JP2982846B2 - モノアルケニルベンゼン類の製造方法 - Google Patents

モノアルケニルベンゼン類の製造方法

Info

Publication number
JP2982846B2
JP2982846B2 JP5277053A JP27705393A JP2982846B2 JP 2982846 B2 JP2982846 B2 JP 2982846B2 JP 5277053 A JP5277053 A JP 5277053A JP 27705393 A JP27705393 A JP 27705393A JP 2982846 B2 JP2982846 B2 JP 2982846B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
potassium
reaction
compound
carbon material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5277053A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07126195A (ja
Inventor
晃男 橋本
實 高川
金司 加藤
健一 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority to JP5277053A priority Critical patent/JP2982846B2/ja
Publication of JPH07126195A publication Critical patent/JPH07126195A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2982846B2 publication Critical patent/JP2982846B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C2/00Preparation of hydrocarbons from hydrocarbons containing a smaller number of carbon atoms
    • C07C2/54Preparation of hydrocarbons from hydrocarbons containing a smaller number of carbon atoms by addition of unsaturated hydrocarbons to saturated hydrocarbons or to hydrocarbons containing a six-membered aromatic ring with no unsaturation outside the aromatic ring
    • C07C2/72Addition to a non-aromatic carbon atom of hydrocarbons containing a six-membered aromatic ring

