JP2004143511A - 耐摩耗性アルミニウム合金長尺体およびその製造方法 - Google Patents
耐摩耗性アルミニウム合金長尺体およびその製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】耐摩耗性アルミニウム合金長尺体は、Siを4.5〜13質量%、鉄を0.001〜0.3質量%、Mgを0.1〜2質量%、Mnを0.001〜0.3質量%、Crを0.001〜0.3質量%、Tiを0.005〜0.05質量%、Ca、SbおよびPのうち少なくとも1種の元素を合計で0.003〜0.5質量%以下含み、残部がAlと不可避不純物からなり、内部に存在するSi粒子の大きさが平均値で5μm以下、最大値で20μm以下であり、Al合金の結晶組織が熱間圧延組織、再結晶組織、または、熱間圧延組織と再結晶組織の混合組織からなる群より選ばれた1種の組織である。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、シャー切断性と鍛造性に優れた耐摩耗性アルミニウム合金長尺体およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
機械的特性と冷間加工性に優れた耐摩耗性アルミニウム合金長尺体とその製造方法は、たとえば、特許文献1(特開2001−200326号公報)で提案されている。
【0003】
上記の特許公開公報で提案された耐摩耗性アルミニウム合金長尺体は、シリコンを7〜13重量%、鉄を0.001〜0.2重量%、マンガンおよびクロムの少なくとも1つを0.001〜0.25重量%、ストロンチウムを0.003〜0.03重量%、チタンを0.005〜0.03重量%含み、残部がアルミニウムおよび不可避不純物であり、かつ、最大のシリコン粒の大きさが40μm以下であり、さらに、結晶組織が熱間圧延組織、あるいは再結晶組織、あるいは熱間圧延組織と再結晶組織の混合組織からなることを特徴とする。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−200326号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特許公開公報で提案されたアルミニウム合金では、シリコン粒子の微細化剤としてストロンチウムを添加している。すなわち、ストロンチウムの添加によってシリコン粒子が大きくなるのを抑制し、さらにシリコン粒子の粒径のばらつきを熱処理により緩和することによって、シリコン粒子の粒径と粒径分布を制御している。
【0006】
アルミニウム合金の鋳造材中には、相対的に遅い冷却速度で鋳造された箇所と相対的に速い冷却速度で鋳造された箇所とが存在するので、シリコン粒子の大きさに分布が生じる。ところが、ストロンチウムの添加によって微細化したシリコン粒子は、熱処理を行なうと、小さいシリコン粒子ほど速く成長し、温度と時間に対する依存性が認められるとしても、粒径がある程度になると粒成長が鈍化する。このため、相対的に遅い冷却速度で鋳造された箇所と相対的に速い冷却速度で鋳造された箇所との間でシリコン粒子の大きさに差がなく、シリコン粒子の粒径が均一になる。
【0007】
しかしながら、アルミニウム合金長尺体の表層と内部で微細化されたシリコン粒子が均一に存在するので、多量のシリコン粒子が中心近傍の領域まで存在することになる。その結果、上記のアルミニウム合金長尺体に鍛造加工を施すと、強加工された部分において鍛造割れ等の欠陥が生じるという問題があった。
【0008】
また、上記の特許公開公報で提案されたアルミニウム合金には、限定された含有量でストロンチウムが添加されているが、ストロンチウムは本来的に溶湯中に水素を吸蔵する作用を果たす元素である。このため、アルミニウム合金鋳造材の熱処理時に鋳造材中の水素が気化し、膨れやブリスターが生じるという問題があった。
【0009】
