JPH0713056Y2 - 光ディスクチルトセンサ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、光ディスク記録装置や光ディスク再生装置
のチルトサーボ装置において、ディスク面に対する光ヘ
ッド光軸の傾きを検出するためのチルトセンサ装置に関
し、チルトセンサの光軸を光ヘッドの光軸に近づけるこ
とができるようにして検出エラーを減少させたものであ
る。

〔従来の技術〕

光ディスク記録装置や光ディスク再生装置においては、
光ヘッドの光軸は、ディスク面に対して垂直に使用され
るように設計されている。ところが、熱や重力の作用に
よりディスク面にそりを生じた場合、その量がわずかで
あっても光ヘッド光軸とディスク面との関係は垂直では
なくなり、クロストーク妨害等光ヘッドの信号読取り性
能に重大な影響を与えてしまう。

そこで、このような妨害を取り除くため、光ヘッドの光
軸の傾きを制御して、常にディスク面に対して垂直に保
つためのチルトサーボ装置が設けられている。このチル
トサーボ装置には、チルトエラーを検出するためのチル
トセンサが設けられており、通常発光ダイオード等の光
源から放射した光線をレンズ等の光学系を介してディス
ク面に照射し、その反射光を２分割フォトダイオード等
の受光素子で受光して、これらの受光信号のレベル差か
らチルトエラーを検出するように構成されている。

従来におけるチルトセンサは、発光タイオード等の光源
を直接ディスク面方向に向けて、そこから放射した光線
をレンズ等の光学系を介してそのままディスク面に照射
するように照射光路がディスク面に垂直な方向に直線状
に構成されていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

チルトサーボ装置においては、チルトセンサによる照射
位置（チルトエラー検出位置）と、光ヘッドによるレー
ザ光照射位置（記録、再生位置）とがずれていると、両
位置でのディスク面のそり状態の相違等により残留エラ
ーが発生し、チルト過剰またはチルト不足を生じてディ
スク再生に支障をきたすことがある。したがって、チル
トセンサによる照射位置と、光ヘッドによる照射位置が
一致することが望ましいが、前記従来のチルトセンサに
おいては照射光路がディスク面に垂直な方向に直線上に
構成されているため、光源の寸法が大きい場合にはチル
トセンサの光軸と光ヘッドの光軸を近づけることができ
なかった。

この考案は、前記従来の技術における問題点を解決し
て、チルトセンサの光軸を光ヘッドの光軸に近づけるこ
とができるようにした光ディスクチルトセンサ装置を提
供しようとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

この考案は、光ヘッドの記録用または再生用光源部と別
個に設けられ、ディスク面に略々平行な方向で、かつデ
ィスク面に略々直交するように配された光ヘッドの光軸
に対し略々直交する方向にチルトエラー検出用光線を放
射するチルトエラー検出用光源部と、この放射された光
線を光ヘッドの光軸に近接した位置でディスク面に略々
直角な方向に折り曲げてディスク面方向に照射し、かつ
ディスク面からの反射光を前記チルトエラー検出用光源
部の方向に折り曲げる全反射ミラーと、前記チルトエラ
ー検出用光源部と前記全反射ミラーとの間の光路上に配
されて、前記ディスク面からの反射光をさらに折り曲げ
るビームスプリッタと、このビームスプリッタで折り曲
げられたディスク面からの反射光をチルトエラーを検出
すべく受光する受光素子とを具備してなるものである。

〔作用〕

この考案によれば、光源部からディスク面に略々平行な
方向に放射されたチルトエラー検出用光線は、光ヘッド
の光軸に近接した位置で全反射ミラーによりディスク面
に略々直角な方向に折り曲げられてディスク面方向に照
射され、ディスク面で反射された光線は全反射ミラーお
よびビームスプリッタで順次折り曲げられて受光素子で
受光されて、チルトエラーが検出される。

