JPH07138400A - 連通した空隙を有するプロピレン系樹脂発泡成型体の製造方法 - Google Patents

連通した空隙を有するプロピレン系樹脂発泡成型体の製造方法

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JPH07138400A
JPH07138400A JP5309779A JP30977993A JPH07138400A JP H07138400 A JPH07138400 A JP H07138400A JP 5309779 A JP5309779 A JP 5309779A JP 30977993 A JP30977993 A JP 30977993A JP H07138400 A JPH07138400 A JP H07138400A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】良好な透水性を有するプロピレン系樹脂発泡成
型体の製造方法であって、発泡粒子に内圧付与の前処理
を施して成型時に積極的に二次発泡せしめた場合であっ
ても、成型体を構成する発泡粒子間の空隙部が埋まるこ
となく、得られた発泡成型体の空隙率が低下するといっ
た虞がないとともに、成型収縮や、発泡粒子相互の融着
性等の問題を解決することができ、成型体の空隙率のコ
ントロールも容易な製造方法を提供することを目的とす
る。 【構成】プロピレン系樹脂発泡成型体を成型するにあた
って、DSC曲線に高温ピークが現れる結晶構造を有
し、その体積をV〔mm3 〕、表面積をS〔mm2 〕と
したときのS/(6V2/3 )の値が1〜3であって、嵩
密度が0.012〜0.2g/cm3 、且つ高温ピーク
熱量が15J/g以上であるプロピレン系樹脂発泡粒子
に、0.5kgf/cm2 ・Gを超える内圧を付与して
成型に供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主に排水用下地材等と
して利用し得る連通した空隙を有するプロピレン系樹脂
発泡成型体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、例えば乗馬クラブや競馬場の馬場、ゴルフ場等で
は、雨が降った後等の水はけを良くするために、下層部
に小石を敷き詰めてその上に土を盛って整地し、これに
よって排水性を向上させるということが一般に行われて
いるが、小石を敷き詰めた下層部に目詰まりが生じてし
まうと本来発揮されるべき排水性が得られなくなってし
まい、このような場合に排水性改良のための工事を行う
には多大な労力が必要となり、その作業は非常に大変な
ものであった。そのため、土木・建築分野においては、
繊維素材を編布、織布、不織布のように構成した透水性
材料であるジオテキスタイルと称されるものが、目詰ま
りを防いで排水性の低下を防止するために広く用いられ
ている。しかしながら、この場合ジオテキスタイル自体
が高価であり、その作業性も悪く施行に際して熟練性を
必要とするといった欠点があった。
【0003】また、従来より、道路下地材料の超軽量盛
土材として発泡スチロールが使用されているが、通常使
用されている該スチロールは非透水性であるため、降雨
後や使用される場所によっては、施工されたスチロール
の下方に廻り込んだ水により浮力を直接受けるという土
木構造物として極めて重大な欠点があり、使用する場
所、施工手順等に制約を受けていた。
【0004】近年、上記したような問題を解決するため
に、合成樹脂よりなる透水性ブロック成型品が各種提案
されてきており、例えば、球形状のポリスチレン発泡粒
子を接着剤で固めて連続する空隙を設けた構造の成形品
が知られている(特開昭52−140569号公報、特
開平4−153026号公報等)。しかしながら、これ
らの透水性ブロックは、発泡粒子相互の接着が該発泡粒
子の表面に被膜状に形成された接着剤の接着性にのみ依
存するものであり、上記被膜は破壊されやすく充分な接
着強度が得られるものではないので、例えば発泡粒子相
互の接着が剥離したりする等、強度的に脆弱であるとい
う欠点があった。また、その製造は、発泡粒子をそのま
ま型内に充填して成型するものではなく、発泡粒子と接
着剤とを混合し、この混合物を型内に充填して発泡粒子
の軟化点以下の温度に加熱して、しかる後冷却固化させ
るという一種の二次加工的な製造工程を採るため、生産
性や製造コスト等において問題があった。しかも、ポリ
スチレン樹脂自体が耐油性、耐熱性に劣るため、上記の
ポリスチレン発泡粒子の成形品を道路下地材等の排水用
下地材として使用した場合、該成形品上へのアスファル
ト等の表面仕上げが困難であった。
【0005】また、最長部分の長さが2cm以上であ
る、鞍形状、曲玉状、眼鏡リング状等の非球形状の押出
し成形チップの表面同士を型内で互いに融着させるとい
うポリスチレン発泡成形体の製造方法も知られてはいる
が(特公平5−177723号公報)、このような形状
の成形チップを用いて発泡成形体の成形を行おうとする
と、チップ相互の間にできる空間の大きさにバラツキが
生じやすく、また、型内に均一に充填すること自体が難
しく、充填する度に充填密度が異なりやすいというよう
に、得られる発泡成形体の空隙率のコントロールが困難
であるとともに、成型体の空隙率をどの部位においても
ある程度一定になるようにすることさえ困難であるとい
う欠点があった。しかも、このような成形チップにあっ
ては、該成形チップを型内に充填する際に、充填される