そこで、この発明の目的は、耐摩耗性とシャー切断性に優れるとともに、鍛造性に優れ、膨れやブリスターの発生を防止することが可能な耐摩耗性アルミニウム合金長尺体およびその製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に従った耐摩耗性アルミニウム合金長尺体は、シリコン(Si)を4.5質量%以上13質量%以下、鉄(Fe)を0.001質量%以上0.3質量%以下、マグネシウム(Mg)を0.1質量%以上2質量%以下、マンガン(Mn)を0.001質量%以上0.3質量%以下、クロム(Cr)を0.001質量%以上0.3質量%以下、チタン(Ti)を0.005質量%以上0.05質量%以下、カルシウム(Ca)、アンチモン(Sb)およびリン(P)からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を合計で0.003質量%以上0.5質量%以下含み、残部がアルミニウム(Al)と不可避不純物からなり、内部に存在するシリコン粒子の大きさが平均値で5μm以下、最大値で20μm以下であり、かつ、アルミニウム合金の結晶組織が熱間圧延組織、再結晶組織、および、熱間圧延組織と再結晶組織の混合組織からなる群より選ばれた1種の組織である。
【0011】
この発明の耐摩耗性アルミニウム合金長尺体は、銅(Cu)を0.001質量%以上、5質量%以下含むのが好ましい。
【0012】
また、この発明の耐摩耗性アルミニウム合金長尺体において、アルミニウム合金の表面硬度がロックウエル硬さのFスケールで80以上であることが好ましい。
【0013】
さらに、アルミニウム合金の表面粗さをRmaxで10μm以下にするのが好ましい。
【0014】
この発明に従った耐摩耗性アルミニウム合金長尺体は、ダイス皮剥ぎ処理が施された表面を有するのが好ましい。
【0015】
この発明に従った耐摩耗性アルミニウム合金長尺体において、好ましくは、アルミニウム合金長尺体の外周面から中心に向かってアルミニウム合金長尺体の外径の10%に相当する深さまでの領域に存在するシリコン粒子の個数密度(個/mm2)が、アルミニウム合金長尺体の中心から外周面に向かってアルミニウム合金長尺体の外径の10%に相当する距離隔てた箇所までの領域に存在するシリコン粒子の個数密度(個/mm2)に対して1.25倍以上の比率を有する。
【0016】
この発明に従った耐摩耗性アルミニウム合金長尺体の製造方法は、以下の工程を備える。
【0017】
(a) シリコンを4.5質量%以上13質量%以下、鉄を0.001質量%以上0.3質量%以下、マグネシウムを0.1質量%以上2質量%以下、マンガンを0.001質量%以上0.3質量%以下、クロムを0.001質量%以上0.3質量%以下、チタンを0.005質量%以上0.05質量%以下、カルシウム、アンチモンおよびリンからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を合計で0.003質量%以上0.5質量%以下含み、残部がアルミニウムと不可避不純物からなるアルミニウム合金を溶解することによって溶湯を得る工程。
【0018】
(b) デンドライトの2次枝間隔が40μm以下となるように上記の溶湯を連続鋳造することによって鋳造体を得る工程。
【0019】
(c) 350℃以上500℃以下の温度範囲で40%以上の加工度で鋳造体を熱間圧延することによって圧延体を得る工程。
【0020】
(d) 300℃以上480℃以下の温度範囲で2時間以上50時間以下、圧延体を熱処理する工程。
【0021】
この発明の耐摩耗性アルミニウム合金長尺体の製造方法においては、アルミニウム合金が銅を0.001質量%以上、5質量%以下含むのが好ましい。
【0022】
また、この発明の耐摩耗性アルミニウム合金長尺体の製造方法においては、アルミニウム合金の溶湯中に存在する水素量がアルミニウム100g当たり0.15cc以下であるのが好ましい。
【0023】
さらに、この発明の耐摩耗性アルミニウム合金長尺体の製造方法においては、熱処理する工程の後、圧延体の表面にダイス皮剥ぎ処理を施すのが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について詳細に述べる。
【0025】
本発明の耐摩耗性アルミニウム合金長尺体は、たとえば、カーエアコンディショナ用ピストンのように、鍛造加工により成形され、耐摩耗性の要求特性の高い用途に適している。すなわち、連続鋳造圧延されることにより、得られたアルミニウム合金の表面部分を摺動面として配置することによって、耐摩耗性が飛躍的に向上する。
【0026】
本発明のアルミニウム合金における各成分元素の含有量の限定理由は以下のとおりである。
【0027】
マグネシウムの添加は強度を決定し、この量が少なすぎると強度が不足し、多すぎると脆化挙動を示す。たとえば、カーエアコンディショナ用ピストンのように高い耐摩耗性が要求される用途では、耐摩耗性とダイス皮剥ぎ性を考慮すると、マグネシウムの含有量が0.1質量%以上2質量%以下の範囲内である必要がある。