これによれば、光源部や受光素子を光ヘッドから離れた
位置に配設することができ、また全反射ミラー自体は小
型に構成することができるので、光源部や受光素子の寸
法が大きくても、チルトエラー検出用光線の光軸を光ヘ
ッドの光軸に接近させることができ、チルトエラー検出
位置と記録、再生位置とを接近させて、残留エラーを減
少させることができる。

なお、以下の実施例で示すように、全反射ミラーを光ヘ
ッドの光軸に対面する側のケース端部において当該ケー
ス端部から光ヘッドの光軸に近づく方向に露出して配設
するようにすれば、全反射ミラー部分のケース側壁を省
くがことができるので、その分チルトエラー検出用光線
の光軸をより光ヘッドの光軸に接近させることができ
る。

〔実施例〕

この考案の一実施例を以下説明する。第２図はこの考案
が適用されたチルトセンサ装置を用いた光ディスク装置
の概略構成を示す平面図である。ターンテーブル10上に
はディスク12が載置されて回転される。ディスク12の下
方にはディスク径方向にフィード軸14,16が配設され、
光ヘッド部18がこれに沿って摺動自在に配設されてい
る。光ヘッド部18には光ヘッド20とチルトセンサ22が取
り付けられている。光ヘッド20は記録用または再生用レ
ーザ光を対物レンズ24を介して送出して、ディスク面に
垂直に照射し、ディスク12への記録または再生を行う。

チルトセンサ22は内部で発生されたチルトエラー検出用
光線を光ヘッド20の光軸ａに近接した位置に配設された
全反射プリズムミラー28で折り曲げてディスク面に垂直
な方向に照射し（光軸ｂ）、ディスク面からの反射光を
全反射プリズムミラー28を介して内部に取り込みチルト
エラーの検出を行なう。フィード軸14,16および光ヘッ
ド部18は全体がチルト駆動モータ（図示せず）によりフ
ィード軸14,16の内端部のチルト軸ｃを介して傾動可能
に構成されており（あるいは光ヘッド部18だけをチルト
軸ｃ′を介して傾動可能に構成されており）、検出され
たチルトエラーに応じてチルト駆動モータを駆動してチ
ルトエラーを補正するようにチルトサーボが構成されて
いる。

チルトセンサ22の詳細構成を第１図に側面図で示す。ま
た、その平面図を第３図に示す。チルトセンサ22は全体
がプラスチック等のケース30で覆われている。ケース30
内の一端部には、発光ダイオード等の光源32が配設され
ている。光源32から放射されるチルトエラー検出用光線
34はケース30内の長手方向（ディスク面に略々平行で光
ヘッド20の光軸ａに略々直交する方向）に並べられたビ
ームスプリッタ36、コリメータレンズ38、開口部40を介
してケース30の他端部に露出して配設された全反射プリ
ズムミラー42で直角に折り曲げられてディスク面に略々
直角な方向に送出されて（光軸ｂ）、ディスク面に照射
される。ディスク面から反射された光線34′は全反射プ
リズムミラー42で反射されて開口部40からケース30内に
取り込まれ、コリメータレンズ38を介してビームスプリ
ッタ36で反射されて、開口部48を介してケース30の側壁
に取り付けられた２分割フォトダイオード50で受光され
る。２分割フォトダイオード50は略々ディスク面に垂直
な方向に分割線50aが形成されており、チルトエラーに
応じて両分割部分の受光量が変化するので、その受光量
の差を求めることによりチルトエラーが検出される。な
お、全反射プリズムミラー42は第４図に示すようなプリ
ズム支持部52によってケース30の端部に支持されてい
る。

上記の構成によれば、チルトエラー検出用光線34を全反
射プリズムミラー42で折り曲げているので光源32や２分
割フォトダイオード50を光ヘッド光軸ａから離れた位置
に配設することができ、また全反射プリズムミラー42自
体は小型に構成できるので、光源32や２分割フォトダイ
オード50がたとえ大型のものであったとしても、第１図
に示すように全反射プリズムミラー42を光ヘッド20に可
能な限り近づけて配設することができ（特に、この実施
例では全反射プリズムミラー42を光ヘッドの光軸ａに対
面する側のケース30の端部において当該ケース端部から
光ヘッドの光軸ａに近づく方向に露出して配設している
のでなおさらである。）、光ヘッド20の光軸ａとチルト
センサ22の光軸ｂを近接させることができ、チルトエラ
ー検出位置ｂ′と記録または再生位置ａ′を接近させる
ことができ、検出エラーを減少させることができる。

