JPH0712674Y2 - エンジン・ミッション締結部材構造 - Google Patents

エンジン・ミッション締結部材構造

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JPH0712674Y2
JPH0712674Y2 JP1000889U JP1000889U JPH0712674Y2 JP H0712674 Y2 JPH0712674 Y2 JP H0712674Y2 JP 1000889 U JP1000889 U JP 1000889U JP 1000889 U JP1000889 U JP 1000889U JP H0712674 Y2 JPH0712674 Y2 JP H0712674Y2
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JP
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fastening member
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flange
bolt
transmission
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JP1000889U
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昌平 熊野
喜彰 木下
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Mazda Motor Corp
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、エンジンとトランスミッションとの連結剛性
を高めるためのエンジン・ミッション締結部材構造に関
するものである。
[従来の技術] 一般に、エンジンとトランスミッションとで構成される
パワーユニットには、エンジンの不釣り合い慣性力によ
ってエンジン回転数に応じて各種モードの振動が惹起さ
れるが、とくに1次モードの固有振動に起因する上下方
向の曲げ振動が常用の回転域で発生する。このような振
動はパワーユニットの剛性が低いととくに激しくなる
が、このような振動が、パワーユニットを車体にマウン
トする複数のマウント部材を介して車体に伝達される
と、車内に不快な騒音が発生する。そこで、エンジン
(シリンダブロック)の剛性と、トランスミッション本
体を収納するトランスミッションケースの剛性とができ
るだけ高められるが、いかにシリンダブロックとトラン
スミッションケースの剛性が高くても、シリンダブロッ
クとトランスミッションケースとの合わせ面の連結剛性
が低いため、パワーユニットに生じる各種モードの振動
がなかなか抑制できないといった問題があった。
そこで、シリンダブロックの下部外周面に沿うようなU
字状の横断面を有し、シリンダブロックとトランスミッ
ションケースとにボルト締結される締結部材を設け、シ
リンダブロックとトランスミッションケースとの連結剛
性を高めるようにしたエンジン・ミッション締結部材構
造が提案されている(例えば、実開昭58-129040号公報
参照)。
例えば、第8図と第9図とに示すように、従来の締結部
材101は、シリンダブロック102の下側にこれに沿って配
置され、シリンダブロック102に両側方からボルト締結
される本体部103と、該本体部103のリヤ側(トランスミ
ッション側)端部にこれと連続して一体形成され、トラ
ンスミッションケース104のフロント側(エンジン側)
端面にボルト締結されるフランジ部105とからなる。
[考案が解決しようとする課題] ところが、第8図と第9図とに示すような従来の締結部
材101では、これをプレス加工する際フランジ部105に若
干の歪みが生じ、このような歪みはフランジ部105の2
つの上端部に生じやすい。このため、組立時にはとくに
両端部に位置するボルト貫通孔A,Bまわりの組付応力が
増大し、フランジ部105の耐久性ないし信頼性が低下す
るといった問題があった。
しかしながら、上記のような締結部材101は普通プレス
加工で製作されるので、プレス加工の性質上、これ以上
