JP3041442B2 - ゼオライトとガリウムをベースとする触媒の存在下における、天然ガスからの液体炭化水素の製造方法 - Google Patents

ゼオライトとガリウムをベースとする触媒の存在下における、天然ガスからの液体炭化水素の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然ガスからの液体炭
化水素の製造方法に関する。さらに特定すれば、本発明
は、主成分がメタンである天然ガスの、輸送がより容易
な液体物質への転換に関する。これよりさらに特定すれ
ば、本発明は、 (a) 天然ガスを、少なくとも2つのフラクション、すな
わちメタン豊富になったガスの第一フラクションと、C
アルカン豊富になった第二フラクション(エタン、
プロパン、および高級アルカン)とに分離すること、 (b) メタンの酸化カップリング触媒の存在下に、分子状
酸素によって、メタンの少なくとも一部を選択的に酸化
すること、 (c) 工程(b) で導入された分子状酸素の少なくとも80%
が工程(b) において既に消費されてしまった時、C
アルカン豊富になったフラクションの少なくとも一部
と、選択的酸化工程の流出物とを混合すること、 (d) 工程(c) から生じた混合物を熱分解すること、 (e) 工程(d) の混合物の温度を、300 ℃〜750 ℃、より
詳しくは420 ℃〜550℃の温度にした後、オレフィンを
少なくとも一部、場合によってはC アルカンの一部
を、ゼオライト、ガリウム、第VIII族の1つまたは複数
の金属および/またはレニウム、また、錫、鉛、インジ
ウム、ゲルマニウムおよびタリウムから選ばれる1つま
たは複数の追加金属、場合によってはアルカリまたはア
ルカリ土類金属、および場合によってはマトリックスを
含む特別な触媒の存在下に、芳香族に転換すること、を
特徴とする方法に関する。この触媒の組成については後
で示す。
【0002】
【従来技術および解決すべき課題】メタンの選択的酸化
と、酸化流出物に添加される形成C アルカンの熱分
解とを組合わせた、天然ガスのオキシ熱分解方法の基本
原理は、3つのフランス特許(2,629,451 、2,636,627
および2,641,531 )と、論文(Appl. Catal.58巻(1990
年)269 頁)に記載されている。
【0003】
【課題を解決するための手段】本方法の第一工程、すな
わち工程(a) において、天然ガスは少なくとも2つのフ
ラクションに分離される。すなわち第一フラクションは
アルカン(エタン、プロパン、および高級アルカ
ン)に乏しくなったメタンであり、第二フラクションは
メタンに乏しくなった高級C アルカンである。第一
フラクションの少なくとも一部は、ついで、炭素1モル
あたり分子状酸素0.4 モルになるまで、(純粋なまたは
濃縮された(enrichi) )酸素と混合される。この混合物
は、有利には多量の水蒸気を含んでいてもよい。メタン
に対する水蒸気のモル量は0〜4,好ましくは0〜2、
さらに好ましくは0〜1、より詳しくは0.05〜0.50であ
ってもよい。この水蒸気によって、より高い安全度で、
酸素/炭化水素混合物の取扱いが可能になる。またメタ
ンの選択的酸化工程におけるカップリング物質の選択率
とメタンの転換率の同時増加も可能になる。
【0004】本方法の第二工程、すなわち工程(b) は、
少なくとも650 ℃以上、好ましくは750 ℃以上、より好
ましくは800 ℃以上の温度での選択的接触酸化反応によ
って、分子状酸素を消費することからなる。一般に圧力
は1〜15バール、好ましくは1〜10バール、より詳しく
は1〜4バールである。この反応は、一般にメタンの酸
化カップリングと呼ばれているが、これは高温で安定な
触媒の存在下に実施される。高温で安定な触媒は、一般
に少なくとも1つの耐火性酸化物、例えばマグネシア、
酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、およびAppl. Ca
tal.67巻(1990年)47頁に載っている論文の表3に見ら
れる、その他の酸化物を含んでいるものである。メタン
の酸化カップリングに対して特別有利な触媒は、とりわ
けフランス特許(第2,629,451 号)、およびAppl. Cata
l.67巻(1990年)47頁、およびChem. Soc. Rev. 18巻
(1989年)251 頁に載っている論文に記載されているも
のである。
【0005】選択的酸化工程は、固定床反応器、移動床
反応器、あるいは運搬床(lit transporte)反応器におい
て実施されてもよい。固定床反応器の使用は、触媒が良
好な機械抵抗性を有していない場合、および比較的低い
例えば20%以下の、1回あたりのメタンの転換率の場合
に特に有利である。移動床反応器、例えば沸騰床または
運搬床反応器は、1回あたりの転換率が例えば20%以上
である時に使用するのが非常に有利である。この触媒流
