JPH07130471A - エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

エレクトロルミネッセンス素子

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JPH07130471A
JPH07130471A JP5301092A JP30109293A JPH07130471A JP H07130471 A JPH07130471 A JP H07130471A JP 5301092 A JP5301092 A JP 5301092A JP 30109293 A JP30109293 A JP 30109293A JP H07130471 A JPH07130471 A JP H07130471A
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JP
Japan
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light
electrode
insulating layer
layer
electroluminescent element
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Pending
Application number
JP5301092A
Other languages
English (en)
Inventor
Mika Yazawa
美香 矢沢
Kazuhiro Inokuchi
和宏 井ノ口
Nobue Ito
信衛 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
Denso Corp
Original Assignee
Research Development Corp of Japan
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP5301092A priority Critical patent/JPH07130471A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高輝度を有するエレクトロルミネッセンス素子
を提供すること。 【構成】エレクトロルミネッセンス素子10は、絶縁性の
ガラス基板1上に、第1金属電極21、低屈折率絶縁層3
1、高屈折率絶縁層32、低屈折率絶縁層33からなる第1
絶縁層(反射増加膜)3、発光層4、第2絶縁層5、第2
電極6、第3絶縁層7及び有機顔料分散型フィルタ8が
積層形成されている。反射増加膜と、金属電極を組み合
わせることにより、金属電極のみの反射率以上に所望の
波長での反射を効果的にし、輝度を向上できる。発光ピ
ーク波長は610nm であり、この波長において、反射率を
60%に増加する事ができ、第1電極の金属電極にガラス
基板の熱膨張係数に近いTa(20℃〜 500℃の温度範囲で
熱膨張係数が 1×10-5以下)を用い、剥離などなく良好
な結果を得、実用的なエレクトロルミネッセンス素子を
提供できた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば車載用メータ等
の表示器に使用されるエレクトロルミネッセンス素子に
関し、特に金属電極を有するエレクトロルミネッセンス
素子に関する。
【0002】
【従来技術】従来、EL(エレクトロルミネッセンス)
素子は、硫化亜鉛(ZnS) などの蛍光体に電界をかけたと
きに発光する現象を利用したもので、自発光型の平面デ
ィスプレイを構成するものとして注目されている。図4
は、従来のEL素子12の典型的な断面構造を示した模
式図である。EL素子12は、絶縁性基板であるガラス
基板1上に、第1電極22、第1絶縁層3、発光層4、
第2絶縁層5及び第2電極6が順次積層され形成されて
いる。第1電極としてITO 等の透明電極、第1絶縁層及
び第2絶縁層としてTa2O5 等をスパッタ法などにより形
成する。発光層としてZnS を母体材料とし、Mn,Tb,Sm,T
m などを発光中心元素として添加して、真空蒸着やスパ
ッタ法により形成する。発光中心の種類により所望の発
光色として、上記Mnではオレンジ色、Tbでは緑色、Smで
