JPH07132154A - スポーツ用手袋 - Google Patents

スポーツ用手袋

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JPH07132154A
JPH07132154A JP27962193A JP27962193A JPH07132154A JP H07132154 A JPH07132154 A JP H07132154A JP 27962193 A JP27962193 A JP 27962193A JP 27962193 A JP27962193 A JP 27962193A JP H07132154 A JPH07132154 A JP H07132154A
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勝 牧村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 均質で極めて短毛で繊細な立毛を持ち、天然
皮革ヌバックと同様の優美な外観と独特なヌメリ感を有
するヌバック調皮革様シート状物からなる外観やグリッ
プ性に優れたスポーツ用手袋を提供する。 【構成】 極細繊維および/または極細繊維束からなる
三次元絡合不織布とその絡合空間に存在する弾性重合体
の緻密な発泡体とからなる表面平滑な繊維質基体層の表
面に、該基体層の極細繊維と連続した非絡合極細繊維と
弾性重合体を主体とした樹脂との混在層を有し、該非絡
合極細繊維の一部は先端部がシート表面に立毛状に露出
しているヌバック調シート状物を縫製してなるスポーツ
用手袋である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はゴルフ、水上スキー、野
球等に用いるスポーツ用手袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりスポーツ手袋用素材としては、
天然皮革あるいは人工皮革などの人工素材が使用されて
いる。天然皮革の場合は、表面物性の問題でそのほとん
どが銀付品であり、スエード調のものは比較的少なく、
ヌバック調のものはみられない。人工素材については、
近年0.5デニール以下の極細繊維または極細収束繊維
の繊維絡合体と高分子弾性体からなるスエード調人工皮
革がスポーツ手袋として用いられ、天然皮革と同様な外
観、風合い、水洗い可能などの特徴があり、多く使用さ
れるようになった。スエード調の外観を有するスポーツ
手袋用素材としては様々な提案がなされ、多くの素材が
生み出されてきた。そして、より繊細で高級感のある外
観を有するヌバック調のスポーツ手袋用素材をつくる試
みについても繰り返しなされ、数多くの提案がなされて
いる。
【0003】ポリウレタンからなる湿式微多孔の表面を
研削することにより各種のスエード調の外観を有するシ
ート状物がつくられることは知られているが、特開平4
−308279号公報にはポリウレタンの種類及び凝固
調節剤を選択することで表面平滑性が良好で均質で微細
な縦長のスポンジ構造をつくり、この表面を研削する事
でスエード調より繊細なヌバック調の外観を有する皮革
様シート状物を製造する方法が提案されている。
【0004】表面に極細繊維立毛を有するヌバック調シ
ートの製造方法として、特公昭62−42076号公報
には、極細繊維からなる立毛を有する起毛布帛に樹脂を
含浸または塗布して立毛を固定し、次いで立毛面をカレ
ンダーロールによりプレス処理することで立毛を毛羽伏
せして密着し、次いで起毛面をバフイングする方法が、
さらに特公昭62−42075号公報には極細繊維から
なる立毛を有する起毛布帛の起毛面をカレンダーロール
によりプレス処理することで立毛を毛羽伏せして密着
し、次いで起毛布帛に樹脂を含浸または塗布し、その後
起毛布帛の起毛面をバフィングする方法が提案されてい
る。
【0005】特開昭63−50580号公報には単繊度
0.3dr以下の極細繊維の絡合不織布に弾性重合体を含
有した繊維質シートの表面に弾性重合体を塗布し、必要
によりエンボシングし、バフィングを行った後、10%
以上の面積収縮を付与することにより立毛部と銀面との
混在した表面とする方法が提案されている。また、特開
平3−161576号公報には極細化可能な複合繊維か
らなる不織布の表層のみを極細繊維化した後、不織布に
