JPH07138193A - モノアルケニルベンゼン類の製造方法 - Google Patents

モノアルケニルベンゼン類の製造方法

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JPH07138193A
JPH07138193A JP28946693A JP28946693A JPH07138193A JP H07138193 A JPH07138193 A JP H07138193A JP 28946693 A JP28946693 A JP 28946693A JP 28946693 A JP28946693 A JP 28946693A JP H07138193 A JPH07138193 A JP H07138193A
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晃男 橋本
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健一 中村
Minoru Takagawa
實 高川
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C2/00Preparation of hydrocarbons from hydrocarbons containing a smaller number of carbon atoms
    • C07C2/54Preparation of hydrocarbons from hydrocarbons containing a smaller number of carbon atoms by addition of unsaturated hydrocarbons to saturated hydrocarbons or to hydrocarbons containing a six-membered aromatic ring with no unsaturation outside the aromatic ring
    • C07C2/72Addition to a non-aromatic carbon atom of hydrocarbons containing a six-membered aromatic ring

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Abstract

(57)【要約】 【目的】側鎖のα位に1個以上の水素原子が結合してい
る芳香族炭化水素化合物の側鎖を炭素数4または5の共
役ジエン類を用いてアルケニル化してモノアルケニルベ
ンゼン類を製造するに際し、高収率かつ安価で、さらに
安全な方法で安定的に長期にわたりモノアルケニルベン
ゼン類を製造する方法を開発する。 【構成】アルカリ金属と窒化ホウ素を熱処理して得られ
る組成物、あるいは不活性気体下でアルカリ金属とあら
かじめカリウム化合物を含有せしめた窒化ホウ素とを、
不活性気体下、熱処理して得られる組成物を触媒とする
モノアルケニルベンゼン類の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族炭化水素化合物
を炭素数4または5の共役ジエン類を用いて側鎖アルケ
ニル化してモノアルケニルベンゼン類を製造する方法に
関する。モノアルケニルベンゼン類は、高分子モノマー
を始めとする種々の有機化合物の中間原料として有用で
あり、例えば、o-キシレンと1,3-ブタジエンから製造さ
れる 5-(o-トリル)-2-ペンテンは閉環後、脱水素、異性
化、酸化することにより高分子原料として工業的に有用
な2,6-ナフタレンジカルボン酸に変換することができ
る。
【0002】
【従来技術】芳香族炭化水素化合物を炭素数4または5
の共役ジエン類を用いて側鎖アルケニル化してモノアル
ケニルベンゼン類を製造するため触媒としてナトリウ
ム、カリウム等のアルカリ金属およびそれらの合金を用
いる方法が知られている。例えば、独国特許55751
4号には金属ナトリウムを触媒に用いる方法が記載され
ており、Eberhardt らのJ.Org.Chem.,vol.30,p82-84(19
65) には金属ナトリウムをアルカリ土類金属酸化物に担
持して用いる方法が記載されている。また、特公昭50
−17973号には金属カリウムを用いる方法が記載さ
れており、特公昭50−17975号、特公昭51−8
930号等にはカリウム−ナトリウム合金または金属カ
リウムと金属ナトリウムの混合物を用いる方法が記載さ
