JPH07126153A - 大腸内放出型医薬製剤用粒状物 - Google Patents
大腸内放出型医薬製剤用粒状物Info
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- JPH07126153A JPH07126153A JP30850093A JP30850093A JPH07126153A JP H07126153 A JPH07126153 A JP H07126153A JP 30850093 A JP30850093 A JP 30850093A JP 30850093 A JP30850093 A JP 30850093A JP H07126153 A JPH07126153 A JP H07126153A
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Abstract
効果を発揮させるために経口投与において投与時から大
腸に至るまでの間の消化器内では放出されず、大腸に至
ってはじめて放出が可能となるように設計した大腸放出
型医薬製剤用粒状物を提供する。 【構成】 この粒状物は、次の構成からなる。薬理学的
に許容しうる担体物質をコアとし、そのコアの粒子表面
に(a)非晶質の薬理活性物質と胃内不溶性高分子物質
とからなる混合層が形成されており、(b)上記混合層
の表面に水不溶性でかつ半透膜形成性の高分子物質から
なる層が形成されており、(c)さらに上記(b)の層
の表面に胃内不溶性高分子物質よりなる層が形成されて
いる。 【効果】 1.薬物が大腸へ確実に送達される。 2.水に難溶性の薬物の利用能が向上する。 3.薬物が大腸内で効果的に放出される。
Description
な進歩により、大腸癌や潰瘍性大腸炎、クローン病など
の大腸疾患が著しく増加しつつあり、これらの大腸疾患
に対して有効性の高いしかも副作用の少ない薬物療法の
確立が望まれている。例えば、潰瘍性大腸炎について言
えば、この疾患は大腸の粘膜または粘膜下層がびらんや
潰瘍を形成する原因不明の非特異性炎症であり、病変の
広がりに応じて直腸炎型・左側結腸炎型・全大腸炎型に
分類され、コルチコステロイド投与による薬物療法が重
要な役割を果している。
ない裸錠や顆粒剤として、あるいは腸溶性の剤皮をほど
こした錠剤として経口投与すると、小腸から多くの薬物
が吸収され、血液を介して薬物が全身に送達されるた
め、副腎機能の抑制に伴う副作用の発生頻度が高くな
り、長期間の投与が困難となる。
ら、このような手法とは別に、コルチコステロイドを経
直腸的に注腸剤として投与し、全身作用が少なく患部粘
膜に薬物を直接作用させる注腸療法も試みられている
が、病変部位が深部大腸におよんでいる場合には薬剤が
病変部位に到達せず、治療効果が期待できないという欠
点がある。コルチコステロイドの経口投与において、疾
患部位である大腸に到達した時に初めて薬物が放出され
る剤形が開発されれば、治療効果が高く、かつ、副作用
の少ない薬物療法となる。
についても、このような剤形とすれば大腸疾患に対する
治療効果が期待できる。さらには大腸では小腸に比べて
たん白分解酵素の活性が低いことから、通常の経口投与
では分解され薬効を得ることができないような薬物につ
いて、これを大腸部位で吸収させるということが期待さ
れ、このタイプの大腸放出型製剤の開発が強く要望され
ている。
知られている第一のタイプは、特表昭57−50043
2に示されるような、大腸に到達するまでの消化管内の
移動時間を計算に入れて大腸内で薬物を放出させようと
するタイプのものである。このタイプのものは、エチル
セルロースのような水に不溶でかつ半透膜形成性の高分
子物質で薬剤を被膜し、この被膜の厚さを調節して経口
投与してから消化管内で薬物を放出し始めるまでの時間
を遅延させるというものである。すなわち、薬剤が大腸
に到達するまでの時間を設定し、コーティングフィルム
の厚みを調整することにより、大腸部位付近に到達した
ときに、半透膜を通して薬物が徐々に放出されるように
するというものである。しかしながら、このタイプのも
のは薬剤の消化管内移動時間が他の要因により変動する