通によって、仕込原料、触媒および流出物間の熱交換に
よる温度の優れた管理が可能になる。
【0006】メタンの選択的酸化工程に用いられる反応
器がどんなものであっても、この選択的酸化工程は、非
常に発熱的である。従って、高温での長い接触時間に形
成されることがある、アセチレンとコークスの形成を制
限するために、流出物の温度を低下させることが非常に
重要である。このためこの熱流出物中に、第一工程から
来る、メタンに乏しくなった高級C アルカンからな
る第二フラクションの少なくとも一部を注入すること
が、多くの場合有利である。一般にパラフィン系C
炭化水素は、熱化学的急冷却を実施することによって温
度を低下させるのに役立つ。換言すれば、これらは酸化
工程によって発生した熱を吸収し、これらはオレフィン
と水素とに転換される。
【0007】第三工程、すなわち工程(c) は、工程(b)
で導入された分子状酸素の少なくとも80%、好ましくは
少なくとも95%が、第二工程で既に消費されてしまった
時に、メタンの選択的酸化流出物中に、工程(a) で得ら
れたC パラフィンを少なくとも一部添加することか
らなる。この操作方法には下記の3つの利点がある。
【0008】(1) メタンの選択的酸化工程(b) におい
て、メタンよりも酸化可能なC 炭化水素の存在下に
操作を行なう必要がないこと。
【0009】(2) 工程(b) で導入された分子状酸素の少
なくとも80%、好ましくは少なくとも95%が既に消費さ
れてしまった後で、メタンの選択的酸化流出物中へC
炭化水素を添加することによって、メタンの活性化の
ために分子状酸素の大部分を利用することができるこ
と。これはC アルカンの脱水素のためにではない。
【0010】(3) 工程(b) で導入された分子状酸素の少
なくとも80%、好ましくは少なくとも95%が既に消費さ
れてしまった後で、メタンの選択的酸化流出物中へC
炭化水素を添加することによって、C アルカンの
熱吸収による、オレフィンと水素への転換が可能にな
る。水素は、例えばCOをメタンに水素化することによ
って、炭素の回収に用いることができる。
【0011】第四工程、すなわち工程(d) は、少なくと
も1.2 、好ましくは1.4 以上のエチレン/エタンのモル
比を熱分解によって好ましくは得ることができるため
に、十分長い時間にわたって、組合わされた流出物の温
度を維持することからなる。この工程の間、滞留時間は
一般に50ミリ秒〜10秒、好ましくは100 ミリ秒〜2秒で
ある。
【0012】本発明には属しない、天然ガスからの液体
炭化水素製造方法によれば、第四工程、すなわち工程
(d) から出る気体流出物を、100 ℃以下の温度にし、圧
縮し、分離装置に導入する。ついで圧縮ガスから、水と
COが除去され、その後高級炭化水素(C、C
=、C、C=および高級炭化水素)と、軽質ガス
(CO、H、CH)の分離が実施される。次に高級
炭化水素は、(1) オレフィン(エチレン、プロピレンお
よび高級オレフィン)、および再循環しうるアルカンを
製造するために分離され、(2) 液体炭化水素および再循
環しうるアルカンを製造するために、オリゴマー化さ
れ、および/または芳香族化され、(3) 液体C オレ
フィンおよび再循環しうるアルカンを製造するために二
量化される。
【0013】本発明の方法によれば、オキシ熱分解から
生じる流出物、すなわち気体状態であり、かつその中に
は炭化水素、例えばエチレン、エタン、およびプロピレ
ンのようなガスを含んでいる流出物が、有利には芳香族
化触媒で処理される。実際に、例えば重要な石油化学中
間体である、液体物質としてのこれらのC〜C炭化
水素を有効利用することは、非常に有利である。
【0014】次に工程(e) の仕込原料に用いられる、工
程(d) の前記流出物は、下記のものからなる: (1) メタンと水とを合わせたものを少なくとも40重量
%、多くとも95重量%、(2) 非パラフィン系炭化水素化
合物を少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも10重
量%、より好ましくは少なくとも15重量%、(3) 分子状
酸素1重量%以下、好ましくは0.5 重量%以下、より好
ましくは0.1 重量%以下、および(4) その他の化合物
(工程(a) の当初仕込原料と、工程(a) 〜(d) の作動条
件によって様々な量のもの)、例えばN、CO、CO
、HおよびC アルカン。
【0015】従って第五工程、すなわち工程(e) は、工
程(d) の流出物を温度300 ℃〜750℃、より詳しくは420
℃〜550 ℃にすることからなる。ついで流出物を、特
別な芳香族化触媒と接触させる。この触媒によって、少
なくとも一部、オレフィンを液体炭化水素に転換するこ
とができる。これらのオレフィン、および場合によって
は、C アルカンを少なくとも一部、液体炭化水素に
