JPH07126520A - 導電性ポリウレタン系弾性体の製法 - Google Patents

導電性ポリウレタン系弾性体の製法

Info

Publication number
JPH07126520A
JPH07126520A JP27681893A JP27681893A JPH07126520A JP H07126520 A JPH07126520 A JP H07126520A JP 27681893 A JP27681893 A JP 27681893A JP 27681893 A JP27681893 A JP 27681893A JP H07126520 A JPH07126520 A JP H07126520A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
urethane prepolymer
elastic body
group
metal salt
conductive polyurethane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27681893A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichiro Hara
浩一郎 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bando Chemical Industries Ltd filed Critical Bando Chemical Industries Ltd
Priority to JP27681893A priority Critical patent/JPH07126520A/ja
Publication of JPH07126520A publication Critical patent/JPH07126520A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 生産効率よく、安全衛生面でも問題なしに導
電性ポリウレタン系弾性体を製造しうる方法を提供する
こと。 【構成】 末端にNCO基を有するウレタンプレポリマ
ーと鎖伸長剤とを混合する際に、あらかじめ無機金属塩
をアルキレンカーボネートに溶解させた無機金属塩溶液
を末端にNCO基を有するウレタンプレポリマーおよび
/または鎖伸長剤に混合することを特徴とする導電性ポ
リウレタン系弾性体の製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性ポリウレタン系
弾性体の製法に関する。さらに詳しくは、各種ベルト、
スクリーン印刷用スキージー、複写機用クリーニングブ
レード、各種ロールなどに好適に使用しうる導電性ポリ
ウレタン系弾性体の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、イオン導電性ポリウレタン系弾性
体は、架橋ポリウレタンを、無機金属塩の有機溶媒溶液
中に浸漬させる方法、セグメント化ポリウレタンおよび
無機金属塩を有機溶媒に溶解させたのち、有機溶媒を揮
散除去させる方法などによってつくられている。
【0003】しかしながら、前者の方法によれば、架橋
されたポリウレタンを無機金属塩の有機溶媒溶液に浸漬
させる際には、該有機溶媒溶液を架橋ポリウレタン中に
充分に含浸させるのに長時間を要するため、生産性や安
全衛生面におとるという問題があった。
【0004】また、後者の方法によれば、有機溶媒を揮
散除去させるのに長時間を要するため、やはり生産性や
安全衛生面におとるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、生産効率よく、安全衛
生面でも問題なしに導電性ポリウレタン系弾性体を製造
しうる方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、末
端にNCO基を有するウレタンプレポリマーと鎖伸長剤
とを混合する際に、あらかじめ無機金属塩をアルキレン
カーボネートに溶解させた無機金属塩溶液を末端にNC
O基を有するウレタンプレポリマーおよび/または鎖伸
長剤に混合することを特徴とする導電性ポリウレタン系
弾性体の製法に関する。
【0007】
【作用および実施例】本発明によれば、前記したよう
に、あらかじめ無機金属塩をアルキレンカーボネートに
溶解させた無機金属塩溶液を末端にNCO基を有するウ
レタンプレポリマーおよび/または鎖伸長剤に混合し、
該末端にNCO基を有するウレタンプレポリマーと鎖伸
長剤とを混合することにより、導電性ポリウレタン系弾
性体がえられる。
