JPH07134931A - 過熱防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃焼機器の異常過熱による不特定箇所に生じ
るひび割れ、穴あき等の箇所から洩れる燃焼ガスを検知
する温度ヒューズの検知機能を飛躍的に高める。 【構成】 温度ヒューズとしての面状体３は、受熱面積
の大きい広大部３ａとその間に該広大部３ｂａより幅狭
い幅狭部３ｂとが連って上下、左右方向に広がって一体
的に形成されてなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ガス燃焼機器、石油
燃焼機器等の燃焼室又は熱交換器等の壁板にひび割れ等
が生じて火災の危険のある異常加熱状態になった場合
に、燃料の供給を停止して安全を期する燃焼機器の過熱
防止装置の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種過熱防止装置の従来例としては、
例えば実開平４ー１０２４６号にて提案されており、こ
の考案を第１、３図にて説明する。ガス給湯器Ａに設置
された過熱防止装置としては、燃焼室２ないし熱交換器
５の外側に所謂温度ヒューズが設置され、該温度ヒュー
ズは、低温溶融金属からなる長い線状体或いは帯状体３
０が取り付け板４に左右方向に蛇行し、かつ上下方向に
数段配置されてなり、この温度ヒューズの両端に接続さ
れたリード線３３が燃料弁等を開閉する燃焼制御回路に
接続された構成となっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記細長い線状体或い
は帯状体３０の配置面に占める占有面積は、蛇行回数に
よって定まり、図面に示す如く、蛇行回数（段数）が少
ないとまばらとなって異常過熱によるひび割れ等の箇所
によっては、その検知もれ（検知不能）が免れない。充
分な検知機能を持たせるには蛇行回数を増して全長を長
くしなければならず、しかして温度ヒューズとしての低
温溶融金属材料の電気抵抗は小さくなく、長い線状体或
いは帯状体３０では、その電気抵抗が大きくなるため、
線状体或いは帯状体３０において大きな電圧降下が生じ
るため、異常時に燃料弁を閉動作させるのに充分な制御
電流が得られず、異常過熱を的確に捉えることが困難で
ある欠点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記欠点を解消するため
に、燃焼機器の燃焼室２と熱交換器５等の外部に予め設
定された温度で溶断する低温溶融金属等からなる面状体
３が溶断した時に燃料を遮断する過熱防止器であって、
前記面状体３が連結部３ｂと該連結部３ｂより幅広い広
大部３ａとが交互に一続きに連なって上下、左右に広が
って配置されてなる過熱防止装置を提供するものであ
る。

【０００５】

【作用】上記構成より、広大部３ａにて面状体３の占有
面積は従来のものより飛躍的に増して、受熱面積が飛躍
的に増大して確実な検知が行うことができる。かつ、一
定幅の連結部３ｂの間に幅広い広大部３ａが存在する故
に、電気抵抗は小さい値に抑えることができるので燃焼
制御回路へ充分な制御電流が確保される。

【０００６】

【実施例】以下にこの発明の過熱防止装置の実施例につ
いて第１、２図に基づいて説明する。第１図は燃焼機器
である壁掛式の強制給気式ガス給湯器Ａにこの発明を適
用した場合である。２はガス給湯器Ａの燃焼室で、その
外面に給水管６が巻き付けられて上部に設けられた熱交
換器５の吸熱管の入口側に接続されており、また、下部
にはガスバーナ７が設置されていて該ガスバーナ７にて
熱交換器５が加熱され、熱交換器５の出口から湯が供給
されるものである。さらに、燃焼室２の下部に給気室が
密閉を保って接続され、該給気室の底部に給気ファン８
の吐出口が接続されて開口し、ガスバーナ７の燃焼用空
気を強制給気するようになしている。

【０００７】３は予め設定された温度で溶断する低温溶
融金属（所謂温度ヒューズ）からなる面状体で、該面状
体３は燃焼室２の外側に位置して、外胴１の背板１１に
断熱材９を介在させて取り付けられた取り付け板４上
に、燃焼室２より熱交換器５後面の面積に匹敵する範囲
にわたって取り付け板４と電気的絶縁性を保って貼りつ
け固定されている。その両端が電磁ガス弁（図略）を開
閉作動する等の燃焼制御回路にリード線３３を介して接
続されている。なお、低温溶融金属として、例えば、鉛
と錫の合金等が用いられ、その溶融する温度は、例え
ば、１２０度ー２００度Ｃ程度に設定するものである。

