JPH07138636A - 鋳鉄の黒鉛化処理方法 - Google Patents

鋳鉄の黒鉛化処理方法

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JPH07138636A
JPH07138636A JP5306003A JP30600393A JPH07138636A JP H07138636 A JPH07138636 A JP H07138636A JP 5306003 A JP5306003 A JP 5306003A JP 30600393 A JP30600393 A JP 30600393A JP H07138636 A JPH07138636 A JP H07138636A
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time
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heating
graphitizing
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Takashi Morikawa
隆 森川
Shinji Shibata
眞志 柴田
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Toyota Motor Corp
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    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D5/00Heat treatments of cast-iron
    • C21D5/04Heat treatments of cast-iron of white cast-iron
    • C21D5/06Malleabilising
    • C21D5/14Graphitising
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
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    • C21D1/00General methods or devices for heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering
    • C21D1/34Methods of heating
    • C21D1/42Induction heating
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は鋳鉄の黒鉛化に関し、特に可鍛鋳鉄
鋳物における白銑組織の黒鉛化に際し、処理時間の短縮
および機械的特性の改善可能な鋳鉄の黒鉛化処理方法を
提供する。 【構成】 化学成分が、重量%で、3.0%≦C+1/
3Si≦4.5%、1.0%≦Si≦4.5%、2.0
%≦Cを満足する組成からなる白銑組織の鋳鉄を黒鉛化
するに際し、加熱温度を900〜1050℃とし、かつ
加熱速度が900℃までの昇温時間で、60秒以下にな
るように昇温し、その後焼なましすることを特徴とし、
さらに鋳鉄の黒鉛化処理方法において、加熱温度まで昇
温後、該温度での保持時間を、鋳鉄の黒鉛化が材料内部
まで均質になされるに要する時間に到らない時間とする
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋳鉄の黒鉛化に関し、特
に可鍛鋳鉄鋳物における白銑組織の黒鉛化に際し、焼な
ましの短縮および機械的特性の改善可能な鋳鉄の黒鉛化
処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】可鍛鋳鉄は鋳造性が良く、しかも熱処理
を施すことによって鋳鋼のように延性に富み、強靱な特
性を有するので、機械構造用材料として重要なものであ
る。この可鍛鋳鉄には白心可鍛鋳鉄、黒心可鍛鋳鉄、特
殊な基地を有するもの等に分類される。この内、黒心可
鍛鋳鉄においては、可鍛鋳鉄鋳物として鋳放しのままで
は白銑組織を呈しており、これは硬くて脆いため、その
製造工程において焼なましによる黒鉛化処理を行ってい
る。
【0003】この焼なまし条件は、多くの他の鋳造要因
によって、その時間および温度が決定されるが、通常で
はこの焼なましは二段階の焼なまし工程を含むものであ
