    (b)中間伸度+乾熱収縮率≦7.5%
JP2004357536A 2000-07-28 2004-12-10 ゴム補強用ポリエステル繊維およびディップコード Withdrawn JP2005068635A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004357536A JP2005068635A (ja) 2000-07-28 2004-12-10 ゴム補強用ポリエステル繊維およびディップコード

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000228891 2000-07-28
JP2004357536A JP2005068635A (ja) 2000-07-28 2004-12-10 ゴム補強用ポリエステル繊維およびディップコード

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001101023A Division JP2002105751A (ja) 2000-07-28 2001-03-30 ゴム補強用ポリエステル繊維およびディップコード

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005068635A true JP2005068635A (ja) 2005-03-17

Family

ID=34424980

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004357536A Withdrawn JP2005068635A (ja) 2000-07-28 2004-12-10 ゴム補強用ポリエステル繊維およびディップコード

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005068635A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012036521A (ja) * 2010-08-05 2012-02-23 Teijin Fibers Ltd 伝動ベルト補強用ポリエステルコード

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59168119A (ja) * 1983-03-15 1984-09-21 Touyoubou Pet Koode Kk 熱寸法安定性にすぐれたポリエステル高強力糸の製造法
JPS6119812A (ja) * 1984-07-09 1986-01-28 Teijin Ltd ポリエステル繊維
JPS6141320A (ja) * 1984-08-02 1986-02-27 Teijin Ltd ポリエステル繊維
JPH07173712A (ja) * 1993-12-20 1995-07-11 Asahi Chem Ind Co Ltd ポリエステル繊維の製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59168119A (ja) * 1983-03-15 1984-09-21 Touyoubou Pet Koode Kk 熱寸法安定性にすぐれたポリエステル高強力糸の製造法
JPS6119812A (ja) * 1984-07-09 1986-01-28 Teijin Ltd ポリエステル繊維
JPS6141320A (ja) * 1984-08-02 1986-02-27 Teijin Ltd ポリエステル繊維
JPH07173712A (ja) * 1993-12-20 1995-07-11 Asahi Chem Ind Co Ltd ポリエステル繊維の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012036521A (ja) * 2010-08-05 2012-02-23 Teijin Fibers Ltd 伝動ベルト補強用ポリエステルコード

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5727675B2 (ja) ポリエチレンテレフタレート延伸糸の製造方法、ポリエチレンテレフタレート延伸糸およびタイヤコード
JP4771612B2 (ja) ポリケトンコードおよびその製造方法
KR20120072860A (ko) 형태안정성이 우수한 고모듈러스 폴리에스터 타이어코드의 제조방법
KR101225584B1 (ko) 치수안정성이 우수한 폴리에틸렌테레프탈레이트 필라멘트
KR20230074574A (ko) 탄성중합체 제품, 특히 차량 타이어를 위한, 적어도 하나의 제1 얀을 갖는 고무화된 강도 부재, 고무화된 강도 부재의 제조 방법, 및 적어도 하나의 고무화된 강도 부재를 갖는 차량 타이어
KR101338505B1 (ko) 폴리에틸렌테레프탈레이트 연신사의 제조방법, 연신사, 타이어 코오드의 제조방법, 및 타이어 코오드
KR20150097126A (ko) 형태안정성이 우수한 폴리에틸렌테레프탈레이트 딥코드, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 타이어
KR20150097125A (ko) 형태안정성이 우수한 폴리에틸렌테레프탈레이트 딥코드, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 타이어
EP1176233B1 (en) Polyester fibers for rubber reinforcement and dipped cords using same
US20050161854A1 (en) Dimensionally stable yarns
KR101551425B1 (ko) 고강력 폴리에스터 원사 및 타이어코드의 제조방법
JP2005068635A (ja) ゴム補強用ポリエステル繊維およびディップコード
KR100528194B1 (ko) 고강력 고탄성 폴리에스테르 섬유 및 제조방법
KR20230048641A (ko) 재생가능한 타이어 코드용 폴리아미드 멀티필라멘트 섬유 및 그를 포함하는 타이어 코드
KR20170091968A (ko) 내피로도가 우수한 폴리에틸렌테레프탈레이트 코드의 제조방법
KR20170082891A (ko) 내피로성이 우수한 모터사이클용 타이어용 폴리에틸렌테레프탈레이트 딥코드의 제조방법
JPS60185833A (ja) ゴム補強用ポリエステル繊維デイツプコ−ド
KR101552697B1 (ko) 폴리에틸렌테레프탈레이트 연신사의 제조방법, 폴리에틸렌테레프탈레이트 연신사 및 타이어 코오드
KR20100006195A (ko) 아라미드 타이어 코오드 및 그의 제조방법
KR101007331B1 (ko) 폴리에스테르 멀티 필라멘트사의 제조 방법, 이로부터제조된 폴리에스테르 멀티 필라멘트사 및 이를 포함하는폴리에스테르 타이어 코오드
JPS593578B2 (ja) 高タフネスポリエステルコ−ドの製造法
JPH05195359A (ja) ゴム補強用コード
KR100230664B1 (ko) 고무보강용 폴리에스테르 섬유 및 그 제조방법
KR800000068B1 (ko) 고무 구조물 보강용 폴리에스테르 필라멘트의 제조법
KR102301287B1 (ko) 내열성과 접착력이 우수한 바이어스 타이어용 폴리에틸렌테레프탈레이트 딥코드의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Effective date: 20041210

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

A521 Written amendment

Effective date: 20041210

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080324

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110111

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20110204