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族炭化水素化合物
を炭素数4または5の共役ジエン類を用いて側鎖アルケ
ニル化してモノアルケニルベンゼン類を製造する方法に
関する。モノアルケニルベンゼン類は、高分子モノマー
や医薬品を始めとする種々の有機化合物の中間原料とし
て有用であり、例えば o-キシレンと1,3-ブタジエンか
ら製造される 5-(o-トリル)-2-ペンテンは、閉環後、脱
水素、異性化、酸化して工業的に有用な2,6-ナフタレン
ジカルボン酸に変換することができる。
【0002】
【従来技術】芳香族炭化水素化合物を炭素数4または5
の共役ジエン類を用いて側鎖アルケニル化してモノアル
ケニルベンゼン類を製造するための触媒としては、ナト
リウム、カリウム等のアルカリ金属及びそれらの合金を
用いる方法が知られている。例えば、独国特許5575
14号には金属ナトリウムを触媒に用いる方法が記載さ
れており、Eberhardt らの J.Org.Chem.,vol.30(1965),
pp82-84 には金属ナトリウムをアルカリ土類金属酸化物
に担持して用いる方法が記載されている。また、特公昭
50−17973号には金属カリウムを用いる方法が記
載されており、特公昭50−17975号、特公昭51
−8930号等にはカリウム−ナトリウム合金または金
属カリウムと金属ナトリウムの混合物を用いる方法が記
載されている。また、米国特許3244758号および
上記 J.Org.Chem.,vol.30(1965),pp82-84には金属カリ
ウムをアルカリ金属酸化物またはアルカリ土類金属酸化
物に担持して用いる方法が記載されている。さらに特開
昭47−27929号、特開昭47−31935号には
カリウム化合物と金属ナトリウムとを300℃または3
50℃以上の温度で熱処理して得られる混合物を触媒に
用いる方法が示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の公知法のうち、
金属ナトリウムをそのまま、またはアルカリ土類金属酸
化物に担持して触媒として用いる場合には、活性、選択
性とも十分ではなく実用的ではない。また、金属カリウ
ム触媒、カリウム−ナトリウム合金または金属カリウム
と金属ナトリウムの混合物を触媒に用いる方法は、触媒
としての活性は高いが、工業的に実施しようとする場合
には発火性の金属を多量に使用するため安全面での問題
がある上、高価な金属カリウムを多量に使用するため経
済性の面でも問題を有している。一方、金属ナトリウム
とカリウム化合物を高温下で熱処理して得られる混合物
を触媒とする方法は、金属カリウムまたはカリウム合金
を直接使用しないという特徴はあるが活性は十分でな
く、また、発火性の粉体を高温下で処理しなければなら
ないこと等、必ずしも実用的な方法であるとは云えな
い。また、これらのアルカリ金属単味、合金、もしくは
上記担持系触媒では、アルカリ金属成分の反応生成液へ
の溶出が顕著に認められ、このことが触媒活性を長期に
亘り維持することを困難にする大きな原因の一つとなっ
ている。また更に、反応生成液へ溶出したアルカリ金属
成分は、反応生成液からモノアルケニルベンゼン類を蒸
留にて分離精製する場合において、モノアルケニルベン
ゼン類の変質の問題や蒸留塔の閉塞などの問題をも引き
起こすことになる。本発明の目的は、このような事実に
鑑み、芳香族炭化水素化合物を炭素数4または5の共役
ジエン類を用いて側鎖アルケニル化する方法に関して、
高収率かつ安価で、さらに安全な方法で長期に亘り安定
的にモノアルケニルベンゼン類を製造する方法を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、芳香族炭
化水素化合物のα位を炭素数4または5の共役ジエン類
を用いて側鎖アルケニル化してモノアルケニルベンゼン
類を製造する優れた方法を開発する目的で鋭意検討を重
ねた結果、炭素材料とカリウム化合物を焼成して得られ
る混合物に、不活性気体下、金属ナトリウムをその融点
以上で加熱処理して得られる組成物を触媒として用いる
ことによって、高収率かつ安価で、さらに安全性の高い
方法で長期に亘り安定的にモノアルケニルベンゼン類を
製造することができることを見いだし、本発明を完成さ
せるに至った。
【0005】本発明の方法で調製された触媒は、芳香族
炭化水素化合物の共役ジエン類による側鎖アルケニル化
反応に対して高活性であり、少ない触媒使用量でも高収
率で選択性よくモノアルケニルベンゼン類が得られた。
さらにアルカリ金属の発火性が著しく減少し、触媒の取
り扱いも容易となった。さらに本触媒は、最も大きな特
徴として、長期に亘り安定に高活性を維持することを見
いだした。しかも本触媒からの反応生成液中へのアルカ
リ金属成分の溶出は極めて少なく、生成したモノアルケ
ニルベンゼン類の精製時における変質や蒸留塔の閉塞な