成形チップが充填フィーダー、該フィーダーに接続した
ホース、更には金型の充填口等で詰まり易く、生産効率
の低下をきたすとともに、型内で成形チップの充填不良
が生じる原因になる虞もある。
【0006】一方、本出願人も透水性及び圧縮強度に優
れた透水性ブロック成型品を効率良く得るために、最長
部の長さLと、最大胴部の断面長さDとの比L/Dを特
定した柱状のポリオレフィン系樹脂発泡粒子を金型内で
発泡成型する方法を先に提案しているが(特開平3−2
24727号公報)、このような方法によって得られた
発泡成型体は、良好な透水性を有するとともに、圧縮強
度等においても良好な特性を示し排水用下地材等の用途
に充分耐え得るものの、良好な透水性を得るためには、
成型時にできうる限り二次発泡が起こらないようにして
発泡粒子間の空隙部が埋まらないようにする必要があっ
た。
【0007】このため、上記方法にあっては、成型に先
立って発泡粒子に付与する内圧を大きくすることができ
ず、発泡粒子の型内への充填率が低い場合や、高発泡倍
率の成型体を得ようとする場合等には成型収縮をきたし
易く、発泡粒子への内圧付与の前処理が必要とされる成
型を良好に行うには、このような収縮の問題を解決しな
ければならなかった。更に、成型の際の二次発泡を極力
抑えるために成形温度を低くしなければならず、また、
二次発泡を抑えたために発泡体を構成する粒子間の接着
面積が狭くなってしまうことにより、発泡粒子相互の融
着不良が生じる虞もあった。その上、成型に用いる蒸気
の温度を高温にすることができないために成型温度の範
囲が狭く成型の際の温度調節が困難となるという問題
や、空隙率のコントロールについても更なる改善が望ま
れていた。また、発泡粒子を型内に充填する際に、発泡
粒子が充填フィーダーや、該フィーダーに接続したホー
スに詰まり易いという問題は完全には解決されていなか
った。
【0008】本出願人は、上記従来技術の有する問題に
鑑み鋭意研究した結果、プロピレン系樹脂を基材樹脂と
する発泡成型体を成型するにあたって、成型に供される
発泡粒子の体積Vと表面積Sとが特定の関係を満足する
ものであれば、成型の際に二次発泡を抑えることなく、
逆に発泡粒子に内圧付与の前処理を施して積極的に二次
発泡せしめた場合であっても、成型体を構成する発泡粒
子間の空隙部が埋まることなく、得られた発泡成型体の
空隙率が低下するといった虞がないとともに、収縮の問
題を解決することができ、更には、仮え二次発泡性に劣
る発泡粒子を用いた場合であっても良好な成型を行うこ
とができ、成型体の空隙率のコントロールも容易にな
り、その上発泡倍率の低い発泡粒子から成型時の加熱温
度を高くすることなく、より高発泡倍率の発泡成型体を
得ることができることを見出し本発明を完成するに至っ
た。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明連通した空
隙を有するプロピレン系樹脂発泡成型体の製造方法は、
プロピレン系樹脂発泡粒子の示差走査熱量測定によって
得られるDSC曲線(発泡粒子2〜6mgを示差走査熱
量計によって、10℃/min.で220℃まで昇温し
たときに得られるDSC曲線)にプロピレン系樹脂の固
有ピークとともに、該固有ピークよりも高温側に高温ピ
ークが現れる結晶構造を有し、その体積をV〔m
3 〕、表面積をS〔mm2 〕としたときのS/(6V
2/3 )の値が1〜3であって、嵩密度が0.012〜
0.2g/cm3 、且つ高温ピーク熱量が15J/g以
上であるプロピレン系樹脂発泡粒子に、0.5kgf/
cm2 ・Gを超える内圧を付与し、これを型内に充填し
て加熱し成型することを特徴とする。
【0010】また、本発明方法においては、ポリプロピ
レン系樹脂発泡粒子の形状を、下記〜式を満足する
形状とすることができる。 a≦b≦c ・・・・・・・・・・ 1≦b/a<2 ・・・・・・・・・・ 1≦c/a<2 ・・・・・・・・・・ 但し、a、b、cは、発泡粒子を三次元座標上のxy、
yz、zxの各平面のそれぞれが上記発泡粒子に少なく
とも一点で接し、且つ上記各平面が発泡粒子を切断しな
いように三次元座標第1象限上に配置した時、上記発泡
粒子表面におけるx、y、zの各座標の最大値のいずれ
かがとり得る最小の座標をaとし、座標値aを示した座
標軸と直交する方向の2つの最大座標値のいずれかのと
り得る最小の値をbとし、残りの座標値最大値をcとす
る。
【0011】更に、本発明方法にあっては、成型時の加
熱温度が発泡粒子の融点−30℃〜同融点+5℃である
のが好ましい。
【0012】本発明において、プロピレン系樹脂発泡粒
子の示差走査熱量測定によって得られるDSC曲線と
は、プロピレン系樹脂発泡粒子2〜6mgを示差走査熱
量計によって10℃/min.で220℃まで昇温した
ときに得られるDSC曲線であり、該DSC曲線に現れ
る固有ピークa、及び高温ピークbは、例えば、試料を
室温から220℃まで10℃/min.の昇温速度で昇
温したときに得られるDSC曲線を第1回目のDSC曲
線(その一例を図1に示す)とし、次いで220℃から
10℃/min.の降温速度で40℃付近まで降温し、
再度10℃/min.の昇温速度で220℃まで昇温し
た時に得られるDSC曲線を第2回目のDSC曲線(そ
の一例を図2に示す)としたときに、これらのDSC曲
線によって区別することができる。
【0013】即ち、本発明における固有ピークaとは、
発泡粒子を構成するプロピレン系樹脂固有の吸熱ピーク