【0008】本発明の製法は、従来のように、有機溶媒
溶液を架橋ポリウレタンに含浸させたり、有機溶媒を揮
散除去させる必要がないので、生産効率および安全衛生
面にすぐれた方法である。
【0009】本発明に用いられる無機金属塩の具体例と
しては、たとえばLiClO4 、LiI、LiBr、L
iSCN、LiBF4 、LiAsF6 、LiCF3 SO
3 、LiPF6 、LiN(CF3 SO2 2 などのリチ
ウム金属塩、NaI、NaBF4 、NaSCN、NaB
r、NaB(C6 5 4 などのナトリウム金属塩、K
I、KBF4 、KSCNなどのカリウム金属塩、CsS
CNなどのセシウム金属塩などのアルカリ金属塩;Mg
(ClO4 2 、MgCl2 、MgBr2 、MgI2
Mg(NO3 2 、Mg(SCN)2 、Mg(CF3
3 2 などのマグネシウム金属塩、CaBr2 、Ca
2 、Ca(SCN)2 、Ca(ClO4 2 、Ca
(CF3 SO3 2 などのカルシウム金属塩などのアル
カリ土類金属塩をはじめ、AgNO3 などの銀塩、Cu
Cl2 などの銅塩などの各種金属塩などがあげられ、こ
れらは単独でまたは2種以上を混合して用いることがで
きる。
【0010】本発明に用いられるアルキレンカーボネー
トの代表例としては、たとえばエチレンカーボネート、
プロピレンカーボネートなどがあげられ、これらは単独
でまたは混合して用いることができる。
【0011】前記無機金属塩溶液における無機金属塩の
濃度は、えられる導電性ポリウレタン系弾性体の体積固
有抵抗値(500V)を、たとえば電子写真複写機のク
リーニング工程後の除電部材などに適した104 〜10
11Ω・cmとするために調整されるが、あまりにも高い
ばあいには、残留電荷を除去する効果が不充分となるよ
うになる傾向があり、あまりにも低いばあいには、感光
層にピンホールなどの欠陥があるばあいにピンホール部
に過大な電流が流れて帯電に必要な電圧を維持すること
ができず、また感光ドラムの寿命が短くなる傾向がある
ので、後述するように、ウレタンプレポリマー中に存在
するエーテル結合またはエステル結合中の−O−基1個
あたりの金属イオンの個数が0.0001〜0.5個、
なかんづく0.005〜0.1個となるように調整する
ことが好ましい。
【0012】本発明に用いられる末端にNCO基を有す
るウレタンプレポリマーは、たとえば末端に−OH基ま
たは−NH2 基を有するポリエーテルおよびポリエステ
ルの少なくとも1種とイソシアネートとを反応させるこ
とによってえられる。
【0013】前記末端に−OH基または−NH2 基を有
するポリエーテルの代表例としては、たとえば末端に−
OH基または−NH2 基を有する、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコールなどのポリアルキレングリコールなどがあげ
られる。
【0014】前記末端に−OH基または−NH2 基を有
するポリエステルの代表例としては、たとえば末端に−
OH基または−NH2 基を有する、コハク酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸などの二塩基酸のアルキ
ルエステル、ポリカプロラクトンエステル、ポリカーボ
ネートなどの開環エステルなどがあげられる。
【0015】なお、前記末端に−OH基または−NH2
基を有するポリエーテルおよびポリエステルの重量平均
分子量は、あまりにも大きいばあいには、ウレタンプレ
ポリマーが硬化現象を起こすようになる傾向があり、ま
たあまりにも小さいばあいには、えられる導電性ポリウ
レタン系弾性体が耐寒性におとるようになる傾向がある
ので、500〜5000、なかんづく1000〜300
0であることが好ましい。
【0016】前記イソシアネートの代表例としては、た
とえばトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジ
イソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、フェニ
レンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、トリジンジイソシア
ネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネートなどが
あげられ、これらのイソシアネートは、単独でまたは2
種以上を混合して用いることができる。
【0017】前記末端に−OH基または−NH2 基を有
するポリエーテルおよびポリエステルの少なくとも1種
と、イソシアネートとの配合割合は、−OH基または−
NH2 基/−NCO基の当量比が0.067/1〜0.