【0028】
シリコンは、その添加量、粒径、粒径分布が耐摩耗性に影響を与える。粒径と粒径分布の制御は、製造方法に依存するところが大きい。本発明では、冷却速度の分布やばらつきを許容するため、晶出するシリコン粒子のサイズが大きくなる傾向がある。しかし、本発明では、カルシウム、アンチモンまたはリンのいずれか1種または2種以上の添加によってシリコン粒子のサイズが大きくなるのを抑制するとともに、冷却速度に応じてシリコン粒子の微細化の程度を制御することができる。すなわち、アルミニウム合金長尺体において、相対的に速い冷却速度で冷却された外周表層近傍部分では微細化されたシリコン粒子が比較的密に分布し、相対的に遅い冷却速度で冷却された中心近傍部分で微細化されたシリコン粒子が比較的疎に分布する。このように凝固時の冷却速度を最適化することによりシリコン粒子の粒径と粒径分布を制御することによって、シリコン粒子が中心近傍部分まで多量に存在することがなくなる。すなわち、凝固時の冷却速度を最適化することにより中心近傍領域でのα相の領域を比較的大きくすることによって、内部に存在するシリコン粒子の密度を低減させることができる。これにより、外周表層近傍においてシリコン粒子を高密度に分布させることによって耐摩耗性を確保するとともに、鍛造加工を施しても、鍛造割れ等の欠陥が生じるのを効果的に防止することができる。
【0029】
良好な鍛造性を得るためには、アルミニウム合金長尺体の外周面から中心に向かってアルミニウム合金長尺体の外径の10%に相当する深さまでの領域に存在するシリコン粒子の個数密度(個/mm2)は、アルミニウム合金長尺体の中心から外周面に向かってアルミニウム合金長尺体の外径の10%に相当する距離隔てた箇所までの領域に存在するシリコン粒子の個数密度(個/mm2)に対して1.25倍以上の比率を有するのが好ましい。
【0030】
また、シリコン粒子の微細化剤としてのカルシウム、アンチモンまたはリンは、溶湯中に水素を吸蔵する作用を果たさないので、熱処理時に水素の気化による膨れやブリスターが生じるのを防止することができる。
【0031】
なお、、カルシウム、アンチモンまたはリンは初晶シリコンの微細化に対して有効であるが、これらの元素の合計の添加量は0.003質量%以上0.5質量%以下の範囲内とする。これらの元素の合計の含有量が0.5質量%を超えると、シリコン粒子の微細化効果が飽和する。また、これらの元素の合計の含有量が0.003質量%未満であれば、シリコン粒子の微細化効果が認められない。
【0032】
本発明のアルミニウム合金の場合には、シリコンの添加量の上限値は共晶組成に限られる。このため、非平衡状態の凝固においては共晶点の拡大が認められるので、シリコンの含有量の上限値は13質量%とする。一方、シリコンの含有量が少ないと、アルミニウム合金初晶(α相)は粗大化するので、シリコンの含有量の下限値を4.5質量%とする。
【0033】
チタンはα相を微細化するために必要である。チタンの含有量は0.005質量%より少ない場合には、その微細化効果が小さく、また0.05質量%を超えて添加してもその効果は小さい。
【0034】
鉄の含有量は0.001質量%以上0.3質量%以下、マンガンの含有量は0.001質量%以上0.3質量%以下、クロムの含有量は0.001質量%以上0.3質量%以下とする。
【0035】
鉄の含有量が多すぎると、アルミニウム合金の凝固時に合金中の他の添加元素と粗大な晶出物を形成しやすくなり、合金の機械的特性を損なう可能性があるので、鉄の含有量を0.3質量%以下とする。したがって、鉄と粗大な晶出物を形成するマンガンやクロムの含有量についても、同じ理由で0.3質量%以下とする。
【0036】
なお、銅を0.001質量%以上、5質量%以下添加するのが望ましい。アルミニウム合金における添加元素として銅は、耐摩耗性と機械的特性、特に強度に影響を与える。銅の添加量が増加するに伴い、固溶体強化、析出強化により耐摩耗性と強度が向上する。しかし、本発明のアルミニウム合金に銅を添加すると、他の添加元素と複雑な化合物を形成する。特に、鋳造時に生成するアルミニウム−銅系やアルミニウム−鉄−マンガン−銅系の化合物は、本発明の製造方法では、銅を5質量%より多く添加すると粗大に晶析出し、加工性が低下し、鋳造後の熱間圧延工程において圧延割れを生じさせる。このため、銅を添加しない方が望ましいが、硬度を確保するために添加する場合には銅の添加量の上限値は5質量%とする。一方、銅の添加量の下限値については、インゴットの不純物レベルの0.001質量%とする。添加元素としての銅は、所望の機械的特性、特に強度を得るために、必要に応じて添加する。
