JPH07133424A - 熱可塑性樹脂組成物およびそれからなるフィルム - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物およびそれからなるフィルム

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JPH07133424A
JPH07133424A JP5280975A JP28097593A JPH07133424A JP H07133424 A JPH07133424 A JP H07133424A JP 5280975 A JP5280975 A JP 5280975A JP 28097593 A JP28097593 A JP 28097593A JP H07133424 A JPH07133424 A JP H07133424A
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thermoplastic resin
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竜也 尾下
Shunji Kaneda
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱可塑性ポリウレタンと同程度の性能を保持
した、ポリオレフィン系樹脂との樹脂組成物を提供す
る。 【構成】 本発明は、(A)特定の熱可塑性ポリウレタ
ンおよび(B)特定のエチレン−酢酸ビニル共重合体か
らなる熱可塑性樹脂組成物[(A)/(B)の重量比=
60/40〜90/10]である。(A)は、3−メチ
ル−1,5−ペンタンジオールをジオール成分とする数
平均分子量1000〜6000のポリエステルジオール
と有機ジイソシアネートと鎖伸長剤とを反応させて得ら
れた、硬度(JIS−A)85以下のポリウレタンであ
る。(B)は、酢酸ビニル成分含有率が5〜30重量
%、MFR(190℃、荷重2160g)が20以下の
エチレン−酢酸ビニル共重合体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特定の熱可塑性ポリウレ
タンと特定のエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる熱
可塑性樹脂組成物および該樹脂組成物からなるフィルム
に関する。本発明の熱可塑性樹脂組成物は弾性回復性、
強度および柔軟性に優れる。本発明のフィルムは、該樹
脂組成物の特長を効果的に発揮し、伸縮性フィルムとし
て有用である。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリウレタンは、弾性回復性、
強度、柔軟性等において優れた性能を有する反面、比較
的高価な樹脂である。一方、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アク
リル酸メチル共重合体等のポリオレフィン系樹脂は、熱
可塑性ポリウレタンに比較して安価である。そこで、熱
可塑性ポリウレタンの優れた性質を保持した熱可塑性樹
脂素材を安価に取得する目的で、熱可塑性ポリウレタン
にポリオレフィン系樹脂をブレンドすることが試みられ
ている。しかしながら、ポリオレフィン系樹脂と熱可塑
性ポリウレタンとは非相溶性であり、両者を単純にブレ
ンドした場合、分散状態が良くない。そのためか、熱可
塑性ポリウレタンとポリオレフィン系樹脂との樹脂組成
物をフィルム成形に供した場合には、製膜安定性が低
く、薄膜化が困難であるという問題があり、また得られ
たフィルムにおいても弾性回復性、強度、柔軟性等の性
能が不十分であるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的の一つ
は、熱可塑性ポリウレタンとポリオレフィン系樹脂とか
らなり、熱可塑性ポリウレタンと同程度の優れた弾性回
復性、強度および柔軟性を有する熱可塑性樹脂組成物を
提供することにある。また本発明の他の目的は、熱可塑
性ポリウレタンとポリオレフィン系樹脂とからなり、か
つ弾性回復性、強度および柔軟性に優れたフィルムを提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的の一つは、熱可塑性ポリウレタンおよびエチレン−酢
酸ビニル共重合体からなり、熱可塑性ポリウレタン/エ
チレン−酢酸ビニル共重合体の重量比が60/40〜9
