JPH07133812A - クリップ及びその取付部品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】クリップの取付部品への取付け精度がよく、取
付けによるガタがなくてクリップの支柱を破損しにくい
クリップ及び取付部品を提供する。 【構成】クリップ１の弾性係止板１５の一方の端部の両
側よりストッパー１６が突設され、この一方の端部の裏
面に突起１７が設けられ、一方、取付部品２において
は、段差を有する２つの平坦部である上段部のクリップ
取付座２１、及び取付座２４と、この垂直部２３とクリ
ップ取付座２１に鍵穴形状の保持孔２２が穿設されてな
るクリップ及びその取付部品。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂製のクリッ
プ、及びその取付部品に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、クリップと、クリップの取付
部品の係止構造には、クリップの軸の下部に台座（顎
部）が設けられ、取付部品には鍵孔形状の保持孔が設け
られて、この保持孔の開口された側よりクリップを押圧
気味に嵌入して係止する構造のものが多く用いられてい
る。

【０００３】例えば、軸部の先端に弾性係合部を備える
一方、軸部の基端に下面が球面の顎部を備えた樹脂製の
クリップと、このクリップの顎部で保持するように構成
した樹脂製の取付部品（取付座）の構造が、実公平４−
１９２２５号公報に記載されている。

【０００４】上記従来のクリップと取付部品（取付座）
を図面を参照して以下に説明する。図４は、上記従来の
クリップと取付部品（取付座）を示す斜視図であり、図
５は、図４のクリップの被取付板材に取り付けられた状
態を示す断面図である。図４において、１０は樹脂製の
クリップであり、このクリップ１０はクリップ部分１０
ａと、円形状で下面が球面の顎部１０ｂにより構成され
ている。２０はクリップ取付部品（取付座）であり、こ
のクリップ取付部品（取付座）２０の上方には、クリッ
プ１０の嵌入部２０ａが設けられており、鍵孔形状の保
持孔２０ｂが上面に穿設され、この保持孔２０ｂのクリ
ップ１０の嵌入側が開口されて嵌入通路となり、その奥
が円形状のクリップ１０の固定位置となっている。突条
２０ｃはクリップ１０の顎部１０ｂを嵌入部２０ａとの
間に挟持するために設けられている。

【０００５】図５において、被取付板材３０がクリップ
１０によりクリップ取付部品（取付座）２０に取り付け
られた状態を示すものであり、クリップ１０の中心軸と
保持孔２０ｂとの間には円周方向に空間４０が設けら
れ、又、クリップ１０の顎部１０ｂと嵌入部２０ａの側
面との間には円周方向に空間５０が設けられ、押圧嵌入
し易くなっている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のクリップ及び取付部品（取付座）の構造に
おいては、クリップ支柱１０ｃと保持孔２０ｂとの間に
円周方向の寸法的な遊びがあるため、被取付板材との間
にガタが出て取付け精度が悪いといった問題がある。更
に、クリップ１０の着脱時に、クリップ支柱１０ｃや、
取付部品（取付座）２０の保持孔２０ｂのクリップ１０
の挿入口２０ｄの破損が起こり、再使用時に強度のばら
つきが出たり、交換せざるを得ないといった問題があ
る。

【０００７】本発明は、このような従来のクリップと取
付座の問題点に着目してなされたものであり、上記問題
点を解消し、クリップの取付部品への取付け精度がよ
く、取付けによるガタがなくてクリップの支柱が破損し
にくいクリップ及びその取付部品を提供するものであ
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の本発明の
クリップにおいては、係合部を有するクリップ本体の下
方に、クリップ本体とほぼ垂直に台座が設けられ、この
台座の裏面より支柱が延設され、この支柱の下端に係止
板が一体に設けられ、この係止板の一方の端部の両側縁
よりストッパーが突設され、この一方の端部の裏面に突
起が設けられていることを特徴とする。

【０００９】請求項２記載の本発明の取付部品において
は、請求項１記載のクリップの取付部品であって、段差
を有する平坦部と、この平坦部を接続する垂直部よりな
り、この垂直部と平坦部の上段部のクリップ取付座に鍵
孔形状の保持孔が穿設され、この保持孔にクリップが係
止されるようになされていることを特徴とする。

【００１０】

【作用】請求項１記載の本発明のクリップにおいては、
クリップの係止板の一方の端部の両側縁よりストッパー
が突設され、この一方の端部の裏面に突起が設けられて
いることにより、又、請求項２記載の本発明の取付部品
においては、段差を有する平坦部と、この平坦部を接続
する垂直部よりなり、この垂直部と平坦部の上段部のク
リップ取付座に鍵孔形状の保持孔が穿設されていること
により、クリップが取付部品の保持孔に押圧嵌入される
と、上記突起が取付部品の保持孔端に嵌まり込み、同時
にストッパーが取付部品の垂直部に当たって拘止され
て、クリップが取付部品に係止されることにより、クリ
ップの取付部品への取付け精度がよく、取付けによるガ
タがなくてクリップの支柱を破損しにくいものとするこ
とができる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図１は、本発明のクリップの係止構造の一例を示
す斜視図である。図１において、１は合成樹脂製のクリ
ップであり、このクリップ１は、ほぼ釣鐘状の形状を有
するクリップ本体１２と、このクリップ本体１２と一体
に成形された弾性係合部１１を有し、クリップ本体１２
の下方には台座１３が設けられている。この台座１３の
裏面よりクリップ本体１２の軸心より台座１３の先端よ
りに円形の支柱１４が延設され、この支柱１４の下端に
長方形状の弾性係止板１５が一体に成形して設けられて
いる。

