JPH0713496Y2 - 釣用リール取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、釣用リール取付装置、詳しくはトローリン
グ，磯釣り等に用いられる大型の両軸受リールを釣竿へ
取付ける釣用リール取付装置に関する。

（従来の技術及びその問題点） 従来、トローリング等に用いられる大型の両軸受リール
を釣竿（ロッド）へ取付ける取付手段は、リールシート
による定着のみでは不十分であることから第５図に示す
如く、クランプ装置（Ｘ）を用いていた。

そのクランプ装置（Ｘ）は、リール（Ｙ）のリール脚
（ｙ）の両側に穿設された取付孔（y₁）（y₁）に、夫々
ボルト（100）（100）をスプール（y₂）側から挿入せし
め、ナット（200）（200）で前記リール脚（ｙ）裏面に
固定し、ロッド（Ｚ）にリール（Ｙ）をリールシート
（z₁）で取付けた後、ロッド受け部（300）の両側に穿
設た挿通孔（301）（301）に前記ボルト（100）（100）
を挿通せしめてロッド受け部（300）でロッド（Ｚ）を
はさみ込み、蝶ナット（400）（400）で締め付け固定す
るものであった。

しかし、リール脚（ｙ）に一端が取付固定されるボルト
（100）（100）は、前記リール脚（ｙ）とロッド受け部
（300）との間にはさみ込むロッド（Ｚ）の径の大小に
対応せしめるために所要長さを有しているため、ロッド
（Ｚ）にリール（Ｙ）を取付固定した時にボルト（10
0）（100）の他端（101）（101）が外方（リール（Ｙ）
裏面）に突出する場合があり、リール（Ｙ）の操作中あ
るいは釣場移動中にボルトの他端（101）（101）に引っ
掛けて怪我をしたり、衣服等を傷つけたりする虞れがあ
り、安全性の面での改良が要望されていた。

また、ロッドにリールを取付固定した時のボルトの突出
を一端閉鎖状のナットで抑え、安全性の向上を図るもの
（図示省略）があるが、前記同様ボルトはリール脚にそ
の一端を取付固定して配されており、ロッドからリール
を取り外した時にはボルトが裏面に突出状となるため、
リール持ち運び時に怪我等を招く危険性は回避されてい
なかったものである。

（考案が解決しようとする課題） 本考案は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みな
されたものであり、その目的とするところは、リール取
付時及び取外し時において突出部分の少ない取付装置を
供し、リール操作時及び持ち運び時における安全性の向
上を図り、結果として商品価値の向上を図らしめること
である。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために本考案がなした技術的手段
は、ナットの一端に雄ねじ部を設け、該ナットの雄ねじ
部をリール脚の両側に形成した雌ねじ部に裏面より螺合
せしめてナットを取付け、該ナットにロッド受け部の貫
通孔に挿通したボルトを螺合せしむると共に、該ボルト
と前記ロッド受け部間には脱落防止部材が設けられてい
ることである。

（作用） 上記せる技術的手段により、リール脚両側に形成した雌
ねじ部にナットの一端に設けられた雄ねじ部を裏面より
螺合せしめると、リール脚裏面にナットが取付固定され
る。

そして、ボルトをロッド受け部の左右貫通孔に挿入する
と共に脱落防止部材を取付け、前記ロッド受け部とボル
トとを一体的に設け、前記リール脚とロッド受け部との
間にロッドをはさみ込みつつボルトを前記ナットに螺合
せしめ締め付け固定する。

また、ボルトを緩めロッド受け部を取外し、ロッドから
リールを取外すと、リール脚にはナットが残るが、突出
度合は少ない。

更に、ナットを回してリール脚から取外せば、リール脚
周辺の突出部分はなくなる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明すると、
本考案取付装置（Ａ）は、リール（Ｂ）のリール脚
（ｂ）に形成した雌ねじ部（b₁）（b₁）に取付固定され
るもので、ナット（１），ロッド受け部（２），ボルト
（３）及び脱落防止部材（４）とから構成される。

ナット（１）は、例えば４角または６角等のナット本体
（1a）の一端に円筒状の筒部（1b）を一体的に設けると
共に、その筒部（1b）先端にコイン溝（1c）を設けてな
り、そしてナット（１）のコイン溝（1c）を設けた側と
反対側に雄ねじ部（1d）を設ける。

またナット（１）は上記コイン溝（1c）を設けずともよ
く、ナット（１）に設けた雄ねじ部（1d）を前記リール
脚（ｂ）の雌ねじ部（b₁）に取付固定できるものとすれ
ばよく、何等制約は受けないものである。