0/10の範囲内である熱可塑性樹脂組成物において、
該熱可塑性ポリウレタンが、3−メチル−1,5−ペン
タンジオールをジオール成分とする数平均分子量100
0〜6000のポリエステルジオール、有機ジイソシア
ネートおよび鎖伸長剤を反応させて得られた硬度(JI
S−A)85以下のポリウレタンであり、該エチレン−
酢酸ビニル共重合体が、酢酸ビニル成分含有率が5〜3
0重量%であり、メルトフローレート(190℃、荷重
2160g)が20以下であるエチレン−酢酸ビニル共
重合体であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物を提
供することにより達成される。また本発明によれば、上
記の他の目的は、上記熱可塑性樹脂組成物からなるフィ
ルムを提供することにより達成される。
【0005】熱可塑性ポリウレタンは一般に、高分子ジ
オール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を反応さ
せて得られるが、本発明においては、高分子ジオールと
して、3−メチル−1,5−ペンタンジオールをジオー
ル成分とする数平均分子量1000〜6000のポリエ
ステルジオールを使用することが重要である。
【0006】本発明で用いるポリエステルジオールは、
ジオール成分の少なくとも一部として3−メチル−1,
5−ペンタンジオールを有する。ジオール成分として3
−メチル−1,5−ペンタンジオールを有しないポリエ
ステルジオールを使用する場合には、得られる熱可塑性
ポリウレタンを上記エチレン−酢酸ビニル共重合体と混
合し樹脂組成物を形成させても、得られる樹脂組成物は
エチレン−酢酸ビニル共重合体の分散粒子径が大きいた
めか、弾性回復性および強度が不十分となり、また柔軟
性においても劣るので、好ましくない。一般に、ジオー
ル成分中の3−メチル−1,5−ペンタンジオールの割
合が多いほど、得られる樹脂組成物における弾性回復
性、強度および柔軟性が良好となる傾向があるので、ジ
オール成分の20モル%以上が3−メチル−1,5−ペ
ンタンジオールであることが好ましく、50モル%以上
が3−メチル−1,5−ペンタンジオールであることが
より好ましい。上記のように、ジオール成分として、3
−メチル−1,5−ペンタンジオールと他のジオールを
併用してもよい。3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルと併用し得るジオールとしては、エチレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−
オクタンジオール、1,9−ノナンジオール等の飽和脂
肪族ジオールなどが挙げられる。これらのジオールは、
2種類以上を使用してもよい。さらに、得られる熱可塑
性樹脂組成物の柔軟性を低下させない範囲内で、3官能
以上のポリオールを併用してもよい。3官能以上のポリ
オールの使用量は、全ジオール成分に対して5モル%以
下が好ましい。
【0007】また、ポリエステルジオールをジオール成
分とともに構成するジカルボン酸成分としては、グルタ
ル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、2−メチルコ
ハク酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン
酸、3−メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸
等の脂肪族ジカルボン酸などのジカルボン酸を使用する
ことができる。
【0008】本発明で使用されるポリエステルジオール
の数平均分子量は、1000〜6000である。数平均
分子量が1000未満の場合、得られる熱可塑性ポリウ
レタンの低温柔軟性が不十分となり、また耐熱性も劣る
ために、樹脂組成物の柔軟性等の性能が不十分となる。
一方、数平均分子量が6000を越える場合、得られる
熱可塑性樹脂組成物において押出成形時に溶融粘度が上
昇する傾向が生じるなど、成形性が不十分となるため、
好ましくない。
【0009】本発明で使用されるポリエステルジオール
の製造法は特に限定されない。したがって、ポリエステ
ルジオールは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート等のポリエステルの製造において用
いられる公知の方法と同様の方法、すなわちエステル交