は赤色、Tmでは青色がそれぞれ得られる。その上に第2
絶縁層、第2電極を形成しEL素子を構成する。しか
し、上述の構造から成るEL素子の発光輝度は、フルカ
ラー化の基本となるRGB(赤、緑、青)の3原色について
は、何れも実用的レベルには至っていないのが現状であ
る。
【0003】そこで、近年、オレンジ色発光を呈するZn
S:Mn系の発光層からなるEL素子に波長570nm より短い
波長の光をカットするフィルタを用いて赤色発光を得た
り、青緑色発光を呈するSrS:Ce系の発光層からなるEL
素子に波長500nm 以上の光をカットするフィルタを用い
て青色発光を得る方法が提案されている。しかし、フィ
ルタにより色純度のよい光は得られるものの、発光輝度
は低下する。
【0004】一方、発光輝度を向上させる手段に従来技
術としては、実開平3-69899 号公報がある。ここでは、
透過型EL素子において、発光層より前面の絶縁層の膜
厚を、発光層のピーク波長で反射率が最小となるよう設
定し、かつ発光層より背面の絶縁層の膜厚を、発光層の
ピーク波長で反射率が最大となるよう設定し、表示輝度
の向上を図っている。しかしながら実質、輝度向上効果
は少ない。その他にも、(a) 光取り出し側とは反対側の
電極に金属電極を用いる、(b) 発光層に熱処理を施す方
法等が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のフィルタ、金属
電極及び発光層熱処理を組み合わせる事により、色純度
が良く、高輝度発光であるEL素子を得る事ができる。
しかし、マルチカラー及びフルカラーのEL素子を形成
するためにEL素子を対向させる構成の場合、フィルタ
を挿入したEL素子は、光取り出し方向からみて奥側に
位置させなければならず、金属電極と組み合わせる為に
は、金属電極を光取り出し側でない第1電極に配置する
必要がある。金属電極が第1電極の場合、電極より上の
各層は蒸着、スパッタなどでガラス基板を加熱しながら
堆積させたり、発光層の熱処理工程にさらされる等、高
温にさらされる事が多く、ガラス基板の熱膨張係数(約
4×10-6)との差が大きい場合、剥離が生じるという問
題がある。
【0006】発明者らは、上述の様々な問題点を考慮に
いれ、図3に示すように、波長590nm より短い波長の光
をカットするフィルターを素子上部に挿入し、従来構成
の第1電極のみを金属電極に変えてエレクトロルミネッ
センス素子を作製し、輝度向上効果について検討した
が、金属薄膜の反射率から期待されるほどの輝度向上効
果は得られなかった経緯がある。本発明は、上記の課題
を解決するために成されたものであり、その目的とする
ところは、高輝度を有するエレクトロルミネッセンス素
子を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の構成における特徴は、金属電極と光取り出し
用の透明電極とからなる一対の電極間に、蛍光体を含む
発光層、および絶縁層が配設されたエレクトロルミネッ
センス素子において、前記金属電極上に第一低屈折率絶
縁層を有し、前記発光層の直下に、低屈折率絶縁層と、
該低屈折率絶縁層の直下の高屈折率絶縁層との積層を少
なくとも一組以上有し、前記各絶縁層の厚みが、前記発
光層から放射される波長λにより、数1式で決まるdを
中心とする厚さd±λ/10となっていることである。こ
こで、低屈折率絶縁層とは屈折率が1.8 以下の絶縁層、
高屈折率絶縁層とは、屈折率が1.8 以上の絶縁層とし、
望ましくは屈折率の差が大きい構成とする。
【0008】又、別の構成の特徴は、金属電極を第1電
極として絶縁性基板上に形成した構造の場合、熱膨張係
数が20℃〜 500℃の温度範囲で1×10-5以下である金属
を用いることである。
【0009】さらに別の構成としては、前記発光層が59
0nm 以上の長い波長の発光スペクトルを含む光を放射す
る蛍光体からなり、前記金属電極から光取り出し側に反
射される反射光が590nm 以上の長い波長域で多くなる厚
さで、光取り出し側に、前記反射光の590nm 以上の長い
波長の光を透過し、590nm より短い波長の光を吸収及び
/または反射してカットするフィルターを設けたことを
特徴とし、また別の構成は、前記発光層が500nm 以下の
短い波長の発光スペクトルを含む光を放射する蛍光体か