であり、該プロピレン系樹脂のいわゆる融解時の吸熱に
よるものであると考えられ、該固有ピークaは、図示す
るように第1回目のDSC曲線にも、第2回目のDSC
曲線にも現れる吸熱ピークである。但し、ピークの頂点
の温度は第1回目と第2回目とで多少異なる場合があ
る。
【0014】また、本発明における高温ピークbとは、
第1回目のDSC曲線で上記固有ピークaが現れる温度
よりも高温側に現れる吸熱ピークであり、第2回目のD
SC曲線には現れない吸熱ピークであって、DSC曲線
にこのような高温ピークbが現れないプロピレン系樹脂
発泡粒子は型内成型性が悪く、良好な成型体を得ること
が困難となる。尚、第1回目のDSC曲線に現れる高温
ピークbの頂点の温度と、第2回目のDSC曲線に現れ
る固有ピークaの頂点の温度との差は大きいことが望ま
しく、両者の差は5℃以上、好ましくは10℃以上であ
る。
【0015】第1回目のDSC曲線に高温ピークbが現
れるのは、それが現れないプロピレン系樹脂発泡粒子の
結晶構造とは異なる結晶構造の存在によるものではない
かと考えられる。また、固有ピークaは第1回目のDS
C曲線にも、第2回目のDSC曲線にも略同様に現れる
のに対して、高温ピークbは第1回目のDSC曲線にだ
け現れ、同一条件で昇温を行った第2回目のDSC曲線
には現れないことから、高温ピークbが固有ピークaと
ともに現れる結晶構造は、基材樹脂自体の結晶構造等に
起因するものではなく、発泡粒子としての形態における
プロピレン系樹脂発泡粒子が有する結晶構造等に起因す
るものであると考えられ、発泡温度や保持時間等、特定
の発泡条件によって発泡粒子を製造することによって、
DSC曲線に固有ピークaとともに高温ピークbが現れ
る結晶構造を有するプロピレン系樹脂発泡粒子を得るこ
とができる。
【0016】発泡粒子を製造する手段としては、例え
ば、基材樹脂を押出機で溶融混練した後ストランド状に
押し出して、冷却後適宜長さに切断するか、或いは適宜
長さに切断後冷却する等の手段で先ずペレット状の樹脂
粒子を製造し、次に、該樹脂粒子を密閉容器内に発泡剤
の存在下で分散媒に分散させて、該樹脂粒子の軟化温度
以上の温度に加熱して樹脂粒子内に発泡剤を含浸させ、
しかる後容器の一端を開放し、容器内圧力を発泡剤の蒸
気圧以上の圧力に保持しながら樹脂粒子と分散媒とを同
時に容器内よりも低圧の雰囲気下(通常は大気圧下)に
放出して樹脂粒子を発泡せしめる等の手段が通常採られ
ているが、密閉容器内で樹脂粒子を加熱するに際して、
その加熱温度(発泡温度)を樹脂粒子の融解終了温度T
e 以上に昇温することなく、融点Tm −20℃程度以
上、融解終了温度Te 未満の温度とすることによりDS
C曲線にプロピレン系樹脂固有の固有ピークaととも
に、該固有ピークaよりも高温側に高温ピークbが現れ
る結晶構造を有する発泡粒子を得ることが容易にでき
る。また、上記の温度範囲内で発泡温度を調整する方法
や、発泡粒子の加熱時に融解終了温度Te 付近の温度で
充分な時間(通常、5〜45分間程度)をかけて、一旦
保持することにより高温ピークbにおける吸熱量(高温
ピーク熱量)の値を調整することができる。尚、保持時
間と発泡温度とを比較すると、高温ピーク熱量の調整は
発泡温度によるものが大きい。
【0017】尚、上記融点Tm とは前述した第2回目の
DSC曲線に現れる固有ピークaの頂点の温度であり、
融解終了温度Te とは、第2回目のDSC曲線に現れる
固有ピークaの裾が高温側でベースラインの位置にもど
ったときの温度である。
【0018】本発明においてプロピレン系樹脂発泡粒子
に用いられる基材樹脂としては、例えば、ポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン
−プロピレンランダム共重合体、ブテン−プロピレンラ
ンダム共重合体、エチレン−ブテン−プロピレンランダ
ム共重合体等を挙げることができるが、その中でも特に
エチレン−プロピレンランダム共重合体、ブテン−プロ
ピレンランダム共重合体、エチレン−ブテン−プロピレ
ンランダム共重合体が好ましい。また、上記基材樹脂は
リサイクルの面で無架橋のものが好ましい。
【0019】本発明において、上記した種々の重合体は
通常どおり単独で用いてもよく、或いは2種以上を混合
する等併用して用いてもよい。また、柔軟性を付与する
ために、エチレン−プロピレンラバー等の熱可塑性エス
トラマーを5〜40重量%添加することが好ましい。更
に、上記基材樹脂にはポリカプロラクトン、β−ヒドロ
キシ酪酸、及び/又はその共重合体、ポリビニルアルコ
ール、変成デンプン等の生分解性プラスチックを本発明
の目的、作用、効果を阻害しない範囲で混合して用いる
こともできる。また、生分解性プラスチックを用いる場
合には上記の如く基材樹脂に混合して用いる方法の他
に、必要に応じて本発明の目的、作用、効果を阻害しな
い範囲で生分解性プラスチックの発泡、又は非発泡の樹
脂粒子を、プロピレン系樹脂発泡粒子に混合し、これら
のものから成型体を得ることもできる。
【0020】発泡粒子を得るに際して用いられる発泡剤
としては、通常、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、シクロブタン、シクロヘキサン、トリクロロフロロ
メタン、ジクロロジフロロメタン、クロロフロロメタ
ン、トリフロロメタン、1,2,2,2−テトラフロロ
エタン、1−クロロ−1,1−ジフロロエタン、1,1
−ジフロロエタン、1−クロロ−1,2,2,2−テト