要素が多いので、薬物放出制御の確実性に欠けるという
欠点がある。
3号公報に示されるような、消化管内におけるpHを利
用して大腸内で薬物を放出するように制御するタイプの
ものである。人の消化管の中では小腸末端のpHが約7
以上と最も高いので、メタアクリル酸コポリマーSのよ
うなpH7以上で初めて溶解する高分子物質で薬剤を被
膜することにより、経口投与により大腸付近で薬物放出
を制御するというタイプのものである。しかしながら、
このタイプのものでは消化管pHには個体差があるた
め、小腸末端まで薬剤を送達させようとすればコーティ
ングフィルムを厚くしなければならず、この場今厚くし
すぎると薬剤が崩壊せずにそのまま排出されてしまうと
いう場合を生じ、逆にコーティングフィルムの厚さが薄
すぎると大腸に到達する前に薬物が放出されてしまうと
いう可能性があるなど、このタイプのものも薬物放出制
御の確実性に欠ける。
で薬物放出を行わせようとするものである。小腸には微
生物がほとんど存在しないが、大腸には腸内細菌が生育
していることから、微生物によってのみ分解される化学
結合(例えばアゾ結合)を薬物あるいはコーティングフ
ィルムに付与することにより、大腸に到達してから微生
物の作用により薬剤中の薬物あるいは活性成分を放出さ
せるというタイプのものである。しかしながら、このタ
イプのものも大腸に到達するまでの小腸からの吸収も無
視できず、また微生物により分解されて薬物や活性成分
が放出されるまでの時間の点で問題があるなど、大腸内
で薬効を発揮させるというにはその確実性に欠けるとい
う欠点がある。
消化管内のpHあるいは腸内微生物などの条件による単
純な原理に基づいた方法では、薬物を確実に大腸内にお
いて放出させるというには困難性があり、大腸内放出制
御を確実に行わせるためにはさらに微細な条件が必要と
され、これまでにそのための種々の提案が行われてい
る。
れば、有効成分を多粒子多投与形態に処方し、その各粒
子を少なくとも2層の膜で被膜し、その1層がpH5.
5またはこれ以上で溶解し、かつ他の膜がこのようなp
Hで不溶で、しかも腸液を浸透するようにし、回腸及び
結腸の末端で有効成分を放出するという製剤が示されて
いる。
消化管内移動時間により半透膜を形成する膜との組み合
わせを特徴としており、基本的には小腸を起点とした消
化管移動時間による制御方式のタイプである。したがっ
て、胃からの排出時間による影響は考慮されているもの
の、大腸内で薬物を放出させるという目的達成には確実
性に欠ける。また、同公報に示された有効成分を含有す
る固形経口投与形態の製造方法は、通常の造粒方法によ
るものであり、水に難溶性の薬理活性物質を含有する固
形経口投与形態では、薬物の溶出性が悪く、生物学的利
用能が低いので期待するような治療効果が得られない。
れば、同公報には治療用活性物質を含むコアと外部コー
ティングとからなる結腸選択的到達性を持つ経口医薬用
製剤が記載されている。この製剤は、該コーティング
が、7.0以上のpHで可溶性の陰イオン性コポリマー
の内部層;あらゆるpHの腸液中で容易に膨張するゲル
化ポリマーの中間層;及び胃液中では不溶であるが5.
5以上のpHでは可溶性の胃耐性ポリマーの外部層から
なる製剤である。
用した放出制御方式によるものであり、小腸内の消化管
pHが生物学的変異性により、仮にpH7以上となった
場合でも、中間層のゲル化ポリマー層によって腸管通過
時間内に内部層が腸液により影響を受けないように配慮
してあるとはいえ、依然として確実性に欠け、また製剤
が水に難溶性の薬理活性物質を含有するものである場今
には、その薬物の溶出性が悪く、生物学的利用能が低く
なるために治療効果が得られないという欠点がある。さ
らに、中間層に水に可溶のゲル化ポリマーを使用してお
り、コーティング量がコア重量の10ないし40%と多
量となるため製造効率も悪いという欠点もある。
コルチコステロイド等の生物学的に活性な物質を、耐酸
性または放出制御物質と共に固体分散体とする際、分散
体が固化する前に水不溶性担体粒子と混合し、その後、
通常の造粒方法により加工することを特徴とした大腸内
放出制御方法が示されている。この方法では、水に難溶
性の薬物の生物学的利用能を高めるという考え方がとら