れている。また、米国特許3244758号および上記
J.Org.Chem.,vol.30,p82-84(1965) には金属カリウムを
アルカリ金属酸化物またはアルカリ土類金属酸化物に担
持して用いる方法が記載されている。さらに特開昭47
−27929号、特開昭47−31935号にはカリウ
ム化合物と金属ナトリウムとを300℃または350℃
以上の温度で熱処理して得られる混合物を触媒として用
いる方法が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このうち金属ナトリウ
ムを、そのまま、またはアルカリ土類金属酸化物に担持
したものを触媒として用いる場合には、活性および選択
性とも十分ではなく実用的ではない。また、金属カリウ
ム触媒、カリウム−ナトリウム合金または金属カリウム
と金属ナトリウムの混合物を触媒として用いる方法は、
触媒としての活性は高いが、工業的に実施しようとする
場合には発火性の高いカリウム金属を多量に使用するた
め安全性での問題がある上、高価な金属カリウムを多量
に使用するため経済性の面でも問題がある。一方、金属
ナトリウムとカリウム化合物を高温下で熱処理して得ら
れる混合物を触媒とする方法は、金属カリウムまたはカ
リウム合金を直接使用しないという特徴はあるが活性は
十分でなく、また発火性の金属ナトリウムを高温下で取
扱うという安全性の面からも工業的には問題がある。本
発明の目的は、このような事実に鑑み、芳香族炭化水素
化合物を炭素数4または5の共役ジエン類を用いて側鎖
アルケニル化する方法に関して、高収率かつ安価に、さ
らに安全な方法でモノアルケニルベンゼン類を製造する
方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決しようとする手段】本発明者らは、芳香族
炭化水素化合物のα位を炭素数4または5の共役ジエン
類を用いて側鎖アルケニル化して、モノアルケニルベン
ゼン類を製造する優れた方法を開発する目的で鋭意検討
を重ねた結果、不活性気体下でアルカリ金属と窒化ホウ
素とを熱処理して得られる組成物を触媒として用いるこ
と、または予めカリウム化合物を含有せしめた窒化ホウ
素とアルカリ金属とを不活性気体下で熱処理して得られ
る組成物を触媒として用いることにより、高収率かつ安
価に、さらに安全性の高い方法でモノアルケニルベンゼ
ン類を製造することができることを見いだし、本発明を
完成するに至った。
【0005】本発明の方法で調製された触媒は、芳香族
炭化水素化合物の共役ジエン類による側鎖アルケニル化
反応に対して著しく高活性であり、少ない触媒使用量で
も高収率で選択性よくモノアルケニルベンゼン類が得ら
れ、触媒寿命も長い。さらにアルカリ金属の発火性は著
しく抑制され触媒の取り扱いが容易になる。すなわち本
発明は、側鎖のα位に1個以上の水素原子が結合してい
る芳香族炭化水素化合物の側鎖を炭素数4または5の共
役ジエン類を用いてアルケニル化してモノアルケニルベ
ンゼン類を製造するに際し、不活性気体下でアルカリ金
属と窒化ホウ素とを熱処理して得られる組成物を触媒と
して用いること、または予めカリウム化合物を含有せし
めた窒化ホウ素とアルカリ金属とを不活性気体下で熱処
理して得られる組成物を触媒として用いることを特徴と
するものである。以下に、本発明についてをさらに詳し
く説明する。
【0006】本発明に用いる側鎖のα位に1個以上の水
素原子が結合している芳香族炭化水素化合物としては、
次のような化合物が用いられる。単環式芳香族炭化水素
としては、トルエン、エチルベンゼン、n-プロピルベン
ゼン、イソプロピルベンゼン、n-ブチルベンゼン、sec-
ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン等のモノアルキル
ベンゼン類、o-、m-およびp-キシレン、o-、m-およびp-
エチルトルエン、o-、m-およびp-ジエチルベンゼン等の
ジアルキルベンゼン類、メシチレン、プソイドキュメン
等のトリアルキルベンゼン類、1,2,3,5-テトラメチルベ
ンゼン、1,2,4,5-テトラメチルベンゼン、ペンタメチル
ベンゼン、ヘキサメチルベンゼン等のポリアルキルベン
ゼン類等が用いられる。また多環式芳香族炭化水素とし
ては、 1- および2-メチルナフタレン、ジメチルナフタ
レン類、アルキルテトラヒドロナフタレン、アルキルイ
ンダン等が用いられる。もう一方の原料となる炭素数4
または5の共役ジエン類としては、1,3-ブタジエン、1,
3-ペンタジエン、イソプレンが用いられる。