95/1、なかんづく0.083/1〜0.77/1と
なるように調整することが好ましい。かかる当量比が
0.067/1よりも小さいばあいには、ポリウレタン
エラストマー形成時に副反応が過剰になり、とくに破断
強度、耐寒性などのポリウレタンエラストマーの物性に
悪影響を及ぼしたり、フリーのNCO基が過剰となって
衛生面が悪化したり、ポットライフが短くなりすぎるよ
うになる傾向があり、また0.95/1よりも大きいば
あいには、ウレタンプレポリマーの粘度が高くなりすぎ
たり、架橋密度が小さくなりすぎてとくに破断強度など
のポリウレタンエラストマーの物性がおとるようになる
傾向がある。
【0018】なお、前記末端にNCO基を有するウレタ
ンプレポリマーの粘度(60℃)は、あまりにも高いば
あいには、注型法によって導電性ポリウレタン系弾性体
をうる際の注型前または注型後の脱ガス処理が困難であ
ったり、複雑な形状の金型を用いたばあいに金型内にウ
レタンプレポリマーが充分に注入されにくくなる傾向が
あり、またあまりにも低いばあいには、撹拌時にウレタ
ンプレポリマーが飛散するようになる傾向があるので、
0.01〜5Pa・s、なかんづく0.1〜3Pa・s
であることが好ましい。
【0019】本発明に用いられる鎖伸長剤の代表例とし
ては、たとえばジエチルトリレンジアミン、ジメチルチ
オトリレンジアミン、メチレンビス−o−クロロアニリ
ン、エチレングリコール、ブチレングリコール、ヒドロ
キノンエチルエーテル、トリメチロールプロパン、トリ
イソプロパノールアミンなどの両末端にOH基またはN
2 基を有する化合物があげられる。これらの鎖伸長剤
のなかでは、金属イオンとの相互作用によってたとえば
弾性率、破断強度、耐寒性などのポリウレタンエラスト
マーの物性が低下するなどの影響を及ぼすおそれがない
といった点から、電子求引性基を有さないものなどが好
ましい。
【0020】本発明においては、無機金属塩をアルキレ
ンカーボネートに溶解させた無機金属塩溶液と、末端に
NCO基を有するウレタンプレポリマーおよび/または
鎖伸長剤とをあらかじめ混合する。混合する方法につい
ては、とくに限定がなく、たとえば無機金属塩溶液中に
ウレタンプレポリマーおよび/または鎖伸長剤を投入し
て撹拌してもよく、またウレタンプレポリマーおよび/
または鎖伸長剤に無機金属塩溶液を投入して撹拌しても
よい。
【0021】なお、前記無機金属塩溶液の配合量は、前
記ウレタンプレポリマー中に存在するエーテル結合また
はエステル結合中の−O−基1個あたり、無機金属塩溶
液に含まれた金属イオンが0.0001〜0.5個、な
かんづく0.005〜0.1個となるように調整するこ
とが好ましい。かかる金属イオンの割合が前記範囲より
も大きいばあいには、粉状(固体)物が表面に析出する
ブルーミング現象が起こったり、過剰の塩が解離せず、
単に混在するのみとなってイオン電導が逆に小さくなる
傾向があり、また前記範囲よりも小さいばあいには、解
離する金属イオン数が少ないため、イオン電導が小さく
なる傾向がある。
【0022】つぎに、末端にNCO基を有するウレタン
プレポリマーと鎮伸長剤とを混合することによって導電
性ポリウレタン組成物がえられる。なお、かかるウレタ
ンプレポリマーと鎖伸長剤とを混合する前には、たとえ
ば真空ポンプなどを用いて脱ガスを行なうことが好まし
い。
【0023】前記末端にNCO基を有するウレタンプレ
ポリマーと鎖伸長剤との配合割合は、通常、鎖伸長剤の
OH基またはNH2 基/ウレタンプレポリマーのNCO
基の当量比が0.75/1〜1.2/1、なかんづく
0.85/1〜1.1/1となるように調整することが
好ましい。かかる当量比が前記範囲よりも大きいばあい
には、とくにえられるポリウレタンの永久歪が大きくな
りすぎるようになる傾向があり、また前記範囲よりも小
さいばあいには、ポリウレタンをうる際の型開き時の強
度が小さく、えられるポリウレタンの破断強度が低下す
るようになる傾向がある。
【0024】かくしてえられた導電性ポリウレタン組成
物は、そのままあるいは必要により加熱することによっ
て熟成させれば、透明な導電性ポリウレタン系弾性体と
なる。
【0025】なお、所望の形状を有する弾性体をうるば
あいには、前記導電性ポリウレタン組成物を所定形状を
有する金型内に注入すればよい。
【0026】前記導電性ポリウレタン系弾性体は、ポリ
ウレタンのソフトセグメントに存在しているエーテル結
合に配位した金属イオンが該ポリウレタン鎖の移動に伴
なって移動するので、導電性を呈する。
【0027】また、前記導電性ポリウレタン系弾性体
は、透明であるので、たとえば異物を容易に発見するこ
とができたり、任意に着色することが可能であるなどと
いった利点を有する。
【0028】つぎに、本発明の導電性ポリウレタン系弾
性体の製法を実施例にもとづいて詳細に説明するが、本