どの問題を引き起こすこともなく、安定的にモノアルケ
ニルベンゼン類を製造することができることを見いだし
た。 すなわち本発明は、側鎖のα位に1個以上の水素
原子が結合している芳香族炭化水素化合物の側鎖を炭素
数4または5の共役ジエン類を用いてアルケニル化して
モノアルケニルベンゼン類を製造するに際し、炭素材料
とカリウム化合物を300℃〜700℃で焼成して得ら
れる混合物に、不活性気体下、金属ナトリウムを加え、
100℃〜400℃にて加熱処理して得られる組成物を
触媒として使用することを特徴とするものである。以下
に、本発明について詳細に説明する。
【0006】本発明に用いる側鎖のα位に1個以上の水
素原子が結合している芳香族炭化水素化合物としては、
次のような化合物が用いられる。単環芳香族炭化水素と
しては、トルエン、エチルベンゼン、n-プロピルベンゼ
ン、イソプロピルベンゼン、n-ブチルベンゼン、sec-ブ
チルベンゼン、イソブチルベンゼン等のモノアルキルベ
ンゼン類、o-、m-およびp-キシレン、o-、m-およびp-エ
チルトルエン、o-、m-およびp-ジエチルベンゼン等のジ
アルキルベンゼン類、メシチレン、プソイドキュメン等
のトリアルキルベンゼン類、1,2,3,5-テトラメチルベン
ゼン、1,2,4,5-テトラメチルベンゼン、ペンタメチルベ
ンゼン、ヘキサメチルベンゼン等のポリアルキルベンゼ
ン類等が用いられ、また多環芳香族炭化水素としては 1
- および2-メチルナフタレン、ジメチルナフタレン類、
アルキルテトラヒドロナフタレン類、アルキルインダン
類等が用いられる。本発明において、一方の原料となる
炭素数4または5の共役ジエン類は、1,3-ブタジエン、
1,3-ペンタジエン、イソプレンである。
【0007】本発明の触媒に用いられる炭素材料として
は、グラファイト及びアモルファス炭素がある。 グラ
ファイトとしては、天然黒鉛、キッシュ黒鉛、熱分解黒
鉛、人造黒鉛、膨張化黒鉛等が用いられる。アモルファ
ス炭素としては、難黒鉛性カーボン、易黒鉛性カーボン
等、特に制限はなく、また原料としても石油系、石炭
系、天然植物系、合成高分子系出発物質を焼成したもの
等、特に制限はない。例えば、石油系ピッチや石炭系ピ
ッチを焼成したもの、やしがら炭、PAN系炭素繊維、
ガラス状炭素、カーボンブラック、活性炭などがある。
また、これらアモルファス炭素中に硫黄、窒素、酸素、
鉄、ニッケル等の炭素以外の元素を含有していても反応
に影響を与えない範囲であれば特に制限はない。また本
発明の炭素材料としては、上記のものがいずれも用いる
ことができるが、特に長期に安定した反応成績を与える
という点で、石油系ピッチ、PAN 系ピッチを焼成して得
られるものが好ましい。
【0008】モノアルケニルベンゼンの製造に際し、触
媒が所定の性能を発揮する為には、原料となる側鎖のα
位に1個以上の水素原子が結合している芳香族炭化水素
化合物および生成物であるモノアルケニルベンゼン類中
に、触媒が溶解および浮遊しないことが必要となる。本
発明による触媒は、あらかじめ炭素材料をカリウム化合
物と300℃以上で焼成処理した担体を用いる為、炭化
度の低い炭素材料を使用してもそれらに不溶および非浮
遊性となる。したがって、触媒の出発物質である炭素材
料の炭化度や真密度は特に制限はない。表面積としては
特に制限はなく、グララファイトに近い0.1m2 /g
(SBET)から高表面積活性炭に近い2000m2
g(SBET)の広い範囲であっても問題はない。面間
隔としては、グラファイトのd002=0.3354n
m以上であれば特に制限はなく、結晶子径としてはグラ
ファイトのLc=200nmからカーボンブラックの
0.10nm程度まで広い範囲であっても問題はない。
これら本発明で用いるアモルファスカーボンの物性は、
一義的に決められるものでははなく、出発原料や不純物
濃度等の違い等により焼成温度、焼成時間、焼成雰囲気
等を勘案しつつ適宣好ましい調製法を選択した結果とし
て決められる。
【0009】次に、炭素材料とカリウム化合物を焼成し
て得られる混合物に対して、不活性気体下において金属
ナトリウムを加え、その融点以上で加熱処理して触媒を
調製する方法について述べるが、この触媒は従来用いら
れていた金属酸化物担体にアルカリ金属を担持した触媒
とは異なるものである。本発明による触媒を用いアルケ
ニル化反応を行うと、反応溶液への溶出アルカリ金属成
分の量は、従来からの金属酸化物担体を用いたものに比
べて非常に減少し、長期に亘り安定的に高活性を維持す
ることができる。 本触媒は、炭素材料とカリウムを焼
成して得られる混合物と金属ナトリウムの加熱処理時
に、混合物中に吸蔵および/または吸着されているカリ
ウム成分が金属ナトリウムとの金属交換反応により、ア
ルケニル化反応に活性な金属カリウムに変換される。本
触媒の溶出アルカリ金属成分の量が少ないのは、このよ
うにして生成した金属カリウムが炭素材料の表面官能基
との相互作用、およびインタ−カレ−ションとして知ら