る。その第一段焼なましは900〜980℃の温度で、
10ないし20時間を要し、この処理で遊離のセメンタ
イトは完全に分解され、第二段焼なましでは直接的な黒
鉛化を目的とした700〜760℃の温度範囲での徐冷
とパーライト中のセメンタイトを黒鉛化する700〜7
30℃の範囲での長時間処理が組み合わされて行われて
いる。このように、全焼なまし工程に要する時間は、通
常では20〜100時間程度を要しており、特に焼なま
し温度までの昇温時間として10〜20時間程度を要し
ている。(朝倉書店、「鋳鋼、鋳鉄」頁254〜257
等)
【0004】このように、可鍛鋳鉄鋳物では黒鉛化処理
に長時間を要するため、著しく生産性が悪く、また長時
間の加熱により、表面の酸化、脱炭が生ずるため、これ
を抑止するため雰囲気加熱の必要から、さらに処理コス
トが上昇する問題がある。また、この黒鉛化処理におい
ては、焼なましサイクルの不適当による焼なまし不完
全、すなわち焼なまし温度の低過ぎ、または処理時間の
不足による組織不良の発生、もしくは片状黒鉛の発生等
による不良品の発生を防止することが重要となってい
る。
【0005】さらに、従来の処理法では、焼なましサイ
クルが適正であるにもかかわらず、処理後の黒鉛化組織
において、析出した黒鉛があまり球状微細化されていな
い傾向があり、このため、十分に満足できる特性を備え
た黒鉛化処理とは言えなかった。特に強度、延性バラン
スや疲労強度の面で、通常のねずみ鋳鉄に比較してあま
り可鍛鋳鉄としての優位性がなく、さらにこれら特性面
から向上させることが望まれている。
【0006】上記のごとく、可鍛鋳鉄の黒鉛化処理にお
ける昇温時間の短縮等、焼なましサイクルの短縮化も考
えられてはいたが、単純に従来の鋳鉄材料を昇温時間を
短くして焼なましを施した場合、黒鉛化が進まなくなっ
たり、さらにこれが原因となり、黒鉛が粗大となってし
まう等の問題が生じ、未だ焼なましサイクルを大幅に短
縮することを実現するに到っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来の問題に鑑み、可鍛鋳鉄鋳物の黒鉛化処理時間の短
縮を可能とするため、鋳造状態にて完全な白銑組織にな
る冷却速度を確保して、これによって凝固時の初晶およ
び共晶で発生する黒鉛を出来るだけ抑止することを条件
として、焼なましサイクルの加熱温度および昇温速度の
最適化をなすことにより、鋳鉄の迅速黒鉛化処理方法を
提供することである。
【0008】本発明の別の目的は、短時間の黒鉛化処理
後の黒鉛の形状および分布を調整することによって、従
来の強度、延性のバランスをさらに向上する鋳鉄の迅速
黒鉛化処理方法を提供することである。さらに、本発明
の他の目的は、鋳鉄の表面のみの黒鉛の形状、分布を調
整するために、表面部の黒鉛化深さから、加熱温度、保
持時間および昇温時間を適正化した焼なましを施すこと
によって、従来の可鍛鋳鉄材料の耐疲労性を改善可能と
する迅速黒鉛化処理方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的が、化学成分
が、重量%で、3.0%≦C+1/3Si≦4.5%、
1.0%≦Si≦4.5%、2.0%≦Cを満足する組
成からなる白銑組織の鋳鉄を黒鉛化するに際し、加熱温
度を900〜1050℃とし、かつ加熱速度が900℃
までの昇温時間で、60秒以下になるように昇温し、そ
の後焼なましすることによって達成される。また、鋳鉄
の黒鉛化処理方法において、加熱温度まで昇温後、該温
度での保持時間を、鋳鉄の黒鉛化が均質になされるに要
する時間までに到らない時間とすることを特徴とする鋳
鉄の黒鉛化処理方法によっても達成される。
【0010】
【作用】本発明は可鍛鋳鉄鋳物の黒鉛化処理時間の短縮
化をはかるために、完全な黒鉛の晶出していない白銑組
織を基本として、その後黒鉛化温度までの昇温速度を規
制することによって、Cの拡散を抑えた状態もしくは逆
拡散による高濃度領域の形成による迅速相変態を発現す
ることによって黒鉛化の促進を達成したものである。そ
の結果本発明の処理サイクルでは焼なましによる黒鉛の
核生成サイトの増大、およびその成長を適度に調整する
ことが可能となり、迅速処理にもかかわらず良好な黒鉛
組織を得ることができる。本発明における、構成要件の
限定理由について以下に説明する。まず、第一の構成要
件である化学成分について説明する。CとSiは白銑を
得るためには、最も重要な元素であって、かつ黒鉛化速
度に大きく影響するものである。Si量は1%未満では