れているが、人の消化管のpHは、個体間に差異があ
り、薬剤が大腸へ到達する時間も変動することから、大
腸へ薬物を確実に送達するには一成分の高分子物質の使
用をもって制御するのは困難である。
では、依然として次のような欠点の全てを改善すること
は困難であり、大腸内放出型の薬剤として要望されてい
る期待にこたえることはできないでいる。 大腸に到達する前に溶解する割合が多く、小腸で吸
収されてしまうため、大腸まで有効薬物量が到達しな
い。さらに小腸からの薬物の吸収は全身作用により副作
用を引き起こしやすい。 薬物を大腸まで到達させるために、コーティングフ
ィルムを厚くすると、大腸での薬物の溶出能も低下す
る。 水に難溶性の薬物の場合は、大腸まで送達すること
はできたとしても、有効薬物濃度が得られず、薬効が得
られない。
と水に難溶性の薬物の生物学的利用能の向上により、確
実に大腸内放出を行い得る医薬製造用粒状物を提供しよ
うとするものである。本発明者らは潰瘍性大腸炎のコル
チコステロイド経口投与での全身作用による副腎機能抑
制に起因する副作用の発現頻度の高さに着目し、コルチ
コステロイドを大腸内において放出させることにより、
局所作用による治療を可能にする大腸内放出制御の検討
を行った。一般にコルチコステロイドは水に難溶性であ
り、結晶形のまま大腸内放出型製剤として大腸へ到達さ
せ得たとしても、大腸において局所作用に有効な薬物濃
度を得るということは困難である。
を変えずに、製剤的手段によって溶解性を増す方法を検
討し、固体分散法により固溶体とする方法で水に対する
溶解度を大幅に向上せしめることに成功した。ここにい
う固体分散(solid dispersion)と
は、1種あるいは複数の薬物が不活性担体の中に単分子
状に分散した固体と定義づけられている。固体溶媒(担
体)中に薬物が溶解した固溶体では、薬物は担体中に非
晶質として存在する。本発明においては、本発明者ら
は、医薬品製造許容性の有機溶媒に薬物と高分子物質の
両方を溶解し、次いで溶媒を留去することにより非晶質
化した。薬物が非晶質化されているかどうかは、X線回
折法により確認した。
許容しうる担体物質をコアとして用い、これに水に難溶
性の薬理活性物質と胃内不溶性高分子物質の両者を、医
薬製造許容性の有機溶媒に溶解した溶液をコア粒子表面
に噴霧・乾燥することにより、コア担体物質の粒子表面
に非晶質の薬理活性物質と胃内不溶性高分子物質の混合
層を形成せしめるというものである。
なるコアとは、白糖、結晶セルロースおよびデンプン、
乳糖などの単独あるいは混合物から形成される小さな球
形粒子である。前記の胃内不溶性高分子物質としてはメ
タアクリル酸コポリマーS(1993年版医薬品添加物
規格参照)、メタアクリル酸コポリマーL(1993年
版医薬品添加物規格参照)、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロースフタレート、カルボキシメチルエチ
ルセルロースの単独または2種以上混合した物が例示さ
れる。
性物質としては、その目的からいえば大腸を作用部位と
する難溶性の薬理活性物質が好ましく使用される。例え
ばコルチコステロイドとしてジプロピオン酸ベクロメタ
ゾン、ベタメタゾン、酢酸コルチゾン、酢酸フルドロコ
ルチゾン、ヒドロコルチゾン、酢酸トリアムシノロン、
酢酸パラメタゾン、デキサメタゾン、トリアムシノロ
ン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、アムシノ
ニド、吉草酸酢酸プレドニゾロン、吉草酸ジフルコルト
ロン、吉草酸デキサメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、酢
酸ジフロラゾン、酢酸デキサメタゾン、酢酸ヒドロコル
チゾン、酢酸メチルプレドニゾロン、ジフルプレドナー
ト、ジプロピオン酸ベタメタゾン、トリアムシノロンア
セトニド、ハルシノニド、ピバル酸フルメタゾン、ブデ
ソニド、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、
フルオロメトロン、フルドロキシコルチド、プロピオン