【0037】
さらに、本発明では、シャー切断時のクラックの偏向現象を未然に防ぐために、また後述するダイス皮剥ぎ性を確保するために、内部に存在するシリコン粒子の大きさを平均値で5μm以下、最大値で20μm以下とする。
【0038】
このようにシリコン粒子のサイズを制御しなければ、本発明のアルミニウム合金組成の範囲内でも、銅とマグネシウムの含有量が、それぞれ5質量%、2質量%を超えると、優れたシャー切断性とともに優れたダイス皮剥ぎ性を兼ね備えたアルミニウム合金を得ることができない。その理由と本発明のアルミニウム合金の組織との関係については、以下のように考えられる。
【0039】
アルミニウム合金の内部に20μmを超えるような大きなシリコン粒子が存在すると、シャー切断時においてクラックが偏向しやすくなる。さらに、シャー切断の初期の段階、すなわち表面に剪断力が負荷された時点で、適正なクラックを生じさせないと材料の変形が大きくなり、大きなシリコン粒子の周りに空隙が生じやすくなるとともに、シリコン粒子が破損し、クラックが偏向する。このため、クラック偏向と変形が互いに影響し合う現象が生じやすくなる。したがって、シャー切断時に適正なクラックを生じさせるためには、内部に存在するシリコン粒子の大きさを平均値で5μm以下、最大値で20μm以下とする必要がある。
【0040】
なお、このとき、シリコン粒子がマトリックスの結晶粒界に高密度に晶出した共晶組織であると、クラックは容易に結晶粒界に沿って、言い換えれば高密度なシリコン粒子の領域を伝って、偏向して進展するので切断破面の平滑性が失われる。したがって、シャー切断時にクラックの偏向を生じさせることなく、シャー切断を行なうために本発明のアルミニウム合金は、鋳造組織を解消した熱間圧延組織、再結晶組織、または、熱間圧延組織と再結晶組織の混合組織のいずれかの組織を備えるように制御される。
【0041】
材料の硬度もシャー切断性に影響を与える。シャー切断の初期の段階でクラックが発生する前において材料の変形量が大きくなると、20μmよりも小さいシリコン粒子もクラックを偏向させるように作用する。このため、表面硬度はロックウエル硬さのFスケールで80以上であるのが好ましい。一方、表面硬度がロックウエル硬さのFスケールで103より大きくなると、鍛造性が悪くなり、また材料の表層での初期クラックの発生が表面粗さに過敏になるため、表面硬度の範囲はロックウエル硬さのFスケールで80以上103以下であるのが好ましい。
【0042】
材料の表面粗さもシャー切断性に影響を与えるため、Rmaxで10μm以下であるのが好ましい。
【0043】
本発明では、最もシャー切断性に優れるものとして、上述の特徴を有するアルミニウム合金長尺体をさらにダイス皮剥ぎ処理したものを提案する。ダイス皮剥ぎ処理は、表面欠陥を除去するとともに、ピーリング処理では必然的に生じる螺旋状の挽き目段差を生じさせないため、この段差に伴ってシャー切断時にクラックの偏向を引き起こさせない。
【0044】
ダイス皮剥ぎ処理時に生じる材料の破断は、機械的な強度を高めるために添加される銅とマグネシウムを多量に含む場合に、これらの成分の加工硬化能が高いために、アルミニウム合金が加工限界に達して生じるものである。この破断を防止するためには、通常、軟化処理によって硬度を下げる必要がある。一方、軟化処理によって硬度が下がると、ダイス皮剥ぎ処理時に剥れが生じやすくなる。これらの相反する課題を克服するために、本発明では上述したようにシリコン粒子のサイズを制御する。
【0045】
すなわち、本発明者らがダイス皮剥ぎ処理時の材料破断の改善と、剥れの発生の抑制に関して調査を進めた結果、まず、材料破断には、材料内部に存在するシリコン粒子の大きさが関与していることがわかった。すなわち、20μmを超える大きさのシリコン粒子が材料の内部に存在すると、材料は容易にカッピー破断する。このため、シリコン粒子の大きさを最大値でも20μm以下にする。
【0046】
また、剥れの発生を抑制するためには、材料の表面硬度を高めることが有効であり、ダイス皮剥ぎ時の加工硬化を考慮して、ダイス皮剥ぎ処理中に破断しない範囲内で表面硬度を向上させるのが望ましい。
