JPH0712687B2 - 端面型サ−マルヘツド - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、熱転写記録方式を含む感熱記録方式によるフ
ァクシミリや各種端末用プリンターの記録部を構成する
サーマルヘッドに関するものである。

従来の技術 従来感熱記録方式に用いるサーマルヘッドとして広く一
般に用いられてきたものに、第５図に示すような構成の
サーマルヘッドがある。すなわちグレーズ層16を施した
基板17の主平面17a上に発熱体列18を形成したいわゆる
平面型構成のサーマルヘッドが主流を占めていた。

しかし近年、熱転写記録方式等の開発により感熱記録方
式においても多階調記録やフルカラー記録が可能とな
り、このような多色多階調記録に適したサーマルヘッド
として第６図に示すような、グレーズ層19を施した基板
20の端面20a上に発熱体列21を形成した端面型サーマル
ヘッドが特開昭58−138661号公報等により提案されてい
る。ちなみにこの端面型サーマルヘッドは従来の平面型
サーマルヘッドに比較して、ａ）発熱体形成面が基板端
面であるため、発熱体部分の平坦度が向上する。ｂ）記
録結果をすぐ見ることができる。ｃ）ヘッドと記録紙，
プランテンローラーとのヘッドタッチが改善向上する。
ｄ）記録部を小型軽量化することができる。等々の優れ
た点を有しており、例えば直接感熱記録方式の装置ばか
りでなく、多色多階調記録が可能な熱転写記録方式を用
いた記録装置にも適した記録部を構成することができる
ものである。

発明が解決しようとする問題点 しかし、前述した従来の端面型サーマルヘッドにおいて
は、第６図に示すように、グレーズ層19を施した基板20
の端面20a部に発熱体21を列状に設けると共に、端面20a
に続く主平面20b及び20cの両面にもグレーズ層19を設
け、前記発熱体21に接続する電極パターン22を形成した
構成となっている。従って、前記発熱体21に通電し発熱
させた場合、記録エネルギーとして有効に使用されなか
った熱は、発熱体21近傍のグレーズ層19に蓄熱されてい
く。この熱を有効に放熱し、発熱体を冷却する必要があ
る。しかし従来の端面型サーマルヘッドにおいては、グ
レーズ層19の表面からの放熱と、基板20を通しての放熱
しか行なわれないため、放熱が十分でなかった。このた
め従来の端面型サーマルヘッドを用いて、例えば熱転写
記録を行った場合、放熱不良による蓄熱現象が発生し、
ゴーストや尾びきの原因となっていた。

ちなみに、従来サーマルヘッドを用いた感熱記録方式に
よる記録機器においては、例えばファクシミリ等に代表
される白黒の２値記録を行うものが主流であった。しか
し近年、多階調記録の行える装置や多色記録ならびにフ
ルカラー画像記録の行える機器への要望が頓に高まって
きている。特にフルカラー画像記録の場合においては微
妙な階調表現力が要求され、これらの要求に対応するた
めには、サーマルヘッドの蓄熱現象による記録画質の劣
化のない、換言するなら放熱・冷却特性の優れたサーマ
ルヘッドが必要であった。

本発明は、前記の問題点を解決しようとするものであ
り、蓄熱現象を軽減せしめ放熱・冷却特性の優れた端面
型サーマルヘッドを提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するため本発明は、端面に発熱体列を
形成した発熱体基板と、前記発熱体基板の端面に続く主
平面に望んで設けた基台と、前記発熱体基板と基台間に
電気絶縁性スペーサ及び加熱により軟質変化する熱伝導
性部材を設けると共に、前記電気絶縁性スペーサ及び熱
伝導性部材を介して、発熱体基板を前記基台に押圧固定
部材で押圧固定することにより、記録に伴って発生した
発熱体基板上の熱を速やかに放熱・冷却ができる端面型
サーマルヘッドを構成するものである。