酸アルクロメタゾン、プロピオン酸クロベタゾール、プ
ロピオン酸デキサメタゾン、プロピオン酸デプロドン、
酪酸クロベタゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、酪酸プロピ
オン酸ヒドロコルチゾンなどが例示される。
質の配合比は非晶質化と溶解性を考慮すると重量比で
1:3〜1:20の範囲が好ましい。これをメタノール
やエタノールおよびイソプロピルアルコール、アセトン
などを用いて、これらを単独でまたは水との混合溶液と
して、あるいは前記溶媒を初めとするクロロホルム、ジ
クロルメタン、ジクロルエタンなど医薬製造許容性の有
機溶媒の単独または2つ以上の混合溶媒として用い、こ
の溶液をコア担体物質の粒子表面に、流動層造粒機、遠
心転動造粒機あるいはスパイラフローなどの複合型造粒
機を使用して噴霧・乾燥し、コア担体物質粒子表面に対
し、非晶質の薬理活性物質を含有する胃内不溶性高分子
被膜を形成せしめる。
不溶性でかつ半透膜形成性の高分子物質を、メタノール
やエタノールおよびイソプロピルアルコール、アセトン
などを用いて、これらを単独でまたは水との混合溶液と
して、あるいは前記有機溶媒を初めとするクロロホル
ム、ジクロルメタンなど医薬製造許容性の有機溶媒の単
独または2つ以上の混合溶媒として用い、前記の装置を
用いて連続的に噴霧・乾燥を行う。
とは、いずれのpHの水溶液にも溶解せず、被膜の厚さ
と消化管の滞留時間により、水や薬物を徐々に透過でき
るようになる高分子物質のことをいい、例えば、アミノ
アルキルメタアクリレートコポリマーRS(1993年
版医薬品添加物規格参照)あるいはエチルセルロースを
単独または2種以上の混合物として使用する。この水不
溶性かつ半透膜形成性の高分子物質の使用量は、前記被
膜粒子に対して重量比で約5%以下が好ましい。
同様の胃内不溶性高分子物質を水に懸濁させて使用する
か、メタノールやエタノールおよびイソプロピルアルコ
ール、アセトンなどを用いて、これらを単独でまたは水
との混合溶液として、あるいは前記有機溶媒を初めとす
るクロロホルム、ジクロルメタンなど医薬製造許容性の
有機溶媒の単独または2つ以上の混合溶媒として用い、
前記の装置を用いて連続的に噴霧・乾燥し、大腸放出型
製剤のための医薬製剤用粒子物質を得る。
子物質の個々の粒子径は、消化管通過時間のバラツキを
少なくするため、0.1〜2.0mmであることが好ま
しい。水に懸濁させて使用する胃内不溶性高分子物質と
してはメタアクリル酸コポリマーLD(1993年版医
薬品添加物規格参照)あるいはヒドロキシプロピルメチ
ルセルロースアセテートサクシネートなどが例示され、
溶解して使用する胃内不溶性高分子物質としては、メタ
アクリル酸コポリマーS、メタアクリル酸コポリマー
L、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサ
クシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタ
レート、カルボキシメチルエチルセルロースの単独また
は2種以上の混合物が例示される。
製剤のための医薬製剤用粒子物質は、そのまま顆粒剤と
することもできるがカプセル剤あるいは錠剤に調製する
こともできる。以下に実施例を示す。
ポリマーS(商品名:オイドラギッドS−100:レー
ム ファルム製)を用い、その30.0gをジクロルメ
タン1250mlとエタノール1250mlとの混液に
溶解し、これに薬理活性物質としてジプロピオン酸ベク
ロメタゾン3.0gを溶解し、噴霧コーティング用の溶
液とした。担体コア物質として粒子径が500〜710
μmの球形精製白糖(商品名:ノンパレル103:フロ
イント製)1500.2gを用い、これを遠心転動造粒
機(商品名:CF−360:フロイント製)に入れ、上
記の噴霧コーティング用の溶液を噴霧・乾燥し、担体コ
ア物質の粒子表面に固溶体として非晶質化したジプロピ
オン酸ベクロメタゾンを含有する胃内不溶性高分子物質
の膜を形成させ、粒状物とし遠心転動造粒機のなかで、
約50℃の熱風により15分間乾燥した。
分子物質としてエチルセルロース(信越化学製)17.