【0007】本発明の触媒に用いられるアルカリ金属と
しては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウ
ム、セシウム等が挙げられるが、ナトリウム、カリウム
もしくはナトリウムとカリウムよりなる合金が好まし
く、さらにはカリウムもしくはナトリウムとカリウムの
合金が最も好ましい。 また、窒化ホウ素に予め含有せ
しめるカリウム化合物としては、水酸化カリウム、炭酸
カリウム、炭酸水素カリウム、リン酸カリウム、リン酸
一水素カリウム、リン酸二水素カリウム、アルミン酸カ
リウム、塩化カリウム、および/またはカリウムアルコ
ラート類、カルボン酸カリウム類、カリウムフェノラー
ト類が挙げられる。
【0008】窒化ホウ素とアルカリ金属との混合による
触媒の調製は、不活性気体下、アルカリ金属の融点以上
の温度で加熱混合して行われる。 ここでいう不活性気
体とは、触媒調製条件下においてアルカリ金属および調
製される触媒と実質的に反応しない気体であり、具体的
には窒素、ヘリウム、アルゴン等があげられる。但し、
アルカリ金属としてリチウムを使用する場合には、リチ
ウムが窒素と反応するのでその使用は好ましくない。加
熱処理の温度は、アルカリ金属の融点から500℃の範
囲、より好ましくは融点から300℃の範囲が好まし
い。アルカリ金属の融点よりも低い温度ではアルカリ金
属が融解しないために、窒化ホウ素とアルカリ金属とを
反応させる際に均一に分散させ有効に接触させることが
難しく、調製に時間がかかるために実用的とは云えな
い。一方、500℃以上の温度でも触媒は調製できるも
のの、高温下での発火性の物質の取り扱いは工業的な実
施において好ましいものとは云えない。 また加熱処理
の時間としては、通常5分から300分の範囲である。
触媒調製において用いるアルカリ金属の量は、窒化ホウ
素1重量部に対してアルカリ金属が0.02〜0.40
重量部、好ましくは0.05〜0.25重量部の範囲で
ある。用いるアルカリ金属の量がこの範囲よりも少ない
場合には十分な触媒活性が得られず、また多すぎる場合
にはアルカリ金属が窒化ホウ素に十分に吸蔵および吸着
されずに残るため、触媒の取り扱いが困難になる上、経
済性の面でも好ましくない。
【0009】一方、予めカリウム化合物を含有せしめた
窒化ホウ素とアルカリ金属との混合による触媒の調製
も、不活性気体下、アルカリ金属の融点以上の温度で加
熱混合して行われる。 カリウム化合物を含有した窒化
ホウ素の調製方法としては、両者を混合分散できる方法
であれば湿式、乾式いずれの方法を採ってもよいが、均
一に分散させる目的のためには湿式による調製法を採る
のが好ましい。湿式で調製する方法としては、窒化ホウ
素にカリウム化合物の水溶液を含浸または混練した後に
乾燥や焼成を行う方法等がある。 焼成を行う場合の温
度は、300〜1000℃、好ましくは350〜700
℃であり、また焼成は空気中で行っても不活性気体中で
行ってもどちらでもよい。焼成温度が300℃よりも低
い場合には、この後アルカリ金属と反応させた場合に高
活性な触媒は得られず、また1000℃よりも高い温度
は経済的に好ましくない。
【0010】カリウム化合物と窒化ホウ素との混合比
は、窒化ホウ素1重量部に対してカリウム原子として
0.02〜0.40重量部、好ましくは0.05〜0.
25重量部である。この範囲よりもカリウム化合物の混
合比が小さい場合には、生成したアルケニルベンゼンに
さらに共役ジエンが反応して高沸点化合物の副生量が増
加しやすいこと、触媒活性が低下しやすいこと、また高
活性を維持するために大量の触媒が必要となり反応後の
処理が繁雑となること等の不都合が生じる。一方、カリ
ウム化合物の混合比が大きい場合には、高活性な触媒を
得るためにアルカリ金属と混合する際に長時間を要し、
またより高温で熱処理する必要が生ずること等、窒化ホ
ウ素を担体として用いる効果が発現しにくくなり好まし
くない。アルカリ金属とカリウム化合物との比は、添加
するアルカリ金属のカリウム化合物中のカリウム原子に
対する原子比で0.01〜10、好ましくは0.02〜
5の範囲である。この範囲をはずれる場合にはアルカリ
金属、カリウム化合物の効果が十分に発揮されず、必要
な触媒活性を得るためには大量の触媒を用いる必要が生
じ好ましくない。
【0011】上記の調製法で得られた触媒はいずれも、
従来からの金属酸化物を担体としてアルカリ金属を担持
した触媒とは異なるものである。すなわち、従来からの
アルカリ金属を担体に担持した触媒では、ただ単に不活