れる炭素材料層間への吸蔵作用を持つことによって、そ
の保持力が増大する為である。
【0010】炭素材料とカリウム化合物との混合物の調
製法としては、両者を良く混合分散できる方法であれば
良く、湿式、乾式いずれの方法も採用できるが、均一に
混合分散させるためには湿式による調製法が好ましい。
さらに湿式法で用いる溶媒としては、カリウム化合物を
十分に溶解しかつ炭素材料と親和性の高い溶媒、たとえ
ばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールと
いった低級アルコールと水との混合溶媒が最も好まし
い。その際、たとえばカリウム化合物を少量の水に溶解
し、その後エタノールを混合した溶液に炭素材料を混合
分散させ、その後溶媒を揮発し、乾燥させるのが好まし
い。炭素材料とカリウム化合物との混合比は、炭素材料
1重量部に対して、カリウム金属として0.01〜1重
量部、好ましくは0.1〜0.5重量部である。この範
囲よりもカリウム化合物の混合比が小さい場合には、生
成するアルケニルベンゼン類の副反応が起こり易いこ
と、触媒活性が低下し易いこと、また高活性を維持する
には大量の触媒を必要とし反応後の処理が繁雑になるこ
と等の不都合が生ずる。 一方、カリウム化合物の混合
比が大きい場合には、高活性な触媒を得る為には長時間
を要すること、またより高温で焼成する必要があること
等、炭素材料担体を用いる効果が発現し難くなり好まし
くない。焼成処理温度は、300℃〜700℃の範囲、
好ましくは400℃〜600℃であり、焼成雰囲気は空
気および窒素、アルゴン等の不活性ガスのいずれでもよ
い。 空気雰囲気下で焼成温度がこの範囲より高いと炭
素材料が燃焼し目的混合物が得られなくなり、またこの
範囲より低いと、十分な触媒活性が得られない。本発明
で用いるカリウム化合物としては、KOH、K2
3 、K2 SO4 、アルミン酸カリウム、カリウムアル
コラート、カリウムフェノラート、有機酸カリウム塩が
用いられるが、KOH、K2 CO3 、K2 SO4 、カリ
ウムアルコラートが好ましく、更にはKOH、K2 CO
3 が最も好ましい。これらカリウム化合物は、その他の
塩たとえば硝酸塩、硫酸塩等を等モル程度まで含んでい
ても良い。
【0011】上述の如く、炭素材料とカリウム化合物を
混合し焼成して得られた混合物と金属ナトリウムとを、
不活性気体下で加熱処理して本発明の触媒は調製され
る。ここで云う不活性気体とは、触媒調製条件下におい
て調製される触媒と実質的に反応しない気体であり、具
体的には、窒素、ヘリウム、アルゴン等である。この際
の加熱温度は、金属ナトリウムの融点以上350℃以
下、 好ましくは100〜300℃である。 加熱処理
温度が350℃よりも高いと、長期に安定した反応成績
を得ることができなくなる。また加熱処理の時間は、通
常5分から300分の範囲である。 金属ナトリウム中
にカリウム等が含まれている場合、当該ナトリウムは金
属ナトリウムの融点よりも低い温度で液状となる。この
場合は、当該ナトリウムが液状となる温度以上であれば
十分触媒調製は可能である。金属ナトリウムが融解しな
い場合は、炭素材料とカリウム化合物から調製した混合
物と金属ナトリウムとを混合する際に均一に分散させ有
効に接触させることが難しく、調製に時間がかかるため
に実用的とは云えない。
【0012】上述のごとくして得られる組成物を本発明
の触媒として反応に使用する当っては、種々の反応方式
が採られる。例えば、触媒を仕込んだ反応器に原料をバ
ッチ方式やセミバッチ方式にて供給する方法、または反
応器に触媒および原料を連続的に供給する完全混合流通
方式、あるいは触媒を反応器に充填し原料を流通させる
固定床流通方式等が採用できる。反応方式は、目的とす
る反応生成物の種類によって適宜選択されるべきもので
あるが、一般的には原料の一方である芳香族炭化水素類
を共役ジエン類に対して過剰に存在させる方法が、モノ
アルケニルベンゼン類への選択率を向上させることがで
きる。その目的のためには、セミバッチ方式で共役ジエ
ン類を連続的に反応系に供給する方法が好ましく、また
完全混合方式や固定床流通方式等で反応を連続的に実施
する場合には、反応器を多段に分け、各段に共役ジエン
類を供給する等共役ジエン類の反応器中での濃度を下げ
ることが可能な反応方式を採用するのが高選択率を得る
ことができ好ましい。
【0013】本発明の方法における反応温度は、50〜
300℃、好ましくは90〜200℃の範囲である。こ
れより低い場合にも反応は起こるが充分な反応速度が得
られず、また選択率が悪化する傾向にある。これより温
度が高い場合にはタール分等の副生物が多くなり好まし
くない。反応圧力は、反応条件下で原料芳香族炭化水
素、生成物が実質的に液体として存在するに必要な圧力
で充分であり、絶対圧で0.05〜50気圧、好ましく
は0.1〜20気圧の範囲である。 本発明の方法にお