〔変更例〕

前記実施例では、コリメータレンズ38をビームスプリッ
タ36と全反射プリズムミラー42との間に配置したが、第
５図に示すように全反射プリズムミラー42とディスク12
との間に配置したり、第６図に示すように光源32とビー
ムスプリッタ36の間に配置することもできる。

また、前記実施例では、全反射ミラーとして全反射プリ
ズムを使用したが、反射板を用いることもできる。

また、前記実施例では、光源32そのものを光源部とし
て、光源32から放射される光線そのものをディスク面に
略々平行で光ヘッドの光軸に略々直交する方向に放射さ
せるようにしたが、光源部を光源と光学系で構成して、
光源からは適当な方向に放射させてこれを光学系で曲げ
ることにより、ディスク面に略々平行で光ヘッドの光軸
に略々直交する方向に放射させるようにすることもでき
る。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案によれば光源部からの光
源を全反射ミラーで折り曲げるようにしたので、光源部
や受光素子を光ヘッドから離れた位置に配設することが
でき、また全反射ミラー自体は小型に構成することがで
きるので、光源部や受光素子の寸法が大きくても、チル
トエラー検出用光線の光軸を光ヘッドの光軸に接近させ
ることができ、チルトエラー検出位置と記録、再生位置
とを接近させて、検出エラーを減少させることができ
る。

また、前記実施例で示したように、全反射ミラーを光ヘ
ッドの光軸に対面する側のケース端部において当該ケー
ス端部から光ヘッドの光軸に近づく方向に露出して配設
するようにすれば、全反射ミラー部分のケース側壁を省
くがことができるので、その分チルトエラー検出用光線
の光軸をより光ヘッドの光軸に接近させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例を示す側面図で、第２図
のチルトセンサ22の詳細構成を示す図である。 第２図は、この考案が適用されたチルトセンサを具えた
ディスク装置の概略構成を示す平面図である。 第３図は、第１図のチルトセンサの平面図である。 第４図は、第１図のチルトセンサのプリズム支持構成を
示す斜視図である。 第５図、第６図は、それぞれコリメータレンズの他の配
置例を示す側面図である。 32……光源、34……チルトエラー検出用光線、36……ビ
ームスプリッタ、42……全反射プリズムミラー、50……
２分割フォトダイオード、ａ……光ヘッド光軸、ｂ……
チルトセンサ光軸。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】光ヘッドの記録用または再生用光源部と別
   個に設けられ、ディスク面に略々平行な方向で、かつデ
   ィスク面に略々直交するように配された光ヘッドの光軸
   に対し略々直交する方向にチルトエラー検出用光線を放
   射するチルトエラー検出用光源部と、 この放射された光線を光ヘッドの光軸に近接した位置で
   ディスク面に略々直角な方向に折り曲げてディスク面方
   向に照射し、かつディスク面からの反射光を前記チルト
   エラー検出用光源部の方向に折り曲げる全反射ミラー
   と、 前記チルトエラー検出用光源部と前記全反射ミラーとの
   間の光路上に配されて、前記ディスク面からの反射光を
   さらに折り曲げるビームスプリッタと、 このビームスプリッタで折り曲げられたディスク面から
   の反射光をチルトエラーを検出すべく受光する受光素子
   と を具備してなる光ディスクチルトセンサ装置。
2. 【請求項２】前記全反射ミラーが光ヘッドの光軸に対面
   する側のケース端部において当該ケース端部から光ヘッ
   ドの光軸に近づく方向に露出して配設されていることを
   特徴とする請求項１記載の光ディスクチルトセンサ装
   置。