らなり、前記金属電極から光取り出し側に反射される反
射光が500nm 以下の短い波長域で高くなる厚さで、光取
り出し側に、前記反射光の500nm 以下の短い波長の光を
透過し、500nm より長い波長の光を吸収及び/または反
射してカットするフィルターを設けたことを特徴とす
る。
【0010】第二発明の構成の特徴は、透光性絶縁基板
上に、第1発光色を呈する発光層、及び絶縁層を、一対
の透明電極間に挟んで形成した第1透光性エレクトロル
ミネッセンス素子と、前記第1発光色と異なる第2発光
色を呈する第2発光層、及び絶縁層を、少なくとも光取
り出し側が透明電極よりなる一対の電極間でに挟んで絶
縁性基板上に形成した第2エレクトロルミネッセンス素
子とを、表示側に第1透光性エレクトロルミネッセンス
素子を配置し、かつ第2エレクトロルミネッセンス素子
の光取り出し側の電極を第1透光性エレクトロルミネッ
センス素子の片側の電極と向かい合う形で配置して、前
記各絶縁基板間を一定の間隙に保持するとともに、その
間隙に透光性絶縁物質を充填し気密封止してなる可変色
のエレクトロルミネッセンス素子において、金属電極
が、前記第2エレクトロルミネッセンス素子の第1電極
として前記絶縁性基板上に形成された構造であって、前
記金属電極の熱膨張係数が、20℃〜 500℃の温度範囲で
1×10-5以下の金属材料である素子となっていることで
ある。
【0011】
【作用及び発明の効果】金属電極と発光層の間の絶縁層
を、反射増加膜となるような構成とした。即ちこの反射
増加膜とは、金属電極と発光層の間に低屈折率膜、高屈
折率膜、低屈折率膜と、屈折率の異なる絶縁層を繰り返
し奇数層積層したもので、屈折率の異なる層界面に光が
入射すると光は反射される。ここで低屈折率絶縁層と
は、屈折率が1.8 以下の絶縁層、高屈折率絶縁層とは、
屈折率が1.8 以上の絶縁層とする。低屈折率と高屈折率
の差が大きいほど反射増加膜の効果は高くなる。この反
射は金属電極からの反射に限らず、絶縁膜で生じてもよ
いので、低屈折率膜と高屈折率膜との積層が何層設けら
れていてもよく、発光層と金属電極は屈折率が比較的大
きいので、それに接触する層は低屈折率層である必要が
あり、従って絶縁層の構成は奇数層となる。
【0012】又、発光層から放射される波長域の光が金
属電極によって光取り出し側に反射され、その反射光を
強める(=反射率が高くなる)ことになる各絶縁層の膜
厚は、数1式を満たす厚さとする。この反射増加膜と、
金属電極を組み合わせることにより、金属電極のみの反
射率以上に、所望の波長での反射を効果的に上げ、輝度
を向上させることができる。
【0013】又、上記金属電極は、第1電極としてガラ
ス基板上に形成した構造の場合、熱膨張係数が20℃〜 5
00℃の温度範囲で 1×10-5以下とする。これにより、金
属電極上の各層成膜時における高温や、発光層の輝度向
上のための熱処理にさらされても、剥離する事なく素子
を形成する事ができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説
明する。図1は本発明に係るEL素子の断面構造を示し
た模式図である。EL素子10は、絶縁性基板であるガ
ラス基板1上に順次、第1金属電極21、低屈折率絶縁
層31、高屈折率絶縁層32、低屈折率絶縁層33から
なる第1絶縁層3、発光層4、第2絶縁層5、第2電極
6、第3絶縁層7及び有機顔料分散型フィルタ8が積層
形成され構成されている。尚、EL素子10では矢印方
向に光を取り出している。又、以下各層の膜厚値はその
中央部分を基準として述べてある。
【0015】次に、上述のEL素子10の製造方法を以
下に述べる。 a)絶縁性基板であるガラス基板1(ノンアルカリガラ
ス、歪点 650℃)上に、Ta(タンタル)金属をターゲッ
トとしてDCスパッタ法により成膜し、金属電極とした。 b)その後ドライエッチングにより所望のパターン形状に
加工し、第1金属電極21を形成した。第一金属電極2
1は、20℃〜 500℃の温度範囲で熱膨張係数が 1×10-5
以下となる。 c)その上部に、屈折率が1.8 以下の低屈折率絶縁層を形
成する。低屈折率絶縁層としてとして、例えば、シリコ
ンをターゲットとして用い、アルゴン、酸素の混合ガス
雰囲気中で高周波スパッタ法により屈折率n=1.45のSi