ロッド受け部（２）は、ロッド（Ｃ）の外周曲面と合致
する半円形部（2a′）を有する受け部本体（2a）を設
け、該受け部本体（2a）の両端部から夫々取付片（2b）
（2b）を外方に向けて水平に延設せしめると共に、該取
付片（2b）（2b）に夫々貫通孔（2b′）（2b′）を穿孔
してなる。そして該貫通孔（2b′）（2b′）にボルト
（３）（３）を挿通せしめて、そのボルト（３）（３）
の夫々の螺子部（3a）（3a）と前記取付片（2b）（2b）
との間に夫々Ｅリング等からなる脱落防止部材（４）を
取付けて、前記ロッド受け部（２）にボルト（３）
（３）をアッセンブリー状態に一体的に取付保持せしめ
る。

尚、ロッド受け部（２）には、安全ロープ等を締定せし
めるための取付片（2c）を設ける。

従って、リール（Ｂ）のリール脚（ｂ）に形成した雌ね
じ部（b₁）（b₁）に、ナット（１）（１）の夫々の一端
に設けた雄ねじ部（1d）（1d）を螺合せしめてナット
（１）（１）を、リール脚（ｂ）裏面に取付固定する。

そして、ナット（１）（１）を取付固定したリール
（Ｂ）をロッド（Ｃ）にリールシート（c₁）で固定した
後、ボルト（３）（３）を一体的に取付保持せしめたロ
ッド受け部（２）でロッド（Ｃ）をはさみ込みつつボル
ト（３）（３）を前記ナット（１）（１）に螺合せしめ
てドッロ（Ｃ）を締め付け固定する。

（考案の効果） 本考案は、上記せる如き構成を有するので下記の効果を
奏する。

ロッドにリールシートで両軸受リールを取付け後、本考
案取付装置を用いて締め付け固定すれば、従来の用にボ
ルトがリール裏面側に突出するようなことながく、リー
ル裏面の突出度合が少なくなるため、ボルト等の突出部
で怪我をしたり、衣服等を傷つけたりする虞れがなくな
り、リール操作時又は釣場移動時等における持ち運び時
の安全性の向上が図れ、結果として商品価値の向上が図
れ大変有用かつ実用的である。

また、ロッドからリールを取り外した時、リール脚裏面
にナットが残るが、従来の取付装置のリール裏面に突出
するボルトの突出度合に比べると、リール裏面の突出度
合いは少なく、引っ掛かりによる怪我等の発生する虞れ
は少ないものであり、更に、従来のリール脚に取付けら
れるボルトは、リールにラインを巻回せしめた状態では
取外すことが不可能であるが、本考案の取付装置の一つ
である前記ナットは、リール裏面から取外し自在である
ため、必要に応じて取外すものとすれば、リール裏面の
リール脚周辺の突出部分はなくなり、確実な安全性の向
上が図り得るものとなる。

そして、リール脚にリール脚裏面から螺合取り付けられ
るナット、及びそのナットに螺合されるボルトは夫々リ
ール脚の表面（スプールと対向した面）と面一か、又は
リール脚の肉厚内に収められ、リール脚の表面から突出
しない為、スプールに巻回された釣糸に糸フケが生じて
も釣糸が絡んだり、或いは突出物に引っ掛かって釣糸が
切れるといった危険が無く、安心して釣り操作をするこ
とができる。

更に、ロッド受け部とボルトとが、該ロッド受け部とボ
ルトの雄ねじ部との間に取付けた脱落防止部材によりア
ッセンブリー状態で一体的に設けられているため、リー
ルを取外した際に各部品がバラバラとならないことから
部品紛失の防止が図れ、大変便利かつ実用的である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案釣用リール取付装置の使用状態を示す縦
断正面図、第２図は側面図、第３図は取付け状態を示す
縦断正面図、第４図は分解斜視図、第５図は従来例を示
す図である。 尚、図中 （Ａ）：取付装置、（Ｂ）：リール （ｂ）：リール脚、（b₁）：雌ねじ部 （１）：ナット、（1d）：雄ねじ部 （２）：ロッド受け部、（2b′）：貫通孔 （３）：ボルト、（3a）：螺子部 （４）：脱落防止部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ナットの一端に雄ねじ部を設け、該ナット
   の雄ねじ部をリール脚の両側に形成した雌ねじ部に裏面
   より螺合せしめてナットの先端がリール脚の表面と面一
   又はリール脚の雌ねじ部内に位置するように取付け、該
   ナットにロッド受け部の貫通孔に挿通したボルトを螺合
   せしめると共に、該ボルトの先端はリール脚の表面から
   突出しないようにし、且つ前記ボルトと前記ロッド受け
   部間には脱落防止部材が設けられていることを特徴とす
   る釣用リール取付装置。