ラフロロエタン等の揮発性発泡剤や、窒素、二酸化炭
素、アルゴン、空気等の無機ガス系発泡剤が用いられる
が、なかでもオゾン層の破壊がなく且つ安価な無機ガス
系発泡剤が好ましく、特に窒素、空気、二酸化炭素が好
ましい。窒素、空気を除く上記発泡剤の使用量は、通常
樹脂粒子100重量部当り、2〜50重量部であり、ま
た、窒素、空気を発泡剤として用いる場合、その使用量
は20〜60kgf/cm2 ・Gの圧力範囲で密閉容器
内に圧入されるものとし、これら発泡剤の使用量は得よ
うとする発泡粒子の嵩密度と発泡温度との関係や、高温
ピーク熱量との関係から適宜選定される。
【0021】樹脂粒子を分散させるための発散媒として
は、樹脂粒子を溶解しないものであれば良く、このよう
な分散媒としては例えば水、エチレングリコール、グリ
セリン、メタノール、エタノール等が挙げられるが、通
常は水が使用される。
【0022】更に、樹脂粒子を分散媒に分散せしめて発
泡温度に加熱するに際し、樹脂粒子相互の融着を防止す
るために融着防止剤を用いることができる。融着防止剤
としては水等に溶解せず、加熱によって溶融しないもの
であれば無機系、有機系を問わず使用可能であるが、一
般には無機系のものが好ましい。無機系の融着防止剤と
しては、カオリン、タルク、マイカ、酸化アルミニウ
ム、酸化チタン、水酸化アルミニウム等の粉体が好適で
ある。また、分散助剤としてドデシルベンゼンスルフォ
ン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等のアニオン系
界面活性剤が好適に使用される。上記融着防止剤として
は平均粒径0.001〜100μm、特に0.001〜30
μmのものが好ましい。融着防止剤の添加量は樹脂粒子
100重量部に対し、通常は0.01〜10重量部が好ま
しい。また界面活性剤は樹脂粒子100重量部当たり、
通常0.001〜5重量部添加することが好ましい。
【0023】尚、基材樹脂には、例えば透水性土壌形成
用途には黒、茶、灰色等の着色顔料、又は染料を添加し
て着色して着色された発泡粒子を得、該発泡粒子を用い
て着色された成型体を得ることもできる。上記の着色顔
料又は染料の色は上記のものの他に、用途に応じて黄
色、赤色、桃色、青色等適宜選択することができる。
【0024】着色顔料、染料又は無機物等の添加剤を基
材樹脂に添加する場合は、添加剤を基材樹脂にそのまま
練り混むこともできるが、通常、分散性等を考慮して添
加剤のマスターバッチを造り、該マスターバッチと基材
樹脂とを混練することが好ましい。着色顔料、染料の添
加量は色によって添加量が異なるが、通常、基材樹脂1
00重量部に対して0.01〜15重量部である。無機
物は基材樹脂100重量部に対して0.001〜5重量
部添加することが好ましい。無機物を基材樹脂に対して
上記の量を添加する事により、発泡倍率の向上効果や、
気泡径を50〜350μmに調整する効果が期待でき
る。
【0025】本発明方法において、プロピレン系樹脂発
泡成型体を成型するために供される発泡粒子としては、
その体積をV〔mm3 〕、表面積をS〔mm2 〕とした
ときに、S/(6V2/3 )の値、即ち、上記発泡粒子と
同一の体積Vを有する立方体を想定したときの該立方体
の表面積S′(立方体の体積がVならばその一辺の長さ
はV1/3 となるから立方体の1面の面積はV2/3 とな
り、立方体は六面体であるからS′=6V2/3 とな
る。)に対する発泡粒子の表面積Sの比が、1〜3、好
ましくは1.3〜2.5となるように形成されたものが
用いられる。
【0026】体積Vと表面積Sとの間に上記の如き関係
が成り立つ発泡粒子を選別する上で、発泡粒子の体積V
を測定するには、例えば、任意の個数の発泡粒子をアル
コール等の液体中に沈めたときの体積増加分を測定し、
その増加分を発泡粒子の個数で除して発泡粒子1個当た
りの平均体積を算出する等すれば良い。また、発泡粒子
の表面積Sを測定するには、例えば、既知の表面積を有
するサンプル粒子の表面に、粘性の低い希薄なシリコン
ラバー等のコーティング剤を表面コートしたときに増加
した重量の増加分を計量しておき、これと既知の表面積
との関係を基準として、発泡粒子の表面に同一のコーテ
ィング剤を同様に表面コートしたときの重量増加分から
表面積を算出する方法や、CADを使用しコンピュータ
ーグラフィックから算出する方法、発泡粒子の表面にイ
ンクを塗布しこれを転写して表面積を求める方法等を採
用すれば良い。尚、本発明では、個々の発泡粒子の全て
において体積Vと表面積Sとの間に上記関係が成り立つ
ものを用いるのが望ましいが、個々の発泡粒子における
S/(6V2/3 )の値が上記した範囲から極端に逸脱す
ることがない限り、体積Vと表面積Sとの関係が成型に
供する発泡体全体で平均的に満たされていれば足りる。
【0027】本発明方法にあっては、体積Vと表面積S
とが特定の関係にある発泡粒子を用いてプロピレン系樹
脂発泡成型体を成型する点が特に重要であり、このよう
な関係によって選別された発泡粒子は、発泡成型体を成
型するために従来より用いられている通常の発泡粒子よ
りも単位体積当たりの表面積が大きく、これらの発泡粒
子を各々がランダムに配向するように型内に充填して相
互に融着せしめることによって成型体を成型すれば、得
られる成型体には発泡粒子間に連通した空隙部が形成さ
れ、良好な透水性を示すものとなる。更に、成型時の二
次発泡によって粒子間の空隙が埋まってしまうといった
問題が生じる虞がなく、空隙率のコントロールが容易で