【0047】
なお、上記のシリコン粒子のサイズの制御は、鋳造組織をベースにして行なったとしても、本発明のような優れたシャー切断性とダイス皮剥ぎ性の材料を得ることはできない。すなわち、本発明のアルミニウム合金では、その結晶組織が熱間圧延組織、再結晶組織、または、熱間圧延組織と再結晶組織の混合組織のいずれかの組織から構成されるために、シャー切断性とダイス皮剥ぎ性の両者に優れたアルミニウム合金を得ることができる。
【0048】
また、ダイス皮剥ぎ処理時の皮剥ぎ量も製造上の重要な条件の1つとなる。皮剥ぎ量が過大となると、皮剥ぎダイスにおいて抵抗が増大し、材料が破断するとともに、材料損失が多くなるので、1mm以下であるのが好ましい。さらに好ましくは、表面欠陥を除去するためには、皮剥ぎ量は0.01mm以上1mm以下である。
【0049】
上述のアルミニウム合金の内部組織を得るためには、基本的には可動鋳型方式の鋳造機と熱間圧延機とを組合せた連続鋳造圧延方式を用いて、アルミニウム合金長尺体を製造するのがよい。これは、バッチ方式の鋳造と圧延とを行なう方法を採用すると、再結晶粒子が大きくなりやすく、得られた材料の冷間加工が困難になるためである。
【0050】
但し、鋳造時の冷却速度は、デンドライトの2次枝間隔が40μm以下になるように制御されなければ、上述のように制御されたシリコン粒子のサイズを得ることはできない。このようにデンドライトの2次枝間隔を40μm以下とした場合には、鋳造後に析出する鉄系の化合物のサイズも小さくなる。本発明のアルミニウム合金の基本成分からなる組成物を用いて本発明の連続鋳造圧延方式によって長尺体を製造する場合、鋳造において、このデンドライトの2次枝間隔を特別に制御しないと、鉄系の化合物のサイズは粗大化しやすくなる。したがって、デンドライトの2次枝間隔を制御しない場合には、鉄の含有量を0.2質量%以下に抑制しないと、本発明によるシャー切断性とダイス皮剥ぎ性を達成することができない。この場合、鋳造時に鉄と化合物を形成するマンガンとクロムも同様に0.25質量%以下の含有量に抑制する必要がある。
【0051】
しかしながら、本発明の製造方法においては、デンドライト2次枝間隔を40mm以下に制御することによって、鉄の含有量を0.3質量%まで、マンガンとクロムの含有量を、それぞれ、0.3質量%まで高めることが可能となり、上述のように特に鉄の含有量が0.2質量%を超え、0.3質量%以下の領域でも、シャー切断性とダイス皮剥ぎ性の両者に優れた合金が得られるようになる。
【0052】
但し、鉄の含有量が0.3質量%より多くなると、20μmを超える大きさの鉄系の化合物が生成し、粗大なシリコン粒子と同様に、ダイス皮剥ぎ処理時にカッピー破断の原因となる。
【0053】
さらに、本発明の製造方法においては、鋳造後、圧延温度を350℃以上500℃以下の範囲にして40%以上の加工度で熱間圧延を行なう。この加工度は、鋳造組織を、熱間圧延組織、再結晶組織、または、熱間圧延組織と再結晶組織の混合組織にするために必要な加工度である。圧延温度を上記の範囲とするのは、350℃未満では加工硬化により圧延が困難となり、500℃を超えると粒界割れにより圧延が困難となるためである。熱間圧延終了後のアルミニウム合金は、コイル状に巻き取っても、または定尺に切断して棒材にしてもよいが、ダイス皮剥ぎ処理の利点を生かすためにはコイル状に巻くのが好ましい。
【0054】
コイル状または棒材のアルミニウム合金は、硬度調整、シリコン粒子の粒径の調整、結晶粒の制御のために、300℃以上480℃以下の温度範囲で、2時間以上50時間以下の範囲で熱処理が施される。熱処理温度が300℃未満では、熱処理時間が極端に長くなり過ぎる。一方、熱処理温度が480℃を超えると、凝固時に非平衡状態で晶出した銅系化合物が平衡状態に移行する際に、物質収支の差により小さなボイドを生じさせるとともに、固溶する銅の量が増えるためである。ダイス皮剥ぎ処理時に生成したボイドは破壊の起点となり、また固溶した銅は加工硬化能を大きくするので、ダイス皮剥ぎ処理を困難にする。
【0055】
本発明の製造方法において、アルミニウム合金を溶解した後、鋳造時のアルミニウム合金溶湯中のアルミニウム100g当たりの水素量を0.15cc以下にすることが好ましい。これは、アルミニウム合金溶湯中に0.15cc/100gアルミニウム以上の水素を含むと、アルミニウム合金の機械的特性や冷間加工性が低下し、また、ブリスターの発生等の問題が生じやすくなるためである。