発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0029】製造例1 60℃に予熱された重量平均分子量2000のポリエチ
レングリコール100gと2,4−トリレンジイソシア
ネート21.3gとを混合し(−OH基/NCO基の当
量比:0.56/1)、チッ素ガス雰囲気中で60℃で
3時間反応させて末端にNCO基を有するウレタンプレ
ポリマー(NCO基含量:5重量%、粘度:0.8Pa
・s(60℃))をえた。
【0030】製造例2 60℃に予熱された重量平均分子量1000のポリテト
ラメチレングリコール100gと2,4−トリレンジイ
ソシアネート28.6gとを混合し(−OH基/NCO
基の当量比:0.61/1)、チッ素ガス雰囲気中で6
0℃で3時間反応させて末端にNCO基を有するウレタ
ンプレポリマー(NCO基含量:4.2重量%、粘度
1.3Pa・s(60℃))をえた。
【0031】実施例1 製造例1でえられたウレタンプレポリマー100gと、
該ウレタンプレポリマーに存在するエーテル結合中の−
O−基1個に対してリチウムイオンが0.025個の割
合で存在する量の無水ホウフッ化リチウム(LiB
4 )をエチレンカーボネート25gに溶解させた溶液
とを混合して撹拌し、混合物をえた。えられた混合物の
粘度(60℃)は0.78Pa・sであった。
【0032】つぎに、混合物を真空ポンプを用いて30
分間脱気を行なったのち、鎖伸長剤としてジエチルトリ
レンジアミンを、該ジエチルトリレンジアミンのNH2
基/ウレタンプレポリマーのNCO基の当量比が0.9
/1となるように該混合物に添加し、混合して導電性ポ
リウレタン組成物をえた。
【0033】えられた導電性ポリウレタン組成物を、1
00℃に予熱された金型内に注入し、3時間熟成して導
電性ポリウレタン系弾性体をえた。
【0034】えられた導電性ポリウレタン系弾性体は、
ややコハク色を有した透明な弾性体であり、ゴム硬度H
s70(JIS A)および体積固有抵抗値1.5×1
6Ω・cm(500V)を有していた。
【0035】以上のことから、実施例1の導電性ポリウ
レタン系弾性体の製法によれば、有機溶媒を含浸させた
り、揮散除去させるなどといった煩雑な操作が不要であ
り、安全衛生面でも問題がなく、たとえば複写機用クリ
ーニングブレードなどにも適用しうるゴム硬度および体
積固有抵抗値を有する導電性ポリウレタン系弾性体をう
ることができることがわかる。
【0036】実施例2 製造例2でえられたウレタンプレポリマー100gと、
該ウレタンプレポリマーに存在するエーテル結合中の−
O−基1個に対してリチウムイオンが0.05個の割合
で存在する量の無水ホウフッ化リチウム(LiBF4
をプロピレンカーボネート25gに溶解させた溶液とを
混合して撹拌し、混合物をえた。えられた混合物の粘度
(60℃)は1.2Pa・sであった。
【0037】つぎに、混合物を真空ポンプを用いて30
分間脱気を行なったのち、鎖伸長剤としてジエチルトリ
レンジアミンを、該ジエチルトリレンジアミンのNH2
基/ウレタンプレポリマーのNCO基の当量比が0.9
/1となるように該混合物に添加し、混合して導電性ポ
リウレタン組成物をえた。
【0038】えられた導電性ポリウレタン組成物を、1
00℃に予熱された金型内に注入し、3時間熟成して導
電性ポリウレタン系弾性体をえた。
【0039】えられた導電性ポリウレタン系弾性体は、
ややコハク色を有した透明な弾性体であり、ゴム硬度H
s68(JIS A)および体積固有抵抗値1.5×1
7Ω・cm(500V)を有していた。
【0040】以上のことから、実施例2の導電性ポリウ
レタン系弾性体の製法によれば、有機溶媒を含浸させた
り、揮散除去させるなどといった煩雑な操作が不要であ
り、安全衛生面でも問題がなく、実施例1でえられた導
電性ポリウレタン系弾性体と同様に、たとえば複写機用
クリーニングブレードなどにも適用しうるゴム硬度およ
び体積固有抵抗値を有する導電性ポリウレタン系弾性体
をうることができることがわかる。
【0041】実施例3 実施例2において、無水ホウフッ化リチウム(LiBF
4 )をプロピレンカーボネートに溶解させた溶液を、製
造例2でえられたウレタンプレポリマーと混合するかわ
りに鎮伸長剤であるジエチルトリレンジアミンと混合し
て撹拌し、えられた混合物を脱気したのち、製造例2で
えられたウレタンプレポリマーと混合したほかは、実施
例2と同様にして導電性ポリウレタン系弾性体をえた。
【0042】えられた導電性ポリウレタン系弾性体は、
ややコハク色を有した透明な弾性体であり、ゴム硬度H
s68(JIS A)および体積固有抵抗値1.5×1
7Ω・cm(500V)を有していた。
【0043】以上のことから、実施例3の導電性ポリウ
レタン系弾性体の製法によれば、有機溶媒を含浸させた
り、揮散除去させるなどといった煩雑な操作が不要であ