あるとともに、二次発泡を抑える必要がなく発泡粒子を
型内で積極的に二次発泡せしめて成型体を成型すること
ができるので、発泡体を構成する粒子間の接着面積が広
くなり、また、成形温度を高くすることもでき、これに
よって発泡粒子相互の融着性を向上させることができ
る。尚、S/(6V2/3 )の値が1未満の場合には、高
温ピーク熱量を調整したり、成型時の加熱温度調整して
も、成型時の二次発泡により空隙が埋まってしまう虞が
あるため空隙率のコントロールが困難となり、その結果
所定の空隙率が得られ難くなる。また、S/(6
2/3 )の値が3を超える場合には安定した形状の発泡
粒子を効率良く得られなくなるという問題が生じる。
【0028】また、本発明にあっては、プロピレン系樹
脂発泡成型体を成型するために供される発泡粒子が上記
関係を満足するものであれば、その形状は特に限定され
ないが、その具体的な形状としては、図3に示すように
発泡粒子1を三次元座標上のxy、yz、zxの各平面
のそれぞれが上記発泡粒子1に少なくとも一点(それぞ
れ面p、線q、線r、但し面や線は点の集合と考える)
で接し、且つ上記各平面が発泡粒子1を切断しないよう
に三次元座標上にあらゆる向きに配置した時、上記発泡
粒子1の表面におけるx、y、zの各座標の絶対値の最
大値のいずれでもよいが、発泡粒子1の配置方向を様々
に変えた中で最も小さく且つ他の2方向の座標値の絶対
値が最大となる部分での値以下の座標値絶対値をaと決
め、該座標値絶対値aを示した座標軸がx軸であったと
した場合に、y軸、z軸のそれぞれにおける座標値絶対
値の最大値のうちyz平面で配置方向を様々に変えた中
で最も小さな値をb、残りをcとし(a≦b≦c)、
且つ1≦b/a<2、1≦c/a<2なる関係を満
足する形状であるのが好ましい。尚、図3において、接
面pは斜線で、接線q、rは2点鎖線でそれぞれ示し
た。
【0029】上記a、b、cの各値は、コンピューター
・グラフィックス、三次元測定機等を利用して測定する
ことができる。またコンピューター・グラフィックス等
を用いて発泡粒子1の各a、b、cの値を決定して発泡
粒子形状を設計することができる。
【0030】上記発泡粒子1において、b/a≧2であ
ったり、c/a≧2であったりすると、発泡粒子を型内
に充填する際に充填フィーダー中に詰まり易くまた型内
において充填不良を生じ易い。1>b/a、1>c/a
となる場合は、a、b、cの関係をa≦b≦cと定義し
たので存在しない。
【0031】上記の条件を満足する発泡粒子1として
は、例えば所定方向断面において常に以下に示すような
(略)一定形状を有するものが挙げられる。即ち図4に
示すように断面形状が、(ア)中空円状(ドーナツ
状)、(イ)中空三角状、(ウ)中空六角状、(エ)中
空円の中に仕切りがある形状、(オ)2つの中空円が並
列された形状、(カ)3つの中空円がのそれぞれが接触
して並列した形状、(キ)一部に断裂部dを有する中空
円形状、(ク)一部に断裂部dを有する中空四角形状等
である。
【0032】発泡粒子1の形状としては上記した中空構
造、即ち筒状のもの以外に、発泡粒子が3〜8個の肢状
部を有する場合も好ましい態様の一つである。このよう
な形状としては例えば図5に示すように、所定方向断面
において常に(略)一定形状を有しその所定断面が、
(サ)3本の肢状部eからなるもの、(シ)5本の肢状
部eからなるもの、(ス)8本の肢状部eからなるも
の、(セ)中実円fの周囲の均等の位置に4本の肢状部
eを有するもの、(ソ)中実三角gの周囲の均等の位置
に6本の肢状部eを有するもの、(タ)中実四角hの周
囲の均等の位置に4本の肢状部eを有するもの、(チ)
中空円iの周囲の均等の位置に3本の肢状部eを有する
もの、(ツ)中空三角形jの周囲に均等の位置に3本の
肢状部eを有するもの、(テ)中空四角形kの周囲の均
等の位置に4本の肢状部eを有するもの、(ト)中空円
iの周囲の均等の位置に6本の肢状部eを有するもの、
(ナ)中空三角形jの周囲の均等の位置に6本の肢状部
eを有するもの、(ニ)4本の肢状部eからなるもの、
(ヌ)6本の肢状部eからなるもの等が挙げられる。
【0033】上記で例示したもののうち、特に発泡粒子
が肢状部eのない筒形である場合は、例えば球状の如き
一般の発泡粒子と同様にフィーダー詰まりがなく、しか
も型内に型内のどの位置においても均一な密度で充填さ
れ、且つ如何なる場合にも一定の密度に充填されるので
充填率のコントロールがし易く好ましい。充填率(%)
とは、発泡粒子を金型内に充填した時の発泡粒子の占め
る真の体積(cm3 )を金型内(キャビティー)体積
(cm3 )で割って百分率で示した値である。発泡粒子
の充填割合の調整は、発泡粒子の真密度や、また発泡粒
子が上記で例示したような所定方向断面において常に
(略)一定形状を有する場合はそのL/Dの値に応じて
充填空気圧を適宜調節する方法、発泡粒子を金型内に充
填する際に金型の型開き(クラッキング)を調節する方
法等によって行うことができる。
【0034】発泡粒子のL/Dの値とは、所定方向断面
において常に(略)一定形状を有するある発泡粒子にお
いて、その胴部断面の最大長さ(D)で、該(D)に対
して垂直方向の最大長さ(L)を除した値である。例え
ば発泡粒子が円筒形である場合は、Lは円筒の筒の高
さ、Dは筒の外径に相当する。
【0035】上記発泡粒子1としては更に、発泡粒子の
L/Dが0.5〜0.7又は1.3〜2.0であるのが
好ましく、発泡粒子のL/Dが0.5〜0.7又は1.