O2(酸化珪素)31を成膜する。 d)その上に、屈折率が1.8 以上の高屈折率絶縁層を形成
する。高屈折率絶縁層として、例えば、Ta2O5(5酸化タ
ンタル)、Al2O3(酸化アルミニウム)を混合ターゲット
として用い、アルゴン、酸素の混合ガス雰囲気中で高周
波スパッタ法により屈折率n=2.06の Ta2O5・Al2O3
2を成膜する。 e)その上に、再びSiO233を成膜し、第1絶縁層(反射
増加膜)3を形成した。なお、膜厚は数1式に基づき、
低屈折率絶縁層31を110nm 、高屈折率絶縁層32を22
0nm 、低屈折率絶縁層33を110nm とした。 f)更に、発光中心としてマンガン(Mn)を添加したZnS を
ターゲットとして用い、蒸着法により成膜し、発光層4
を形成した。 g)その後、EL素子10を 5×10-4Paの真空中、400 〜
600℃で3時間熱処理を行った。 h)その上に、シリコンをターゲットとして用い、アルゴ
ン、窒素、酸素の混合ガス雰囲気中で高周波スパッタ法
によりSiON(酸窒化珪素)を、又、Ta2O5,Al2O3を混合
ターゲットとして用い、アルゴン、酸素の混合ガス雰囲
気中で高周波スパッタ法により Ta2O5・Al2O3 を成膜
し、SiON/ Ta2O5・Al2O3 の2層から成る第2絶縁層5
を形成した。 i)その上に、Ga2O3(酸化ガリウム)を添加したZnO(酸化
亜鉛)を蒸着材として用い、イオンプレーティングによ
り成膜し、その後、ウエットエッチングにより所望形状
に加工し、第2電極6を形成した。 j)その上に、SiONから成る第3絶縁層7を、第2絶縁層
のSiONと同一の方法で形成した。 k)上記第3絶縁層7上に、既知の量分の有機顔料を滴下
し、スピンナーにより有機顔料分散型の赤色光透過フィ
ルタ8を形成した。 l)以降、露光現像、そして140 ℃×2minでレジストベー
クを行った。 m)最終的には、EL素子10の最上層レジスト8の上
に、吸湿防止のため、シリコンオイルの真空注入後、ガ
ラス基板が組み付けられている。
【0016】なお、この実施例における各層の膜厚は、
第1金属電極2が 100nm、第1絶縁層3がSiO2の 110n
m、 Ta2O5・Al2O3 の220nm とSiO2の110nm の3層構成
で450nm 、発光層4が 800nm、第2絶縁層5がSiONの10
0nm と Ta2O5・Al2O3 の 400nmの2層構成で500nm 、第
2電極6が 400nm、第3絶縁層が500nm 、赤色光透過フ
ィルタが2000nmである。
【0017】この反射増加膜3では、各層の界面で光が
反射する。まず発光層4から基板側へ放射された光は低
屈折率絶縁層33との界面で反射する。低屈折率絶縁層
33を通過した光は、高屈折率絶縁層32へ入射する際
に反射する。また高屈折率絶縁層32を通過した光が、
低屈折率絶縁層31との界面でも反射し、さらに最終的
に金属電極で反射する。そしてこれらの反射した光は、
三つの絶縁層31、32、33それぞれが強め合う関係
の数1式の厚さとなっているので、お互いに干渉を起こ
して、光取り出し側へ強く反射する。高屈折率絶縁層が
複数含まれる場合は界面の反射が多数となり、より干渉
に寄与することになり、反射はより強くなる。つまり全
体として反射率が高くなる。
【0018】図2は、上述の方法にて製造したEL素子
10(本発明品)の、各波長に対する反射率の変化を示
したものである。尚、比較のため従来方法にて第1電極
をTaとして製造した図3のEL素子11(従来品)にお
ける各波長に対する反射率の変化についても示した。従
来品の各層の膜厚は、第1金属電極21が 100nm、第1
絶縁層3が Ta2O5・Al2O3 の400nm 、発光層4が 800n
m、第2絶縁層5がSiONの100nm と Ta2O5・Al2O3 の 40
0nmの2層構成で500nm 、第2電極6が 400nm、第3絶
縁層が500nm 、赤色光透過フィルタが2000nmである。こ
れらの膜厚は、本発明品と比較して第1絶縁層の構成の
みが違うだけとしてある。
【0019】本発明品の発光ピーク波長は、発光層4の
発光ピーク波長575nm に590nm 以下の波長をカットする
フィルタ8を塗布しているため、610nm であり、色度座
標値は、X=0.64、Y=0.36である。この波長において
本発明品では、反射率を従来では10%であったものを60
%に増加する事ができた(図2)。
【0020】なお、フィルタの挿入位置としては、次の
3つが考えられる。ガラス基板に対して素子とは反対
側の面に形成する。ガラス基板と発光層の間の任意の
位置に形成する。発光層より上側の任意の位置に形成
する。
【0021】は、ガラス基板表面に形成されるため、
フィルタに傷が付きやすいという問題点がある。は、
フィルタより上の各層が、蒸着、スパッタなどでガラス
基板を加熱しながら堆積されたりすること、および発光
層が、発光輝度を向上させるための熱処理工程にさらさ
れるため、それらの温度に耐え得るフィルタ素材でなけ
ればならず、材料選択性に乏しく、現実的でない。又、
単色のEL素子では問題ないが、マルチカラー及びフル
カラーのEL素子を形成するためにEL素子を向い合わ
せる場合、の挿入位置でのEL素子は、光取り出し方
向が基板側であるため手前側にならなければならず、金
属電極と組み合わせる事は困難である。は、フィルタ
が熱処理工程にさらされることはないが、光取り出し方
向が素子側となるため、金属電極とフィルタを組み合わ
せるためには、金属電極を第1電極に持ってこなければ
ならない。金属電極が第1電極の場合、電極より上の各
層は蒸着、スパッタなどでガラス基板を加熱しながら堆
積させたり、発光層の熱処理工程にさらされる等、高温
にさらされる事が多く、ガラス基板の熱膨張係数(約 4
×10-6)との差が大きい場合、剥離が生じる。
【0022】しかし発明者らは、前記のフィルタの様々
な問題点を考慮にいれ、高輝度であるマルチカラー及び
フルカラーのEL素子を実現するため、フィルタ挿入位
置を例に取り、第1電極の金属電極にガラス基板の熱
膨張係数に近いTa(20℃〜 500℃の温度範囲で熱膨張係
数が 1×10-5以下)を用いてEL素子を作製して良好な
結果を得、以上述べてきたように、実用的なEL素子を
提供できた。
【0023】本発明は上述の実施例に限定されるもので
はなく、以下のような種々の変形が可能である。 (1) 第1絶縁層(反射増加膜)3は、低屈折率絶縁層と
してSiO2,高屈折率絶縁層として Ta2O5・Al2O3 で構成
したが、これらは低屈折率絶縁層として、屈折率が1.8
以下の物質、例えば、Al2O3,MgF2,SiON 、高屈折率絶縁
層として屈折率が1.8 以上の物質、例えば、Si3N4,Ta2O
5,TiO2,PbTiO3,Y2O3、その他EL素子の特性を損なわな
いような誘電体で構成しても良い。 (2) 発光層をオレンジ色発光を呈する硫化亜鉛:マンガ
ン(ZnS:Mn)に替えて例えば、赤色発光を呈する硫化亜
鉛:サマリウム(ZnS:Sm)とする。第1絶縁層の膜厚は上
述と等しくする。このように構成されたエレクトロルミ
ネッセンスディスプレイ素子で、透過型のEL素子に比
べて高輝度化が達成できる。 (3) 発光層をオレンジ色発光を呈する硫化亜鉛:マンガ
ン(ZnS:Mn)に替えて例えば、ノンドープのZnS でサンド
イッチした青緑色発光を呈する硫化ストロンチウム:セ
リウム(SrS:Ce)とし、500nm 以上の光をカットするフィ
ルタを設ける。又、第1絶縁層の膜厚は、SiO2の80nmと
Ta2O5・Al2O3 の230nm とSiO2の80nmの3層構成で390n
m とする。このように構成されたEL素子では、透過型
のEL素子に比べて高輝度化が達成できる。 (4) 第1金属電極21は、Taで構成したが、W(タング
ステン)、Mo(モリブデン)など、20℃〜 500℃の温度
範囲で熱膨張係数が 1×10-5以下の条件を満たす金属で
構成しても良い。 (5) 金属電極は第1電極に限らず、第2電極に用いても
金属電極と発光層の間の絶縁層で反射増加膜を形成する
事により同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的な一実施例に係るEL素子の縦
断面を示した模式図である。
【図2】本発明に係るEL素子と従来のEL素子とにお
ける各波長に対する反射率の変化を示した特性図であ
る。
【図3】従来のEL素子において、第1電極をTaとし
て製造したEL素子の縦断面を示した模式図である。
【図4】従来のEL素子の縦断面を示した模式図であ
る。
【符号の説明】