転換することは、分離装置の大きさに重大な影響を及ぼ
すこともある。さらには高温の装置、例えば芳香族化装
置と他の高温の装置とを、分離冷却工程前にまとめるこ
とは、天然ガスの有効利用の操作全体に必要な投資に対
してプラスの結果をもたらす。
【0016】本発明は、2つの大きな利点を有する。分
離装置に入る前に、オレフィンと、場合によってはC
アルカンとを少なくとも一部、芳香族に転換すること
によって、下記のことが可能になる: (1) 分離装置の大きさの縮小、および(2) 高温の装置
(芳香族化)とその他の高温の装置(酸化、熱分解)と
の統合によって、必要とされるエネルギー物資(utilite
s)の削減。
【0017】下記例は非限定的であり、本発明による天
然ガスから液体炭化水素を製造するために用いることが
できる種々の実施態様を例示する。これらの例は図1と
図2によって示される。
【0018】本発明の好ましい実施態様は、選択的酸化
工程と熱分解(オキシ熱分解)工程には沸騰床反応器、
芳香族化には移動床型反応器を用いることからなる。こ
の実施態様においては、分離器(2) における天然ガス
(1) の分離から来るメタン豊富になったガス(3) と、分
子状酸素(5) とを混合する。水蒸気を仕込原料中に添加
するのが有利な場合、水蒸気は一般にメタンまたは酸素
に、あるいはメタンと酸素とに添加された後、メタンを
酸素に混合する。気体混合物が反応器に入る前に、気体
混合物の温度を調節することが非常に重要である。この
ために、メタン(3) と酸素(5) とを含むガス、すなわち
ガス全体(6) を独自に加熱することができる。一般に75
0 ℃以下、好ましくは600 ℃以下の温度で予備加熱され
たガスは、図1の反応器(7) の下部(7a)で、または図2
の反応器(7) の上流部(7a)で、メタンの酸化カップリン
グ触媒と接触させられる。
【0019】この型の実施態様における触媒は、良好な
機械抵抗を有していなければならない。粒子の大きさ
は、一般に直径20ミクロン〜4mmである。触媒の粒子の
大きさは、装置の操作条件によって、および触媒の密度
によって様々である。
【0020】沸騰床反応器における適用に関して潜在的
に有利なメタンの酸化カップリング触媒をすべて挙げる
ことはできないが、フランス特許(2,629,451 号)、Ap
pl.Catal. 76 巻(1990年)47頁、Chem. Soc. Rev. 18
巻(1989年)251 頁に記載されている触媒、および例え
ばBaCO/Al(必然的ではないが、一般に
は、仕込原料中数ppm の塩素源の存在下)、Pb/Al
(多くの場合、アルカリ金属および/または硫黄
または燐を含むアニオンの存在下)、Na、B、Mgお
よびMnを含む混合酸化物(例えばNaBMgMn
)、La/MgO(多くの場合、アルカリ土類類
および/またはアルカリ金属の1つまたは複数の酸化
物、および/またはランタニド類の酸化物、場合によっ
てはホウ素の存在下)、NaまたはKの組合わせ、アル
カリ土類金属の1つまたは複数の酸化物、および場合に
よってはホウ素、ペロフスカイトMCeO(すなわち
M=SrまたはBa)、およびトリウムまたはイットリ
ウムを含む混合酸化物のような触媒を挙げることができ
る。
【0021】反応器(7) において、および工程(b) で導
入された分子状酸素の少なくとも80%が消費された場所
で選択的酸化を受けた後、C アルカン豊富になった
ガスフラクション(4) の少なくとも一部を反応器に添加
する。このフラクションの添加は、触媒の膨脹床(lit e
xpanse) (図1)において、または触媒より高いレベル
で(例えば離脱(desengagement) 帯域において)実施さ
れてもよい。
【0022】所望のオレフィン率を得るために、反応器
(本方法の工程(d) )での十分に長い滞留時間の後、ガ
スを管路(8) を経て熱交換器(9) に導く。この熱交換器
では、ガスの温度は、300 ℃〜750 ℃、より詳しくは42
0 ℃〜550 ℃の温度に下げられる。次に前記流出物は図
1において、管路(10)を経て、芳香族化反応器(11c)の
方へ送られる。芳香族化反応器(11)の作動圧力が、管路
(10)の圧力より高いならば、前記流出物は、有利にはこ
の時に圧縮されうる。
【0023】図1において、芳香族化反応器(11c) は、
好ましい実施態様の1つでは、反応器の上部から、新品
の触媒とともに芳香族化される仕込原料を受け入れる。
このようにして、コークス化によって失活した触媒は、
反応器の底部において除去される。次に失活触媒は、(1
1d) において再生を受け、その後再び管路(13)を経て、
反応器の上部に装入される。仕込原料は反応器に入り、
芳香族化触媒と接触させられる。この触媒は、本発明に
おいては、下記のように定義される:この触媒は、下記
のものを含むものとする: (1) ゼオライト、(2) ガリウム、(3) 第VIII族金属とレ
ニウムとからなる群から選ばれる、少なくとも1つの金
属、(4) 少なくとも1つの追加金属、(5) 場合によって
は少なくとも1つのアルカリまたはアルカリ土類金属、
および(6) 場合によっては少なくとも1つのマトリック
ス。
【0024】この触媒組成物は、好ましくは、水素型ゼ
オライトMFI 、場合によってはその結晶性骨格内のガリ
ウム、酸化物形態のガリウム、および第VIII族の少なく
とも1つの金属、好ましくは白金族の金属、すなわちR
u、Rh、Pd、Os、IrおよびPtおよび/または
レニウムが担持された、一般に非晶質のマトリックス、
また、錫、ゲルマニウム、鉛、インジウム、ガリウムお
よびタリウムからなる群から選ばれる、あるいは銅、
金、銀のような金属から選ばれる、あるいはさらには第
VI族金属、例えばクロム、モリブデンまたはタングステ
ンから選ばれる、少なくとも1つの追加金属を含んでい
る。前記マトリックスは、場合によっては少なくとも1
つのアルカリまたはアルカリ土類金属(好ましくはリチ
ウムまたはカリウム)を含んでいる。
【0025】本発明の触媒中に含まれるゼオライトMFI
は、先行技術に記載されたあらゆる技術によって製造し
うる。従って前記ゼオライトの合成は、有機剤および/
またはアルコールの存在下または不存在下に、従来のO
媒質中で実施されてもよい。文献"Synthesis of Hi
gh Silica Zeolithes, P. Jacobs et J. Martens, Stud
ies in Surface Science and Catalysis" 33巻(1987
年)は、ゼオライトMFIの従来の合成方法について記載
している。本発明において用いられるゼオライトMFI は
また、例えば有機化合物の存在下(特許EP-A-172068
)、あるいは不存在下(フランス特許出願第90/16529
号)、フッ化物媒質中でのような、それほど従来のもの
でない媒質中で合成されたものであってもよい。本発明
において用いられるゼオライトは、その結晶性骨格中
に、ケイ素、アルミニウムおよび/またはガリウム元素
を含んでいる。
【0026】合成工程後、ゼオライトMFI は、場合によ
っては合成後にも含まれている有機化合物および/また
はアルカリまたはアルカリ土類カチオンのほぼ完全な除
去によって、H−MFI と記される水素型に転換される。
先行技術に記載された技術はすべて、水素型への移行に
用いることができる。例えば後で焼成を行なうことも、
行なわないこともあるイオン交換、種々の化学処理であ
る。
【0027】次の系、すなわちSi−Al、Si−Al
−Ga、Si−Gaのうちの1つにおいて合成されたゼ
オライトはすべて本発明に適している。しかしながら、
それらのSi/T比(ここでTはAlおよび/またはG
aである)は、一般に7以上であり、好ましくは25以上
であり、より好ましくは40〜500 である。
【0028】本発明において用いられるゼオライトH−
MFI は、そのままでガリウムの担持に付されるか、ある
いは触媒のその他の成分と混合しうる。その際、ガリウ
ムは後で前記混合物に導入される。
【0029】本発明において、多くのガリウム担持技術
を用いることができる。このうち、下記のものを挙げる
ことができる: ・水溶液状のガリウム塩、例えば硝酸ガリウム、塩化ガ
リウム、水酸化ガリウムの使用によるイオン交換、 ・前記ガリウム塩の溶液による含浸。
【0030】触媒組成物上に担持されたガリウムの含量
は、0.01〜10重量%、好ましくは0.03〜7重量%であ
る。
【0031】マトリックスは、少なくとも1つの耐火酸
化物、特にマグネシウム、アルミニウム、チタン、ジル
コニウム、トリウム、ケイ素およびホウ素からなる群か
ら選ばれる金属の少なくとも1つの酸化物を含む。さら
に、マトリックスは炭を含むこともある。
【0032】好ましいマトリックスはアルミナである。
これの比表面積は、有利には10〜600 m/g、好まし
くは150 〜400 m/gであってもよい。
【0033】本発明の触媒組成物は、原理が下記に示さ
れている2つの方法に従って製造できる。実際の実施方
法は、当業者に知られている。
【0034】第一方法 ゼオライトH−MFI とマトリックスとを混合する。この
混合は、2つの粉末間、予め別々に成形された2つの固
体間、粉末と予め別に成形された固体との間で実施され
てもよい。同様に、先行技術に記載されたあらゆる技
術、すなわちペレット化、押出し、顆粒状触媒の製造方
法、滴状凝結、噴霧乾燥によって、2つの固体を同時に
成形することもできる。これらの成形操作の際、必要で
あれば、シリカとアルミナとからなる群から選ばれる成
形剤を添加してもよい。このようにして、ゼオライトと
マトリックスとの混合、および/または別々または同時
の成形を行なった。混合および/または成形後、マトリ
ックスとゼオライトとを合わせた全体への金属とガリウ
ムの担持を行なう。担持の順序はあまり重要でない。そ
の際、金属の大部分、すなわち触媒組成物に対して30〜
100 重量%、好ましくは60〜100 重量%がマトリックス
上にあることを考慮する。ガリウムは、無差別にマトリ
ックス上にあるか、あるいはゼオライトH−MFI の酸性
部位の最も近くにある。
【0035】第二方法 一方で予め金属をマトリックス上へ、他方でガリウムを
ゼオライトH−MFI 上に担持する。ついで、ガリウムを
含むゼオライトH−MFI と、金属を含むマトリックスと
の混合、および別々または同時のそれらの成形を行な
う。成形は、前記と同じ条件下で行なわれる。変形例で
は、ガリウムが担持されたゼオライトは、金属のマトリ
ックスへの担持工程のいずれか1つにおいて、マトリッ
クスと混合されてもよい。
【0036】好ましい製造方法は、ガリウムをゼオライ
ト上に担持し、金属をマトリックス上に担持し、ついで
ガリウムが入っているゼオライトを、2つの粉末の成形
によって、金属の入っているマトリックスに導入するこ
とからなる。成形は、好ましくは微粉砕後に実施され
る。これは湿潤粉砕技術を用いて実施しうる。
【0037】触媒組成物は、ゼオライト1〜99重量%を
含み、100 %までの補足分は、マトリックス、金属およ
びガリウムからなる。ゼオライトとマトリックスの各割
合は、広範囲の様々なものである。これはこの割合が、
一方でゼオライトのSi/T比(ここでTはAlおよび
/またはGaである)、他方で好ましい製造方法の場合
にマトリックスの金属含量によるからである。
【0038】好ましい製造方法の場合、金属を含むマト
リックスは、一般に下記手順に従って製造される。
【0039】金属の含浸のために、導入したい金属の共
通の溶液、あるいは第VIII族の1つまたは複数の金属お
よび/またはレニウムについて、また、錫、鉛、インジ
ウム、ゲルマニウム、およびタリウムから選ばれる1つ
または複数の追加金属、および場合によってはアルカリ
金属およびアルカリ土類金属からなる群から選ばれる元
素について別々の溶液を用いる。複数の溶液を用いる
時、乾燥および/または中間焼成を行なってもよい。通
常、例えば空気の掃気を実施しながら、例えば500 〜1,
000 ℃で、好ましくは分子状酸素の存在下の焼成によっ
て終える。
【0040】第VIII族の1つまたは複数の金属および/
またはレニウムは、第VIII族および/またはレニウムの
塩または化合物を含む、水性または非水性溶液による前
記マトリックスの含浸によって、マトリックス中に組込
まれてもよい。白金は一般に、マトリックス中に、クロ
ロ白金酸の型で導入される。しかしながらすべての貴金
属の場合、例えばクロロ白金酸アンモニウムのようなア
ンモニア化合物、二塩化白金ジカルボニル、ヘキサヒド
ロキシ白金酸、塩化パラジウム、硝酸パラジウムのよう
な化合物も用いうる。
【0041】錫、ゲルマニウム、鉛、インジウム、ガリ
ウムおよびタリウムからなる群から選ばれる、あるいは
銅、金、銀、ニッケル、鉄のような金属から選ばれる、
あるいはさらには第VI族金属、例えばクロム、モリブデ
ンまたはタングステンから選ばれる追加金属は、例えば
錫の塩化物、臭化物および硝酸塩、鉛のハロゲン化物、
硝酸塩、酢酸塩および炭酸塩、ゲルマニウムの塩化物お
よび蓚酸塩、インジウムの硝酸塩および塩化物のような
化合物を介して導入できる。
【0042】アルカリおよびアルカリ土類、好ましくは
リチウムまたはカリウムからなる群から選ばれる元素
は、例えば前記元素のハロゲン化物、硝酸塩、炭酸塩、
シアン化物および蓚酸塩のような化合物を介して導入さ
れてもよい。
【0043】第VIII族の少なくとも1つの金属またはレ
ニウムの使用は、例えばアンモニア化合物の使用によっ
て行なうことができる。
【0044】白金の場合、例えば式Pt(NH
のヘキサアンミン白金IVの塩、式(PtX(NH
)Xのハロゲノペンタアンミン、式PtX(NH
のテトラハロゲノジアンミン、ハロゲン−ポリケ
トンとの白金錯体、および式H(Pt(acac)X)の
ハロゲン化合物を挙げることができる。Xは塩素、フッ
素、臭素およびヨウ素からなる群から選ばれるハロゲン
である。好ましくはXは塩素であり、acacはアセチルア
セトンから誘導される式Cの残基を示す。
【0045】第VIII族金属またはレニウムの導入は、好
ましくは前記有機金属化合物の1つの水溶液または有機
溶液による含浸によって実施される。使用しうる有機溶
媒として、パラフィン系、ナフテン系、または芳香族炭
化水素、および1分子あたり例えば1〜12個の炭素原子
を有する有機ハロゲン化合物を挙げることができる。例
えばn−ヘプタン、メチルシクロヘキサン、トルエンお
よびクロロホルムを挙げることができる。同様に溶媒の
混合物を用いることもできる。
【0046】第VIII族金属またはレニウムの導入後、得
られた生成物を、場合によっては乾燥し、ついで好まし
くは温度400 〜1,000 ℃で焼成する。
【0047】この焼成後、少なくとも1つの追加金属の
導入を行なってもよい。場合によってはこの前に、高温
例えば300 〜500 ℃で水素の還元を行なう。追加金属M
は、前記金属の錯体、特に金属Mのポリケトン錯体、お
よびヒドロカルビル金属、例えばアルキル、シクロアル
キル、アリール、アルキルアリール、およびアリールア
ルキル金属からなる群から選ばれる少なくとも1つの有
機化合物の型で導入されてもよい。
【0048】金属Mの導入は、有利には、有機溶媒中の
前記金属の有機金属化合物の溶液によって実施される。
同様に、金属Mの有機ハロゲン化合物を用いてもよい。
金属Mの化合物として、特に、Mが錫の場合にはテトラ
ブチル錫、Mが鉛の場合にはテトラエチル鉛、Mがイン
ジウムの場合にはトリフェニルインジウムを挙げること
ができる。
【0049】含浸溶媒は、1分子あたり6〜12個の炭素
原子を含む、パラフィン系、ナフテン系、または芳香族
炭化水素、および1分子あたり1〜12個の炭素原子を含
む有機ハロゲン化合物からなる群から選ばれる。例えば
n−ヘプタン、メチルシクロヘキサンおよびクロロホル
ムを挙げることができる。同様に上記溶媒の混合物を用
いることもできる。
【0050】前記のような製造方法を用いない場合に
は、第VIII族の少なくとも1つの金属またはレニウムの
導入前に、少なくとも1つの追加金属Mの導入を考える
こともできる。金属Mが第VIII族金属またはレニウムの
前に導入されるならば、用いられる金属Mの化合物は、
一般に金属Mのハロゲン化物、硝酸塩、酢酸塩、酒石酸
塩、炭酸塩および蓚酸塩からなる群から選ばれる。その
際、導入は有利には水溶液状で実施される。この場合、
少なくとも1つの貴金属の導入を実施する前に、空気
下、温度400 〜1,000 ℃で焼成を行なう。
【0051】触媒組成物は、下記のものを含む: (1) マトリックスに対する重量で: −第VIII族の少なくとも1つの金属またはレニウム0.01
〜2%、好ましくは0.1 〜0.5 %、 −錫0.005 〜2%、好ましくは錫0.01〜0.5 %、あるい
はゲルマニウム、インジウム、鉛、ガリウムおよびタリ
ウムからなる群から選ばれる、あるいは銅、金、銀、ニ
ッケル、鉄のような金属、あるいはさらには第VI族金
属、例えばクロム、モリブデンまたはタングステンのよ
うな金属から選ばれる少なくとも1つの金属0.005 〜0.
7 %、好ましくは0.01〜0.6 %、錫、ゲルマニウム、イ
ンジウムおよび鉛からなる群から選ばれる金属の全体の
含量が、0.02〜1.20%、好ましくは0.02〜1.0 %、さら
に好ましくは0.03〜0.80%であるもの、 −場合によっては存在する、アルカリおよびアルカリ土
類からなる群から選ばれる、好ましくはリチウムとカリ
ウムとからなる群から選ばれる少なくとも1つの金属0.
01〜4%、好ましくは0.1 〜0.6 %。
【0052】(2) 水素型ゼオライトMFI を1〜99重量
%、 (3) ガリウム0.01〜10重量%、好ましくは0.03〜7重量
%。
【0053】製造を終えると、成形された触媒は、ゼオ
ライトH−MFI 、ガリウム、金属およびマトリックスを
含んでおり、空気下、温度450 〜1,000 ℃で焼成を行な
う。このように焼成された触媒は、より活性な金属相、
およびゼオライトH−MFI の酸性部位に最も近いところ
に位置する、より大きな分散の酸化ガリウム相を少なく
とも一部得るために、有利には水素下、高温で、例えば
300 〜500 ℃で活性化処理を受けてもよい。水素下の処
理手順は、例えば一般に300 〜500 ℃、好ましくは350
〜450 ℃の最大還元温度まで、水素流下の緩慢な温度上
昇、ついで一般に1〜6時間のこの温度の維持からな
る。
【0054】前記の手順によって得られた、また場合に
よっては空気下、一般に350 ℃〜690 ℃の温度で焼成処
理を受けてもよい触媒は、オキシ熱分解ガスの芳香族化
反応に用いられる。この反応は、気体炭化水素を、より
高い価値が付加された液体物質(主としてベンゼン、ト
ルエン、キシレン)として有効利用することができるの
で、特に有利である。
【0055】その他の化合物のうちでもとりわけ、エチ
レンおよび/またはエタンおよび/またはプロピレンを
含む、オキシ熱分解流出物である仕込原料と、前記芳香
族化触媒とを、温度300 ℃〜750 ℃、より詳しくは420
℃〜550 ℃で、触媒重量に対する仕込原料の毎時質量流
量(PPH )0.5 〜150h−1、好ましくは1〜80 h−1
接触させる。作動圧力は、有利には1〜18バール、好ま
しくは1〜12バールである。
【0056】芳香族物質リッチになった前記芳香族化反
応器(11c) の流出物は、導管(12)を経て、分離装置の方
へ送られる。
【0057】本発明のもう1つの好ましい実施態様は、
選択的酸化工程および熱分解工程に、固定床反応器(7)
を用いることからなる。必ずしもではないが、好ましく
は同じ閉鎖容器において行なう(従ってここでは、区別
される2つの帯域(7a)(7b))。特別な技術に従って(図
2参照)、芳香族化は、(11a)(11b)として記載されてい
る少なくとも1つの反応器において実施されてもよい。
この反応器は、これに入っている触媒を再生するため
に、「回路外に」配置されてもよい(英語で"swing rea
ctor" )。本発明のこの実施態様において、メタンの選
択的酸化、およびオレフィンの少なくとも一部、場合に
よってはC アルカンの一部芳香族化に用いられる触
媒は、必ずしも摩砕に対して非常に耐性があるものでな
ければならないわけではない。従って触媒は、押出し
物、粉砕物、または粒子の形態で用いられるのがよい。
沸騰床反応器で適用される前記のあらゆる触媒が、固定
床反応器で適用され得る。この型の実施態様のための触
媒には、特に高い機械抵抗性は必要でない。
【0058】水蒸気を仕込原料中に添加するのが有利な
場合、水蒸気は一般にメタンまたは酸素に添加される
か、あるいはメタンと酸素とに添加された後で、メタン
を酸素に混合する。気体混合物が反応器に入る前に、気
体混合物の温度を調節することが非常に重要である。こ
のため、固定床反応器の場合、メタンが酸素に混合され
る前に、メタン(3) と酸素(5) とを含むガスを独自に加
熱する。メタン・酸素混合は、触媒との接触前に反応器
(7) の閉鎖容器内で実施される。この混合は、反応器内
で実施されるので、導管(6) は、場合によってはこの実
施態様には不要である。それにもかかわらず、ガスの予
備加熱の一部が反応器内で実施されることが、多くの場
合に有利である。仕込原料中に存在する水は、熱放射に
よって、触媒によって発生した熱を受取ることができ
る。従ってこの方法によって、予備加熱の一部は、酸化
反応器において実施されうる。一般に750 ℃以下、好ま
しくは600 ℃以下の温度で予備加熱されたガスは、次に
反応器(7) 内のメタンの酸化カップリング触媒と接触さ
せられる。
【0059】反応器(7) で、また工程(b) で導入された
分子状酸素の少なくとも80%が消費された場所で、選択
的酸化を受けた後、C アルカン豊富になったガスの
フラクション(4) の少なくとも一部は、反応器に添加さ
れる。このフラクションの添加場所は、操作の単純化の
ために、一般に触媒床の後に位置する。
【0060】所望のオレフィン率(エチレン/エタンの
モル比が少なくとも1.2 )を得るために十分に長い滞留
時間(熱分解)の後、ガスは管路(8) と(10)を経て、装
置(9) を通って、芳香族化反応器の方へ進む。(11a)(11
b)として記載された芳香族化反応器セットは、不連続に
作動する。例えばこの反応器セットの部分(11a) は、オ
レフィンの少なくとも一部、および場合によってはC
アルカンの一部を芳香族に転換するために、十分な温
度と十分長い時間の間、芳香族化されるガスを受け入れ
る。反応器セットの部分(11a) におけるこの転換の少な
くともある期間、部分(11b) は、先行サイクルの間触媒
上に付着した炭素を取り除くために再生に付される。こ
の再生工程後、部分(11b) は、再稼動させられる。以下
同様である。
【0061】次に、芳香族化反応器において芳香族化さ
れた流出物は、管路(12)を経て分離装置へ送られる。
【0062】
【実施例】下記実施例は、本方法を明確にするものであ
るが、その範囲を限定するものではない。
【0063】実施例1:白金、錫およびリチウムを含む
アルミナの製造方法(触媒A) アルミナ担体100 gに、硝酸リチウムの水溶液100 cm
を添加し、6時間接触させたままにし、脱水し、100 〜
120 ℃で1時間で乾燥し、ついで乾燥空気流下、2時間
350 ℃で焼成する。
【0064】リチウムを含む焼成物質に対して、トルエ
ン中アセチルアセトナト白金の溶液100 cmを固体に添
加して、白金の含浸を行なう。この溶液の白金の濃度
は、3g/lである。6時間接触させたままにし、100
〜120 ℃で1時間乾燥し、ついで530 ℃で2時間焼成す
る。ついで乾燥水素流下、450 ℃で2時間還元する。
【0065】還元後、リチウムと白金とを含む物質を、
n−ヘプタン中で、炭化水素溶媒300 cmあたり固体10
0 gの割合で含浸する。ついで触媒を含むn−ヘプタン
中に、n−ヘプタン中テトラ−n−ブチル錫溶液(錫10
重量%を含むもの)3gを注入する。白金を含む固体と
テトラ−n−ブチル錫溶液との接触を、6時間、ヘプタ
ンの還流温度に維持する。次に含浸溶液を排出し、n−
ヘプタンの還流温度で、純粋なn−ヘプタンによる3回
の洗浄を行なう。次に触媒を乾燥する。ついで、空気下
2時間500 ℃での焼成、ついで水素流下450 ℃での還元
後、反応器に装入する。
【0066】その際アルミナは、白金0.3 重量%、錫0.
3 重量%およびリチウム0.5 重量%を含む。
【0067】実施例2:水素型ゼオライトMFI 、およ
び、このゼオライトH−MFI とガリウムとを含む触媒B CONTEKA 社よりCBV 5020という商品名で供給される、水
素型ゼオライトH−MFI を用いる。このゼオライトH−
MFI は、Si/Al比29、ナトリウム含量0.014 重量
%、77Kでの窒素吸着によって測定された細孔容積0.19
2 cm/gを特徴とする。
【0068】ガリウムをイオン交換によってこのゼオラ
イト上に担持する。イオン交換溶液を、規定度0.15Nの
硝酸ガリウムGa(NOから調製する。硝酸ガリ
ウムの溶液のpHは、アンモニア水の添加によって2の値
に調節される。
【0069】前記溶液でのゼオライトH−MFI の3回の
連続イオン交換後、このようにして得られた触媒B中で
達したガリウム含量は、3.5 重量%である。
【0070】実施例3:オキシ熱分解流出物の転換 実施例1の触媒Aと実施例2の触媒Bの等質量混合物の
ペレット成形後に得られた触媒Cを、オキシ熱分解流出
物の芳香族化のために用いた。流出物の重量組成を表1
に示す。以下では、オキシ熱分解の流出物(10)は「仕込
原料」と呼ばれ、芳香族化触媒でのその転換物質は「生
成物」と呼ばれる。
【0071】
【表1】 芳香族化触媒を、固定床反応器(11)に装入した。操作条
件は下記のとおりであった: ・温度:500 ℃、 ・圧力:大気圧、 ・液体仕込原料の毎時流量:触媒重量の30倍。
【0072】結果を、管路(12)で見られる生成物の重量
割合として、表2に示す。
【0073】
【表2】
【0074】
【発明の効果】本発明の触媒は芳香族化反応の触媒とし
て用いることができる。本発明の方法により、前記触媒
存在下、天然ガスから高付加価値の液体炭化水素(主と
してBTX)を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による製造方法の一実施態様を示す工程
図である。
【図2】本発明による製造方法の一実施態様を示す工程
図である。
【符号の説明】 (2) …分離器 (7) …反応器 (9) …熱交換器 (11)…芳香族化反応器 (1) (3) (4) (5) (6) (8) (10)(12)(13)…管路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 ジャン フランソワ ジョリ フランス国 パリー リュ ベランジェ 20 (56)参考文献 特開 昭59−196744(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10G 2/00 C07C 2/84 C07C 15/02 C10G 57/02

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 天然ガスを、少なくとも2つのフラ
    クション、すなわちメタン豊富になったガスの第一フラ
    クションと、C アルカン豊富になった第二フラクシ
    ョン(エタン、プロパン、および高級アルカン)とに分
    離すること、 (b) メタンの酸化カップリング触媒の存在下に、分子状
    酸素によって、メタンの少なくとも一部を選択的に酸化
    すること、 (c) 工程(b) で導入された分子状酸素の少なくとも80%
    が工程(b) において既に消費されてしまった時、C
    アルカン豊富になったフラクションの少なくとも一部
    と、選択的酸化工程の流出物とを混合すること、 (d) 工程(c) から生じた混合物を熱分解すること、 (e) 工程(d) の混合物の温度を300 ℃〜750 ℃の温度に
    した後、オレフィンを少なくとも一部、場合によっては
    アルカンの一部を、芳香族化触媒の存在下に、芳
    香族に転換するが、この触媒は、 −ゼオライト、 −ガリウム、 −白金族の第VIII族金属と、レニウムとからなる群から
    選ばれる少なくとも1つの金属、 −少なくとも1つの追加金属、 を含むこと、 を特徴とする、天然ガスからの液体炭化水素の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 工程(e) の間、工程(d) の混合物の温度
    を420 〜550 ℃の温度にする、請求項1による方法。
  3. 【請求項3】 工程(a) を終えた時、第一フラクション
    (メタンフラクション)の少なくとも一部を、炭素1モ
    ルあたり分子状酸素0.4 モルに達することもある含量の
    酸素と混合する、請求項1または2による方法。
  4. 【請求項4】 混合物が、メタンに対して0〜4のモル
    量の水蒸気を含む、請求項3による方法。
  5. 【請求項5】 工程(a) で得られた第二フラクション
    (C )の少なくとも一部を、メタンの選択的酸化帯
    域に注入する(工程(b) )、請求項1〜4のうちの1つ
    による方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも1.2 のエチレン/エタンのモ
    ル比を熱分解によって得るまで、工程(c) で得られた組
    合わされた流出物の温度を、工程(d) の間維持し、前記
    温度は800 〜950 ℃であり、滞留時間は50ミリ秒〜10秒
    である、請求項1〜5のうちの1つによる方法。
  7. 【請求項7】 芳香族化触媒が、さらに少なくとも1つ
    のアルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む、請求項
    1〜6のうちの1つによる方法。
  8. 【請求項8】 芳香族化触媒が、さらにマトリックスを
    含む、請求項1〜7のうちの1つによる方法。
  9. 【請求項9】 ゼオライトがMFI である、請求項1〜8
    のうちの1つによる方法。
  10. 【請求項10】 触媒が、ゼオライト1〜99重量%、ガ
    リウム0.01〜10重量%を含み、100 %までの補足分は、
    活性剤(金属)が装入された担体(マトリックス)から
    なる、請求項8による方法。
  11. 【請求項11】 ゼオライトがMFI である、請求項10に
    よる方法。
  12. 【請求項12】 芳香族化触媒が、マトリックスに対し
    て、重量で、 (a) 第VIII族の少なくとも1つの金属および/またはレ
    ニウム0.01〜2%、 (b) 追加金属が錫である時、追加金属を0.005 〜2%、
    または追加金属が錫ではない時、追加金属0.005 〜0.7
    %、 (c) 少なくとも1つのアルカリまたはアルカリ土類金属
    0.01〜4%、 を含む、請求項8〜10のうちの1つによる方法。
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