【0056】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0057】
表1に示す本発明例の試料No.1〜14と比較例の試料No.15〜19(単位:質量%)の各組成のアルミニウム合金を溶解した溶湯を用いて鋳造材を作製した。
【0058】
プロペルチ連続鋳造機で作製される鋳造材の断面積は3500mm2で、溶湯の鋳造機への鋳湯温度は650℃〜690℃とした。プロペルチ連続鋳造機で作製された鋳造材は、凝固完了後5分以内に420℃の温度で熱間圧延して、直径30mmの長尺体とした。この長尺体を直径1.7mのコイル状に巻き取った。このときの加工度は、減面率で80%であった。その後、長尺体にコイルの状態で450℃の温度で8時間の熱処理を施した。この長尺体の外周表面から0.1mmの深さまで、皮剥ぎダイスを用いて表面切削した。その後、シャー切断した。
【0059】
表2は、表1に示す本発明例の試料No.1〜14と比較例の試料No.15〜19について、DAS(デンドライト2次枝間隔)、平均のシリコン粒子径、最大のシリコン粒子径、シリコン粒子の表面粒密度/中心粒密度の比率、ロックウエル硬さのFスケール、表面粗さRmax、水素量、シャー切断性、熱間圧延割れの発生の有無、鍛造性、膨れ・ブリスターの発生の有無、耐摩耗性、それぞれの測定結果または評価結果を示す。
【0060】
DASは、鋳造材を対象にして、軽金属協会「アルミニウムのデンドライトアームスペーシングと冷却速度の測定法」に準拠し、交線法により算出した。平均のシリコン粒子径、最大のシリコン粒子径、表面粒密度/中心粒密度の比率、ロックウエル硬さのFスケールは、熱処理後の長尺体を対象にして測定した。
【0061】
シリコン粒子の粒径は次のようにして測定した。アルミニウム合金長尺体の断面を倍率1000倍で観察した光学顕微鏡写真を画像処理した。断面積が0.1μm2以上の個々のシリコン粒子の断面積を画像処理で算出した。この算出した個々のシリコン粒子の断面積から、個々のシリコン粒子の断面が円形であると仮定して、直径を算出した。この等価円の直径の値をシリコン粒子の粒径とした。
【0062】
表面粒密度/中心粒密度の比率は、アルミニウム合金長尺体の中心から外周面に向かってアルミニウム合金長尺体の外径の10%に相当する距離隔てた箇所までの領域に存在するシリコン粒子の個数密度(個/mm2)(中心粒密度とする)に対する、アルミニウム合金長尺体の外周面から中心に向かってアルミニウム合金長尺体の外径の10%に相当する深さまでの領域に存在するシリコン粒子の個数密度(個/mm2)(表面密度とする)の比率とした。
【0063】
表面粗さRmaxは、皮剥ぎ処理後の長尺体を対象にして測定した。水素量は、溶湯の状態で測定した。
【0064】
シャー切断性は、試料をシャー切断機により切断後、剪断面の凹凸を目視判定して評価した。シャー切断時の良不良の判断基準としては、試料外周面に生じる外形割れ、または試料切断面に生じる端面割れが観察された場合に不良(×)とし、それ以外を良(○)とした。
【0065】
熱間圧延割れの発生は、熱間圧延後の長尺体を目視して判定した。
鍛造性は、皮剥ぎ処理後の長尺体を対象にして高さに対して60%の圧縮率で圧縮試験を行ない、割れが発生したものを不良(×)とし、割れが発生しなかったものを良(○)とした。
【0066】
膨れ・ブリスターの発生は、熱処理後の長尺体を対象にして外周面を目視して判定した。
【0067】
耐摩耗性試験は、皮剥ぎ後の長尺体を対象にして、ピン/ディスク式の試験機を用い、毎分600回転で回転するSUJ2製のディスクに、長尺体から作製した直径28mmのピンを490Nの力で押し当てて300時間経過後の摩耗量として重量の減少量を測定することによって行なった。重量の減少があったものを不良(×)とし、それ以外を良(○)とした。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
表2からわかるように、本発明例の試料No.1〜14においては、良好なシャー切断性と耐摩耗性を確保するとともに、熱間圧延割れや膨れ・ブリスターも発生せず、良好な鍛造性を有していることがわかる。
【0071】
以上に開示された実施の形態や実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態や実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含む。