弾性樹脂を含浸、凝固し、その後、不織布内部の繊維を
溶剤等で処理して極細繊維化し、最表面を起毛する方法
が提案されている。さらに、特開平4−136280号
公報には繊維集合体に弾性重合体を主体とした重合体を
含有した繊維質シート表面に非繊維状で平均粒径10μ
以下かつ見かけ密度0.1〜0.3g/cm3のコラーゲ
ン粉末とポリウレタンを主体とした重合体との組成液を
塗布し、エンボス加工し、次いで塗布面を起毛処理する
方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、スポーツ手袋と
して従来のスエード調の外観を有する物ではなく、さら
に高級な外観を有するものに対する要求が高まってい
る。特に、スエードよりさらに繊細なヌバック調の外観
を有するもの、合わせてグリップ性の良いものが求めら
れている。しかし、従来から提案されているヌバック調
シートは、外観が必ずしも十分満足できるものではな
く、さらに、スポーツ手袋としたときのグリップ性につ
いても十分な配慮がなされていない。編織物製の手袋に
ついてはゴム等の弾性体を点状に付けるなどの改良は古
くから行われているが、皮革様極細繊維立毛シート製の
スポーツ手袋については極細繊維立毛による摩擦抵抗に
より編織物製のものに比べある程度のグリップ性は確保
されているものの、積極的な改良はなされておらず、そ
の性能は十分ではない。
【0007】例えば、特開平4−308279号公報の
ようにポリウレタンの湿式スポンジの表面を研削する方
法では、微細なポリウレタンスポンジによるヌメリ感は
得られるが、本来の天皮ヌバックの微細なコラーゲン繊
維によるライティング効果も得られず、表面研削のムラ
による色ムラ、ツヤムラが解消されず本来のヌバック調
の外観は得られていない。
【0008】また、3次元に交絡した極細繊維束と弾性
樹脂からなる基体層の表面を起毛する方法においても十
分に満足し得るヌバック調立毛シートを製造し得る方法
は得られていない。例えば、特開平3−161576号
公報の方法では内部の繊維を極細化する際に溶剤等で処
理するために表層の樹脂が膨潤等で変形し、ヌバック調
に必要な平滑性が得られないため、全面にわたって均質
で繊細な立毛は得られない。さらに、特公昭62−42
076号公報あるいは特公昭62−4207号公報に記
載されているように樹脂含浸されていない布帛より起毛
された比較的長く荒い立毛を樹脂付与前後にカレンダー
ロールで加熱プレスことで押し固め、実質的に基体層繊
維のバインダー量程度の樹脂を付与することでは、基体
層表面に実質的に緻密な湿式スポンジを形成できず十分
な平滑面は得られない。したがって、この基体表面をバ
フィングする方法ではヌバックと称するに足る平滑面は
得られず、また、均一で微細な立毛も得られない。ま
た、特開昭63−50580号公報に記載された方法は
立毛部と銀面の混在面を得るものであり、全面にわたっ
て、ヌバック調の短毛で均一な立毛及び平滑面は得られ
ない。さらに特開平4−136280号公報に記載され
た方法においてもコラーゲン粉末とポリウレタンからな
る表面と立毛表面の混在面を得るものであり、全面にわ
たって、ヌバック調の短毛で均一な立毛及び平滑面は得
られない。
【0009】また、グリップ性については、皮革様立毛
シート製のスポーツ手袋については編織物で行われてい
るようにゴム等の弾性体を点状に付ける方法は外観を著
しく損ない商品価値を低下させ、また、着用感も損なう
ので実施できない。本発明は、均質で極めて短毛で繊細
な立毛を持ち、天然皮革ヌバックと同様の優美な外観と
独特のヌメリ感を有するヌバック調スポーツ用手袋を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、極
細繊維および/または極細繊維束からなる三次元絡合不
織布とその絡合空間に存在する弾性重合体の緻密な発泡
体とからなる表面平滑な繊維質基体層の表面に、該基体
層の極細繊維と連続した非絡合極細繊維と弾性重合体を
主体とした樹脂との混在層を有し、該非絡合極細繊維の
一部は先端部がシート表面に立毛状に露出しているヌバ
ック調シート状物を縫製してなるスポーツ用手袋であ
る。
【0011】本発明のヌバック調スポーツ用手袋は、例
えば以下の工程を組み合わせることにより得られるヌバ
ック調シート状物を縫製することにより得られる。すな