フランジ部105の平面度を高めることは極めて困難であ
る。そこで、締結ボルトの締結順序を指定して組付応力
を調節し、これに対処しているのが現状であるが、より
根本的な対策が求められている。
本考案は上記従来の問題点に鑑みてなされたものであっ
て、エンジンとトランスミッションとの合わせ面の連結
剛性を高めてパワーユニットに惹起される各種モードの
振動、とくに常用回転域で発生する上下方向の曲げ振動
を有効に抑制することができるとともに、締結部材の組
付時の組付応力を低減して、締結部材の耐久性と信頼性
の向上を図ることができるエンジン・ミッション締結部
材構造を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本考案は上記の目的を達するため、エンジン下方に、略
U字状横断面を有し、エンジンとトランスミッションと
を締結する締結部材が設けられたエンジン・ミッション
ケース締結部材構造において、上記締結部材のU字状外
周面に、該締結部材をトランスミッションに締結する複
数のボルトを通すボルト貫通孔が環状に配列されたフラ
ンジ部を連続して形成するとともに、少なくとも上記フ
ランジ部の2つの上端部に夫々形成されるボルト貫通孔
と、これらと隣り合うボルト貫通孔との間に、隣り合う
ボルト貫通孔の中心同士を結ぶ線より内側まで切り欠い
たフランジ切欠部を設けたことを特徴とするエンジン・
ミッション締結部材構造を提供する。
[考案の作用・効果] 本考案によれば、フランジ部の両端部に形成されるボル
ト貫通孔と、これと隣り合うボルト貫通孔との間にフラ
ンジ切欠部が形成されるので、上記両端部のボルト貫通
孔に対応する締結ボルトの組付応力は上記切欠部より端
部側の比較的狭いフランジ面の平面度のみによって決定
され、切欠部より下側(U字の底側)のフランジ面の平
面度の良否は、実質的に両端部の締結ボルトの組付応力
に影響を与えない。
このため、切欠部より端部側の狭い範囲のフランジ面の
平面度を高めるだけで組付応力の低減を図ることができ
るが、このような狭い範囲ではフランジ面に直交する方
向の歪みは比較的小さい。けだし、フランジ面に直交す
る方向の歪みの大きさは、普通フランジ面に沿う方向の
距離に比例するからであり、比較的狭い範囲のフランジ
面の歪みは非常に小さいからである。したがって、切欠
部より端部側のフランジ面の平面度が高くなるので、両
端部の締結ボルトの組付応力を低減して、締結部材の耐
久性と信頼性の向上とを図りつつ、パワーユニットの上
下方向の曲げ剛性を高め、1次モードの上下方向の曲げ
振動を有効に抑制することができる。
また、上記切欠部を設けたことにより、締結部材の左右
方向の剛性が若干低下すると予想されるが、本願発明者
らの実験結果によれば、このような締結部材の左右方向
の曲げ振動に対する振動抑制作用はもともと効果的でな
いということが判明した。したがって、締結部材の左右
方向の剛性が若干低下しても、締結部材本来の振動抑制
機能はとくに低下しない。
[実施例] 以下、本考案の実施例を具体的に説明する。
第2図に示すように、パワーユニットPUは実質的に、シ
リンダヘッド1とシリンダブロック2とオイルパン3と
で外形が形成される横置き搭載型の4気筒エンジンE
と、該エンジンEのリヤ側(トランスミッション側)
に、クランク軸4の軸線延長方向に配置され、エンジン
Eからクラッチ(図示せず)を介して入力されるトルク
を、シフト位置に対応する変速比で変速するトランスミ
ッションTと、クランク軸4の軸線延長方向に対して車
両後方側にオフセットした位置において、トランスミッ
ションTの出力をドライブシャフト5に伝達するディフ
ァレンシャル装置Dとで構成されている。
そして、パワーユニットPUにはエンジンEの不釣り合い
慣性力によって、各種モードの振動が惹起され、このよ
うな振動が、パワーユニットの慣性主軸方向の両端部と
重心位置の側方とに設けられたマウント部材(図示せ
ず)を介して車体に伝達されると車内に騒音が発生す
る。
上記パワーユニットPUに惹起される振動は、その剛性が
低いほど激しくなるが、パワーユニットPUにおいては、
エンジンEとトランスミッションTとの合わせ面の連結
剛性が比較的低く、通常この合わせ面の連結剛性の高低
によってパワーユニットPUに惹起される振動の大きさが