換または直接エステル化とそれに続く溶融重縮合反応で
製造することが可能である。重縮合反応においては、チ
タン系、スズ系等の重縮合触媒を使用してもよい。ただ
し、チタン系の重縮合触媒を使用した場合には、重縮合
反応後、得られたポリエステルジオール中の重縮合触媒
を失活させることが好ましい。重縮合触媒を失活させる
ことにより、得られた熱可塑性ポリウレタンが高温で溶
融滞留している間に徐々に起こるハードセグメントとソ
フトセグメントのブロック性の低下が抑制されるので、
フィルムにおいても熱可塑性ポリウレタンが当初有して
いた耐熱性、弾性回復性等の諸物性が有効に発揮され
る。ポリエステルジオール中の重縮合触媒を失活させる
方法として、水との接触処理があり、例えば、ポリエス
テルジオールに対し1〜4重量%の水を加え、80〜1
50℃で撹拌する方法、ポリエステルジオールに水蒸気
を通しながら、100〜150℃で撹拌する方法などを
採用することができる。また一般にポリエステルの触媒
失活に用いられているようなリン化合物の添加等によっ
て、重縮合触媒の失活を行うこともできる。
【0010】本発明においては、高分子ジオールとし
て、上記ポリエステルジオールを単独で使用することが
好ましいが、所望により、少量(通常、高分子ジオール
の30重量%以下)であれば、他の高分子ジオール(例
えば、ポリカーボネートジオール、ポリエーテルジオー
ル、上記ポリエステルジオール以外のポリエステルジオ
ール等)を併用してもよい。
【0011】本発明において使用される有機ジイソシア
ネートとしては、4,4'−ジフェニルメタンジイソシ
アネート、p−フェニレンジイソシアネート、トリレン
ジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4'
−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の、ポリ
ウレタン製造で一般的に使用し得ることが知られている
有機ジイソシアネートが例示される。これらの中でも、
4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートが好まし
い。
【0012】また本発明においては、鎖伸長剤として、
ポリウレタン製造で一般的に使用し得ることが知られて
いる鎖伸長剤を使用することができる。該鎖伸長剤とし
ては、イソシアネートと反応し得る水素原子を分子中に
少なくとも2個含有する分子量300以下の低分子化合
物が好ましい。その例として、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエ
トキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、
ビス−(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート、キシ
リレングリコール等のジオール類が挙げられる。これら
の鎖伸長剤は、単独で、または2種以上を混合して使用
される。これらの鎖伸長剤の中でも、1,4−ブタンジ
オールが特に好ましい。
【0013】ポリウレタンの製造に当たっては、高分子
ジオールおよび鎖伸長剤が有している活性水素原子の全
量に基づいて、活性水素原子1モル当たり、イソシアネ
ート基が0.9〜1.3モル、好ましくは0.95〜
1.30モルになるような割合で有機ジイソシアネート
を使用するのが好ましい。
【0014】高分子ジオール、有機ジイソシアネートお
よび鎖伸長剤を反応させて熱可塑性ポリウレタンを製造
する方法に関しては、溶融重合、溶液重合等の公知のウ
レタン化反応の技術を採用することができる。なかで
も、実質的に溶媒の不存在下で溶融重合することが好ま
しく、特に多軸スクリュー型押出機を用いる連続溶融重
合法が好ましい。溶融重合温度は特に制限されないが、
180℃以上かつ260℃以下が好ましい。
【0015】なお、重合過程または重合後に、着色剤、
難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐加水分解性向上
剤、防黴剤等の各種添加剤;ガラス繊維、ポリエステル
繊維等の各種繊維;マイカ、タルク等の無機物;各種カ
ップリング剤等を適宜選択して添加してもよい。
【0016】本発明で使用される熱可塑性ポリウレタン
は、硬度(JIS−A)が85以下であることが重要で
ある。硬度が85を越える場合には、得られる熱可塑性