り、安全衛生面でも問題がなく、実施例1および2でえ
られた導電性ポリウレタン系弾性体と同様に、たとえば
複写機用クリーニングブレードなどにも適用しうるゴム
硬度および体積固有抵抗値を有する導電性ポリウレタン
系弾性体をうることができることがわかる。
【0044】比較例1 60℃に予熱された重量平均分子量1500のポリエチ
レングリコール100gと2,4−トリレンジイソシア
ネート27.4gを混合し、チッ素ガス雰囲気中で60
℃で3時間反応させて末端にNCO基を有するウレタン
プレポリマー(NCO基含量:6重量%、粘度:0.6
5Pa・s(60℃))をえた。
【0045】えられたウレタンプレポリマー100g
と、希釈剤としてジ−2−エチルヘキシルフタレート2
0gと、導電性を付与させるためのマスターバッチ(ジ
−2−エチルヘキシルフタレート18.4gとケッチェ
ンブラック1.6gとの混合物)20gとを混合して混
合物をえた。えられた混合物の粘度(60℃)は2.1
Pa・sであった。
【0046】つぎに、混合物を真空ポンプを用いて30
分間脱気を行なったのち、ケッチェンブラックの沈降に
よる分散不良を解消するために、さらに撹拌を行ない、
ついで鎖伸長剤としてジエチルトリレンジアミンを、該
ジエチルトリレンジアミンのNH2 基/ウレタンプレポ
リマーのNCO基の当量比が0.9/1となるように該
混合物に添加し、混合して導電性ポリウレタン組成物を
えた。
【0047】えられた導電性ポリウレタン組成物を、1
00℃に予熱された金型内に注入し、3時間熟成して導
電性ポリウレタン系弾性体をえた。
【0048】えられた導電性ポリウレタン系弾性体は、
黒色不透明な弾性体であり、ゴム硬度Hs70(JIS
A)および体積固有抵抗値5.2×1011Ω・cm
(500V)を有していた。
【0049】比較例1においては、電気抵抗を下げるた
めのケッチェンブラックなどの導電性微粒子が必要であ
るため、混合物の粘度が高く、加工性におとるという結
果がえられた。
【0050】また、実施例1〜3および比較例1でえら
れた弾性体を刃物で切断したところ、実施例1〜3でえ
られた弾性体には異状が認められなかったが、比較例1
でえられた弾性体にはボイドが認められた。
【0051】以上のことから、実施例1〜3の方法によ
れば、比較例1の方法と対比して、均一な組成を有し、
体積固有抵抗値が小さい弾性体を効率よく製造しうるこ
とがわかる。
【0052】
【発明の効果】本発明の製法によれば、有機溶媒溶液を
架橋ポリウレタンに含浸させたり、有機溶媒を揮散除去
させるといった煩雑な操作が不要であり、安全衛生面で
も問題がなく、均質で透明性を有する導電性ポリウレタ
ン系弾性体をうることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 末端にNCO基を有するウレタンプレポ
    リマーと鎖伸長剤とを混合する際に、あらかじめ無機金
    属塩をアルキレンカーボネートに溶解させた無機金属塩
    溶液を末端にNCO基を有するウレタンプレポリマーお
    よび/または鎖伸長剤に混合することを特徴とする導電
    性ポリウレタン系弾性体の製法。
  2. 【請求項2】 無機金属塩がアルカリ金属塩、アルカリ
    土類金属塩、銀塩または銅塩である請求項1記載の導電
    性ポリウレタン系弾性体の製法。
  3. 【請求項3】 アルキレンカーボネートがエチレンカー
    ボネートまたはプロピレンカーボネートである請求項1
    または2記載の導電性ポリウレタン系弾性体の製法。
JP27681893A 1993-11-05 1993-11-05 導電性ポリウレタン系弾性体の製法 Pending JPH07126520A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27681893A JPH07126520A (ja) 1993-11-05 1993-11-05 導電性ポリウレタン系弾性体の製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27681893A JPH07126520A (ja) 1993-11-05 1993-11-05 導電性ポリウレタン系弾性体の製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07126520A true JPH07126520A (ja) 1995-05-16

Family

ID=17574828