3〜2.0の筒形であれば、発泡粒子を金型内に充填す
る際の充填空気圧の調整で筒形発泡粒子に方向性を与え
る事が可能となり空隙率、特に連通した空隙の方向性を
制御できる。
【0036】本発明において好ましい発泡粒子として
は、図4、5中(ア)〜(ク)、(チ)、(テ)〜
(ナ)等の場合は外径(上記Dに相当する)が3〜12
mm、内径が1〜6mm、長さ(上記Lに相当する)が
2〜20mmの筒状、楕円筒状又は筒の結合体状の胴部
を有するもの、又、図5(サ)〜(ヌ)の肢状部からな
るもの又は肢状部を有するものの場合は、肢状部の大き
さは厚みが1〜2.5mm、高さが1〜3mm、長さ
(上記Lに相当する)が2〜20mmのもの、又、図5
(セ)〜(タ)の中実の胴部は径(上記Dに相当する)
2.5〜8mmのもの等が挙げられる。
【0037】上記の発泡粒子は全て所定方向断面におい
て常に(略)一定形状を有するものであるが、本発明に
おいて用いられる発泡粒子はこれに限定されるものでは
なく、ある程度は不定形のものでもよい。
【0038】発泡粒子が不定形である場合は、前記条件
中で定義されたa、b、cのそれぞれの値を以下のよう
に置き換えて上記発泡粒子に対して適用してもよい。即
ち、ある直方体の全ての内面に発泡粒子の表面の少なく
とも1点が接するように上記直方体の中に上記発泡粒子
を配置するとして、上記発泡粒子の配置方向を変えてい
った時、上記直方体の最も短い辺の長さが最も短くなる
時のその辺の長さをaとし、a辺に直交する2辺のうち
最も短い方の辺の長さをb、残りの辺の長さをcとした
時、1≦b/a<2、1≦c/a<2なる関係を満足す
るようなa、b、cを有する形状とすれば良い。
【0039】更に、本発明において成型に供される発泡
粒子は、その嵩密度が0.012〜0.2g/cm3
好ましくは0.012〜0.05g/cm3 、更に好ま
しくは0.012〜0.039g/cm3 の比較的低密
度のものであって、且つ高温ピーク熱量が15J/g以
上、好ましくは15〜40J/gのものである。高温ピ
ーク熱量と発泡粒子の嵩密度は、発泡粒子を構成する膜
(セル)の強度や膜厚との間に密接な関係を有すると考
えられ、発泡粒子の嵩密度が0.2g/cm3を超える
場合には発泡粒子の膜厚が必要以上に大きくなる傾向に
あり、成型体を成型する際に発泡粒子に付与する内圧を
より高いものとする必要があるため生産性に劣る。ま
た、嵩密度が0.012g/cm3 よりも小さいときに
は、発泡粒子の型内への充填が難しく、更には得られる
成型体の圧縮特性が悪くなるといった問題が生じてしま
い好ましくない。一方、高温ピーク熱量が15J/g未
満であるとセル強度が比較的弱くなる傾向にあって、嵩
密度が上記の範囲にあっても発泡粒子に内圧付与の前処
理を施して成型に供するには適さない場合もあり、空隙
率のコントロールさえも難しくなるという問題が生じ
る。
【0040】本発明でいう高温ピーク熱量とは、DSC
曲線に現れる高温ピークbにおける吸熱量であって、高
温ピークbと固有ピークaの谷の部分で高温ピークbと
固有ピークaとを分割し、谷の部分よりも高温側のピー
クの面積(図1において斜線で示した部分の面積)を高
温ピークbの面積として、チャート上の高温ピークbの
面積から次の式により求めることができる。:高温ピー
ク熱量〔J/g〕=(高温ピークbのチャート上の面積
〔cm2 〕)×(チャート1cm2 当たりの熱量〔J/
cm2 〕)÷(試料の質量〔g〕)
【0041】また、発泡粒子の嵩密度とは、例えば、メ
スシリンダー内に自由落下によって発泡粒子を充填した
後に、メスシリンダーを振動せしめその体積が恒量に達
したときの目盛りを読んだ値で充填された発泡粒子の全
重量を除して算出したものである。
【0042】本発明方法では、このようなプロピレン系
樹脂発泡粒子に、0.5kgf/cm2 ・Gを超える内
圧、好ましくは0.6〜3.0kgf/cm2 ・Gの内
圧を付与し、これを開閉し得るが密閉し得ない成型用型
内に充填し、好ましくは該発泡粒子の融点Tm −30℃
〜同融点Tm +5℃の温度範囲にて水蒸気により加熱し
て発泡粒子相互を融着させるとともに二次発泡せしめ、
しかる後冷却することによって、連通した空隙を有する
プロピレン系樹脂発泡成型体が得られる。尚、本発明方
法で得られる成型体は、発泡体の嵩密度が、0.012
〜0.2g/cm3 、好ましくは0.012〜0.05
g/cm3 、更に好ましくは0.012〜0.039g
/cm3 程度のものとするのが望ましい。
【0043】本発明にあっては、前述したように二次発
泡を抑える必要がなく、発泡粒子に生産性に支障をきた
さない範囲で比較的大きな内圧を付与したり、成型時の
成型温度を高くしたりして、発泡粒子を型内で積極的に
二次発泡せしめて成型体を成型しても得られた発泡成型
体の空隙率が低下するといった虞がないので、発泡粒子
への内圧付与の前処理が必要とされる成型を行う場合で
あっても、発泡粒子間の融着性を向上させるとともに、
得られる成型体の収縮の問題を解決することができ、更
には、二次発泡性に劣る発泡粒子を用いても良好な成型
を行うことが可能となり、発泡倍率の低い発泡粒子から
成型時の加熱温度を高くすることなく、より高い発泡倍
率の発泡成型体を得ることができる。尚、成型温度が融
点Tm −30℃未満であると発泡粒子相互の融着不良を
きたす可能性があり、成型温度が融点Tm +5℃を超え
ると必要以上に二次発泡が起こる等して発泡成型体に収
縮が起こり易くなり、その結果製品外観が悪くなるとと
もに発泡粒子表面の溶融状態にバラツキが生じて発泡粒
子相互の融着面積が不均一になり易くそのため空隙率の
コントロールが難しくなり、あまり好ましくない。
【0044】本発明方法によって好ましく得られる成型
体は、空隙率にして5〜60%の連通した空隙部を有
し、JIS−A1218変水位法透水性試験に準拠して