樹脂組成物の柔軟性が不十分となるので、好ましくな
い。
【0017】本発明で使用されるエチレン−酢酸ビニル
共重合体は、5〜30重量%の酢酸ビニル成分を含有
し、かつメルトフローレート(190℃、荷重2160
g)が20以下である。酢酸ビニル成分含有率が5重量
%未満である場合は、熱可塑性樹脂組成物中に分散する
エチレン−酢酸ビニル共重合体粒子の粒子径が大きいた
めか、弾性回復性、強度等が低下するので、好ましくな
い。また酢酸ビニル成分含有率が30重量%を越える
と、熱可塑性樹脂組成物から形成されたフィルムの粘着
性が増すことなどの不都合が生じるので、好ましくな
い。またメルトフローレート(190℃、荷重2160
g)が20を越えると、熱可塑性樹脂組成物中における
エチレン−酢酸ビニル共重合体の分散状態が不良となる
ためか、弾性回復性、強度および柔軟性が低下し、また
製膜が困難になる。得られる熱可塑性樹脂組成物の弾性
回復性、強度、柔軟性および製膜性がとくに良好となる
点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフロー
レートは10以下であることが好ましく、5以下である
ことがより好ましい。なお、メルトフローレートの下限
について特に制限はないが、0.1以上であることが望
ましい。
【0018】本発明の熱可塑性樹脂組成物においては、
上記特定の構造を有する熱可塑性ポリウレタンと上記特
定のエチレン−酢酸ビニル共重合体との混合割合が、熱
可塑性ポリウレタン/エチレン−酢酸ビニル共重合体の
重量比で、60/40〜90/10の範囲内であること
が重要である。エチレン−酢酸ビニル共重合体の40重
量部に対して熱可塑性ポリウレタンが60重量部未満の
場合は、熱可塑性ポリウレタン単独の場合に比べて、弾
性回復性、強度、耐熱性等の性質の低下が大きいので、
好ましくない。一方、エチレン−酢酸ビニル共重合体の
10重量部に対して熱可塑性ポリウレタンが90重量部
を越える場合は、経済的な面から本発明の趣旨にそぐわ
ない。
【0019】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記の熱
可塑性ポリウレタンとエチレン−酢酸ビニル共重合体と
を使用する以外は、通常のポリマーブレンドの手法によ
り製造することができる。例えば、上記の熱可塑性ポリ
ウレタンとエチレン−酢酸ビニル共重合体とを、樹脂材
料の混合に通常用いられるような縦型または水平型の混
合機を用いて所定の割合で予備混合した後、単軸または
二軸の押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー
等を用いて回分式または連続式で加熱下に溶融混練する
ことにより、本発明の熱可塑性樹脂組成物が製造され
る。なお、混合に際して、耐光性、耐熱性等を向上させ
るための安定剤、可塑剤、脂肪族アミドなどの滑剤、充
填剤、帯電防止剤、顔料等の添加剤を、本発明の効果を
損なわない量で添加してもよい。
【0020】本発明の熱可塑性樹脂組成物からフィルム
を製造する方法としては、インフレーション成形、Tダ
イ成形等の通常の溶融押出成形による製膜方法を採用す
ることができる。
【0021】本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成する上
記特定の熱可塑性ポリウレタンとエチレン−酢酸ビニル
共重合体とは、単純に溶融混合するだけで、熱可塑性ポ
リウレタンのマトリックス中にエチレン−酢酸ビニル共
重合体の微小な粒子が均一に分散し得る。したがって、
本発明の熱可塑性樹脂組成物からフィルムを製造する場
合には、製膜安定性が良好で、しかも薄膜化が可能であ
る。また得られたフィルムは、弾性回復性、強度、柔軟
性等に優れる。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。実施例において、弾性回復率、強度および柔軟性
(風合い)を、以下の方法により評価した。
【0023】[弾性回復率]Tダイを使用し製膜した膜
厚50μmのフィルムより作製した試験片について、温
度23℃、湿度65%RHの条件下に、引張速度200
mm/min.で200%伸長後、2分間保持すること
により応力を除去した後、10分後の戻りを測定した。
この試験結果に基づいて、弾性回復率を下記の式に従い
算出した。
【0024】
【数1】
【0025】[強度]Tダイを使用し製膜した膜厚50