性担体上にアルカリ金属が分散しているだけであり、担
体とアルカリ金属の間には強い相互作用は存在していな
い。そのため担体に担持されているアルカリ金属は反応
生成液中に一部溶出し、この溶出により反応を繰り返し
行った場合に触媒中のアルカリ金属成分の量は徐々に減
少してゆき、ついには十分な反応成績が得られなくな
る。また、反応液の蒸留により目的生成物を分離する際
に、溶出したアルカリ金属成分により生成したモノアル
ケニルベンゼン類の二重結合の移動による目的生成物以
外への異性化、逆反応および高分子量物質の生成等が起
こる。さらに、溶出アルカリ金属成分が蒸留塔内で析出
し、蒸留効率の低下やついには蒸留塔の閉塞が起きると
いう現象も起こるようになる。
【0012】これに対して、本発明における触媒、すな
わちアルカリ金属と窒化ホウ素を不活性気体下で熱処理
して得られた組成物や、予めカリウム化合物を含有せし
めた窒化ホウ素とアルカリ金属とを不活性気体下で熱処
理して得られた組成物を触媒として用いた場合には、溶
出アルカリ金属成分の量は大幅に少なくなり、上述の如
き問題は起こらなくなる。これはアルカリ金属と窒化ホ
ウ素を不活性気体下で熱処理して得られた組成物や、予
めカリウム化合物を含有せしめた窒化ホウ素とアルカリ
金属とを不活性気体下で熱処理して得られた組成物の場
合には、アルカリ金属が窒化ホウ素上にただ単に保持さ
れているだけではなく、窒化ホウ素との間に強い相互作
用を持っているためである。このような相互作用は、ア
ルカリ金属のグラファイトへのインターカレーションと
して知られているものと類似であり、窒化ホウ素もグラ
ファイトと類似の構造を持つことによりアルカリ金属と
強い相互作用が存在するためであると考えられる。ま
た、窒化ホウ素とアルカリ金属との間には、インターカ
レーションだけではなく他の相互作用も存在することが
知られており、アルカリ金属と窒化ホウ素との比を一定
に保つ必要はなく、この比はある程度任意にとることが
可能である。
【0013】カリウム化合物を含有させる物質として窒
化ホウ素を用いると、アルカリ金属と窒化ホウ素の比の
他に、グラファイトを用いる場合よりも有利な点があ
る。例えば、予めカリウム化合物を含浸または混練法で
含有させた後に焼成する場合、焼成を空気中で行うとグ
ラファイトでは一部が酸化され燃焼して消失してしまう
という現象が起こるため、焼成は窒素下で行う必要があ
るが、窒化ホウ素は耐酸化性に優れ空気中で焼成を行っ
ても担体に変化は起こらないと云う特徴がある。
【0014】上述の如く、アルカリ金属と窒化ホウ素を
不活性気体下で熱処理して得られた組成物や、予めカリ
ウム化合物を含有せしめた窒化ホウ素とアルカリ金属と
を不活性気体下で熱処理して得られた組成物を触媒とし
て反応に使用するに当たっては、種々の反応方式が採ら
れる。例えば、触媒を仕込んだ反応器に原料をバッチ方
式やセミバッチ方式にて供給する方法、または反応器に
触媒および原料を連続的に供給する完全混合流通方式、
あるいは触媒を反応器に充填し原料を流通させる固定床
流通方式等が採用できる。反応方式は目的とする反応生
成物の種類によって適宜選択されるべきものであるが、
一般的には原料の一方である芳香族炭化水素類を共役ジ
エン類に対して過剰に存在させるとモノアルケニルベン
ゼン類への選択率を向上させることができる。その目的
のためにはセミバッチ方式で共役ジエン類を連続的に反
応系に供給する方法が好ましく、また、完全混合方式や
固定床流通方式等で反応を連続的に実施する場合には反
応器を多段に分け、各段に共役ジエン類を供給する等、
共役ジエン類の反応器中での濃度を下げることができる
反応方式を採用する方が高選択率を得ることができる点
で好ましい。
【0015】本発明の方法における反応温度は、50〜
300℃、好ましくは90〜200℃の範囲である。こ
れより温度が低い場合にも反応が起こるが十分な反応速
度が得られず、また選択率が悪化する傾向にある。また
これより温度が高い場合にはタール分等の副生物が多く
なり好ましくない。反応圧力は、反応条件下で原料芳香
族炭化水素、生成物が実質的に液体として存在するのに
必要な圧力で十分であり、絶対圧で0.05〜50気
圧、好ましくは0.1〜20気圧の範囲である。本発明
の方法における原料芳香族炭化水素に対する一方の原料
である炭素数4または5の共役ジエンの比は、一般的に
はモル比で0.01〜1、好ましくは0.03〜0.5
の範囲である。これよりもジエンが多い場合には生成し
たモノアルケニルベンゼンがさらにジエンと反応して芳
香族炭化水素1分子にジエンが2分子以上付加した化合