【0072】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、耐摩耗性とシャー切断性に優れるとともに、鍛造性に優れ、膨れやブリスターの発生を防止することが可能な耐摩耗性アルミニウム合金長尺体を得ることができ、たとえば、カーエアコンディショナ用ピストンのような耐摩耗性の要求特性の高い部材に適した材料を提供することができる。
Claims (10)
- シリコンを4.5質量%以上13質量%以下、鉄を0.001質量%以上0.3質量%以下、マグネシウムを0.1質量%以上2質量%以下、マンガンを0.001質量%以上0.3質量%以下、クロムを0.001質量%以上0.3質量%以下、チタンを0.005質量%以上0.05質量%以下、カルシウム、アンチモンおよびリンからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を合計で0.003質量%以上0.5質量%以下含み、残部がアルミニウムと不可避不純物からなり、内部に存在するシリコン粒子の大きさが平均値で5μm以下、最大値で20μm以下であり、かつ、アルミニウム合金の結晶組織が熱間圧延組織、再結晶組織、および、熱間圧延組織と再結晶組織の混合組織からなる群より選ばれた1種の組織である、耐摩耗性アルミニウム合金長尺体。
- 銅を0.001質量%以上、5質量%以下含む、請求項1に記載の耐摩耗性アルミニウム合金長尺体。
- 表面硬度がロックウエル硬さのFスケールで80以上である、請求項1または請求項2に記載の耐摩耗性アルミニウム合金長尺体。
- 表面粗さがRmaxで10μm以下である、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の耐摩耗性アルミニウム合金長尺体。
- ダイス皮剥ぎ処理が施された表面を有する、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の耐摩耗性アルミニウム合金長尺体。
- 当該アルミニウム合金長尺体の外周面から中心に向かって当該アルミニウム合金長尺体の外径の10%に相当する深さまでの領域に存在するシリコン粒子の個数密度(個/mm2)が、当該アルミニウム合金長尺体の中心から外周面に向かって当該アルミニウム合金長尺体の外径の10%に相当する距離隔てた箇所までの領域に存在するシリコン粒子の個数密度(個/mm2)に対して1.25倍以上の比率を有する、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の耐摩耗性アルミニウム合金長尺体。
- シリコンを4.5質量%以上13質量%以下、鉄を0.001質量%以上0.3質量%以下、マグネシウムを0.1質量%以上2質量%以下、マンガンを0.001質量%以上0.3質量%以下、クロムを0.001質量%以上0.3質量%以下、チタンを0.005質量%以上0.05質量%以下、カルシウム、アンチモンおよびリンからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を合計で0.003質量%以上0.5質量%以下含み、残部がアルミニウムと不可避不純物からなるアルミニウム合金を溶解することによって溶湯を得る工程と、
デンドライトの2次枝間隔が40μm以下となるように前記溶湯を連続鋳造することによって鋳造体を得る工程と、
350℃以上500℃以下の温度範囲で40%以上の加工度で前記鋳造体を熱間圧延することによって圧延体を得る工程と、
300℃以上480℃以下の温度範囲で2時間以上50時間以下、前記圧延体を熱処理する工程とを備える、耐摩耗性アルミニウム合金長尺体の製造方法。 - 前記アルミニウム合金が銅を0.001質量%以上、5質量%以下含む、請求項7に記載の耐摩耗性アルミニウム合金長尺体の製造方法。
- 前記アルミニウム合金の溶湯中に存在する水素量がアルミニウム100g当たり0.15cc以下である、請求項7または請求項8に記載の耐摩耗性アルミニウム合金長尺体の製造方法。
- 前記熱処理する工程の後、前記圧延体の表面にダイス皮剥ぎ処理を施す工程をさらに備える、請求項7から請求項9までのいずれか1項に記載の耐摩耗性アルミニウム合金長尺体の製造方法。
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