【０００８】温度ヒューズである面状体３は、第２図に
例示したように一定の幅寸法の連結部３ｂと該連結部３
ｂより広い幅寸法と長さ寸法とを有する広大部３ａとが
左右方向に一続きに一体的に形成されるとともに、か
つ、これら広大部３ａがお互に上下、左右に若干離間し
てなり、該一連の連結部３ｂ、広大部３ａは左右および
上下方向に広がり、全体としてやや縦長の方形面内にほ
ぼまんべんなくいっぱいに占有する形に一枚板より打抜
き形成されている。そして広大部３ａは、導電性が大き
く、面状体３の導電性はそれ程小さくなることはない。
この面状体３が取り付け板４の内面に絶縁板４１を介在
させて電気的絶縁を保って接着剤等にて固定されてい
る。広大部３ａが左上と右下の両端に位置して形成され
ていて、この広大部３ａの端部のほぼ中央にリード線３
３がろう付け接続され、該リード線３３は電磁式ガス弁
の作動回路である燃焼制御回路に接続されている。な
お、面状体３の該左上、右下の両端に幅狭い連結部３ｂ
を位置させて形成して、これら連結部３ｂに前記リード
線３３を接続配線しても差し支えない。

【０００９】以上の構成より、広大部３ａの広い占有面
積にて、取り付け面のほぼいっぱいの大きい範囲を占め
て燃焼室２や熱交換器５からの熱を効果的に受熱する。
そして連結部３ｂ或いは広大部３ａが漏洩ガスに晒され
て、夫々が過熱される等の異常時に、比較的に幅狭い連
結部３ｂが優先的に確実に溶断される。しかして燃焼室
２等が異常に加熱されて内胴２０の後板２１に亀裂が生
じて、該亀裂部から燃焼ガスが洩れた場合には、広範囲
に配置された亀裂部に近い広大部３ａ、連結部３ｂが漏
洩ガスの熱を遅滞なく受けて夫々が温度上昇して該連結
部３ｂが先ず確実に加熱溶断されることになり、電磁ガ
ス弁への通電が断たれて電磁ガス弁は閉じられてガスバ
ーナ７の燃焼は停止される。

【００１０】上記実施例において、面状体３を取り付け
板４に取り付ける方法としては、ビス止めされたバンド
にて数箇所を押さえ付け固定しても良い。また、面状体
３の取り付け位置は、実施例に示された燃焼室２ないし
熱交換器５の後側の背板１１に留まらず、前板、左右両
側板或いは全周にわたって配置する等の種々な取り付け
位置が考えられる

【００１１】

【発明の効果】温度ヒューズである面状体３の広大部３
ａの占有面積は非常に大きいので有効受熱面積は従来の
ものに比較して著しく大きく、広大部３ａの間に配置さ
れた幅狭い連結部３ｂが溶断し易い状態にあって、異常
加熱による内胴からの燃焼ガスの漏洩等の検知が極めて
的確迅速に行われ、電磁ガス弁にてガスの供給が的確、
迅速に断たれる効果がある。温度ヒューズとしての電気
抵抗は従来のものに比較して充分小さくなし得るので電
磁ガス弁の開閉動作を安定的に行うことができて実用上
有利なものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わる過熱防止装置のガス給湯器への
適用例を示す概略縦断図である。

【図２】本発明の要部の一実施例を示す概略正面図およ
び同概略縦断面図である。

【図３】従来の実施例の要部を示す概略正面図および同
概略縦断面図である。

【符号の説明】

Ａ ガス給湯器 ２ 燃焼室 ３ 面状体 ３ａ 広大部 ３ｂ 連結部 ３３ リード線 ５ 熱交換器

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】燃焼機器の燃焼室２と熱交換器５等の外部
   に予め設定された温度で溶断する低温溶融金属等からな
   る面状体３が溶断した時に燃料を遮断する過熱防止器で
   あって、前記面状体３が連結部３ｂと該連結部３ｂより
   幅広い広大部３ａとが交互に一続きに連なって上下、左
   右に広がって配置されてなる過熱防止装置。