JPH071305U - 中空材用挟持固定具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 中空材の壁面部に力を加えることなく完全に
挟持固定することが出来、締め付け作業も楽に行える中
空材用挟持固定具を提供する。 【構成】 円柱状ボルトを付設した表側固定用部材と、
円柱状ボルトに螺合する内筒部と該内筒部に螺合する外
筒部から成り内筒部の円柱状ボルトへの締め付けによっ
て外筒部が後方へ移動する如く形成した締め付け部材
と、締め付けボルト孔を穿設した裏側固定用部材と、内
筒部の雌螺子に螺合する雄螺子を切って当該内筒部と締
結固定ならしむ締め付けボルトから構成することを特徴
とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、各種の中空材を挟み込んで他部材と固定する際に使用する挟持固定 具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、中空材を挟持固定する方法は、例えば、図５の如く、中空材Ａの両サイ ドにボルト孔Ａ３並びにナット挿通孔Ａ４を各々穿設し、外側からはナット１３ を固着してなる固定用部材１１を配し、内側からはボルト挿通孔１２ａを穿設し てなる固定用部材１２を配し、締め付けボルト１４を挿通孔１２ａ及びボルト孔 Ａ３より挿通させて前方のナット１３と螺合させ、両サイドの固定用部材１１、 １２によって挟み込んだ状態で締め付け固定する方法などが採られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記の方法によれば、締結具（ボルト及びナット）による締め 付けが弱いと完全な固定が行われず、逆に締め付けが強いと中空材にくぼみが起 こることとなり、中空材に対しての最適な挟持固定方法とは言い難いものであっ た。

【０００４】 本考案は上記の点に鑑みなされたものであって、中空材の壁面部に力を加える ことなく、且つ当該中空材を完全に固定することが出来、又、締め付け作業も比 較的楽に行うことが出来る中空材用挟持固定具を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するための本考案の挟持固定具は、中空材表側のボルト孔に挿 通させる円柱状ボルトを付設した表側固定用部材と、中空材裏側の締め付け部材 挿通孔から挿通する締め付け部材と、ボルト孔を穿設した裏側固定用部材と、当 該ボルト孔及び締め付け部材挿通孔に挿通させる締め付けボルトから構成され、 前記締め付け部材は円柱状ボルトに螺合する内筒部と該内筒部の雄螺子に螺合す る雌螺子を切った外筒部からなり当該外筒部は内筒部の締め付け動作によって後 方へ移動する如く形成しており、前記締め付けボルトは内筒部の雌螺子に螺合す る雄螺子を切って当該内筒部と締結固定させることを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】

以上の如く本考案の固定具であれば、中空材表面側のボルト孔に表側固定用部 材の円柱状ボルトを挿通し、一方、中空材裏面側の締め付け部材挿通孔から締め 付け部材を挿通し、前記ボルトの雄螺子に内筒部の雌螺子を螺合させて締め付け ていく。内筒部の先端が中空材の内壁に当接した後、更に内筒部をねじ込んでい くと、外筒部が逆に後方（裏面側）に移動していくから、当該外筒部の後端が中 空材裏面側の外壁面と同一面になるまでねじ込む。次に、裏面側固定用部材を中 空材裏面側に当て、締め付け用ボルトの軸部をボルト孔及び締め付け部材挿通孔 に挿通させて内筒部にねじ付けていくが、この時、締め付け用ボルトを完全に締 め付けると締め付け部材の外筒部が裏面側固定部材を圧接した状態に密着する。 よって、第一に中空材の表面側が表側固定用部材と締め付け部材内筒部によって 締め付け固定され、第二に締め付け部材の外筒部と裏側固定用部材とが締め付け 用ボルトと締め付け部材内筒部によって固定されるものであり、中空材に対して 両側から力を加えることなく、各固定用部材によって当該中空材を挟持した状態 で完全に固定することが出来る。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【０００８】 図１は本考案の挟持固定具によって中空材を固定した状態を示す断側面図であ る。

【０００９】 図面において、１は表側固定用部材で、中空材Ａを挟持固定するための一方側 の断面Ｌ字形状部材であり、外面の適宜位置に円柱状ボルト２を固定用部材１に 対して一定の力が係ると自回転する如く付設しており、中空材Ａの表側に穿設し たボルト孔Ａ１に当該ボルト２を挿通させた状態で配置するものである。尚、ボ ルト２は常に自回転可能な如く固定用部材１に付設し、必要時において回転しな いように表側から当該ボルト２を固定する手段を講じても良い。