短時間では黒鉛化しない、さらに4.5%より多過ぎる
とまだら鋳鉄となり、鋳造ままで白銑とならないため、
1.0〜4.5%に限定した。
【0011】C量は2%未満では白銑が得られないた
め、2.0%以上の範囲とした。一方、C+1/3Si
(C当量)が3%未満では白銑とならないか、もしくは
白銑となっても短時間では黒鉛化が困難となり、さらに
4.5%を越えると、まだら鋳鉄となったり、粗大な初
晶黒鉛が晶出し、機械的特性が劣化してしまう。このた
め、3.0〜4.5%の範囲に限定した。なお、本発明
においては、鋳造ままで白銑組織を得ることをその前提
としており、これは凝固時の初晶、共晶で生成する黒鉛
は粗大なためこの晶出を阻止するためである。このこと
は鋳造条件によっても影響を受けるが、鋳造ままで材料
全体にわたって白銑が得られる冷却速度であれば十分で
あり、特に冷却速度を限定するものではない。
【0012】次に、第二の構成要件である加熱温度およ
び昇温時間について説明する。加熱温度が900℃未満
では黒鉛化に長時間を要し、また、1050℃を越える
と、強度が著しく低下し、熱処理歪みが増大するため、
900〜1050℃に限定した。また、900℃までの
昇温時間が60秒を越えると、黒鉛化速度が著しく遅く
なるとともに、析出黒鉛が大きくなり、特性が劣化して
しまうので、900℃までの昇温時間を60秒以下とし
た。本発明の方法によると、60秒以下の昇温時間の
後、焼なまし処理を行うことにより、黒鉛化完了までに
2分程度であり、かつ黒鉛も微細化され、焼なましサイ
クルを大幅に短縮することが可能となった。また、本発
明の第二の発明については、加熱温度の保持時間を短く
して、表層側を主として黒鉛化し、内部の黒鉛化を相対
的に抑制することにより、表層のみが膨張して圧縮残留
応力が発生し、さらに、疲労強度を高めることが可能と
なる。
【0013】
【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明の実施態
様例および比較例によって本発明を詳細に説明する。 実施例1 表1に示す化学成分の鋳鉄を高周波溶解し、金型に鋳造
することにより白銑組織とした。この白銑材より、3m
mφx10mmlの試験片を削り出しフォーマスタによ
り加熱温度、加熱速度(加熱温度に達するまでの時間)
を変えて加熱実験を行った。
【0014】
【表1】
【0015】黒鉛化に要する時間は、加熱時の熱膨張量
を測定し、目標温度に達してから黒鉛化による膨張が飽
和するまでの時間を黒鉛化完了時間とした。加熱終了後
は室温まで放冷した。また、実験後の試験片は組織観
察、画像解析を行い黒鉛面積率、黒鉛粒数を測定した。
その結果より、黒鉛粒の平均断面積(=単位面積当たり
の黒鉛面積/黒鉛粒数)を算出した。これらの結果を表
1にまとめて示す。発明例No.1〜9では、いずれも
2分以内で黒鉛化が完了し、また析出した黒鉛の平均断
面積も0.4〜0.8x10-4mm2 と極めて微細であ
った。
【0016】これに対して比較例No.10では、Si
量が少ないため950℃に10分間以上保持しても黒鉛
化はおきなかった。比較例No.11ではSi量が多過
ぎても鋳造ままの状態で完全な白銑組織を得ることが出
来なかった。比較例No.12では、C当量が高く、や
はり完全な白銑組織が得られなかった。比較例No.1
3はC当量が少ないため950℃に10分間以上保持し
ても黒鉛化はおきなかった。比較例No.14はCが低
いため鋳造ままの状態でパーライト組織となり白銑組織
が得られなかった。比較例No.15は黒鉛化時の加熱
速度が遅いため析出黒鉛が粗大になった。
【0017】比較例No.16は加熱温度が高過ぎて加
熱中に試験片が変形してしまった。比較例No.17は
加熱温度が低いため10分間以上保持してもほとんど黒
鉛化しなかった。比較例No.18はフォーマスタでは
なく電気炉にて加熱し、いわゆる黒心可鍛鋳鉄を製造し
たものであるが、黒鉛形状は粗大であった。以上の本実
施例の結果より、発明例の範囲では短時間の黒鉛化処理
で極微細な黒鉛の分散した鋳鉄の製造が可能なことがわ
かった。
【0018】図1に供試材の金属組織写真の例を示し、
図1(a)は発明例No.2であり、図1(b)は比較
例No.15の金属組織である。この写真では、黒鉛化
の速度を比較するためにいずれも黒鉛化時間は1分とし
たものである。図1より発明例No.2では黒鉛は非常
に微細であり、またマトリックスの白銑は完全に分解し
てパーライトになっている。これに対して比較例No.