試料の砂を発泡成型体に代えて測定した値が5×10-1
〜1×10-3〔cm3 /cm2・sec.〕の優れた透
水性を有するものであり、通気性や吸音性においても優
れた特性を有するものである。尚、重合体粒子発泡成型
体の空隙率A〔%〕は、発泡成型体の外形寸法から算出
される見かけ体積〔cm3 〕をB(見かけ体積Bは成型
体の収縮を考慮せず簡単に考えれば発泡成型体が得られ
た時点での金型キャビティー内の体積に等しく、金型図
面寸法から算出できる)、発泡成型体の空隙部を除いた
真の体積〔cm3 〕をC(真の体積Cは発泡成型体を、
アルコール等の液体中に沈めた時の増量した体積を測定
することによって知ることができる)としたときに、次
の式によって算出されるものである。 :A(%)=〔(B−C)/B〕×100
【0045】従って、得られた成型体は、その透水性等
の特性を活かして、例えば、乗馬クラブ等のトレーニ
ング馬場や馬道、屋上庭園の人工芝の下敷材、暗き
ょ等の排水設備、ゴルフ場の排水促進材、EPS工
法用ブロックに代表される軽量盛土材、或いはその吸音
性及び通気性及び断熱性を活かして壁材として、また
或いは床や天井の芯材として様々な用途に利用するこ
とができる。
【0046】以下、上記各々の用途における使用例を示
す。上記の場合は、排水溝を形成したコンクリート製
基礎の表面に30〜60mmの成型体を載置し、その上
に30〜100mmの厚さで砂又はゴムチップを敷き詰
めて用いられる。成型体は表面グレー(砂又はゴムチッ
プと略同色)に着色してあると表面の砂等がズレて成型
体表面が現れた時でも馬が驚かないので好ましい。また
の場合は、通常、必要に応じて排水溝が設けられたコ
ンクリート製基礎の上に10〜30mmの成型体が敷設
され、その上に人工芝が敷かれて用いられ、人工芝から
成型体を通して水が容易に排出されるので人工芝が速や
かに乾燥する。またの場合は、孔を有する排水管の周
囲を成型体で覆って、その上に砂や砂利、土等が盛られ
た状態で用いられる。またの場合は、地盤の上に成型
体が敷設され、その上に順に土や砂、芝の順に設けられ
て使用される。またに関しては、通常は盛土材として
透水性のない発泡スチロールブロックを用いているので
排水性が悪く、大量の水に漬かった場合はブロックの周
囲に溜まった水の浮力によってブロックが押し上げられ
て動く虞があるため楔止めや金網でカバーする必要があ
ったが、本発明方法によって得られた成型体を用いるこ
とにより排水が促進されるため上記の危険が少なくな
る。またの場合は、外壁と内壁の間に詰めて用いられ
る。またの場合は、床材又は天井材の裏面等に固着さ
れて用いられる。
【0047】
【実施例】次に、本発明連通した空隙を有するプロピレ
ン系樹脂発泡成型体の製造方法の実施例(実施例1〜
6)と、それに対する比較例(比較例1〜3)とを挙げ
て、本発明を更に詳細に説明する。尚、基材樹脂や、該
基材樹脂から形成された発泡粒子に関する種々の値を表
1に、発泡粒子を成型する際の成型条件や、得られた成
型体の評価等を表2に、それぞれ各実施例及び各比較例
ごとに示した。
【0048】表1に示す基材樹脂を、水酸化アルミニウ
ム及びカーボンブラックと共に押出機内で融解混練した
後(水酸化アルミニウム、カーボンブラックは配合量が
各々0.2重量%、0.26重量%となるようにマスタ
ーバッチで添加した)、得られる発泡粒子に所望される
断面形状に対して略相似形のダイスからストランド状に
押し出して、水中で急冷した後に所定の長さに切断して
ペレット状に造粒した後、発泡剤に二酸化炭素を使用し
て、これらのペレット100kgを、融着防止剤として
カオリン400g、分散助剤としてドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム30gを配合した水220リットル
に分散させ、密閉容器(容積400リットル)内で攪拌
しながら、樹脂の融解終了温度Te 以上の温度に昇温す
ることなく表1に示す発泡温度に昇温して、表1に示す
時間をもって保持した後に発泡剤の平衡蒸気圧に等しい
背圧をかけ、その圧力を保持したまま容器の一端を解放
して樹脂粒子と水とを同時に放出して樹脂粒子を発泡せ
しめ、表1に示すような断面形状を有する灰色の発泡粒
子を得た。尚、表1中、断面形状を表す記号(ア)〜
(ヌ)は、図4、5の記号(ア)〜(ヌ)に対応するも
のである。また、断面形状を円としたものは円柱状の発
泡粒子を用いた。
【0049】また、得られた発泡粒子から任意に選びだ
したサンプル群から、発泡粒子の体積V、表面積S、発
泡粒子を三次元座標上に配置した時のa、b、cの値、
及び嵩密度を測定し、これらの値から算出されたS/
(6V2/3 )、b/a、c/aの値とともに表1に示し
た。更に、示差走査熱量測定によって得られた第1回目
のDSC曲線、及び第2回目のDSC曲線から高温ピー
クの有無を確認し、第1回目のDSC曲線のチャートか
ら高温ピーク熱量を算出し、これを表1に併せて示し
た。
【0050】次に、上記の如き各発泡粒子を、表2に示
す成型条件で成型して重合体発泡粒子成型体を得た。得
られた成型体の空隙率、及び嵩密度を測定して得られた
値とともに、成型の際の発泡粒子の充填性、融着性、成
型性、及び成型体の透水性についての評価を表2に併せ
て示した。尚、上記諸物性の評価についての評価基準
は、以下に説明する通りのものである。
【0051】充填性は、10回の成型において、発泡粒
子の充填ガン(フィーダー)詰まりの回数によって評価
した。尚、充填ガンの口径は25mm、引込み空気圧力
は5kg/cm2 (G)とした。 ○・・・0回 △・・・1〜2回 ×・・・3回以上
【0052】融着性は、50mm×100mm×5mm
(縦×横×厚み)となるように、発泡粒子成型体を切断
した5枚の試験片を各々破断するまで長手方向に引っ張
り、破断面を観察して以下の基準で評価した。 ◎・・・全ての試験片において破断面の発泡粒子に破壊