わち、極細繊維発生型繊維を製造する工程、該繊維から
なる絡合不織布を製造する工程、必要に応じて不織布を
仮固定する工程、該絡合不織布に弾性樹脂液を含浸し、
緻密な発泡体を形成する工程、該繊維を極細繊維束に変
性する工程、必要に応じてプレス処理などにより表面平
滑化する工程を組み合わせることにより繊維質基体と
し、該繊維質基体の表面に立毛を形成する工程、立毛面
に樹脂を塗布する工程程、その表面をバフィングするこ
とで微細な立毛を形成する工程、得られた立毛シート状
物を染色する工程、及び必要に応じて柔軟剤を含浸また
は表面に塗布する工程により、ヌバック調シート状物を
得ることができる。
【0012】本発明に用いるヌバック調シート状物の繊
維質基体層を構成する極細繊維束は、少なくとも2種類
のポリマーを混合紡糸あるいは複合紡糸して得られる従
来公知の極細繊維発生型繊維からつくられる。例えば、
海成分が溶剤または水酸化ナトリウム等の分解剤により
溶解または分解することで島成分がフィブリル化する抽
出型繊維あるいは機械的にまたは処理剤によって各ポリ
マーからなる極細繊維にフィブリル化する分割型繊維等
があげられる。
【0013】極細繊維を構成するポリマーは、6−ナイ
ロン、66−ナイロンをはじめとする溶融紡糸可能なポ
リアミド類、ポリエチレンテレフタレート類、ポリブチ
レンテレフタレート、カチオン可染型変性ポリエチレン
テレフタレートをはじめとする溶融紡糸可能なポリエス
テル類などから選ばれた少なくとも1種類のポリマーで
ある。
【0014】抽出型繊維で抽出または分解除去される成
分は、極細繊維成分と溶剤または分解剤に対する溶解性
または分解性を異にし、極細繊維成分との相溶性の小さ
いポリマーであり、かつ紡糸条件下で極細繊維成分より
溶融粘度が小さいかあるいは表面張力が小さいポリマー
であり、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエ
チレンプロピレン共重合体、変性ポリエステルなどのポ
リマーから選ばれた少なくとも1種類のポリマーであ
る。
【0015】極細繊維発生型繊維は、カードで解繊し、
ウェッバーを通してウェッブを形成し、得られた繊維ウ
ェッブは、所望の重さ、厚さに積層し、次いで、ニード
ルパンチや水流絡合などの公知の方法で絡合処理を行っ
て繊維絡合不織布とする。繊維絡合不織布は内部に編織
物等を積層したものであってもよい。繊維絡合不織布
は、樹脂液の含浸に先立って、必要に応じて水溶性樹脂
などの仮固定用の樹脂液を含浸させたりプレス処理によ
り表面平滑化することも好ましい。
【0016】次に、繊維絡合不織布に弾性樹脂液を含浸
し、加熱乾燥することでゲル化させる、あるいは弾性樹
脂の非溶剤を含む液に浸漬して湿式凝固することで緻密
な発泡スポンジを形成し繊維質基体とする。ここで含浸
する弾性樹脂は、例えば、平均分子量500〜3000
のポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリ
カーボネートジオールあるいはポリエステルポリエーテ
ルジオール等の複合ジオール等から選ばれた少なくとも
1種類のポリマージオールと4、4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネートなどの芳香族系、脂環族
系、脂肪族系のジイソシアネートなどから選ばれた少な
くとも1種類のジイソシアネートと2個以上の活性水素
原子を有する少なくとも1種類の低分子化合物とを所定
のモル比で反応させて得たポリウレタンおよびその変性
物であったり、ポリエステルエラストマー等の他の弾性
樹脂およびアクリル系等の樹脂であってもよい。また、
これらを混合した重合体組成物でもよい。しかし、柔軟
性、弾性回復性、スポンジ形成性等より上記のポリウレ
タンが好ましく用いられる。
【0017】上記のような重合体を溶剤あるいは分散剤
に溶解あるいは分散させて得た重合体液を繊維絡合不織
布体に含浸、スポンジ形成させ、繊維質基体を得るが、
この重合体液には必要に応じて着色剤、凝固調節剤、酸
化防止剤、分散剤等の添加剤を配合する。繊維質基体に
占める重合体の比率は、基体に柔軟な風合いと弾性回復
性を持たせ、何より重要なことには立毛面に樹脂を塗布
する前に平滑性の高い基体表面を形成するために固形分
として重量比で10%以上、好ましくは30〜50%の