μmのフィルムより作製した試験片について、引張速度
200mm/min.、温度23℃、湿度65%RHの
条件で引張試験を行うことにより、強度測定を行った。
【0026】[柔軟性(風合い)]Tダイを使用し製膜
した膜厚50μmのフィルムについて、手の感触により
下記表1に示す判定基準に従い、柔軟性(風合い)を評
価した。
【0027】
【表1】
【0028】なお実施例では、化合物を下記表2に示す
略号で表記する。
【0029】
【表2】
【0030】[参考例1](PMPAの製造) 3−メチル−1,5−ペンタンジオール142kgおよ
びアジピン酸146kgを反応器に仕込み、常圧下に窒
素ガスを系内に通じながら、約220℃の温度で、生成
する水を系外に留去しながらエステル化反応を行った。
ポリエステルの酸価が30以下になった時点でテトライ
ソプロピルチタネートを加え、200〜100mmHg
に減圧しながら重縮合反応を開始した。酸価が1.0に
なった時点で真空ポンプにより徐々に真空度を上げて、
反応を完結させた。その結果、数平均分子量が2000
のPMPAを240kg得た。
【0031】[参考例2](PBAの製造) 1,4−ブタンジオールとアジピン酸を反応器に仕込
み、参考例1と同様にエステル化反応および重縮合反応
を行い、数平均分子量2000のPBAを得た。
【0032】[参考例3]{ポリウレタン(PMPA
(触媒失活無し)/MDI/BD)の製造} 参考例1で得られたPMPA、MDIおよびBDを、P
MPA/MDI/BDのモル比が1/3/2となる割
合、これらの総量が300g/minになる速度で、定
量ポンプにより、同軸方向に回転する二軸スクリュー型
押出し機(30mmφ;L/D=36;シリンダー温
度:ブロックごとに約200℃から約250℃の範囲で
設定)に連続的に仕込み、連続溶融重合反応を行った。
生成した熱可塑性ポリウレタンの溶融物をストランド状
で水中へ連続的に押出し、次いでペレタイザーで切断
し、ペレットに成形した。このペレットを80℃で20
時間除湿乾燥した。このようにして、硬度(JIS−
A)75の熱可塑性ポリウレタンを得た。
【0033】[参考例4]{ポリウレタン(PMPA
(触媒失活)/MDI/BD)の製造} 参考例1で得られたPMPAに3重量%の水を加え、1
00℃で2時間撹拌することによってチタン触媒を失活
させた後、減圧下に水を留去した。この処理で得られた
チタン触媒を失活させたPMPAをMDIおよびBD
と、PMPA/MDI/BDのモル比が1/3/2とな
る割合で使用する以外は、参考例3と同様に連続溶融重
合反応、ペレット化、除湿乾燥を行うことによって、硬
度(JIS−A)75の熱可塑性ポリウレタンを得た。
【0034】[参考例5]{ポリウレタン(PBA(触
媒失活無し)/MDI/BD)の製造} 参考例2で得られたPBA、MDIおよびBDを、PB
A/MDI/BDのモル比が1/3/2となる割合で使
用する以外は、参考例3と同様に連続溶融重合反応、ペ
レット化、除湿乾燥を行うことによって、硬度(JIS
−A)82の熱可塑性ポリウレタンを得た。
【0035】[参考例6]{ポリウレタン(PBA(触
媒失活)/MDI/BD)の製造} 参考例2で得られたPBAに3重量%の水を加え、10
0℃で2時間撹拌することによってチタン触媒を失活さ
せた後、減圧下に水を留去した。この処理で得られたチ
タン触媒を失活させたPBAをMDIおよびBDと、P
BA/MDI/BDのモル比が1/3/2となる割合で
使用する以外は、参考例3と同様に連続溶融重合反応、
ペレット化、除湿乾燥を行うことによって、硬度(JI
S−A)82の熱可塑性ポリウレタンを得た。
【0036】[実施例1]参考例3で得られた熱可塑性
ポリウレタン70重量%に、VAc含有率25重量%、
メルトフローレート(以下MFRと略す)(190℃、
荷重2160g)2のEVAc30重量%を、25mm
φ押出し機(シリンダー温度およびダイス温度:205
℃)で溶融混練し、形成された熱可塑性樹脂組成物をT
ダイより押出し、冷却ロールを通して巻き取ることによ
って、厚さ50μmのフィルムを得た。なお、製膜性は
安定していた。得られたフィルムを25℃で7日間放置
後、弾性回復性、強度および柔軟性の評価を行った。評
価結果を下記表3に示す。
【0037】[実施例2]参考例4で得られた熱可塑性
ポリウレタン70重量%に、VAc含有率25重量%、
MFR(190℃、荷重2160g)2のEVAc30