部分が多く発生 ○・・・全ての試験片において破断面の発泡粒子に破壊
部分が発生 △・・・一部の試験片において破断面の発泡粒子に破壊
部分が発生 ×・・・全ての試験片において破断面の発泡粒子が破壊
されずに融着面で切断される
【0053】成型性は、成型体の収縮がなく、充分な空
隙が確保される成型温度の温度範囲をもって評価した。
温度範囲が広いほど成型性が良好である。 ◎・・・通常の成型品より成型温度範囲が広い。 ○・・・通常の成型品と同等の成型温度範囲を有する。 △・・・通常の成型品より成型温度範囲が狭い。 ×・・・成型品が得られない。
【0054】透水性は、成型体表面に水を1リットル/
minで漏斗で滴下して水の動向を観察し、以下のよう
に判定した。 ○・・・成型体内部を通過して下面から排出される。 △・・・成型体表面に滞留した後、極く少量ずつ下面か
ら排出される。 ×・・・成型体内部に浸透することなく、側面からこぼ
れ落ちる。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明方法によれ
ば体積Vと表面積Sとが特定の関係にある発泡粒子を用
いてプロピレン系樹脂発泡成型体を成型することによっ
て、得られる成型体が良好な透水性を示すものとなると
ともに、成型時の二次発泡によって粒子間に形成される
べき空隙が埋まってしまうといった問題が生じる虞がな
く、空隙率のコントロールも容易なものであって、更
に、発泡粒子への内圧付与の前処理が必要とされる場合
に、生産性に支障をきたさない範囲で比較的大きな内圧
を付与して良好な成型を行うことができ、発泡粒子の型
内への充填率が低い場合や、高発泡倍率の成型体を得よ
うとする場合等であっても、成型収縮の問題が生じる虞
がなく良好な成型を行うことができる。
【0058】また、二次発泡を抑える必要がなく発泡粒
子を型内で積極的に二次発泡せしめて成型体を成型する
ことができるため、発泡体を構成する粒子間の接着面積
が広くなり、発泡粒子相互の融着性が向上し、成型の際
の温度調節も容易となる。
【0059】更に、発泡粒子の形状を特定することによ
って、空隙率のコントロールがより容易なものとなると
ともに、発泡粒子を型内に充填する際に発泡粒子が詰ま
り易いといった問題や、充填不良等の支障をきたす虞が
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1回目のDSC曲線のチャートの一例であ
る。
【図2】第2回目のDSC曲線のチャートの一例であ
る。
【図3】本発明連通した空隙を有するプロピレン系樹脂
発泡成型体の製造方法に用いられる発泡粒子の一例にお
いてその形状を特定するために用いるa、b、cの各値
について説明するための説明図である。
【図4】発泡粒子の垂直断面粒子形状の態様を示す図で
ある。
【図5】発泡粒子の垂直断面粒子形状の態様を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 発泡粒子 a 発泡粒子を三次元座標上に配置した時、発泡粒子の
表面における座標値の絶対値の最大値がとり得る最小値 b 発泡粒子の最大径がaを示す時の、aを示した座標
軸と直交する2方向の座標値絶対値のうちいずれかのと
り得る最も小さい方の値 c 発泡粒子の最大径がaを示す時の、aを示した座標
軸と直交する2方向の座標値絶対値のうちbが定まった
時の残りの値 x x軸 y y軸 z z軸 p 発泡粒子とxy平面との接面 q 発泡粒子とyz平面との接線 r 発泡粒子とzx平面との接線

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロピレン系樹脂発泡粒子の示差走査熱量
    測定によって得られるDSC曲線(発泡粒子2〜6mg
    を示差走査熱量計によって、10℃/min.で220
    ℃まで昇温したときに得られるDSC曲線)にプロピレ
    ン系樹脂の固有ピークとともに、該固有ピークよりも高
    温側に高温ピークが現れる結晶構造を有し、その体積を
    V〔mm3 〕、表面積をS〔mm2 〕としたときのS/
    (6V2/3 )の値が1〜3であって、嵩密度が0.01
    2〜0.2g/cm3 、且つ高温ピーク熱量が15J/
    g以上であるプロピレン系樹脂発泡粒子に、0.5kg
    f/cm2 ・Gを超える内圧を付与し、これを型内に充
    填して加熱し成型することを特徴とする連通した空隙を
    有するプロピレン系樹脂発泡成型体の製造方法。
  2. 【請求項2】ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の形状が、
    下記〜式を満足する請求項1記載の連通した空隙を
    有するプロピレン系樹脂発泡成型体の製造方法。 a≦b≦c ・・・・・・・・・・ 1≦b/a<2 ・・・・・・・・・・ 1≦c/a<2 ・・・・・・・・・・ 但し、a、b、cは、発泡粒子を三次元座標上のxy、
    yz、zxの各平面のそれぞれが上記発泡粒子に少なく
    とも一点で接し、且つ上記各平面が発泡粒子を切断しな
    いように三次元座標第1象限上に配置した時、上記発泡
    粒子表面におけるx、y、zの各座標の最大値のいずれ
    かがとり得る最小の座標をaとし、座標値aを示した座
    標軸と直交する方向の2つの最大座標値のいずれかのと
    り得る最小の値をbとし、残りの座標値最大値をcとす
    る。
  3. 【請求項3】成型時の加熱温度が発泡粒子の融点−30
    ℃〜同融点+5℃である請求項1、又は2記載の連通し
    た空隙を有するプロピレン系樹脂発泡成型体の製造方
    法。
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