1…ガラス基板(絶縁性基板) 21…第1金属電極 22…第1電極 3…第1絶縁層(反射増加膜) 31…低屈折率絶縁層 32…高屈折率絶縁層 33…低屈折率絶縁層 4…発光層 5…第2絶縁層 6…第2電極 7…第3絶縁層 8…有機顔料分散型フィルタ 10、11、12…EL素子(エレクトロルミネッセン
ス素子)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 信衛 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属電極と光取り出し用の透明電極とか
    らなる一対の電極間に、蛍光体を含む発光層、および絶
    縁層が配設されたエレクトロルミネッセンス素子におい
    て、 前記金属電極上に第一低屈折率絶縁層を有し、 前記発光層の直下に、低屈折率絶縁層と、該低屈折率絶
    縁層の直下の高屈折率絶縁層との積層を少なくとも一組
    以上有し、 前記各絶縁層の厚みが、前記発光層から放射される波長
    λにより 【数1】nd=(2N−1)λ/4 (ただし、n:各絶縁膜の屈折率,d:各絶縁膜の膜
    厚,N:自然数)で決まるdを中心とする厚さd±λ/
    10であることを特徴とするエレクトロルミネッセンス
    素子。
  2. 【請求項2】 前記金属電極が、第1電極として絶縁性
    基板上に形成された構造であって、 前記金属電極の熱膨張係数が、20℃〜500℃の温度
    範囲で1×10-5以下の金属材料であることを特徴とす
    る請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  3. 【請求項3】 前記発光層が、590nm以上の長い波
    長の発光スペクトルを含む光を放射する蛍光体からな
    り、 前記金属電極から光取り出し側に反射される反射光が5
    90nm以上の長い波長域で多くなる厚さで、光取り出
    し側に、前記反射光の590nm以上の長い波長の光を
    透過し、590nmより短い波長の光を吸収及び/また
    は反射してカットするフィルターを設けたことを特徴と
    する請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  4. 【請求項4】 前記発光層が、500nm以下の短い波
    長の発光スペクトルを含む光を放射する蛍光体からな
    り、 前記金属電極から光取り出し側に反射される反射光が5
    00nm以下の短い波長域で高くなる厚さで、光取り出
    し側に、前記反射光の500nm以下の短い波長の光を
    透過し、500nmより長い波長の光を吸収及び/また
    は反射してカットするフィルターを設けたことを特徴と
    する請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  5. 【請求項5】 透光性絶縁基板上に、第1発光色を呈す
    る発光層、及び絶縁層を、一対の透明電極間に挟んで形
    成した第1透光性エレクトロルミネッセンス素子と、前
    記第1発光色と異なる第2発光色を呈する第2発光層、
    及び絶縁層を、少なくとも光取り出し側が透明電極より
    なる一対の電極間でに挟んで絶縁性基板上に形成した第
    2エレクトロルミネッセンス素子とを、表示側に第1透
    光性エレクトロルミネッセンス素子を配置し、かつ第2
    エレクトロルミネッセンス素子の光取り出し側の電極を
    第1透光性エレクトロルミネッセンス素子の片側の電極
    と向かい合う形で配置して、前記各絶縁基板間を一定の
    間隙に保持するとともに、その間隙に透光性絶縁物質を
    充填し気密封止してなる可変色のエレクトロルミネッセ
    ンス素子において、 金属電極が、前記第2エレクトロルミネッセンス素子の
    第1電極として前記絶縁性基板上に形成された構造であ
    って、 前記金属電極の熱膨張係数が、20℃〜500℃の温度
    範囲で1×10-5以下の金属材料である素子であること
    を特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
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