重量%を、実施例1と同様に混練し、フィルム化するこ
とにより、熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムを得
た。該フィルムを、実施例1と同様に放置後、評価を行
い、表3に示す結果を得た。なお、製膜性は安定してい
た。
【0038】[比較例1]参考例4で得られた熱可塑性
ポリウレタン50重量%に、VAc含有率25重量%、
MFR(190℃、荷重2160g)2のEVAc50
重量%を、実施例1と同様に混練し、フィルム化するこ
とにより、熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムを得
た。該フィルムを、実施例1と同様に放置後、評価を行
い、表3に示す結果を得た。なお、製膜性は不安定であ
った。
【0039】[比較例2]参考例4で得られた熱可塑性
ポリウレタン70重量%に、VAc含有率33重量%、
MFR(190℃、荷重2160g)30のEVAc3
0重量%を、実施例1と同様に混練し、フィルム化する
ことにより、熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムを得
た。該フィルムを、実施例1と同様に放置後、評価を行
い、表3に示す結果を得た。なお、製膜性は不安定であ
った。
【0040】[比較例3、4]参考例5または6で得ら
れた熱可塑性ポリウレタン70重量%に、VAc含有率
25重量%、MFR(190℃、荷重2160g)2の
EVAc30重量%を、実施例1と同様に混練し、フィ
ルム化することにより、熱可塑性樹脂組成物からなるフ
ィルムを得た。該フィルムを、実施例1と同様に放置
後、評価を行い、表3に示す結果を得た。なお、製膜性
は不安定であった。
【0041】
【表3】
【0042】上記表3から、本発明に従う実施例1およ
び2の熱可塑性樹脂組成物は、弾性回復性、強度および
柔軟性に優れるフィルムを与え、とりわけ、重縮合触媒
の失活処理が施されたポリエステルジオールを使用して
製造された熱可塑性ポリウレタンを用いた実施例2で
は、フィルムの弾性回復性および強度が一層良好となる
ことがわかる。これに対して、本発明とは相違する比較
例1〜4の熱可塑性樹脂組成物からは、弾性回復性、強
度および柔軟性に劣るフィルムしか得られないことがわ
かる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、熱可塑性ポリウレタン
単独と同程度の優れた弾性回復性、強度および柔軟性を
有する熱可塑性樹脂組成物が提供される。該熱可塑性樹
脂組成物は、エチレン−酢酸ビニル共重合体が熱可塑性
ポリウレタンに配合されていることから、熱可塑性ポリ
ウレタン単独に比較して安価である。本発明のフィルム
は、上記熱可塑性樹脂組成物の特長を効果的に発揮し、
伸縮性フィルムとして有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23:08)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリウレタンおよびエチレン−
    酢酸ビニル共重合体からなり、熱可塑性ポリウレタン/
    エチレン−酢酸ビニル共重合体の重量比が60/40〜
    90/10の範囲内である熱可塑性樹脂組成物におい
    て、該熱可塑性ポリウレタンが、3−メチル−1,5−
    ペンタンジオールをジオール成分とする数平均分子量1
    000〜6000のポリエステルジオール、有機ジイソ
    シアネートおよび鎖伸長剤を反応させて得られた硬度
    (JIS−A)85以下のポリウレタンであり、該エチ
    レン−酢酸ビニル共重合体が、酢酸ビニル成分含有率が
    5〜30重量%であり、メルトフローレート(190
    ℃、荷重2160g)が20以下であるエチレン−酢酸
    ビニル共重合体であることを特徴とする熱可塑性樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 該ポリエステルジオールが重縮合後、重
    縮合触媒を失活させて得られたポリエステルジオールで
    ある請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂
    組成物からなるフィルム。
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