JPH071348Y2 - トラクタのボンネット構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はトラクタのボンネット構造に関する。

〔従来の技術〕

一般にトラクタのエンジンとしては、低速域における粘
り強さ、経済性の良さ等を考慮してディーゼルエンジン
を採用しており、マフラーとともにエンジンボンネット
に内装しているものであった。

ディーゼルエンジンには前述した利点があって普及して
いるのであるが、トラクタの中でも芝刈機用のトラクタ
等のように家庭用としての使い方の多いトラクタでは、
ディーゼルエンジン特有の振動、騒音の改善が強く望ま
れるようになってきたため、対策として排気量を増大し
てエンジン出力により余裕を持たせたり、エンジンの機
体側への浮動マウント部を大きくしたりして振動、騒音
を軽減したディーゼルエンジン、もしくは基本的に振動
・騒音の点でディーゼル蒸気に勝るガソリンエンジンを
搭載したトラクタを提供するに至ったのである。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、前者（ディーゼル式）の場合ではエンジ
ンの嵩が大きくなってマフラーもより外方へ位置するこ
とになり、後者（ガソリン式）の場合にはディーゼル式
に較べて排気温度が高くなり、結果両者の場合共マフラ
ー近傍のボンネットが従来よりも熱せられてしまうこと
によって、その部位におけるボンネット表面に貼着した
銘板が接着剤の加熱劣化によって剥れたり、塗装色が変
色し易くなったりする不具合が生じるようになったので
ある。

本考案は上記実情に鑑みて、前記不具合なく振動・騒音
対策をエンジンボンネット内部のエンジン部のみで行な
えるようにすることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために本考案は、トラクタのボンネ
ット構造において、機体前部に配置のエンジンおよび、
このエンジンの横側部に配設したマフラーをエンジンボ
ンネットの横側部に配設したマフラーをエンジンボンネ
ットに内装するとともに、前記マフラーに近接する前記
ボンネットの内面部位に断熱材を貼着し、この断熱材貼
着部位のボンネット外面に銘板を接着してあることを特
徴構成とする。

〔作用〕

前記構成によれば、ボンネット内面に貼着した断熱材に
よって、表面に銘板が取り付けられたマフラー近傍のボ
ンネットにマフラーの輻射熱が及ぶのを阻止するように
なるので、エンジン部に振動・騒音対策を施し、しかも
エンジンボンネットまわりを従来と共通としながらもマ
フラー近傍のボンネットの過熱が防止されるようにな
る。

〔考案の効果〕

従って、マフラー近傍のボンネットに接着された銘板の
剥れや、塗装色の変色を極力防止することができるよう
にし得た。

特に、銘板をボンネット表面に取り付けるに、カシメ付
けやネジ止めによらず、接着で可能となったので簡単に
付設できる利点がある。

〔実施例〕

以下に本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図に機体前部のエンジンボンネット（１）にガソリ
ンエンジン（２）、マフラー（３）等を内装するととも
に、機体後部に運転部（４）、ミッションケース
（５）、PTO軸（６）等を配置し、前後輪（７），
（８）で走行可能に構成されたガーデントラクタが示さ
れている。

第１図、第２図に示すように、前記ボンネット（１）
は、前端部下方に設けた横軸（Ｐ）まわりで揺動開閉可
能に構成されており、内部に前方からバッテリー（1
0）、エアクリーナ（９）、エンジン（２）、ラジエー
タ（11）がこの記載順に配設してあるとともに、エンジ
ン（２）の上方右横部にマフラー（３）を配置してあ
り、このマフラー（３）から続くエキゾーストパイプ
（12）をその出口部（12a）が前輪（７）の上方で右横
に向かうように設けてある。

マフラー（３）には、その上および右横をおおう遮蔽板
（13）を取り付けてあるとともに、エキゾーストパイプ
（12）は、マフラー（３）の排気出口管（3a）をその入
口（12b）へ挿入接続した構造としてある。そして、閉
じた状態における遮熱板（13）、エキゾーストパイプ
（12）に近接したボンネット（１）の内面部位に断熱材
（15）を貼着してあるとともに、この断熱材（15）貼着
部位のボンネット横側面部外面（1a）に銘板（16）およ
びモール部材（17）を接着してある。

第３図に示すように、前記ミッションケース（５）内に
は湿式多板式のPTOクラッチ（18）が装備してある。こ
のPTOクラッチ（18）は、フリクションプレート（19）
をクラッチディスク（20）よりも大径にしてあるととも
に、アクチュエータ（21）で押引駆動されるベアリング
プレート（22）の外径側を鉤状に延設してあり、クラッ
チ切り時におけるベアリングプレート（22）の戻り移動
に伴ってその鉤状部（22a）がフリクションプレート（1
9）を強制的に連れ戻すようにして、クラッチ切りにも
かかわらず作動油の粘性でクラッチディスク（20）が連
れ回りすることを防いでいる。

本考案は農用トラクタ、ローントラクタにも適用可能で
ある。

また、ディーゼルエンジン搭載のトクラタに本考案を適
用しても良い。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付図
面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るトラクタのボンネット構造の実施例
を示し、第１図はトラクタの全体側面図、第２図はボン
ネットの裏面示す斜視図、第３図はPTOクラッチを示す
要部の断面側面図である。 （１）……ボンネット、（２）……エンジン、（３）…
…マフラー、（15）……断熱材、（16）……銘板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】機体前部に配置のエンジン（２）および、
   このエンジン（２）の横側部に配設したマフラー（３）
   をエンジンボンネット（１）に内装するとともに、前記
   マフラー（３）に近接する前記ボンネット（１）の内面
   部位に断熱材（15）を貼着し、この断熱材貼着部位のボ
   ンネット外面に銘板（16）を接着してあるトラクタのボ
   ンネット構造。