【００１２】上記弾性係止板１５は一方側が台座１３よ
り突き出しており、この突き出した端部の長辺の両側に
ストッパー１６が一体に成形されて突設されている。こ
のストッパー１６の設けられた裏面の端部近くに弾性係
止板１５の短辺と平行に突起１７が設けられている。こ
の突起１７は、断面がほぼ直角三角形であり、この直角
三角形の一垂直面がストッパー１６の端部外側において
弾性係止板１５とほぼ直角をなすように形成されてい
る。

【００１３】図２は、クリップの係止される取付部品の
一例を示す斜視図である。図２において、２は金属製の
取付部品であり、この取付部品２は中間部に曲げ加工に
より垂直部の設けられた段付の構造となっている。２１
は上段部のクリップ取付座であり、このクリップ取付座
２１には、鍵孔形状の保持孔２２が穿設されており、こ
の保持孔２２は、クリップ１の支柱１４が嵌入される円
形孔２２ａ、奥に向かって狭くなっている嵌入通路２２
ｂ、及び垂直部２３まで延設されたクリップ１の通路２
２ｃよりなっている。２４は他の部材に取り付けるため
の取付座であり、２５はボルト孔である。

【００１４】〔実施例の作用〕図３は、クリップが取付
部品に係止された状態の断面図である。図１に示すクリ
ップ１を、図２に示す取付部品２の矢視の方向より弾性
係止板１５の突き出し側を後ろにして、取付部品２の通
路２２ｃより嵌入していくと、弾性係止板１５は、裏面
の突起１７の出っ張りにより上方へ弾性変形するが、奥
迄一杯押圧気味に嵌入すると、突起１７は通路２２ｃの
下端で空間部に嵌まり込んで、変形が復元され、突起１
７の端部の垂直面が取付座２４の通路２２ｃの下端に係
止されると同時に、弾性係止板１５の端部のストッパー
１６が、取付部品２の垂直部２３に当たるため、クリッ
プ１は嵌め入れ方向に対して完全に固定される。

【００１５】クリップ１の支柱１４の外径寸法と、取付
部品２のクリップ取付座２１の円形孔２２ａの直径との
間には多少の余裕があっても、上記説明の通りクリップ
１の嵌入方向に対しては確実に係止、固定されるので、
従来のクリップの取り付け構造にみられるようなガタが
なく、位置ずれによる取り付け寸法精度の問題は解消さ
れ、又、クリップ１の取付部品２への突起１７による係
止により、クリップ１が不用意に取付部品２から抜ける
ことがない。又、弾性係止板１５の先端部を上方へ持ち
上げるだけで、簡単にクリップ１を取付部品２から取り
外すことができる。

【００１６】本発明のクリップ及びその取付部品におい
て、実施例では、クリップ１の支柱１４は円筒状であ
り、この支柱１４の嵌まる取付部品２の孔は、これに対
応して形状を合わせ円形孔２２ａとなっているが、これ
に限定されるものではなく、例えば四角形状であっても
差し支えるものではない。

【００１７】又、クリップ１の弾性係止板１５の形状
も、実施例に限定されるものではなく、取付部品２の外
観形状や、取付部品２の保持孔２２の形状によって、長
方形以外の形状であってもよい。

【００１８】

【発明の効果】請求項１記載の本発明のクリップにおい
ては、クリップの係止板の一方の端部の両側縁よりスト
ッパーが突設され、この一方の端部の裏面に突起が設け
られていることにより、又、請求項２記載の本発明の取
付部品においては、段差を有する平坦部と、この平坦部
を接続する垂直部よりなり、この垂直部と平坦部の上段
部のクリップ取付座に鍵孔形状の保持孔が穿設されてい
ることにより、クリップが取付部品の保持孔に押圧嵌入
されると、上記突起が取付部品の保持孔端に嵌まり込
み、同時にストッパーが取付部品の垂直部に当たって拘
止されて、クリップが取付部品に係止されることによ
り、クリップの取付部品への取付け精度がよく、取付け
によるガタがなくてクリップの支柱を破損しにくいもの
とすることができる。従って、クリップ及びその取付部
品として好適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のクリップの係止構造の一例を示す斜視
図。

【図２】クリップの係止される取付け部品の一例を示す
斜視図。

【図３】クリップが取付け部品に係止された状態の断面
図。

【図４】従来のクリップと取付部品（取付座）を示す斜
視図。

【図５】図４に示すクリップが被取付板材に取り付けら
れた状態を示す断面図。

【符号の説明】

１ クリップ １２ クリップ本体 １３ 台座 １４ 支柱 １５ 弾性係止板 １６ ストッパー １７ 突起 ２ 取付部品 ２１ クリップ取付座 ２２ 保持孔 ２３ 垂直部 ２４ 取付座

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】取付部品に係止される合成樹脂よりなるク
   リップにおいて、係合部を有するクリップ本体の下方
   に、クリップ本体とほぼ垂直に台座が設けられ、この台
   座の裏面より支柱が延設され、この支柱の下端に係止板
   が一体に設けられ、この係止板の一方の端部の両側縁よ
   りストッパーが突設され、この一方の端部の裏面に突起
   が設けられていることを特徴とするクリップ。
2. 【請求項２】請求項１記載のクリップの取付部品であっ
   て、段差を有する平坦部と、この平坦部を接続する垂直
   部よりなり、この垂直部と平坦部の上段部のクリップ取
   付座に鍵孔形状の保持孔が穿設され、この保持孔にクリ
   ップが係止されるようになされていることを特徴とする
   取付部品。