物の生成が多くなり、またジエンの重合も起こりやすく
モノアルケニルベンゼンの選択率が悪化するので好まし
くない。本発明の方法において用いる触媒の量は、原料
の芳香族炭化水素に対して重量で0.01%以上、好ま
しくは0.05%以上である。
【0016】本発明の方法を実施するにあたっての反応
時間は、バッチ方式およびセミバッチ方式の反応時間、
または完全混合流通方式での滞留時間としては0.1〜
10時間が採用される。固定床流通方式の場合には、通
常芳香族炭化水素のLSVとしては0.1〜10h -1
採用される。触媒を懸濁させて反応を行う場合に、反応
後における反応液と触媒の分離は、沈降、遠心分離、ろ
過等の一般的な方法で容易に行うことができる。分離さ
れた触媒は反応系に循環してもよく、また付着した有機
物の空気燃焼による除去や有機溶剤や水による洗浄等の
必要な処理を行った後に触媒調製工程に循環することも
可能である。
【0017】
【発明の効果】本発明の方法は、芳香族炭化水素化合物
と共役ジエン化合物を用いて工業的に有用なモノアルケ
ニルベンゼン類を、高収率かつ安価に、さらにより安全
な方法で長期にわたり製造することができるものであ
り、その工業的意義は大きい。
【0018】
【実施例】以下、実施例および比較例にて本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。なお、反応生成液中に溶出したアルカリ金
属量は、HCl 水溶液で金属イオンを抽出後、ICP 発光分
析により定量した。実施例1 窒化ホウ素5.0g を窒素雰囲気下200℃で攪拌し、
そこへ金属K 1.0gを加えた後、その温度で1時間攪
拌した。このようにして得られた触媒粉末にモレキュラ
ーシーブスを用いて脱水した o- キシレン1000g を
窒素気流中で加え、130℃に加熱した。加熱攪拌しな
がら、1,3-ブタジエン70g を1時間で導入して反応さ
せた。冷却後反応液の一部をろ過して採り、ガスクロマ
トグラフにより分析した。 反応結果を表1に示す。
なお、反応生成液中に溶出したカリウム量は10.6mg
であった。
【0019】実施例2、3 表1に示したように金属カリウム量、処理温度、処理時
間を変えて、実施例1と同様の方法で触媒を調製し、実
施例1と同様に反応を行った。結果を表1に示す。
【0020】実施例4 金属カリウムの代わりにナトリウム−カリウム合金(カ
リウムの重量比78%のもの)を1.6g 使用した以外
は、実施例1と同様の方法で触媒を調製し、実施例1と
同様に反応を行った。 結果を表1に示す。 なお、反
応生成液中に溶出したカリウム量は11.0mg、ナトリ
ウム量は1.7mgであった。
【0021】実施例5 1,3-ブタジエンの供給量を1時間で50g にした以外は
実施例1と同様な方法で触媒を調製し、実施例1と同様
に反応を行った。 結果を表1に示す。
【0022】比較例1 金属カリウム1.0g を触媒に用い、実施例1と同様に
反応を行った。結果を表1に示す。 なお、反応生成液
中に溶出したカリウム量は35mgであった。
【0023】
【表1】 ──────────────────────────────────── 窒化ホウ素 金属量 処理 処理 OTP* 溶出 溶出 使用量 温度 時間 収率 K量 Na量 (g) (g) ( ℃) (分) (%) (mg) (mg) ──────────────────────────────────── 実施例1 5.0 K 1.0 200 60 82.3 10.6 − 実施例2 5.0 K 1.0 100 60 80.4 12.3 − 実施例3 5.0 K 0.5 200 30 79.6 12.5 − 実施例4 5.0 Na-K (K 78%) 200 60 81.1 11.2 3.3 1.60 実施例5 5.0 K 1.0 200 60 88.4 8.6 − 比較例1 0.0 K 1.0 77.2 35.0 − ──────────────────────────────────── *) OTP: 5-(o-トリル)-2-ペンテン
【0024】実施例6 水酸化カリウム3.59g を含有する水溶液に窒化ホウ
素粉末10.0g を加え、攪拌しながら45℃で1時間
含浸した。含浸後、減圧下70℃で水を留去し120℃
で一晩乾燥後さらに空気中500℃で焼成した。このカ
リウム含有窒化ホウ素粉末5.0g を窒素雰囲気下20
0℃で攪拌し、そこへ金属ナトリウム0.60g を加え
た後、その温度で1時間攪拌した。このようにして得ら
れた触媒粉末に、モレキュラーシーブスを用いて脱水し