範囲で含有させるのがよい。弾性体比率が10%未満で
は緻密な弾性体スポンジが形成されず、基体表面を起毛
する際に十分に極細繊維を固定できず、また、弾性体ス
ポンジ自身が緻密で平滑でないために樹脂を塗布する前
の立毛面が十分な平滑面とならない。従って、樹脂を塗
布し、バフィングした製品の表面も高級なヌバック調と
称するに足る十分な緻密な平滑面は得られない。
【0018】次に、重合体を含有した繊維質基体を極細
繊維及び重合体の非溶剤であり、かつ極細繊維発生型繊
維の分散媒成分の溶剤または分解剤等によって処理する
かあるいは機械的な処理を加えることで極細繊維束を発
生させる。
【0019】続いて、この基体の表面を起毛し、極細繊
維を主体とした立毛を有する平滑な立毛面を形成する。
起毛方法は、針布起毛機による起毛なども用いられる
が、サンドペーパーなどによるバフィングが繊細かつ均
一な起毛が可能なことより好ましく実施される。ここで
言う立毛は繊度が0.5dr未満、好ましくは0.1〜
0.001drの極細繊維がヌバック調の繊細な立毛とな
り得るものである。0.5dr以上では、いわゆるスェー
ド調のやや繊細さに欠ける立毛となる。0.001dr未
満では発色性が十分ではない。立毛の長さは2mm以下好
ましくは0.5mm以下のものがよい。2mm以上の立毛で
は弾性体樹脂層で十分な固定が出来ず繊細な立毛が得ら
れないし、平滑面も得られない。
【0020】さらに、この立毛面に弾性体樹脂液を塗布
し、極細繊維立毛と弾性体樹脂が混在する層を形成す
る。具体的には、例えば100%モジュラスが40kg/
cm2以下の柔軟なポリウレタンの溶液または水系エマル
ジョンをグラビアで固形分で0.1〜10g/m2、好ま
しくは、0.2〜5g/m2塗布する。0.1g/m2未満
では立毛面を十分にカバー出来ず、結果として平滑な表
面は得られないし、均一な立毛も得られない。また、1
0g/m2以上の弾性体樹脂を塗布すると樹脂層が厚くな
りすぎバフィングしても立毛は得られず、いわゆる銀付
調となってしまう。ここで、塗布面の平滑性、後のバフ
ィングのしやすさから、さらにバフィング面のタッチの
ソフトさ、ヌメリ感を得られやすいことより、いわゆる
乾式フイルム状の無孔質膜ではなく、多孔構造を有する
弾性体樹脂層を形成することが好ましい。このような多
孔構造は、例えば、50℃以上に加熱することで、ゲル
化し、多孔構造を形成する水系ポリウレタン樹脂エマル
ジョンを塗布し、50℃以上で1分間以上加熱乾燥し、
さらに100℃〜140℃で2分間以上加熱することで
極細繊維と多孔構造を有するポリウレタンが混在一体化
した表面層を形成する。または、ゼラチン,塩類等の水
溶性微粒子を分散させたポリウレタン樹脂組成液を塗
布、乾燥した後、50〜90℃の熱水中で水溶性微粒子
を溶出除去して微多孔構造とすることで極細繊維と微多
孔を有するポリウレタンが混在一体化した表面層を形成
する。しかし、いわゆる湿式凝固法で弾性体多孔層を形
成することは、この程度の塗布量では十分な多孔層を形
成することは難しく、コスト的にも非合理的である。
【0021】ここで塗布する弾性体は、ポリウレタンが
好ましく用いられ、その種類はポリエステル系、ポリエ
ーテル系、ポリカーボネート系等いずれのポリウレタン
でも使用できるが、商品としてある程度の耐久性が保証
できるので、ポリエーテル系、ポリカーボネート系が好
ましく用いられ。また、このなかでもハードセグメント
を構成するジイソシアネート及び鎖伸長剤が脂環族、脂
肪族等からなる無黄変タイプが変色、退色なく、より好
ましい。また、塗布方法には、ダイレクトコート、リバ
ースロールコート、離型紙による転写法等があるが、本
発明のように少量を均一に塗布し、しかも基体に適度に
浸透させる塗布方法としては、グラビア塗布方法が好ま
しく用いられる。
【0022】次いで、この層の表面をサンドヘーパー等
でバフィングしてポリウレタン樹脂層を研削し、表面を
平滑化させると共に樹脂層に内在する極細繊維を起毛
し、表面に長さ0.5mm以下、好ましくは0.2mm以下
の極細繊維の立毛を形成し、ヌバック調シート状物とす
る。立毛長さが0.5mmを超えるとヌバック調の範疇で
はなく、スエード調と称されるものとなる。この際、サ
ンドペーパーが好ましく用いられるが、#400、#6
00等のできるだけ粒度の小さいものを用いた方がより
平滑な面と短毛かつ均一な立毛を形成することが出来