15では黒鉛化黒鉛化の加熱速度が遅いため黒鉛が粗大
であり、またマトリックスの白銑も完全に分解していな
いことがわかる。また、発明例No.2(黒鉛化時間1
分)および比較例No.18(黒鉛化時間100分)の
条件について引張試験を行った。試験片はマトリックス
をフェライト組織とするため、いずれも黒鉛化処理終了
後は徐冷した。引張試験の結果を表2に示す。
【0019】
【表2】
【0020】表2において、発明例No.2は比較例N
o.18とほぼ同程度で2倍近い延びが得られ、優れた
強度、延性バランスを示すことがわかる。
【0021】実施例2 C:3.0%,Si:1.8%の鋳鉄を高周波溶解し、
金型に鋳造することにより白銑とした。この白銑材より
8mmφの平行部をもつ疲労試験片を削り出し、高周波
加熱試験を行った。試験条件は周波数150KHzの高
周波発振機を用いて、加熱温度1000℃、1000℃
までの昇温時間10秒、1000℃保持時間15〜60
秒の条件で行い、加熱終了後はそのまま放冷した。この
場合に1000℃での保持時間を長くすることによっ
て、加熱深さを深くし、その結果微細黒鉛の析出する範
囲を深くすることができる。また、表層では15秒以上
保持することによりほぼ完全に黒鉛化していることがわ
かった。
【0022】1000℃保持時間を15〜60秒に変化
させ、表層の微細黒鉛の析出深さを1〜4mmの範囲で
変えた疲労試験片の回転曲げ疲労試験を行った。その結
果を表3に示す。なお、黒鉛析出深さは硬さ分布にて測
定し、(表層硬さ+Hv100)の硬さになる部位まで
の深さとした。
【0023】
【表3】
【0024】表3の結果より、疲労強度は微細黒鉛の分
散する表層厚さtmm、試料直径Dmmとした時、t/
D=0.2〜0.5を満たす範囲で、良好な値を示し、
特に、0.20〜0.36で高い値を示している。これ
は表層のみ黒鉛化することによって、表層が膨張して圧
縮残留応力が発生するためと考えられる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る可鍛
鋳鉄の迅速黒鉛化処理方法は、加熱温度および昇温速度
を制御することによって、焼なましサイクルを大幅に短
縮することを可能とし、かつ処理後の黒鉛組織を改善
し、特に材料特性として強度、延性のバランスのすぐれ
た可鍛鋳鉄鋳物の製造を可能とする。さらに、高周波加
熱を用いると黒鉛化後の冷却速度も制御することが出来
るため、マトリックスのパーライト率も容易に調整でき
る。このため、強度レベルを広範囲に制御することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る供試材の金属組織写真で
あり、(a)発明例No.2、(b)比較例No.15
の組織である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学成分が、重量%で、3.0%≦C+
    1/3Si≦4.5%、1.0%≦Si≦4.5%、
    2.0%≦Cを満足する組成からなる白銑組織の鋳鉄を
    黒鉛化するに際し、加熱温度を900〜1050℃と
    し、かつ加熱速度が900℃までの昇温時間で、60秒
    以下になるように昇温し、その後焼なましすることを特
    徴とする鋳鉄の黒鉛化処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の鋳鉄の黒鉛化処理方法に
    おいて、加熱温度まで昇温後、該温度での保持時間を、
    鋳鉄の黒鉛化が材料内部まで均質になされるに要する時
    間に到らない時間とすることを特徴とする鋳鉄の黒鉛化
    処理方法。
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