たo-キシレン1000g を窒素気流中で加え、140℃
に加熱した。強く攪拌しながら、1,3-ブタジエン70g
を1時間で導入して反応させた。冷却後反応液の一部を
ろ過して採り、ガスクロマトグラフにより分析した。
反応結果を表2に示す。 なお、反応生成液中に溶出し
たカリウム量は12.6mg、ナトリウム量は2.5mgで
あった。
【0025】実施例7〜10 表2に示したように窒化ホウ素に混合させるカリウム化
合物を変えた以外は、実施例6と同様の方法で触媒を調
製し、実施例6と同様に反応を行った。結果を表2に示
す。
【0026】比較例2 水酸化カリウムの代わりに水酸化ナトリウム4.34g
を用いた以外は、実施例6と同様にして触媒を調製し反
応に使用した。 反応結果を表2に示す。なお、反応生
成液中に溶出したナトリウム量は42mgであった。
【0027】実施例11 実施例6と同様の方法で触媒を調製し、同様に反応を行
い冷却した後、触媒を沈降させ上層の反応液を抜き出し
た。反応液を抜き出した反応層に窒素気流下でo-キシレ
ン1000g を加え、同様の反応を5回繰り返し行っ
た。5回目の反応による 5-(o-トリル)-2-ペンテンの収
率は78.4%であった。 なお、反応生成液中に溶出
したカリウム量は7.9mg、ナトリウム量は4.3mgで
あった。
【0028】比較例3 500℃で焼成した炭酸カリウム粉末10gを窒素下で
200℃に加熱し、攪拌しながらナトリウム金属0.5
0g を加え、さらに120分その温度で加熱した。放冷
後、実施例1と同様に反応を行った。この反応による 5
-(o-トリル)-2-ペンテンの収率は73.0%であった。
なお、この反応により反応生成液中に溶出したカリウム
量は58mg、ナトリウム量は83mgであった。
【0029】
【表2】 ──────────────────────────────────── 混合化合物 K 化合物- 金属 処理 処理 OTP*1 溶出 溶出 窒化ホウ素 Na量 温度 時間 収率 K 量 Na量 (wt%)*2 使用量(g) (g) ( ℃) (分) (%) (mg) (mg) ──────────────────────────────────── 実施例6 KOH 5.0 0.60 200 60 80.6 12.6 2.5 (20) 実施例7 K2CO3 5.0 0.60 200 60 79.8 13.5 3.9 (20) 実施例8 K3PO4 5.0 0.60 200 60 80.1 14.1 5.1 (20) 実施例9 tBuOK 5.0 0.60 200 60 79.5 13.3 4.5 (20) 実施例 10 CH3COOK 5.0 0.60 200 60 77.8 14.9 5.6 (20) 比較例2 NaOH 5.0 0.60 200 60 3.7 − 42.0 (20) ──────────────────────────────────── *1) OTP : 5-(o-トリル)-2-ペンテン *2) アルカリ金属分の窒化ホウ素に対する担持量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高川 實 茨城県つくば市和台22番地 三菱瓦斯化学 株式会社総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】側鎖のα位に1個以上の水素原子が結合し
    ている芳香族炭化水素化合物の側鎖を炭素数4または5
    の共役ジエン類を用いてアルケニル化してモノアルケニ
    ルベンゼン類を製造するに際し、不活性気体下において
    窒化ホウ素又はカリウム化合物含有の窒化ホウ素とアル
    カリ金属とを熱処理して得られる組成物を触媒として用
    いることを特徴とするモノアルケニルベンゼン類の製造
    方法。
  2. 【請求項2】アルカリ金属が、ナトリウム、カリウム、
    もしくはナトリウム−カリウム合金である請求項1記載
    の方法。
  3. 【請求項3】カリウム化合物が、水酸化カリウム、炭酸
    カリウム、炭酸水素カリウム、リン酸カリウム、リン酸
    一水素カリウム、リン酸二水素カリウム、アルミン酸カ
    リウム、塩化カリウム、および/またはカリウムアルコ
    ラート類、カルボン酸カリウム類、カリウムフェノラー
    ト類からなる群より選ばれた少なくとも一種のものであ
    る請求項1記載の方法。
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