る。
【0023】この立毛シート状物を常法で、含金錯塩染
料、酸性染料、硫化染料等で染色し、必要に応じて、揉
み、整毛、ヌメリ処理を行い、繊細で均一な立毛を有
し、繊細な外観とヌメリ感を有するヌバック調立毛シー
ト状物とする。得られたヌバック調シート状物を縫製し
た得られるスポーツ用手袋は、高級感にあふれ、立毛面
に存在する柔軟な弾性体樹脂と極細繊維立毛とにより適
度の摩擦抵抗が発現し、グリップ性に優れたものであ
る。
【0024】
【実施例】次ぎに本発明の実施を具体的に実施例で説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。なお、実施例中の部及び%はことわりのない限り
重量に関するものである。
【0025】実施例1 6−ナイロン60部(島成分)と高流動性低密度ポリエ
チレン(海成分)からなる海島型複合繊維を溶融紡糸に
より得、これを70℃の熱水中で2.5倍に延伸し、繊
維油剤を付与し、機械捲縮をかけて乾燥後、51mmにカ
ットしてステープルとした。この海島型複合繊維の海成
分の太さは平均0.005drであった。このステープル
をカードで解繊し、クロスラップ法で目付500g/m2
のウェッブを形成、ついで両面から交互に合わせて約5
00パンチ/m2ニードルパンチングし、さらに加熱し、
カレンダーロールでプレスすることで表面の平滑な絡合
不織布をつくった。この絡合不織布の目付は540g/
m2、見かけ密度は、0.3g/cm3であった。この絡合
不織布にポリテトラメチレンエーテル系ポリウレタンを
主体とするポリウレタンのDMF溶液を含浸し、DMF
/水混合液の中に浸して湿式凝固した後、熱トルエン中
で複合繊維中の海成分を溶出除去して極細繊維を発現さ
せ、繊維質基体を得た。得られた繊維質基体を厚さ方向
に二分割後、分割面をバフィングして厚さ0.5mmに調
整し、反対面を#400及び#600のサンドペーパー
で起毛し、表面に立毛を有する繊維質基体とした。この
立毛面に水系ポリウレタンエマルジョンをグラビア塗布
法で15g/m2塗布し、70℃に加熱することによりゲ
ル化させた後加熱乾燥し、さらに100℃〜140℃で
3分間加熱して極細繊維と多孔構造を有するポリウレタ
ンが混在一体化した表面層を形成した。この樹脂付与面
を再び、#400及び#600のサンドペーパーで研削
し、立毛シートを得た。
【0026】この立毛シートを下記の条件で茶色に染色
した。 染色条件 ラニールブラウンGR(住友化学社製) 4%owf レベラン NK−D 1g/l 染色温度 90℃ 乾燥後、揉み、整毛処理を行うと均一で繊細な立毛を有
する優美な外観とヌメリ感を有するヌバック調のシート
状物が得られた。このシート状物を縫製して得られたス
ポーツ用手袋は高級感にあふれ、グリップ性の良好なで
あった。
【0027】実施例2 実施例1の立毛を有する繊維質基体の立毛面に、下記配
合の水系ポリウレタンエマルジョンをグラビア塗布法で
20g/m2塗布し、100℃で2分、さらに120℃で
4分加熱乾燥し、極細繊維立毛と微多孔を有する樹脂が
混在した層を形成した。そして、再び、#400及び#
600のサンドペーパーで表面をバフィングし、立毛シ
ートを得た。 水系ポリウレタンエマルジョン(固形分40%) 100部 凝固促進剤 20部 水 50部 この立毛シートを実施例1と同様の条件で茶色に染色し
た。乾燥後、揉み、整毛処理を行うと均一で繊細な立毛
を有する優美な外観とヌメリ感を有するヌバック調のシ
ート状物が得られた。このシート状物を縫製して得られ
たスポーツ用手袋は、高級感にあふれ、グリップ性の良
好なものであった。
【0028】実施例3 実施例1の表面に立毛を有する繊維質基体の立毛面に、
下記配合の水溶性微粒子を含むポリウレタン溶液をグラ
ビアで20g/m2塗布、乾燥した後、70℃の熱水中で
30分間処理することで水溶性微粒子を溶出除去、乾燥
し、極細繊維立毛と微多孔を有する樹脂が混在した層を
形成した。そして、再び#400及び#600のサンド
ペーパーで表面をバフィングして立毛シートを得た。 ポリウレタン溶液 エーテル系ポリウレタン(固形分 30%) 100部 イソバン(登録商標:クラレ社製) 60部 MEK 50部 トルエン 50部 この立毛シートを実施例1と同様の条件で茶色に染色し
た。乾燥後、揉み、整毛処理を行うと均一で繊細な立毛