ける原料芳香族炭化水素に対する一方の原料である炭素
数4または5の共役ジエンの比は、一般的にはモル比で
0.01〜1、好ましくは 0.03〜0.5の範囲で
ある。これよりもジエンが多い場合には生成したモノア
ルケニルベンゼンが更にジエンと反応して芳香族炭化水
素1分子にジエンが2分子以上付加した化合物の生成が
多くなり、またジエンの重合も起こり易く選択率が悪化
するので好ましくない。本発明の方法において用いる触
媒の量は、原料の芳香族炭化水素に対して重量で0.0
1%以上、好ましくは0.05%以上である。
【0014】本発明の方法を実施するに当っては、バッ
チ方式、セミバッチ方式、完全混合流通方式等の反応方
式が採用されるが、通常の反応時間または完全混合流通
方式での滞留時間としては0.1〜10時間が採用され
る。固定床流通方式の場合には、通常芳香族炭化水素の
LSVとしては0.1〜10h-1が採用される。 触媒
を懸濁させて反応を行う場合の反応後における反応液と
触媒の分離は、沈降、遠心分離、濾過等の一般的な方法
で容易に行うことができる。分離された触媒は反応系に
循環してもよく、また付着した有機物の有機溶剤や水に
よる洗浄等の必要な処理を行った後に触媒調製工程に循
環してもよい。
【0015】
【発明の効果】本発明の方法によれば、芳香族炭化水素
化合物と共役ジエン化合物を用いて工業的に有用なモノ
アルケニルベンゼン類を、高収率かつ安価、より安全な
方法で長期間安定して製造することができるものであ
り、その工業的意義は大きい。
【0016】
【実施例】以下に、実施例および比較例にて本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。実施例1 カリウム化合物として水酸化カリウム8.34g を含有する
水/エタノ−ル (1/9重量比) 溶液80mlに、炭素材料と
して石油系合成ピッチ( 三菱ガス化学製ARピッチ) を窒
素雰囲気下510 ℃で3 時間熱処理したもの20.0g を加え
室温で1 時間撹拌混合した。減圧下、溶媒を留去し、11
5 ℃で一晩乾燥した後、さらに空気中 500℃で焼成し
た。この混合焼成品5.00g を窒素雰囲気下 200℃で撹拌
し、そこへ金属Na 0.60gを加えた後、その温度で30分撹
拌した。このようにして得られた触媒粉末にモレキュラ
−シ−ブを用いて脱水したo-キシレン 1000gを窒素気流
中で加え、140 ℃に加熱した。常圧下、撹拌しながら、
1,3-ブタジエン70g を1 時間で導入して反応させた。反
応液を冷却し触媒を沈降させた後、上層の反応液を抜き
出し、反応液の一部を取り、ガスクロマトグラフにより
分析した。さらに反応層に窒素気流下、o-キシレン 100
0gを加え同様の反応を行った。以上の操作を目的生成物
5-(o- トリル)-2-ペンテンの収率が、最初の値の95%に
低下するまで繰り返し、この繰り返した回数を反応回数
とした。反応結果を表1に示した。
【0017】実施例2〜6 表1に示したようにように石油系合成ピッチ( 三菱ガス
化学製ARピッチ) を窒素雰囲気下、510 ℃で熱処理した
ものと水酸化カリウムとの混合比、両者の混合物を焼成
して担体を調製するときの焼成雰囲気および焼成温度、
またこのようにして得られた組成物の使用量を変えた以
外は、実施例1と同様な方法で触媒を調製し、実施例1
と同様に反応を行った。 結果を表1に示した。
【0018】実施例7 カリウム化合物として水酸化カリウムに代えて、炭酸カ
リウムを用いた以外は実施例1と同様に反応を実施し
た。 結果を表1に示した。実施例8〜9 石油系合成ピッチ( 三菱ガス化学製ARピッチ) の熱処理
温度を種々変えた炭素材料を原料とした以外は、実施例
1と同様な方法で触媒を調製し、実施例1と同様に反応
を行った。 結果を表2に示した。
【0019】実施例10〜12 表1に示すように、炭素材料として石油系合成ピッチ焼
成品の代わりに、PAN系合成ピッチを窒素雰囲気下、510
℃で熱処理したもの(実施例10)、およびカ−ボン
グラファイト(関東化学製試薬、実施例11)、活性炭
(関東化学製試薬、実施例12)を用いた以外は、実施
例1と同様な方法で触媒を調製し、実施例1と同様に反
応を行った。 結果を表2に示した。
【0020】比較例1 金属ナトリウム0.6gと金属カリウム1.0gを加熱撹拌して
調製したナトリウム-カリウム合金を触媒に用い、実施
例1と同様に反応を行なった。結果を表3に示した。比較例2 炭素材料20g の代わりに、アルミナ20g を用いKOH とア
ルミナとの混合物の焼成温度を550 ℃とし、Naとの処理
温度を150 ℃で行った以外は、実施例1と同様な方法で
触媒を調製し、実施例1と同様に反応を行った。結果を
表3に示した。 比較例3 水酸化カリウム石油系合成ピッチ( 三菱ガス化学製ARピ
ッチ)を窒素雰囲気下510℃で熱処理したものとの焼成
混合物と金属ナトリウムとの加熱処理を400 ℃で行った