作用 端面に発熱体を設けた端面型サーマルヘッドを上記のよ
うに構成することにより、記録に伴って端面型上に発生
した熱を、電気絶縁性スペーサによって電気的に絶縁さ
れた基台へ、熱伝導性部材を介して伝達し速やかに放熱
させるものであり、前記熱伝導性部材を加熱により軟質
変化する材料で構成することにより、発熱体基板上に発
生した熱により前記熱伝導性部材を軟質変化させ、発熱
体基板と基台間をより均一に密着させるものである。こ
のため、発熱体基板と基台間の熱抵抗は大幅に低下し、
記録に伴う蓄熱現象を軽減することができ放熱・冷却特
性の優れた端面型サーマルヘッドを提供できるものであ
る。

実施例 以下本発明の一実施例における端面型サーマルヘッド構
成について図面を用いて詳細に説明する。第１図及び第
２図は本発明の一実施例による端面型サーマルヘッドの
斜視図を、また第３図は断面図を示す。

第２図及び第３図において、発熱体基板６はセラミック
等の板状の基板１上にガラスグレーズ層２を設けたもの
で、その端面1aは円弧面で構成されると共に発熱体３が
列状に設けられている。

また、端面1aに続く主平面1bには画信号電極４を延在さ
せて設けると共に、主平面1cには共通電極５を設けてい
る。

尚、ガラスグレーズ層２は発熱体３を発熱させ熱記録を
行う際の熱効率を向上させると共に電極のパタン形成を
容易にするために設けている。しかしこのガラスグレー
ズ層２は、放熱の際には熱抵抗が大きく、放熱のさまた
げとなるため、基台７と接する共通電極５面には設けて
いない。

上述した発熱体基板６を用いた端面型サーマルヘッドは
第１図に示すような構成になっている。

第３図において、発熱体基板６は主平面1cで電気絶縁性
スペーサ９及び加熱によって軟質変形する熱伝導性部材
10を介して、Al等の熱伝導の優れた金属の基台７に接着
されている。また、発熱体基板６の主平面1bには絶縁テ
ープ11を介して、発熱体基板６を基台７に押圧固定する
固定部材８が設けられている。

尚、このとき発熱体基板６の発熱体３を形成した端面1a
を含む先端部は、基台７及び固定部材８の端部から若干
突出した状態に取付けられる。

配線基板12は、基台７に取付けられており同じく基台７
に取付けられた発熱体基板６の画信号電極４部との間
に、発熱体駆動用IC13を実装すると共に、共通電極５を
配線結合するものである。

この様に構成された端面型サーマルヘッドの基台７及び
発熱体基板６間に設けた電気絶縁性スペーサ９及び加熱
により軟質変化する熱伝導性部材10は、発熱体基板６の
共通電極５と基台７間を電気的に絶縁すると共に、熱抵
抗を大幅に低下させ放熱冷却を良くするものである。

ちなみに加熱によって軟質変化する熱伝導性部材として
は、放熱用シリコンやポロオレフィン系エラストマーと
特殊なAl₂O₃系のフィラーで構成した熱伝導性ゴム等を
用いる。また電気絶縁性スペーサー９はビーズ状の粒子
や繊維状の絶縁樹脂で構成されている。

上述した様な端面型サーマルヘッドを用いて、第４図に
示すようにプラテンローラー14上の記録紙15上に記録を
行う場合の発熱体基板６の放熱冷却状態を以下に説明す
る。

発熱体基板６上の発熱３は、記録に伴って加熱，放熱冷
却のサイクルをくり返すが、放熱冷却がうまく行なわれ
ないと、発熱体近傍に蓄熱現象が発生し、本来画信号が
印加されていないにもかかわらず、加熱記録時と同じ状
態となり、階調記録ができなかったり、画像上でのゴー
ストや尾びきといった現象を生じるばかりでなく、発熱
体３の寿命を大幅に低下させる原因となっていた。