【００１０】 ３は締め付け部材で、ボルト２に螺合する雌螺子を切ると共に外面に雄螺子を 切った内筒部３ａ、該内筒部３ａの雄螺子に螺合する雌螺子を切った外筒部３ｂ 、ワッシャーの如き中空円板状のスラセ材３ｃから構成しており、各螺子切りは ボルト２に対する内筒部３ａの締め付け動作、すなわち内筒部３ａの先端がスラ セ材３ｃを介して中空材Ａの内壁に当接した後の当該内筒部３ａの締め付け動作 によって外筒部３ｂが後方へ移動するように設けられている。尚、外筒部３の後 方移動に際しては案内枠などを装着することも有効である。締め付け部材３は、 図３の如く、中空材Ａの裏面側に穿設した締め付け部材挿通孔Ａ２から挿通して 中空材内部に入れ、ボルト２に対して内筒部３ａをねじ込んで締め付けていくが 、これによって、まず、中空材Ａの表面側は表側固定用部材１と（スラセ材３ｃ を介した）内筒部３ａとによって仮固定された状態となる。又、内筒部３ａの締 め付けは、図４の如く、外筒部３ｂの後端が中空材Ａの裏面側の外壁面と同一面 ないしほぼ同一面に移動するまで行うものとする。

【００１１】 ４は裏側固定用部材で、中空材Ａを挟持固定するための他方側の断面Ｌ字形状 部材であり、適宜位置に締め付けボルト５の軸部を挿通させるボルト孔４ａを穿 設しており、ボルト５を中空材Ａの内部に位置する締め付け部材３の内筒部３ａ と螺合させることによって中空材Ａの裏面側に配置させるものである。

【００１２】 締め付けボルト５は、内筒部３ａの雌螺子に螺合する雄螺子を切ったボルトで あって、最終的に各固定用部材によって中空材Ａを挟持固定させるための締め付 け具である。すなわち、締め付けボルト５をねじ込んでいけば、締め付け部材３ の内筒部３ａとの間で螺子止めすることが出来、最終締め付けによって外筒部３ ｂの後端が裏側固定用部材４を圧接する状態に完全に密着し、裏側固定用部材４ （並びに外筒部３ｂ）を中空材Ａに対して完璧に固定し得るものであり、図１に 示す如く、前述の表側固定用部材１と共に中空材Ａを挟持固定することとなる。 尚、本固定具の固定方法であれば、裏側固定用部材４によって中空材Ａの外壁を 前方に押圧することなく、中空材Ａの横幅を保持したままで完全に固定すること が出来る。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明した如く本考案によれば、従来の挟持固定方法の如く中空材外壁を押 圧してしまったり、逆に固定が不完全になってしまうといったことは皆無であっ て、中空材に対して良好な状態で挟持固定を行うことが出来、締め付け具による 締結力も高く、又、締め付け操作も非常に簡単であるなど、使用者にとって多大 な効果を奏するものである。尚、本挟持固定具による固定方法は、各種中空材に 適応し得る方法であって、この利用価値は非常に高いものと言える。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の挟持固定具により中空材Ａを挟持固定
した状態を示す断側面図。

【図２】締め付け部材３を挿通孔Ａ２から挿通している
状態を示す断側面図。

【図３】内筒部３ａをボルト２にねじ込んだ状態を示す
断側面図。

【図４】外筒部３ｂを後方へ移動させた状態を示す断側
面図。

【図５】従来の挟持固定具により中空材Ａを挟持固定し
た状態を示す断側面図。

【符号の説明】

１ 固定用部材 ２ ボルト ３ 締め付け部材 ４ 固定用部材 ５ 締め付けボルト

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中空材表側のボルト孔に挿通させる円柱
   状ボルトを付設した表側固定用部材と、中空材裏側の締
   め付け部材挿通孔から挿通する締め付け部材と、ボルト
   孔を穿設した裏側固定用部材と、当該ボルト孔及び締め
   付け部材挿通孔に挿通させる締め付けボルトから構成さ
   れ、前記締め付け部材は円柱状ボルトに螺合する内筒部
   と該内筒部の雄螺子に螺合する雌螺子を切った外筒部か
   らなり当該外筒部は内筒部の締め付け動作によって後方
   へ移動する如く形成しており、前記締め付けボルトは内
   筒部の雌螺子に螺合する雄螺子を切って当該内筒部と締
   結固定させることを特徴とする中空材用挟持固定具。