以外は、実施例1と同様な方法で触媒を調製し、実施例
1と同様に反応を行った。 結果を表3に示した。
【0021】
【表1】 ──────────────────────────────────── 炭素材料種類 K化合物 焼成 K化合物 処理 OTP *3 反応 種類 雰囲気 −炭素 温度 収率 回数 混合比 温度 混合物量 (℃) (%) (wt 比) *1 (℃) (g)*2 Na量(g) ──────────────────────────────────── 実施 MGC製AR-Pitch KOH 空気中 5.0 200 71.7 17 例1 窒素下510 ℃ (0.20) 500 (0.6) 熱処理したもの 実施 同上 KOH 空気中 5.0 200 72.0 18 例2 (0.30) 500 (0.8) 実施 同上 KOH 窒素中 5.0 200 73.0 16 例3 (0.20) 500 (0.6) 実施 同上 KOH 空気中 5.0 200 71.5 17 例4 (0.30) 450 (0.6) 実施 同上 KOH 空気中 5.0 200 73.0 17 例5 (0.20) 550 (0.6) 実施 同上 KOH 空気中 10.0 200 75.9 35 例6 (0.30) 500 (1.7) 実施 同上 K2CO3 空気中 5.0 200 75.0 11 例7 (0.20) 500 (0.6) ──────────────────────────────────── 1)アルカリ化合物中のアルカリ金属の炭素材料に対する
重量比 2)アルカリ化合物と炭素材料を混合焼成したもの 3)OTP: 5-(o- トリル)-2-ペンテン
【0022】
【表2】 ──────────────────────────────────── 炭素材料種類 K化合物 焼成 K化合物 処理 OTP *3 反応 種類 雰囲気 −炭素 温度 収率 回数 混合比 温度 混合物量 (℃) (%) (wt 比) *1 (℃) (g)*2 Na量(g) ──────────────────────────────────── 実施 MGC製AR-Pitch KOH 空気中 5.0 200 73.5 17 例8 窒素下400 ℃ (0.20) 500 (0.6) 熱処理したもの 実施 MGC製AR-Pitch KOH 空気中 5.0 200 72.5 17 例9 窒素下800 ℃ (0.20) 500 (0.6) 熱処理したもの 実施 PAN系合成-Pitch KOH 空気中 5.0 200 72.8 18 例10 窒素下510 ℃ (0.20) 500 (0.6) 熱処理したもの 実施 Carbongraphite KOH 空気中 5.0 200 59.7 10 例11 (関東化学製) (0.20) 500 (0.6) 実施 活性炭 KOH 空気中 5.0 200 71.1 12 例12 (関東化学製) (0.20) 500 (0.6) ──────────────────────────────────── 1)アルカリ化合物中のアルカリ金属の炭素材料に対する
重量比 2)アルカリ化合物と炭素材料を混合焼成したもの 3)OTP: 5-(o- トリル)-2-ペンテン
【0023】
【表3】 ──────────────────────────────────── 炭素材料種類 K化合物 焼成 K化合物 処理 OTP *3 反応 種類 雰囲気 −炭素 温度 収率 回数 混合比 温度 混合物量 (℃) (%) (wt 比) *1 (℃) (g)*2 Na量(g) ──────────────────────────────────── 比較 Na-K 例1 合金触媒 1.6g使用 77.3 9 (Na 6g,K 1.0g) 比較 アルミナ KOH 空気中 5.0 150 82.7 5 例2 (0.20) 550 (0.6) 比較 MGC製AR-Pitch KOH 空気中 5.0 400 75.0 1 例3 窒素下510 ℃ (0.20) 500 (0.6) 熱処理したもの ──────────────────────────────────── 1)アルカリ化合物中のアルカリ金属の炭素材料に対する
重量比 2)アルカリ化合物と炭素材料を混合焼成したもの 3)OTP: 5-(o- トリル)-2-ペンテン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−138232(JP,A) 特開 昭59−222427(JP,A) 特開 平5−97722(JP,A) 特開 平5−112477(JP,A) 特開 昭49−135926(JP,A) 特開 昭51−6930(JP,A) 特開 平5−148168(JP,A) 特開 平5−163173(JP,A) 特開 昭62−209027(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 51/44 B01J 23/04 C07C 2/72