本発明による端面型サーマルヘッドにおいては、発熱体
基板６からの放熱冷却がきわめてスムーズかつ効率よく
行なわれるため、上記の様な欠点を解消できるものであ
る。

すなわち、本発明においては基台７と発熱体基板６を接
触面積の大きく取れる主平面1cで接する構成にすると共
に、主平面1cには熱抵抗の高いガラスグレーズ層を設け
ない構成にしているため、発熱体基板６で発生した熱は
基台７にすみやかに伝達され放熱される。

このとき発熱体基板６と基台７間に設けた熱伝導性部材
10は加熱によって軟質変化する性質を持っているため、
発熱体基板６上の熱によって軟質変化し、発熱体基板６
の主平面1c及び基台７表面の細かな凹凸面にまで入り込
み密着するためすぐれた放熱効果を上げるものである。
また電気絶縁性スペーサー９は、前記熱伝導性部材10が
軟質変化した場合でも基台７と発熱体基板６間の電気絶
縁性を確実に保つことができる。このため熱伝導性部材
10の厚みを前記電気絶縁性スペーサ９と同じ厚みまで薄
くすることが可能で熱抵抗の軽減をはかれるものであ
る。

また、発熱体基板６は固定部材８によって基台７に前記
熱伝導性部材10を介して強固に密着固定されるため、放
熱時の熱抵抗をさらに下げることが可能となる。

以上述べた様に、本発明の実施例によれば発熱体３を発
熱させて記録を行った後の放熱時のおける、発熱体基板
６と基台７間の熱抵抗を極めて小さくおさえることで
き、記録に伴う蓄熱の少なく、スムーズな放熱の行える
端面型サーマルヘッドを提供できるものである。

発明の効果 本発明によれば、端面に発熱体列を形成した発熱体基板
と、前記発熱体基板の端面に続く主平面に臨んで設けた
基台と、前記発熱体基板と基台間に電気絶縁性スペーサ
及び加熱により軟質変化する熱伝導性部材を設けると共
に、前記電気絶縁性スペーサ及び熱伝導性部材を介し
て、発熱体基板を基台に押圧固定部材で押圧固定する端
面型サーマルヘッドを構成することにより、電気絶縁性
を保ちながら発熱体基板と基台間の密着状態を均一にす
ることができ、発熱体基板と基台間の熱抵抗の小さい放
熱性のすぐれた端面型サーマルヘッドを提供できるもの
である。また本発明による端面型サーマルヘッドを感熱
記録に用いることにより記録に伴う蓄熱現象を大幅に軽
減でき、ゴーストや尾引きのない高画質の記録を行うこ
とができると共に多階調記録やフルカラー画像記録にも
適した端面型サーマルヘッドを提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における端面型サーマルヘッ
ドの分解斜視図、第２図は同サーマルヘッドの発熱体基
板の斜視図、第３図は同断面図、第４図は端面型サーマ
ルヘッドを用いた記録部の断面図、第５図及び第６図は
従来のサーマルヘッドの斜視図である。 １……基板、３……発熱体列、６……発熱体基板、７…
…基台、８……固定部材、９……電気絶縁性スペーサ、
10……熱伝導性部材、14……プラテンローラ、15……記
録紙。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一端面に発熱体列を形成し、その一端面に
   続く一主平面に画信号電極を、他の主平面に共通電極を
   それぞれ形成した発熱体基板と、その発熱体基板の前記
   他の主平面に電気絶縁性スペーサ及び前記発熱体基板の
   記録時の熱により加熱され軟質変化する熱伝導性部材を
   介して設けられた基台と、前記発熱体基板を前記基台に
   押圧固定する前記発熱体基板の一主平面側に設けられた
   固定部材とを有することを特徴とする端面型サーマルヘ
   ッド。
2. 【請求項２】発熱体基板の他の主平面にはグレーズ層が
   形成されていないことを特徴とする特許請求の範囲第１
   項記載の端面型サーマルヘッド。