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27681893A Pending JPH07126520A (ja) 1993-11-05 1993-11-05 導電性ポリウレタン系弾性体の製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07126520A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007047568A (ja) * 2005-08-11 2007-02-22 Bridgestone Corp 導電性ローラ及びそれを備えた画像形成装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007047568A (ja) * 2005-08-11 2007-02-22 Bridgestone Corp 導電性ローラ及びそれを備えた画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4851224B2 (ja) リチウム電池及びその製造方法
JP5197905B2 (ja) 電気化学構造部材用フィルム及びそのフィルムの製造方法
DE102019113705A1 (de) Hochleistungselektroden Verwendung von halbkristallinen Bindemitteln
DE102015225719B4 (de) Kathode einer Festkörper- (all-solid-state) -Lithiumionenbatterie und Festkörper-Lithiumionenbatterie, die diese enthält
DE102012022606B4 (de) Partikuläres Elektrodenmaterial mit einer Beschichtung aus einem kristallinen anorganischen Material und einem anorganisch-organischen Hybridpolymer und Verfahren zu dessen Herstellung
CN110112417B (zh) 弹性锂金属负极表面修饰层、其制备方法及锂金属负极
DE112014004424T5 (de) Festelektrolytzusammensetzung, Bindemittel für vollständig im festen Zustand vorliegende Sekundärbatterien und Elektrodenblatt für Batterien und vollständig in festem Zustand vorliegende Sekundärbatterie, die jeweils die Festelektrolytzusammensetzung verwenden
JPH0623305B2 (ja) 固体ポリマー電解質
US10186716B2 (en) Non-aqueous flow cell comprising a polyurethane separator
CN109565075A (zh) 用于锂金属电池的电解质和包含该电解质的锂金属电池
KR20040038909A (ko) 제전성 조성물 및 그 제조방법
KR100271240B1 (ko) 전기화학전지용폴리우레탄기재전해질및그를사용한전기화학전지
JPH06140052A (ja) ゲル状電解質
DE19732658B4 (de) Elektrolytische Zelle und Verfahren zur Herstellung einer elektrolytischen Zelle
DE3200757C1 (de) Flexible elektrolytische Zelle
DE3023970C2 (de) Nichtwäßriges galvanisches Element
JPH07126520A (ja) 導電性ポリウレタン系弾性体の製法
CN1441825A (zh) 具有抗静电性能的聚合薄膜
US11215937B2 (en) Charging roll or developing roll for electrophotographic device
EP3082186A1 (en) Non-aqueous flow cell comprising a polyurethane separator
JP4073246B2 (ja) ポリウレタンアイオノマーおよびその製造方法
KR20070010962A (ko) 유기-무기 하이브리드 일체형 가교 구조의 고체 고분자 전해질 조성물 및 상기 고분자 전해질 조성물로 이루어진 고분자 전해질을 포함하는 리튬이차전지
CN116525779A (zh) 一种复合包覆的转化正极材料及其制备方法和电池
US10347915B2 (en) Multi-functional binders for forming integrated electrodes
JP2000103958A (ja) ポリウレタン