左右される。そこで、エンジンEとトランスミッション
Tとの連結剛性を高めるためにシリンダブロック2とト
ランスミッションケース6とに締結される締結部材7が
設けられている。
第3図に示すように、締結部材7は、略U字状の横断面
を有し(第1図参照)、シリンダブロック2の下側にこ
れにほぼ沿うような形状に形成された半割り円筒状の底
面部11と、該底面部11のリヤ側にこれを連続して一体形
成され、リヤ側ほど大径となる半割りコーン状に形成さ
れた曲面部12と、該曲面部12のリヤ側端部に連続して一
体形成され、トランスミッションケース6のフロント側
(エンジン側)端面に当接するフランジ部13とで構成さ
れている。
そして、底面部11の左右の上端部には、締結部材7をシ
リンダブロック2に側方からボルト締結するための取り
付け部14が形成されている。この取り付け部14には、こ
れを補強するために補強部材15が金属接着用のウェルド
ボンドで接着されている。このように、ウェルドボンド
で補強部材15を全面接着しているので、通常のスポット
熔接による接着に比べて応力集中が防止され、取り付け
部14の耐久性の向上が図られている。
締結部材7は、取り付け部14と補強部材15とに形成され
たボルト貫通孔16を通して締結ボルト(図示せず)によ
ってシリンダブロック2に両側方からボルト締結されて
いる。また、締結部材7は、フランジ部13のフランジ面
に形成されたボルト貫通孔17a〜17e(第1図参照)を通
して締結ボルト18によってトランスミッションケース6
のフロント側端面に締結されるようになっている。
第1図に示すように、フランジ部13のフランジ面には5
つのボルト貫通孔17a〜17eが形成されている。そして、
各ボルト貫通孔17a〜17eの間において、フランジ面には
各ボルト貫通孔17a〜17eの中心を結ぶ線より内側まで切
欠かれたフランジ切欠部21が夫々形成されている。この
ため、各ボルト貫通孔17a〜17eは、夫々フランジ面に形
成される小フランジ面19a〜19eのほぼ中央部に位置す
る。ここにおいて、各ボルト貫通孔17a〜17eと対応する
締結ボルト18は、夫々対応する小フランジ面19a〜19eに
よってのみ組付応力が生じる。
前記したとおり、小フランジ面19a〜19eのような狭い範
囲ではフランジ面に直交する方向の歪みは比較的小さ
い。したがって、締結部材7の組付時における組付応力
が低減され、フランジ部7の耐久性ないし信頼性の向上
を図ることができる。
また、第4図に示すように、エンジンEの不釣り合い慣
性力によってパワーユニットPUに惹起される1次モード
の固有振動によって締結部材7にはフランジ部13がその
上下方向のほぼ中央部を静止点として上下の端部がクラ
ンク軸4の軸線方向に振動する上下方向の曲げ振動が惹
起される。なお、第4図において実線は静止ラインであ
り、破線は上下方向の曲げ振動による変形ラインであ
る。しかし、フランジ部13のフランジ面はクランク軸4
の軸線方向には5つの締結ボルト18でトランスミッショ
ンケース6に強固に締結されているので(第3図参
照)、締結部材7に惹起される上下方向の曲げ振動は有
効に低減される。
ところで、フランジ部13のフランジ面に切欠部21を形成
したことにより、フランジ部13の左右方向の剛性は低下
する。そこで、締結部材7の左右方向の曲げ振動に対す
る振動抑制機能が低下するのではないかとも考えられる
が、本願発明者らの実験によれば、切欠部21を設けたこ
とによってとくに不具合が生じないということが判明し
た。以下、その理由について説明する。
第5図〜第7図に、夫々、締結部材7に惹起される1
次,2次,3次モードの固有振動による変位(すなわち応
力)の、クランク軸方向(x)と、上下方向(y)と、
左右方向(z)の成分を示す。これらの図中において矢
印の長さは変位の大きさを示す。これらの図から明らか
なように、1次モードによる固有振動は主として上下方
向の曲げ振動であり、2次モードによる固有振動は主と
してねじれ振動であり、3次モードによる固有振動は左
右方向の曲げ振動であることが分かる。
この実験に用いたパワーユニットPUでは、239Hzで1次
モードによる上下方向の曲げ振動が惹起され、260Hzで
は2次モードによるねじれ振動が惹起され、285Hzでは