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】側鎖のα位に1個以上の水素原子が結合し
    ている芳香族炭化水素化合物の側鎖を炭素数4又は5の
    共役ジエン類を用いてアルケニル化してモノアルケニル
    ベンゼン類を製造するに際して、触媒として炭素材料
    、炭素材料 1重量部に対してカリウム金属として0.01
    〜1 重量部のカリウム化合物を 300℃〜700 ℃で焼成し
    て得られた混合物に、不活性気体下、金属ナトリウムを
    加え、 100℃〜 350℃で加熱処理して得られる組成物を
    用いることを特徴とするモノアルケニルベンゼン類の製
    造方法。
JP5277053A 1993-11-05 1993-11-05 モノアルケニルベンゼン類の製造方法 Expired - Fee Related JP2982846B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5277053A JP2982846B2 (ja) 1993-11-05 1993-11-05 モノアルケニルベンゼン類の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5277053A JP2982846B2 (ja) 1993-11-05 1993-11-05 モノアルケニルベンゼン類の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07126195A JPH07126195A (ja) 1995-05-16
JP2982846B2 true JP2982846B2 (ja) 1999-11-29

Family

ID=17578134

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5277053A Expired - Fee Related JP2982846B2 (ja) 1993-11-05 1993-11-05 モノアルケニルベンゼン類の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2982846B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07126195A (ja) 1995-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3041442B2 (ja) ゼオライトとガリウムをベースとする触媒の存在下における、天然ガスからの液体炭化水素の製造方法
JPH0245608B2 (ja)
EP0612706B1 (en) Process for producing monoalkenylbenzenes
JP2853720B2 (ja) モノアルケニルベンゼン類の製造方法
JP2982846B2 (ja) モノアルケニルベンゼン類の製造方法
JPH05310613A (ja) モノアルケニルベンゼン類の製造方法
JP3092646B2 (ja) モノアルケニルベンゼン類の製造法
JPS6317813B2 (ja)
JP2904250B2 (ja) モノアルケニルベンゼン類の製造方法
KR19980080303A (ko) 모노알케닐방향족 탄화수소 화합물의 제조방법
JPH06234669A (ja) モノアルケニルベンゼン類の製造方法
EP0610598B1 (en) Process for producing monoalkenylbenzenes
EP0664277B1 (en) Process for producing a monoalkenyl aromatic hydrocarbon compound
JP2921545B2 (ja) モノアルケニルベンゼン類の精製法
JP2921544B2 (ja) モノアルケニルベンゼン類の精製法
JP2921543B2 (ja) モノアルケニルベンゼン類の精製法
JP2921546B2 (ja) モノアルケニルベンゼン類の精製法
JPS6232732B2 (ja)
JPH0822825B2 (ja) エチルベンゼンとスチレンの製造方法
JP4412426B2 (ja) ポリフェニル類またはポリナフチル類の製造方法
JPS6219409B2 (ja)
JPH07206724A (ja) モノアルケニルベンゼン類の製造方法
JP2000007589A (ja) ジアリルアルカン類の製造方法
JPS604804B2 (ja) メチルベンゼン類の製造法
JPH0741438A (ja) モノアルケニルベンゼン類の精製法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070924

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080924

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080924

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080924

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090924

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100924

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100924

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110924

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110924

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120924

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130924

Year of fee payment: 14

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees