JPH0713585B2 - 慣性式ブレーキ試験機 - Google Patents

慣性式ブレーキ試験機

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JPH0713585B2
JPH0713585B2 JP22534586A JP22534586A JPH0713585B2 JP H0713585 B2 JPH0713585 B2 JP H0713585B2 JP 22534586 A JP22534586 A JP 22534586A JP 22534586 A JP22534586 A JP 22534586A JP H0713585 B2 JPH0713585 B2 JP H0713585B2
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brake
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泰啓 原
光弘 井上
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、慣性式ブレーキ試験機に関するものである。
(従来の技術) ブレーキ材料の性能は、実車による試験のほか、ブレー
キ試験機での試験により評価される。
ブレーキ試験機は、回転軸に、自動車の一輪が有する慣
性質量に相当する慣性質量の慣性円板及び供試ブレーキ
を取り付け、この回転軸をモータにより駆動して、一定
の回転速度になったところで駆動力をクラッチで切断し
て慣性回転状態にした後、ブレーキを作動させるように
なっている。このようなブレーキ試験機を慣性式ブレー
キ試験機と称している。
慣性式ブレーキ試験機の一つに、摩擦材の面積を実車よ
り小さくした上で、摩擦材の単位面積当たりの吸収エネ
ルギーを実車と同じにできるものが知られている(福岡
圭三郎著 ブレーキ材料について 自動車技術第30巻
(1976年)第11号941〜947頁参照)。この試験機を以下
スケールテスタという。これに対し、前記自動車の一輪
が有する慣性質量に相当する慣性質量の慣性円板を備え
た試験機をフルサイズ試験機という。
スケールテスタは、摩擦面積が実車の1/N倍の摩擦材を
用い、ブレーキ有効径を実車の とし、慣性モーメントを実車の一輪に働く慣性モーメン
トの1/N2倍とし、回転数を実車の とするものである。
スケールテスタによるブレーキパッドの摩擦特性測定結
果は、実車及び前記フルサイズ試験機での測定結果とほ
ぼ一致している(前掲文献参照)。
(発明が解決しようとする課題) 前記フルサイズ試験機では、慣性円板を回転させるため
に大きな駆動トルクを必要とするため、モータの回転数
を落して慣性円板に伝えるようにしている。すなわち、
(モータの回転数)>(慣性円板の回転数)となってい
る。
この方式をそのまま、スケールテスタに採用すると、次
のような問題を生ずる。
モータの駆動力は、モータからクラッチの出力軸に取り
付けられたプーリを経てベルトのような伝動機構を介し
て慣性円板及び供試ブレーキを取り付けた回転軸に伝え
られる。(以下、クラッチの出力軸(摩擦板を含む)及
びこの出力軸に取り付けられたプーリを単に出力軸系と
称する。また、回転数、慣性円板及び供試ブレーキを回
転軸系と称する。) 慣性回転状態では、出力軸系も回転軸系と連動して回転
している。回転軸系のうち、慣性円板と供試ブレーキに
ついては、慣性モーメントが小さくなっているが、出力
軸系の慣性モーメントは変わらない。そのため、全慣性
エネルギーに占める出力軸系の慣性エネルギーの割合が
大きくなる。
ブレーキを作動させたとき、制動トルクは、回転軸系か
ら出力軸系にも伝えられる。ところが、出力軸と回転軸
との間には伝動機構があるため、伝動機構の遊びがあ
り、制動トルクが出力軸に伝達されるのに遅れを生ず
る。その結果制動初期での試験結果が安定せず不正確と
なる。フルサイズ試験機では、出力軸系の慣性モーメン
トが相対的に小さいため、このような遅れの影響を無視
できる。しかしながら、スケールテスタでは、無視する
ことができなくなる。
本発明は、スケールテスタにおいて、制動試験時におい
て、出力軸系が有する慣性エネルギーを小さくすること
を目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、Nが1より大きい数であるとき、摩擦面積が
実車の1/N倍の摩擦材を用い、ブレーキ有効径を実車の とし、慣性モーメントを実車の一輪に働く慣性モーメン
トの1/N2倍とし、回転数を実車の とする慣性式ブレーキ試験機であって、ヨークに固定さ
れた励磁コイル19、出力軸14に結合され前記励磁コイル
19の周りを回転する円筒形磁極17及び円筒形磁極17の周
りを回転するドラム16からなる渦電流継手2、前記ドラ
ム16を駆動するモータ1、同一回転軸3上に取り付けら
れたディスクロータ8及び慣性円板7、ディスクロータ
8に対してブレーキパッド22を作動させるキャリパー
9、前記出力軸14及び前記回転軸3に取り付けられたプ
ーリ4a、4b並びに前記プーリ4a、4bに巻掛けされたベル
ト5からなり、前記出力軸14に取り付けたプーリ4aの径
を前記回転軸3に取り付けたプーリ4bの径より大とした
ことを特徴とする慣性式ブレーキ試験機である。
(作用) ディスクパツドが吸収しなければならないエネルギー量
Eは、 慣性モーメントをI、角速度ω(=2π回転数/60)と
するとき、 E=(1/2)Iωで表される。
そして、出力軸系のエネルギーをE1、回転軸系のエネル
ギーをE2とすると、 E=E1+E2である。
出力軸系の慣性モーメントをI1、角速度をω、 回転軸系の慣性モーメントをI2、角速度をωとすると
き、 E1=(1/2)I1ω1 2、E2=(1/2)I2ω2 2であり、 E=E1+E2=(1/2)I1ω1 2+(1/2)I2ω2 2 =(1/2)(I1ω1 2+I2ω2 2) また出力軸系の回転数をn1、回転軸系の回転数をn2とす
るとき、出力軸に取り付けたプーリの径を前記回転軸に
取り付けたプーリの径より大としたもので、 n1<n2となる。そして、 ω=ω(n1/n2)であるから、 E=(1/2)(I1ω1 2+I2ω2 2) =(1/2)(I1ω2 2(n1/n2+I2ω2 2) =(1/2)(I1(n1/n2+I2)ω2 2 となる。
これから、n1<n2とする、すなわち、出力軸系の回転数
を回転軸系の回転数よりも小さくすれば、出力軸系の慣
性エネルギーが小さくなることがわかる。
さらに、出力軸系を駆動するモータが、出力軸と機械的
につながっていないから、ブレーキ作動軸に、駆動系の
慣性モーメントについては全く無視できる。
(実施例) 以下図面を参照して説明する。
スケールテスタの本体は、慣性円板7及びディスクロー
タ8を取り付けた回転軸3と、このディスクロータ8に
ブレーキパツド22を押圧するシリンダ23を備えたキャリ
パー9からなっている。このキャリパー9は、軸受10
a、10bによって保持される保持軸11に取り付けられてお
り、アーム12に取り付けられたロードセル13とともに計
測装置を構成する。
ブレーキパツド22及びディスクロータ8の面積は実車の
1/Nとし、慣性モーメントを実車の1/N2とし、ディスク
ロータ8の回転数が実車の となるようにして試験する。
回転軸3は軸受6a、6bによって支持され、回転軸3に取
り付けたプーリ4bと、出力軸14に取り付けたプーリ4a巻
き掛けされたベルト5により出力軸14の回転を伝えられ
回転する。
出力軸14は、渦電流継手2の円筒形磁極17と係合してい
る。この円筒形磁極17は、ヨークに固定された励磁コイ
ル19に直流電流を通じ、ドラム16をモータ1によって回
転すると、ドラムと同方向に同速度で回転する。励磁コ
イルの電流を遮断すると、駆動力も遮断される。この渦
電流継手の伝達トルクは、励磁電流が大きい程大きく、
また出力軸回転数が小さくなると大きくなる。
ベルト5はVベルト、平ベルト、段付きベルトいずれも
使用可能であるが、出力軸14の回転を正確に伝えるに
は、段付きベルトが好ましい。プー4a、4bは(回転軸3
の回転数)>(出力軸14の回転数)となるように、プー
リの半径比(プーリ4aの半径)>(プーリ4bの半径)と
する。
次に、実際に本発明を採用した試験機について説明す
る。
モデルとして、一輪に働く慣性モーメントが44kgm2、速
度200km/h(車軸の回転数1815rpm)で走行するものと想
定した。ディスクパッドの面積は、77cm2である。
これをテストするスケールテスタでは、ディスクロータ
の面積を実車の1/5、ディスクパッドの摺動半径を実車
とした。このとき、ディスクパッドの摺動速度が、実車
と同じになるように、回転軸の回転数を4059rpm とする必要がある。そこで、モータ1として、汎用の交
流モータ(7.5kW)でロータを回転する渦電流継手モー
タ、HCモートルHCJ−7.5((株)日立製作所、商品名)
を用い、出力軸14のプーリ4a、回転軸3のプーリ4b、段
付きベルト5によつて出力軸14の回転数を にして回転軸3に伝える機構とした。出力軸系の慣性モ
ーメントは0.145kgm2である。
ディスクパッドの単位面積当りのエネルギー吸収量が一
定で、回転数が 面積が となるので、全慣性モーメントは1.76kgm2(=44kgm2/2
5)としなければならない。
このとき、出力軸系の慣性モーメントは0.145kgm2であ
るが、この慣性モーメントが回転軸上にあると仮定した
ときの見掛け上の慣性モーメントは、0.03625kgm2 となるから、回転軸系には、設計上の慣性モーメント1.
76kgm2から出力軸系の慣性モーメントを減じて1.714kgm
2の慣性モーメントを持たせるようにした。具体的に
は、軸受6a、6bによって支持された回転軸3の中央部
に、回転軸系の慣性モーメントが1.714kgm2となるよう
な慣性円板7を固定した。さらに、回転軸3の右端にデ
ィスクロータ8を固定した。また、その右に設けられた
軸受10a、10bに支持された保持軸11の左端にはキャリパ
ー9を取付け、その内部にはディスクロータ8を挾むよ
うに、摩擦材の面積が15.4cm2(=77cm2/5)のディスク
パッド22を2個、回転軸3の中心からの距離4.6cm の位置に保持した。ブレーキを作動させたときの摩擦ト
ルクは、保持軸11に取り付けたアーム12を介してロード
セル13で測定する。
この装置を用いてブレーキ試験を行ったところ、制動初
期から安定した測定結果を得ることができた。
(発明の効果) 本発明によれば、出力軸に取り付けたプーリの径を前記
回転軸に取り付けたプーリの径より大として、ブレーキ
試験機の慣性円板を回転駆動するモータの駆動力を慣性
円板が取り付けられている回転軸に、この回転軸の回転
数よりも小さい回転数の出力軸を介して伝動するするよ
うにしたので、出力軸系が有する慣性エネルギーを小さ
くできる。そのため、ブレーキ作動時に、摩擦トルクが
回転軸系から出力軸系に伝わるとき、回転軸と出力軸と
の間の伝動機構での遊びの影響を小さくでき、制動初期
から安定した測定結果を得ることができる。
さらに、出力軸系を駆動するモータが、出力軸と機械的
につながっていないから、ブレーキ作動時に、駆動系の
慣性モーメントについては全く無視できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示す一部を切欠いて断面とし
た平面図、第2図は渦電流継手の断面図、第3図は本発
明のキャリパー部の部分側面図である。 符号の説明 1……モータ、2……渦電流継手 3……回転軸、4a、4b……プーリ 5……ベルト、6a、6b……軸受 7……慣性円板、8……ディスクロータ 9……キャリパー、10a、10b……軸受 11保持軸、12……アーム 13……ロードセル、14……出力軸 16……ドラム、17……円筒形磁極 18……ケーシング、19……励磁コイル 20……ロータ、21……ステータ 22……ディスクパッド、23……シリンダー
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−48381(JP,A) 特開 昭55−67633(JP,A) 特開 昭57−52873(JP,A) 特開 昭58−87438(JP,A) 実開 昭50−981(JP,U) 実公 昭46−13361(JP,Y1)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Nが1より大きい数であるとき、摩擦面積
    が実車の1/N倍の摩擦材を用い、ブレーキ有効径を実車
    とし、慣性モーメントを実車の一輪に働く慣性モーメン
    トの1/N2倍とし、回転数を実車の とする慣性式ブレーキ試験機であって、ヨークに固定さ
    れた励磁コイル、出力軸に結合され前記励磁コイルの周
    りを回転する円筒形磁極及び円筒形磁極の周りを回転す
    るドラムからなる渦電流継手、前記ドラムを駆動するモ
    ータ、同一回転軸上に取り付けられたディスクロータ及
    び慣性円板、ディスクロータに対してブレーキパッドを
    作動させるキャリパー、前記出力軸及び前記回転軸に取
    り付けられたプーリ並びに前記プーリに巻掛けされたベ
    ルトからなり、前記出力軸に取り付けたプーリの径を前
    記回転軸に取り付けたプーリの径より大としたことを特
    徴とする慣性式ブレーキ試験機。
JP22534586A 1986-09-24 1986-09-24 慣性式ブレーキ試験機 Expired - Lifetime JPH0713585B2 (ja)

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