左右方向の曲げ振動が惹起された。
そして、切欠部を設けていない締結部材を備えたパワー
ユニットと、締結部材を備えていないパワーユニットと
について、1次モードによる上下方向の曲げ振動が惹起
される周波数と、3次モードによる左右方向の曲げ振動
が惹起される周波数とを測定した。
締結部材を備えていないパワーユニットでは、1次,3次
モードの固有振動は、夫々、191Hz,285Hzで生じた。一
方、締結部材を設けたパワーユニットでは、1次,2次モ
ードの固有振動は、夫々、230Hz,285Hzで生じた。これ
により、締結部材を設けることによって、1次モードに
よる上下方向の固有振動が惹起される周波数は39Hz高く
なっており、上下方向の曲げ振動に対する剛性は大幅に
高められているが、一方3次モードによる左右方向の固
有振動が惹起される周波数は変わらず、したがって、左
右方向の曲げ振動に対する剛性は何ら変化していないこ
とが分かる。すなわち、切欠部が形成されていない締結
部材において、左右方向の曲げ振動に対する振動抑制機
能はほとんどないということになる。したがって、切欠
部を設けたことによって、締結部材の振動抑制機能は実
質的に低下しないということが分かる。すなわち、本考
案にかかる締結部材のように切欠部を設けても、振動抑
制機能は実質的に変わらない。
したがって、本考案によれば、パワーユニットに対する
振動抑制機能を高めつつ、フランジ部の平面度を高めて
組立応力を緩和し、締結部材の耐久性・信頼性の向上を
図ることができる。
なお、上記実施例では、フランジ部13における切欠部21
を、各ボルト貫通孔17a〜17e間の全てに形成している
が、フランジ部13の2つの上端部に位置するボルト貫通
孔17aと17eと、隣り合うボルト貫通孔17bと17dとの間の
み形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案にかかるエンジン・ミッション締結部
材の正面説明図である。 第2図は、第1図に示す締結部材を備えたパワーユニッ
トの斜視図である。 第3図は、第2図に示すパワーユニットの締結部材まわ
りの拡大側面説明図であり、締結部材をトランスミッシ
ョンケースとシリンダブロックとに取り付けた状態を示
す。 第4図は、締結部材に惹起される上下方向の曲げ振動に
よる変位状態を示す図である。 第5図〜第7図は、夫々締結部材に惹起される1次,2
次,3次モードの固有振動による変位(すなわち応力)
の、クランク軸方向(x)と、上下方向(y)と、左右
方向(z)の成分を示す図である。 第8図は、切欠部が形成されていない従来の締結部材の
正面説明図である。 第9図は、第8図に示す締結部材を備えたパワーユニッ
トの締結部材まわりの側面説明図である。 PU……パワーユニット、E……エンジン、T……トラン
スミッション、D……ディファレンシャル装置、2……
シリンダブロック、4……クランク軸、6……トランス
ミッションケース、7……締結部材、11……底面部、12
……曲面部、13……フランジ部、14……取り付け部、18
……締結ボルト、17a〜17e……ボルト貫通孔、21……切
欠部。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジン下方に、略U字状横断面を有し、
    エンジンとトランスミッションとを締結する締結部材が
    設けられたエンジン・ミッション締結部材構造におい
    て、 上記締結部材のU字状外周面に、該締結部材をトランス
    ミッションに締結する複数のボルトを通すボルト貫通孔
    が環状に配列されたフランジ部を連続して形成するとと
    もに、少なくとも上記フランジ部の2つの上端部に夫々
    形成されるボルト貫通孔と、これらと隣り合うボルト貫
    通孔との間に、隣り合うボルト貫通孔の中心同士を結ぶ
    線より内側まで切り欠いたフランジ切欠部を設けたこと
    を特徴とするエンジン・ミッション締結部材構造。
JP1000889U 1989-01-31 1989-01-31 エンジン・ミッション締結部材構造 Expired - Lifetime JPH0712674Y2 (ja)

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