5gを用い、この高分子物質を、タルク5.0gを懸濁
させたエタノール500mlと精製水77.5mlとの
混液に溶解し、噴霧コーティング用の溶液とした。この
溶液を上記(1)で得られた粒状物に対し、噴霧・乾燥
することにより、水不溶性でかつ半透膜形成性の高分子
物質の膜を粒状物粒子表面に形成させ、遠心転動造粒機
のなかで、約50℃の熱風で30分間乾燥し、粒状物を
得た。
してメタアクリル酸コポリマーS(商品名:オイドラギ
ッドS−100:レーム ファルム製)115.0gを
使用し、これをクエン酸トリエチル11.6g、タルク
34.8gを溶解または懸濁したジクロルメタン970
mlとエタノール1400mlとの混液に溶解し、この
液を上記(2)で得られた粒状物に噴霧・乾燥した。得
られた粒状物をさらに遠心転動造粒機のなかで、約50
℃の熱風で、30分間乾燥した後、850μmの篩と4
25μmの篩を用いて篩過し、425〜850μmの範
囲の大腸内放出型医薬製剤用粒状物約1436gを得
た。
ポリマーL(商品名:オイドラギッドL−100:レー
ム ファルム製)を用い、その100.0gをジクロル
メタン833mlエタノール833mlとの混液に溶解
し、これに薬理活性物質としてベタメタゾン10.0g
を溶解し、噴霧コーティング用の溶液とした。担体コア
物質として粒子径が500〜710μmの球形精製白糖
(商品名:ノンパレル103:フロイント製)890.
1gを用い、これを遠心転動造粒機(商品名:CF−3
60:フロイント製)に入れ、上記の噴霧コーティング
用の溶液を噴霧・乾燥し、担体コア物質の粒子表面に固
溶体として非晶質化したベタメタゾンを含有する胃内不
溶性高分子物質の膜を形成させ、粒状物とし、遠心転動
造粒機のなかで、約50℃の熱風により15分間乾燥し
た。
分子物質としてエチルセルロース(信越化学製)11.
2gを用い、この高分子物質をタルク3.2gを懸濁さ
せたエタノール320mlと精製水50mlとの混液に
溶解し、噴霧コーティング用の溶液とした。この溶液を
上記(1)で得られた粒状物に対し、噴霧・乾燥するこ
とにより、水不溶性でかつ半透膜形成性の高分子物質の
膜を粒状物粒子表面に形成させ、遠心転動造粒機のなか
で、約50℃の熱風により30分間乾燥し、粒状物を得
た。
してメタアクリル酸コポリマーL(商品名:オイドラギ
ッドL−100:レーム ファルム製)76.5gを使
用して、これをクエン酸トリエチル7.7g、タルク2
3.0gを溶解または懸濁したジクロルメタン640m
lとエタノール935mlとの混液ヘ溶解し、この液を
上記(2)で得られた粒状物に噴霧・乾燥した。得られ
た粒状物をさらに遠心転動造粒機のなかで、約50℃の
熱風で、30分間乾燥した後、850μmの篩と425
μmの篩を用いて篩過し、425〜850μmの範囲の
大腸内放出型医薬製剤用粒状物約972gを得た。
ポリマーS(商品名:オイドラギッドS−100:レー
ム ファルム製)を用い、その100.1gをジクロル
メタン833mlとエタノール833mlとの混液に溶
解し、これに薬理活性物質としてベタメタゾン10.0
gを溶解し、噴霧コーティング用の溶液とした。担体コ
ア物質として粒子径が500〜710μmの球形精製白
糖(商品名:ノンパレル103:フロイント製)89
0.1gを用い、これを遠心転動造粒機(商品名:CF
−360:フロイント製)に入れ、上記の噴霧コーティ
ング用の溶液を噴霧,乾燥し、担体コア物質の粒子表面
に固溶体として非晶質化したベタメタゾンを含有する胃
内不溶性高分子物質の膜を形成させ、粒状物とし遠心転
動造粒機のなかで、約50℃の熱風により15分間乾燥
した。
成性の高分子物質としてエチルセルロース(信越化学
製)11.2gを用い、この高分子物質を、タルク3.