を有する優美な外観とヌメリ感を有するヌバック調のシ
ート状物が得られた。このシート状物を縫製して得られ
たスポーツ用手袋は高級感にあふれ、グリップ性の良好
なものであった。
【0029】実施例4 実施例1の極細繊維成分の平均繊度0.005drの複合
繊維の替わりに、ポリエチレンテレフタレートと6−ナ
イロンからなる平均繊度0.1drの極細繊維に変成可能
な潜在剥離型複合繊維を用いて、実施例1と同様に絡合
不織布をつくり、実施例1と同一のポリウレタン溶液を
含浸、湿式凝固した後、ベンジルアルコールを含む液で
処理し、複合繊維の各成分を剥離し、極細繊維を発現さ
せた。この後、実施例1と同様に基体を2分割、裏バ
フ、表起毛し、その立毛面に50℃以上でゲル化し多孔
構造となる水系ポリウレタンエマルジョンを塗布し、加
熱乾燥後、表面バフィング、染色仕上げすることで優美
な外観とヌメリ感を有するヌバック調シート状物を得
た。このシート状物を縫製して得たスポーツ用手袋は、
高級感にあふれ、グリップ性に優れたものであった。
【0030】実施例5 実施例1の極細繊維発生型複合繊維ステープルをポリエ
チレンテレフタレート繊維からなる編布に水流絡合によ
り絡合させた後、実施例1と同一のポリウレタン溶液を
含浸、湿式凝固し、熱トルエン中で処理して複合繊維の
海成分を溶出除去し、極細繊維を発現させ、繊維質基体
を得た。これを実施例1と同様に表起毛、その立毛面に
50℃以上でゲル化し多孔構造となる水系ポリウレタン
エマルジョンを塗布し、加熱乾燥後、表面バフィング、
染色仕上げすることで同様に優美な外観とヌメリ感を有
するヌバック調シート状物を得た。このシート状物を縫
製して得たスポーツ用手袋は、高級感にあふれ、グリッ
プ性に優れたものであった。
【0031】比較例1 実施例1と同一の繊維質基体を表起毛しただけでポリウ
レタンエマルジョンの塗布及び表面バフィングを実施し
ないものを染色仕上げして立毛シート状物を得た。この
立毛シート状物は、高級な外観を有したスエード調立毛
シート状物ではあるが、ヌバック調の短毛で均一な立毛
による繊細な外観には成り得ていなかった。このシート
状物を縫製して得たスポーツ用手袋は高級感に欠けグリ
ップ性も不十分なものであった。
【0032】比較例2 実施例1と同一の表面が起毛された6−ナイロンの極細
繊維とポリウレタンからなる繊維質基体の表面に水系ポ
リウレタンエマルジョンを固形分で30g/m2塗布し、
サンドペーパーでバフィングしたが、ポリウレタン層が
厚すぎ、十分に研削出来なくて平滑な表面とならず、ま
た極細繊維の立毛も十分に得られないため、ヌバック調
の繊細な外観は得られなかった。このシート状物を縫製
して得たスポーツ用手袋は高級感に欠けるものであっ
た。
【0033】
【発明の効果】本発明のスポーツ用手袋は、表面平滑
で、従来のスエード調立毛シート状物とは異なった、極
めて短い極細繊維立毛を表面に有し、天然皮革ヌバック
に極めて類似した優美な外観と風合いを有するヌバック
調皮革様シート状物からなるため、高級感にあふれ、し
かも着用時の風合い、グリップ性に優れるため、ゴル
フ、水上スキー、野球などに用いる手袋として有用であ
る。特に、汗や水に濡れた場合にもグリップ感が良好
で、しかも天然皮革などに比べてイージーケアー性が高
い。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極細繊維および/または極細繊維束から
    なる三次元絡合不織布とその絡合空間に存在する弾性重
    合体の緻密な発泡体とからなる表面平滑な繊維質基体層
    の表面に、該基体層の極細繊維と連続した非絡合極細繊
    維と弾性重合体を主体とした樹脂との混在層を有し、該
    非絡合極細繊維の一部は先端部がシート表面に立毛状に
    露出しているヌバック調シート状物を縫製してなるスポ
    ーツ用手袋。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101358647B1 (ko) * 2011-11-25 2014-02-07 이재웅 골프장갑

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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