2gを懸濁させたエタノール320mlと精製水50m
lとの混液に溶解し、噴霧コーティング用の溶液とし
た。この溶液を上記(1)で得られた粒状物に対し、噴
霧・乾燥することにより、水不溶性でかつ半透膜形成性
の高分子物質の膜を粒状物粒子表面に形成させ、遠心転
動造粒機のなかで、約50℃の熱風により30分間乾燥
し、粒状物を得た。
してメタアクリル酸コポリマーS(商品名:オイドラギ
ッドS−100:レーム ファルム製)76.5gを使
用し、これをクエン酸トリエチル7.7g、タルク2
3.0gを溶解または懸濁したジクロルメタン640m
lとエタノール935mlとの混液に溶解し、この液を
上記(2)で得られた粒状物に噴霧・乾燥した。得られ
た粒状物をさらに遠心転動造粒機のなかで、約50℃の
熱風により30分間乾燥した後、850μmの篩と42
5μmの篩を用いて篩過し、425〜850μmの範囲
の大腸内放出型医薬製剤用粒状物約981gを得た。
状物を用い、日局溶出試験法第二法により溶出試験を行
った。ジプロピオン酸ベクロメタゾンとして1.5mg
に対応する量の上記の医薬製剤用粒状物を計量し、50
0mlの精製水、および各種pHのリン酸緩衝溶液(p
H6.4、6.8、7.2、7.4)中において、37
℃でパドルを100rpmで回転させ、連続的なフロー
サンプリングシステムを備えた分光器を用いて244n
mにおける吸光度を8時間測定した。その結果を図1に
示す。精製水、pH6.4のリン酸緩衝溶液およびpH
6.8のリン酸緩衝溶液の試験例では薬物の溶出が長時
間抑制されていることからみて、この粒状物は胃や小腸
を通過している間はほとんど薬物を放出しないものであ
ると判断される。
pH7.4のリン酸緩衝溶液の試験例では粒状物から薬
物が速やかに溶出されていることから、この粒状物は小
腸末端に到達して消化管pHが最大になった時に薬物を
放出し、大腸に効率的に薬物を送達するものであると判
断される。また、非晶質化させていないジプロピオン酸
ベクロメタゾンと乳糖の混合物について、pH7.2リ
ン酸緩衝溶液中において前記の溶出試験を行ったとこ
ろ、図2に示すように溶出性が悪いことが認められた。
3mgに相当する量の下記の各粒状物をそれぞれゼラチ
ンカプセルに充填し、それぞれ、ビーグル犬(1群3
匹)を使った投与試験を行い血中濃度を測定した。 検体(A)…実施例2の(3)で得られた大腸内放出型
医薬製剤用粒状物 検体(B)…実施例3の(3)で得られた大腸内放出型
医薬製剤用粒状物 検体(C)…ベタメタゾンを乳糖により均一に倍散した
粉末 検体(D)…実施例3の(1)で得られた粒状物 投与試験の際、サリチルアゾスルファピリジンを一緒に
投与し、大腸の腸内細菌により分子内のアゾ結合が解裂
され、生成したスルファピリジンが血中に出現する時間
を大腸到達の目安とした。
4時間前から絶食させ、投与前、投与後0.5、1、
2、3、4、5、6、7、8、10、12、24、48
各時間の14点で採血を行った。表1に示すような薬物
パラメータが得られ、薬物の多くが大腸近傍に到達して
から吸収されたものと判断された。
を行い、薬物の投与後は、上記の試験条件と同様にして
採血を実施した。得られた結果から表2に示すような薬
物パラメータが得られ、食餌の影響はないことがわか
る。
方法で種々の薬品剤形とすることができ、例えば、錠剤
あるいはカプセル剤など、服用し易い剤形として成型す
ることができる。
粒状物100g、微結晶セルロース27g、低置換度ヒ
ドロキシプロピルセルロース7g、タルク1.5g、ス
テアリン酸マグネシウム0.7gを混合し、打錠して、
錠径11mmおよび8.0mmの各錠剤を得た。これら
の錠剤の崩壊時間は、それぞれ、2分以内であった。
用粒状物と乳糖、微結晶セルロース、デンプンなどの賦
形薬とタルク、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤
とを混合し、ゼラチンカプセルに充填してカプセル剤を
製した。
いての溶出試験における溶出率と溶出時間を種々のpH
環境において測定した結果を示すグラフである。
めの対照例粒状物について、図1と同じ溶出試験におい
てpH=7.2の環境で得られた溶出率と溶出時間を測
定した結果を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 薬理学的に許容しうる担体物質をコアと
し、そのコアの粒子表面に (a)非晶質の薬理活性物質と胃内不溶性高分子物質と
からなる混合層が形成されており、 (b)上記混合層の表面に水不溶性でかつ半透膜形成性
の高分子物質からなる層が形成されており、 (c)さらに上記(b)の層の表面に胃内不溶性高分子
物質よりなる層が形成されている大腸内放出型医薬製剤
用粒状物。
Priority Applications (1)
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